JP2003170662A - 光学記録媒体及び記録方法 - Google Patents

光学記録媒体及び記録方法

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JP2003170662A
JP2003170662A JP2001372193A JP2001372193A JP2003170662A JP 2003170662 A JP2003170662 A JP 2003170662A JP 2001372193 A JP2001372193 A JP 2001372193A JP 2001372193 A JP2001372193 A JP 2001372193A JP 2003170662 A JP2003170662 A JP 2003170662A
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JP2001372193A
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Takashi Miyazawa
隆司 宮沢
Shuichi Maeda
修一 前田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】短波長の青色レーザーによって記録・再生が可
能な有機色素系光学記録媒体を提供する。 【解決手段】基板上にレーザーによる情報の記録又は再
生が可能な記録層が設けられた光学記録媒体において、
該記録層が下記一般式(1)で示される化合物を含有す
ることよりなる光学記録媒体、及び波長350nm〜530nmの
レーザー光を用い、該光学記録媒体に対し情報の記録を
行うことよりなる光学記録方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機色素を記録層
に用いた追記型光学記録媒体及び記録方法に係わるもの
であり、詳しくは青色レーザー対応の追記型光学記録媒
体及びそれを用いた記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、CD−R/RW、DVD−R/R
W、MO等の各種光学記録媒体は、大容量の情報を記憶
でき、ランダムアクセスが容易であるために、コンピュ
ータのような情報処理装置における外部記憶装置として
広く認知され普及しつつある。これらの中で、CD−R
やDVD−Rに代表される有機色素系光記録媒体は、低
コストで且つ製造が容易であるという点で、優位性を有
するものと考えられている。また、取り扱う情報量の増
大により、媒体の記録密度を高めることが望まれてお
り、近年開発が著しい青色レーザー等の発振波長の短い
レーザーを用いた、高密度の記録再生可能な光学記録媒
体が提唱されつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在市販されている光
学記録媒体の場合、例えばCD−Rは波長780nm程度の
レーザー光による記録・再生に適するように、またDV
D−Rは波長600〜700nm程度のレーザー光による記録・
再生に適するように設計されている。このように、比較
的長波長のレーザー光を用いた光学的記録・再生用に設
計された媒体は、より短波長である青色レーザーを用い
た記録・再生においては、反射率が低すぎて実質的に記
録再生ができないという問題を有していた。本発明は、
より短波長の青色レーザーによって記録・再生が可能な
有機色素系光学記録媒体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは青色レーザ
ーに高い感受性を有する有機色素について種々検討した
結果、前記一般式(1)で示される化合物を、青色レー
ザーに対応する光学記録媒体の記録層に使用し得ること
を知得し本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨
は、基板上にレーザーによる情報の記録又は再生が可能
な記録層が設けられた光学記録媒体において、該記録層
が下記一般式(1)で示される化合物を含有することよ
りなる光学記録媒体、及び波長350nm〜530nmのレーザー
光を用い、該光学記録媒体に対し情報の記録を行うこと
よりなる光学記録方法に存する。
【0005】
【化2】
【0006】[式中、R1〜R5は各々独立に水素原子又
はアゾ基以外の任意の置換基を表す(但し、R1〜R5
全て水素原子であることはない)。又、R6はシアノ
基;−COR7〔R7はヒドロキシ基、置換されてもよい
炭化水素基、置換されてもよい複素環基〕;−COOR
8〔R8は置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよ
い複素環基を表す〕;−CONR910〔R9,R10は各
々独立に水素原子、置換されてもよい炭化水素基、置換
されてもよい複素環基、置換されてもよいアミノ基、置
換されてもよいアシルアミノ基、置換されてもよいカー
バメート基、−COR11、−COOR12(R11,R12
任意の置換基)を表す〕;−SOR13〔R13は置換され
てもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基を表
す〕;−SO214〔R14は置換されてもよい炭化水素
基、置換されてもよい複素環基を表す〕;−POR15
16〔R15、R16は各々独立に、ヒドロキシ基、置換され
てもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基、−O
17(R17は置換されてもよい炭化水素基、置換されて
もよい複素環基)〕を表す。]
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明につき詳細に説明す
る。本発明の記録層に使用される化合物は、350〜5
30nmの青色光領域に適度な吸収を有し、青色レーザー
での記録に適する色素化合物が好ましい。本発明では、
かかる色素として、下記一般式(1)によって示される
色素化合物が使用される。
【0008】
【化3】
【0009】[式中、R1〜R5は各々独立に水素原子又
はアゾ基以外の任意の置換基を表す(但し、R1〜R5
全て水素原子であることはない)。又、R6はシアノ
基;−COR7〔R7はヒドロキシ基、置換されてもよい
炭化水素基、置換されてもよい複素環基〕;−COOR
