JP2003166970A - 内燃機関のガス濃度検出装置 - Google Patents

内燃機関のガス濃度検出装置

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JP2003166970A JP2001368615A JP2001368615A JP2003166970A JP 2003166970 A JP2003166970 A JP 2003166970A JP 2001368615 A JP2001368615 A JP 2001368615A JP 2001368615 A JP2001368615 A JP 2001368615A JP 2003166970 A JP2003166970 A JP 2003166970A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複合型のガス濃度センサの各セルを活性状態
に保持するヒータ制御による素子温度の経時的または一
時的な変動に伴う検出誤差を補正すること。 【解決手段】 複合型のガス濃度センサ100のポンプ
セル110とモニタセル120とに対して印加する電圧
または電流を所定周期で一時的に切換え、そのときの電
圧変化及び電流変化からモニタセル120及びポンプセ
ル110の各素子抵抗が検出される。これらの素子抵抗
が所望の目標素子抵抗に一致するようヒータ151への
通電が制御され、センサセル130に流れる電流の検出
値にてNOx 濃度が逐次検出される。このとき、ポンプ
セル110の素子抵抗Rpsの変化量に応じて制御セルで
あるモニタセル120の素子抵抗Rmsが適切に補正され
るため、ガス濃度センサ100のヒータ制御による素子
温度の経時的または一時的な変動に伴う検出誤差を補正
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合型のガス濃度
センサからの検出値に基づき内燃機関の排気ガス中の特
定ガス成分の濃度を検出する内燃機関のガス濃度検出装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関のガス濃度検出装置に関
連するものとして、限界電流式の複合型のガス濃度セン
サを用い、内燃機関の排気ガス中のNOx (窒素酸化
物)を検出するものが知られている。この複合型のガス
濃度センサは、例えば、ポンプセル、センサセル及びモ
ニタセルからなる3セル構造を有する。このガス濃度セ
ンサのポンプセルでは、チャンバに導入した排気ガス中
の酸素の排出または汲み込みが行なわれ、また、センサ
セルでは、ポンプセルを通過したのちのガスから特定ガ
ス成分の濃度としてNOx 濃度が検出され、モニタセル
では、チャンバ内の残留酸素濃度が検出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の複合
型のガス濃度センサでは、各セルのうち制御中のセル
(以下、『制御セル』と記す)を活性状態に保持するた
め、その素子抵抗が制御目標値になるようヒータ制御さ
れるが、長期にわたるセンサ使用に伴って、ヒータに同
一電流を流しているにもかかわらず制御セルの素子温度
が経時的に上昇変動する傾向にある。ここで、各セルを
活性状態に保持するための素子温度が上昇するとガス濃
度センサによる検出値に誤差が生じるという不具合があ
った。
【0004】また、前述の複合型のガス濃度センサで
は、センサ使用の過渡時には、ヒータに同一電流を流し
ているにもかかわらず制御セルの素子温度が一時的に変
動する傾向にある。ここで、各セルを活性状態に保持す
るための素子温度が一時的にでも変動するとガス濃度セ
ンサによる検出値に誤差が生じるという不具合があっ
た。
【0005】そこで、この発明はかかる不具合を解決す
るためになされたもので、複合型のガス濃度センサの各
セルを活性状態に保持するヒータ制御による素子温度の
経時的または一時的な変動に伴う検出誤差を補正可能な
内燃機関のガス濃度検出装置の提供を課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の内燃機関のガ
ス濃度検出装置によれば、素子抵抗検出手段にて複合型
のガス濃度センサを構成する少なくともポンプセル、セ
ンサセル、モニタセルのうち少なくとも2つのセルに対
して印加する電圧または電流が所定周期で一時的に切換
えられ、そのときの電圧変化及び電流変化から各セルの
素子抵抗が検出され、これらの素子抵抗が所望の目標素
子抵抗に一致するようヒータ制御手段にてヒータへの通
電が制御され、センサセルに流れる電流の検出値から特
定ガス成分の濃度が逐次検出される。このように、ヒー
タ制御手段によって、所定のセルの素子抵抗が所望の目
標素子抵抗に一致するよう制御される際、補正手段によ
って他のセルの素子抵抗の変化量に応じて、または他の
セルの素子抵抗が所定範囲外となるとき、所定のセルの
素子抵抗またはヒータへの通電量が補正される。これに
より、ガス濃度センサのヒータ制御による素子温度の経
時的または一時的な変動に伴う所定のセルの素子抵抗の
検出誤差が補正され、結果として、特定ガス成分の濃度
の検出精度が向上される。
【0007】請求項2の内燃機関のガス濃度検出装置に
おける素子抵抗検出手段では、セルに対して印加する電
圧または電流を一時的に切換えることで素子抵抗を検出
する際、センサセル以外のセルを対象に素子抵抗が検出
されるため、センサセルによる特定ガス成分の濃度の検
出が中断されることがなく、特定ガス成分の濃度検出に
影響を及ぼすことがないという効果が得られる。
【0008】請求項3の内燃機関のガス濃度検出装置に
おける補正手段では、内燃機関の運転条件または排気温
に基づき所定のセルの素子抵抗またはヒータへの通電量
が補正されるため、ガス濃度センサの補正後目標素子抵
抗算出の際にも、センサセルによる特定ガス成分の濃度
