JP4163225B2 - 半導体装置及び発光装置 - Google Patents

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本発明は、基板上に形成された発光素子を、該基板とカバー材の間に封入した発光パネルに関する。また、該発光パネルにコントローラを含むIC等を実装した、発光モジュールに関する。なお本明細書において、発光パネル及び発光モジュールを共に発光装置と総称する。本発明はさらに、該発光装置の駆動方法及び該発光装置を用いた電子機器に関する。
発光素子は自ら発光するため視認性が高く、液晶表示装置(LCD)で必要なバックライトが要らず薄型化に最適であると共に、視野角にも制限が無い。そのため、近年発光素子を用いた発光装置は、CRTやLCDに代わる表示装置として注目されている。
なお、本明細書において発光素子は、電流または電圧によって輝度が制御される素子を意味しており、OLED(Organic Light Emitting Diode)や、FED(Field Emission Display)に用いられているMIM型の電子源素子(電子放出素子)等を含んでいる。
OLEDは、電場を加えることで発生するルミネッセンス(Electroluminescence)が得られる有機化合物(有機発光材料)を含む層(以下、有機発光層と記す)と、陽極層と、陰極層とを有している。有機化合物におけるルミネッセンスには、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とがあるが、本発明の発光装置は、上述した発光のうちの、いずれか一方の発光を用いていても良いし、または両方の発光を用いていても良い。
なお、本明細書では、OLEDの陽極と陰極の間に設けられた全ての層を有機発光層と定義する。有機発光層には具体的に、発光層、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等が含まれる。基本的にOLEDは、陽極/発光層/陰極が順に積層された構造を有しており、この構造に加えて、陽極/正孔注入層/発光層/陰極や、陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極等の順に積層した構造を有していることもある。
図23に、一般的な発光装置の画素の構成を示す。図23に示した画素は、TFT50、51と、保持容量52と、発光素子53とを有している。
TFT50は、ゲートが走査線55に接続されており、ソースとドレインが一方は信号線54に、もう一方はTFT51のゲートに接続されている。TFT51は、ソースが電源56に接続されており、ドレインが発光素子53の陽極に接続されている。発光素子53の陰極は電源57に接続されている。保持容量52はTFT51のゲートとソース間の電圧を保持するように設けられている。
走査線55の電圧によりTFT50がオンになると、信号線54に入力されたビデオ信号がTFT51のゲートに入力される。ビデオ信号が入力されると、入力されたビデオ信号の電圧に従って、TFT51のゲート電圧(ゲートとソース間の電圧差)が定まる。そして、該ゲート電圧によって流れるTFT51のドレイン電流は、発光素子53に供給され、発光素子53は供給された電流によって発光する。
ところで、ポリシリコンで形成されたTFTは、アモルファスシリコンで形成されたTFTよりも電界効果移動度が高く、オン電流が大きいので、発光素子パネルのトランジスタとしてより適している。
しかし、ポリシリコンを用いてTFTを形成しても、その電気的特性は所詮単結晶シリコン基板に形成されるMOSトランジスタの特性に匹敵するものではない。例えば、電界効果移動度は単結晶シリコンの1/10以下である。また、ポリシリコンを用いたTFTは、結晶粒界に形成される欠陥に起因して、その特性にばらつきが生じやすいといった問題点を有している。
図23に示した画素において、TFT51の閾値やオン電流等の特性が画素毎にばらつくと、ビデオ信号の電圧が同じであってもTFT51のドレイン電流の大きさが画素間で異なり、発光素子53の輝度にばらつきが生じる。
また、OLEDを用いた発光装置を実用化する上で問題となっているのが、有機発光層の劣化によるOLEDの寿命の短さであった。有機発光材料は水分、酸素、光、熱に弱く、これらのものによって劣化が促進される。具体的には、発光装置を駆動するデバイスの構造、有機発光材料の特性、電極の材料、作製工程における条件、発光装置の駆動方法等により、その劣化の速度が左右される。
有機発光層にかかる電圧が一定であっても、有機発光層が劣化するとOLEDの輝度は低下し、表示する画像は不鮮明になる。
また、有機発光層の温度は、外気温やOLEDパネル自身が発する熱等に左右されるが、一般的にOLEDは温度によって流れる電流の値が変化する。具体的には、電圧が一定のとき、有機発光層の温度が高くなると、OLEDに流れる電流は大きくなる。そしてOLEDに流れる電流とOLEDの輝度は比例関係にあるため、OLEDに流れる電流が大きければ大きいほど、OLEDの輝度は高くなる。このように、有機発光層の温度によってOLEDの輝度が変化するため、所望の階調を表示することが難しく、温度の上昇に伴って発光装置の消費電流が大きくなる。
なお、発光素子に一定期間ごとに逆の極性の駆動電圧をかけることによって、発光素子の電流―電圧特性の劣化が改善されることは既に見出されている(例えば、特許文献1参照)。
Dechun ZOU, Masayuki YAHIRO and Tetsuo TSUTSUI, "JPN. J. Appl. Phys.", 15 November 1998, Part 2 VOL.37, NO.11B pp. L1406-L1408 上記文献1には、一定期間毎に発光素子に逆方向バイアスの電圧を印加すると発光素子劣化を抑えることができることが紹介されている。しかし、アクティブマトリクス型の発光装置の具体的な構成及び駆動方法に関しては記載されていない。
本発明は上述した問題に鑑み、発光素子に供給される電流を制御するTFTの特性によって、発光素子の輝度がばらつくのを防ぐことができ、有機発光層の劣化による発光素子の輝度の低下を防ぎ、なおかつ有機発光層の劣化や温度変化に左右されずに一定の輝度を得ることができる発光装置の提供を課題とする。
本発明者は、OLEDに印加される電圧を一定に保って発光させるのと、OLEDに流れる電流を一定に保って発光させるのとでは、後者の方が、劣化によるOLEDの輝度の低下が小さいことに着目した。なお本明細書において、発光素子に流れる電流を駆動電流と呼び、発光素子に印加される電圧を駆動電圧と呼ぶ。
そして、発光素子の輝度をTFTに印加する電圧によって制御するのではなく、TFTに流れる電流を信号線駆動回路において制御することで、TFTの特性に左右されずに発光素子に流れる電流を所望の値に保つことができ、またOLEDの劣化によるOLEDの輝度の変化を防ぐことができるのではないかと考えた。
さらに、上記文献1において紹介されているように、発光素子に一定期間ごとに逆の極性の駆動電圧をかけることによって、発光素子の電流―電圧特性の劣化が改善されることが見出されている。この性質を利用し、本発明は上述した構成に加えて、一定期間毎に発光素子に逆方向バイアスの電圧を印加する。なお、発光素子はダイオードであるため、順方向バイアス電圧を印加すると発光し、逆方向バイアスの電圧を印加すると発光素子は発光しない。
上記構成のように、発光素子に一定期間ごとに逆方向バイアスの駆動電圧を印加する駆動方法(交流駆動)を用いることで、発光素子の電流―電圧特性の劣化が改善され、発光素子の寿命を従来の駆動方式に比べて長くすることが可能になる。
上記2つの構成が相乗効果をもたらし、より有機発光層の劣化による輝度の低下を防ぐことができ、なおかつTFTの特性に左右されずに発光素子に流れる電流を所望の値に保つことができる。
また上述したように、交流駆動において、1フレーム期間ごとに画像の表示を行う場合、観察者の目にフリッカとしてちらつきが生じてしまうことがある。そのため、交流駆動の場合は、順方向バイアスの電圧のみ印加する直流駆動において観察者の目にフリッカが生じない程度の周波数よりも、高い周波数で発光装置を駆動し、フリッカの発生を防ぐようにするのが好ましい。
本発明は上述した構成によって、発光素子に供給される電流を制御するためのTFTの特性が、画素毎にばらついていても、図23に示した一般的な発光装置に比べて画素間で発光素子の輝度にばらつきが生じるのを防ぐことができる。また、図23に示した電圧入力型の画素のTFT51を線形領域で動作させたときに比べて、発光素子の劣化による輝度の低下を抑えることができる。また、有機発光層の温度が外気温や発光パネル自身が発する熱等に左右されても、発光素子の輝度が変化するのを抑えることができ、また温度の上昇に伴って消費電流が大きくなるのを防ぐことができる。
なお、本発明の発光装置において、画素に用いるトランジスタは単結晶シリコンを用いて形成されたトランジスタであっても良いし、多結晶シリコンやアモルファスシリコンを用いた薄膜トランジスタであっても良い。また、有機半導体を用いたトランジスタであっても良い。
なお本発明の発光装置の画素に設けられたトランジスタは、シングルゲート構造を有していても良いし、ダブルゲート構造やそれ以上のゲート電極を有するマルチゲート構造であっても良い。
本発明の発光装置は、TFTの特性が画素毎にばらついていても、電圧入力型の発光装置に比べて画素間で発光素子の輝度にばらつきが生じるのを防ぐことができる。また、図23に示した電圧入力型の画素のTFT51を線形領域で動作させたときに比べて、発光素子の劣化による輝度の低下を抑えることができる。
また、有機発光層の温度が外気温や発光パネル自身が発する熱等に左右されても、発光素子の輝度が変化するのを抑えることができ、また温度の上昇に伴って消費電流が大きくなるのを防ぐことができる。
図1に本発明の発光装置の構成を、ブロック図で示す。100は画素部であり、複数の画素101がマトリクス状に配置されている。また102は信号線駆動回路、103は走査線駆動回路である。
なお図1では信号線駆動回路102と走査線駆動回路103が、画素部100と同じ基板上に形成されているが、本発明はこの構成に限定されない。信号線駆動回路102と走査線駆動回路103とが画素部100と異なる基板上に形成され、FPC等のコネクターを介して、画素部100と接続されていても良い。また、図1では信号線駆動回路102と走査線駆動回路103は1つづつ設けられているが、本発明はこの構成に限定されない。信号線駆動回路102と走査線駆動回路103の数は設計者が任意に設定することができる。
なお本明細書において接続とは、特に記載のない限り電気的な接続を意味する。逆に切り離すとは、接続していない状態を意味する。
また図1では図示していないが、画素部100には信号線S1〜Sx、電源線V1〜Vx、走査線G1〜Gyが設けられている。なお信号線と電源線の数は必ずしも同じであるとは限らない。またこれらの配線を必ず全て有していなくとも良く、これらの配線の他に、別の異なる配線が設けられていても良い。