8〔R8は置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよ
い複素環基を表す〕;−CONR910〔R9,R10は各
々独立に水素原子、置換されてもよい炭化水素基、置換
されてもよい複素環基、置換されてもよいアミノ基、置
換されてもよいアシルアミノ基、置換されてもよいカー
バメート基、−COR11、−COOR12(R11,R12
任意の置換基)を表す〕;−SOR13〔R13は置換され
てもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基を表
す〕;−SO214〔R14は置換されてもよい炭化水素
基、置換されてもよい複素環基を表す〕;−POR15
16〔R15、R16は各々独立に、ヒドロキシ基、置換され
てもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基、−O
17(R17は置換されてもよい炭化水素基、置換されて
もよい複素環基)〕を表す。]
【0010】本発明に使用される色素化合物は、前記一
般式(1)で表されるが、一般式(1)において、R1
〜R5はそれぞれ独立に水素原子又はアゾ基以外の任意
の置換基を表し、該置換基の例としては、次のようなも
のが例示される。メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチ
ル基、n-へプチル基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐
のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、アダマンチル基等の炭素数3〜18
の環状アルキル基;ビニル基、プロペニル基、ヘキセニ
ル基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニル
基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素
数3〜18の環状アルケニル基;2-チエニル基、2-ピリ
ジル基、4−ピペリジル基、モルホリノ基等の5〜6員
環の複素環基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メ
シチル基等の炭素数6〜18のアリール基;ベンジル
基、フェネチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;
メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポ
キシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキ
シ基等の炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルコキシ
基;プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基、ペンテニ
ルオキシ基等の炭素数3〜18の直鎖または分岐のアル
ケニルオキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロ
ピルチオ基、n-ブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、tert
-ブチルチオ基等の炭素数1〜18の直鎖または分岐の
アルキルチオ基等が挙げられる。
【0011】他の具体例としては、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;
イソシアノ基;シアナト基;イソシアナト基;チオシア
ナト基;イソチオシアナト基;メルカプト基;ヒドロキ
シ基;ヒドロキシアミノ基;ホルミル基;スルホン酸
基;カルボキシル基が挙げられ、更に−NR1819で表
されるアミノ基;−NHCOR20で表されるアシルアミ
ノ基;−NHCOOR21で表されるカーバメート基;−
COOR22で表されるカルボン酸エステル基;−OCO
23で表されるアシルオキシ基;−CONR2425で表
されるカルバモイル基;−SO226で表されるスルホ
ニル基;−SO2NR2728で表されるスルファモイル
基;−SO329で表されるスルホン酸エステル基;−
NHSO230で表されるスルホンアミド基;−COR
31で表されるアシル基等も挙げられる。
【0012】ここでR20〜R23、R26及びR29〜R31
それぞれ、直鎖又は分岐のアルキル基、環状アルキル
基、アリール基、または複素環基を表す。R18、R19
34、R25、R27およびR28はそれぞれ、R20〜R23
26及びR29〜R31として挙げた基、または水素原子を
表す。これらR18〜R31において、鎖状アルキル部分お
よび環状アルキル部分は後述する置換基で置換されてい
てもよく、アリール基および複素環基部分は、R1〜R5
として前記した基で置換されていてもよい。
【0013】具体的には、−NR1819で表される置換
されていてもよいアミノ基等;−NHCOR20で表され
る置換されていてもよいアシルアミノ基等;−NHCO
OR 21で表される置換されていてもよいカーバメート基
等;−COOR22で表される置換されていてもよいカル
ボン酸エステル基等;−OCOR23で表される置換され
ていてもよいアシルオキシ基等;−CONR2425で表
される置換されていてもよいカルバモイル基等;−SO
226で表される置換されていてもよいスルホニル基
等;−SO2NR2728で表される置換されていてもよ
いスルファモイル基等;−SO329で表される置換さ
れていてもよいスルホン酸エステル基等;−NHSO2
30で表される置換されていてもよいスルホンアミド基
等;−COR31で表される置換されていてもよいアシル
基等の具体例としては、以下のものが例示される。
【0014】アミノ基;
【化4】 アシルアミノ基;
【化5】
【0015】カーバメート基;
【化6】 カルボン酸エステル基;
【化7】
【0016】アシルオキシ基;
【化8】 カルバモイル基;
【化9】
【0017】スルホニル基;
【化10】 スルファモイル基;
【化11】
【0018】スルホン酸エステル基;
【化12】 スルホンアミド基;
【化13】
【0019】アシル基;
【化14】
【0020】ベンゼン環におけるこれらの置換基の位置
は特に限定されず、アゾ基以外の置換基の数も1〜5個
の範囲で可能である。複数の置換基を有する場合、同種
