JP2003169841A - 脱臭材及びその製造方法 - Google Patents

脱臭材及びその製造方法

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JP2003169841A JP2001370776A JP2001370776A JP2003169841A JP 2003169841 A JP2003169841 A JP 2003169841A JP 2001370776 A JP2001370776 A JP 2001370776A JP 2001370776 A JP2001370776 A JP 2001370776A JP 2003169841 A JP2003169841 A JP 2003169841A
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Asao Otani
朝男 大谷
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NANMOKUMURA SHINRIN KUMIAI
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価に供給することができ、しかも高性能の
脱臭能を具備しており、更には脱臭材として使用後には
そのまま徐放性肥料として利用することのできる脱臭
材、及び該脱臭材の製造方法を提供すること。 【解決手段】 顆粒状をなす粉炭に、リン酸、亜リン
酸、次亜リン酸又はこれらの塩の中から選択される少な
くとも1種の化合物、或いは苛性カリ又は炭酸カリウム
の中から選択される少なくとも1種の化合物を担持させ
てなる脱臭材。及び顆粒状をなす粉炭を、リン酸、亜リ
ン酸、次亜リン酸又はこれらの塩の中から選択される化
合物の水溶液、或いは苛性カリ又は炭酸カリウムの中か
ら選択される化合物の水溶液に浸漬し、乾燥する脱臭材
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンモニアやトリ
メチルアミン等のアルカリ性化合物に起因する悪臭物
質、或いはメチルメルカプタンや硫化水素等の酸性化合
物に起因する悪臭物質を除去するための脱臭材、及び該
脱臭材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】雰囲気中の悪臭の除去手段として活性炭
表面の吸着作用を利用するものが汎用しており、通気性
を有する所定の容器に活性炭を充填したり、或いは通気
性を有する包装材に活性炭を袋詰めにしたりして使用さ
れている。
【0003】前記従来の活性炭を利用する悪臭の除去手
段は、脱臭材として使用する活性炭の製造工程中の1工
程として、炭化させた炭材を活性化させる賦活工程を必
要とする関係から、賦活工程のための手間が必要である
だけでなく、この賦活工程中に炭材の多くが消失してし
まうこともあって、活性炭自体が極めて高価なものにな
る。
【0004】又、活性炭が高価である関係上、脱臭材と
しての吸着能力が低下した使用済みの活性炭は、これを
再生して繰り返し利用しているが、この場合にも再生の
対象となる活性炭の履歴によって異なる再生手段が適用
されなければならなく、再生のためにも煩雑な操作を必
要とするためにこれも又高価になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、活性炭を利用するよりも遥かに安価に供給すること
ができ、しかも高性能の脱臭能を具備しており、更には
脱臭材としての吸着能力が低下した使用後にはそのまま
徐放性肥料として有効利用を図ることのできる脱臭材、
及び該脱臭材の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的は、以下に記載
する構成による本発明の脱臭材及びその製造方法によっ
て達成される。すなわち本発明の脱臭材は、顆粒状をな