の検出が中断されることがなく、特定ガス成分の濃度検
出に影響を及ぼすことがないという効果が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。
【0010】図1は本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関のガス濃度検出装置の電気的構成を示す概
略図である。図2及び図3は、図1のガス濃度センサ1
00の要部構成を示す断面図である。
【0011】本実施例のガス濃度検出装置は、限界電流
式のガス濃度センサ100を用い、被検出ガスである内
燃機関1からの排気ガス中の酸素(O)濃度を検出す
ると共に、特定ガス成分の濃度としてのNOx (窒素酸
化物)濃度を検出する。
【0012】まず、ガス濃度センサ100の構造につい
て、図2及び図3を参照して説明する。
【0013】図2に示すように、ガス濃度センサ100
はポンプセル110、モニタセル120及びセンサセル
130を有する3セル構造からなり、排気ガス中の酸素
濃度とNOx 濃度とを同時に検出可能な、所謂、複合型
ガスセンサとして具体化されている。なお、図2(a)
はセンサ素子の先端部構造を示す断面図であり、図2
(b)は図2(a)のA−A線に沿う断面図である。
【0014】また、ガス濃度センサ100では、酸素イ
オン伝導性材料からなる固体電解質(固体電解質素子)
141,142が板状に形成され、アルミナ等の絶縁材
料からなるスペーサ143を介して上下に所定間隔を隔
てて積層されている。このうち、固体電解質141には
ピンホール141aが形成されており、このピンホール
141aを介してガス濃度センサ100周囲の排気ガス
が第1チャンバ144内に導入される。第1チャンバ1
44は、絞り部145を介して第2チャンバ146に連
通されている。なお、147は多孔質拡散層である。
【0015】固体電解質142には、第1チャンバ14
4に面するようにしてポンプセル110が設けられてお
り、ポンプセル110によって第1チャンバ144内に
導入された排気ガス中の酸素が排出または汲み込まれる
と共に、この際に排気ガス中の酸素濃度が検出される。
ここで、ポンプセル110には、固体電解質142を挟
んで一対の電極111,112が形成され、このうち特
に第1チャンバ144側の電極111はNOx 不活性電
極(NOx ガスを分解し難い電極)に形成されている。
このポンプセル110によって、第1チャンバ144内
に存在する酸素が分解され電極112より大気通路15
0側に排出される。
【0016】また、固体電解質141には、第2チャン
バ146に面するようにしてモニタセル120及びセン
サセル130が設けられている。モニタセル120から
は、第2チャンバ146内の余剰酸素濃度に応じて起電
力または電圧印加に伴う電流出力が発生される。また、
センサセル130によって、ポンプセル110を通過し
たのちのガスからNOx 濃度が検出される。
【0017】特に、図2(b)に示すように、排気ガス
の流れ方向に対して同等位置になるよう、モニタセル1
20及びセンサセル130が並列に配置されていると共
に、これら各セル120,130の大気通路148側の
電極が共通電極122として形成されている。即ち、モ
ニタセル120は、固体電解質141とそれを挟んで対
向配置された電極121及び共通電極122とからな
り、センサセル130は同じく固体電解質141とそれ
を挟んで対向配置された電極131及び共通電極122
とからなる。なお、モニタセル120の電極121(第
2チャンバ146側の電極)はNOx ガスに不活性なA
u−Pt等の貴金属にて形成されているのに対し、セン
サセル130の電極131(第2チャンバ146側の電
極)はNOx ガスに活性なPt等の貴金属にて形成され
ている。
【0018】更に、図3(a)は、モニタセル120及
びセンサセル130の電極を第2チャンバ146側から
見た断面図であり、図3(b)は、これら各セルの電極
を大気通路148側から見た断面図である。但し、モニ
タセル120及びセンサセル130の電極は、図3
(a)に示すように、排気ガスの流れ方向に沿って並列
に配置すること以外に、排気ガスの流れ方向で前後(即
ち、図3(a)の左右)に配置してもよい。例えば、モ
ニタセル120を上流側(図3(a)の左側)、センサ
セル130を下流側(図3(a)の右側)に配置しても
よい。
【0019】また、図2(a)に示すように、固体電解
質142の下面には絶縁層149が設けられ、この絶縁
層149により大気通路150が形成されている。ま
た、絶縁層149にはセンサ全体を加熱するためのヒー
タ151が埋設されている。そして、ポンプセル11
0、モニタセル120及びセンサセル130を含めたセ
ンサ全体を活性状態にすべく、ヒータ151では外部か
らの給電により熱エネルギが発生される。
【0020】上記構成のガス濃度センサ100におい
て、排気ガスは多孔質拡散層147及びピンホール14
1aを通って第1チャンバ144に導入される。そし
て、この排気ガスがポンプセル110近傍を通過する
際、ポンプセル110の電極111,112間に電圧が
印加されることで分解反応が起こされ、第1チャンバ1
44内の酸素濃度に応じてポンプセル110を介して酸
素が排出または汲み込まれる。なお、このとき、第1チ
ャンバ144側の電極111がNOx 不活性電極である
ので、ポンプセル110では排気ガス中のNOx は分解
されず、酸素のみが分解されて大気通路150に排出さ
れる。そして、ポンプセル110に流れるポンプセル電
流Ipにより、排気ガス中に含まれる酸素濃度が検出さ
れる。
【0021】この後、ポンプセル110近傍を通過した
排気ガスは第2チャンバ146に流れ込み、モニタセル
120ではガス中の余剰酸素濃度に応じた出力が発生さ
れる。モニタセル120の出力は、このモニタセル12
