JP2003166613A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JP2003166613A
JP2003166613A JP2001368421A JP2001368421A JP2003166613A JP 2003166613 A JP2003166613 A JP 2003166613A JP 2001368421 A JP2001368421 A JP 2001368421A JP 2001368421 A JP2001368421 A JP 2001368421A JP 2003166613 A JP2003166613 A JP 2003166613A
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outer ring
trunnion
continuously variable
variable transmission
power roller
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JP2001368421A
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Ken Yamamoto
建 山本
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストにて、パワーローラ軸受の耐久信頼
性が低下するのを防止することができるトロイダル型無
段変速機を提供すること。 【解決手段】 外輪31の背面をトラニオン14で支持
する範囲である外輪支持範囲を、トラニオン14の傾転
軸15b及びパワーローラ10の回転軸15aを含む断
面について、外輪軌道面32bのつば面32dよりもパ
ワーローラ10の回転中心側の範囲に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の変速機とし
て適用されるトロイダル型無段変速機の技術分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、外輪の背面支持技術が開示された
トロイダル型無段変速機としては、例えば、特開平7−
248049号公報に記載のものが知られている。
【0003】この従来出典には、トラニオンの外輪を支
持する面に凸クラウニングを形成し、最大押し付け荷重
が働いた場合に、外輪背面の全面がトラニオンに接触す
る構成としている。
【0004】この構成により、押し付け荷重が大きい時
には、トラニオンの変形によって外輪を支持するクラウ
ニング面が平坦面に近くなり、外輪の弓形変形を小さく
することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
トロイダル型無段変速機にあっては、外輪を支持するク
ラウニング面が平坦面になるのは、ある一点の押し付け
荷重条件が成立する時のみであり、その他の押し付け荷
重条件、すなわち、押し付け荷重が低いときにはクラウ
ニング面は凸状面、押し付け荷重が高いときにはクラウ
ニング面は凹状面となり、外輪もその形状に沿うように
変形する。
【0006】この外輪の変形に伴い、外輪に形成されて
いるパワーローラ軸受の外輪軌道面が変形し、転動体と
の接触面圧が片当たりにより上昇し、パワーローラ軸受
の耐久信頼性が低下するという問題があった。
【0007】また、トラニオンの外輪支持面に、大きな
半径の凸面を精度良く加工することは難易度が高く、コ
ストが上昇するという問題があった。
【0008】本発明の目的は、低コストにて、パワーロ
ーラ軸受の耐久信頼性が低下するのを防止することがで
きるトロイダル型無段変速機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、内輪に形成された内輪軌道面と、外輪
に形成された外輪軌道面と、これら内外輪軌道面に挟持
された転動体と、を有するパワーローラ軸受を備えたト
ロイダル型無段変速機において、外輪の背面をトラニオ
ンまたは他の支持部材で支持する外輪支持範囲を、少な
くとも前記トラニオンの傾転軸及び前記パワーローラの
回転軸を含む断面について、外輪軌道面の外周位置より
もパワーローラの回転中心側の範囲に設定した。
【0010】