す粉炭に、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸又はこれらの
塩の中から選択される少なくとも1種の化合物を担持さ
せてなるものである。
【0007】前記構成による本発明の脱臭材において
は、顆粒状をなす粉炭に担持されている化合物がリン酸
であることが好ましい。
【0008】又、前記構成による本発明の脱臭材におい
ては、顆粒状をなす粉炭に担持されているリン酸、亜リ
ン酸、次亜リン酸又はこれらの塩の中から選択される化
合物の担持量(重量%)が、15〜40重量%であるこ
とが好ましい。
【0009】本発明の脱臭材の製造方法は、顆粒状をな
す粉炭を、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸又はこれらの
塩の中から選択される少なくとも1種の化合物の水溶液
中に浸漬し、続いて乾燥するものである。
【0010】前記構成による本発明の脱臭材の製造方法
においては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸又はこれら
の塩の中から選択される少なくとも1種の化合物の水溶
液として、化合物の濃度5〜35重量%の水溶液を使用
することが好ましい。
【0011】もう1つの本発明の脱臭材は、顆粒状をな
す粉炭に、苛性カリ又は炭酸カリウムの中から選択され
る少なくとも1種の化合物を担持させてなるものであ
る。
【0012】前記構成による本発明の脱臭材において
は、顆粒状をなす粉炭に担持されている化合物が炭酸カ
リウムであることが好ましい。
【0013】又、もう1つの本発明の脱臭材の製造方法
は、顆粒状をなす粉炭を、苛性カリ又は炭酸カリウムの
中から選択される少なくとも1種の化合物の水溶液中に
浸漬し、続いて乾燥するものである。
【0014】前記構成による本発明の脱臭材の製造方法
においては、苛性カリ又は炭酸カリウムの中から選択さ
れる少なくとも1種の化合物の水溶液として、化合物の
濃度10〜50重量%の水溶液を使用することが好まし
い。
【0015】
【発明の実施の形態】前記構成による本発明の脱臭材及
びその製造方法において、顆粒状をなす粉炭は、その粒
径に厳密な規定を要するものではなく、通気性を具備す
る容器に充填したり或いは包装材に袋詰めにしたりして
使用するのに好適なものであればよく、勿論粉末状のも
のが混入していてもよいが、粒径が0.5mm未満にな
ると取扱い中の飛散が激しくなるので好ましくない。
【0016】顆粒状をなす粉炭は、例えば直径0.5〜
2cm程度の塊にカットした木質片を乾燥して85〜9
0重量%程度に減量した後、500〜600℃にて30
〜40分間程度焼成することにより、粒径0.5〜5m
m程度の粉炭として得られる。従って、廃材、枯材、切
り屑等を使用した粉炭にすることにより、より一層安価
に入手することができる。
【0017】本発明の脱臭材は、前記粉炭にアンモニア
やトリメチルアミン等のアルカリ性化合物に起因する悪
臭物質と反応する化合物であるリン酸、亜リン酸、次亜
リン酸又はこれらの塩の中から選択される少なくとも1
種の化合物、或いはメチルメルカプタンや硫化水素等の
酸性化合物に起因する悪臭物質と反応する化合物である
苛性カリ又は炭酸カリウムの中から選択される少なくと
も1種の化合物を担持させてなるものである。
【0018】アンモニアやトリメチルアミン等のアルカ
リ性化合物に起因する悪臭物質と反応する化合物である
リン酸、亜リン酸、次亜リン酸又はこれらの塩の中で
は、安価である点からリン酸を使用するのが好適であ
る。又、粉炭に担持させたリン酸、亜リン酸、次亜リン
酸又はこれらの塩は、その担持量が15重量%未満にな
ると、アンモニアやトリメチルアミン等のアルカリ性化
合物に起因する悪臭物質の脱臭作用が十分でなくなり、
又40重量%を超えて担持させることは、粉炭を浸漬さ
