JP2003166627A - ピニオン軸支持用軸受装置 - Google Patents

ピニオン軸支持用軸受装置

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JP2003166627A
JP2003166627A JP2001366071A JP2001366071A JP2003166627A JP 2003166627 A JP2003166627 A JP 2003166627A JP 2001366071 A JP2001366071 A JP 2001366071A JP 2001366071 A JP2001366071 A JP 2001366071A JP 2003166627 A JP2003166627 A JP 2003166627A
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bearing
pinion shaft
pinion gear
pinion
rolling
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JP2001366071A
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Toshiro Fukuda
登志郎 福田
Kunihiko Yokota
邦彦 横田
Motoji Kawamura
基司 河村
Kenichi Ono
賢一 尾野
Kanichi Kouda
寛一 耕田
Akiyuki Suzuki
章之 鈴木
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車のディファレンシャル装置を構成する
ピニオン軸4を、ディファレンシャルケース1の内側に
回転自在に支持するためのピニオン軸支持用軸受装置に
関し、回転トルクが小さくなり、軸受の長寿命化が図れ
ると共に、ディファレンシャル装置の効率が向上する。 【解決手段】 ピニオン軸4をディファレンシャルケー
ス1に対して回転自在に支持する軸受装置であって、ピ
ニオンギヤ側の転がり軸受6が円筒ころ軸受60とアン
ギュラ玉軸受61を軸心方向に並設してなり、コンパニ
オンフランジ側の転がり軸受5がピニオンギヤ側の転が
り軸受6のアンギュラ玉軸受61とで複列アンギュラ玉
軸受を構成するアンギュラ玉軸受51からなり、コンパ
ニオンフランジ7をナット15にてピニオンギヤ方向に
締結することにより予圧を付与して転がり軸受5,6を
ピニオン軸4に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のディファ
レンシャル装置を構成するピニオン軸を、ディファレン
シャルケースの内側に回転自在に支持するためのピニオ
ン軸支持用軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のディファレンシャル装置の構造を
図5に示す。
【0003】図5において、1はディファレンシャルケ
ースであり、このディファレンシャルケース1内に、左
右の車輪を差動連動する差動変速機構2、ピニオンギヤ
3、ピニオン軸4、ピニオン軸4を回転自在に支持する
円すいころ軸受からなる転がり軸受5,6等が収納され
ている。
【0004】ピニオンギヤ3は、差動変速機構2のリン
グギヤ2aに噛合されており、ピニオン軸4の内端部に
一体形成されている。
【0005】また、ピニオン軸4は、背面合わせに配置
した単列の円すいころ軸受5,6にて、ディファレンシ
ャルケース1の内側に回転自在に支持されており、外端
部にはプロペラシャフト(図示せず)が連結されるコン
パニオンフランジ7が設けられている。
【0006】また、円すいころ軸受5,6は、各々ディ
ファレンシャルケース1の鍛造製の軸受ケース部1aに
形成した軸受装着用の環状壁13,14の内周面に装着
されている。なお、コンパニオンフランジ側の円すいこ
ろ軸受5は軸受ケース部1aの小径側開口部から組み込
まれ、ピニオンギヤ側の円すいころ軸受6は軸受ケース
部1aの大径側開口部から組み込まれ、両円すいころ軸
受5,6間には位置決め用のスペーサ8が介装されてい
る。円すいころ軸受5,6は、ピニオン軸4の外端部に
ナット15を螺合し、コンパニオンフランジ7に締結す
ることで、ピニオンギヤ3とコンパニオンフランジ7の
間で十分な予圧を付与して固定される。
【0007】さらに、ディファレンシャルケース1内に
