JP3904997B2 - 発光装置及び電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に形成された発光素子を、該基板とカバー材の間に封入した発光パネルに関する。また、該発光パネルにコントローラを含むIC等を実装した、発光モジュールに関する。なお本明細書において、発光パネル及び発光モジュールを共に発光装置と総称する。本発明はさらに、該発光装置を用いた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
発光素子は自ら発光するため視認性が高く、液晶表示装置(LCD)で必要なバックライトが要らず薄型化に最適であると共に、視野角にも制限が無い。そのため近年、発光素子を用いた発光装置は、CRTやLCDに代わる表示装置として注目されている。
【0003】
なお、本明細書において発光素子は、電流または電圧によって輝度が制御される素子を意味しており、OLED(Organic Light Emitting Diode)や、FED(Field Emission Display)に用いられているMIM型の電子源素子(電子放出素子)等を含んでいる。
【0004】
OLEDは、電場を加えることで発生するルミネッセンス(Electroluminescence)が得られる有機化合物(有機発光材料)を含む層(以下、有機発光層と記す)と、陽極層と、陰極層とを有している。有機化合物におけるルミネッセンスには、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とがあるが、本発明の発光装置は、上述した発光のうちの、いずれか一方の発光を用いていても良いし、または両方の発光を用いていても良い。
【0005】
なお、本明細書では、OLEDの陽極と陰極の間に設けられた全ての層を有機発光層と定義する。有機発光層には具体的に、発光層、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等が含まれる。これらの層の中に無機化合物を含んでいる場合もある。基本的にOLEDは、陽極/発光層/陰極が順に積層された構造を有しており、この構造に加えて、陽極/正孔注入層/発光層/陰極や、陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極等の順に積層した構造を有していることもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、有機発光材料の劣化に伴うOLEDの輝度の低下は、発光装置を実用化する上で重大な問題となっている。
【0007】
図18(A)に、発光素子の2つの電極間に一定の電流を供給したときの発光素子の輝度の時間変化を示す。図18(A)に示すように、一定の電流を流していても、時間の経過と共に有機発光材料が劣化し、発光素子の輝度は低くなる。
【0008】
また、図18(B)に、発光素子の2つの電極間に一定の電圧を印加したときの発光素子の輝度の時間変化を示す。図18(B)に示すように、一定の電圧を印加していても、時間の経過と共に発光素子の輝度が低下している。これは、図18(A)に示したように、有機発光材料の劣化により一定の電流に対する輝度が低くなるためと、図18(C)に示すように、一定の電圧を印加したときに発光素子に流れる電流が、時間と共に小さくなるためと考えられる。
【0009】
時間の経過にともなう発光素子の輝度の低下は、発光素子に供給する電流を大きくしたり、または印加する電圧を高くしたりすることで、補うことができる。しかし大抵の場合、表示する画像によって画素毎に表示される階調が異なり、そのため各画素の発光素子の劣化に差が出てしまい、輝度にばらつきが生じる。そして、電圧または電流を供給するための電源を各画素に対応して設けるのは現実的ではないので、全ての画素または幾つかの画素毎に電圧または電流を供給するための共通の電源を設けている。そのため、劣化に伴う発光素子の輝度の低下を補うために、共通の電源から供給される電圧または電流を単純に大きくすると、該電圧または電流が供給された画素全てにおいて平均的に発光素子の輝度が高くなるが、各画素毎の発光素子の輝度のばらつきは解消されない。
【0010】
本発明は上述したことに鑑み、有機発光層の劣化に伴うOLEDの輝度の変化を抑えることができ、なおかつ輝度ムラのない発光装置の提供を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、本発明においては以下のような手段を講じた。
【0012】
本発明の発光装置では、供給される映像信号を常時または定期的にサンプリングして各画素の発光素子の発光する期間(発光期間)または表示する階調を検出し、その検出値の累積、言い換えるとその総和から、最も劣化が著しくて輝度が低下している画素を予測する。そして、該画素の検出値の累積と、あらかじめ記憶してある発光素子の輝度特性の経時変化のデータとを比較して、該画素に供給される電圧を補正し、所望の輝度が得られるようにする。このとき、最も劣化が著しい画素と共通の電源から電圧が供給されている他の画素においては、過剰の電圧が供給されることになるので、最も劣化の著しい画素に比べて輝度が高くなり、階調数が高くなってしまうと考えられる。これらの画素においては、各画素毎に検出値の累積と、あらかじめ記憶してある発光素子の輝度特性の経時変化のデータとを比較して、発光素子の劣化した画素を駆動するための映像信号をその都度補正し、階調数を落とす。
【0013】
なお、本明細書において、映像信号とは画像情報を有するデジタル信号を意味する。
【0014】
上記構成によって、各画素における発光素子の劣化の度合いが異なってしまっても、輝度ムラを生ずることなく画面の輝度の均一性を保つことが出来、なおかつ劣化による輝度の低下を抑えることができる。
【0015】
なお、電源から供給される電圧の値を、最も劣化が著しい画素を基準として補正する必要はなく、最も劣化が小さい画素を基準として補正を行っても良い。この場合、各画素の検出値の累積から、最も劣化が小さくて輝度が高い画素を予測する。そして、該画素の検出値の累積と、あらかじめ記憶してある発光素子の輝度特性の経時変化のデータとを比較して、該画素に供給される電圧を補正し、所望の輝度が得られるようにする。このとき、最も劣化が小さい画素と共通の電源から電圧が供給されている他の画素においては、供給される電圧がまだ不足していることになるので、最も劣化の小さい画素に比べて輝度が低く、階調数が所望の値よりも低いままであると考えられる。これらの画素においては、各画素毎に検出値の累積と、あらかじめ記憶してある発光素子の輝度特性の経時変化のデータとを比較して、発光素子の劣化した画素を駆動するための映像信号をそのつど補正し、階調数を高くする。
【0016】
なお、基準とする画素は、設計者が適宜設定することができる。基準となる画素よりも劣化が進んでいる画素においては、階調数を高めるように映像信号を補正し、劣化が進んでいない画素においては、階調数を落とすように映像信号を補正すれば良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の発光装置の構成について説明する。図1は、本発明の発光装置のブロック図であり、劣化補正装置100と、信号線駆動回路101と、走査線駆動回路102と、画素部103と、電圧源104とを有している。なお、本実施例では劣化補正装置100と電圧源104が、信号線駆動回路101と、走査線駆動回路102と、画素部103とは異なる基板に形成されているが、可能であれば同一基板に形成しても良い。また、本実施の形態では電圧源104は劣化補正装置100に含まれているが、本発明はこの構成に限定されない。電圧源104を設ける位置については、画素の構成によって異なるが、必ず発光素子に印加される電圧の高さを制御できるように接続することが肝要である。
【0018】
画素部103には、発光素子を有する画素が複数備えられている。劣化補正装置100は、発光装置に供給された映像信号をもとに、各画素の発光素子の輝度が一定になるように、電圧源104から各画素の発光素子に供給される電圧及び信号線駆動回路に供給される映像信号を補正する。走査線駆動回路102は、画素部103に備えられた画素を順に選択し、信号線駆動回路101は、入力された補正後の映像信号を基に、走査線駆動回路102に選択された画素に電圧を供給する。
【0019】
本発明の劣化補正装置100は、カウンタ部105、記憶回路部106、補正部107からなる。カウンタ部105はカウンタ113を有し、記憶回路部106は揮発性メモリ108または不揮発性メモリ109を有し、補正部107は映像信号補正回路110、電圧補正回路111及び補正データ格納回路112を有している。
【0020】
次に、劣化補正装置100の動作について説明する。まず、発光装置に用いる発光素子について、その輝度特性の経時変化のデータを、補正データ格納回路112にあらかじめ記憶させておく。このデータは、後に説明するが、主に各画素の発光素子の劣化の程度に従って、電圧源104から画素に供給される電圧及び映像信号の補正を行う際に用いる。
【0021】
続いて、常時または定期的(例えば1秒毎)に、発光装置に供給された映像信号をサンプリングし、該映像信号が有する情報をもとに、各画素における発光素子の発光期間または階調数をカウンタ113においてカウントする。ここでカウントされた各画素における発光期間または階調数は、順次、記憶回路部106にデータとして記憶されていく。ここで、この発光期間または階調数は累積して記憶していく必要があるため、記憶回路部106は不揮発性メモリを用いて構成するのが望ましいが、不揮発性メモリは一般的にその書き込みの回数が限られているため、図1に示すように、発光装置の動作中は揮発性メモリ108を用いて記憶を行い、一定時間毎に(例えば1時間毎、あるいは電源のシャットダウン時など)不揮発性メモリ109に書き込むようにしても良い。
【0022】
また、揮発性メモリとしては、スタティック型メモリ(SRAM)、ダイナミック型メモリ(DRAM)、強誘電体メモリ(FRAM)等が挙げられるが、本発明はこれらを限定することはなく、いずれの型式のメモリを用いて構成しても良い。同様に、不揮発性メモリに関しても、フラッシュメモリを始めとする、一般に用いられているものを用いて構成すれば良い。ただし、揮発性メモリにDRAMを用いる場合には、定期的なリフレッシュ機能を付加する必要がある。
【0023】
揮発性メモリ108または不揮発性メモリ109に記憶された発光期間または階調数の累積したデータは、映像信号補正回路110及び電圧補正回路111に入力される。
【0024】
電圧補正回路111では、あらかじめ補正データ格納回路112に記憶された輝度特性の経時変化のデータと、記憶回路部106に記憶された各画素の発光期間または階調数の累積したデータとを比較し、各画素の劣化の程度を把握する。そして劣化が一番著しい特定の画素を検出し、該特定の画素の劣化の度合いに合わせて、電圧源104から画素部103に供給される電圧の値を補正する。具体的には、該特定の画素において所望の階調を表示することができるように、電圧の値を高くする。
【0025】
該特定の画素に合わせて、画素部103に供給される電圧の値が補正されるので、該特定の画素より劣化が進んでいないその他の画素においては、発光素子に過剰の電圧が供給されることになり、所望の階調が得られない。そこで、映像信号補正回路110によって、その他の画素の階調を決定する映像信号を補正する。映像信号補正回路110には、発光期間または階調数の累積したデータの他に、映像信号が入力されている。映像信号補正回路110では、あらかじめ補正データ格納回路112に記憶された輝度特性の経時変化のデータと、各画素の発光期間または階調数の累積したデータとを比較し、各画素の劣化の程度を把握する。そして劣化が一番著しい特定の画素を検出し、該特定の画素の劣化の度合いに合わせて、入力された映像信号の補正を行う。具体的には、所望の階調数が得られるように映像信号の補正を行う。補正された映像信号は、信号線駆動回路101に入力される。
【0026】
なお、特定の画素は、劣化が最も著しい画素でなくとも良く、劣化が最も進んでいない画素、または設計者が定めた任意の画素であっても良い。いずれの画素を選ぶにしろ、該画素を基準として電圧源104から画素部103に供給される電圧の値を定め、該画素よりも劣化が進んでいる画素においては階調数を高めるように映像信号を補正し、劣化が進んでいない画素においては階調数を落とすように映像信号を補正する。