【発明の作用および効果】本発明にあっては、押し付け
荷重が大きくトラニオンがパワーローラの上下位置を支
持点として弓なりに変形した場合、トラニオンの変形に
伴う外輪の変形範囲が、外輪軌道面の外周位置よりもパ
ワーローラの回転中心側の範囲に規定されることにな
り、外輪軌道面の外周位置よりも外側範囲は、トラニオ
ンが変形してもトラニオン変形に伴う外輪の変形がな
い。このため、トラニオンの変形に伴う外輪の変形範囲
が外輪の背面全体の場合に比べ、外輪軌道面の外周位置
よりも外側範囲の外輪の変形が小さく抑えられ、この部
分の外輪に形成された外輪軌道面の変形も小さく抑えら
れる。
【0011】よって、従来のトラニオンの外輪を支持す
る面に凸クラウニングを形成する場合に比べて低コスト
にて、外輪軌道面と転動体との片当たり抑制により、パ
ワーローラ軸受の耐久信頼性が低下するのを防止するこ
とができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明のトロイダル型無段
変速機を実現する実施の形態を、請求項1に対応する第
1実施例と、請求項2に対応する第2実施例と、請求項
3に対応する第3実施例と、請求項4に対応する第4実
施例と、請求項5に対応する第5実施例とに基づいて説
明する。
【0013】(第1実施例)まず、構成を説明する。図
1は第1実施例のトロイダル型無段変速機の変速機構を
示す概略図で、エンジンからの回転駆動力は、図外のト
ルクコンバータおよび前後進切換え機構を介して入力軸
1に入力される。
【0014】前記入力軸1と同軸上にトルク伝達軸2が
配置され、該トルク伝達軸2の両端部位置には、第1入
力ディスク3と第2入力ディスク4を、軸方向移動可能
にスプライン結合している。
【0015】前記第1入力ディスク3の背面と入力軸1
との間には、入力トルクに応じて軸方向推力を発生する
ローディングカム機構5を介装している。
【0016】前記第2入力ディスク4の背面とトルク伝
達軸2の端部に螺合されたローディングナット6との間
には、両入力ディスク3,4にプリロードを付与する皿
バネ7を介装している。
【0017】前記両入力ディスク3,4の中間位置に
は、トルク伝達軸2に遊装した出力ディスク8を配置し
ている。この出力ディスク8は、2つの出力ディスクの
背面を互いに合わせて一体結合したもので、出力ディス
ク8の外周部には出力ギア9を形成している。
【0018】前記第1入力ディスク3の出力ディスク8
側対向面と、前記第2入力ディスク4の出力ディスク8
側対向面と、前記出力ディスク8の両入力ディスク3,
4に対向する対向面には、それぞれトロイド状溝3a,
4a,8a,8bを形成している。
【0019】前記トロイド状溝3a,8aとの間には、
左右2個の第1パワーローラ10,10を油膜せん断力
により動力の受け渡しを可能に挟持している。同様に、
トロイド状溝4a,8bとの間には、左右2個の第2パ
ワーローラ11,11を油膜せん断力により動力の受け
渡しを可能に挟持している。
【0020】そして、第1入力ディスク3と出力ディス
ク8と第1パワーローラ10,10により第1トロイダ
ル変速部12を構成し、第2入力ディスク4と出力ディ
スク8と第2パワーローラ11,11により第2トロイ
ダル変速部13を構成している。
【0021】上記変速機構において、各パワーローラ1
0,10,11,11は、後述する作動により変速比に
応じた傾転角が得られるようにそれぞれ傾転され、両入
力ディスク3,4の入力回転を無段階(連続的)に変速
して出力ディスク8に伝達する。
【0022】図2は第1実施例のトロイダル型無段変速
機の変速制御系を示す概略図で、第1パワーローラ1
0,10は、トラニオン14,14の一端部に支持され
ていて回転軸15a,15aを中心として回転自在であ
る。この第1パワーローラ10,10を支持するトラニ
オン14,14は、傾転軸15b,15bを中心に傾転
可能に設けられていて、その他端部には、トラニオン1
4,14を軸方向に移動させて各パワーローラ10,1
0を傾転させる油圧アクチュエータとしてのサーボピス
トン16,16を設けている。なお、第2パワーローラ
11,11も同様に、トラニオンの一端に支持されてい
て、トラニオンを軸方向に移動させて各パワーローラ1
1,11を傾転させる油圧アクチュエータとしてのサー