は、潤滑用のオイルが運転停止状態においてレベルLに
て貯留されている。オイルは、運転時にリングギヤ2a
の回転に伴って跳ね上げられ、軸受ケース部1a内の環
状壁13,14間に形成したオイル導入路11を通って
円すいころ軸受5,6に導かれ、さらにオイル還流路
(図示せず)を通って戻される。なお、ピニオン軸4の
外端部側の外周面と軸受ケース部1aの内周面との間に
は、オイルの漏洩防止のためのオイルシール9が装着さ
れており、かつ、オイルシール9を隠蔽するシール保護
カップ10が取付けられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のディファレンシ
ャル装置の場合、ピニオン軸4を回転自在に支持する軸
受が円すいころ軸受5,6からなり、特に、スラスト荷
重の大きなピニオンギヤ側の円すいころ軸受6には大き
な摩擦抵抗が作用するので、軽負荷で高速回転時に回転
トルクが大きくなり、ディファレンシャル装置の効率が
低下するという問題があった。
【0009】この発明は、回転トルクが小さくなり、デ
ィファレンシャル装置の効率が向上するピニオン軸支持
用軸受装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、ピ
ニオン軸の一端に設けたピニオンギヤと、他端に設けた
コンパニオンフランジとの間に、前記ピニオン軸をケー
スに対して回転自在に支持する軸心方向に並設した一対
の転がり軸受を装着してなるピニオン軸支持用軸受装置
であって、ピニオンギヤ側の転がり軸受が円筒ころ軸受
とアンギュラ玉軸受を軸心方向に並設してなり、コンパ
ニオンフランジ側の転がり軸受が前記ピニオンギヤ側の
転がり軸受のアンギュラ玉軸受とで複列アンギュラ玉軸
受を構成するアンギュラ玉軸受からなり、前記コンパニ
オンフランジを締結手段にて前記ピニオンギヤ方向に締
結することにより予圧を付与して前記一対の転がり軸受
を前記ピニオン軸に固定したものである。
【0011】本発明の請求項1のピニオン軸支持用軸受
装置によると、大きなスラスト荷重が作用するピニオン
ギヤ側の転がり軸受を円筒ころ軸受とアンギュラ玉軸受
を軸心方向に並設して構成し、コンパニオンフランジ側
の転がり軸受をピニオンギヤ側の転がり軸受のアンギュ
ラ玉軸受とで複列アンギュラ玉軸受を構成するアンギュ
ラ玉軸受とし、これら円すいころ軸受に比べて摩擦抵抗
の小さい円筒ころ軸受ならびに複列のアンギュラ玉軸受
にて、ラジアル荷重ならびにアキシアル荷重を受けるの
で、円すいころ軸受に比べて回転トルクが小さくなり、
ディファレンシャル装置の効率が向上する。
【0012】また、ピニオンギヤ側の転がり軸受におい
て、円筒ころ軸受とアンギュラ玉軸受を軸心方向に並設
してなる構成としたので、円筒ころ軸受にてラジアル荷
重を受けることで、ラジアル荷重に対する負荷容量の小
さいアンギュラ玉軸受にラジアル荷重が作用するのを防
止できる。
【0013】さらに、複列のアンギュラ玉軸受を、コン
パニオンフランジ側の転がり軸受とピニオンギヤ側の転
がり軸受に分けて配置したので、アンギュラ玉軸受の配
置間隔が広がり、アンギュラ玉軸受に作用する回転トル
クが小さくなり、その結果、アンギュラ玉軸受の小型化
が図れる。
【0014】本発明の請求項2は、ピニオン軸の一端に
設けたピニオンギヤと、他端に設けたコンパニオンフラ
ンジとの間に、前記ピニオン軸をケースに対して回転自
在に支持する軸心方向に並設した一対の転がり軸受から
なるユニット化した軸受を装着してなるピニオン軸支持
用軸受装置であって、ピニオンギヤ側の転がり軸受が円
筒ころ軸受とアンギュラ玉軸受を軸心方向に並設してな
り、コンパニオンフランジ側の転がり軸受が前記ピニオ
ンギヤ側の転がり軸受のアンギュラ玉軸受とで複列アン
ギュラ玉軸受を構成するアンギュラ玉軸受からなり、前
記コンパニオンフランジを締結手段にて前記ピニオンギ
ヤ方向に締結することにより予圧を付与して前記ピニオ
ン軸に固定され、前記ピニオンギヤ側の転がり軸受は、
前記ピニオン軸の外周面に装着した内輪と、前記内輪の
外周に同心状に回転可能に配置した外輪と、前記内輪と
前記外輪の間に介装した円筒ころ群ならびに玉群とから
なり、前記コンパニオンフランジ側の転がり軸受は、前
記ピニオン軸の外周面に装着した内輪と、前記内輪の外
周に同心状に回転可能に配置した外輪と、前記内輪と前
記外輪の間に介装した玉群とからなり、前記ピニオンギ
ヤ側の転がり軸受と前記コンパニオンフランジ側の転が