0の電極121,122間に所定の電圧が印加されるこ
とで、モニタセル電流Imとして検出される。また、セ
ンサセル130の電極131,122間に所定の電圧が
印加されることでガス中のNOx が還元分解され、この
とき発生する酸素が大気通路148に排出される。この
際、センサセル130に流れるセンサセル電流Isによ
り、排気ガス中に含まれるNOx 濃度が検出される。
【0022】次に、本実施例の内燃機関のガス濃度検出
装置の電気的な構成について、図1を参照して説明す
る。なお、図1は、上述の図2及び図3に示すガス濃度
センサ100を用いたガス濃度検出装置であるが、モニ
タセル120及びセンサセル130の電極配置について
は、便宜上、横並びの状態で示す。
【0023】図1において、制御回路200は、CP
U、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、I/Oポー
ト等からなる周知のマイクロコンピュータで構成されて
おり、ポンプセル110、モニタセル120及びセンサ
セル130の印加電圧がD/Aコンバータ(D/A0〜
D/A2)より適宜、出力される。また、制御回路20
0には、これらポンプセル110、モニタセル120及
びセンサセル130に流れる電流を測定すべく、各端子
Vc,Ve,Vd,Vb,Vg,Vhの電圧がA/Dコ
ンバータ(A/D0〜A/D5)より各々入力される。
そして、制御回路200では、ポンプセル110やセン
サセル130による測定電流に基づく排気ガス中の酸素
濃度やNOx 濃度が検出され、それらの検出値がD/A
コンバータ(D/A3,D/A4)より外部に出力され
る。
【0024】回路構成について、詳しくは、ポンプセル
110において一方の電極112には、基準電源201
及びオペアンプ202により基準電圧Vaが印加され、
他方の電極111には、オペアンプ203及び電流検出
抵抗204を介して制御回路200からの指令電圧Vb
が印加される。指令電圧Vbの印加に際し、排気ガス中
の酸素濃度に応じてポンプセル110に電流が流れる
と、この電流が電流検出抵抗204により検出される。
つまり、電流検出抵抗204の両端子電圧Vb,Vdが
制御回路200に取込まれ、この電圧Vb,Vdにより
ポンプセル電流Ipが算出される。
【0025】また、モニタセル120及びセンサセル1
30の共通電極122には、基準電源205及びオペア
ンプ206により基準電圧Vfが印加され、共通電極1
22と異なる方のセンサセル電極131には、オペアン
プ207及び電流検出抵抗208を介して制御回路20
0からの指令電圧Vgが印加される。指令電圧Vgの印
加に際し、排気ガス中のNOx 濃度に応じてセンサセル
130に電流が流れると、この電流が電流検出抵抗20
8により検出される。つまり、電流検出抵抗208の両
端子電圧Vg,Vhが制御回路200に取込まれ、この
電圧Vg,Vhによりセンサセル電流Isが算出され
る。
【0026】そして、共通電極122と異なる方のモニ
タセル電極121には、LPF(ローパスフィルタ)2
09、オペアンプ210及び電流検出抵抗211を介し
て制御回路200からの指令電圧Vcが印加される。指
令電圧Vcの印加に際し、排気ガス中のNOx 濃度に応
じてモニタセル120に電流が流れると、この電流が電
流検出抵抗211により検出される。つまり、電流検出
抵抗211の両端子電圧Vc,Veが制御回路200に
取込まれ、この電圧Vc,Veによりモニタセル電流I
mが算出される。なお、LPF209は、例えば、抵抗
及びコンデンサからなる1次フィルタにて実現される。
【0027】また、本実施例では、モニタセル120を
対象に、掃引法を用いて素子抵抗に相当する素子インピ
ーダンスが検出されるようになっている。つまり、モニ
タセル120のインピーダンス検出時において、制御回
路200によりモニタセル印加電圧(指令電圧Vc)が
正(+)側または負(−)側の少なくとも何れかに瞬間
的に切換えられる。この印加電圧は、LPF209によ
り正弦波的になまされつつモニタセル120に印加され
る。なお、交流電圧の周波数は10〔kHz〕以上が望
ましく、LPF209の時定数は5〔μsec〕程度に
設定される。そして、このときの電圧変化量と電流変化
量とからモニタセル120の素子インピーダンスが算出
される。
【0028】更に、モニタセル120及びセンサセル1
30では、一方の電極が共通電極122として形成され
ているため、基準電圧側のドライブ回路が削減できると
いう利点や、ガス濃度センサ100からのリード線の取
出し本数が削減できるという利点が得られる。また、モ
ニタセル120とセンサセル130とは同じ固体電解質
141で隣合って形成されているため、掃引時には隣の
電極に電流が流れ、インピーダンスの検出精度が悪化す
ることが懸念されるが、共通電極122が設けられてい
ることで一方の電極が同電位となり、この影響が低減さ
れる。
【0029】ところで、モニタセル120では残留酸素
を検出する際に数〔μA〕程度の電流しか流れないのに
対し、インピーダンス検出のための掃引時には数〔m
A〕程度の電流が流れる。このオーダの異なる電流を同
じ検出抵抗で検出すると、オーバレンジしたり、検出精
度が悪くなったりする。そこで、本実施例では、モニタ
セル120による残留酸素検出時とインピーダンス検出
時とで電流検出抵抗を切換えることとする。
【0030】具体的には、電流検出抵抗211に並列
に、別の電流検出抵抗212とスイッチ回路213(例
えば、半導体スイッチ)とが設けられている。そして、
制御回路200のI/Oポートからの出力により、スイ
ッチ回路213がON(オン)/OFF(オフ)される
よう構成されている。この場合、通常のガス濃度検出時
には、スイッチ回路213がOFF(開放)され、電流
検出抵抗211による数100〔kΩ〕程度の抵抗でモ