ボピストンを設けている。そして、4個のトラニオン
は、これらが同期して動くように図外の同期ワイヤによ
り連結されている。
【0023】前記サーボピストン16,16を作動制御
する油圧制御系として、ピストン16a,16aにより
画成されるハイ側油室16b,16bに接続されるハイ
側油路17と、ロー側油室16c,16cに接続される
ロー側油路18と、ハイ側油路17を接続するポート1
9aとロー側油路18を接続するポート19bを有する
変速制御弁19とが設けられている。
【0024】前記変速制御弁19のライン圧ポート19
cには、図外のオイルポンプ及びリリーフ弁を有する油
圧源からのライン圧が供給される。
【0025】前記変速制御弁19の変速スプール19d
は、トラニオン14,14の軸方向及び傾転方向を検知
し、変速制御弁19にフィードバックするレバー20及
びプリセスカム21と連動すると共に、ステップモータ
22により軸方向に変位するように駆動される。
【0026】前記ステップモータ22を駆動制御する電
子制御系として、CVTコントロールユニット23が設
けられ、このCVTコントロールユニット23には、ス
ロットル開度センサ24、エンジン回転センサ25、入
力ディスク回転センサ26、出力軸回転センサ(車速セ
ンサ)27、インヒビタースイッチ28、油温センサ2
9等からの入力情報が取り込まれる。
【0027】図3は第1実施例のトロイダル型無段変速
機に採用された第1パワーローラ10及びトラニオン1
4を示す断面図である。なお、第2パワーローラ11及
びそのトラニオンについても同じ構造である。
【0028】前記トラニオン14は、パワーローラ10
を収納するパワーローラ収納凹部14aと、パワーロー
ラ10から作用する荷重を上側位置で支持する傾転軸1
5bを中心軸とする円筒形状の上側首部14bと、パワ
ーローラ10から作用する荷重を下側位置で受ける傾転
軸15bを中心軸とする円筒形状の下側首部14cと、
を有している。
【0029】前記パワーローラ10は、第1入力ディス
ク3の動力を油膜せん断力によって出力ディスク8に伝
達する内輪30と、トラニオン14のパワーローラ収納
凹部14aに対しスライド可能に支持された外輪31
と、該外輪31に対し内輪30を回転可能に支持する円
すいころ軸受32(パワーローラ軸受)と、前記内輪3
0の支持孔30aと前記外輪31の軸部31aとの間に
介装されたニードル軸受33と、を有して構成してい
る。
【0030】前記円すいころ軸受32は、内輪30に形
成された内輪軌道面32aと、外輪31に形成された外
輪軌道面32bと、これら内外輪軌道面32a,32b
に挟持された円すいころ32c(転動体)と、該円すい
ころ32cを案内するつば面32dと、複数の円すいこ
ろ32cを保持する保持器32eと、有している。
【0031】前記外輪31の背面には、図4に示すよう
に、トラニオン14の上側首部14bと下側首部14c
とを結ぶ方向の上下位置にそれぞれ面取り部31b,3
1bを形成し、この面取り部31b,31bで挟まれる
部分をトラニオン支持面31cとしている。すなわち、
外輪31の背面をトラニオン14で支持する範囲である
外輪支持範囲を、トラニオン14の傾転軸15b及びパ
ワーローラ10の回転軸15aを含む断面(図3)につ
いて、外輪軌道面32bのつば面32d(=外周位置)
よりもパワーローラ10の回転中心側の範囲に設定して
いる。
【0032】次に、作用を説明する。
【0033】[変速比制御作用]トロイダル型無段変速
機は、トラニオン14,14を傾転軸15bの方向に変
位し、パワーローラ10,10を傾転させることによっ
て変速比を変える。
【0034】つまり、CVTコントロールユニット23
からの目標変速比が得られる駆動指令によりステップモ
ータ22を回転させるとによって変速スプール19dが
変位すると、サーボピストン16,16の一方のサーボ
ピストン室に作動油が導かれ、他方のサーボピストン室
から作動油が排出され、トラニオン14,14が傾転軸
15bの方向に変位する。
【0035】これにより、パワーローラ10,10の回
転軸15a,15aがディスク回転中心位置に対してオ
フセットする。このオフセットによりパワーローラ1
0,10と入出力ディスク3,8との接触部で発生する
サイドスリップ力によりパワーローラ10,10が傾転
する。