り軸受の各外輪が前記ケースに固定した単一の外輪にて
形成されていることを特徴とするものである。
【0015】本発明の請求項2のピニオン軸支持用軸受
装置によると、大きなスラスト荷重が作用するピニオン
ギヤ側の転がり軸受を円筒ころ軸受とアンギュラ玉軸受
を軸心方向に並設して構成し、コンパニオンフランジ側
の転がり軸受をピニオンギヤ側の転がり軸受のアンギュ
ラ玉軸受とで複列アンギュラ玉軸受を構成するアンギュ
ラ玉軸受とし、これら円すいころ軸受に比べて摩擦抵抗
の小さい円筒ころ軸受ならびに複列のアンギュラ玉軸受
にて、ラジアル荷重ならびにアキシアル荷重を受けるの
で、円すいころ軸受に比べて回転トルクが小さくなり、
ディファレンシャル装置の効率が向上する。
【0016】また、ピニオンギヤ側の転がり軸受におい
て、円筒ころ軸受とアンギュラ玉軸受を軸心方向に並設
してなる構成としたので、円筒ころ軸受にてラジアル荷
重を受けることで、ラジアル荷重に対する負荷容量の小
さいアンギュラ玉軸受にラジアル荷重が作用するのを防
止できる。
【0017】また、複列のアンギュラ玉軸受を、コンパ
ニオンフランジ側の転がり軸受とピニオンギヤ側の転が
り軸受に分けて配置したので、アンギュラ玉軸受の配置
間隔が広がり、アンギュラ玉軸受に作用する回転トルク
が小さくなり、その結果、アンギュラ玉軸受の小型化が
図れる。
【0018】さらに、ピニオン軸をケースに対して回転
自在に支持する軸受が、単一の外輪にて構成してなるユ
ニット化されているので、予圧調整が軸受ユニットの製
造段階で正確に行え、ディファレンシャル装置の組立時
に予圧調整作業が不要となり、組立工程数を削減でき、
組立性が向上する。
【0019】なお、好ましくは、ピニオンギヤ側の転が
り軸受において、円筒ころ軸受をアンギュラ玉軸受より
ピニオンギヤ側に配置する。
【0020】このように、円筒ころ軸受をアンギュラ玉
軸受よりピニオンギヤ側に配置することにより、より大
きなスラスト荷重が作用するピニオンギヤ側において、
円筒ころ軸受にて効率よくラジアル荷重を受けることが
できる。
【0021】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の実施の
形態1について、図1および図2を用いて説明する。
【0022】図1は、実施の形態1におけるピニオン軸
支持用軸受装置を適用したディファレンシャル装置の断
面図、図2は、ピニオン軸支持用軸受装置の部分断面図
を示している。
【0023】実施の形態1のピニオン軸支持用軸受装置
は、ピニオンギヤ側の転がり軸受6が円筒ころ軸受60
とアンギュラ玉軸受61を、円筒ころ軸受60がアンギ
ュラ玉軸受61よりピニオンギヤ側になるように配置し
てなり、コンパニオンフランジ側の転がり軸受5がアン
ギュラ玉軸受61とで複列外向きのアンギュラ玉軸受を
構成するアンギュラ玉軸受51にて構成されていること
を特徴とするものである。
【0024】なお、その他の構成は図5の例と同一であ
り、同一部分には同一符号を付してその説明を省略す
る。
【0025】すなわち、コンパニオンフランジ側の転が
り軸受5となるアンギュラ玉軸受51は、内輪52、外
輪53、保持器55にて保持された玉群54からなる。
【0026】また、ピニオンギヤ側の転がり軸受6の円
筒ころ軸受60は、内輪62、外輪63、円筒ころ群6
4からなる。なお、外輪63の両フランジ63a,63
bは、単に円筒ころ群64が軸心方向に抜けるのを防止
するものであって、両フランジ63a,63bと円筒こ
ろ64の端面との間には隙間が形成されており、アキシ
アル荷重を受けない構造となっている。また、アンギュ
ラ玉軸受61は、内輪65、外輪66、保持器68にて
保持された玉群67からなる。
【0027】転がり軸受6は、円筒ころ軸受60とアン
ギュラ玉軸受61を並設してピニオン軸4に圧入された
状態で、軸受ケース部1aの大径側開口部から組み込ま
れて環状壁14に装着される。また、転がり軸受5は、
転がり軸受6との間にスペーサ8を介してピニオン軸4
に圧入し、環状壁13に装着される。さらに、コンパニ
オンフランジ7をピニオン軸4のドライブシャフト側の
小径部44にスプライン嵌合し、締結手段となるナット
15をコンパニオンフランジ7に締結する。これによ
り、スペーサ8を介して並設された転がり軸受5,6
が、ピニオンギヤ3とコンパニオンフランジ7にて挟み
込まれ、予圧を付与されてピニオン軸4に固定される。
【0028】このようにして、円筒ころ軸受60にてラ