せるための水溶液の濃度を高めなければならなく、高濃
度の水溶液にすると該水溶液の粘度が上昇するために、
粉炭の浸漬工程が容易でなくなる等のために困難であ
る。なお、粉炭に担持させたリン酸、亜リン酸、次亜リ
ン酸又はこれらの塩の担持量(重量%)は、(処理後の
粉炭の重量−処理前の粉炭の重量)×100/(処理後
の粉炭の重量)によって求めたものである。
【0019】又、メチルメルカプタンや硫化水素等の酸
性化合物に起因する悪臭物質と反応する化合物としての
苛性カリは、潮解性があるために試剤自体の保存性が良
く無く、又これを担持させた粉炭においても、苛性カリ
の潮解性の悪影響を受けることになる。従って、顆粒状
をなす粉炭に、苛性カリ又は炭酸カリウムの中から選択
される少なくとも1種の化合物を担持させた脱臭材にお
いては、炭酸カリウムを担持させたものの方が、その取
扱い性及び管理面において有利である。
【0020】前記粉炭に担持させてあるリン酸化合物に
よるアンモニアに起因する悪臭物質の脱臭作用は、空気
中の水分の下でリン酸化合物とアンモニアとの反応によ
り、(NH4 )H2 PO4 →(NH42 HPO4 の不
揮発性化合物になることによる。
【0021】これに対して、前記前記粉炭に担持させて
ある苛性カリ又は炭酸カリウムの中から選択される少な
くとも1種の化合物による硫化水素に起因する悪臭物質
の脱臭作用は明確ではないが、硫酸カリウムの生成によ
る脱硫作用や、炭酸カリウムの触媒効果によるものと思
料される。
【0022】粉炭にリン酸、亜リン酸、次亜リン酸又は
これらの塩の中から選択される少なくとも1種の化合物
を担持させるには、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸又は
これらの塩の中から選択される少なくとも1種の化合物
の水溶液中に、顆粒状をなす粉炭を浸漬し、続いて乾燥
するだけでよい。なお、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸
又はこれらの塩の中から選択される少なくとも1種の化
合物の水溶液の濃度が15重量%未満になると、前記化
合物の所望量を粉炭に担持させ難くなり、又35重量%
を超えると、該水溶液が高粘性になるために浸透性が悪
く、粉炭の浸漬時間を長くしなければならなくなる。
【0023】従って、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸又
はこれらの塩の中から選択される少なくとも1種の化合
物の5〜35重量%の水溶液に粉炭を浸漬し、乾燥する
ことにより、これらの化合物の担持量が15〜40重量
%となるように前記化合物を粉炭に担持させるのがよ
い。
【0024】又粉炭に苛性カリ又は炭酸カリウムの中か
ら選択される少なくとも1種の化合物を担持させるに
は、苛性カリ又は炭酸カリウムの中から選択される少な
くとも1種の化合物の水溶液中に顆粒状をなす粉炭を浸
漬し、続いて乾燥するだけでよい。
【0025】なお、苛性カリ又は炭酸カリウムの中から
選択される少なくとも1種の化合物の水溶液の濃度が1
重量%未満になると、前記化合物の所望量を粉炭に担持
させ難くなり、又50重量%を超えると、該水溶液が高
粘性になるために浸透性が悪く、粉炭の浸漬時間を長く
しなければならなくなる。従って、苛性カリ又は炭酸カ
リウムの中から選択される少なくとも1種の化合物の1
0〜50重量%の水溶液に粉炭を浸漬するのがよい。
【0026】更に、粉炭を前記した水溶液に浸漬させる
ときの浴比は、粉炭が水溶液中に十分に埋没すればよ
く、又減圧下にて前記水溶液中への浸漬を行なうことに
より、浸漬時間の短縮を図ることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の脱臭材及びその製造方法の具
体的な構成を製造実施例に基づいて説明し、併せて得ら
れた脱臭材の脱臭効果の確認試験について言及する。