ニタセル電流Imが検出される。これに対し、インピー
ダンス検出時には、スイッチ回路213がON(閉鎖)
され、電流検出抵抗211,212による数100
〔Ω〕程度の抵抗でモニタセル電流Imが検出される。
【0031】また、制御回路200内のCPUによっ
て、制御指令値DutyがI/Oポートから出力されM
OSFETドライバ251が駆動される。このとき、M
OSFET252により電源253(例えば、バッテリ
電源)からヒータ151へ供給される電力がPWM制御
される。
【0032】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関のガス濃度検出装置で使用されている制御
回路200内のCPUにおけるガス濃度センサ100の
各セルに対するヒータ制御の処理手順を示す図4のフロ
ーチャートに基づいて説明する。なお、このヒータ制御
ルーチンは制御回路200への電源投入に伴い所定時間
毎にCPUにて繰返し実行される。
【0033】図4において、まず、ステップS101で
は、前回のA/F(酸素濃度)及びNOx 濃度の検出時
から所定時間Taが経過しているかが判定される。この
所定時間Taは、A/F及びNOx 濃度の検出周期に相
当する時間であって、例えば、Ta=4〔msec〕程
度に設定される。ステップS101の判定条件が成立、
即ち、所定時間Taが経過しているときにはステップS
102に移行し、A/F及びNOx 濃度の検出処理が実
行される。
【0034】このA/F(酸素濃度)の検出処理では、
その時々のポンプセル電流Ipに応じたポンプセル印加
電圧が設定されると共に、その電圧印加時のポンプセル
電流Ipが検出される。この検出されたポンプセル電流
IpがA/F値に変換される。また、NOx 濃度の検出
処理では、所定のセンサセル印加電圧が設定されると共
に、その電圧印加時のセンサセル電流Isが検出され
る。この検出されたセンサセル電流IsがNOx 濃度値
に変換される。
【0035】次にステップS103に移行して、前回の
素子インピーダンス検出時から所定時間Tbが経過して
いるかが判定される。この所定時間Tbは、素子インピ
ーダンスZACの検出周期に相当する時間であって、例
えば、運転状態に応じて128〔msec〕,2〔se
c〕等の時間が選択的に設定される。ステップS103
の判定条件が成立、即ち、所定時間Tbが経過している
ときにはステップS104に移行し、後述の素子インピ
ーダンスZACの検出処理が実行される。次にステップ
S105に移行して、ヒータ151に対する通電制御が
実行され、本ルーチンを終了する。一方、ステップS1
01の判定条件が成立せず、即ち、所定時間Taが未だ
経過していないとき、またはステップS103の判定条
件が成立せず、即ち、所定時間Tbが未だ経過していな
いときには、何もすることなく本ルーチンを終了する。
【0036】なお、ヒータ151に対する通電制御に関
しては、素子インピーダンスZACが所望の目標値に一
致するようヒータ151に通電制御されるものであれ
ば、任意の制御手法が適用できる。一例としては、ガス
濃度センサ100の素子温が低く、素子インピーダンス
ZACが比較的大きい場合には、例えば、デューティ比
100〔%〕の全通電制御によりヒータ151に通電さ
れる。また、素子温が上昇すると、周知のPID制御手
法等を用いて制御デューティ比が算出され、このデュー
ティ比によりヒータ151に通電される。
【0037】次に、上述の図4のステップS104にお
ける素子インピーダンスZACの検出処理について、図
5のフローチャートを参照して説明する。
【0038】図5において、まず、ステップS201で
は、スイッチ回路213がOFFからONに切換えられ
る。これにより、それまで数100〔kΩ〕程度であっ
た検出抵抗が数100〔Ω〕程度に切換えられる。次に
ステップS202に移行して、モニタセル120の印加
電圧(指令電圧Vc)が操作され、それまでの残留酸素
濃度検出用の印加電圧に対して電圧が正側に数10〜1
00〔μsec〕程度の時間で一時的に切換えられ変化
される。
【0039】次にステップS203に移行して、このと
きのモニタセル印加電圧の変化量とモニタセル電流Im
の変化量とが読込まれる。次にステップS204に移行
して、電圧変化量と電流変化量とから素子インピーダン
スZAC(=電圧変化量/電流変化量)が算出される。
次にステップS205に移行して、スイッチ回路213
がONからOFFに戻されたのち、本ルーチンを終了す
る。
【0040】これにより、以下に示すような効果が得ら
れる。
【0041】ガス濃度センサ100のモニタセル120
を対象に素子インピーダンスZACが検出されるので、
素子インピーダンスZACの検出に際し、センサセル1
30でのNOx 濃度検出が中断されることはない。即
ち、NOx 濃度の不検出期間ができることはない。また
同様に、ポンプセル110でのA/F検出(酸素濃度検
出)が中断されることはなく、A/Fの不検出期間がで
きることもない。したがって、NOx 濃度検出やA/F
検出に影響を及ぼすことなく素子インピーダンスZAC
を好適に検出することができる。
【0042】また、この際、モニタセル120とセンサ
セル130とは近接した状態で配置されており、モニタ
セル120での素子インピーダンスZACに基づきヒー
タ151に対する通電制御が実行されることで、これら
モニタセル120とセンサセル130とが共に所望の活
性状態に保持されることとなる。つまり、センサセル1
30での温度変動が抑制され、この結果、NOx 濃度の
検出精度が向上される。
【0043】また、ガス濃度センサ100において、モ
ニタセル120とセンサセル130とで一方の電極が共
通化されており、共通電極ではない方のモニタセル電極
で印加電圧が一時的に切換えられ、素子インピーダンス
ZACが検出される。このため、構成の簡素化を図りつ