でも異なってもよい。
【0021】R1〜R5で表される直鎖又は分岐のアルキ
ル基、環状アルキル基、直鎖または分岐のアルコキシ
基、直鎖または分岐のアルキルチオ基、並びにR18〜R
30が示す直鎖または分岐のアルキル基及び環状アルキル
基は、更に置換されていても良い。これらの置換基とし
ては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソ
プロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-
ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;メトキ
シメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキ
シ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、メ
トキシブトキシ基等の炭素数2〜12のアルコキシアル
コキシ基;メトキシメトキシメトキシ基、メトキシメト
キシエトキシ基、メトキシエトキシメトキシ基、メトキ
シメトキシエトキシ基、エトキシエトキシメトキシ基等
の炭素数3〜15のアルコキシアルコキシアルコキシ
基;フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ
基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜12のアリールオ
キシ基;アリルオキシ基、ビニルオキシ基等の炭素数2
〜12のアルケニルオキシ基;2−チエニル基、2−ピ
リジル基、4−ピリジル基、モルホリノ基等の複素環基
等が挙げられる。
【0022】他の置換基としては、シアノ基;ニトロ
基;ヒドロキシル基;アミノ基;N,N−ジメチルアミ
ノ基、N,N−ジエチルアミノ基等の炭素数1〜10の
アルキルアミノ基;メチルスルホニルアミノ基、エチル
スルホニルアミノ基、n-プロピルスルホニルアミノ基等
の炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基;フッ素
原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカ
ルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシ
カルボニル等の炭素数2〜7のカルボン酸アルキルエス
テル基;メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニル
オキシ基、n-プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピ
ルカルボニルオキシ基、n-ブチルカルボニルオキシ基等
の炭素数2〜7のアシルオキシ基;メトキシカルボニル
オキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n-プロポキシ
カルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ
基、n-ブトキシカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7の
アルコキシカルボニルオキシ基、アセチル基、プロピオ
ニル基、バレニル基、ピバロイル基、シクロペンチル
基、ベンゾイル基、2−テノイル基等のアシル基等が挙
げられる。
【0023】また置換基R1〜R5は隣接する基同士で互
いに結合し、飽和縮合環を形成してもよく、それらは飽
和炭化水素環でも、ヘテロ原子を一つまたは複数個含む
飽和複素環でもよい。またR1〜R5のいずれかがジアル
キル置換アミノ基である場合も、該アルキル基が互いに
結合して同様の環状構造を形成してもよく、また、該ア
ルキル基の一方或いは両方がベンゼン環を形成する炭素
原子に結合して縮合環を形成していてもよい。これらが
つくる飽和炭化水素環および飽和複素環としては、5〜
7員環が好ましく、例えば下記に示すような環構造が挙
げられる。
【0024】
【化15】
【0025】上記の環構造におけるベンゼン環は、前記
一般式(1)におけるベンゼン環を意味し、ベンゼン環
の置換基R1〜R5は記載を省略した。また、上記環構造
における飽和炭化水素環および飽和複素環は、R1〜R5
として前記さいたものと同様の基を有していてもよく、
環中の窒素原子に結合している水素原子も同様にR1
5として前記した基と置換されていてもよい。これら
の縮合位置は隣接する基同士の間であれば、その位置や
数は特定されるものではない。
【0026】本発明の化合物を示す一般式(1)におい
て、好ましい置換基R1〜R5としては、置換されてもよ
い炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換
されてもよい炭素数3〜18の環状アルキル基、ハロゲ
ン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、置換され
てもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルコキシ
基、置換されてもよい直鎖または分岐のアルキルチオ
基、置換されてもよいアシル基、置換されていてもよい
アミノ基、置換されていてもよいアシルアミノ基、置換
されていてもよいカーバメート基、置換されていてもよ
いカルボン酸エステル基、置換されていてもよいアシル
オキシ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換
されていてもよいスルホニル基、置換されていてもよい
スルファモイル基、置換されていてもよいスルホン酸エ
ステル基、又は置換されていてもよいスルホンアミド基
で表されるか、隣接する基同士で結合して飽和炭化水素
環または飽和複素環を形成する構造を呈するものであ
る。
【0027】中でも置換基R1〜R5として特に好ましい
ものは、炭素数1〜12の置換されてもよい直鎖または
分岐のアルキル基、炭素数3〜12の置換されてもよい
環状アルキル基、炭素数1〜12の置換されてもよい直
鎖または分岐のアルコキシ基、炭素数1〜12の置換さ
れてもよい直鎖または分岐のアルキルチオ基、ハロゲン
原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の置換