【0027】
図2に本発明の発光装置が有する画素の一例を示す。図2の画素は、信号線121、走査線122、電源線124、トランジスタTr1、Tr2、保持容量129、発光素子130とを有している。
【0028】
トランジスタTr1のゲートは、走査線122に接続され、ソースとドレインは、一方は信号線121に接続され、もう一方はトランジスタTr2のゲートに接続されている。Tr2のソースとドレインは、一方は電源線124に、もう一方は発光素子130の画素電極に接続されている。保持容量129は、トランジスタTr2のゲートとソースとの間に接続され、トランジスタTr2のゲートとソースの間の電圧を保持する。電源線124および発光素子130の陰極には、それぞれ所定の電位が入力され、互いに電位差を有する。
【0029】
電源線124には、電圧源104から所定の電圧が与えられている。
【0030】
走査線122は、走査線駆動回路102から与えられる電圧により選択され、よってTr1がオンになる。なお、画素部103には複数の画素が備えられており、走査線122も複数備えられている。複数の走査線122は順に選択され、なおかつ互いに選択される期間が重ならない。
【0031】
Tr1がオンになると、信号線駆動回路101によって信号線121に供給された映像信号の電圧が、Tr2のゲートに与えられる。ゲート電圧VGSは、保持容量129において保持される。
【0032】
走査線122が選択されているとき、電源線124に印加する電圧の値の定め方は、2通りある。1つは、該電圧が発光素子130の画素電極に与えられたときに発光素子130が発光しない程度の高さ、もう1つは該電圧が画素電極に与えられたときに発光素子130が発光する程度の高さである。前者の場合、走査線122が選択されているときに発光素子は発光せず、後者の場合、走査線122が選択されているときに発光素子は発光する。電圧のかけ方はいずれの方法を用いても良いが、本実施の形態では前者の場合を例に挙げて説明する。
【0033】
走査線の選択が終了すると、電源線124の電圧は、発光素子130の画素電極に与えられたときに発光素子130が発光する程度の高さに保たれる。このとき、入力された映像信号の電圧と、電源線124の電圧にしたがってTr2のドレイン電流が定まり、発光素子130は該ドレイン電流が供給されて発光する。
【0034】
なお後者の場合、電源線124に与えられる電圧は、画素電極に与えられたときに常に発光素子130が発光する程度の高さに保たれる。
【0035】
本発明の発光装置では、電圧源104から電源線124に供給される電圧の高さを、電圧補正回路111において補正している。なお、映像信号がデジタルの場合、画素に入力される映像信号の電圧は2値のみなので、画素の階調を制御するためには、発光素子130の発光する期間の長さを変えるように映像信号補正回路110において映像信号を補正する。映像信号がアナログの場合は、Tr2のドレイン電流の大きさが変わるように映像信号補正回路110において映像信号を補正し、画素の階調を制御する。
【0036】
図3(A)に本発明の発光装置が有する発光素子における、輝度の時間変化を示す。上記補正によって、発光素子の輝度は一定に保たれる。図3(B)に本発明の発光装置が有する発光素子における、発光素子に印加される電圧の時間変化を示す。劣化に伴う輝度の低下を補うため、発光素子に印加される電圧は増加している。
【0037】
なお、図3では発光素子の輝度が常に一定になるように補正を行っているが、例えば一定期間毎に補正を行った場合は、発光素子の輝度がある程度低下したところで補正が行われるため、常に輝度が一定になるとは限らない。
【0038】
なお、発光素子の劣化がより進むと、発光素子に印加される電圧は際限なく大きくなる。発光素子に印加される電圧が大きくなりすぎると、発光素子の劣化が早くなり、光らない部分(ダークスポット)の発生を促進してしまう。そこで、本発明においては図4に示すように、発光素子に印加される電圧が、初期値に対してある一定の値(α%)だけ増加したら、補正による電圧の増加を停止し、電圧源から発光素子に供給される電圧を一定に保つようにしても良い。
【0039】
なお、本発明の発光装置の画素は、図2に示した構成に限定されない。本発明の画素は、発光素子に印加される電圧を電圧源によって制御することが可能であれば良い。
【0040】
なお、本発明の発光装置では、電源遮断時に、揮発性メモリ108に記憶されている各画素の発光素子の発光期間または階調数の累積したデータを、不揮発性メモリ109に記憶されている発光期間または階調数の累積したデータに加算して記憶しておいても良い。これにより、次回の電源投入後、継続して発光素子の発光期間または階調数の累積したデータの収集が行われる。
【0041】
以上のようにして、常時または定期的に発光素子の発光期間または階調数の検出を行い、発光期間または階調数の累積したデータを記憶しておくことで、あらかじめ記憶してある発光素子の輝度特性の経時変化のデータとを比較して、映像信号をそのつど補正し、劣化した発光素子には、劣化していないものと同等の輝度が達成できるように映像信号に補正を加えることが出来る。よって、輝度ムラを生ずることなく、画面の均一性を保つことが出来る。
【0042】
なお、本実施の形態では発光素子の発光期間または階調数を検出しているが、ある時点における発光素子の発光の有無のみを検出するようにしても良い。そして、発光の有無の検出回数を増やしていき、全検出回数に占める発光素子が発光していた回数の割合から、発光素子の劣化の度合いを推し量ることが可能である。
【0043】
なお、図1では補正後の映像信号をそのまま信号線駆動回路に入力しているが、信号線駆動回路がアナログの映像信号に対応している場合、D/A変換回路を設けてデジタルの映像信号をアナログに変換してから入力するようにしても良い。
【0044】
以上は、発光素子としてOLEDを用いたものを例に挙げて説明したが、本発明の発光装置はOLEDに限らず、PDP、FEDなど他の発光素子を用いていても良い。
【実施例】
以下に本発明の実施例について記述する。
【0045】
(実施例1)
本実施例では、本発明の発光装置の補正部における、映像信号の補正方法について説明する。
【0046】
劣化した発光素子の輝度を信号レベルで補完する方法の1つとして、入力される映像信号にある補正値を加算し、実質的に数階調上の信号に変換することによって、劣化前と同等の輝度を得る方法が挙げられる。これを回路設計で最も簡単に実現するには、上乗せ用の階調を処理出来るだけの回路をあらかじめ用意しておけばよい。
【0047】
具体的には、例えば本発明の劣化補正機能を有する6ビットデジタル階調(64階調)仕様の発光装置の場合、補正を行うための上乗せ用として1ビット分の処理能力を追加し、実質7ビットデジタル階調(128階調)として設計、作成し、通常の動作においては、下位6ビットを使用して動作させる。そして、発光素子に劣化が生じた場合には、通常の映像信号に補正値を加算し、その加算分の信号処理は、前述の上乗せ用1ビットを用いて行う。この場合、MSB(Most Significant Bit:最上位ビット)は信号補正用としてのみ用いられ、実際の表示階調は6ビットである。
【0048】
(実施例2)
本実施例においては、実施例1とは異なった映像信号の補正方法について説明する。
【0049】
図5(A)は、図1の画素部103の拡大図を示している。ここで、画素201〜203の3画素について考える。画素201は、3つの画素のうち最も劣化が進んでいない画素であり、画素202は画素201よりも劣化が進んでおり、画素203は最も劣化が進んでいると仮定する。
【0050】
このとき、劣化が進んでいる画素ほど、輝度の低下も大きい。よって、輝度の補正を行わないと、ある中間調を表示したときに、図5(B)に示すように輝度ムラが生ずる。画素201の輝度に対し、画素202の輝度は低くなり、さらに画素203の輝度は低くなる。
【0051】
次に、実際の補正動作について説明する。発光素子の発光期間または階調数の累積したデータと、劣化に伴う輝度低下との関係をあらかじめ測定しておく。なお、発光期間または階調数の累積したデータと、劣化に伴う発光素子の輝度低下は、必ずしも単調であるとは限らない。発光期間または階調数の累積したデータに対する発光素子の劣化の度合いを、予め補正データ格納回路112に記憶しておく。
【0052】
電圧補正回路111は、補正データ格納回路112に記憶されたデータに基づき、電圧源104から供給される電圧の補正量を決める。電圧の補正量は、基準となる画素における発光期間または階調数の累積したデータをもとに定める。例えば最も劣化が進んでいる画素203を基準とすると、画素203は所望の階調が得られるが、画素201、202においては過剰の電圧が供給されることになるので、映像信号の補正が必要となる。よって、映像信号補正回路110では、劣化が一番著しい特定の画素の劣化の度合いに合わせて、所望の階調数が得られるように入力された映像信号の補正を行う。具体的には、基準となる画素とその他の画素とで、発光期間または階調数の累積したデータを比較し、その階調数の差を算出し、階調数の差を補うように映像信号を補正する。
【0053】
図1において、映像信号補正回路110には、映像信号の入力と、記憶回路部106に記憶されている各画素の発光期間または階調数の累積したデータの読み出しが行われる。読み込まれた各画素の発光期間または階調数の累積したデータと、補正データ格納回路112に記憶された発光期間または階調数の累積したデータに対する発光素子の劣化の度合いとを照らし合わせ、各々の映像信号の補正値を決定する。
【0054】
例えば画素203を基準として補正を行う場合、画素201、202は画素203と劣化の度合いが異なるため、映像信号による階調数の補正が必要となる。画素201は、その発光期間または階調数の累積したデータから、画素202に比べて画素203との劣化の進み具合の差が大きいと予測されるため、画素202よりも大幅な階調数の補正がなされる。
【0055】
図5(C)に、基準となる画素との、発光期間または階調数の累積したデータの差と、映像信号によって補正される階調数の関係を示す。なお、発光期間または階調数の累積したデータと、劣化に伴う発光素子の輝度低下は必ずしも単調であるとは限らなので、映像信号の補正により加算される階調数も、発光期間または階調数の累積したデータに対して必ずしも単調であるとは限らない。以上のように、加算処理による補正によって、均一な輝度の画面を得ることが出来る。
【0056】
本発明の発光装置において、映像信号の各ビットに対応する発光素子の発光する期間(Ts)の長さと階調の関係を、図17を用いて説明する。図17では映像信号が3ビットの場合を例に挙げ、0〜7までの8階調を表示する場合の、1フレーム期間に出現する発光期間の長さを示す。
【0057】
3ビットの映像信号の各ビットは、3つの発光期間Ts1〜Ts3にそれぞれ対応している。Ts1:Ts2:Ts3=22:2:1で表される。なお本実施例では映像信号が3ビットの場合について説明しているが、ビット数はこれに限定されない。例えばnビットの映像信号を用いる場合、発光期間の長さの比は、Ts1:Ts2:…:Tsn−1:Tsn=2n-1:2n-2:…:2:1で表される。
【0058】
1フレーム期間に出現する、発光している発光期間の長さの総和によって、階調数が決まる。例えば全ての発光期間において発光素子が発光している場合は、階調数が7になる。全ての発光期間において発光素子が発光していない場合は、階調数が0になる。
【0059】
そして、例えば画素201、202、203に階調数3を表示させようとして電圧を補正した結果、画素203においては階調数3が得られたが、画素201においては階調数5、画素202においては階調数4が表示されてしまうと仮定する。この場合、画素201においては階調数が2つ高くなっており、画素202においては階調数が1つ高くなっていることになる。
【0060】
よって、映像信号補正回路によって映像信号を補正し、画素201においては所望の階調数3よりも2つ低い階調数1の補正済みの映像信号を入力し、Ts3のみ発光素子が発光するようにする。また、映像信号補正回路によって映像信号を補正し、画素202においては所望の階調数3よりも1つ低い階調数2の補正済みの映像信号を入力し、Ts2のみ発光素子が発光するようにする。
【0061】