【0028】実施例1 10重量%のリン酸水溶液500cc中に、粒径0.7
〜2mmに篩分けした顆粒状をなす市販の粉炭(PC−
0)50gを、減圧下にて30分間浸漬した後、濾過に
よって取り出し、これを150℃にて48時間の乾燥に
付すことにより、リン酸の担持量18.3重量%の脱臭
材(PC−10)を得た。
【0029】なお、窒素の吸着量の測定によって得られ
た吸着等温線からBET理論を利用して求めた粉炭(P
C−0)の比表面積は、78m2 /gであり、この脱臭
材(PC−10)の比表面積は25m2 /gである。
【0030】実施例2 20重量%のリン酸水溶液500cc中に、前記実施例
1で用いたものと同じ粒径0.7〜2mmに篩分けした
顆粒状をなす粉炭(PC−0)50gを、減圧下にて3
0分間浸漬した後、濾過によって取り出し、これを15
0℃にて48時間の乾燥に付すことにより、リン酸の担
持量28.7重量%の脱臭材(PC−20)を得た。こ
の脱臭材(PC−20)の比表面積は16m2 /gであ
る。
【0031】実施例3 30重量%のリン酸水溶液中500cc中に、前記実施
例1で用いたものと同じ粒径0.7〜2mmに篩分けし
た顆粒状をなす粉炭(PC−0)50gを、減圧下にて
30分間浸漬した後、濾過によって取り出し、これを1
50℃にて48時間の乾燥に付すことにより、リン酸の
担持量38.5重量%の脱臭材(PC−30)を得た。
この脱臭材(PC−30)の比表面積は9m2 /gであ
る。
【0032】脱臭試験(1) [図1]に示す脱臭試験装置を利用して、湿度50%に
調湿した空気に、アンモニア含有窒素による悪臭ガスを
混合し、約100ppmのアンモニアを含有する悪臭空
気にした後、この悪臭空気を、比較のための脱臭材とし
ての未処理の粉炭PC−0、又は前記実施例1〜実施例
3で得られた脱臭材(PC−10)〜(PC−30)の
うちのいずれか1つの脱臭材2gずつを充填してある2
つのカラムに、各カラムに対して流量5000cc/分
(2つのカラムでの合計流量10000cc/分)の割
り合いで通過させる脱臭試験を行ない、カラム入口の測
定位置1、カラム出口の測定位置2、及びカラム出口の
測定位置3の3箇所にて、空気中のアンモニア濃度を測
定した。
【0033】次いで、前記各測定位置での空気中のアン
モニア濃度に基づいて、各脱臭材の脱臭率を、脱臭率=
100×[1−(測定位置2のアンモニア濃度+測定位
置3のアンモニア濃度)/(測定位置1のアンモニア濃
度×2)]の計算式によって求めた。2つのカラムへの
アンモニア含有空気の累積通過量と、各脱臭材の脱臭率
との関係を[図2]に示す。
【0034】脱臭試験(2) 湿度50%に調湿した空気に混合する悪臭ガスを(CH
33 N含有窒素による悪臭ガスにする以外は、脱臭試
験(1)と同様にして、各脱臭材の脱臭率を求めた。2
つのカラムへのトリメチルアミン含有空気の累積通過量
と、各脱臭材の脱臭率との関係を[図3]に示す。
【0035】比較例1 10重量%のリン酸水溶液中に、活性炭(カーボンテッ
ク (株) :タイアソープZ−10、比表面積1391m
2 /g)(PA−0)を、減圧下にて30分間浸漬した
後、濾過によって取り出し、これを150℃にて48時
間の乾燥に付すことにより、リン酸の担持量10.7重
量%の比較のための脱臭材(PA−10)を得た。この
脱臭材(PA−10)の比表面積は717m2 /gであ
る。
【0036】比較例2 20重量%のリン酸水溶液中に、前記比較例1で用いた
ものと同じ活性炭(PA−0)を、減圧下にて30分間
浸漬した後、濾過によって取り出し、これを150℃に
て48時間の乾燥に付すことにより、リン酸の担持量1
7.2重量%の脱臭材(PA−20)を得た。この脱臭
材(PA−20)の比表面積は615m 2 /gである。
【0037】比較例3 30重量%のリン酸水溶液中に、前記比較例1で用いた
ものと同じ活性炭(PA−0)を、減圧下にて30分間