されてもよい直鎖または分岐のアルキル鎖をもつアシル
基(アルキルカルボニル基)、炭素数1〜12の置換さ
れてもよい直鎖または分岐アルキル基で置換されてもよ
いアミノ基、カルボン酸の炭素数1〜12の置換されて
もよい直鎖または分岐アルキルエステル基、炭素数1〜
12の置換されてもよい直鎖または分岐アルキル基で置
換されてもよいカルバモイル基、又は炭素数1〜12の
置換されてもよい直鎖または分岐アルキル基で置換され
てもよいスルファモイル基で表されるか、隣接する基同
士で結合して飽和炭化水素環または飽和複素環を形成す
る構造を呈するものである。またこれらの基で置換され
ても良いアルキル鎖としては、ハロゲン原子で置換され
たものが好ましい。
【0028】本発明の化合物を示す一般式(1)におい
てR6は、シアノ基、−CO−R7、−COOR8、−C
ONR910、−SOR13、−SO214、−POR15
16のいずれかを表す。
【0029】ここでR7は、ヒドロキシ基、置換されて
もよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基のいずれ
かを表す。R7が表す炭化水素基としては、置換されて
もよい直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい
環状アルキル基、置換されてもよい直鎖または分岐のア
ルケニル基、置換されてもよい環状のアルケニル基、置
換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいアリー
ル基などがあげられる。より具体的には、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、se
c-ブチル基、tert-ブチル基、n-へプチル基等の炭素数
1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基;シクロプロピル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチ
ル基等の炭素数3〜18の環状アルキル基;ビニル基、
プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜18の直鎖
又は分岐のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロ
ヘキセニル基等の炭素数3〜18の環状アルケニル基;
ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜20のアラル
キル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル
基等の炭素数6〜18のアリール基が挙げられる。これ
らの中で好ましいものとしては、炭素数1〜12の置換
されてもよい直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜
12の置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよ
い炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
【0030】またR7が表す複素環基は、飽和複素環で
も不飽和複素環でもよい。また複数のヘテロ原子を含ん
でいても、さらに置換基を有していてもよい。また結合
位置も問わない。これらの複素環の中でも好ましくは、
飽和複素環では5〜7員環である。また不飽和複素環に
おいて好ましくは、5〜6員環の単環及びそれらの2縮
合環である。以下にR7が複素環であるときの好ましい
6の構造を例示する。
【0031】
【化16】
【0032】R7が表す上記炭化水素基及び複素環基が
有し得る置換基としては、前記R1〜R5が有し得る置換
基として例示した基と同様な基が挙げられる。
【0033】R8は、置換されてもよい炭化水素基、置
換されてもよい複素環基を表し、好ましくは、置換され
てもよい直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよ
いアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換さ
れてもよい複素環基である。R8が表す炭化水素基及び
複素環基としては、上記R7が表す基として例示した基
と同様な基が挙げられ、またこれらの炭化水素基及び複
素環基が有し得る基としても、同様に上記R1〜R5が有
し得る置換基として例示した基を挙げることができる。
【0034】R9,R10は各々独立に水素原子、置換さ
れてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基、置
換されてもよいアミノ基、置換されてもよいアシルアミ
ノ基、置換されてもよいカーバメート基、−COR11
−COOR12を表す。R9,R10として好ましいもの
は、水素原子、置換されてもよい直鎖または分岐のアル
キル基、置換されてもよいアラルキル基、置換されても
よいアリール基、置換されてもよい複素環基、−COR
11、−COOR12があげられる。ここでR11,R12は任
意の置換基を表し、好ましい置換基としては、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等の炭素
数1〜12の置換されてもよい直鎖または分岐のアルキ
ル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜12の置
換されてもよいアリール基、2−ピリジル基、2−フリ
ル基、ピペリジノ基等の置換されてもよい複素環基、置
換されてもよいアミノ基、置換されてもよいアシルアミ
ノ基、置換されてもよいカーバメート基が挙げられる。
これらの基が置換し得る基としては、前記R1〜R5が有
し得る置換基として例示した基を挙げることができる。
又、これらの基の具体例としては、上記R7が表す基と
して例示した基と同様な基が挙げられ、またこれらの基
が有し得る基としても、上記R1〜R5が有し得る置換基
として例示した基を挙げることができる。
【0035】R13,R14は置換されてもよい炭化水素
基、置換されてもよい複素環基を表し、好ましい置換基
としては、置換されてもよい直鎖または分岐のアルキル
基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよい
アリール基、置換されてもよい複素環基である。
【0036】R15、R16は各々独立に、ヒドロキシ基、
置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環
基、−OR17を表す。ここで、R17は置換されてもよい
炭化水素基、置換されてもよい複素環基を表し、好まし
い置換基としては、置換されてもよい直鎖または分岐の
アルキル基、置換されてもよいアラルキル基、置換され
てもよいアリール基、置換されてもよい複素環基であ
る。好ましいR15,R16としては、ヒドロキシ基、−O
17であり、R17が置換されてもよい直鎖または分岐の
アルキル基、置換されてもよいアラルキル基、置換され
てもよいアリール基、置換されてもよい複素環基であ
る。
【0037】上記R13,R14、R15、R16、R17が表す
炭化水素基及び複素環基としては、前記R7が表す基と
して例示した基と同様な基が挙げられ、またこれらの炭
化水素基及び複素環基が有し得る基としても、同様に上
記R1〜R5が有し得る置換基として例示した基を挙げる
ことができる。
【0038】R6として好ましいものは、シアノ基、−
COR7、COOR8、−CONR9 10、−SO214
あり、その中でも特に好ましいものとしては、−COR
7、COOR8、−CONR910、−SO214である。
【0039】一般式(1)で表される化合物の分子量
は、好ましくは2000以下、さらに好ましくは100
0以下である。一般式(1)で表される化合物の好まし
い例としては下記のものが挙げられる。
【0040】
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】
【化19】
【0043】
【化20】
【0044】これら本発明の一般式(1)で示される化
合物からなる色素は、例えば該色素を含む溶液から記録
層としての薄膜を形成する際の、薄膜形成性に優れてい
るので、光学記録媒体の記録層に使用する色素として極
めて有用である。また本発明の色素は、該色素を含有す
る記録層がより短い波長(350nm〜530nm)領域にレーザ
ー光による記録再生に適した強度の吸収を有しているた
め、短波長レーザーに対応する記録再生用光学記録媒体
に使用する色素として、極めて有用である。
【0045】本発明の光学記録媒体は、基本的には基板
と前記色素化合物を含む記録層とから構成されるもので
あるが、さらに必要に応じて基板上に下引き層、反射
層、保護層等を設けても良い。好ましい層構成の一例と
しては、基板上に記録層を設け、該記録層上に金、銀、
アルミニウムのような金属反射層および保護層を設けた
高反射率の媒体が挙げられる。以下、この構造の媒体を
例に、本発明の光学記録媒体について説明する。
【0046】本発明の光学記録媒体における基板の材質
としては、基本的には記録光及び再生光の波長に対し透
明であればよい。このような材質としては、例えばアク
リル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリオレフィン系樹脂(特に非晶質ポリオレフィ
ン)、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキ
シ樹脂等の樹脂からなるもの、ガラスからなるもの、ガ
ラス上に光硬化性樹脂等の放射線硬化性樹脂からなる樹
脂層を設けたもの等を使用することができる。高生産
性、コスト、耐吸湿性などの点からは、射出成型ポリカ
ーボネートが好ましく、耐薬品性、耐吸湿性などの点か
らは、非晶質ポリオレフィンが好ましい。また高速応答
などの点からは、ガラス基板が好ましい。記録層に接し
て樹脂基板または樹脂層を設け、その樹脂基板または樹
脂層上に記録再生光の案内溝やピットを有していてもよ
い。案内溝がスパイラル状の場合、この溝ピッチが0.2
〜1.2μm程度であることが好ましい。
【0047】基板上、または必要に応じて設けた下引き
層等の上に、本発明の化合物を含む記録層を形成する。
記録層の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリン
グ法、ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート
法、浸漬法等一般に行われている薄膜形成法が挙げられ
る。量産性、コスト面からはスピンコート法が好まし
い。また、厚みの均一な記録層が得られるという点から
は、塗布法よりも真空蒸着法等の方が好ましい。スピン
コート法による成膜の場合、回転数は500〜15000rpmが
好ましく、スピンコートの後、場合によっては加熱ある
いは溶媒蒸気にあてる等の処理を行っても良い。
【0048】ドクターブレード法、キャスト法、スピン
コート法、浸漬法等の塗布方法により記録層を形成する
場合の塗布溶媒としては、基板を侵さない溶媒であれば
よく、特に限定されない。例えば、ジアセトンアルコー
ル、3-ヒドロキシ-3-メチル-2-ブタノン等のケトンアル
コール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等
のセロソルブ系溶媒;n-ヘキサン、n-オクタン等の鎖状
炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、
n-ブチルシクロヘキサン、tert-ブチルシクロヘキサ
ン、シクロオクタン等の環状炭化水素系溶媒;テトラフ
ルオロプロパノール、オクタフルオロペンタノール、ヘ
キサフルオロブタノール等のパーフルオロアルキルアル
コール系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチル、2−ヒドロキ
シイソ酪酸メチル等のヒドロキシカルボン酸エステル系
溶媒;2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルア
ミノエタノール等のアミノ置換アルコール系溶媒等が挙
げられる。真空蒸着法の場合は、例えば本発明の化合物
と、必要に応じて他の色素や各種添加剤等の記録層成分
を、真空容器内に設置されたるつぼに入れ、真空容器内
を適当な真空ポンプで10-2〜10-5Pa程度にまで排
気した後、るつぼを加熱して記録層成分を蒸発させ、る
つぼと向き合って置かれた基板上に蒸着させることによ
り、記録層を形成する。
【0049】また、記録層は、記録層の安定や耐光性向
上のために、一重項酸素クエンチャーとして遷移金属キ