【0036】この傾転運動およびオフセットは、プリセ
スカム21及びレバー20を介して変速スプール19d
に伝達され、ステップモータ22との釣り合い位置で静
止し、所定の傾転角となった時点でトラニオン14,1
4に与えた変位が元のディスク回転中心位置に戻され、
パワーローラ10,10の傾転動作を停止することでな
される。変速比は、パワーローラ10,10の傾転角に
より決まる。なお、パワーローラ11,11についても
同様の変速比制御作用を示す。
【0037】[円すいころ軸受の疲労寿命向上作用]上
記変速比制御において、入出力ディスク3,8とパワー
ローラ10,10の内輪30のトルク伝達は、油膜せん
断による摩擦によって行われる。よって、内輪30には
摩擦を発生させるための押付力が、入出力ディスク3,
8のそれぞれから働く。この押付力は、円すいころ軸受
32を介してトラニオン14に負荷され、トラニオン1
4は上下位置の両首部14b,14cで支持される。よ
って、トラニオン14は、図5に示すように、弓形に変
形する。
【0038】ここで、例えば、図6に示すように、外輪
の背面をトラニオンで支持する範囲である外輪支持範囲
を、外輪背面の全面とする場合について考えると、外輪
はトラニオンの弓状変形に倣うように弓状に変形する。
したがって、トラニオン変形前は、外輪軌道面とつば面
とのなす角度ζが図7(イ)に示す角度であるのに対
し、トラニオン変形後は、外輪軌道面とつば面とのなす
角度ζ'が図7(ロ)に示すように小さくなる。一方、
転動体である円すいころの転動面と大径側端面とのなす
角度はトラニオンの変形前後において変化しない。よっ
て、つば面と円すいころの大径側端面が片当たりをし、
接触面圧が上昇することでかじりや焼き付きが発生して
しまうおそれがある。
【0039】これに対し、第1実施例では、トラニオン
14がパワーローラ10の上下位置を支持点として弓な
りに変形した場合、図5に示すように、トラニオン14
の変形に伴う外輪の変形範囲が、外輪軌道面32bのつ
ば面32dよりもパワーローラ10の回転中心側の範囲
に規定されているため、外輪軌道面32bのつば面32
dよりも外側範囲は、トラニオン14が変形してもトラ
ニオン変形14に伴う外輪31の変形がない。これは片
持ち梁の途中に荷重を与えた場合、固定点と力点の間は
変形するが、力点より先は変形しないのと同じことであ
る。
【0040】その結果、外輪軌道面とつば面とのなす角
度ζが無負荷時に対してほとんど変化せず、つば面32
dと円すいころ32cの大径側端面が片当たりしない。
【0041】次に、効果を説明する。
【0042】(1) 外輪31の背面をトラニオン14で支
持する範囲である外輪支持範囲を、トラニオン14の傾
転軸15b及びパワーローラ10の回転軸15aを含む
断面について、外輪軌道面32bのつば面32dよりも
パワーローラ10の回転中心側の範囲に設定したため、
従来のトラニオンの外輪を支持する面に凸クラウニング
を形成する場合に比べて低コストにて、つば面32dと
円すいころ32cの大径側端面との片当たり抑制によ
り、パワーローラ軸受である円すいころ軸受32の耐久
信頼性が低下するのを防止することができる。
【0043】(第2実施例)この第2実施例は、基本構
成は第1実施例と同じであるが、外輪31の背面をトラ
ニオン14で支持する範囲である外輪支持範囲を、外輪
31の背面全周について、外輪軌道面32bのつば面3
2d(=外周位置)よりもパワーローラ10の回転中心
側の範囲に設定した例である。
【0044】すなわち、図8及び図9に示すように、外
輪31の背面の全周について、全周面取り部31dを形
成し、この全周面取り部31dで囲まれる円形部分をト
ラニオン支持面31cとしている。
【0045】作用を説明すると、トラニオン14の変形
は両端自由支持梁の中央に集中荷重を与えた場合とほぼ
同じであり、支持点に近いほど撓み角が大きくなる。よ
って、外輪背面の全面をトラニオンに接触させた場合、
両首部に近いほど外輪軌道面とつば面とのなす角度ζの
変化も大きくなるが、それ以外の位置でも量は小さいが
外輪軌道面とつば面とのなす角度ζの変化が発生する。
【0046】これに対し、外輪31の背面に全周面取り
部31dを形成し、この全周面取り部31dで囲まれる
部分をトラニオン支持面31cとした場合、全周にわた