なお、本実施例では、最も劣化の著しい画素を基準として補正を行った例について示したが、本発明はこの構成に限定されない。基準とする画素は設計者が適宜設定することができ、該基準となる画素と階調数が一致するように、映像信号を適宜補正するようにすれば良い。
【0062】
最も劣化の小さい画素を基準とする場合、映像信号は加算処理によって補正されており、白表示における補正が利かない(具体的には、例えば6ビット映像信号として、"111111"が入力された場合、これ以上の加算が出来ない)という欠点がある。また、最も劣化が著しい画素を基準とする場合、映像信号は減算処理によって補正されており、加算処理による補正とは逆に、補正の利かない範囲が黒表示の範囲であるため、ほとんど影響がない(具体的には、例えば6ビット映像信号として、"000000"が入力された場合、これ以上の減算を行う必要なく、通常の発光素子と劣化した発光素子との間で正確な黒表示(単に発光素子を非点灯状態としておけばよい)が可能である。また、黒近辺の数階調も、表示装置の対応ビット数がある程度高ければほとんど問題とならない)という特徴がある。両者とも、多階調化に有利な方法である。
【0063】
また例えば、ある階調を境界として、加算処理と減算処理の両方の補正方法を併用することで、双方のデメリットを補うことも有効な手段といえる。
【0064】
(実施例3)
本実施例では、本発明の発光装置が有する信号線駆動回路及び走査線駆動回路の構成について説明する。
【0065】
図6に本実施例の発光装置の駆動回路のブロック図を示す。図6(A)は信号線駆動回路601であり、シフトレジスタ602、ラッチA603、ラッチB604を有している。
【0066】
図6(B)に図6(A)に示した信号線駆動回路のより詳しい構成を示す。
【0067】
信号線駆動回路601において、シフトレジスタ602にクロック信号(CLK)およびスタートパルス(SP)が入力される。シフトレジスタ602は、これらのクロック信号(CLK)およびスタートパルス(SP)に基づきタイミング信号を順に発生させ、バッファ等(図示せず)を通して後段の回路へタイミング信号を順次入力する。
【0068】
シフトレジスタ602からのタイミング信号は、バッファ等によって緩衝増幅される。タイミング信号が入力される配線には、多くの回路あるいは素子が接続されているために負荷容量(寄生容量)が大きい。この負荷容量が大きいために生ずるタイミング信号の立ち上がりまたは立ち下がりの”鈍り”を防ぐために、このバッファが設けられる。なおバッファは必ずしも設ける必要はない。
【0069】
バッファによって緩衝増幅されたタイミング信号は、ラッチA603に入力される。ラッチA603は、劣化補正装置610において補正された補正後映像信号を処理する複数のステージのラッチを有している。ラッチA603は、前記タイミング信号が入力されると、劣化補正装置610から入力される補正後映像信号を順次取り込み、保持する。
【0070】
なお、ラッチA603に映像信号を取り込む際に、ラッチA603が有する複数のステージのラッチに、順に映像信号を入力しても良い。しかし本発明はこの構成に限定されない。ラッチA603が有する複数のステージのラッチをいくつかのグループに分け、各グループごとに並行して同時に映像信号を入力する、いわゆる分割駆動を行っても良い。なおこのときの1つのグループに含まれるステージの数を分割数と呼ぶ。例えば4つのステージごとにラッチをグループに分けた場合、4分割で分割駆動すると言う。
【0071】
ラッチA603の全てのステージのラッチに映像信号の書き込みが一通り終了するまでの時間を、ライン期間と呼ぶ。実際には、上記ライン期間に水平帰線期間が加えられた期間をライン期間に含むことがある。
【0072】
1ライン期間が終了すると、ラッチB604にラッチシグナル(Latch Signal)が入力される。この瞬間、ラッチA603に書き込まれ保持されている映像信号は、ラッチB604に一斉に送出され、ラッチB604の全ステージのラッチに書き込まれ、保持される。
【0073】
映像信号をラッチB604に送出し終えたラッチA603には、シフトレジスタ602からのタイミング信号に基づき、映像信号の書き込みが順次行われる。この2順目の1ライン期間中には、ラッチB603に書き込まれ、保持されている映像信号が信号線に入力される。
【0074】
なお、シフトレジスタの代わりにデコーダ回路等の別の回路を用いて、ラッチ回路に順に映像信号を書きこむようにしても良い。
【0075】
図7は走査線駆動回路の構成を示すブロック図である。走査線駆動回路605は、それぞれシフトレジスタ606、バッファ607を有している。また場合によってはレベルシフタを有していても良い。
【0076】
走査線駆動回路605において、シフトレジスタ606からのタイミング信号がバッファ607に入力され、対応する走査線に入力される。走査線には、1ライン分の画素の、スイッチング素子として機能するTFTのゲートが接続されている。そして、1ライン分の画素のTFTを一斉にONにしなくてはならないので、バッファは大きな電流を流すことが可能なものが用いられる。
【0077】
なお、シフトレジスタの代わりにデコーダ回路等の別の回路を用いて、ゲート信号を選択し、タイミング信号を供給するようにしても良い。
【0078】
本発明において用いられる駆動回路は、本実施例で示した構成に限定されない。本実施例の構成は、実施例1または2と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0079】
(実施例4)
実施の形態で示した本発明の発光装置は、劣化補正装置が画素部の形成されている基板とは異なる基板に形成されていた。そして、発光装置に供給された映像信号が、映像信号補正回路において補正された後に、FPCを介して画素部と同じ基板に形成された信号線駆動回路に入力されていた。このような方法によるメリットとしては、劣化補正装置のユニット化による互換性があり、一般的な発光パネルを、そのまま用いることが出来るというのが挙げられる。本実施例では、劣化補正装置を画素部、信号線駆動回路及び走査線駆動回路と同じ基板に形成し、部品点数の大幅削減による低コスト化、省スペース化、高速駆動を実現する例について説明する。
【0080】
劣化補正装置を画素部、信号線駆動回路及び走査線駆動回路と同一の基板に一体形成した、本発明の発光装置の構成を、図8に示す。基板401上に、信号線駆動回路402、走査線駆動回路403、画素部404、電源線405、FPC406及び劣化補正装置407が一体形成されている。無論、基板上のレイアウトは図の例に限定しないが、信号線等の配置、配線長等を考慮しつつ、ブロックごとに近接するように配置するのが望ましい。
【0081】
映像信号は、外部の映像ソースからFPC406を介して劣化補正装置407内の映像信号補正回路に入力される。その後、補正が行われた補正済み映像信号が信号線駆動回路402に入力される。
【0082】
一方、劣化補正装置内の電圧補正回路において、電圧源から出力される電圧量が補正される。なお、本実施例では、劣化補正装置が有する電圧源から出力される電圧の高さを電圧補正回路において補正しているが、本実施例はこの構成に限定されない。発光素子に印加される電圧の高さを制御する電圧源は、必ずしも劣化補正装置内に設けられている必要はない。
【0083】
図8に示した例では、FPC406と信号線駆動回路402との間に劣化補正装置407を配置しており、制御信号の引き回しが容易となっている。
【0084】
本実施例は、実施例1〜実施例3と組み合わせて実施することが可能である。
【0085】
(実施例5)
本実施例では、本発明の発光装置が有する画素の構成について、図9に示した回路図を用いて説明する。
【0086】
本実施例の画素800の回路図を図9に示す。画素800は信号線Si(S1〜Sxのうちの1つ)、電圧源に接続された電源線Vi(V1〜Vxのうちの1つ)、第1走査線Gaj(Ga1〜Gayのうちの1つ)、第2走査線Gej(Ge1〜Geyのうちの1つ)を有している。
【0087】
また画素800は、トランジスタTr1、Tr2、Tr3と、保持容量801と、発光素子802とを有している。Tr1のゲートは、第1走査線Gajに接続されている。Tr1のソースとドレインは、一方が信号線Siに、もう一方がTr2のゲートに接続されている。
【0088】
トランジスタTr3のゲートは第2走査線Gejに接続されている。Tr3のソースとドレインは、一方は電源線Viに、もう一方はTr2のゲートに接続されている。
【0089】
保持容量801が有する2つの電極は、一方は電源線Viに、もう一方がTr2のゲートに接続されている。保持容量801はTr1が非選択状態(オフ状態)にある時、Tr2のゲート電圧を保持するために設けられている。なお本実施例では保持容量801を設ける構成を示したが、本発明はこの構成に限定されず、保持容量801を設けなくても良い。
【0090】
Tr2のソースとドレインは、一方は電源線Viに、もう一方は発光素子802が有する画素電極に接続されている。
【0091】
発光素子802は陽極と陰極と、陽極と陰極との間に設けられた有機発光層とからなる。陽極がTr2のソースまたはドレインと接続している場合、陽極が画素電極、陰極が対向電極となる。逆に陰極がTr2のソースまたはドレインと接続している場合、陰極が画素電極、陽極が対向電極となる。
【0092】
電源線Viに与えられる電圧は、劣化補正装置が有する電圧補正回路において補正される。また、信号線Siに入力される映像信号は、劣化補正装置が有する映像信号補正回路において補正される。
【0093】
Tr1、Tr2、Tr3は、nチャネル型TFTでもpチャネル型TFTでもどちらでも用いることができる。またTr1、Tr2、Tr3は、シングルゲート構造ではなく、ダブルゲート構造、やトリプルゲート構造などのマルチゲート構造を有していても良い。
【0094】
本実施例は、実施例1〜4と組み合わせて実施することが可能である。
【0095】
(実施例6)
本実施例では、本発明の発光装置の作製方法について説明する。なお、本実施例では、図2に示した画素の作製方法を例にとって説明するが、本実施例の作製方法は、本発明の他の構成を有する画素にも適用させることが可能である。また本実施例では、画素が有するトランジスタTr1、Tr2の断面図を示す。また本実施例では、画素部の周辺に設けられる駆動回路(信号線駆動回路、走査線駆動回路)が有するTFTを、画素部のTFTと同一基板上に同時に形成する例を示す。
【0096】
まず、図10(A)に示すように、コーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスから成る基板301上に酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜から成る下地膜302を形成する。例えば、プラズマCVD法でSiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜302aを10〜200nm(好ましくは50〜100nm)形成し、同様にSiH4、N2Oから作製される酸化窒化水素化シリコン膜302bを50〜200nm(好ましくは100〜150nm)の厚さに積層形成する。本実施例では下地膜302を2層構造として示したが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層させた構造として形成しても良い。
【0097】
島状半導体層303〜306は、非晶質構造を有する半導体膜をレーザー結晶化法や公知の熱結晶化法を用いて作製した結晶質半導体膜で形成する。この島状半導体層303〜306の厚さは25〜80nm(好ましくは30〜60nm)の厚さで形成する。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiGe)合金などで形成すると良い。
【0098】
レーザー結晶化法で結晶質半導体膜を作製する場合は、パルス発振型または連続発光型のエキシマレーザーやYAGレーザー、YVO4レーザーを用いる。これらのレーザーを用いる場合には、レーザー発振器から放射されたレーザー光を光学系で線状に集光し、半導体膜に照射する方法を用いると良い。結晶化の条件は実施者が適宣選択するものであるが、エキシマレーザーを用いる場合はパルス発振周波数300Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜400mJ/cm2(代表的には200〜300mJ/cm2)とする。また、YAGレーザーを用いる場合にはその第2高調波を用いパルス発振周波数30〜300kHzとし、レーザーエネルギー密度を300〜600mJ/cm2(代表的には350〜500mJ/cm2)とすると良い。そして幅100〜1000μm、例えば400μmで線状に集光したレーザー光を基板全面に渡って照射し、この時の線状レーザー光の重ね合わせ率(オーバーラップ率)を50〜90%として行う。