浸漬した後、濾過によって取り出し、これを150℃に
て48時間の乾燥に付すことにより、リン酸の担持量2
2.9重量%の脱臭材(PA−30)を得た。この脱臭
材(PA−30)の比表面積は387m 2 /gである。
【0038】脱臭試験(3) 脱臭材としての未処理の活性炭(PA−0)、又は前記
比較例1〜比較例3で得られた脱臭材(PA−10)〜
(PA−30)のうちのいずれか1つの脱臭材を充填し
てある2つのカラムを使用し、前記した脱臭試験(1)
と同様にして各脱臭材の脱臭率を求めた。2つのカラム
へのアンモニア含有空気の累積通過量と、各脱臭材の脱
臭率との関係を[図4]に示す。
【0039】脱臭試験(4) 脱臭材としての未処理の活性炭(PA−0)、又は前記
比較例1〜比較例3で得られた脱臭材(PA−10)〜
(PA−30)のうちのいずれか1つの脱臭材を充填し
てある2つのカラムを使用し、前記した脱臭試験(2)
と同様にして各脱臭材の脱臭率を求めた。2つのカラム
へのトリメチルアミン含有空気の累積通過量と、各脱臭
材の脱臭率との関係を[図5]に示す。
【0040】以上の脱臭試験(1)〜脱臭試験(4)に
より、本第1の発明の脱臭材の脱臭能は、活性炭或いは
リン酸を担持させた活性炭の脱臭能よりも優れているこ
とが分かる。
【0041】なお、リン酸を担持させた粉炭の脱臭能が
リン酸を担持させた活性炭よりも優れることは、活性炭
にはミクロ孔が多く存在しており、活性炭をリン酸水溶
液に浸漬する手段によっては活性炭のミクロ孔の内部に
至る迄十分にリン酸を担持させることができないのに対
して、一方の粉炭に存在している細孔は、活性炭に形成
されているミクロ孔に比較して遥かに大きいために、粉
炭をリン酸水溶液に浸漬する手段によって、該粉炭の細
孔の内部に至る迄十分にリン酸を担持させ得るためであ
る。
【0042】又同時に、リン酸水溶液に活性炭を浸漬さ
せる手段によってリン酸を担持させると、活性炭に形成
されているミクロ孔の開口部がリン酸によって閉塞して
しまい、これによって活性炭の反応表面積が急激に低下
するのに対して、粉炭の場合には、細孔の開口部がリン
酸によって閉塞されることが少なく、粉炭の反応表面積
の低下が抑えられるためである。
【0043】実施例4 1重量%の炭酸カリウム水溶液500cc中に、粒径
0.7〜2mmに篩分けした顆粒状をなす市販の粉炭
(KC−0)50gを、減圧下にて60分間浸漬した
後、濾過によって取り出し、これを150℃にて48時
間の乾燥に付すことにより、炭酸カリウムを担持してな
る脱臭材(KC−1)を得た。
【0044】実施例5 5重量%の炭酸カリウム水溶液500cc中に、前記実
施例4で用いたものと同じ粒径0.7〜2mmに篩分け
した顆粒状をなす粉炭(KC−0)50gを、減圧下に
て60分間浸漬した後、濾過によって取り出し、これを
150℃にて48時間の乾燥に付すことにより、炭酸カ
リウムを担持量してなる脱臭材(KC−5)を得た。
【0045】実施例6 15重量%の炭酸カリウム水溶液500cc中に、前記
実施例4で用いたものと同じ粒径0.7〜2mmに篩分
けした顆粒状をなす粉炭(KC−0)50gを、減圧下
にて60分間浸漬した後、濾過によって取り出し、これ
を150℃にて48時間の乾燥に付すことにより、炭酸
カリウムを担持量してなる脱臭材(KC−15)を得
た。
【0046】実施例7 30重量%の炭酸カリウム水溶液500cc中に、前記
実施例4で用いたものと同じ粒径0.7〜2mmに篩分
けした顆粒状をなす粉炭(KC−0)50gを、減圧下
にて60分間浸漬した後、濾過によって取り出し、これ
を150℃にて48時間の乾燥に付すことにより、炭酸
カリウムを担持量してなる脱臭材(KC−30)を得
た。
【0047】実施例8 45重量%の炭酸カリウム水溶液500cc中に、前記
実施例4で用いたものと同じ粒径0.7〜2mmに篩分
けした顆粒状をなす粉炭(KC−0)50gを、減圧下