信号線駆動回路102は、入力されたビデオ信号の電圧に見合った大きさの電流を各信号線S1〜Sxに供給することができ、なおかつ逆方向バイアスの電圧を発光素子104に印加するときには、発光素子104に供給される電流または電圧の大きさを制御するTFTがオンになるような電圧を、該TFTのゲートに印加することができる回路であれば良い。具体的に本実施の形態では、信号線駆動回路102は、シフトレジスタ102aと、デジタルビデオ信号を記憶することができる記憶回路A102b、記憶回路B102cと、該デジタルビデオ信号の電圧に見合った大きさの電流を定電流源を用いて生成する電流変換回路102dと、該生成された電流を信号線に供給し、逆方向バイアスを印加する期間においてのみ、発光素子104に供給される電流または電圧の大きさを制御するTFTのゲートに、該TFTがオンになるような電圧を印加することができる切り替え回路102eとを有している。なお、本発明の発光装置の信号線駆動回路102は上述した構成に限定されない。また、図1ではデジタルのビデオ信号(デジタルビデオ信号)に対応した信号線駆動回路であるが、本発明の信号線駆動回路はこれに限定されず、アナログのビデオ信号(アナログビデオ信号)に対応していても良い。
なお、本明細書において電圧とは、特に記載のない限りグラウンドとの電位差を意味する。
図2に、図1で示した画素101の詳しい構成を示す。図2に示す画素101は、信号線Si(S1〜Sxのうちの1つ)、走査線Gj(G1〜Gyのうちの1つ)及び電源線Vi(V1〜Vxのうちの1つ)を有している。また画素101は、トランジスタTr1、Tr2、Tr3、Tr4、発光素子104及び保持容量105を有している。保持容量105はトランジスタTr1及びTr2のゲートとソースの間の電圧(ゲート電圧)をより確実に保持するために設けられているが、必ずしも設ける必要はない。
トランジスタTr3のゲートは走査線Gjに接続されている。そしてトランジスタTr3のソースとドレイン(いずれか一方を第1の端子とし、もう一方を第2の端子とする)は、一方は信号線Siに、他方はトランジスタTr1の第2の端子に接続されている。
トランジスタTr4のゲートは走査線Gjに接続されている。そしてトランジスタTr4の第1の端子と第2の端子は、一方は信号線Siに、他方はトランジスタTr1及びTr2のゲートに接続されている。
トランジスタTr1とTr2のゲートは、互いに接続されている。トランジスタTr1とTr2の第1の端子は、共に電源線Viに接続されている。そして、トランジスタTr2の第2の端子は、発光素子104の画素電極に接続されている。保持容量105が有する2つの電極は、一方はトランジスタTr1及びTr2のゲートに、もう一方は電源線Viに接続されている。
発光素子104は陽極と陰極を有しており、本明細書では、陽極を画素電極として用いる場合は陰極を対向電極と呼び、陰極を画素電極として用いる場合は陽極を対向電極と呼ぶ。対向電極の電圧は一定の高さに保たれている。
なお、トランジスタTr1及びTr2はnチャネル型トランジスタとpチャネル型トランジスタのどちらでも良い。ただし、トランジスタTr1及びTr2の極性は同じである。そして、陽極を画素電極として用い、陰極を対向電極として用いる場合、トランジスタTr1及びTr2はpチャネル型トランジスタであるのが望ましい。逆に、陽極を対向電極として用い、陰極を画素電極として用いる場合、トランジスタTr1及びTr2はnチャネル型トランジスタであるのが望ましい。
トランジスタTr3、Tr4は、nチャネル型トランジスタとpチャネル型トランジスタのどちらでも良いが、ともに同じ極性を有している。
次に、本実施の形態の発光装置の動作について図3を用いて説明する。本発明の発光装置の動作は、各ラインの画素毎に書き込み期間Taと表示期間Tdと、逆バイアス期間Tiとに分けて説明することができる。図3は、各期間におけるトランジスタTr1とTr2と発光素子104の接続を簡単に示した図であり、ここではTr1及びTr2がpチャネル型TFTで、発光素子104の陽極を画素電極として用いた場合を例に挙げる。
まず、各ラインの画素において書き込み期間Taが開始されると、電源線V1〜Vxの電圧を、トランジスタTr2がオンになったときに順方向バイアスの電流が発光素子に流れる程度の高さに保つ。なお図1ではモノクロの画像を表示する発光装置の構成を示しているが、本発明はカラーの画像を表示する発光装置であっても良い。その場合、電源線V1〜Vxの電圧の高さを全て同じに保たなくても良く、対応する色毎に変えるようにしても良い。
そして、走査線駆動回路103によって各ラインの走査線が順に選択され、トランジスタTr3とTr4がオンになる。なお、各走査線の選択される期間は互いに重ならない。そして、信号線駆動回路102に入力されるビデオ信号に基づき、信号線S1〜Sxと電源線V1〜Vxの間に、それぞれビデオ信号に応じた電流(以下、信号電流Ic)が流れる。
図3(A)に、書き込み期間Taにおいて、信号線Siにビデオ信号に応じた信号電流Icが流れた場合の、画素101の概略図を示す。106は対向電極に電圧を与える電源との接続用の端子を意味している。また、107は信号線駆動回路102が有する定電流源を意味する。
トランジスタTr3はオンの状態にあるので、信号線Siにビデオ信号に応じた信号電流Icが流れると、信号電流IcはトランジスタTr1のドレインとソースの間に流れる。このときトランジスタTr1は、ゲートとドレインが接続されているので飽和領域で動作しており、以下の式1に従って動作する。なお、VGSはゲート電圧、μを移動度、C0を単位面積あたりのゲート容量、W/Lをチャネル形成領域のチャネル幅Wとチャネル長Lの比、VTHを閾値、ドレイン電流をIとする。
I=μC0W/L(VGS−VTH2/2 ・・・ (数1)
式1においてμ、C0、W/L、VTHは全て個々のトランジスタによって決まる固定の値である。式1から、トランジスタTr1のゲート電圧VGSは電流値Icによって定まることがわかる。
そしてトランジスタTr2のゲートは、トランジスタTr1のゲートに接続されている。また、トランジスタTr2のソースは、トランジスタTr1のソースに接続されている。したがって、トランジスタTr1のゲート電圧は、そのままトランジスタTr2のゲート電圧となる。よって、トランジスタTr2のドレイン電流は、トランジスタTr1のドレイン電流に比例する。特に、μC0W/L及びVTHが互いに等しいとき、トランジスタTr1とトランジスタTr2のドレイン電流は互いに等しくなり、I2=Icとなる。
そして、トランジスタTr2のドレイン電流I2は発光素子104に流れる。
発光素子に流れる電流は、定電流源107において定められた信号電流Icに応じた大きさであり、流れる電流の大きさに見合った輝度で発光素子104は発光する。発光素子に流れる電流が0に限りなく近かったり、発光素子に流れる電流が逆方向バイアスの方向に流れたりする場合は、発光素子104は発光しない。
書き込み期間Taが終了すると、各ラインの走査線の選択が終了する。各ラインの画素において書き込み期間Taが終了すると、それぞれのラインの画素において表示期間Tdが開始される。図3(B)に、表示期間Tdにおける画素の概略図を示す。トランジスタTr3及びトランジスタTr4はオフの状態にある。
また、トランジスタTr3及びトランジスタTr4のソース領域は電源線Viに接続されており、一定の電圧(電源電圧)に保たれている。
表示期間Tdでは、トランジスタTr1のドレイン領域は、他の配線及び電源等から電位が与えられていない、所謂フローティングの状態にある。一方トランジスタTr2においては、書き込み期間Taにおいて定められたVGSがそのまま維持されている。そのため、トランジスタTr2のドレイン電流I2の値は、Icに維持されたままである。よって、表示期間Tdでは、書き込み期間Taにおいて定められた電流の大きさに見合った輝度で、OLED104が発光する。
なお、書き込み期間Taの直後には必ず表示期間Tdが出現する。表示期間Tdの直後には、次の書き込み期間Taが出現するか、もしくは逆バイアス期間Tiが出現する。
逆バイアス期間が開始されると、電源線V1〜Vxの電圧は、トランジスタTr2がオンになったときに逆方向バイアスの電圧が発光素子に印加される程度の高さに保たれる。そして、走査線駆動回路103によって各ラインの走査線が順に選択され、トランジスタTr3とTr4がオンになる。そして、信号線駆動回路102によって、信号線S1〜Sxのそれぞれに、トランジスタTr2がオンになるような電圧が印加される。
図3(C)に、逆バイアス期間Tiにおける画素101の概略図を示す。逆バイアス期間Tiにおいては、Tr2がオンになるので、電源線Viの電圧が発光素子104の画素電極に与えられるため、逆方向バイアスの電圧が発光素子104に印加されることになる。発光素子104は逆方向バイアスの電圧が印加されると発光しない状態になる。
なお、電源線の電圧は、トランジスタTr2がオンになったときに、逆方向バイアスの電圧が発光素子に印加される程度の高さであれば良い。また、逆バイアス期間Tiの長さは、デューティー比(1フレーム期間における表示期間の長さの総和の割合)との兼ね合いを考慮し、設計者が適宜設定することが可能である。
デジタルビデオ信号を用いた時間階調の駆動方法(デジタル駆動法)の場合、1フレーム期間中に各ビットのデジタルビデオ信号に対応した書き込み期間Taと表示期間Tdが繰り返し出現することで、1つの画像を表示することが可能である。例えばnビットのビデオ信号によって画像を表示する場合、少なくともn個の書き込み期間と、n個の表示期間とが1フレーム期間内に設けられる。n個の書き込み期間(Ta1〜Tan)と、n個の表示期間(Td1〜Tdn)は、ビデオ信号の各ビットに対応している。
例えば書き込み期間Tam(mは1〜nの任意の数)の次には、同じビット数に対応する表示期間、この場合Tdmが出現する。書き込み期間Taと表示期間Tdとを合わせてサブフレーム期間SFと呼ぶ。mビット目に対応している書き込み期間Tamと表示期間Tdmとを有するサブフレーム期間はSFmとなる。
デジタルビデオ信号を用いた場合逆バイアス期間Tiは、表示期間Td1〜Tdnの直後に設けても良いし、Td1〜Tdnのうち1フレーム期間の最後に出現した表示期間の直後に設けるようにしても良い。また、各フレーム期間ごとに逆バイアス期間Tiを必ずしも設ける必要はなく、数フレーム期間毎に出現させるようにしても良い。幾つの逆バイアス期間Tiをいつ出現させるかについては、設計者が適宜設定することが可能である。
図4に、逆バイアス期間Tiを1フレーム期間の最後に出現させた場合の、画素(i、j)における走査線に印加される電圧と、電源線に印加される電圧と、発光素子に印加される電圧のタイミングチャートを示す。なお、図4では、Tr3、Tr4が共にnチャネル型TFTで、Tr1及びTr2がpチャネル型TFTの場合について示す。各書き込み期間Ta1〜Tanと逆バイアス期間Tiにおいて、走査線Gjが選択され、Tr3、Tr4がオンになっており、各表示期間Td1〜Tdnにおいて走査線Gjが選択されておらず、Tr3、Tr4がオフになっている。また、電源線Viの電圧は、各書き込み期間Ta1〜Tan及び各表示期間Td1〜Tdnにおいて、Tr2がオンのときに発光素子104に順方向バイアスの電流が流れる程度の高さに保たれている。そして、逆バイアス期間Tiにおいて、電源線Viの電圧は発光素子104に逆方向バイアスの電圧が印加される程度の高さに保たれている。発光素子の印加電圧は、各書き込み期間Ta1〜Tan及び各表示期間Td1〜Tdnにおいて順方向バイアスに保たれており、逆バイアス期間Tiにおいて逆方向バイアスに保たれている。