つ、適正なる素子インピーダンス検出を実施することが
できる。但し、モニタセル120及びセンサセル130
で共通電極を設けず、各セルで個別に電極を設けてもよ
い。この場合、モニタセル印加電圧を一時的に変化させ
る電極は、モニタセル120の何れの電極であってもよ
い。
【0044】そして、モニタセル120による残留酸素
濃度検出時と素子インピーダンス検出時とで、電流検出
抵抗の抵抗値が切換えられるので、モニタセル120で
の電流検出に際し、オーバレンジしたり、検出精度が悪
くなったりする等の不都合が解消される。
【0045】次に、上述の図4のステップS104にお
ける素子インピーダンスZACの検出処理の変形例につ
いて、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0046】上述の素子インピーダンスZACの検出処
理では、モニタセル120を対象に素子インピーダンス
が検出されるのに対し、本変形例では、ポンプセル11
0を対象に素子インピーダンスが検出される。
【0047】なお、内燃機関のガス濃度検出装置の構成
上の違いとしては、ポンプセル110での素子インピー
ダンスの検出に際して、制御回路200から出力される
ポンプセル印加電圧(指令電圧Vb)を正弦波的になま
すことができるよう制御回路200のD/A1にLPF
が接続される。
【0048】図6において、まず、ステップS301で
は、ポンプセル110の印加電圧(指令電圧Vb)が操
作され、それまでのA/F検出用の印加電圧に対して電
圧が正側に数10〜100〔μsec〕程度の時間で一
時的に切換えられ変化される。次にステップS302に
移行して、このときのポンプセル印加電圧の変化量とポ
ンプセル電流Ipの変化量とが読込まれる。次にステッ
プS303に移行して、電圧変化量と電流変化量とから
素子インピーダンスZAC(=電圧変化量/電流変化
量)が算出され、本ルーチンを終了する。
【0049】ここで、ポンプセル110で素子インピー
ダンスZACが検出される場合、A/F検出時及びイン
ピーダンス検出時には何れも数mA程度の電流が流れ
る。このため、上述の図1に示すようなスイッチ回路2
13を設けて検出抵抗の切換えを行なう必要はない。
【0050】このように、本変形例でも、素子インピー
ダンスZACの検出に際し、同様にセンサセル130で
のNOx 濃度検出が中断されることはない。即ち、NO
x 濃度の不検出期間ができることはない。したがって、
NOx 濃度検出に影響を及ぼすことなく、素子インピー
ダンスZACを好適に検出することができる。
【0051】また、この場合、ポンプセル110が所望
の活性状態に保持できるため、ポンプセル110での酸
素排出機能が適正に作用し、チャンバ144内の残留酸
素濃度を一定に保つことができ、NOx 濃度の検出精度
が確保される。
【0052】次に、本実施例のガス濃度センサ100の
ヒータ制御による各セルの劣化前及び劣化後における素
子温度〔℃〕と素子抵抗〔Ω〕との関係について、図7
に示す特性図を参照して説明する。
【0053】図7において、ガス濃度センサ100のヒ
ータ151への通電を制御するヒータ制御され、各セル
が劣化前から劣化後と徐々に劣化が進むに連れて、白抜
き矢印にて『劣化』として示すように、各セルの素子抵
抗の制御目標を一定に維持した場合、素子温度は高くな
るという特性を有する。このように、各セルは素子温度
が高くなると劣化が促進されてしまうため、各セルが活
性状態を保持可能な素子温度より必要以上に高くならな
いようにすることが重要である。そこで、各セルの素子
温度の上昇を抑え劣化前に維持するには、白抜き矢印に
て『補正』として示すように、各セルの素子抵抗の制御
目標を劣化の進み具合に連れて高く設定することで達成
できる。
【0054】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関のガス濃度検出装置で使用されている制御
回路200内のCPUにおける補正後モニタセル目標素
子抵抗演算の処理手順を示す図8のフローチャートに基
づき、図9を参照して説明する。ここで、図9は図8に
おけるポンプセル110の素子抵抗Rps〔Ω〕の初期か
らの変移量に応じて制御セルであるモニタセル120の
目標素子抵抗補正量〔Ω〕を算出するマップである。な
お、この補正後モニタセル目標素子抵抗演算ルーチンは
制御回路200への電源投入に伴い所定時間毎にCPU
にて繰返し実行される。
【0055】図8において、まず、ステップS401
で、内燃機関の運転状態が定常であるかが判定される。
ステップS401の判定条件が成立せず、即ち、内燃機
関の運転状態が過渡であるときには、何もすることなく
本ルーチンを終了する。一方、ステップS401の判定
条件が成立、即ち、内燃機関の運転状態が定常であると
きにはステップS402に移行し、このときの制御セル
であるモニタセル120の素子抵抗Rmsが検出される。
【0056】このモニタセル120の素子抵抗Rmsの検
出では、上述したように、モニタセル120の印加電圧
(指令電圧Vc)が操作され、それまでの残留酸素濃度
検出用の印加電圧に対して電圧が正側に数10〜100
〔μsec〕程度の時間で一時的に切換えられ変化され
る。このときのモニタセル印加電圧の変化量とモニタセ
ル電流Imの変化量とが読込まれる。そして、モニタセ
ル120の素子抵抗Rmsは、この際の電圧変化量と電流
変化量とから素子インピーダンスZAC(=電圧変化量
/電流変化量)として検出される。
【0057】次にステップS403に移行して、ポンプ
セル110の素子抵抗Rpsが検出される。このポンプセ
ル110の素子抵抗Rpsの検出では、上述したように、
ポンプセル110の印加電圧(指令電圧Vb)が操作さ
れ、それまでのA/F検出用の印加電圧に対して電圧が
正側に数10〜100〔μsec〕程度の時間で一時的