【0099】
なおレーザーは、連続発振またはパルス発振の気体レーザもしくは固体レーザを用いることができる。気体レーザーとして、エキシマレーザ、Arレーザ、Krレーザなどがあり、固体レーザとして、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライドレーザ、Ti:サファイアレーザなどが挙げられる。固体レーザーとしては、Cr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmがドーピングされたYAG、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶を使ったレーザー等も使用可能である。当該レーザーの基本波はドーピングする材料によって異なり、1μm前後の基本波を有するレーザー光が得られる。基本波に対する高調波は、非線形光学素子を用いることで得ることができる。
【0100】
またさらに、固体レーザーから発せられらた赤外レーザー光を非線形光学素子でグリーンレーザー光に変換後、さらに別の非線形光学素子によって得られる紫外レーザー光を用いることもできる。
【0101】
非晶質半導体膜の結晶化に際し、大粒径に結晶を得るためには、連続発振が可能な固体レーザを用い、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。代表的には、Nd:YVO4レーザー(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を適用するのが望ましい。具体的には、出力10Wの連続発振のYVO4レーザから射出されたレーザ光を非線形光学素子により高調波に変換する。また、共振器の中にYVO4結晶と非線形光学素子を入れて、高調波を射出する方法もある。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザ光に成形して、被処理体に照射する。このときのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、10〜2000cm/s程度の速度でレーザ光に対して相対的に半導体膜を移動させて照射する。
【0102】
次いで、島状半導体層303〜306を覆うゲート絶縁膜307を形成する。ゲート絶縁膜307はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを40〜150nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成する。本実施例では、120nmの厚さで酸化窒化シリコン膜で形成する。勿論、ゲート絶縁膜はこのような酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。例えば、酸化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Orthosilicate)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)、電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することが出来る。このようにして作製される酸化シリコン膜は、その後400〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜として良好な特性を得ることが出来る。
【0103】
そして、ゲート絶縁膜307上にゲート電極を形成するための第1の導電膜308と第2の導電膜309とを形成する。本実施例では、第1の導電膜308をTaで50〜100nmの厚さに形成し、第2の導電膜309をWで100〜300nmの厚さに形成する。
【0104】
Ta膜はスパッタ法で、TaのターゲットをArでスパッタすることにより形成する。この場合、Arに適量のXeやKrを加えると、Ta膜の内部応力を緩和して膜の剥離を防止することが出来る。また、α相のTa膜の抵抗率は20μΩcm程度でありゲート電極に使用することが出来るが、β相のTa膜の抵抗率は180μΩcm程度でありゲート電極とするには不向きである。α相のTa膜を形成するために、Taのα相に近い結晶構造をもつ窒化タンタルを10〜50nm程度の厚さでTaの下地に形成しておくとα相のTa膜を容易に得ることが出来る。
【0105】
W膜を形成する場合には、Wをターゲットとしたスパッタ法で形成する。その他に6フッ化タングステン(WF6)を用いる熱CVD法で形成することも出来る。いずれにしてもゲート電極として使用するためには低抵抗化を図る必要があり、W膜の抵抗率は20μΩcm以下にすることが望ましい。W膜は結晶粒を大きくすることで低抵抗率化を図ることが出来るが、W中に酸素などの不純物元素が多い場合には結晶化が阻害され高抵抗化する。このことより、スパッタ法による場合、純度99.9999%または純度99.99 %のWターゲットを用い、さらに成膜時に気相中からの不純物の混入がないように十分配慮してW膜を形成することにより、抵抗率9〜20μΩcmを実現することが出来る。
【0106】
なお、本実施例では、第1の導電膜308をTa、第2の導電膜309をWとしたが、特に限定されず、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、Cuなどから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いてもよい。本実施例以外の他の組み合わせの一例で望ましいものとしては、第1の導電膜308を窒化タンタル(TaN)で形成し、第2の導電膜309をWとする組み合わせ、第1の導電膜308を窒化タンタル(TaN)で形成し、第2の導電膜309をAlとする組み合わせ、第1の導電膜308を窒化タンタル(TaN)で形成し、第2の導電膜309をCuとする組み合わせが挙げられる。(図10(A))
【0107】
次に、レジストによるマスク310を形成し、電極及び配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。本実施例ではICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング用ガスにCF4とCl2を混合し、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して行う。基板側(試料ステージ)にも100WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。CF4とCl2を混合した場合にはW膜及びTa膜とも同程度にエッチングされる。
【0108】
上記エッチング条件では、レジストによるマスクの形状を適したものとすることにより、基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電層及び第2の導電層の端部がテーパー形状となる。テーパー部の角度は15〜45°となる。ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。W膜に対する酸化窒化シリコン膜の選択比は2〜4(代表的には3)であるので、オーバーエッチング処理により、酸化窒化シリコン膜が露出した面は20〜50nm程度エッチングされることになる。こうして、第1のエッチング処理により第1の導電層と第2の導電層から成る第1の形状の導電層311〜314(第1の導電層311a〜314aと第2の導電層311b〜314b)を形成する。このとき、ゲート絶縁膜307においては、第1の形状の導電層311〜314で覆われない領域は20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。また、マスク310も上記エッチングにより表面がエッチングされた。
【0109】
そして、第1のドーピング処理を行いn型を付与する不純物元素を添加する。ドーピングの方法はイオンドープ法もしくはイオン注入法で行えば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1014atoms/cm2とし、加速電圧を60〜100keVとして行う。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いるが、ここではリン(P)を用いる。この場合、導電層311〜314がn型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、自己整合的に第1の不純物領域317〜320が形成される。第1の不純物領域317〜320には1×1020〜1×1021atoms/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加する。(図10(B))
【0110】
次に、図10(C)に示すように、レジストマスク310は除去しないまま、第2のエッチング処理を行う。エッチングガスにCF4とCl2とO2とを用い、W膜を選択的にエッチングする。この時、第2のエッチング処理により第2の形状の導電層325〜328(第1の導電層325a〜328aと第2の導電層325b〜328b)を形成する。このとき、ゲート絶縁膜307においては、第2の形状の導電層325〜328で覆われない領域はさらに20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
【0111】
W膜やTa膜のCF4とCl2の混合ガスによるエッチング反応は、生成されるラジカルまたはイオン種と反応生成物の蒸気圧から推測することが出来る。WとTaのフッ化物と塩化物の蒸気圧を比較すると、Wのフッ化物であるWF6が極端に高く、その他のWCl5、TaF5、TaCl5は同程度である。従って、CF4とCl2の混合ガスではW膜及びTa膜共にエッチングされる。しかし、この混合ガスに適量のO2を添加するとCF4とO2が反応してCOとFになり、FラジカルまたはFイオンが多量に発生する。その結果、フッ化物の蒸気圧が高いW膜のエッチング速度が増大する。一方、TaはFが増大しても相対的にエッチング速度の増加は少ない。また、TaはWに比較して酸化されやすいので、O2を添加することでTaの表面が酸化される。Taの酸化物はフッ素や塩素と反応しないためさらにTa膜のエッチング速度は低下する。従って、W膜とTa膜とのエッチング速度に差を作ることが可能となりW膜のエッチング速度をTa膜よりも大きくすることが可能となる。
【0112】
そして、図11(A)に示すように第2のドーピング処理を行う。この場合、第1のドーピング処理よりもドーズ量を下げて高い加速電圧の条件としてn型を付与する不純物元素をドーピングする。例えば、加速電圧を70〜120keVとし、1×1013atoms/cm2のドーズ量で行い、図10(B)で島状半導体層に形成された第1の不純物領域の内側に新たな不純物領域を形成する。ドーピングは、第2の形状の導電層325〜328を不純物元素に対するマスクとして用い、第1の導電層325a〜328aの下側の領域にも不純物元素が添加されるようにドーピングする。こうして、第3の不純物領域332〜335が形成される。この第3の不純物領域332〜335に添加されたリン(P)の濃度は、第1の導電層325a〜328aのテーパー部の膜厚に従って緩やかな濃度勾配を有している。なお、第1の導電層325a〜328aのテーパー部と重なる半導体層において、第1の導電層325a〜328aのテーパー部の端部から内側に向かって若干、不純物濃度が低くなっているものの、ほぼ同程度の濃度である。
【0113】
図11(B)に示すように第3のエッチング処理を行う。エッチングガスにCHF6を用い、反応性イオンエッチング法(RIE法)を用いて行う。第3のエッチング処理により、第1の導電層325a〜328aのテーパー部を部分的にエッチングして、第1の導電層が半導体層と重なる領域が縮小される。第3のエッチング処理によって、第3の形状の導電層336〜339(第1の導電層336a〜339aと第2の導電層336b〜339b)を形成する。このとき、ゲート絶縁膜307においては、第3の形状の導電層336〜339で覆われない領域はさらに20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