サブフレーム期間SF1〜SFnの長さは、SF1:SF2:…:SFn=20:21:…:2n-1を満たす。
各サブフレーム期間において、発光素子を発光させるかさせないかが、デジタルビデオ信号の各ビットによって選択される。そして、1フレーム期間中における発光する表示期間の長さの和を制御することで、階調数を制御することができる。
なお、表示上での画質向上のため、表示期間の長いサブフレーム期間を幾つかに分割しても良い。具体的な分割の仕方については、特願2000−267164号において開示されているので、参照することが可能である。
また、面積階調と組み合わせて階調を表示するようにしても良い。
アナログビデオ信号を用いて階調を表示する場合、書き込み期間Taと、表示期間Tdが終了すると1フレーム期間が終了する。1つのフレーム期間において1つの画像が表示される。そして、次のフレーム期間が開始され、再び書き込み期間Taが開始されて、上述した動作が繰り返される。
アナログビデオ信号を用いた場合、逆バイアス期間Tiは表示期間Tdの直後に設ける。また、各フレーム期間ごとに逆バイアス期間Tiを必ずしも設ける必要はなく、数フレーム期間毎に出現させるようにしても良い。逆バイアス期間Tiをいつ出現させるかについては、設計者が適宜設定することが可能である。
本発明は、トランジスタTr2の特性が画素毎にばらついていても、図23に示した一般的な発光装置に比べて画素間で発光素子の輝度にばらつきが生じるのを防ぐことができる。また、図23に示した電圧入力型の画素のTFT51を線形領域で動作させたときに比べて、発光素子の劣化による輝度の低下を抑えることができる。また、有機発光層の温度が外気温や発光パネル自身が発する熱等に左右されても、発光素子の輝度が変化するのを抑えることができ、また温度の上昇に伴って消費電流が大きくなるのを防ぐことができる。
なお、本実施の形態において、トランジスタTr4の第1の端子と第2の端子は、一方は信号線Siに、もう一方はトランジスタTr1のゲート及びトランジスタTr2のゲートに接続されている。しかし本実施の形態はこの構成に限定されない。本発明の画素は、書き込み期間TaにおいてトランジスタTr1のゲートと第2の端子を接続し、表示期間TdにおいてトランジスタTr1のゲートと第2の端子を切り離すことができるように、トランジスタTr4が他の素子または配線と接続されていれば良い。つまり、Tr3、Tr4は、書き込み期間Taでは図3(A)のように接続され、表示期間Tdでは図3(B)のように接続され、逆バイアス期間Tiでは図3(C)のように接続されていれば良い。
なお本実の形態で用いられる発光素子は、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層または電子輸送層等が、無機化合物単独で、または有機化合物に無機化合物が混合されている材料で形成されている形態をも取り得る。また、これらの層どうしが互いに一部混合していても良い。
以下に、本発明の実施例について説明する。

本実施例では、図2に示した画素において、図4とは異なるタイミングで逆バイアス期間Tiを出現させた場合について説明する。本実施例の駆動方法について、図5を用いて説明する。
図5に、本実施例の画素(i、j)における走査線に印加される電圧と、電源線に印加される電圧と、発光素子に印加される電圧のタイミングチャートを示す。なお、図5では、Tr3、Tr4が共にnチャネル型TFTで、Tr1及びTr2がpチャネル型TFTの場合について示す。
書き込み期間Ta1〜Tan及び表示期間Td1〜Tdnを全て加算した長さをT_1とし、該期間における電源線Viと発光素子の対向電極との電圧差をV_1とする。そして、逆バイアス期間Tiの長さをT_2とし、該期間における電源線Viと発光素子の対向電極との電圧差をV_2とする。本実施例では、電源線Viの電圧を、T_1×V_1=T_2×V_2となる程度の高さに保つ。
さらに、電源線Viの電圧は、発光素子104に逆方向バイアスの電圧が印加される程度の高さに保つ。
有機発光層中に存在するイオン性の不純物が、一方の電極に寄ってしまうことで有機発光層の一部に、抵抗が他に比べて低い部分が形成され、その抵抗の低い部分に積極的に電流が流れることで有機発光層の劣化が促進されると考えられる。本発明では、反転駆動を用いることで、イオン性の不純物が、一方の電極に寄ってしまうのを防ぎ、有機発光層の劣化を抑えることができる。特に本実施例では上記構成により、単純に反転駆動をさせるよりも、より不純物イオンの一方の電極への偏り防ぐことができ、有機発光層の劣化をより抑えることができる。
本実施例では、図2に示した画素において、図4、図5とは異なるタイミングで逆バイアス期間Tiを出現させた場合について説明する。本実施例の駆動方法について、図6を用いて説明する。
図6に、本実施例の画素(i、j)における走査線に印加される電圧と、電源線に印加される電圧と、発光素子に印加される電圧のタイミングチャートを示す。なお、図6では、Tr3、Tr4が共にnチャネル型TFTで、Tr1及びTr2がpチャネル型TFTの場合について示す。
本実施例では、各表示期間Td1〜Tdnの直後、言いかえると各サブフレーム期間の直後に、逆バイアス期間Ti1〜Tinがそれぞれ出現する。例えばm(m=1〜nの任意の数)番目のサブフレーム期間SFmにおいて書き込み期間Tamの直後に表示期間Tdmが出現しており、逆バイアス期間Timは、表示期間Tdmの直後に出現することになる。
なお本実施例では、逆バイアス期間Ti1〜Tinの長さは全て同じであり、各期間における電源線Viの高さも全て同じにしている。しかし本発明はこの構成に限定されない。各逆バイアス期間Ti1〜Tinの長さ及びその電圧は、設計者が適宜設定することが可能である。
本実施例では、図2に示した画素において、図4、図5、図6とは異なるタイミングで逆バイアス期間Tiを出現させた場合について説明する。本実施例の駆動方法について、図7を用いて説明する。
図7に、本実施例の画素(i、j)における走査線に印加される電圧と、電源線に印加される電圧と、発光素子に印加される電圧のタイミングチャートを示す。なお、図7では、Tr3、Tr4が共にnチャネル型TFTで、Tr1及びTr2がpチャネル型TFTの場合について示す。
本実施例では、各表示期間Td1〜Tdnの直後、言いかえると各サブフレーム期間の直後に、逆バイアス期間Ti1〜Tinがそれぞれ出現する。例えばm(m=1〜nの任意の数)番目のサブフレーム期間SFmにおいて書き込み期間Tamの直後に表示期間Tdmが出現しており、逆バイアス期間Timは、表示期間Tdmの直後に出現することになる。
さらに本実施例では、逆バイアス期間Ti1〜Tinの長さは、直前に出現する表示期間の長さが長ければ長いほど長くなっている。各期間における電源線Viの高さも全て同じ高さになっている。上記構成によって、図4、5、6に示す駆動方法に比べてより有機発光層の劣化を防ぐことができる。
本実施例では、図2に示した画素において、図4、図5、図6、図7とは異なるタイミングで逆バイアス期間Tiを出現させた場合について説明する。本実施例の駆動方法について、図8を用いて説明する。
図8に、本実施例の画素(i、j)における走査線に印加される電圧と、電源線に印加される電圧と、発光素子に印加される電圧のタイミングチャートを示す。なお、図8では、Tr3、Tr4が共にnチャネル型TFTで、Tr1及びTr2がpチャネル型TFTの場合について示す。
本実施例では、各表示期間Td1〜Tdnの直後、言いかえると各サブフレーム期間の直後に、逆バイアス期間Ti1〜Tinがそれぞれ出現する。例えばm(m=1〜nの任意の数)番目のサブフレーム期間SFmにおいて書き込み期間Tamの直後に表示期間Tdmが出現しており、逆バイアス期間Timは、表示期間Tdmの直後に出現することになる。
さらに本実施例では、各逆バイアス期間における電源線Viの電圧と発光素子の対向電極との電圧差の絶対値は、直前に出現する表示期間の長さが長ければ長いほど大きくなっている。各逆バイアス期間Ti1〜Tinの長さは全て同じである。上記構成によって、図4、図5、図6に示す画素に比べてより有機発光層の劣化を防ぐことができる。
本実施例では、デジタルビデオ信号で駆動する、本発明の発光装置が有する信号線駆動回路及び走査線駆動回路の構成について説明する。
図9に信号線駆動回路102の構成をブロック図で示す。102aはシフトレジスタ、102bは記憶回路A、102cは記憶回路B、102dは電流変換回路、102eは切り替え回路である。
シフトレジスタ102aにはクロック信号CLKと、スタートパルス信号SPが入力される。また記憶回路A102bにはデジタルビデオ信号(Digital Video Signals)が入力され、記憶回路B102cにはラッチ信号(Latch Signals)が入力される。切り替え回路102eには切り替え信号(Select Signals)が入力される。以下、各回路の動作について、信号の流れに従い詳しく説明する。
シフトレジスタ102aに所定の配線からクロック信号CLKとスタートパルス信号SPとが入力されることによって、タイミング信号が生成される。タイミング信号は、記憶回路A102bが有する複数のラッチA(LATA_1〜LATA_x)にそれぞれ入力される。なおこのとき、シフトレジスタ102aにおいて生成されたタイミング信号を、バッファ等で緩衝増幅してから、記憶回路A102bが有する複数のラッチA(LATA_1〜LATA_x)にそれぞれ入力するようにしても良い。
記憶回路A102bにタイミング信号が入力されると、該タイミング信号に同期して、ビデオ信号線130に入力される1ビット分のデジタルビデオ信号が、順に複数のラッチA(LATA_1〜LATA_x)のそれぞれに書き込まれ、保持される。
なお、本実施例では記憶回路A(LATA_1〜LATA_x)102bに順にデジタルビデオ信号を書き込んでいるが、本発明はこの構成に限定されない。
記憶回路A102bが有する複数のステージのラッチをいくつかのグループに分け、各グループごとに並行して同時にデジタルビデオ信号を入力する、いわゆる分割駆動を行っても良い。なおこのときのグループの数を分割数と呼ぶ。例えば4つのステージごとにラッチをグループに分けた場合、4分割で分割駆動すると言う。
記憶回路A102bの全てのステージのラッチへの、デジタルビデオ信号の書き込みが一通り終了するまでの時間を、ライン期間と呼ぶ。実際には、上記ライン期間に水平帰線期間が加えられた期間をライン期間に含むことがある。
1ライン期間が終了すると、記憶回路B102cが有する複数のラッチB(LATB_1〜LATB_x)に、ラッチ信号線131を介してラッチシグナル(Latch Signal)が供給される。この瞬間、記憶回路A102bが有する複数のラッチA(LATA_1〜LATA_x)に保持されているデジタルビデオ信号は、記憶回路B102cが有する複数のラッチB(LATB_1〜LATB_x)
に一斉に書き込まれ、保持される。
デジタルビデオ信号を記憶回路B102cに送出し終えた記憶回路A102bには、再びシフトレジスタ102aからのタイミング信号に同期して、次の1ビット分のデジタルビデオ信号の書き込みが順次行われる。この2順目の1ライン期間中には、記憶回路B102cに書き込まれ、保持されているデジタルビデオ信号が、電流変換回路102dに入力される。