に切換えられ変化される。このときのポンプセル印加電
圧の変化量とポンプセル電流Ipの変化量とが読込まれ
る。そして、ポンプセル110の素子抵抗Rpsは、この
電圧変化量と電流変化量とから素子インピーダンスZA
C(=電圧変化量/電流変化量)として検出される。
【0058】次にステップS404に移行して、図9に
示すマップに基づき、ステップS403で算出されたポ
ンプセル110の素子抵抗Rpsの初期からの変化量に応
じて、このときの制御セルであるモニタセル120の目
標素子抵抗補正量RMSH が算出される。次にステップS
405に移行して、ステップS402で算出されたモニ
タセル120の素子抵抗RmsにステップS404で算出
されたモニタセル120の目標素子抵抗補正量RMSH が
加算され、補正後のモニタセル120の目標素子抵抗R
MSHBが算出され、本ルーチンを終了する。
【0059】上述のように算出された補正後のモニタセ
ル120の目標素子抵抗RMSHBを用いた目標値補正につ
いて、図9及び図10を参照して説明する。ここで、図
10は図8の処理に対応する制御セルであるモニタセル
120の素子抵抗Rms〔Ω〕及びポンプセル110の素
子抵抗Rps〔Ω〕の遷移状態を示すタイムチャートであ
る。
【0060】図9に示すマップにより算出されたポンプ
セル110の素子抵抗Rpsの初期からの変化量に応じた
制御セルであるモニタセル120の目標素子抵抗補正量
RMSH に基づき、モニタセル120の素子抵抗Rmsが補
正される。即ち、図10において、モニタセル120の
劣化後における素子抵抗Rmsが、時刻t02以降に目標値
補正として示すように上昇補正され、劣化後の素子温度
が劣化前及び劣化中と同一に維持される。
【0061】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関のガス濃度検出装置で使用されている制御
回路200内のCPUにおける補正後モニタセル目標素
子抵抗演算の処理手順の第1の変形例を示す図11のフ
ローチャートに基づき、図12を参照して説明する。こ
こで、図12は図11におけるポンプセル110の素子
抵抗Rps〔Ω〕の定常時からの変移量に応じて制御セル
であるモニタセル120の目標素子抵抗補正量〔Ω〕を
算出するマップである。なお、この補正後モニタセル目
標素子抵抗演算ルーチンは制御回路200への電源投入
に伴い所定時間毎にCPUにて繰返し実行される。
【0062】図11において、まず、ステップS501
で、内燃機関の運転状態が定常であるかが判定される。
ステップS501の判定条件が成立、即ち、内燃機関の
運転状態が定常であるときには、何もすることなく本ル
ーチンを終了する。一方、ステップS501の判定条件
が成立せず、即ち、内燃機関の運転状態が過渡であると
きにはステップS502に移行し、このときの制御セル
であるモニタセル120の素子抵抗Rmsが上述したよう
に検出される。
【0063】次にステップS503に移行して、ポンプ
セル110の素子抵抗Rpsが上述したように検出され
る。次にステップS504に移行して、図12に示すマ
ップに基づき、ステップS503で算出されたポンプセ
ル110の素子抵抗Rpsの定常時からの変化量に応じ
て、このときの制御セルであるモニタセル120の目標
素子抵抗補正量RMSH が算出される。次にステップS5
05に移行して、ステップS502で算出されたモニタ
セル120の素子抵抗RmsにステップS504で算出さ
れたモニタセル120の目標素子抵抗補正量RMSH が加
算され、補正後におけるモニタセル120の目標素子抵
抗RMSHBが算出され、本ルーチンを終了する。
【0064】上述のように算出された補正後のモニタセ
ル120の目標素子抵抗RMSHBを用いた目標素子温度補
正について、図12及び図13を参照して説明する。こ
こで、図13は図11の処理に対応する制御セルである
モニタセル120の素子抵抗Rms〔Ω〕及びポンプセル
110の素子抵抗Rps〔Ω〕の遷移状態を示すタイムチ
ャートである。
【0065】図12に示すマップにより算出されたポン
プセル110の素子抵抗Rpsの定常時からの変化量に応
じた制御セルであるモニタセル120の目標素子抵抗補
正量RMSH に基づき、モニタセル120の素子抵抗Rms
が補正される。即ち、図13において、内燃機関の運転
状態の過渡におけるモニタセル120の素子抵抗Rms
が、時刻t11〜時刻t12に目標素子温度補正として示す
ように、このときのポンプセル110の素子抵抗Rpsの
変化量に応じて小さくなるよう補正されることで、モニ
タセル120の素子温度が内燃機関の運転状態が定常で
あるときと同一に維持される。
【0066】このように、本実施例及び変形例の内燃機
関のガス濃度検出装置は、第1チャンバ144に導入し
た被検出ガス中の酸素を排出または汲み込むポンプセル
110と、ポンプセル110を通過したのちのガスから
特定ガス成分としてのNOx濃度を検出するセンサセル
130と、第2チャンバ146内の残留酸素濃度を検出
するモニタセル120とを少なくとも有し、各セルを形
成する固体電解質の素子抵抗に基づき各セルを活性状態
に保持する複合型のガス濃度センサ100と、ガス濃度
センサ100の少なくとも2つのセルに対して印加する
電圧または電流を所定周期で一時的に切換え、そのとき
の電圧変化及び電流変化から各セルの素子抵抗を検出す
る制御回路200にて達成される素子抵抗検出手段と、
前記素子抵抗検出手段で検出された各セルの素子抵抗が
所望の目標素子抵抗に一致するよう各セルに対応して設
けられたヒータ151への通電を制御する制御回路20
0にて達成されるヒータ制御手段と、センサセル130
に流れる電流を検出し、その検出値から特定ガス成分の
濃度を逐次検出する制御回路200にて達成されるガス
濃度検出手段と、前記ヒータ制御手段により所定のセル