レート化合物(例えば、アセチルアセトナートキレー
ト、ビスフェニルジチオール、サリチルアルデヒドオキ
シム、ビスジチオ−α-ジケトン等)等や、記録感度向
上のための金属系化合物等の記録感度向上剤を含有して
いても良い。ここで金属系化合物とは、遷移金属等の金
属が原子、イオン、クラスター等の形で化合物に含まれ
るものを言い、例えばエチレンジアミン系錯体、アゾメ
チン系錯体、フェニルヒドロキシアミン系錯体、フェナ
ントロリン系錯体、ジヒドロキシアゾベンゼン系錯体、
ジオキシム系錯体、ニトロソアミノフェノール系錯体、
ピリジルトリアジン系錯体、アセチルアセトナート系錯
体、メタロセン系錯体、ポルフィリン系錯体のような有
機金属化合物が挙げられる。金属原子としては特に限定
されないが、遷移金属であることが好ましい。
【0050】さらに、必要に応じて他系統の色素を併用
することもできる。他系統の色素としては、主として記
録用のレーザー波長域に適度な吸収を有するものであれ
ばよく、特に制限されない。また、CD-Rのような770〜8
30nmから選ばれた波長の近赤外レーザーやDVD-Rのよう
な620〜690nmから選ばれた赤色レーザーでの記録に適す
る色素を併用して、複数の波長域でのレーザー光による
記録に対応する光学記録媒体とすることもできる。
【0051】他系統の色素としては含金属アゾ系色素、
フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、シア
ニン系色素、アゾ系色素、スクアリリウム系色素、含金
属インドアニリン系色素、トリアリールメタン系色素、
メロシアニン系色素、アズレニウム系色素、ナフトキノ
ン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系
色素、キサンテン系色素、オキサジン系色素、ピリリウ
ム系色素等が挙げられる。
【0052】さらに、必要に応じて、バインダー、レベ
リング剤、消泡剤等を併用することもできる。好ましい
バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ケ
トン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ウ
レタン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリカーボネー
ト、ポリオレフィン等が挙げられる。記録層の膜厚は、
記録方法などに応じて適した膜厚が異なる為、特に限定
するものではないが、通常50〜300nmである。
【0053】記録層の上には、反射層を形成してもよ
く、その膜厚は好ましくは、厚さ50〜300nmである。反
射層の材料としては、再生光の波長で反射率の十分高い
もの、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta、
Cr及びPdの金属を単独あるいは合金にして用いることが
可能である。この中でもAu、Al、Agは反射率が高く反射
層の材料として適している。これらを主成分とする以外
に下記の他成分を含んでいても良い。他成分の例として
は、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、R
h、Ir、Cu、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、S
n、Biなどの金属及び半金属を挙げることができる。な
かでもAgを主成分としているものはコストが安い点、高
反射率が出やすい点、更に後で述べる印刷受容層を設け
る場合には地色が白く美しいものが得られる点等から特
に好ましい。ここで主成分とは含有率が50%以上のも
のをいう。
【0054】金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率
薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層として
用いることも可能である。反射層を形成する方法として
は、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化
学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。また、基板の上
や反射層の下に反射率の向上、記録特性の改善、密着性
の向上等のために公知の無機系または有機系の中間層、
接着層を設けることもできる。
【0055】反射層の上に形成する保護層の材料として
は、反射層を外力から保護するものであれば特に限定さ
れない。有機物質の材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、電子線硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等を挙げ
ることができる。また、無機物質としては、酸化ケイ
素、窒化ケイ素、MgF2、SnO2等が挙げられる。
【0056】熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などは適当な
溶剤に溶解して塗布液を調製し、これを塗布し、乾燥す
ることによって形成することができる。UV硬化性樹脂
は、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調
製した後にこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化
させることによって形成することができる。UV硬化性
樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキ
シアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのアク
リレート系樹脂を用いることができる。これらの材料は
単独であるいは混合して用いても良いし、1層だけでは
なく多層膜にして用いても良い。
【0057】保護層の形成方法としては、記録層と同様
にスピンコート法やキャスト法等の塗布法やスパッタ法
や化学蒸着法等の方法が用いられるが、この中でもスピ
ンコート法が好ましい。保護層の膜厚は、一般に0.1〜1
00μmの範囲であるが、本発明においては、3〜30μmが
好ましい。
【0058】以上の説明は、基板/記録層/反射層/保
護層の順に積層された基本的層構成を有し、該基板を通