電流変換回路102dは複数の電流設定回路(C1〜Cx)を有している。電流設定回路(C1〜Cx)のそれぞれにおいて、入力されたデジタルビデオ信号が有する1または0の情報にもとづき、後段の切り替え回路102eに供給される信号電流Icの大きさが決まる。具体的には、信号電流Icは、発光素子が発光する程度の大きさか、もしくは発光しない程度の大きさを有する。
そして切り替え回路102eにおいて、切り替え信号線132から入力される切り替え信号(Select Signals)に従い、信号電流Icを信号線に供給するか、トランジスタTr2をオンにするような電圧を信号線に供給するかが選択される。
図10に電流設定回路C1及び切り替え回路D1の具体的な構成の一例を示す。なお電流設定回路C2〜Cxも電流設定回路C1と同じ構成を有する。また、切り替え回路D2〜Dxも切り替え回路D1と同じ構成を有する。
電流設定回路C1は定電流源631と、4つのトランスミッションゲートSW1〜SW4と、2つのインバーターInb1、Inb2とを有している。なお、定電流源631が有するトランジスタ650の極性は、画素が有するトランジスタTr1及びTr2の極性と同じである。
記憶回路B102cが有するLATB_1から出力されたデジタルビデオ信号によって、SW1〜SW4のスイッチングが制御される。なおSW1及びSW3に入力されるデジタルビデオ信号と、SW2及びSW4に入力されるデジタルビデオ信号は、Inb1、Inb2によって反転している。そのためSW1及びSW3がオンのときはSW2及びSW4はオフ、SW1及びSW3がオフのときはSW2及びSW4はオンとなっている。
SW1及びSW3がオンのとき、定電流源631から0ではない所定の値の電流IdがSW1及びSW3を介して、信号電流Icとして切り替え回路D1に入力される。
逆にSW2及びSW4がオンのときは、定電流源631からの電流IdはSW2を介してグラウンドにおとされる。またSW4を介して電源線V1〜Vxの電源電圧が切り替え回路D1に与えられ、Ic≒0となる。
切り替え回路D1は、2つのトランスミッションゲートSW5、SW6と、1つのインバーターInb3とを有している。SW5、SW6は切り替え信号によってそのスイッチングが制御されている。そして、SW5、SW6のそれぞれに入力される切り替え信号は、インバーターInb3によって互いにその極性が反転しているので、SW5がオンのときSW6はオフ、SW5がオフのときSW6はオンになる。SW5がオンのとき信号線S1に信号電流Icが入力され、SW6がオンのとき信号線S1にトランジスタTr2をオンにするような電圧が与えられる。
再び図9を参照して、前記の動作が、1ライン期間内に、電流変換回路102dが有する全ての電流設定回路(C1〜Cx)において同時に行われる。よって、デジタルビデオ信号により、全ての信号線に入力される信号電流Icの値が選択される。
本発明において用いられる駆動回路は、本実施例で示した構成に限定されない。さらに、本実施例で示した電流変換回路は、図10に示した構成に限定されない。本発明で用いられる電流変換回路は、信号電流Icが取りうる2値のいずれか一方をデジタルビデオ信号によって選択し、選択された値を有する信号電流を信号線に供給することができれば、どのような構成を有していても良い。また切り替え回路も図10に示した構成に限定されず、信号電流Icを信号線に入力するか、トランジスタTr2をオンにするような電圧を信号線に入力するかを選択することができる回路であれば良い。
なお、シフトレジスタの代わりに、例えばデコーダ回路のような信号線の選択ができる別の回路を用いても良い。
次に、走査線駆動回路の構成について説明する。
図11は走査線駆動回路641の構成を示すブロック図である。走査線駆動回路641は、それぞれシフトレジスタ642、バッファ643を有している。また場合によってはレベルシフタを有していても良い。
走査線駆動回路641において、シフトレジスタ642にクロックCLK及びスタートパルス信号SPが入力されることによって、タイミング信号が生成される。生成されたタイミング信号はバッファ643において緩衝増幅され、対応する走査線に供給される。
走査線には、1ライン分の画素のトランジスタのゲートが接続されている。そして、1ライン分の画素のトランジスタを一斉にONにしなくてはならないので、バッファ643は大きな電流を流すことが可能なものが用いられる。
なお、本発明の発光装置が有する走査線駆動回路は、図11に示した構成に限定されない。例えばシフトレジスタの代わりに、デコーダ回路のような走査線の選択ができる別の回路を用いても良い。
本実施例の構成は、実施例1〜4と自由に組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、アナログ駆動法で駆動する本発明の発光装置が有する信号線駆動回路の構成について説明する。なお走査線駆動回路の構成は、実施例5において示した構成を用いることができるので、ここでは説明を省略する。
図12に本実施例の信号線駆動回路401のブロック図を示す。402はシフトレジスタ、403はバッファ、404はサンプリング回路、405は電流変換回路、406は切り替え回路406を示している。
シフトレジスタ402には、クロック信号(CLK)、スタートパルス信号(SP)が入力されている。シフトレジスタ402にクロック信号(CLK)とスタートパルス信号(SP)が入力されると、タイミング信号が生成される。
生成されたタイミング信号は、バッファ403において増幅または緩衝増幅されて、サンプリング回路404に入力される。なお、バッファの代わりにレベルシフタを設けて、タイミング信号を増幅しても良い。また、バッファとレベルシフタを両方設けていても良い。
サンプリング回路404では、ビデオ信号線430から入力されたアナログビデオ信号を、タイミング信号に同期して後段の電流変換回路405に入力する。
電流変換回路では、入力されたアナログビデオ信号の電圧に見合った大きさの信号電流Icを生成し、後段の切り替え回路406に入力する。切り替え回路406では、信号電流Icを信号線に入力するか、トランジスタTr2をオフにするような電圧を信号線に入力するかが選択される。
図13にサンプリング回路404と、電流変換回路405が有する電流設定回路(C1〜Cx)の具体的な構成を示す。なおサンプリング回路404は、端子410においてバッファ403と接続されている。
サンプリング回路404には、複数のスイッチ411が設けられている。そしてサンプリング回路404には、ビデオ信号線406からアナログビデオ信号が入力されており、スイッチ411はタイミング信号に同期して、該アナログビデオ信号をサンプリングし、後段の電流設定回路C1に入力する。なお図13では、電流設定回路C1〜Cxの1つであるC1はサンプリング回路404が有するスイッチ411の1つに接続されている電流設定回路C1だけを示しているが、各スイッチ411の後段に、図13に示したような電流設定回路C1が接続されているものとする。
なお本実施例では、スイッチ411にトランジスタを1つだけ用いているが、スイッチ411はタイミング信号に同期してアナログビデオ信号をサンプリングできるスイッチであれば良く、本実施例の構成に限定されない。
サンプリングされたアナログビデオ信号は、電流設定回路C1が有する電流出力回路412に入力される。電流出力回路412は、入力されたビデオ信号の電圧に見合った値の電流(信号電流)を出力する。なお図12ではアンプ及びトランジスタを用いて電流出力回路を形成しているが、本発明はこの構成に限定されず、入力された信号の電圧に見合った値の電流を出力することができる回路であれば良い。
該信号電流は、同じく電流設定回路C1が有するリセット回路417に入力される。リセット回路417は、2つのトランスミッションゲート413、414と、インバーター416と、を有している。
トランスミッションゲート414にはリセット信号(Res)が入力されており、トランスミッションゲート413には、インバーター416によって反転されたリセット信号(Res)が入力されている。そしてトランスミッションゲート413とトランスミッションゲート414は、反転したリセット信号とリセット信号にそれぞれ同期して動作しており、一方がオンのとき片一方がオフになっている。
そして、トランスミッションゲート413がオンのときに信号電流は後段の切り替え回路D1に入力される。逆に、トランスミッションゲート414がオンのときに電源415の電圧が後段の切り替え回路D1に与えられる。なお信号線は、帰線期間中にリセットするのが望ましい。しかし、画像を表示している期間以外であるならば、必要に応じて帰線期間以外の期間にリセットすることも可能である。
切り替え回路D1は、2つのトランスミッションゲートSW1、SW2と、1つのインバーターInbとを有している。SW1、SW2は切り替え信号によってそのスイッチングが制御されている。そして、SW1、SW2のそれぞれに入力される切り替え信号は、インバーターInbによって互いにその極性が反転しているので、SW1がオンのときSW2はオフ、SW1がオフのときSW2はオンになる。SW1がオンのとき信号線S1に信号電流Icが入力され、SW2がオンのとき信号線S1にトランジスタTr2をオンにするような電圧が与えられる。
なお、シフトレジスタの代わりに、例えばデコーダ回路のような信号線の選択ができる別の回路を用いても良い。
本発明の発光装置を駆動する信号線駆動回路は、本実施例で示す構成に限定されない。本実施例の構成は、実施例1〜実施例4に示した構成と自由に組み合わせて実施することが可能である。
本発明において、三重項励起子からの燐光を発光に利用できる有機発光材料を用いることで、外部発光量子効率を飛躍的に向上させることができる。これにより、発光素子の低消費電力化、長寿命化、および軽量化が可能になる。
ここで、三重項励起子を利用し、外部発光量子効率を向上させた報告を示す。
(T.Tsutsui, C.Adachi, S.Saito, Photochemical Processes in Organized Molecular Systems, ed.K.Honda, (Elsevier Sci.Pub., Tokyo,1991) p.437.)
上記の論文により報告された有機発光材料(クマリン色素)の分子式を以下に示す。
Figure 0004163225
(M.A.Baldo, D.F.O'Brien, Y.You, A.Shoustikov, S.Sibley, M.E.Thompson, S.R.Forrest, Nature 395 (1998) p.151.)
上記の論文により報告された有機発光材料(Pt錯体)の分子式を以下に示す。
Figure 0004163225
(M.A.Baldo, S.Lamansky, P.E.Burrrows, M.E.Thompson, S.R.Forrest, Appl.Phys.Lett.,75 (1999) p.4.) (T.Tsutsui, M.-J.Yang, M.Yahiro, K.Nakamura, T.Watanabe, T.tsuji, Y.Fukuda, T.Wakimoto, S.Mayaguchi, Jpn.Appl.Phys., 38 (12B) (1999) L1502.)