の素子抵抗が所望の目標素子抵抗に一致するよう制御す
る際、他のセルの素子抵抗の変化量に応じて所定のセル
の素子抵抗を補正する制御回路200にて達成される補
正手段とを具備するものである。
【0067】つまり、複合型のガス濃度センサ100の
ポンプセル110、モニタセル120、センサセル13
0のうちポンプセル110とモニタセル120とに対し
て印加する電圧または電流を所定周期で一時的に切換
え、そのときの電圧変化及び電流変化からモニタセル1
20の素子抵抗Rmsとポンプセル110の素子抵抗Rps
とが検出される。そして、これらの素子抵抗が所望の目
標素子抵抗に一致するようヒータ151への通電が制御
され、センサセル130に流れる電流の検出値から特定
ガス成分としてのNOx 濃度が逐次検出される。このと
き、他のセルであるポンプセル110の素子抵抗Rpsの
変化量に応じて所定のセル、即ち、制御セルであるモニ
タセル120の素子抵抗Rmsが補正される。これによ
り、ガス濃度センサ100のヒータ制御による素子温度
の経時的または一時的な変動に伴う所定のセルの素子抵
抗の検出誤差を補正することができ、結果として、NO
x 濃度の検出精度を向上することができる。
【0068】また、本実施例及び変形例の内燃機関のガ
ス濃度検出装置の制御回路200にて達成される素子抵
抗検出手段は、センサセル130以外のセルであるポン
プセル110及びモニタセル120を対象にそれらの素
子抵抗Rps,Rmsを検出するものである。このため、ガ
ス濃度センサ100の補正後モニタセル目標素子抵抗算
出の際にも、センサセル130によるNOx 濃度の検出
が中断されることがなく、NOx 濃度検出に影響を及ぼ
すことがない。
【0069】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関のガス濃度検出装置で使用されている制御
回路200内のCPUにおける補正後モニタセル目標素
子抵抗演算の処理手順の第2の変形例を示す図14のフ
ローチャートに基づき、図15を参照して説明する。こ
こで、図15は図14における排気温TEMPH〔℃〕
の定常時からの変移量に応じて制御セルであるモニタセ
ル120の目標素子抵抗補正量〔Ω〕を算出するマップ
である。なお、この補正後モニタセル目標素子抵抗演算
ルーチンは制御回路200への電源投入に伴い所定時間
毎にCPUにて繰返し実行される。
【0070】図14において、まず、ステップS601
で、内燃機関の運転状態が定常であるかが判定される。
ステップS601の判定条件が成立、即ち、内燃機関の
運転状態が定常であるときには、何もすることなく本ル
ーチンを終了する。一方、ステップS601の判定条件
が成立せず、即ち、内燃機関の運転状態が過渡であると
きにはステップS602に移行し、このときの制御セル
であるモニタセル120の素子抵抗Rmsが上述したよう
に検出される。
【0071】次にステップS603に移行して、内燃機
関の排気通路に配設された排気温センサ(図示略)によ
って、ガス濃度センサ100の近傍における排気ガスの
排気温TEMPHが検出される。次にステップS604
に移行して、図15に示すマップに基づき、ステップS
603で算出された排気温TEMPHの定常時からの変
化量に応じて、このときの制御セルであるモニタセル1
20の目標素子抵抗補正量RMSH が算出される。次にス
テップS605に移行して、ステップS602で算出さ
れたモニタセル120の素子抵抗RmsにステップS60
4で算出されたモニタセル120の目標素子抵抗補正量
RMSH が加算され、補正後におけるモニタセル120の
目標素子抵抗RMSHBが算出され、本ルーチンを終了す
る。
【0072】上述のように算出された補正後のモニタセ
ル120の目標素子抵抗RMSHBを用いた目標素子温度補
正について、図15及び図16を参照して説明する。こ
こで、図16は図14の処理に対応する制御セルである
モニタセル120の素子抵抗Rms〔Ω〕及びポンプセル
110の素子抵抗Rps〔Ω〕の遷移状態を示すタイムチ
ャートである。
【0073】図15に示すマップにより算出された排気
温TEMPHの定常時からの変化量に応じた制御セルで
あるモニタセル120の目標素子抵抗補正量RMSH に基
づき、モニタセル120の素子抵抗Rmsが補正される。
即ち、図16において、内燃機関の運転状態の過渡にお
けるモニタセル120の素子抵抗Rmsが、時刻t21〜時
刻t22に目標素子温度補正として示すように、このとき
のポンプセル110の素子抵抗Rpsの変化量に応じて小
さくなるよう補正されることで、モニタセル120の素
子温度が内燃機関の運転状態が定常であるときと同一に
維持される。
【0074】このように、本変形例の内燃機関のガス濃
度検出装置の制御回路200にて達成される補正手段
は、内燃機関(図示略)の排気温TEMPHに基づき所
定のセルであるモニタセル120の素子抵抗Rmsを補正
するものである。このため、ガス濃度センサ100の補
正後モニタセル目標素子抵抗算出の際にも、センサセル
130によるNOx 濃度の検出が中断されることがな
く、NOx 濃度検出に影響を及ぼすことがない。
【0075】ところで、上記実施例及び変形例では、ヒ
ータ制御にて所定のセルの素子抵抗が所望の目標素子抵
抗に一致するよう制御する際、他のセルの素子抵抗の変
化量に応じて所定のセルの素子抵抗またはヒータへの通
電量を補正するとしたが、本発明を実施する場合には、
これに限定されるものではなく、他のセルの素子抵抗が
予め設定された所定範囲外となるとき補正するようにし
てもよい。
【0076】また、上記実施例及び変形例では、所定の
セルの素子抵抗が所望の目標素子抵抗に一致するよう制
御する際、所定のセルの素子抵抗を補正して素子温度補
正するとしたが、本発明を実施する場合には、これに限
定されるものではなく、ヒータ151への通電量を補正