して照射されたレーザー光により記録・再生を行う光学
記録媒体を例に行ったが、本発明の特性を損なわない限
り、これら各層の間には任意の層を有していてもよい。
また保護層の上に、あるいは保護層を設けず反射層の上
に、接着剤層などを介して更に基板を貼り合わせてもよ
い。該基板は、何ら層を設けていない基板そのものであ
っても良く、貼り合わせ面またはその反対面に任意の層
を有するものでもよい。少なくとも記録層を有する基板
を2枚用意し、該記録層が対向するように貼り合わせる
ことにより、両面につき記録・再生可能な光学記録媒体
としてもよい。更に、本発明の光学記録媒体は、基板/
反射層/記録層/保護被膜を順次積層してなる基本的層
構成を有し、該保護被膜を通して照射されたレーザー光
により記録・再生を行うものであってもよい。この保護
被膜は、フィルムないしシート状のものを接着剤によっ
て貼り合わせてもよいし、あるいは前述の保護層と同様
に、成膜用の塗液を塗布することにより形成しても良
い。このような基本的層構成の場合も、上記各層間に
は、本発明の特性を損なわない限り、任意の層を有して
いてもよい。
【0059】ところで、光学記録媒体の記録密度を上げ
るための一つの手段として、対物レンズの開口数を上げ
て情報記録面に集光される光スポットを微少化すること
が提案されているが、対物レンズの開口数を上げるとデ
ィスクの反り等の影響により集光される光スポットの収
差が大きくなり、良好な記録再生信号が安定して得られ
ないという問題が存在する。このような、媒体の反りに
よって発生する前記収差を小さくするためには、例えば
基板/記録層/反射層/保護層の順に積層された基本的
層構成を有し、記録・再生用レーザー光が通過する透明
基板の厚みを、0.1mm程度まで薄くするか、基板/
反射層/記録層/保護被膜を順次積層してなる光学記録
媒体に対し、保護被膜を通して記録・再生することが好
ましい。保護被膜の厚みは、通常0.1μm〜0.3mm程度、
好ましくは0.1μm〜200μm程度である。上記いずれの
順に積層した媒体においても、必要に応じて、記録・再
生光の入射面ではない面に、インクジェット、感熱転写
等の各種プリンタ、或いは各種筆記具にて記入(印刷)
が可能な印刷受容層を設けてもよい。
【0060】本発明の光学記録媒体について使用される
レーザー光は、高密度記録のため波長は短いほど好まし
いが、特に350〜530nmのレーザー光が好ましい。かかる
レーザー光の代表例としては、中心波長405nm、410nm、
515nmのレーザー光が挙げられる。波長350〜530nmの範
囲のレーザー光の一例は、405nm、410nmの青色または51
5nmの青緑色の高出力半導体レーザーを使用することに
より得ることができるが、その他、例えば、(a)基本発
振波長が740〜960nmの連続発振可能な半導体レーザー、
または(b)半導体レーザーによって励起され、且つ基本
発振波長が740〜960nmの連続発振可能な固体レーザーの
いずれかを第二高調波発生素子(SHG)により波長変換す
ることによっても得ることができる。
【0061】上記のSHGとしては、反転対称性を欠く
ピエゾ素子であればいかなるものでもよいが、KDP、
ADP、BNN、KN、LBO、化合物半導体などが好ま
しい。第二高調波の具体例としては、基本発振波長が86
0nmの半導体レーザーの場合、その倍波の430nm、また半
導体レーザー励起の固体レーザーの場合は、Crドープし
たLiSrAlF6結晶(基本発振波長860nm)からの倍波の430
nmなどが挙げられる。
【0062】上記のようにして得られた本発明の光学記
録媒体への記録は、基板の両面または片面に設けた記録
層に0.4〜0.6μm程度に集束したレーザー光を照射する
ことにより行う。レーザー光の照射された部分には、レ
ーザー光エネルギーの吸収による、分解、発熱、溶解等
の記録層の熱的変形が起こり、光学特性が変化する。記
録された情報の再生は、レーザー光により、光学特性の
変化が起きている部分と起きていない部分の反射率の差
を読みとることにより行う。
【0063】
【実施例】以下本発明を実施例により更に具体的に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら実施
例によって限定されるものではない。
【0064】実施例1 (a)製造例
【化21】 上記構造式[I]で示されるp-ペンタフルオロエチルチ
オアニリン2.43g(0.01mol)を35%塩酸
3.125gと水75ml溶液中に攪拌溶解させ、0〜
5℃に冷却した。ここに亜硝酸ナトリウム0.76g/
3ml水溶液を0〜5℃を保つように滴下してジアゾ化
した。一方、別の容器に上記構造式[II]で表されるシア
ノ酢酸エチル1.36g(0.012mol)、酢酸ナ
トリウム2g、尿素0.2gをメタノール30ml、水
10ml中に撹拌溶解させ、35%塩酸でpHを5にし
て0〜5℃に冷却した。この溶液に先ほどのジアゾ液を
0〜5℃、10%アンモニア水溶液でpH3〜5に保ち
ながら滴下した。滴下終了後、2時間攪拌を行い、反応
液を濾過し、濾過物を水で洗浄した。これを乾燥し、前
記の例示化合物(1)で示される化合物2.88g(収
率78.4%)を得た。この化合物のクロロホルム中で
のλmax=354.5nm、モル吸光係数は2.5×104
であった。
【0065】(b)記録媒体例 前述の例示化合物(1)をオクタフルオロペンタノール
に溶解し、1.0wt%に調整した。これをろ過して得られた
溶解液を直径120mm、厚さ1.2mmの射出成型ポリカーボネ
ート樹脂基板上に滴下し、スピナー法により塗布し、塗
布後、100℃で30分間乾燥した。この塗布膜の最大
吸収波長(λmax)は、358.5nmであった。
【0066】実施例2 (a)製造例
【化22】 上記構造式[III]で示される3,5-ジトリフルオロメチ
ルアニリン2.29g(0.01mol)を酢酸10m
l、リン酸9g中に溶解させ、0〜5℃に冷却しながら
攪拌し、ここに43%ニトロシル硫酸3.52gを滴下
して1時間攪拌してジアゾ化した。この反応液を、実施
例1と同様の[II]の溶液に、0〜5℃、pH3〜4に
保ちながら滴下した。滴下終了後、pHを6にして2時
間攪拌を行い、反応液を濾過し、濾過物をさらに水で懸
濁洗浄し、乾燥させることにより前記例示化合物(2)
で表される化合物2.88g(収率81.5%)を得
た。この化合物のクロロホルム中でのλmax=341.