上記の論文により報告された有機発光材料(Ir錯体)の分子式を以下に示す。
Figure 0004163225
以上のように三重項励起子からの燐光発光を利用できれば原理的には一重項励起子からの蛍光発光を用いる場合より3〜4倍の高い外部発光量子効率の実現が可能となる。
なお、本実施例の構成は、実施例1〜実施例6のいずれの構成とも自由に組み合わせて実施することが可能である。
OLEDに用いられる有機発光材料は低分子系と高分子系に大別される。本発明の発光装置は、低分子系の有機発光材料でも高分子系の有機発光材料でも用いることができる。
低分子系の有機発光材料は、蒸着法により成膜される。したがって積層構造をとりやすく、ホール輸送層、電子輸送層などの機能が異なる膜を積層することで高効率化しやすい。
低分子系の有機発光材料としては、キノリノールを配位子としたアルミニウム錯体Alq3、トリフェニルアミン誘導体(TPD)等が挙げられる。
一方、高分子系の有機発光材料は低分子系に比べて物理的強度が高く、素子の耐久性が高い。また塗布により成膜することが可能であるので、素子の作製が比較的容易である。
高分子系の有機発光材料を用いた発光素子の構造は、低分子系の有機発光材料を用いたときと基本的には同じであり、陰極/有機発光層/陽極となる。しかし、高分子系の有機発光材料を用いた有機発光層を形成する際には、低分子系の有機発光材料を用いたときのような積層構造を形成させることは難しく、知られている中では2層の積層構造が有名である。具体的には、陰極/発光層/正孔輸送層/陽極という構造である。なお、高分子系の有機発光材料を用いた発光素子の場合には、陰極材料としてCaを用いることも可能である。
なお、素子の発光色は、発光層を形成する材料で決まるため、これらを選択することで所望の発光を示す発光素子を形成することができる。発光層の形成に用いることができる高分子系の有機発光材料は、ポリパラフェニレンビニレン系、ポリパラフェニレン系、ポリチオフェン系、ポリフルオレン系が挙げられる。
ポリパラフェニレンビニレン系には、ポリ(パラフェニレンビニレン) [PPV] の誘導体、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレンビニレン) [RO−PPV]、ポリ(2−(2'−エチル−ヘキソキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン)[MEH−PPV]、ポリ(2−(ジアルコキシフェニル)−1,4−フェニレンビニレン)[ROPh−PPV]等が挙げられる。
ポリパラフェニレン系には、ポリパラフェニレン[PPP]の誘導体、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレン)[RO−PPP]、ポリ(2,5−ジヘキソキシ−1,4−フェニレン)等が挙げられる。
ポリチオフェン系には、ポリチオフェン[PT]の誘導体、ポリ(3−アルキルチオフェン)[PAT]、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)[PHT]、ポリ(3−シクロヘキシルチオフェン)[PCHT]、ポリ(3−シクロヘキシル−4−メチルチオフェン)[PCHMT]、ポリ(3,4−ジシクロヘキシルチオフェン)[PDCHT]、ポリ[3−(4−オクチルフェニル)−チオフェン]
[POPT]、ポリ[3−(4−オクチルフェニル)−2,2ビチオフェン][PTOPT]等が挙げられる。
ポリフルオレン系には、ポリフルオレン[PF]の誘導体、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)[PDAF]、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)[PDOF]等が挙げられる。
なお、正孔輸送性の高分子系の有機発光材料を、陽極と発光性の高分子系有機発光材料の間に挟んで形成すると、陽極からの正孔注入性を向上させることができる。一般にアクセプター材料と共に水に溶解させたものをスピンコート法などで塗布する。また、有機溶媒には不溶であるため、上述した発光性の有機発光材料との積層が可能である。
正孔輸送性の高分子系の有機発光材料としては、PEDOTとアクセプター材料としてのショウノウスルホン酸(CSA)の混合物、ポリアニリン[PANI]とアクセプター材料としてのポリスチレンスルホン酸[PSS]の混合物等が挙げられる。
なお、本実施例の構成は、実施例1〜実施例7と組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、本発明の発光装置の作製方法について説明する。なお、本実施例では、図2に示した画素の作製方法を例にとって説明する。また本実施例では、画素が有するトランジスタTr2、Tr3の断面図のみ示すが、トランジスタTr1及びTr4も本実施例の作製方法を参照して作ることが可能である。また本実施例では、画素部の周辺に設けられる駆動回路(信号線駆動回路、走査線駆動回路)が有するTFTを、画素部のTFTと同一基板上に同時に形成する例を示す。
まず、図14(A)に示すように、コーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスから成る基板301上に酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜から成る下地膜302を形成する。例えば、プラズマCVD法でSiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜302aを10〜200nm(好ましくは50〜100nm)形成し、同様にSiH4、N2Oから作製される酸化窒化水素化シリコン膜302bを50〜200nm(好ましくは100〜150nm)の厚さに積層形成する。本実施例では下地膜302を2層構造として示したが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層させた構造として形成しても良い。
島状半導体層303〜306は、非晶質構造を有する半導体膜をレーザー結晶化法や公知の熱結晶化法を用いて作製した結晶質半導体膜で形成する。この島状半導体層303〜306の厚さは25〜80nm(好ましくは30〜60nm)
の厚さで形成する。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiGe)合金などで形成すると良い。
レーザー結晶化法で結晶質半導体膜を作製する場合は、パルス発振型または連続発光型のエキシマレーザーやYAGレーザー、YVO4レーザーを用いる。これらのレーザーを用いる場合には、レーザー発振器から放射されたレーザー光を光学系で線状に集光し、半導体膜に照射する方法を用いると良い。結晶化の条件は実施者が適宣選択するものであるが、エキシマレーザーを用いる場合はパルス発振周波数300Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜400mJ/cm2(代表的には200〜300mJ/cm2)とする。また、YAGレーザーを用いる場合にはその第2高調波を用いパルス発振周波数30〜300kHzとし、レーザーエネルギー密度を300〜600mJ/cm2(代表的には350〜500mJ/cm2)とすると良い。そして幅100〜1000μm、例えば400μmで線状に集光したレーザー光を基板全面に渡って照射し、この時の線状レーザー光の重ね合わせ率(オーバーラップ率)を50〜90%として行う。
なおレーザーは、連続発振またはパルス発振の気体レーザもしくは固体レーザを用いることができる。気体レーザーとして、エキシマレーザ、Arレーザ、Krレーザなどがあり、固体レーザとして、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライドレーザ、Ti:サファイアレーザなどが挙げられる。固体レーザーとしては、Cr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmがドーピングされたYAG、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶を使ったレーザー等も使用可能である。当該レーザーの基本波はドーピングする材料によって異なり、1μm前後の基本波を有するレーザー光が得られる。基本波に対する高調波は、非線形光学素子を用いることで得ることができる。
またさらに、固体レーザーから発せられらた赤外レーザー光を非線形光学素子でグリーンレーザー光に変換後、さらに別の非線形光学素子によって得られる紫外レーザー光を用いることもできる。
非晶質半導体膜の結晶化に際し、大粒径に結晶を得るためには、連続発振が可能な固体レーザを用い、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。代表的には、Nd:YVO4レーザー(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を適用するのが望ましい。具体的には、出力10Wの連続発振のYVO4レーザから射出されたレーザ光を非線形光学素子により高調波に変換する。また、共振器の中にYVO4結晶と非線形光学素子を入れて、高調波を射出する方法もある。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザ光に成形して、被処理体に照射する。このときのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、10〜2000cm/s程度の速度でレーザ光に対して相対的に半導体膜を移動させて照射する。
次いで、島状半導体層303〜306を覆うゲート絶縁膜307を形成する。
ゲート絶縁膜307はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを40〜150nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成する。本実施例では、120nmの厚さで酸化窒化シリコン膜で形成する。勿論、ゲート絶縁膜はこのような酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。例えば、酸化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Orthosilicate)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)
、電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することが出来る。このようにして作製される酸化シリコン膜は、その後400〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜として良好な特性を得ることが出来る。
そして、ゲート絶縁膜307上にゲート電極を形成するための第1の導電膜308と第2の導電膜309とを形成する。本実施例では、第1の導電膜308をTaで50〜100nmの厚さに形成し、第2の導電膜309をWで100〜300nmの厚さに形成する。
Ta膜はスパッタ法で、TaのターゲットをArでスパッタすることにより形成する。この場合、Arに適量のXeやKrを加えると、Ta膜の内部応力を緩和して膜の剥離を防止することが出来る。また、α相のTa膜の抵抗率は20μΩcm程度でありゲート電極に使用することが出来るが、β相のTa膜の抵抗率は180μΩcm程度でありゲート電極とするには不向きである。α相のTa膜を形成するために、Taのα相に近い結晶構造をもつ窒化タンタルを10〜50nm程度の厚さでTaの下地に形成しておくとα相のTa膜を容易に得ることが出来る。
W膜を形成する場合には、Wをターゲットとしたスパッタ法で形成する。その他に6フッ化タングステン(WF6)を用いる熱CVD法で形成することも出来る。いずれにしてもゲート電極として使用するためには低抵抗化を図る必要があり、W膜の抵抗率は20μΩcm以下にすることが望ましい。W膜は結晶粒を大きくすることで低抵抗率化を図ることが出来るが、W中に酸素などの不純物元素が多い場合には結晶化が阻害され高抵抗化する。このことより、スパッタ法による場合、純度99.9999%または純度99.99%のWターゲットを用い、さらに成膜時に気相中からの不純物の混入がないように十分配慮してW膜を形成することにより、抵抗率9〜20μΩcmを実現することが出来る。
なお、本実施例では、第1の導電膜308をTa、第2の導電膜309をWとしたが、特に限定されず、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、Cuなどから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いてもよい。本実施例以外の他の組み合わせの一例で望ましいものとしては、第1の導電膜308を窒化タンタル(TaN)で形成し、第2の導電膜309をWとする組み合わせ、第1の導電膜308を窒化タンタル(TaN)で形成し、第2の導電膜309をAlとする組み合わせ、第1の導電膜308を窒化タンタル(TaN)で形成し、第2の導電膜309をCuとする組み合わせが挙げられる。(図14(A))
次に、レジストによるマスク310を形成し、電極及び配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。本実施例ではICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング用ガスにCF4とCl2を混合し、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して行う。基板側(試料ステージ)にも100WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。CF4とCl2を混合した場合にはW膜及びTa膜とも同程度にエッチングされる。
上記エッチング条件では、レジストによるマスクの形状を適したものとすることにより、基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電層及び第2の導電層の端部がテーパー形状となる。テーパー部の角度は15〜45°となる。
ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。W膜に対する酸化窒化シリコン膜の選択比は2〜4(代表的には3)であるので、オーバーエッチング処理により、酸化窒化シリコン膜が露出した面は20〜50nm程度エッチングされることになる。こうして、第1のエッチング処理により第1の導電層と第2の導電層から成る第1の形状の導電層311〜314(第1の導電層311a〜314aと第2の導電層311b〜314b)を形成する。このとき、ゲート絶縁膜307においては、第1の形状の導電層311〜314で覆われない領域は20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。また、マスク310も上記エッチングにより表面がエッチングされた。