ってつば面32dの背面とトラニオン14が接触してい
ないので、外輪軌道面とつば面とのなす角度ζの変化が
一切発生しない。
【0047】次に、効果を説明する。
【0048】(2) 外輪31の背面をトラニオン14で支
持する範囲である外輪支持範囲を、外輪31の背面全周
について、外輪軌道面32bのつば面32dよりもパワ
ーローラ10の回転中心側の範囲に設定したため、外輪
軌道面とつば面とのなす角度ζの変化が一切発生せず、
つば面32dと円すいころ32cの大径側端面との片当
たりの解消により、パワーローラ軸受である円すいころ
軸受32の耐久信頼性が低下するのを確実に防止するこ
とができる。
【0049】(第3実施例)第3実施例は、基本構成は
第1実施例と同じであるが、外輪31の背面をトラニオ
ン14で支持する範囲である外輪支持範囲を、トラニオ
ン14の傾転軸15b及びパワーローラ10の回転軸1
5aを含む断面について、外輪軌道面32bの内周位置
よりもパワーローラ10の回転中心側の範囲に設定した
例である。
【0050】すなわち、図10に示すように、外輪31
の背面には、トラニオン14の上側首部14bと下側首
部14cとを結ぶ方向の上下位置にそれぞれ面取り部3
1e,31eを形成し、この面取り部31e,31eで
挟まれる部分をトラニオン支持面31cとしている。
【0051】作用を説明すると、転動体である円すいこ
ろ32cと外輪軌道面32bとの接触は線接触であり、
外輪31が変形すると片当たり接触が発生し、面圧が上
昇することで転がり疲労寿命の低下を招く。
【0052】これに対し、この第3実施例では、外輪3
1の背面の面取りを第1実施例よりも大きくし、外輪軌
道面32bの背面部分もトラニオン14に接触していな
い。よって、トラニオン14の変形が外輪軌道面32b
に伝わらず、円すいころ32cと外輪軌道面32bとの
片当たり線接触の発生が抑えられる。
【0053】次に、効果を説明する。
【0054】(3) 外輪31の背面をトラニオン14で支
持する範囲である外輪支持範囲を、トラニオン14の傾
転軸15b及びパワーローラ10の回転軸15aを含む
断面について、外輪軌道面32bの内周位置よりもパワ
ーローラ10の回転中心側の範囲に設定したため、つば
面32dと円すいころ32cの大径側端面との片当たり
の抑制により、パワーローラ軸受である円すいころ軸受
32の耐久信頼性が低下するのを防止することができる
と共に、円すいころ32cと外輪軌道面32bとの片当
たり線接触の抑制により、転がり疲労寿命が低下するの
を防止することができる。
【0055】(第4実施例)この第4実施例は、基本構
成は第1実施例と同じであるが、外輪31の背面をトラ
ニオン14で支持する範囲である外輪支持範囲を、外輪
31の背面全周について、外輪軌道面32bの内周位置
よりもパワーローラ10の回転中心側の範囲に設定した
例である。
【0056】すなわち、図11及び図12に示すよう
に、外輪31の背面の全周について、全周面取り部31
fを形成し、この全周面取り部31fで囲まれる円形部
分をトラニオン支持面31cとしている。
【0057】作用を説明すると、基本的作用については
第3実施例と同様であるが、面取りを外輪31の背面全
周について実施しているため、つば面32dと円すいこ
ろ32cの大径側端面との片当たりをほぼ解消すること
ができると共に、円すいころ32cと外輪軌道面32b
との片当たり線接触もほぼ解消することができる。
【0058】次に、効果を説明する。
【0059】(4) 外輪31の背面をトラニオン14で支
持する範囲である外輪支持範囲を、外輪31の背面全周
について、外輪軌道面32bの内周位置よりもパワーロ
ーラ10の回転中心側の範囲に設定したため、つば面3
2dと円すいころ32cの大径側端面との片当たりの解
消により、パワーローラ軸受である円すいころ軸受32
の耐久信頼性が低下するのを確実に防止することができ
ると共に、円すいころ32cと外輪軌道面32bとの片
当たり線接触の解消により、転がり疲労寿命が低下する
のを確実に防止することができる。
【0060】(第5実施例)第5実施例は、基本的に
は、第3実施例と同様であるが、図13に示すように、
外輪31とトラニオン14との間に、トラニオン14に
対して外輪31が円滑に移動できるようにスラストニー
ドル軸受34(スラスト軸受)を設け、かつ、このスラ