ジアル荷重を受けると共に、円筒ころ軸受60に並設し
たアンギュラ玉軸受61にてアキシアル荷重を受ける。
また、アンギュラ玉軸受51にてアキシアル荷重ならび
にラジアル荷重を受けて、ピニオン軸4をディファレン
シャルケース1に対して回転自在に支持する。
【0029】このように構成されたピニオン軸支持用軸
受装置によると、大きなスラスト荷重が作用するピニオ
ンギヤ側の転がり軸受6を円筒ころ軸受60とアンギュ
ラ玉軸受61を軸心方向に並設して構成し、コンパニオ
ンフランジ側の転がり軸受5をピニオンギヤ側の転がり
軸受6のアンギュラ玉軸受61とで複列アンギュラ玉軸
受を構成するアンギュラ玉軸受51とし、これら円すい
ころ軸受に比べて摩擦抵抗の小さい円筒ころ軸受60な
らびに複列のアンギュラ玉軸受51,61にて、ラジア
ル荷重ならびにアキシアル荷重を受けるので、円すいこ
ろ軸受に比べて回転トルクが小さくなり、ディファレン
シャル装置の効率が向上する。
【0030】また、ピニオンギヤ側の転がり軸受6にお
いて、円筒ころ軸受60とアンギュラ玉軸受61を軸心
方向に並設してなる構成としたので、円筒ころ軸受60
にてラジアル荷重を受けることで、ラジアル荷重に対す
る負荷容量の小さいアンギュラ玉軸受61にラジアル荷
重が作用するのを防止でき、単列のアンギュラ玉軸受6
1であっても十分な支持剛性が得られる。
【0031】また、複列のアンギュラ玉軸受51,61
を、コンパニオンフランジ側の転がり軸受5とピニオン
ギヤ側の転がり軸受6に分けて配置したので、アンギュ
ラ玉軸受51,61の配置間隔が広がり、アンギュラ玉
軸受51,61に作用する回転トルクが小さくなり、そ
の結果、アンギュラ玉軸受51,61の小型化が図れ、
小型の軸受装置を提供できる。
【0032】また、ピニオンギヤ側の転がり軸受6にお
いて、円筒ころ軸受60をアンギュラ玉軸受61よりピ
ニオンギヤ側に配置することにより、より大きなスラス
ト荷重が作用するピニオンギヤ側において、円筒ころ軸
受60にて効率よくラジアル荷重を受けることができ
る。
【0033】また、外輪63の両フランジ63a,63
bと円筒ころ64の端面との間に隙間が形成されてお
り、アキシアル荷重を受けない構造となっているため、
外輪63のフランジ63a,63bと円筒ころ64との
間における摩擦によって、ディファレンシャル装置の効
率が低下するのを防止できる。
【0034】さらに、ピニオン軸4のピニオンギヤ側
に、ピニオンギヤ3の背面に当接する鍔部45を形成し
たので、ピニオンギヤ3の強度が向上する。 (実施の形態2)本発明の実施の形態2について、図3
を用いて説明する。
【0035】図3は、実施の形態2におけるピニオン軸
支持用軸受装置の部分断面図を示している。
【0036】この実施の形態2は、ピニオンギヤ側の転
がり軸受6の円筒ころ軸受60とアンギュラ玉軸受61
の内輪ならびに外輪を、単一の内輪69ならびに外輪7
0としたことを特徴とするものである。なお、その他の
構成は、実施の形態1と同様である。
【0037】このように構成されたピニオン軸支持用軸
受装置においても、実施の形態1と同様の効果が得られ
る。さらに、転がり軸受6を単一の内輪69ならびに外
輪70にて形成したので、部品点数の削減が図れ、転が
り軸受6の装着作業も容易に行える。 (実施の形態3)本発明の実施の形態3について、図4
を用いて説明する。
【0038】図4は、実施の形態3におけるピニオン軸
支持用軸受装置の部分断面図を示している。
【0039】この実施の形態3は、コンパニオンフラン
ジ側の転がり軸受5とピニオンギヤ側の転がり軸受6の
外輪を、単一の外輪27にて形成してユニット化し、当
該軸受ユニット20にて、ピニオン軸4をディファレン
シャルケース1に対して回転自在に支持することを特徴
とするものである。
【0040】すなわち、コンパニオンフランジ側の転が
り軸受5はアンギュラ玉軸受からなり、内輪21,外輪
27,玉群32,保持器36にて構成されている。ま
た、ピニオンギヤ側の転がり軸受6は円筒ころ軸受とア
ンギュラ玉軸受からなり、内輪22,外輪27,円筒こ
ろ群33,玉群34,35,保持器37,38からな
る。転がり軸受5,6は、両内輪21,22どうしを軸
心方向に突合せ、かつ外輪27を単一としたユニット状
に形成されている。
【0041】また、内輪21,22の外周面には各々軌
道23,24,25,26が形成されており、内輪22
の軌道25は軌道26より径方向外側に位置している。