そして、第1のドーピング処理を行いn型を付与する不純物元素を添加する。
ドーピングの方法はイオンドープ法もしくはイオン注入法で行えば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1014atoms/cm2とし、加速電圧を60〜100keVとして行う。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いるが、ここではリン(P)を用いる。この場合、導電層311〜314がn型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、自己整合的に第1の不純物領域317〜320が形成される。第1の不純物領域317〜320には1×1020〜1×1021atoms/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加する。(図14(B))
次に、図14(C)に示すように、レジストマスク310は除去しないまま、第2のエッチング処理を行う。エッチングガスにCF4とCl2とO2とを用い、W膜を選択的にエッチングする。この時、第2のエッチング処理により第2の形状の導電層325〜328(第1の導電層325a〜328aと第2の導電層325b〜328b)を形成する。このとき、ゲート絶縁膜307においては、第2の形状の導電層325〜328で覆われない領域はさらに20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
W膜やTa膜のCF4とCl2の混合ガスによるエッチング反応は、生成されるラジカルまたはイオン種と反応生成物の蒸気圧から推測することが出来る。WとTaのフッ化物と塩化物の蒸気圧を比較すると、Wのフッ化物であるWF6が極端に高く、その他のWCl5、TaF5、TaCl5は同程度である。従って、CF4とCl2の混合ガスではW膜及びTa膜共にエッチングされる。しかし、この混合ガスに適量のO2を添加するとCF4とO2が反応してCOとFになり、FラジカルまたはFイオンが多量に発生する。その結果、フッ化物の蒸気圧が高いW膜のエッチング速度が増大する。一方、TaはFが増大しても相対的にエッチング速度の増加は少ない。また、TaはWに比較して酸化されやすいので、O2を添加することでTaの表面が酸化される。Taの酸化物はフッ素や塩素と反応しないためさらにTa膜のエッチング速度は低下する。従って、W膜とTa膜とのエッチング速度に差を作ることが可能となりW膜のエッチング速度をTa膜よりも大きくすることが可能となる。
そして、図15(A)に示すように第2のドーピング処理を行う。この場合、第1のドーピング処理よりもドーズ量を下げて高い加速電圧の条件としてn型を付与する不純物元素をドーピングする。例えば、加速電圧を70〜120keVとし、1×1013atoms/cm2のドーズ量で行い、図14(B)で島状半導体層に形成された第1の不純物領域の内側に新たな不純物領域を形成する。ドーピングは、第2の形状の導電層325〜328を不純物元素に対するマスクとして用い、第1の導電層325a〜328aの下側の領域にも不純物元素が添加されるようにドーピングする。こうして、第3の不純物領域332〜335が形成される。この第3の不純物領域332〜335に添加されたリン(P)の濃度は、第1の導電層325a〜328aのテーパー部の膜厚に従って緩やかな濃度勾配を有している。なお、第1の導電層325a〜328aのテーパー部と重なる半導体層において、第1の導電層325a〜328aのテーパー部の端部から内側に向かって若干、不純物濃度が低くなっているものの、ほぼ同程度の濃度である。
図15(B)に示すように第3のエッチング処理を行う。エッチングガスにCHF6を用い、反応性イオンエッチング法(RIE法)を用いて行う。第3のエッチング処理により、第1の導電層325a〜328aのテーパー部を部分的にエッチングして、第1の導電層が半導体層と重なる領域が縮小される。第3のエッチング処理によって、第3の形状の導電層336〜339(第1の導電層336a〜339aと第2の導電層336b〜339b)を形成する。このとき、ゲート絶縁膜307においては、第3の形状の導電層336〜339で覆われない領域はさらに20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
第3のエッチング処理によって、第3の不純物領域332〜335においては、第1の導電層336a〜339aと重なる第3の不純物領域332a〜335aと、第1の不純物領域と第3の不純物領域との間の第2の不純物領域332b〜335bとが形成される。
そして、図15(C)に示すように、pチャネル型TFTを形成する島状半導体層303、306に第1の導電型とは逆の導電型の第4の不純物領域343〜348を形成する。第3の形状の導電層336b、339bを不純物元素に対するマスクとして用い、自己整合的に不純物領域を形成する。このとき、nチャネル型TFTを形成する島状半導体層304、305は、レジストマスク350で全面を被覆しておく。不純物領域343〜348にはそれぞれ異なる濃度でリンが添加されているが、ジボラン(B26)を用いたイオンドープ法で形成し、そのいずれの領域においても不純物濃度が2×1020〜2×1021atoms/cm3となるようにする。
以上までの工程でそれぞれの島状半導体層に不純物領域が形成される。島状半導体層と重なる第3の形状の導電層336〜339がゲート電極として機能する。
レジストマスク350を除去した後、導電型の制御を目的として、それぞれの島状半導体層に添加された不純物元素を活性化する工程を行う。この工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。その他に、レーザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することが出来る。熱アニール法では酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には500〜600℃で行うものであり、本実施例では500℃で4時間の熱処理を行う。ただし、第3の形状の導電層336〜339に用いた配線材料が熱に弱い場合には、配線等を保護するため層間絶縁膜(シリコンを主成分とする)を形成した後で活性化を行うことが好ましい。
レーザーアニール法を用いる場合、結晶化の際に用いたレーザーを使用することが可能である。活性化の場合は、移動速度は結晶化と同じにし、0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.01〜10MW/cm2)のエネルギー密度が必要となる。
さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行い、島状半導体層を水素化する工程を行う。この工程は熱的に励起された水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。
次いで、図16(A)に示すように、第1の層間絶縁膜355を酸化窒化シリコン膜から100〜200nmの厚さで形成する。その上に有機絶縁物材料から成る第2の層間絶縁膜356を形成した後、第1の層間絶縁膜355、第2の層間絶縁膜356、およびゲート絶縁膜307に対してコンタクトホールを形成し、接続配線357〜362、380をパターニング形成する。なお380は電源線であり、360は信号線である。
第2の層間絶縁膜356としては、有機樹脂を材料とする膜を用い、その有機樹脂としてはポリイミド、ポリアミド、アクリル、BCB(ベンゾシクロブテン)等を使用することが出来る。特に、第2の層間絶縁膜356は平坦化の意味合いが強いので、平坦性に優れたアクリルが好ましい。本実施例ではTFTによって形成される段差を十分に平坦化しうる膜厚でアクリル膜を形成する。好ましくは1〜5μm(さらに好ましくは2〜4μm)とすれば良い。
コンタクトホールの形成は、ドライエッチングまたはウエットエッチングを用い、n型の不純物領域318、319またはp型の不純物領域345、348に達するコンタクトホール、容量配線(図示せず)に達するコンタクトホール(図示せず)をそれぞれ形成する。
また、接続配線357〜362、380として、Ti膜を100nm、Tiを含むアルミニウム膜を300nm、Ti膜150nmをスパッタ法で連続形成した3層構造の積層膜を所望の形状にパターニングしたものを用いる。勿論、他の導電膜を用いても良い。
次に、接続配線(接続配線)362に接する画素電極365をパターニング形成する。なお、接続配線には接続配線と接続配線とが含まれる。接続配線とは、活性層のソース領域に接続された配線であり、接続配線とはドレイン領域に接続された配線を意味する。
また、本実施例では、画素電極365としてITO膜を110nmの厚さに形成し、パターニングを行った。画素電極365を接続配線362と接するように配置することでコンタクトを取っている。また、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合した透明導電膜を用いても良い。この画素電極365がOLEDの陽極となる。(図16(A))
図17に、図16(A)の工程まで終了した時点での、画素の上面図を示す。
なお、配線の位置や半導体層の位置を明確にするために、絶縁膜や層間絶縁膜は省略した。図17のA−A’における断面図が、図16(A)のA−A’に示した部分に相当する。また図17のB−B’における断面図が、図16(A)のB−B’に示した部分に相当する。
トランジスタTr3は、走査線574の一部であるゲート電極338を有しており、ゲート電極338はトランジスタTr4のゲート電極520とも接続されている。また、トランジスタTr3の半導体層の不純物領域317は、一方は信号線Siとして機能する接続配線360に接続され、もう一方は、接続配線361に接続されている。
トランジスタTr2は、容量配線573の一部であるゲート電極339を有しており、ゲート電極339はトランジスタTr1のゲート電極576とも接続されている。また、トランジスタTr2の半導体層の不純物領域348は、一方は接続配線362に接続され、もう一方は、電源線Viとして機能する接続配線361に接続されている。
接続配線361は、トランジスタTr1の不純物領域(図示せず)にも接続されている。また、570は保持容量であり、半導体層572と、ゲート絶縁膜307と、容量配線573を有している。半導体層572が有する不純物領域(図示せず)は、接続配線361に接続されている。
次に、図16(B)に示すように、珪素を含む絶縁膜(本実施例では酸化珪素膜)を500nmの厚さに形成し、画素電極365に対応する位置に開口部を形成して、バンクとして機能する第3の層間絶縁膜366を形成する。開口部を形成する際、ウエットエッチング法を用いることで容易にテーパー形状の側壁とすることが出来る。開口部の側壁が十分になだらかでないと段差に起因する有機発光層の劣化が顕著な問題となってしまうため、注意が必要である。
次に、有機発光層367および陰極(MgAg電極)368を、真空蒸着法を用いて大気解放しないで連続形成する。なお、有機発光層367の膜厚は80〜200nm(典型的には100〜120nm)、陰極368の厚さは180〜300nm(典型的には200〜250nm)とすれば良い。
この工程では、赤色に対応する画素、緑色に対応する画素および青色に対応する画素に対して順次、有機発光層および陰極を形成する。但し、有機発光層は溶液に対する耐性に乏しいためフォトリソグラフィ技術を用いずに各色個別に形成しなくてはならない。そこでメタルマスクを用いて所望の画素以外を隠し、必要箇所だけ選択的に有機発光層を形成するのが好ましい。
即ち、まず赤色に対応する画素以外を全て隠すマスクをセットし、そのマスクを用いて赤色発光の有機発光層を選択的に形成する。次いで、緑色に対応する画素以外を全て隠すマスクをセットし、そのマスクを用いて緑色発光の有機発光層を選択的に形成する。次いで、同様に青色に対応する画素以外を全て隠すマスクをセットし、そのマスクを用いて青色発光の有機発光層を選択的に形成する。なお、ここでは全て異なるマスクを用いるように記載しているが、同じマスクを使いまわしても構わない。
ここではRGBに対応した3種類のOLEDを形成する方式を用いたが、白色発光のOLEDとカラーフィルタを組み合わせた方式、青色または青緑発光のOLEDと蛍光体(蛍光性の色変換層:CCM)とを組み合わせた方式、陰極(対向電極)に透明電極を利用してRGBに対応したOLEDを重ねる方式などを用いても良い。
なお、有機発光層367としては公知の材料を用いることが出来る。公知の材料としては、駆動電圧を考慮すると有機材料を用いるのが好ましい。例えば正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子注入層でなる4層構造を有機発光層とすれば良い。
次に陰極368を形成する。なお本実施例では陰極368としてMgAgを用いたが、本発明はこれに限定されない。陰極368として他の公知の材料を用いても良い。
画素電極365と、有機発光層367と、陰極368とが重なっている部分が、OLED375に相当する。
また、次に保護電極369を蒸着法により形成する。保護電極369は、大気開放せずに陰極368と連続して形成しても良い。保護電極369は有機発光層367を水分や酸素から保護するのに有効である
また、保護電極369は陰極368の劣化を防ぐために設けられ、アルミニウムを主成分とする金属膜が代表的である。勿論、他の材料でも良い。また、有機発光層367、陰極368は非常に水分に弱いので、保護電極369までを大気解放しないで連続的に形成し、外気から有機発光層を保護することが望ましい。
最後に、窒化珪素膜でなるパッシベーション膜370を300nmの厚さに形成する。パッシベーション膜370を形成しておくことで、有機発光層367を水分等から保護することができ、OLEDの信頼性をさらに高めることが出来る。なおパッシベーション膜370は必ずしも設ける必要はない。
こうして図16(B)に示すような構造の発光装置が完成する。371は駆動回路部のpチャネル型TFT、372は駆動回路部のnチャネル型TFT、373はトランジスタTr3、374はトランジスタTr2に相当する。
ところで、本実施例の発光装置は、画素部だけでなく駆動回路にも最適な構造のTFTを配置することにより、非常に高い信頼性を示し、動作特性も向上しうる。また結晶化工程においてNi等の金属触媒を添加し、結晶性を高めることも可能である。それによって、信号線駆動回路の駆動周波数を10MHz以上にすることが可能である。
なお、実際には図16(B)の状態まで完成したら、さらに外気に曝されないように、気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(ラミネートフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)や透光性のシーリング材でパッケージング(封入)することが好ましい。その際、シーリング材の内部を不活性雰囲気にしたり、内部に吸湿性材料(例えば酸化バリウム)を配置したりするとOLEDの信頼性が向上する。