にて60分間浸漬した後、濾過によって取り出し、これ
を150℃にて48時間の乾燥に付すことにより、炭酸
カリウムを担持量してなる脱臭材(KC−45)を得
た。
【0048】脱臭試験(5) 前記した[図1]に示す脱臭試験装置を利用して、湿度
50%に調湿した空気に、H2 S含有窒素による悪臭ガ
スを混合し、約100ppmのH2 Sを含有する悪臭空
気にした後、この悪臭空気を、比較のための脱臭材とし
ての未処理の粉炭(KC−0)、市販の活性炭(カーボ
ンテック (株) :タイアソープZ−10、比表面積13
91m2 /g)(AC−0)、又は前記実施例4〜実施
例8で得られた脱臭材(KC−1)〜(KC−45)の
うちのいずれか1つの脱臭材4gずつを充填してある2
つのカラムに、各カラムに対して流量5000cc/分
(2つのカラムでの合計流量10000cc/分)の割
り合いで通過させる脱臭試験を行ない、カラム入口の測
定位置1、カラム出口の測定位置2、及びカラム出口の
測定位置3の3箇所にて、空気中のH2 S濃度を測定
し、各脱臭材の脱臭率を求めた。
【0049】2つのカラムへのH2 S含有空気の通過時
間と、各脱臭材の脱臭率との関係を[図6]に示す。
【0050】前記脱臭試験(5)により、本第6の発明
の脱臭材にあっては、粉炭をせいぜい5重量%の炭酸カ
リウム水溶液に浸漬させる処理によって、炭酸カリウム
を担持した粉炭にすることにより、活性炭と殆ど同程度
の脱臭能を具備する脱臭材になり、10重量%以上の濃
度の炭酸カリウム水溶液の浸漬処理を行なって炭酸カリ
ウムを担持した粉炭にすることにより、活性炭よりも優
れた脱臭能を有する脱臭材になることが分かる。
【0051】脱臭試験(6) 湿度50%に調湿した空気に混合する悪臭ガスをCH3
SH含有の窒素による悪臭ガスにする以外は、前記脱臭
試験(5)と同様にして、未処理の粉炭(KC−0)、
実施例5による脱臭材(KC−5)、実施例7による脱
臭材(KC−30)、又は実施例8による脱臭材(KC
−45)での脱臭試験を行ない、各脱臭材の脱臭率を求
めた。CH3 SH含有空気の通過時間と、各脱臭材の脱
臭率との関係を[図7]に示す。
【0052】
【発明の効果】本発明の脱臭材は、安価に供給される顆
粒状をなす粉炭に、アンモニアやトリメチルアミン等の
アルカリ性化合物に起因する悪臭物質と反応する化合物
であるリン酸、亜リン酸、次亜リン酸又はこれらの塩の
中から選択される少なくとも1種の化合物、或いはメチ
ルメルカプタンや硫化水素等の酸性化合物に起因する悪
臭物質と反応する化合物である苛性カリ又は炭酸カリウ
ムの中から選択される少なくとも1種の化合物を担持さ
せてなるものである。
【0053】従って、アンモニアやトリメチルアミン等
のアルカリ性化合物に起因する悪臭物質と反応する化合
物であるリン酸、亜リン酸、次亜リン酸又はこれらの
塩、或いはメチルメルカプタンや硫化水素等の酸性化合
物に起因する悪臭物質と反応する化合物である苛性カリ
又は炭酸カリウムが、粉炭の細孔の内部に至る迄十分に
担持されていることから、これらの化合物の担持量が高
く、しかも担持させた前記化合物によって粉炭の細孔の
開口部が閉塞されることが少ないために粉炭の反応表面
積が大幅に低下するようなことがない。
【0054】これによって本発明の脱臭材は、高度の脱
臭機能を呈し、かつ安価に供給し得るという特性を有
し、更には使用後の脱臭材には粉炭の細孔に至る迄リン
酸成分やカリ成分が担持された状態になっているので、
これをそのまま徐放性肥料として有効利用することがで
きる。
【0055】又本発明の脱臭材の製造方法は、安価に供
給される顆粒状をなす粉炭を、アンモニアやトリメチル
アミン等のアルカリ性化合物に起因する悪臭物質と反応
する化合物であるリン酸、亜リン酸、次亜リン酸又はこ
れらの塩の中から選択される少なくとも1種の化合物の
水溶液、或いはメチルメルカプタンや硫化水素等の酸性