さらに、外輪27の内周面には、軌道23,24,2
5,26に対向して軌道28,29,30,31が形成
されており、コンパニオンフランジ側の外周面には固定
用のフランジ27cが突設されている。
【0042】そして、内輪21,22の軌道23,2
5,26と、外輪27の軌道28,30,31に沿っ
て、各々保持器36,37,38にて保持した玉群3
2,34,35を配置すると共に、軌道24と軌道29
に沿って円筒ころ群33を配置する。そして、グリース
を充填して軸心方向両端をシール部材39にて密封す
る。なお、内輪22の軌道25は軌道26より径方向外
側に位置したタンデム型であるため、軌道25が長くな
り、ピニオンギヤ側の玉群34の玉数を増加させること
ができる。
【0043】なお、円筒ころ33の端面と、外輪27の
両対向部27a,27bとの間には隙間が形成されてお
り、単に円筒ころ群33が軸心方向に抜けるのを防止す
るものであって、アキシアル荷重を受けない構造となっ
ている。
【0044】軸受ユニット20は、製造段階で、内輪2
1,22、外輪27、保持器36,37,38にて保持
した玉群32,34,35ならびに円筒ころ群33を組
み付けることで正確な予圧調整を行っておく。
【0045】また、ピニオン軸4は、ピニオンギヤ側に
向かって順次外径が大きくなる、大径部42、中径部4
3、小径部44にて形成されている。
【0046】軸受ユニット20は、ピニオン軸4にドラ
イブシャフト側から圧入し、内輪22をピニオン軸4の
大径部42に外嵌し、内輪21を中径部43に外嵌させ
る。また、ディファレンシャルケース1の外面に外輪2
7のフランジ27cを当接し、フランジ27cにボルト
40を挿通しディファレンシャルケース1に締結する。
【0047】さらに、ピニオン軸4の小径部44にコン
パニオンフランジ7をスプライン嵌合し、ピニオン軸4
のドライブシャフト側端部を径方向外向きに変形させて
コンパニオンフランジ7にかしめ付け、当該締結手段と
なるかしめ41によって、軸受ユニット20をピニオン
ギヤ3とコンパニオンフランジ7にて挟み込み、予圧を
付与して固定する。
【0048】このように構成されたピニオン軸支持用軸
受装置においても、実施の形態1と同様の効果が得られ
る。
【0049】また、転がり軸受6のアンギュラ玉軸受を
タンデム型としたことで、ピニオンギヤ側の玉群34の
玉数が増え、負荷容量が大きくなり、十分な支持剛性が
得られる。
【0050】さらに、ピニオン軸4をディファレンシャ
ルケース1に対して回転自在に支持する軸受が、単一の
外輪27にて構成してなるユニット化されているので、
予圧調整が軸受ユニット20の製造段階で正確に行え、
ディファレンシャル装置の組立時に予圧調整作業が不要
となり、組立工程数を削減でき、組立性が向上する。
【0051】なお、実施の形態1,2において、実施の
形態3に示すように、ピニオンギヤ側の転がり軸受6の
アンギュラ玉軸受61をタンデム型のアンギュラ玉軸受
としてもよい。また、コンパニオンフランジ側の転がり
軸受5をタンデム型のアンギュラ玉軸受としてもよい。
しかも、アンギュラ玉軸受51,61の玉群の列数は特
に限定されるものではない。
【0052】また、ピニオンギヤ側の転がり軸受6にお
いて、アンギュラ玉軸受61を円筒ころ軸受60よりピ
ニオンギヤ側に配置してもよい。
【0053】
【発明の効果】本発明のピニオン軸支持用軸受装置によ
れば、回転トルクが小さくなり、ディファレンシャル装
置の効率が向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるピニオン軸支持
用軸受装置を適用したディファレンシャル装置の断面図
である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるピニオン軸支持
用軸受装置の部分断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2におけるピニオン軸支持
用軸受装置の部分断面図である。
【図4】本発明の実施の形態3におけるピニオン軸支持
用軸受装置の部分断面図である。
【図5】従来例におけるディファレンシャル装置の断面
図である。
【符号の説明】
1 ディファレンシャルケース 2 差動変速機構 2a リングギヤ 3 ピニオンギヤ 4 ピニオン軸 5 コンパニオンフランジ側の転がり軸受 6 ピニオンギヤ側の転がり軸受 7 コンパニオンフランジ 15 ナット(締結手段) 20 軸受ユニット 51,61 アンギュラ玉軸受 60 円筒ころ軸受