【0114】
第3のエッチング処理によって、第3の不純物領域332〜335においては、第1の導電層336a〜339aと重なる第3の不純物領域332a〜335aと、第1の不純物領域と第3の不純物領域との間の第2の不純物領域332b〜335bとが形成される。
【0115】
そして、図11(C)に示すように、pチャネル型TFTを形成する島状半導体層303、306に第1の導電型とは逆の導電型の第4の不純物領域343〜348を形成する。第3の形状の導電層336b、339bを不純物元素に対するマスクとして用い、自己整合的に不純物領域を形成する。このとき、nチャネル型TFTを形成する島状半導体層304、305は、レジストマスク350で全面を被覆しておく。不純物領域343〜348にはそれぞれ異なる濃度でリンが添加されているが、ジボラン(B26)を用いたイオンドープ法で形成し、そのいずれの領域においても不純物濃度が2×1020〜2×1021atoms/cm3となるようにする。
【0116】
以上までの工程でそれぞれの島状半導体層に不純物領域が形成される。島状半導体層と重なる第3の形状の導電層336〜339がゲート電極として機能する。
【0117】
レジストマスク350を除去した後、導電型の制御を目的として、それぞれの島状半導体層に添加された不純物元素を活性化する工程を行う。この工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。その他に、レーザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することが出来る。熱アニール法では酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には500〜600℃で行うものであり、本実施例では500℃で4時間の熱処理を行う。ただし、第3の形状の導電層336〜339に用いた配線材料が熱に弱い場合には、配線等を保護するため層間絶縁膜(シリコンを主成分とする)を形成した後で活性化を行うことが好ましい。
【0118】
レーザーアニール法を用いる場合、結晶化の際に用いたレーザーを使用することが可能である。活性化の場合は、移動速度は結晶化と同じにし、0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.01〜10MW/cm2)のエネルギー密度が必要となる。
【0119】
さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行い、島状半導体層を水素化する工程を行う。この工程は熱的に励起された水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。
【0120】
次いで、図12(A)に示すように、第1の層間絶縁膜355を酸化窒化シリコン膜から100〜200nmの厚さで形成する。その上に有機絶縁物材料から成る第2の層間絶縁膜356を形成した後、第1の層間絶縁膜355、第2の層間絶縁膜356、およびゲート絶縁膜307に対してコンタクトホールを形成し、接続配線357〜362をパターニング形成する。なお362は電源線であり、360は信号線である。
【0121】
第2の層間絶縁膜356としては、有機樹脂を材料とする膜を用い、その有機樹脂としてはポリイミド、ポリアミド、アクリル、BCB(ベンゾシクロブテン)等を使用することが出来る。特に、第2の層間絶縁膜356は平坦化の意味合いが強いので、平坦性に優れたアクリルが好ましい。本実施例ではTFTによって形成される段差を十分に平坦化しうる膜厚でアクリル膜を形成する。好ましくは1〜5μm(さらに好ましくは2〜4μm)とすれば良い。
【0122】
コンタクトホールの形成は、ドライエッチングまたはウエットエッチングを用い、n型の不純物領域318、319またはp型の不純物領域345、348に達するコンタクトホール、容量配線(図示せず)に達するコンタクトホール(図示せず)をそれぞれ形成する。
【0123】
また、接続配線357〜362として、Ti膜を100nm、Tiを含むアルミニウム膜を300nm、Ti膜150nmをスパッタ法で連続形成した3層構造の積層膜を所望の形状にパターニングしたものを用いる。勿論、他の導電膜を用いても良い。
【0124】
次に、接続配線(接続配線)362に接する画素電極365をパターニング形成する。
【0125】
また、本実施例では、画素電極365としてITO膜を110nmの厚さに形成し、パターニングを行った。画素電極365を接続配線362と接するように配置することでコンタクトを取っている。また、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合した透明導電膜を用いても良い。この画素電極365がOLEDの陽極となる。(図12(A))
【0126】
次に、図12(B)に示すように、珪素を含む絶縁膜(本実施例では酸化珪素膜)を500nmの厚さに形成し、画素電極365に対応する位置に開口部を形成して、バンクとして機能する第3の層間絶縁膜366を形成する。開口部を形成する際、ウエットエッチング法を用いることで容易にテーパー形状の側壁とすることが出来る。開口部の側壁が十分になだらかでないと段差に起因する有機発光層の劣化が顕著な問題となってしまうため、注意が必要である。
【0127】
次に、有機発光層367および陰極(MgAg電極)368を、真空蒸着法を用いて大気解放しないで連続形成する。なお、有機発光層367の膜厚は80〜200nm(典型的には100〜120nm)、陰極368の厚さは180〜300nm(典型的には200〜250nm)とすれば良い。
【0128】
この工程では、赤色に対応する画素、緑色に対応する画素および青色に対応する画素に対して順次、有機発光層および陰極を形成する。但し、有機発光層は溶液に対する耐性に乏しいためフォトリソグラフィ技術を用いずに各色個別に形成しなくてはならない。そこでメタルマスクを用いて所望の画素以外を隠し、必要箇所だけ選択的に有機発光層を形成するのが好ましい。
【0129】
即ち、まず赤色に対応する画素以外を全て隠すマスクをセットし、そのマスクを用いて赤色発光の有機発光層を選択的に形成する。次いで、緑色に対応する画素以外を全て隠すマスクをセットし、そのマスクを用いて緑色発光の有機発光層を選択的に形成する。次いで、同様に青色に対応する画素以外を全て隠すマスクをセットし、そのマスクを用いて青色発光の有機発光層を選択的に形成する。なお、ここでは全て異なるマスクを用いるように記載しているが、同じマスクを使いまわしても構わない。
【0130】
ここではRGBに対応した3種類のOLEDを形成する方式を用いたが、白色発光のOLEDとカラーフィルタを組み合わせた方式、青色または青緑発光のOLEDと蛍光体(蛍光性の色変換層:CCM)とを組み合わせた方式、陰極(対向電極)に透明電極を利用してRGBに対応したOLEDを重ねる方式などを用いても良い。
【0131】
なお、有機発光層367としては公知の材料を用いることが出来る。公知の材料としては、駆動電圧を考慮すると有機材料を用いるのが好ましい。例えば正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子注入層でなる4層構造を有機発光層とすれば良い。
【0132】
次に陰極368を形成する。なお本実施例では陰極368としてMgAgを用いたが、本発明はこれに限定されない。陰極368として他の公知の材料を用いても良い。
【0133】
なお図示しないが、陰極を薄膜化することによって、光を上方に取り出すことも可能である。
【0134】
画素電極365と、有機発光層367と、陰極368とが重なっている部分が、OLED375に相当する。
【0135】
また、次に保護電極369を蒸着法により形成する。保護電極369は、大気開放せずに陰極368と連続して形成しても良い。保護電極369は有機発光層367を水分や酸素から保護するのに有効である
【0136】
また、保護電極369は陰極368の劣化を防ぐために設けられ、アルミニウムを主成分とする金属膜が代表的である。勿論、他の材料でも良い。また、有機発光層367、陰極368は非常に水分に弱いので、保護電極369までを大気解放しないで連続的に形成し、外気から有機発光層を保護することが望ましい。
【0137】
最後に、窒化珪素膜でなるパッシベーション膜370を300nmの厚さに形成する。パッシベーション膜370を形成しておくことで、有機発光層367を水分等から保護することができ、OLEDの信頼性をさらに高めることが出来る。なおパッシベーション膜370は必ずしも設ける必要はない。
【0138】
こうして図12(B)に示すような構造の発光装置が完成する。371は駆動回路部のpチャネル型TFT、372は駆動回路部のnチャネル型TFT、373はトランジスタTr3、374はトランジスタTr2に相当する。
【0139】
ところで、本実施例の発光装置は、画素部だけでなく駆動回路にも最適な構造のTFTを配置することにより、非常に高い信頼性を示し、動作特性も向上しうる。また結晶化工程においてNi等の金属触媒を添加し、結晶性を高めることも可能である。それによって、信号線駆動回路の駆動周波数を10MHz以上にすることが可能である。
【0140】
なお、実際には図12(B)の状態まで完成したら、さらに外気に曝されないように、気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(ラミネートフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)や透光性のシーリング材でパッケージング(封入)することが好ましい。その際、シーリング材の内部を不活性雰囲気にしたり、内部に吸湿性材料(例えば酸化バリウム)を配置したりするとOLEDの信頼性が向上する。
【0141】
また、パッケージング等の処理により気密性を高めたら、基板上に形成された素子又は回路から引き回された端子と外部信号端子とを接続するためのコネクタを取り付ける。
【0142】
また、本実施例で示す工程に従えば、発光装置の作製に必要なフォトマスクの数を抑えることが出来る。その結果、工程を短縮し、製造コストの低減及び歩留まりの向上に寄与することが出来る。
【0143】
本実施例は、実施例1〜5と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0144】
(実施例7)
本発明において、三重項励起子からの燐光を発光に利用できる有機発光材料を用いることで、外部発光量子効率を飛躍的に向上させることができる。これにより、発光素子の低消費電力化、長寿命化、および軽量化が可能になる。
【0145】
ここで、三重項励起子を利用し、外部発光量子効率を向上させた報告を示す。
(T.Tsutsui, C.Adachi, S.Saito, Photochemical Processes in Organized Molecular Systems, ed.K.Honda, (Elsevier Sci.Pub., Tokyo,1991) p.437.)
【0146】
上記の論文により報告された有機発光材料(クマリン色素)の分子式を以下に示す。
【0147】
【化1】
Figure 0003904997
【0148】
(M.A.Baldo, D.F.O'Brien, Y.You, A.Shoustikov, S.Sibley, M.E.Thompson, S.R.Forrest, Nature 395 (1998) p.151.)
【0149】
上記の論文により報告された有機発光材料(Pt錯体)の分子式を以下に示す。
【0150】
【化2】
Figure 0003904997
【0151】
(M.A.Baldo, S.Lamansky, P.E.Burrrows, M.E.Thompson, S.R.Forrest, Appl.Phys.Lett.,75 (1999) p.4.) (T.Tsutsui, M.-J.Yang, M.Yahiro, K.Nakamura, T.Watanabe, T.tsuji, Y.Fukuda, T.Wakimoto, S.Mayaguchi, Jpn.Appl.Phys., 38 (12B) (1999) L1502.)