また、パッケージング等の処理により気密性を高めたら、基板上に形成された素子又は回路から引き回された端子と外部信号端子とを接続するためのコネクタを取り付ける。
また、本実施例で示す工程に従えば、発光装置の作製に必要なフォトマスクの数を抑えることが出来る。その結果、工程を短縮し、製造コストの低減及び歩留まりの向上に寄与することが出来る。
本実施例は、実施例1〜8と自由に組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、本発明の半導体装置の1つである発光装置の画素の、実施例9とは異なる構成について説明する。図18に本実施例の発光装置の画素の断面図を示す。また本実施例では説明を簡便にするために、Tr1、Tr4は図示しなかったが、Tr3とTr2と同じ構成を用いることが可能である。
751はnチャネル型TFTであり、図2のTr3に相当する。また、752はpチャネル型TFTであり、図2のTr2に相当する。nチャネル型TFT751は、半導体膜753と、第1の絶縁膜770と、第1の電極754、755と、第2の絶縁膜771と、第2の電極756、757とを有している。そして、半導体膜753は、第1濃度の一導電型不純物領域758と、第2濃度の一導電型不純物領域759と、チャネル形成領域760、761を有している。
なお本実施例では、第1の絶縁膜770は2つの絶縁膜770a、770bを積層した構造を有しているが、第1の絶縁膜770は単層の絶縁膜であっても良いし、3層以上の絶縁膜を積層した構造を有していても良い。
第1の電極754、755とチャネル形成領域760、761は、それぞれ第1の絶縁膜770を間に挟んで重なっている。また、第2の電極756、757と、チャネル形成領域760、761とは、それぞれ第2の絶縁膜771を間に挟んで重なっている。
pチャネル型TFT752は、半導体膜780と、第1の絶縁膜770と、第1の電極782と、第2の絶縁膜771と、第2の電極781とを有している。
そして、半導体膜780は、第3濃度の一導電型不純物領域783と、チャネル形成領域784を有している。
第1の電極782とチャネル形成領域784とは、それぞれ第1の絶縁膜770を間に挟んで重なっている。第2の電極781とチャネル形成領域784とは、それぞれ第2の絶縁膜771を間に挟んで重なっている。
そして本実施例では、図示してはいないが第1の電極754、755と、第2の電極756、757とは電気的に接続されている。また、第1の電極782と第2の電極781とは電気的に接続されている。なお、本発明はこの構成に限定されず、第1の電極754、755と、第2の電極756、757とが電気的に切り離されており、第1の電極754、755に一定の電圧が印加されていても良い。また第1の電極782と第2の電極781とが電気的に切り離され、第1の電極782に一定に電圧が印加されていても良い。
第1の電極に一定の電圧を印加することで、電極が1つの場合に比べて閾値のばらつきを抑えることができ、なおかつオフ電流を抑えることができる。また、第1の電極と第2の電極に同じ電圧を印加することで、実質的に半導体膜の膜厚を薄くしたのと同じように空乏層が早く広がるので、サブスレッショルド係数を小さくすることができ、さらに電界効果移動度を向上させることができる。したがって、電極が1つの場合に比べてオン電流を大きくすることができる。よって、この構造のTFTを駆動回路に使用することにより、駆動電圧を低下させることができる。また、オン電流を大きくすることができるので、TFTのサイズ(特にチャネル幅)を小さくすることができる。そのため集積密度を向上させることができる。
なお、本実施例は実施例1〜実施例8のいずれか一と組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、本発明の半導体装置の1つである発光装置の画素の、実施例9、実施例10とは異なる構成について説明する。図19に本実施例の発光装置の画素の断面図を示す。また本実施例では説明を簡便にするために、Tr1、Tr4は図示しなかったが、Tr3とTr2と同じ構成を用いることが可能である。
図19において、911は基板、912は下地となる絶縁膜(以下、下地膜という)である。基板911としては透光性基板、代表的にはガラス基板、石英基板、ガラスセラミックス基板、又は結晶化ガラス基板を用いることができる。但し、作製プロセス中の最高処理温度に耐えるものでなくてはならない。
8201はTr3、8202はTr2であり、それぞれnチャネル型TFT、pチャネル型TFTで形成されている。有機発光層の発光方向が基板の下面(TFT及び有機発光層が設けられていない面)の場合、上記構成であることが好ましい。しかしTr3とTr2は、nチャネル型TFTでもpチャネル型TFTでも、どちらでも構わない。
Tr3 8201は、ソース領域913、ドレイン領域914、LDD領域915a〜915d、分離領域916及びチャネル形成領域917a、917bを含む活性層と、ゲート絶縁膜918と、ゲート電極919a、919bと、第1層間絶縁膜920と、信号線921と、接続配線922とを有している。なお、ゲート絶縁膜918又は第1層間絶縁膜920は基板上の全TFTに共通であっても良いし、回路又は素子に応じて異ならせても良い。
また、図19に示すTr3 8201はゲート電極917a、917bが電気的に接続されており、いわゆるダブルゲート構造となっている。勿論、ダブルゲート構造だけでなく、トリプルゲート構造などいわゆるマルチゲート構造(直列に接続された二つ以上のチャネル形成領域を有する活性層を含む構造)であっても良い。
マルチゲート構造はオフ電流を低減する上で極めて有効であり、Tr3のオフ電流を十分に低くすれば、それだけTr2 8202のゲート電極に接続されたコンデンサが必要とする最低限の容量を抑えることができる。即ち、コンデンサの面積を小さくすることができるので、マルチゲート構造とすることは発光素子の有効発光面積を広げる上でも有効である。
さらに、Tr3 8201においては、LDD領域915a〜915dは、ゲート絶縁膜918を介してゲート電極919a、919bと重ならないように設ける。このような構造はオフ電流を低減する上で非常に効果的である。また、LDD領域915a〜915dの長さ(幅)は0.5〜3.5μm、代表的には2.0〜2.5μmとすれば良い。なお、二つ以上のゲート電極を有するマルチゲート構造の場合、チャネル形成領域の間に設けられた分離領域916(ソース領域又はドレイン領域と同一の濃度で同一の不純物元素が添加された領域)がオフ電流の低減に効果的である。
次に、Tr2 8202は、ソース領域926、ドレイン領域927及びチャネル形成領域929を含む活性層と、ゲート絶縁膜918と、ゲート電極930と、第1層間絶縁膜920と、接続配線931並びに接続配線932で形成されている。本実施例においてTr2 8202はpチャネル型TFTである。
なお、ゲート電極930はシングルゲート構造となっているが、マルチゲート構造であっても良い。また、Tr2 8202の接続配線931は電源供給線(図示せず)に相当する。
以上は画素内に設けられたTFTの構造について説明したが、このとき同時に駆動回路も形成される。図19には駆動回路を形成する基本単位となるCMOS回路が図示されている。
図19においては極力動作速度を落とさないようにしつつホットキャリア注入を低減させる構造を有するTFTをCMOS回路のnチャネル型TFT8204として用いる。なお、ここでいう駆動回路としては、ソース信号側駆動回路、ゲート信号側駆動回路を指す。勿論、他の論理回路(レベルシフタ、A/Dコンバータ、信号分割回路等)を形成することも可能である。
CMOS回路のnチャネル型TFT8204の活性層は、ソース領域935、ドレイン領域936、LDD領域937及びチャネル形成領域938を含み、LDD領域937はゲート絶縁膜918を介してゲート電極939と重なっている。
ドレイン領域936側のみにLDD領域937を形成しているのは、動作速度を落とさないための配慮である。また、このnチャネル型TFT8204はオフ電流値をあまり気にする必要はなく、それよりも動作速度を重視した方が良い。
従って、LDD領域937は完全にゲート電極に重ねてしまい、極力抵抗成分を少なくすることが望ましい。即ち、いわゆるオフセットはなくした方がよい。
また、CMOS回路のpチャネル型TFT8205は、ホットキャリア注入による劣化が殆ど気にならないので、特にLDD領域を設けなくても良い。従って活性層はソース領域940、ドレイン領域941及びチャネル形成領域942を含み、その上にはゲート絶縁膜918とゲート電極943が設けられる。勿論、nチャネル型TFT8204と同様にLDD領域を設け、ホットキャリア対策を講じることも可能である。
なお961〜965はチャネル形成領域942、938、917a、917b、929を形成するためのマスクである。
また、nチャネル型TFT8204及びpチャネル型TFT8205はそれぞれソース領域上に第1層間絶縁膜920を間に介して、接続配線944、945を有している。また、接続配線946によってnチャネル型TFT8204とpチャネル型TFT8205とのドレイン領域は互いに電気的に接続される。
なお本実施例の構成は、実施例1〜8と自由に組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、陰極を画素電極として用いた画素の構成について説明する。
本実施例の画素の断面図を図20に示す。図20において、基板3501上に設けられたTr3 3502は公知の方法を用いて作製される。本実施例ではダブルゲート構造としている。なお、本実施例ではダブルゲート構造としているが、シングルゲート構造でも構わないし、トリプルゲート構造やそれ以上のゲート電極を持つマルチゲート構造でも構わない。また本実施例では説明を簡便にするために、Tr1、Tr4は図示しなかったが、Tr3とTr2と同じ構成を用いることが可能である。
また、Tr2 3503はnチャネル型TFTであり、公知の方法を用いて作製される。また、38で示される配線は、Tr3 3502のゲート電極39aと39bを電気的に接続する走査線である。
本実施例ではTr2 3503をシングルゲート構造で図示しているが、複数のTFTを直列につなげたマルチゲート構造としても良い。さらに、複数のTFTを並列につなげて実質的にチャネル形成領域を複数に分割し、熱の放射を高い効率で行えるようにした構造としても良い。このような構造は熱による劣化対策として有効である。
また、接続配線40は電源供給線(図示せず)に接続され、常に一定の電圧が加えられている。
Tr3 3502及びTr2 3503の上には第1層間絶縁膜41が設けられ、その上に樹脂絶縁膜でなる第2層間絶縁膜42が形成される。第2層間絶縁膜42を用いてTFTによる段差を平坦化することは非常に重要である。後に形成される有機発光層は非常に薄いため、段差が存在することによって発光不良を起こす場合がある。従って、有機発光層をできるだけ平坦面に形成しうるように画素電極を形成する前に平坦化しておくことが望ましい。
また、43は反射性の高い導電膜でなる画素電極(発光素子の陰極)であり、Tr2 3503のドレイン領域に電気的に接続される。画素電極43としてはアルミニウム合金膜、銅合金膜または銀合金膜など低抵抗な導電膜またはそれらの積層膜を用いることが好ましい。勿論、他の導電膜との積層構造としても良い。
また、絶縁膜(好ましくは樹脂)で形成されたバンク44a、44bにより形成された溝(画素に相当する)の中に発光層45が形成される。なお、ここでは一画素しか図示していないが、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応した発光層を作り分けても良い。発光層とする有機有機発光材料としてはπ共役ポリマー系材料を用いる。代表的なポリマー系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)系、ポリビニルカルバゾール(PVK)系、ポリフルオレン系などが挙げられる。
なお、PPV系有機発光材料としては様々な型のものがあるが、例えば「H. Shenk,H.Becker,O.Gelsen,E.Kluge,W.Kreuder,and H.Spreitzer,“Polymers for Light Emitting Diodes”,Euro Display,Proceedings,1999,p.33-37」や特開平10−92576号公報に記載されたような材料を用いれば良い。
具体的な発光層としては、赤色に発光する発光層にはシアノポリフェニレンビニレン、緑色に発光する発光層にはポリフェニレンビニレン、青色に発光する発光層にはポリフェニレンビニレン若しくはポリアルキルフェニレンを用いれば良い。膜厚は30〜150nm(好ましくは40〜100nm)とすれば良い。
但し、以上の例は発光層として用いることのできる有機発光材料の一例であって、これに限定する必要はまったくない。発光層、電荷輸送層または電荷注入層を自由に組み合わせて有機発光層(発光及びそのためのキャリアの移動を行わせるための層)を形成すれば良い。
例えば、本実施例ではポリマー系材料を発光層として用いる例を示したが、低分子系有機発光材料を用いても良い。また、電荷輸送層や電荷注入層として炭化珪素等の無機材料を用いることも可能である。これらの有機発光材料や無機材料は公知の材料を用いることができる。
本実施例では発光層45の上にPEDOT(ポリチオフェン)またはPAni(ポリアニリン)でなる正孔注入層46を設けた積層構造の有機発光層としている。そして、正孔注入層46の上には透明導電膜でなる陽極47が設けられる。
本実施例の場合、発光層45で生成された光は上面側に向かって(TFTの上方に向かって)放射されるため、陽極は透光性でなければならない。透明導電膜としては酸化インジウムと酸化スズとの化合物や酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物を用いることができるが、耐熱性の低い発光層や正孔注入層を形成した後で形成するため、可能な限り低温で成膜できるものが好ましい。
陽極47まで形成された時点で発光素子3505が完成する。なお、ここでいう発光素子3505は、画素電極(陰極)43、発光層45、正孔注入層46及び陽極47で形成されている。画素電極43は画素の面積にほぼ一致するため、画素全体が発光素子として機能する。従って、発光の利用効率が非常に高く、明るい画像表示が可能となる。
ところで、本実施例では、陽極47の上にさらに第2パッシベーション膜48を設けている。第2パッシベーション膜48としては窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜が好ましい。この目的は、外部と発光素子とを遮断することであり、有機発光材料の酸化による劣化を防ぐ意味と、有機発光材料からの脱ガスを抑える意味との両方を併せ持つ。これにより発光装置の信頼性が高められる。
以上のように本発明の発光装置は図20のような構造の画素からなる画素部を有し、オフ電流値の十分に低いTr3と、ホットキャリア注入に強いTr2とを有する。従って、高い信頼性を有し、且つ、良好な画像表示が可能な発光装置が得られる。
