JP2003166704A

JP2003166704A - スト−カ式ゴミ焼却炉

Info

Publication number: JP2003166704A
Application number: JP2001363996A
Authority: JP
Inventors: Yoshihito Shimizu; 義仁清水; Yonosuke Hoshi; 要之介星; Hiroki Honda; 裕姫本多; Takehiro Kitsuta; 岳洋橘田; Junji Sugai; 淳史菅井
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 2001-11-29
Filing date: 2001-11-29
Publication date: 2003-06-13

Abstract

(57)【要約】【課題】ストーカ上に載置した被焼却物が乾燥ゾーン、
燃焼ゾーン、おき燃焼ゾーンを経過する過程において、
ガス化と灰化を行い、ガス化したガスをストーカ上部の
燃焼室で燃焼させるストーカ炉において、前記ガス化速
度を低く抑えるとともに、燃焼ゾーン上での輝炎形成を
抑えた、ダイオキシン類の生成を抑制するストーカ式ゴ
ミ焼却炉を提供する。【構成】本発明のストーカ式ゴミ焼却炉は、ゴミ等の
被焼却物１０の投入用のホッパ１１と、ストーカ１２
と、灰シュート１３と、前記ストーカの上部燃焼空間に
形成された１次燃焼室１４と、その上部に連設され、２
次空気供給部２１を備えた２次燃焼室１５とより構成
し、１次燃焼室１４と２次燃焼室１５の境に輻射熱遮断
突出部１８を設けるとともに、乾燥ゾーン上部空間より
２次燃焼室１５にバイパス通路１７ａを設け、おき燃焼
ゾーン１２ｃの上部空間より２次燃焼室１５にバイパス
通路１７ｂを設ける構成にしてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、乾燥ゾーン、燃焼
ゾーン、おき燃焼ゾーンよりなるストーカを使用したス
トーカ式ゴミ焼却炉に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来よりゴミ等の廃棄物の焼却は、スト
ーカ式焼却、ないし流動床式ゴミ焼却炉が使用されてい
る。上記ストーカ式ゴミ焼却炉は、図２に示すように、
ホッパ５１とストーカ５２と燃焼室５４と灰ホッパ５３
とよりなり、前記ストーカ５２は乾燥ゾーン５２ａと燃
焼ゾーン５２ｂとおき燃焼ゾーン５２ｃより構成し、各
ゾーンの下部より燃焼用の１次燃焼空気５６が供給され
るようにしてある。生ゴミ等の被焼却物の焼却に際して
は、ゴミ等の被焼却物５５をホッパ５１より投入し、投
入された被焼却物５５は前記乾燥ゾーン５２ａより順次
載置搬送され、搬送過程で前記ストーカ下部より導入し
た１次燃焼空気５６により加熱ガス化され、ガス化され
たガスはストーカ上部の燃焼室５４で燃焼するようにな
っている。

【０００３】則ち、乾燥ゾーン５２ａ上の被焼却物５５
は着火アーチ５４ａ及び火炎（輝炎）５７からの輻射熱
によりゴミ層表面より乾燥し、着火点近くまで加熱され
一部表面燃焼が起きる。そして乾燥ゾーン５２ａの後部
及び燃焼ゾーン５２ｂの前部では未燃還元ガスの放出と
吹き抜け燃焼が開始される。燃焼ゾーン５２ｂの中央で
は輝炎５７を上げて燃え、後部のおき燃焼ゾーン５２ｃ
に移行する。そして、前記燃焼室５４に接続する上部燃
焼室５４ｂの基部より２次空気５８を供給し上部燃焼室
で完全燃焼するようになっている。

【０００４】上記従来のストーカ式ゴミ燃焼炉の場合、
ホッパ５１より投下された被焼却物５５は乾燥ゾーン５
２ａ上で１次燃焼空気５５と上方の上部燃焼室５４ｂよ
りの輻射熱により乾燥され、水分の他にＣＯ等の還元ガ
スを放出する。前記乾燥ゾーン５２ａから生じた還元ガ
スや燃焼ガスの内未燃物は、上部燃焼室５４ｂの下部に
おいて２次空気５８により撹拌混合され、所定の時間前
記上部燃焼室５４ｂ内に滞留燃焼される。しかし、スト
ーカ５２からの燃焼ガスと乾燥ゾーンより放出された未
燃ガスを２次空気５８により完全に混合撹拌することは
困難で、その結果未燃ガスの完全燃焼は不可能であっ
た。