ストニードル軸受34と外輪31との間に軌道板35を
設け、この軌道板34を、外輪31の背面を支持する支
持部材とした例である。ここで、スラストニードル軸受
34は、トラニオン14のパワーローラ収納凹部14a
の上下位置に分けて一対傾斜配置されている。なお、他
の構成は第3実施例と同様であるので、対応する部分に
同一符号を付して説明を省略する。
【0061】作用を説明すると、特開平7−24804
9号公報等に記載されるように、通常は外輪とトラニオ
ンとの間にスラストニードル軸受を挿入するが、スラス
トニードル軸受の寿命を考えると、ニードルをできるだ
け長く、かつ、本数を多くすることが望ましい。ところ
が、外輪の背面の全面にわたってニードルを配置する
と、前述したようにトラニオン14の変形がニードルを
介して外輪に伝わり、片当たりが発生する。
【0062】これに対し、第5実施例では、軌道板35
はトラニオン14に沿って変形するが、外輪31と軌道
板35は、中央部付近の限られた範囲でしか接しないた
め、外輪軌道面32b及びつば面32dは変形せず、つ
ば面32dと円すいころ32cの大径側端面との片当た
りが抑制されると共に、円すいころ32cと外輪軌道面
32bとの片当たり線接触が抑制される。
【0063】次に、効果を説明する。
【0064】(5) 外輪31とトラニオン14との間に、
トラニオン14に対して外輪31が円滑に移動できるよ
うにスラストニードル軸受34を設け、かつ、このスラ
ストニードル軸受34と外輪31との間に軌道板35を
設け、この軌道板34を、外輪31の背面を支持する支
持部材としたため、トラニオン14に対して外輪31の
円滑な移動を確保できるのに加え、パワーローラ軸受で
ある円すいころ軸受32の耐久信頼性が低下するのを防
止することができると共に、転がり疲労寿命が低下する
のを防止することができる。
【0065】(他の実施例)以上、本発明のトロイダル
型無段変速機を第1実施例〜第5実施例に基づき説明し
てきたが、具体的な構成については、これらの実施例に
限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係
る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は
許容される。
【0066】例えば、第1実施例〜第5実施例では、パ
ワーローラ軸受として円すいころ軸受を用いた例を示し
たが、パワーローラ軸受として玉軸受を採用したトロイ
ダル型無段変速機にも適用することができる。この場合
も半円状断面の外輪軌道面の変形が抑制され、転動体で
ある球の片当たりを防止することができる。
【0067】第5実施例では、第3実施例のものを基本
構成として、スラストニードル軸受及び軌道板を追加し
た例を示したが、第1実施例や第2実施例や第4実施例
のものを基本構成として、スラストニードル軸受及び軌
道板を追加しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のトロイダル型無段変速機の変速機
構を示す概略図である。
【図2】第1実施例のトロイダル型無段変速機の変速制
御系を示す概略図である。
【図3】第1実施例のトロイダル型無段変速機に採用さ
れたトラニオン及びパワーローラを示す縦断面図であ
る。
【図4】第1実施例のトロイダル型無段変速機に採用さ
れたパワーローラの外輪背面を示す図である。
【図5】第1実施例のトロイダル型無段変速機おいてト
ラニオンがパワーローラに加わる負荷により変形した場
合の作用説明図である。
【図6】外輪背面が全面接触するトロイダル型無段変速
機においてトラニオンがパワーローラに加わる負荷によ
り変形した場合の作用説明図である。
【図7】トラニオン変形前後において外輪軌道面とつば
面とがなす角度の変化を示す図である。
【図8】第2実施例のトロイダル型無段変速機に採用さ
れたトラニオン及びパワーローラを示す縦断面図であ
る。
【図9】第2実施例のトロイダル型無段変速機に採用さ
れたトラニオン及びパワーローラを示す横断面図であ
る。
【図10】第3実施例のトロイダル型無段変速機に採用
されたトラニオン及びパワーローラを示す縦断面図であ
る。
【図11】第4実施例のトロイダル型無段変速機に採用
されたトラニオン及びパワーローラを示す縦断面図であ