なお、本実施例の構成は、実施例1〜8構成と自由に組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、本発明の発光装置の構造について、図21を用いて説明する。
図21は、トランジスタが形成された素子基板をシーリング材によって封止することによって形成された発光装置の上面図であり、図21(B)は、図21(A)のA−A’における断面図、図21(C)は図21(A)のB−B’における断面図である。
基板4001上に設けられた画素部4002と、信号線駆動回路4003と、第1及び第2の走査線駆動回路4004a、bとを囲むようにして、シール材4009が設けられている。また画素部4002と、信号線駆動回路4003と、第1及び第2の走査線駆動回路4004a、bとの上にシーリング材4008が設けられている。よって画素部4002と、信号線駆動回路4003と、第1及び第2の走査線駆動回路4004a、bとは、基板4001とシール材4009とシーリング材4008とによって、充填材4210で密封されている。
また基板4001上に設けられた画素部4002と、信号線駆動回路4003と、第1及び第2の走査線駆動回路4004a、bとは、複数のTFTを有している。図21(B)では代表的に、下地膜4010上に形成された、信号線駆動回路4003に含まれる駆動TFT(但し、ここではnチャネル型TFTとpチャネル型TFTを図示する)4201及び画素部4002に含まれるトランジスタTr2 4202を図示した。
本実施例では、駆動TFT4201には公知の方法で作製されたpチャネル型TFTまたはnチャネル型TFTが用いられ、トランジスタTr2 4202には公知の方法で作製されたpチャネル型TFTが用いられる。
駆動TFT4201及びトランジスタTr2 4202上には層間絶縁膜(平坦化膜)4301が形成され、その上にトランジスタTr2 4202のドレインと電気的に接続する画素電極(陽極)4203が形成される。画素電極4203としては仕事関数の大きい透明導電膜が用いられる。透明導電膜としては、酸化インジウムと酸化スズとの化合物、酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物、酸化亜鉛、酸化スズまたは酸化インジウムを用いることができる。また、前記透明導電膜にガリウムを添加したものを用いても良い。
そして、画素電極4203の上には絶縁膜4302が形成され、絶縁膜4302は画素電極4203の上に開口部が形成されている。この開口部において、画素電極4203の上には有機発光層4204が形成される。有機発光層4204は公知の有機発光材料または無機発光材料を用いることができる。また、有機発光材料には低分子系(モノマー系)材料と高分子系(ポリマー系)材料があるがどちらを用いても良い。
有機発光層4204の形成方法は公知の蒸着技術もしくは塗布法技術を用いれば良い。また、有機発光層の構造は正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層または電子注入層を自由に組み合わせて積層構造または単層構造とすれば良い。
有機発光層4204の上には遮光性を有する導電膜(代表的にはアルミニウム、銅もしくは銀を主成分とする導電膜またはそれらと他の導電膜との積層膜)からなる陰極4205が形成される。また、陰極4205と有機発光層4204の界面に存在する水分や酸素は極力排除しておくことが望ましい。従って、有機発光層4204を窒素または希ガス雰囲気で形成し、酸素や水分に触れさせないまま陰極4205を形成するといった工夫が必要である。本実施例ではマルチチャンバー方式(クラスターツール方式)の成膜装置を用いることで上述のような成膜を可能とする。そして陰極4205は所定の電圧が与えられている。
以上のようにして、画素電極(陽極)4203、有機発光層4204及び陰極4205からなる発光素子4303が形成される。そして発光素子4303を覆うように、絶縁膜4302上に保護膜4209が形成されている。保護膜4209は、発光素子4303に酸素や水分等が入り込むのを防ぐのに効果的である。
4005aは電源線に接続された引き回し配線であり、トランジスタTr2 4202のソースに電気的に接続されている。引き回し配線4005aはシール材4009と基板4001との間を通り、異方導電性フィルム4300を介してFPC4006が有するFPC用配線4301に電気的に接続される。
シーリング材4008としては、ガラス材、金属材(代表的にはステンレス材)、セラミックス材、プラスチック材(プラスチックフィルムも含む)を用いることができる。プラスチック材としては、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)
フィルム、マイラーフィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。また、アルミニウムホイルをPVFフィルムやマイラーフィルムで挟んだ構造のシートを用いることもできる。
但し、発光素子からの光の放射方向がカバー材側に向かう場合にはカバー材は透明でなければならない。その場合には、ガラス板、プラスチック板、ポリエステルフィルムまたはアクリルフィルムのような透明物質を用いる。
また、充填材4210としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。本実施例では充填材として窒素を用いた。
また充填材4210を吸湿性物質(好ましくは酸化バリウム)もしくは酸素を吸着しうる物質にさらしておくために、シーリング材4008の基板4001側の面に凹部4007を設けて吸湿性物質または酸素を吸着しうる物質4207を配置する。そして、吸湿性物質または酸素を吸着しうる物質4207が飛び散らないように、凹部カバー材4208によって吸湿性物質または酸素を吸着しうる物質4207は凹部4007に保持されている。なお凹部カバー材4208は目の細かいメッシュ状になっており、空気や水分は通し、吸湿性物質または酸素を吸着しうる物質4207は通さない構成になっている。吸湿性物質または酸素を吸着しうる物質4207を設けることで、発光素子4303の劣化を抑制できる。
図21(C)に示すように、画素電極4203が形成されると同時に、引き回し配線4005a上に接するように導電性膜4203aが形成される。
また、異方導電性フィルム4300は導電性フィラー4300aを有している。基板4001とFPC4006とを熱圧着することで、基板4001上の導電性膜4203aとFPC4006上のFPC用配線4301とが、導電性フィラー4300aによって電気的に接続される。
本実施例の構成は、実施例1〜実施例12に示した構成と自由に組み合わせて実施することが可能である。
(実施例14)
発光素子を用いた発光装置は自発光型であるため、液晶ディスプレイに比べ、明るい場所での視認性に優れ、視野角が広い。従って、様々な電子機器の表示部に用いることができる。
本発明の発光装置を用いた電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。特に、斜め方向から画面を見る機会が多い携帯情報端末は、視野角の広さが重要視されるため、発光装置を用いることが望ましい。それら電子機器の具体例を図22に示す。
図22(A)は発光素子表示装置であり、筐体2001、支持台2002、表示部2003、スピーカー部2004、ビデオ入力端子2005等を含む。本発明の発光装置は表示部2003に用いることができる。発光装置は自発光型であるためバックライトが必要なく、液晶ディスプレイよりも薄い表示部とすることができる。なお、発光素子表示装置は、パソコン用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
図22(B)はデジタルスチルカメラであり、本体2101、表示部2102、受像部2103、操作キー2104、外部接続ポート2105、シャッター2106等を含む。本発明の発光装置は表示部2102に用いることができる。
図22(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明の発光装置は表示部2203に用いることができる。
図22(D)はモバイルコンピュータであり、本体2301、表示部2302、スイッチ2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。本発明の発光装置は表示部2302に用いることができる。
図22(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体(DVD等)読み込み部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表示するが、本発明の発光装置はこれら表示部A、B2403、2404に用いることができる。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。
図22(F)はゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体2501、表示部2502、アーム部2503を含む。本発明の発光装置は表示部2502に用いることができる。
図22(G)はビデオカメラであり、本体2601、表示部2602、筐体2603、外部接続ポート2604、リモコン受信部2605、受像部2606、バッテリー2607、音声入力部2608、操作キー2609、接眼部2610等を含む。本発明の発光装置は表示部2602に用いることができる。
ここで図22(H)は携帯電話であり、本体2701、筐体2702、表示部2703、音声入力部2704、音声出力部2705、操作キー2706、外部接続ポート2707、アンテナ2708等を含む。本発明の発光装置は表示部2703に用いることができる。なお、表示部2703は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電流を抑えることができる。
なお、将来的に有機発光材料の発光輝度が高くなれば、出力した画像情報を含む光をレンズ等で拡大投影してフロント型若しくはリア型のプロジェクターに用いることも可能となる。
また、上記電子機器はインターネットやCATV(ケーブルテレビ)などの電子通信回線を通じて配信された情報を表示することが多くなり、特に動画情報を表示する機会が増してきている。有機発光材料の応答速度は非常に高いため、発光装置は動画表示に好ましい。
また、発光装置は発光している部分が電力を消費するため、発光部分が極力少なくなるように情報を表示することが望ましい。従って、携帯情報端末、特に携帯電話や音響再生装置のような文字情報を主とする表示部に発光装置を用いる場合には、非発光部分を背景として文字情報を発光部分で形成するように駆動することが望ましい。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜9に示したいずれの構成の発光装置を用いても良い。
また、発光素子に一定期間ごとに逆方向バイアスの駆動電圧を印加する駆動方法(交流駆動)を用いることで、発光素子の電流―電圧特性の劣化が改善され、発光素子の寿命を従来の駆動方式に比べてより長くすることが可能になる。
本発明の発光装置のブロック図。 本発明の発光装置の画素回路図。 駆動における画素の概略図。 走査線及び電源線に印加される電圧のタイミングチャート。 走査線及び電源線に印加される電圧のタイミングチャート。 走査線及び電源線に印加される電圧のタイミングチャート。 走査線及び電源線に印加される電圧のタイミングチャート。 走査線及び電源線に印加される電圧のタイミングチャート。 本発明の信号線駆動回路のブロック図。 電流設定回路及び切り替え回路の回路図。 走査線駆動回路のブロック図。 本発明の信号線駆動回路のブロック図。 電流設定回路及び切り替え回路の回路図。 本発明の発光装置の作製方法を示す図。 本発明の発光装置の作製方法を示す図。 本発明の発光装置の作製方法を示す図。 本発明の発光装置の画素の上面図。 本発明の発光装置の画素の断面図。 本発明の発光装置の画素の断面図。 本発明の発光装置の画素の断面図。 本発明の発光装置の外観図及び断面図。 本発明の発光装置を用いた電子機器の図。 一般的な画素の回路図。

Claims (4)

  1. 第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、を有し、
    前記第1のトランジスタのソースとドレインの一方は第1の配線に電気的に接続されており、
    前記第2のトランジスタのソースとドレインの一方は前記第1の配線に電気的に接続されており、
    前記第1のトランジスタのゲートと前記第2のトランジスタのゲートとは、電気的に接続されており、
    前記第3のトランジスタのソースとドレインの一方は第2の配線に電気的に接続されており、
    前記第4のトランジスタのソースとドレインの一方は前記第2の配線に電気的に接続されており、
    前記第3のトランジスタのソースとドレインの他方は前記第1のトランジスタのソースとドレインの他方に電気的に接続されており、
    前記第4のトランジスタのソースとドレインの他方は前記第1のトランジスタのゲートに電気的に接続されており、
    前記第2のトランジスタのソースとドレインの他方は、画素電極に電気的に接続されており、
    前記第2の配線への電流の供給又は電圧の供給を切り換える回路を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項において、
    容量素子をさらに有し、
    前記容量素子の一方の電極は前記第2のトランジスタのゲートに電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、発光素子と、を有し、
    前記第1のトランジスタのソースとドレインの一方は第1の配線に電気的に接続されており、
    前記第2のトランジスタのソースとドレインの一方は前記第1の配線に電気的に接続されており、
    前記第1のトランジスタのゲートと前記第2のトランジスタのゲートとは、電気的に接続されており、
    前記第3のトランジスタのソースとドレインの一方は第2の配線に電気的に接続されており、
    前記第4のトランジスタのソースとドレインの一方は前記第2の配線に電気的に接続されており、
    前記第3のトランジスタのソースとドレインの他方は前記第1のトランジスタのソースとドレインの他方に電気的に接続されており、
    前記第4のトランジスタのソースとドレインの他方は前記第1のトランジスタのゲートに電気的に接続されており、
    前記第2のトランジスタのソースとドレインの他方は、前記発光素子の画素電極に電気的に接続されており、
    前記第2の配線への電流の供給又は電圧の供給を切り換える回路を有することを特徴とする発光装置。
  4. 請求項において、
    容量素子をさらに有し、
    前記容量素子の一方の電極は前記第2のトランジスタのゲートに電気的に接続されていることを特徴とする発光装置。
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