【０００５】上記問題の解決のための提案が、特開平１
０−２０５７３４号公報に開示されている。上記公報に
記載されている提案は、ストーカ式燃焼炉において、燃
焼ガス内の未燃物等を安定状態下で完全燃焼させること
により、ダイオキシンや排ガス中のＣＯ濃度を引き下げ
を可能とする２次空気の供給方法に関するもので、図３
に示すように、ストーカ５２の下方より１次燃焼空気５
６を供給するとともに、上部燃焼室５４ｂの下方部へ２
次空気５８を供給するようにしたストーカ式燃焼炉にお
いて、上部燃焼室５４ｂの下方のホッパ５１側側面とこ
れに対向する側の側面から２次空気５８をそれぞれ異な
る下向き角度で上部燃焼室５４ｂの下方部内方へ向けて
噴出させ、ストーカ５２の上部空間に２次空気と燃焼ガ
スの旋回流Ｄを形成させている。なお、本提案において
は、図に示すように上部燃焼室５４ｂと燃焼室５４との
境界部位には、その断面を絞った構造のくびれ部６０を
設け、燃焼ガスと２次空気５８との混合効率の向上を図
っている。則ち、上記提案における２次空気の使用目的
は未燃ガスを含む燃焼ガスの混合撹拌ために使用するた
めのものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記したよ
うにストーカ式ゴミ焼却炉においては、乾燥ゾーン５２
ａからは水蒸気を多く含んだ未燃ガスが発生し、燃焼ゾ
ーン５２ｂの上部には熱分解ガスの燃焼により炭素粒子
を含んだ輝炎５７が形成される。また、一方おき燃焼ゾ
ーン５２ｃではチャー燃焼排ガスが発生し燃焼ゾーン５
２ｂに隣接する部位に僅かに前記輝炎の形成が見られる
のみである。上記輝炎５７からの輻射熱及び高温燃焼を
している上部燃焼室５４ｂの壁面からの輻射熱と、スト
ーカ下部から供給される１次燃焼空気５６による被焼却
物５５よりなるゴミ層の部分燃焼熱とにより、前記ゴミ
層５５は過度に加熱され熱分解が促進され、前記燃焼ゾ
ーン５２ｂには局所的空気不足領域が形成され、ダイオ
キシン類生成の原因である、すす形成の問題がある。

【０００７】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、ストーカ上に載置した被焼却物が乾燥ゾーン、燃焼
ゾーン、おき燃焼ゾーンを経過する過程において、ガス
化と灰化を行い、ガス化したガスをストーカ上部の燃焼
室で燃焼させるゴミ焼却炉において、前記ガス化速度を
低く抑えるとともに、燃焼ゾーン上での輝炎形成を抑え
た、ダイオキシン類の生成を抑制するストーカ式ゴミ焼
却炉の提供を目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明のストー
カ式ゴミ焼却炉は、乾燥、燃焼、おき燃焼の各ゾーンよ
りなるストーカの上部に配設した１次燃焼室と、その上
部に形成された２次燃焼室との間の接続部に、輻射熱を
遮断する輻射熱遮断突出部を設けるとともに、その２次
燃焼室側に２次空気供給部を設けたことを特徴とする。

【０００９】前記発明は、本発明のストーカ式ゴミ焼却
炉に係わるもので、ホッパより投入された被焼却物より
なるゴミを層状に載置搬送し、搬送過程で１次燃焼空気
による加熱と周囲の輻射熱により、乾燥ゾーンで多量の
水分を含む未燃ガスを放出する乾燥ゾーンと、ガス化と
ともに輝炎燃焼に移行する燃焼ゾーンと、固定炭素を主
体とする燃焼をするおき燃焼ゾーンなるストーカの上部
に形成され前記輝炎燃焼が行なわれる１次燃焼室と、該
燃焼室での未燃ガスを含む燃焼ガスに２次空気（ＯＦ
Ａ）を吹き込み、混合撹拌の上完全燃焼を可能とさせる
２次燃焼室とより構成したストーカ式ゴミ焼却炉におい
て、前記１次燃焼室と２次燃焼室の間に輻射熱遮断突出
部を設け、前記２次燃焼室の炉壁より下方への輻射熱と
前記１次燃焼室より２次燃焼室にかけて輝炎燃焼する燃
焼部よりの輻射熱を遮断して、ストーカ上のゴミの前記
輻射熱による急速な加熱と過度の温度上昇を抑制し、合
わせてダイオキシン類発生の原因を形成するすすの発生
を抑止したものである。