化合物に起因する悪臭物質と反応する化合物である苛性
カリ又は炭酸カリウムの中から選択される少なくとも1
種の化合物の水溶液に浸漬し、乾燥するだけのものであ
るから、容易、かつ的確に前記本発明の脱臭材を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱臭材を充填したカラムに悪臭空気を通過させ
て、脱臭材の脱臭能力を試験するための脱臭試験装置の
説明図である。
【図2】脱臭試験(1)によるアンモニア含有空気の累
積通過量と、各脱臭材の脱臭率との関係を示すグラフで
ある。
【図3】脱臭試験(2)によるトリメチルアミン含有空
気の累積通過量と、各脱臭材の脱臭率との関係を示すグ
ラフである。
【図4】脱臭試験(3)によるアンモニア含有空気の累
積通過量と、各脱臭材の脱臭率との関係を示すグラフで
ある。
【図5】脱臭試験(4)によるトリメチルアミン含有空
気の累積通過量と、各脱臭材の脱臭率との関係を示すグ
ラフである。
【図6】脱臭試験(5)によるH2 S含有空気の通過時
間と、各脱臭材の脱臭率との関係を示すグラフである。
【図7】脱臭試験(6)によるCH3 SH含有空気の通
過時間と、各脱臭材の脱臭率との関係を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 20/32 B01J 20/32 Z Fターム(参考) 4C080 AA05 AA07 BB02 CC04 CC05 CC08 CC09 HH09 JJ04 KK08 LL02 LL03 LL10 MM01 MM40 NN01 QQ11 4G066 AA04C AA11B AA43B AA50B AE19C BA09 CA02 DA03 FA12 FA21 FA37

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顆粒状をなす粉炭に、リン酸、亜リン
    酸、次亜リン酸又はこれらの塩の中から選択される少な
    くとも1種の化合物を担持させたことを特徴とする脱臭
    材。
  2. 【請求項2】 顆粒状をなす粉炭に担持されている化合
    物がリン酸であることを特徴とする請求項1に記載の脱
    臭材。
  3. 【請求項3】 顆粒状をなす粉炭に担持されているリン
    酸、亜リン酸、次亜リン酸又はこれらの塩の中から選択
    される化合物の担持量(重量%)が、15〜40重量%
    である請求項1又は請求項2に記載の脱臭材。
  4. 【請求項4】 顆粒状をなす粉炭を、リン酸、亜リン
    酸、次亜リン酸又はこれらの塩の中から選択される少な
    くとも1種の化合物の水溶液中に浸漬し、続いて乾燥す
    ることを特徴とする脱臭材の製造方法。
  5. 【請求項5】 リン酸、亜リン酸、次亜リン酸又はこれ
    らの塩の中から選択される少なくとも1種の化合物の水
    溶液の濃度が、5〜35重量%であることを特徴とする
    請求項4に記載の脱臭材の製造方法。
  6. 【請求項6】 顆粒状をなす粉炭に、苛性カリ又は炭酸
    カリウムの中から選択される少なくとも1種の化合物を
    担持させたことを特徴とする脱臭材。
  7. 【請求項7】 顆粒状をなす粉炭に担持されている化合
    物が炭酸カリウムであることを特徴とする脱臭材。
  8. 【請求項8】 顆粒状をなす粉炭を、苛性カリ又は炭酸
    カリウムの中から選択される少なくとも1種の化合物の
    水溶液中に浸漬し、続いて乾燥することを特徴とする脱
    臭材の製造方法。
  9. 【請求項9】 苛性カリ又は炭酸カリウムの中から選択
    される少なくとも1種の化合物の水溶液の濃度が、10
    〜50重量%であることを特徴とする請求項8に記載の
    脱臭材の製造方法。
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