【0152】
上記の論文により報告された有機発光材料(Ir錯体)の分子式を以下に示す。
【0153】
【化3】
Figure 0003904997
【0154】
以上のように三重項励起子からの燐光発光を利用できれば原理的には一重項励起子からの蛍光発光を用いる場合より3〜4倍の高い外部発光量子効率の実現が可能となる。
【0155】
なお、本実施例の構成は、実施例1〜実施例6のいずれの構成とも自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0156】
(実施例8)
本実施例では、本発明の発光装置の画素の構成について説明する。図13に本実施例の発光装置の画素の断面図を示す。また本実施例では説明を簡便にするために、画素が有するnチャネル型TFTと、画素電極に供給する電流を制御しているpチャネル型TFTのみ図示したが、他のTFTも図13に示した構成を参照して作製することが可能である。
【0157】
751はnチャネル型TFTであり、また752はpチャネル型TFTである。nチャネル型TFT751は、半導体膜753と、第1の絶縁膜770と、第1の電極754、755と、第2の絶縁膜771と、第2の電極756、757とを有している。そして、半導体膜753は、第1濃度の一導電型不純物領域758と、第2濃度の一導電型不純物領域759と、チャネル形成領域760、761を有している。
【0158】
なお本実施例では、第1の絶縁膜770は2つの絶縁膜770a、770bを積層した構造を有しているが、第1の絶縁膜770は単層の絶縁膜であっても良いし、3層以上の絶縁膜を積層した構造を有していても良い。
【0159】
第1の電極754、755とチャネル形成領域760、761は、それぞれ第1の絶縁膜770を間に挟んで重なっている。また、第2の電極756、757と、チャネル形成領域760、761とは、それぞれ第2の絶縁膜771を間に挟んで重なっている。
【0160】
pチャネル型TFT752は、半導体膜780と、第1の絶縁膜770と、第1の電極782と、第2の絶縁膜771と、第2の電極781とを有している。そして、半導体膜780は、第3濃度の一導電型不純物領域783と、チャネル形成領域784を有している。
【0161】
第1の電極782とチャネル形成領域784とは、それぞれ第1の絶縁膜770を間に挟んで重なっている。第2の電極781とチャネル形成領域784とは、それぞれ第2の絶縁膜771を間に挟んで重なっている。
【0162】
そして本実施例では、図示してはいないが第1の電極754、755と、第2の電極756、757とは電気的に接続されている。また、第1の電極782と第2の電極781とは電気的に接続されている。なお、本発明はこの構成に限定されず、第1の電極754、755と、第2の電極756、757とが電気的に切り離されており、第1の電極754、755に一定の電圧が印加されていても良い。また第1の電極782と第2の電極781とが電気的に切り離され、第1の電極782に一定に電圧が印加されていても良い。
【0163】
第1の電極に一定の電圧を印加することで、電極が1つの場合に比べて閾値のばらつきを抑えることができ、なおかつオフ電流を抑えることができる。また、第1の電極と第2の電極に同じ電圧を印加することで、実質的に半導体膜の膜厚を薄くしたのと同じように空乏層が早く広がるので、サブスレッショルド係数を小さくすることができ、さらに電界効果移動度を向上させることができる。したがって、電極が1つの場合に比べてオン電流を大きくすることができる。よって、この構造のTFTを駆動回路に使用することにより、駆動電圧を低下させることができる。また、オン電流を大きくすることができるので、TFTのサイズ(特にチャネル幅)を小さくすることができる。そのため集積密度を向上させることができる。
【0164】
なお、本実施例は実施例1〜実施例7のいずれか一と組み合わせて実施することが可能である。
【0165】
(実施例9)
本実施例では、本発明の半導体装置の1つである発光装置の画素の構成について説明する。図14に本実施例の発光装置の画素の断面図を示す。また本実施例では説明を簡便にするために、画素が有するnチャネル型TFTと、画素電極に供給する電流を制御しているpチャネル型TFTのみ図示したが、他のTFTも図14に示した構成を参照して作製することが可能である。
【0166】
図14において、911は基板、912は下地となる絶縁膜(以下、下地膜という)である。基板911としては透光性基板、代表的にはガラス基板、石英基板、ガラスセラミックス基板、又は結晶化ガラス基板を用いることができる。但し、作製プロセス中の最高処理温度に耐えるものでなくてはならない。
【0167】
8201はnチャネル型TFT、8202はpチャネル型TFTである。nチャネル型TFT8201は、ソース領域913、ドレイン領域914、LDD領域915a〜915d、分離領域916及びチャネル形成領域917a、917bを含む活性層と、ゲート絶縁膜918と、ゲート電極919a、919bと、第1層間絶縁膜920と、信号線921と、接続配線922とを有している。なお、ゲート絶縁膜918又は第1層間絶縁膜920は基板上の全TFTに共通であっても良いし、回路又は素子に応じて異ならせても良い。
【0168】
また、図14に示すnチャネル型TFT8201はゲート電極917a、917bが電気的に接続されており、いわゆるダブルゲート構造となっている。勿論、ダブルゲート構造だけでなく、トリプルゲート構造などいわゆるマルチゲート構造(直列に接続された二つ以上のチャネル形成領域を有する活性層を含む構造)であっても良い。
【0169】
マルチゲート構造はオフ電流を低減する上で極めて有効であり、Tr5のオフ電流を十分に低くすれば、それだけpチャネル型TFT8202のゲート電極に接続された保持容量が必要とする最低限の容量を抑えることができる。即ち、保持容量の面積を小さくすることができるので、マルチゲート構造とすることは発光素子の有効発光面積を広げる上でも有効である。
【0170】
さらに、nチャネル型TFT8201においては、LDD領域915a〜915dは、ゲート絶縁膜918を介してゲート電極919a、919bと重ならないように設ける。このような構造はオフ電流を低減する上で非常に効果的である。また、LDD領域915a〜915dの長さ(幅)は0.5〜3.5μm、代表的には2.0〜2.5μmとすれば良い。なお、二つ以上のゲート電極を有するマルチゲート構造の場合、チャネル形成領域の間に設けられた分離領域916(ソース領域又はドレイン領域と同一の濃度で同一の不純物元素が添加された領域)がオフ電流の低減に効果的である。
【0171】
次に、pチャネル型TFT8202は、ソース領域926、ドレイン領域927及びチャネル形成領域929を含む活性層と、ゲート絶縁膜918と、ゲート電極930と、第1層間絶縁膜920と、接続配線931並びに接続配線932で形成されている。本実施例においてpチャネル型TFT8202はpチャネル型TFTである。
【0172】
なお、ゲート電極930はシングルゲート構造となっているが、マルチゲート構造であっても良い。
【0173】
以上は画素内に設けられたTFTの構造について説明したが、このとき同時に駆動回路も形成される。図14には駆動回路を形成する基本単位となるCMOS回路が図示されている。
【0174】
図14においては極力動作速度を落とさないようにしつつホットキャリア注入を低減させる構造を有するTFTをCMOS回路のnチャネル型TFT8204として用いる。なお、ここでいう駆動回路としては、ソース信号側駆動回路、ゲート信号側駆動回路を指す。勿論、他の論理回路(レベルシフタ、A/Dコンバータ、信号分割回路等)を形成することも可能である。
【0175】
CMOS回路のnチャネル型TFT8204の活性層は、ソース領域935、ドレイン領域936、LDD領域937及びチャネル形成領域938を含み、LDD領域937はゲート絶縁膜918を介してゲート電極939と重なっている。
【0176】
ドレイン領域936側のみにLDD領域937を形成しているのは、動作速度を落とさないための配慮である。また、このnチャネル型TFT8204はオフ電流値をあまり気にする必要はなく、それよりも動作速度を重視した方が良い。従って、LDD領域937は完全にゲート電極に重ねてしまい、極力抵抗成分を少なくすることが望ましい。即ち、いわゆるオフセットはなくした方がよい。
【0177】
また、CMOS回路のpチャネル型TFT8205は、ホットキャリア注入による劣化が殆ど気にならないので、特にLDD領域を設けなくても良い。従って活性層はソース領域940、ドレイン領域941及びチャネル形成領域942を含み、その上にはゲート絶縁膜918とゲート電極943が設けられる。勿論、nチャネル型TFT8204と同様にLDD領域を設け、ホットキャリア対策を講じることも可能である。
【0178】
なお961〜965はチャネル形成領域942、938、917a、917b、929を形成するためのマスクである。
【0179】
また、nチャネル型TFT8204及びpチャネル型TFT8205はそれぞれソース領域上に第1層間絶縁膜920を間に介して、接続配線944、945を有している。また、接続配線946によってnチャネル型TFT8204とpチャネル型TFT8205とのドレイン領域は互いに電気的に接続される。
【0180】
なお本実施例の構成は、実施例1〜7と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0181】
(実施例10)
本実施例では、陰極を画素電極として用いた画素の構成について説明する。
【0182】
本実施例の画素の断面図を図15に示す。図15において、基板3501上に設けられたnチャネル型TFT3502は公知の方法を用いて作製される。本実施例ではダブルゲート構造としている。なお、本実施例ではダブルゲート構造としているが、シングルゲート構造でも構わないし、トリプルゲート構造やそれ以上のゲート電極を持つマルチゲート構造でも構わない。また本実施例では説明を簡便にするために、画素が有するnチャネル型TFTと、画素電極に供給する電流を制御しているpチャネル型TFTのみ図示したが、他のTFTも図15に示した構成を参照して作製することが可能である。
【0183】
また、pチャネル型TFT3503はnチャネル型TFTであり、公知の方法を用いて作製される。また、38で示される配線は、nチャネル型TFT3502のゲート電極39aと39bを電気的に接続する走査線である。
【0184】
本実施例ではpチャネル型TFT3503をシングルゲート構造で図示しているが、複数のTFTを直列につなげたマルチゲート構造としても良い。さらに、複数のTFTを並列につなげて実質的にチャネル形成領域を複数に分割し、熱の放射を高い効率で行えるようにした構造としても良い。このような構造は熱による劣化対策として有効である。
【0185】
nチャネル型TFT3502及びpチャネル型TFT3503の上には第1層間絶縁膜41が設けられ、その上に樹脂絶縁膜でなる第2層間絶縁膜42が形成される。第2層間絶縁膜42を用いてTFTによる段差を平坦化することは非常に重要である。後に形成される有機発光層は非常に薄いため、段差が存在することによって発光不良を起こす場合がある。従って、有機発光層をできるだけ平坦面に形成しうるように画素電極を形成する前に平坦化しておくことが望ましい。
【0186】
また、43は反射性の高い導電膜でなる画素電極(発光素子の陰極)であり、pチャネル型TFT3503のドレイン領域に電気的に接続される。画素電極43としてはアルミニウム合金膜、銅合金膜または銀合金膜など低抵抗な導電膜またはそれらの積層膜を用いることが好ましい。勿論、他の導電膜との積層構造としても良い。
【0187】
また、絶縁膜(好ましくは樹脂)で形成されたバンク44a、44bにより形成された溝(画素に相当する)の中に発光層45が形成される。なお、ここでは一画素しか図示していないが、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応した発光層を作り分けても良い。発光層とする有機発光材料としてはπ共役ポリマー系材料を用いる。代表的なポリマー系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)系、ポリビニルカルバゾール(PVK)系、ポリフルオレン系などが挙げられる。