【００１０】また、本発明のストーカ式ゴミ焼却炉の乾
燥ゾーンは、その上部より２次燃焼室に設けた排出口に
通ずる排ガス用のバイパス通路を設けた方が好ましい。

【００１１】前記発明は、本発明のストーカ式ゴミ焼却
炉の乾燥ゾーンに係わるもので、前記乾燥ゾーンより２
次燃焼室へ通ずるバイパス通路を設け、前記燃焼ゾーン
で行なわれる輝炎燃焼に乾燥ゾーンで発生した未燃ガス
の混入を防止するとともに、２次燃焼室の側壁より中央
の燃焼部位に吹き込み、熱分解ガスと混合することで、
生成されたすすを水蒸気で分解してダイオキシン類の発
生を抑止するようにしたものである。

【００１２】また、前記ゴミ焼却炉のおき燃焼ゾーン
は、その上部より２次燃焼室に設けた排出口に通ずる排
ガス用のバイパス通路を設けた方が好ましい。

【００１３】前記発明は、本発明のストーカ式ゴミ焼却
炉のおき燃焼ゾーンに係わるもので、前記おき燃焼ゾー
ンより２次燃焼室へ通ずるバイパス通路を設け、おき燃
焼ゾーンで発生した燃焼ガスを２次燃焼室へ供給させ、
該燃焼室で熱分解ガスとの緩慢燃焼を行なわせ、前記燃
焼ゾーンでの輝炎形成を抑え、すす発生の抑止、ダイオ
キシン類の発生を抑止したものである。

【００１４】また、前記ゴミ焼却炉のおき燃焼ゾーンと
乾燥ゾーンは、その上部より２次燃焼室に設けた排出口
に通ずる排ガス用のバイパス通路をそれぞれ設ける方が
好ましい。

【００１５】前発明は、本発明のストーカ式ゴミ焼却炉
のおき燃焼ゾーンと乾燥ゾーンに係わるもので、おき燃
焼ゾーンの燃焼ガスによる効果と乾燥ゾーンの未燃ガス
による効果とが累積され、より効果的にダイオキシン類
の発生を抑止できる。

【００１６】また、前記ゴミ焼却炉の排出口は、前記２
次燃焼室の基部に設けるのが好ましい。

【００１７】前記発明は、本発明のストーカ式ゴミ焼却
炉の排出口に係わるもので、該排出口を、前記輻射熱遮
断突出部上部に隣接して設け、効率的撹拌混合を可能と
したものである。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
る構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特
に特定的記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに
限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。

【００１９】図１は、本発明のストーカ式ゴミ焼却炉の
概略構成を示す図である。図に示すように、本発明のス
トーカ式ゴミ焼却炉は、ゴミ等の被焼却物１０の投入用
のホッパ１１と、投入された被焼却物１０を炉内に搬送
する段階式ストーカ１２と、該ストーカの末端に接続す
る灰シュート１３と、前記ストーカの上部燃焼空間に形
成された１次燃焼室１４と、その上部に連設された２次
燃焼室１５とより構成する。そして、投入された被焼却
物１０を載置する乾燥ゾーン１２ａ、燃焼ゾーン１２
ｂ、おき燃焼ゾーン１２ｃよりなるストーカ１２の下部
には、１次燃焼空気１６ａが供給され、２次燃焼室１５
へは、２次空気供給部２１よりＯＦＡ（２次空気）１６
ｂが供給される構成にしてある。なお、前記２次燃焼室
１５は後段の排熱ボイラ２０へ接続され、排ガスからの
熱回収が行なわれるようにしてある。

【００２０】上記１次燃焼室１４と２次燃焼室１５との
境にあたる２次燃焼室の基部には輻射熱遮断突出部１８
を設け、該突出部により高温燃焼する２次燃焼室１５の
壁面からの下向き輻射熱と前記燃焼ゾーン１２ｂと該ゾ
ーンに連設おき燃焼ゾーン１２ｃの一部の上部に形成さ
れる輝炎１９からの輻射熱のストーカ上のゴミ層への輻
射を遮断する構成にしてある。その結果、ゴミ層の過度
の温度上昇を抑え、ゴミ層内の熱分解は緩やかな安定し
た状態で行なわせ、局所的空気不足によるダイオキシン
類発生の原因を形成するすすの発生を抑えるようにして
ある。

【００２１】また、前記乾燥ゾーン上部空間より２次燃
焼室１５の基部の隣接部位にバイパス通路１７ａを設
け、該バイパスを介して乾燥ゾーン１２ａ上部空間に滞
留する水蒸気を含む未燃ガスを矢印Ａで示すように排出
する構成にしてある。該構成により２次燃焼室１５の基
部での熱分解ガスと未燃ガスとの混合撹拌効果により、
輝炎１９中のすすを水蒸気で分解している。