5nm、モル吸光係数は2.3×104であった。
【0067】(b)記録媒体例 上記例示化合物(2)をオクタフルオロペンタノールに
溶解し、2.0wt%に調整した。これをろ過して得られた溶
解液を直径120mm、厚さ1.2mmの射出成型ポリカーボネー
ト樹脂基板上に滴下し、スピナー法により塗布し、塗布
後、100℃で30分間乾燥した。この塗布膜の最大吸
収波長(λmax)は、351.5nmであった。
【0068】以下、前記の合成法と同様の方法で、例示
化合物(3)、(4)の化合物を合成し、膜スペクトル
を測定した。これらの化合物の溶液中での最大吸収波
長、モル吸光係数、塗布膜での最大吸収波長を、実施例
1、2の結果と合わせて表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】上記のようにして基板上に形成したこの塗
布膜上に、スパッタリング法等にて銀膜を成膜して反射
層を形成し、更に紫外線硬化型樹脂をスピンコート等に
て塗布・UV照射により硬化させて保護層を形成し、光
学記録媒体とすることができる。この光学記録媒体は、
塗布膜のλmaxの値より、例えば中心波長405nmの半導体
レーザーによる記録再生が可能であることが明らかであ
る。
【0071】
【発明の効果】本発明化合物の含有溶液は、短波長のレ
ーザー光による記録再生に適した吸収を有する塗布膜を
形成することが出来、且つ成膜性にも優れているので、
本発明化合物を用いた記録層を有する記録媒体は、短波
長レーザーに対応する記録・再生用光学記録媒体として
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H111 EA03 EA12 EA22 FA02 FB42 5D029 JA04 JB47 5D090 AA01 BB03 CC01 CC14 FF11 KK06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にレーザーによる情報の記録又は
    再生が可能な記録層が設けられた光学記録媒体におい
    て、該記録層が下記一般式(1)で示される化合物を含
    有することを特徴とする光学記録媒体。 【化1】 [式中、R1〜R5は各々独立に水素原子又はアゾ基以外
    の任意の置換基を表す(但し、R1〜R5が全て水素原子
    であることはない)。又、R6はシアノ基;−COR
    7〔R7はヒドロキシ基、置換されてもよい炭化水素基、
    置換されてもよい複素環基〕;−COOR8〔R8は置換
    されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基を
    表す〕;−CONR910〔R9,R10は各々独立に水素
    原子、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい
    複素環基、置換されてもよいアミノ基、置換されてもよ
    いアシルアミノ基、置換されてもよいカーバメート基、
    −COR11、−COOR12(R11,R12は任意の置換
    基)を表す〕;−SOR13〔R13は置換されてもよい炭
    化水素基、置換されてもよい複素環基を表す〕;−SO
    214〔R14は置換されてもよい炭化水素基、置換され
    てもよい複素環基を表す〕;−POR1516〔R15、R
    16は各々独立に、ヒドロキシ基、置換されてもよい炭化
    水素基、置換されてもよい複素環基、−OR17(R17
    置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環
    基)〕を表す。]
  2. 【請求項2】一般式(1)において、R7、R8、R13
    14が置換されてもよい直鎖または分岐のアルキル基、
    置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいアリ
    ール基、置換されてもよい複素環基を表し、R9、R10
    が各々独立に水素原子、置換されてもよい直鎖または分
    岐のアルキル基、置換されてもよいアラルキル基、置換
    されてもよいアリール基、置換されてもよい複素環基、
    −COR11、−COR 12(R11,R12は任意の置換基)
    を表し、R15、R16が各々独立に、ヒドロキシ基、−O
    17(R17は置換されてもよい直鎖または分岐のアルキ
    ル基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよ
    いアリール基、置換されてもよい複素環基を表す)を表
    す化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の
    光学記録媒体。
  3. 【請求項3】一般式(1)において、R6が、シアノ
    基、−COR7、COOR8、−CONR910、−SO2
    14で表される化合物を含有することを特徴とする請求
    項2に記載の光学記録媒体(但し、R7〜R10及びR14
    は、請求項2におけると同義である)。
  4. 【請求項4】一般式(1)において置換基R1〜R5の少
    なくとも一つが、それぞれ独立に置換されてもよい直鎖
    または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数3〜
    18の環状アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シア
    ノ基、ヒドロキシ基、置換されてもよい炭素数1〜18
    の直鎖または分岐のアルコキシ基、置換されてもよい炭
    素数1〜18の直鎖または分岐のアルキルチオ基、置換
    されてもよいアシル基、置換されてもよいアミノ基、置
    換されてもよいアシルアミノ基、置換されてもよいカー
    バメート基、置換されてもよいカルボン酸エステル基、
    置換されてもよいアシルオキシ基、置換されてもよいカ
    ルバモイル基、置換されてもよいスルホニル基、置換さ
    れてもよいスルファモイル基、置換されてもよいスルホ
    ン酸エステル基、又は置換されてもよいスルホンアミド
    基で表されるか、隣接する置換基同士で結合して飽和炭
    化水素環または飽和複素環を形成する化合物を含有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の光学記録媒体。
  5. 【請求項5】波長350nm〜530nmのレーザー光を用い、請
    求項1〜4に記載の光学記録媒体に対し情報の記録を行
    うことを特徴とする光学記録方法。
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