【0188】
なお、PPV系有機発光材料としては様々な型のものがあるが、例えば「H. Shenk,H.Becker,O.Gelsen,E.Kluge,W.Kreuder,and H.Spreitzer,“Polymers for Light Emitting Diodes”,Euro Display,Proceedings,1999,p.33-37」や特開平10−92576号公報に記載されたような材料を用いれば良い。
【0189】
具体的な発光層としては、赤色に発光する発光層にはシアノポリフェニレンビニレン、緑色に発光する発光層にはポリフェニレンビニレン、青色に発光する発光層にはポリフェニレンビニレン若しくはポリアルキルフェニレンを用いれば良い。膜厚は30〜150nm(好ましくは40〜100nm)とすれば良い。
【0190】
但し、以上の例は発光層として用いることのできる有機発光材料の一例であって、これに限定する必要はまったくない。発光層、電荷輸送層または電荷注入層を自由に組み合わせて有機発光層(発光及びそのためのキャリアの移動を行わせるための層)を形成すれば良い。
【0191】
例えば、本実施例ではポリマー系材料を発光層として用いる例を示したが、低分子系有機発光材料を用いても良い。また、電荷輸送層や電荷注入層として炭化珪素等の無機材料を用いることも可能である。これらの有機発光材料や無機材料は公知の材料を用いることができる。
【0192】
本実施例では発光層45の上にPEDOT(ポリチオフェン)またはPAni(ポリアニリン)でなる正孔注入層46を設けた積層構造の有機発光層としている。そして、正孔注入層46の上には透明導電膜でなる陽極47が設けられる。本実施例の場合、発光層45で生成された光は上面側に向かって(TFTの上方に向かって)放射されるため、陽極は透光性でなければならない。透明導電膜としては酸化インジウムと酸化スズとの化合物や酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物を用いることができるが、耐熱性の低い発光層や正孔注入層を形成した後で形成するため、可能な限り低温で成膜できるものが好ましい。
【0193】
陽極47まで形成された時点で発光素子3505が完成する。なお、ここでいう発光素子3505は、画素電極(陰極)43、発光層45、正孔注入層46及び陽極47で形成されている。画素電極43は画素の面積にほぼ一致するため、画素全体が発光素子として機能する。従って、発光の利用効率が非常に高く、明るい画像表示が可能となる。
【0194】
ところで、本実施例では、陽極47の上にさらに第2パッシベーション膜48を設けている。第2パッシベーション膜48としては窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜が好ましい。この目的は、外部と発光素子とを遮断することであり、有機発光材料の酸化による劣化を防ぐ意味と、有機発光材料からの脱ガスを抑える意味との両方を併せ持つ。これにより発光装置の信頼性が高められる。
【0195】
以上のように本発明の発光装置は図15のような構造の画素からなる画素部を有し、オフ電流値の十分に低いTFT3502と、ホットキャリア注入に強いTFT3503とを有する。従って、高い信頼性を有し、且つ、良好な画像表示が可能な発光装置が得られる。
【0196】
なお、本実施例の構成は、実施例1〜7構成と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0197】
(実施例11)
OLEDに用いられる有機発光材料は低分子系と高分子系に大別される。本発明の発光装置は、低分子系の有機発光材料でも高分子系の有機発光材料でも用いることができる。
【0198】
低分子系の有機発光材料は、蒸着法により成膜される。したがって積層構造をとりやすく、ホール輸送層、電子輸送層などの機能が異なる膜を積層することで高効率化しやすい。
【0199】
低分子系の有機発光材料としては、キノリノールを配位子としたアルミニウム錯体Alq3、トリフェニルアミン誘導体(TPD)等が挙げられる。
【0200】
一方、高分子系の有機発光材料は低分子系に比べて物理的強度が高く、素子の耐久性が高い。また塗布により成膜することが可能であるので、素子の作製が比較的容易である。
【0201】
高分子系の有機発光材料を用いた発光素子の構造は、低分子系の有機発光材料を用いたときと基本的には同じであり、陰極/有機発光層/陽極となる。しかし、高分子系の有機発光材料を用いた有機発光層を形成する際には、低分子系の有機発光材料を用いたときのような積層構造を形成させることは難しく、知られている中では2層の積層構造が有名である。具体的には、陰極/発光層/正孔輸送層/陽極という構造である。なお、高分子系の有機発光材料を用いた発光素子の場合には、陰極材料としてCaを用いることも可能である。
【0202】
なお、素子の発光色は、発光層を形成する材料で決まるため、これらを選択することで所望の発光を示す発光素子を形成することができる。発光層の形成に用いることができる高分子系の有機発光材料は、ポリパラフェニレンビニレン系、ポリパラフェニレン系、ポリチオフェン系、ポリフルオレン系が挙げられる。
【0203】
ポリパラフェニレンビニレン系には、ポリ(パラフェニレンビニレン) [PPV] の誘導体、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレンビニレン) [RO−PPV]、ポリ(2−(2'−エチル−ヘキソキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン)[MEH−PPV]、ポリ(2−(ジアルコキシフェニル)−1,4−フェニレンビニレン)[ROPh−PPV]等が挙げられる。
【0204】
ポリパラフェニレン系には、ポリパラフェニレン[PPP]の誘導体、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレン)[RO−PPP]、ポリ(2,5−ジヘキソキシ−1,4−フェニレン)等が挙げられる。
【0205】
ポリチオフェン系には、ポリチオフェン[PT]の誘導体、ポリ(3−アルキルチオフェン)[PAT]、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)[PHT]、ポリ(3−シクロヘキシルチオフェン)[PCHT]、ポリ(3−シクロヘキシル−4−メチルチオフェン)[PCHMT]、ポリ(3,4−ジシクロヘキシルチオフェン)[PDCHT]、ポリ[3−(4−オクチルフェニル)−チオフェン][POPT]、ポリ[3−(4−オクチルフェニル)−2,2ビチオフェン][PTOPT]等が挙げられる。
【0206】
ポリフルオレン系には、ポリフルオレン[PF]の誘導体、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)[PDAF]、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)[PDOF]等が挙げられる。
【0207】
なお、正孔輸送性の高分子系の有機発光材料を、陽極と発光性の高分子系有機発光材料の間に挟んで形成すると、陽極からの正孔注入性を向上させることができる。一般にアクセプター材料と共に水に溶解させたものをスピンコート法などで塗布する。また、有機溶媒には不溶であるため、上述した発光性の有機発光材料との積層が可能である。
【0208】
正孔輸送性の高分子系の有機発光材料としては、PEDOTとアクセプター材料としてのショウノウスルホン酸(CSA)の混合物、ポリアニリン[PANI]とアクセプター材料としてのポリスチレンスルホン酸[PSS]の混合物等が挙げられる。
【0209】
また、上述した低分子系または高分子系の有機発光材料の他に、分子数が20以下、又は連鎖する分子の長さが10μm以下で、なおかつ昇華性を有さない、所謂中分子系の有機発光材料も用いることが可能である。
【0210】
なお、本実施例の構成は、実施例1〜実施例10のいずれの構成とも自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0211】
(実施例12)
発光素子を用いた発光装置は自発光型であるため、液晶ディスプレイに比べ、明るい場所での視認性に優れ、視野角が広い。従って、様々な電子機器の表示部に用いることができる。
【0212】
本発明の発光装置を用いた電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。特に、斜め方向から画面を見る機会が多い携帯情報端末は、視野角の広さが重要視されるため、発光装置を用いることが望ましい。それら電子機器の具体例を図16に示す。
【0213】
図16(A)は表示装置であり、筐体2001、支持台2002、表示部2003、スピーカー部2004、ビデオ入力端子2005等を含む。本発明の発光装置は表示部2003に用いることができる。発光装置は自発光型であるためバックライトが必要なく、液晶ディスプレイよりも薄い表示部とすることができる。なお、表示装置は、パソコン用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
【0214】
図16(B)はデジタルスチルカメラであり、本体2101、表示部2102、受像部2103、操作キー2104、外部接続ポート2105、シャッター2106等を含む。本発明の発光装置を表示部2102に用いることで、本発明のデジタルスチルカメラが完成する。
【0215】
図16(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明の発光装置を表示部2203に用いることで、本発明のノート型パーソナルコンピュータが完成する。
【0216】
図16(D)はモバイルコンピュータであり、本体2301、表示部2302、スイッチ2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。本発明の発光装置を表示部2302に用いることで、本発明のモバイルコンピュータが完成する。
【0217】
図16(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体(DVD等)読み込み部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表示する。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。本発明の発光装置を表示部A、B2403、2404に用いることで、本発明の画像再生装置が完成する。
【0218】
図16(F)はゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体2501、表示部2502、アーム部2503を含む。本発明の発光装置を表示部2502に用いることで、本発明のゴーグル型ディスプレイが完成する。
【0219】
図16(G)はビデオカメラであり、本体2601、表示部2602、筐体2603、外部接続ポート2604、リモコン受信部2605、受像部2606、バッテリー2607、音声入力部2608、操作キー2609、接眼部2610等を含む。本発明の発光装置を表示部2602に用いることで、本発明のビデオカメラが完成する。
【0220】
ここで図16(H)は携帯電話であり、本体2701、筐体2702、表示部2703、音声入力部2704、音声出力部2705、操作キー2706、外部接続ポート2707、アンテナ2708等を含む。なお、表示部2703は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電流を抑えることができる。本発明の発光装置を表示部2703に用いることで、本発明の携帯電話が完成する。