【００２２】また、前記おき燃焼ゾーン１２ｃの上部空
間より２次燃焼室１５の基部の隣接部位にバイパス通路
１７ｂを設け、該バイパスを介しておき燃焼ゾーンの上
部空間に滞留する燃焼ガスを矢印Ｂで示すように排出す
る構成にしてある。該構成により前記基部での分解ガス
の燃焼を緩やかに促進させ、前記輝炎１９の増大を抑え
るとともに燃焼ガスの混合撹拌を増進させ、上部からの
ＯＦＡ１６ｂの導入により完全燃焼させるよううにして
ある。なお、前記ＯＦＡ１６ｂの導入は２次燃焼室の基
部隣接部位に設けても良く、図示位置に限定されるもの
でない。

【００２３】ゴミ焼却に際しては、ストーカ１２上に搬
入形成された被焼却物５５の層は２次燃焼室１５の炉壁
よりの輻射熱及び１次燃焼室１４より２次燃焼室１５に
かけて燃焼を続ける輝炎１９からの輻射熱の輻射の遮断
により、局所的過渡的部分加熱を防止し安定した熱分解
を起こさせ、すす発生の原因を削除している。また、乾
燥ゾーン１２ａ及びおき燃焼ゾーン１２ｂよりの２次燃
焼室１５基部へのバイパス通路１７ａ、１７ｂの形成に
より、排出ガスの該基部に形成させ輝炎燃焼中のガスと
撹拌混合により均一な還元性ガス雰囲気を形成させ、Ｏ
ＦＡ（２次空気）１６ｂの導入により完全燃焼をして、
ＮＯｘの発生を抑制するとともに、ダイオキシン類の発
生を防止している。

【００２４】

【発明の効果】本発明は上記構成により下記効果を奏す
る。ａ．輻射熱遮断突出部の構成により、ゴミ層への輻
射を防止しゴミ層の過度の温度上昇を防止して熱分解速
度を抑えすすの発生を防止する。ｂ．乾燥ゾーンよりの
排ガスのバイパスを介しての２次燃焼室基部への導入に
より水蒸気を含む未燃ガスと輝炎ガスとの混合ににより
輝炎中に生成されたすすを水蒸気により分解する。ｃ．
おき燃焼ゾーンの排ガスのバイパス通路を介しての２次
燃焼室基部への導入により輝炎形成を低く抑える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のストーカ式ゴミ焼却炉の概略構成を
示す図である。

【図２】従来のストーカ式ゴミ焼却炉の概略構成を示
す図である。

【図３】別の従来技術の実施例を示す図である。

【符号の説明】

１０被焼却物１１ホッパ１２ストーカ１２ａ乾燥ゾーン１２ｂ燃焼ゾーン１２ｃおき燃焼ゾーン１３灰シュート１４１次燃焼室１５２次燃焼室１６ａ１次燃焼空気１６ｂ２次空気１７ａ、１７ｂバイパス通路１８輻射熱遮断突出部１９輝炎２０排熱ボイラ２１２次空気供給部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｆ２３Ｍ 9/04 Ｆ２３Ｍ 9/04 (72)発明者本多裕姫横浜市金沢区幸浦一丁目８番地１三菱重工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者橘田岳洋横浜市金沢区幸浦一丁目８番地１三菱重工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者菅井淳史横浜市金沢区幸浦一丁目８番地１三菱重工業株式会社横浜研究所内Ｆターム(参考） 3K023 KA02 KB00 KD01 KD07 3K061 GA04 HA06 HA17 HA29 3K078 AA04 BA03 BA06 BA21 CA02 CA12

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】乾燥、燃焼、おき燃焼の各ゾーンよりな
るストーカの上部に配設した１次燃焼室と、その上部に
形成された２次燃焼室との間の接続部に、輻射熱を遮断
する輻射熱遮断突出部を設けるとともに、２次燃焼室側に２次空気供給部を設けたことを特徴とす
るストーカ式ゴミ焼却炉。
【請求項２】前記乾燥ゾーンは、その上部より２次燃焼室に設けた排出口に通ずる排ガス
用のバイパス通路を設けたことを特徴とするストーカ式
ゴミ焼却炉。
【請求項３】前記おき燃焼ゾーンは、その上部より２次燃焼室に設けた排出口に通ずる排ガス
用のバイパス通路を設けたことを特徴とするストーカ式
ゴミ焼却炉。
【請求項４】前記燃焼ゾーンと乾燥ゾーンは、その上部より２次燃焼室に設けた排出口に通ずる排ガス
用のバイパス通路をそれぞれ設けたことを特徴とする請
求項１記載のストーカ式ゴミ焼却。
【請求項５】前記排出口は、前記２次燃焼室の基部に
設けたことを特徴とする請求項２、請求項３、請求項４
記載のストーカ式ゴミ焼却炉。