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 1/14 F16H 1/14 3J101 48/08 1/40 (72)発明者 河村 基司 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋 精工株式会社内 (72)発明者 尾野 賢一 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋 精工株式会社内 (72)発明者 耕田 寛一 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋 精工株式会社内 (72)発明者 鈴木 章之 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋 精工株式会社内 Fターム(参考) 3J009 DA20 EA06 EA18 EA23 EA32 EB23 EC06 FA07 3J012 AB04 BB03 BB05 CB01 CB06 FB10 FB11 FB12 HB02 3J017 AA02 BA10 CA06 DA01 DB02 DB07 3J027 FA37 FA50 HB07 HB11 HC14 3J063 AA02 AB04 AC01 BA04 CA05 CB17 CD06 CD09 3J101 AA02 AA13 AA24 AA32 AA42 AA43 AA52 AA54 AA62 FA41 GA11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピニオン軸の一端に設けたピニオンギヤ
    と、他端に設けたコンパニオンフランジとの間に、前記
    ピニオン軸をケースに対して回転自在に支持する軸心方
    向に並設した一対の転がり軸受を装着してなるピニオン
    軸支持用軸受装置であって、 ピニオンギヤ側の転がり軸受が円筒ころ軸受とアンギュ
    ラ玉軸受を軸心方向に並設してなり、コンパニオンフラ
    ンジ側の転がり軸受が前記ピニオンギヤ側の転がり軸受
    のアンギュラ玉軸受とで複列アンギュラ玉軸受を構成す
    るアンギュラ玉軸受からなり、 前記コンパニオンフランジを締結手段にて前記ピニオン
    ギヤ方向に締結することにより予圧を付与して前記一対
    の転がり軸受を前記ピニオン軸に固定したことを特徴と
    するピニオン軸支持用軸受装置。
  2. 【請求項2】 ピニオン軸の一端に設けたピニオンギヤ
    と、他端に設けたコンパニオンフランジとの間に、前記
    ピニオン軸をケースに対して回転自在に支持する軸心方
    向に並設した一対の転がり軸受からなるユニット化した
    軸受を装着してなるピニオン軸支持用軸受装置であっ
    て、 ピニオンギヤ側の転がり軸受が円筒ころ軸受とアンギュ
    ラ玉軸受を軸心方向に並設してなり、コンパニオンフラ
    ンジ側の転がり軸受が前記ピニオンギヤ側の転がり軸受
    のアンギュラ玉軸受とで複列アンギュラ玉軸受を構成す
    るアンギュラ玉軸受からなり、前記コンパニオンフラン
    ジを締結手段にて前記ピニオンギヤ方向に締結すること
    により予圧を付与して前記ピニオン軸に固定され、 前記ピニオンギヤ側の転がり軸受は、前記ピニオン軸の
    外周面に装着した内輪と、前記内輪の外周に同心状に回
    転可能に配置した外輪と、前記内輪と前記外輪の間に介
    装した円筒ころ群ならびに玉群とからなり、 前記コンパニオンフランジ側の転がり軸受は、前記ピニ
    オン軸の外周面に装着した内輪と、前記内輪の外周に同
    心状に回転可能に配置した外輪と、前記内輪と前記外輪
    の間に介装した玉群とからなり、 前記ピニオンギヤ側の転がり軸受と前記コンパニオンフ
    ランジ側の転がり軸受の各外輪が前記ケースに固定した
    単一の外輪にて形成されていることを特徴とするピニオ
    ン軸支持用軸受装置。
  3. 【請求項3】 ピニオンギヤ側の転がり軸受において、
    円筒ころ軸受をアンギュラ玉軸受よりピニオンギヤ側に
    配置したことを特徴とする請求項1または請求項2記載
    のピニオン軸支持用軸受装置。
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