る。
【図12】第4実施例のトロイダル型無段変速機に採用
されたトラニオン及びパワーローラを示す横断面図であ
る。
【図13】第5実施例のトロイダル型無段変速機に採用
されたトラニオン及びパワーローラを示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
3 第1入力ディスク 4 第2入力ディスク 8 出力ディスク 10 第1パワーローラ 11 第2パワーローラ 14 トラニオン 14a パワーローラ収納凹部 14b 上側首部 14c 下側首部 15a 回転軸 15b 傾転軸 30 内輪 31 外輪 31a 軸部 31b 面取り部 31c トラニオン支持面 31d 全周面取り部 31e 面取り部 31f 全周面取り部 32 円すいころ軸受(パワーローラ軸受) 32a 内輪軌道面 32b 外輪軌道面 32c 円すいころ(転動体) 32d つば面 32e 保持器 33 ニードル軸受 34 スラストニードル軸受(スラスト軸受) 35 軌道板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力ディスクと、出力ディスクと、これ
    ら入出力ディスクの対向面にそれぞれ形成されたトロイ
    ド状溝に挟持される複数のパワーローラと、該パワーロ
    ーラを傾転可能に支持するトラニオンとを備え、 前記パワーローラは、入力ディスクの動力を油膜せん断
    力によって出力ディスクに伝達する内輪と、トラニオン
    に直接または他の部材を介して間接的に支持された外輪
    と、該外輪に対して内輪を回転自在に支持するパワーロ
    ーラ軸受を有して構成し、 前記パワーローラ軸受は、内輪に形成された内輪軌道面
    と、外輪に形成された外輪軌道面と、これら内外輪軌道
    面に挟持された転動体と、を有して構成しているトロイ
    ダル型無段変速機において、 前記外輪の背面をトラニオンまたは他の支持部材で支持
    する外輪支持範囲を、少なくとも前記トラニオンの傾転
    軸及び前記パワーローラの回転軸を含む断面について、
    外輪軌道面の外周位置よりもパワーローラの回転中心側
    の範囲に設定したことを特徴とするトロイダル型無段変
    速機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のトロイダル型無段変速
    機において、 前記外輪の背面をトラニオンまたは他の支持部材で支持
    する外輪支持範囲を、前記外輪の背面全周について、外
    輪軌道面の外周位置よりもパワーローラの回転中心側の
    範囲に設定したことを特徴とするトロイダル型無段変速
    機。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のトロイダル型無段変速
    機において、 前記外輪の背面をトラニオンまたは他の支持部材で支持
    する外輪支持範囲を、前記トラニオンの傾転軸及び前記
    パワーローラの回転軸を含む断面について、外輪軌道面
    の内周位置よりもパワーローラの回転中心側の範囲に設
    定したことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のトロイダル型無段変速
    機において、 前記外輪の背面をトラニオンまたは他の支持部材で支持
    する外輪支持範囲を、前記外輪の背面全周について、外
    輪軌道面の内周位置よりもパワーローラの回転中心側の
    範囲に設定したことを特徴とするトロイダル型無段変速
    機。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4の何れかに記載
    のトロイダル型無段変速機において、 前記外輪と前記トラニオンとの間に、トラニオンに対し
    て外輪が円滑に移動できるようにスラスト軸受を設け、
    かつ、前記スラスト軸受と外輪との間に軌道板を設け、 前記軌道板を、外輪の背面を支持する支持部材としたこ
    とを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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