して素子温度補正するようにしてもよい。
【0077】そして、上記変形例では、内燃機関の排気
通路に排気温センサを配設して排気ガスの排気温を直接
検出するとしたが、本発明を実施する場合には、これに
限定されるものではなく、排気温センサを用いることな
く、推定された排気温を適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る内燃機関のガス濃度検出装置を示す概略構成図であ
る。
【図2】 図2は図1のガス濃度センサの構成を示す詳
細断面図である。
【図3】 図3は図2のモニタセル及びセンサセルの電
極配置を示す断面図である。
【図4】 図4は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る内燃機関のガス濃度検出装置で使用されている制御回
路のCPUにおけるガス濃度センサの各セルに対するヒ
ータ制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】 図5は図4における素子インピーダンスを検
出する処理手順を示すフローチャートである。
【図6】 図6は図4における素子インピーダンスを検
出する処理手順の変形例を示すフローチャートである。
【図7】 図7は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る内燃機関のガス濃度検出装置で用いられているガス濃
度センサの素子温度と素子抵抗との関係を劣化前及び劣
化後とで示す特性図である。
【図8】 図8は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る内燃機関のガス濃度検出装置で使用されている制御回
路のCPUにおける補正後モニタセル目標素子抵抗演算
の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】 図9は図8におけるポンプセル素子抵抗の初
期からの変移量に応じて制御セル目標素子抵抗補正量を
算出するマップである。
【図10】 図10は図8の処理に対応する各セルの素
子抵抗等の遷移状態を示すタイムチャートである。
【図11】 図11は本発明の実施の形態の一実施例に
かかる内燃機関のガス濃度検出装置で使用されている制
御回路のCPUにおける補正後モニタセル目標素子抵抗
演算の処理手順の第1の変形例を示すフローチャートで
ある。
【図12】 図12は図11におけるポンプセル素子抵
抗の定常時からの変移量に応じて制御セル目標素子抵抗
補正量を算出するマップである。
【図13】 図13は図11の処理に対応する各セルの
素子抵抗等の遷移状態を示すタイムチャートである。
【図14】 図14は本発明の実施の形態の一実施例に
かかる内燃機関のガス濃度検出装置で使用されている制
御回路のCPUにおける補正後モニタセル目標素子抵抗
演算の処理手順の第2の変形例を示すフローチャートで
ある。
【図15】 図15は図14における排気温の定常時か
らの変移量に応じて制御セル目標素子抵抗補正量を算出
するマップである。
【図16】 図16は図14の処理に対応する各セルの
素子抵抗等の遷移状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
100 ガス濃度センサ 110 ポンプセル 120 モニタセル 130 センサセル 144 第1チャンバ 146 第2チャンバ 151 ヒータ 200 制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G060 AB05 AB10 AE19 AF06 AF07 AG11 BD02 HA01 HB06 HC02 HC13 HC18 HC19 HC21 HE02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバに導入した被検出ガス中の酸素
    を排出または汲み込むポンプセルと、前記ポンプセルを
    通過したのちのガスから特定ガス成分の濃度を検出する
    センサセルと、前記チャンバ内の残留酸素濃度を検出す
    るモニタセルとを少なくとも有し、各セルを形成する固
    体電解質の素子抵抗に基づき各セルを活性状態に保持す
    る複合型のガス濃度センサと、 前記ガス濃度センサの少なくとも2つのセルに対して印
    加する電圧または電流を所定周期で一時的に切換え、そ
    のときの電圧変化及び電流変化から各セルの素子抵抗を
    検出する素子抵抗検出手段と、 前記素子抵抗検出手段で検出された各セルの素子抵抗が
    所望の目標素子抵抗に一致するよう各セルに対応して設
    けられたヒータへの通電を制御するヒータ制御手段と、 前記センサセルに流れる電流を検出し、その検出値から
    特定ガス成分の濃度を逐次検出するガス濃度検出手段
    と、 前記ヒータ制御手段により所定のセルの素子抵抗が所望
    の目標素子抵抗に一致するよう制御する際、他のセルの
    素子抵抗の変化量に応じて、または他のセルの素子抵抗
    が所定範囲外となるとき前記所定のセルの素子抵抗また
    は前記ヒータへの通電量を補正する補正手段とを具備す
    ることを特徴とする内燃機関のガス濃度検出装置。
  2. 【請求項2】 前記素子抵抗検出手段は、前記センサセ
    ル以外のセルを対象に素子抵抗を検出することを特徴と
    する請求項1に記載の内燃機関のガス濃度検出装置。
  3. 【請求項3】 前記補正手段は、内燃機関の運転条件ま
    たは排気温に基づき前記所定のセルの素子抵抗または前
    記ヒータへの通電量を補正することを特徴とする請求項
    1に記載の内燃機関のガス濃度検出装置。
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