【0221】
なお、将来的に有機発光材料の発光輝度が高くなれば、出力した画像情報を含む光をレンズ等で拡大投影してフロント型若しくはリア型のプロジェクターに用いることも可能となる。
【0222】
また、上記電子機器はインターネットやCATV(ケーブルテレビ)などの電子通信回線を通じて配信された情報を表示することが多くなり、特に動画情報を表示する機会が増してきている。有機発光材料の応答速度は非常に高いため、発光装置は動画表示に好ましい。
【0223】
また、発光装置は発光している部分が電力を消費するため、発光部分が極力少なくなるように情報を表示することが望ましい。従って、携帯情報端末、特に携帯電話や音響再生装置のような文字情報を主とする表示部に発光装置を用いる場合には、非発光部分を背景として文字情報を発光部分で形成するように駆動することが望ましい。
【0224】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜11に示したいずれの構成の発光装置を用いても良い。
【0225】
(実施例13)
本実施例では、画素数が176×RGBx220の発光装置において、各色の階調が6ビットである映像信号を補正する劣化補正装置を例に挙げ、その具体的な構造について説明する。
【0226】
図19に、本実施例の劣化補正装置のブロック図を示す。図1において既に示しているものは同じ符号を付す。図19に示すように、カウンタ113はサンプリング回路501、レジスタ502、加算器503及びラインメモリ504(176×32bit)を有している。また、映像信号補正回路110は、積算回路505、レジスタ506、演算回路507及びRGBレジスタ508(RGB×7bit)を有している。揮発性メモリ108は2つのSRAM509、510(256×16bit)を有しており、2つのSRAMを合わせて画素数×32bit(大凡4Mbit)の容量を有している。また本実施例では不揮発性メモリ109としてフラッシュメモリを用い、記憶回路部106には揮発性メモリ108と不揮発性メモリ109の他に2つのレジスタ511、512が設けられている。
【0227】
不揮発性メモリ109には、発光期間または階調数の累積したデータと、各画素の劣化の程度がデータとして記憶されている。発光装置の使用開始時は発光期間または階調数の累積が0であり、不揮発性メモリ109に0が記憶されている。電源投入とともに、不揮発性メモリ109のデータは揮発性メモリ108に転送される。
【0228】
点灯が開始されると、積算回路505において、レジスタ506に記憶されている補正係数を6ビットの映像信号に乗算することで、映像信号の補正が行なわれる。初期の補正係数は1である。また積算回路505において補正の精度を上げるために、映像信号が6ビットから7ビットに変更される。補正係数が乗算された映像信号は、補正後の映像信号として信号線駆動回路101またはサブフレーム期間に対応するように映像信号を処理するサブフレーム期間生成回路(図示せず)等の後段の回路に送られる。
【0229】
一方、補正係数が乗算された補正後の7ビットの映像信号は、カウンタ113が有するサンプリング回路501においてサンプリングされ、レジスタ502に送られる。なお、全ての映像信号をレジスタ502に送る場合はサンプリング回路501は不要であるが、サンプリングすることで揮発性メモリ108の容量が抑えられる。例えば映像信号のサンプリングを1秒に1回行なうとすると、揮発性メモリ108の基板上の占有面積は60分の1に抑えることができる。
【0230】
なおサンプリングを1秒につき1回としたが、本発明はこれに限定されない。
【0231】
サンプリングされた映像信号はレジスタ502から加算器503に送られる。また加算器503には、揮発性メモリ108に記憶されている発光期間または階調数の累積したデータが、レジスタ511、512を介して入力される。レジスタ511、512は、揮発性メモリ108から加算器503へのデータの入力のタイミングを図るために用いており、揮発性メモリ108の呼び出しが十分速ければ、レジスタ511、512は無くすことも可能である。
【0232】
加算器503では、サンプリングされた映像信号が情報として有する発光期間または階調数を、揮発性メモリ108に記憶されている発光期間または階調数の累積したデータに加算し、176段のラインメモリ504に記憶する。なお本実施例ではラインメモリ504および揮発性メモリ108で処理するデータは各画素32ビットとした。このメモリ容量で約18000時間分の記憶ができる。
【0233】
ラインメモリ504に記憶されてた発光期間または階調数の累積したデータは、再度揮発性メモリ108に記憶され、1秒後に再び読み出され、サンプリングされた映像信号が加算される。このようにして順次加算が行なわれていく。
【0234】
電源オフ時には、揮発性メモリ108のデータが不揮発性メモリ109に記憶され、揮発性メモリ108のデータが消失しても問題ないように設定されている。
【0235】
図20に演算回路507のブロック図を示す。揮発性メモリ108に記憶されている発光期間または階調数の累積したデータは、演算器513に入力される。演算器513では揮発性メモリ108に記憶されている発光期間または階調数の累積したデータと、補正データ格納回路112の輝度特性の経時変化のデータとから、補正係数を算出する。これを一旦8ビットのラインメモリ514に記憶してからSRAM516に記憶する。このSRAM516は8ビットで画素ごとに256段階の補正係数を記憶できるようにしている。この補正係数をレジスタ506に一旦記憶してから積算回路505に入力し、映像信号に乗算して補正を行う。
【0236】
なお電圧補正回路111は、実施の形態に示した場合と同様に、あらかじめ補正データ格納回路112に記憶された輝度特性の経時変化のデータと、揮発性メモリ108に記憶された各画素の発光期間または階調数の累積したデータとを比較し、各画素の劣化の程度を把握する。そして劣化が一番著しい特定の画素を検出し、該特定の画素の劣化の度合いに合わせて、電圧源104から画素部103に供給される電圧の値を補正する。具体的には、該特定の画素において所望の階調を表示することができるように、電圧の値を高くする。
【0237】
該特定の画素に合わせて、画素部103に供給される電圧の値が補正されるので、該特定の画素より劣化が進んでいないその他の画素においては、発光素子に過剰の電流が供給されることになり、所望の階調が得られない。そこで、映像信号補正回路110によって、その他の画素の階調を決定する映像信号を補正する。映像信号補正回路110には、発光期間または階調数の累積したデータの他に、映像信号が入力されている。映像信号補正回路110では、あらかじめ補正データ格納回路112に記憶された輝度特性の経時変化のデータと、各画素の発光期間または階調数の累積したデータとを比較し、各画素の劣化の程度を把握する。そして劣化が一番著しい特定の画素を検出し、該特定の画素の劣化の度合いに合わせて、入力された映像信号の補正を行う。具体的には、所望の階調数が得られるように映像信号の補正を行う。補正された映像信号は、信号線駆動回路101に入力される。
【0238】
本実施例は、実施例3〜12と組み合わせて実施することが可能である。
【発明の効果】
本発明の発光装置によって、発光期間の差による発光素子の劣化を回路側で補正し、輝度ムラのない均一な画面の表示が可能な発光装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の発光装置のブロック図。
【図2】 本発明の発光装置の画素回路図。
【図3】 本発明の発光装置における、発光素子の電圧と輝度の経時変化を示す図。
【図4】 本発明の発光装置における、発光素子の電圧の経時変化を示す図。
【図5】 加算処理による補正方法を示した図。
【図6】 本発明の発光装置の信号線駆動回路のブロック図。
【図7】 本発明の発光装置の走査線駆動回路のブロック図。
【図8】 本発明の発光装置のブロック図。
【図9】 本発明の発光装置の画素回路図。
【図10】 本発明の発光装置の作製方法を示す図。
【図11】 本発明の発光装置の作製方法を示す図。
【図12】 本発明の発光装置の作製方法を示す図。
【図13】 本発明の発光装置の断面図。
【図14】 本発明の発光装置の断面図。
【図15】 本発明の発光装置の断面図。
【図16】 本発明の発光装置を用いた電子機器の図。
【図17】 階調数と発光期間の関係を示す図。
【図18】 劣化による発光素子の輝度の変化を示す図。
【図19】 劣化補正装置のブロック図。
【図20】 演算回路のブロック図

Claims (8)

  1. 複数の発光素子と、
    前記複数の発光素子に接続された電圧源と、
    前記複数の発光素子のそれぞれに接続された複数のトランジスタと、
    前記複数のトランジスタのそれぞれを介して前記複数の発光素子のそれぞれに入力された映像信号をもとに、前記複数の発光素子のそれぞれの階調数の累積を算出する手段と、
    発光素子の輝度の経時変化のデータが記憶された手段と、
    前記算出された階調数の累積と、前記発光素子の輝度の経時変化のデータとから、前記複数の発光素子のそれぞれの劣化の度合いを算出する手段と、
    前記複数の発光素子のうちの一の発光素子が所望の輝度で発光するように、前記電圧源から前記複数の発光素子に供給される電圧値を、算出された前記劣化の度合いに応じて補正する手段と、
    前記一の発光素子を除くその他の複数の発光素子が所望の輝度で発光するように、前記一の発光素子を除くその他の複数の発光素子に供給される前記映像信号を補正する手段と、
    を有することを特徴とする発光装置。
  2. 複数の発光素子と、
    前記複数の発光素子に接続された電圧源と、
    前記複数の発光素子のそれぞれに接続された複数のトランジスタと、
    前記複数のトランジスタのそれぞれを介して前記複数の発光素子のそれぞれに入力された映像信号をもとに、前記複数の発光素子のそれぞれの階調数の累積を算出する手段と、
    発光素子の輝度の経時変化のデータが記憶された手段と、
    前記算出された階調数の累積と、前記発光素子の輝度の経時変化のデータとから、前記複数の発光素子のそれぞれの劣化の度合いを算出する手段と、
    前記複数の発光素子のうちの一の発光素子が所望の輝度で発光するように、前記電圧源から前記複数の発光素子に供給される電圧値を、算出された前記劣化の度合いに応じて補正する手段と、
    前記一の発光素子を除くその他の複数の発光素子が所望の輝度で発光するように、前記一の発光素子を除くその他の複数の発光素子に供給される前記映像信号を補正する手段と、
    を有し、
    前記映像信号を補正する手段は、前記映像信号のビット数をm(mは整数)増加させて、前記映像信号を補正することを特徴とする発光装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記複数の発光素子のそれぞれの階調数の累積を算出する手段は、スタティック型記憶回路を有することを特徴とする発光装置。
  4. 請求項1または請求項2において、
    前記複数の発光素子のそれぞれの階調数の累積を算出する手段は、ダイナミック型記憶回路を有することを特徴とする発光装置。
  5. 請求項1または請求項2において、
    前記複数の発光素子のそれぞれの階調数の累積を算出する手段は、強誘電体記憶回路を有することを特徴とする発光装置。
  6. 請求項1または請求項2において
    前記複数の発光素子のそれぞれの発光期間の長さにより階調を表現することを特徴とする発光装置。
  7. 請求項1または請求項2において
    前記一の発光素子は、劣化の度合いが最も高い発光素子であることを特徴とする発光装置。
  8. 請求項1乃至請求項のいずれか1項において、前記発光装置を用いることを特徴とする電子機器。
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