JP2003166566A - 車両用ディスクブレーキのキャリパボディ - Google Patents
車両用ディスクブレーキのキャリパボディInfo
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Abstract
二系統用の場合に、加工数と部品点数とを減少して低コ
スト化を図る。液圧損失を防止して、立ち上がりのよい
制動力を得る。キャリパボディの小型化を図る。シリン
ダ孔の加工を簡単にする。 【解決手段】 ディスク周方向外側に位置する第1ブレ
ーキ系統用の2つの液圧室をパイプ材15で連通する。
パイプ材15を、キャリパボディ6の鋳造成形時に鋳込
む。パイプ材15を、ディスク周方向内側に位置する第
2ブレーキ系統用のシリンダ孔9の周面外側を迂回して
配設する。シリンダ孔8,8,9を同一深さに形成す
る。
Description
二輪車等の車両に搭載される車両用ディスクブレーキの
キャリパボディに係り、詳しくは2系統ブレーキ用の構
造を持つキャリパボディに関する。
用ディスクブレーキとして、例えば実公平7−4908
5号公報に示されるものがある。この先行技術は、キャ
リパボディの作用部に、複数のシリンダ孔をディスク周
方向に併設し、これらシリンダ孔を、ディスク周方向外
側の2つを含む深底シリンダ孔と、これよりも浅いその
他の浅底シリンダ孔となし、各シリンダ孔にピストンを
収容して、該ピストンとシリンダ孔との間に液圧室を画
成している。
おり、該厚肉の底壁部分にディスクロータの側面と平行
な連通孔を形成し、該連通孔にて深底シリンダ孔の液圧
室同士をつなぎ、また浅底シリンダ孔の液圧室同士は他
の連通孔でつないで、深底シリンダ孔を用いた第1ブレ
ーキ系統と、浅底シリンダ孔を用いた第2ブレーキ系統
との2系統に分けている。
ィのディスク周方向一端に突出するボス部から、浅底シ
リンダ孔後側の肉厚部分を貫通してディスク周方向他端
側の液圧室に至る加工孔を穿って、深底シリンダ孔の液
圧室間をつなぐ部分を連通孔となしており、このように
して連通孔を形成した後に、前記ボス部に止め栓を螺着
して液封をしている。
レーキ系統用の連通孔に用いる加工孔のうち、前記止め
栓とキャリパボディのディスク周方向一端側の液圧室と
の間の部分は連通孔として不要なボリュームであり、こ
のような不要なボリュームがあると液圧損失を生じて制
動力の立ち上げを妨げる原因となる。さらに、加工孔の
一端に止め栓を必要とするため、部品点数と組み付け工
数の増加となって不利である。
側を所定の厚肉にして連通孔を形成したり、シリンダ孔
を深底と浅底とにする構成は、キャリパボディの内部を
第1ブレーキ系統用と第2ブレーキ系統用とに分けるた
めであって、第2ブレーキ系統用のシリンダ孔後側の厚
肉化や、キャリパボディのディスク周方向一端に突出す
るボス部は、キャリパボディの大型化を招いたり重量の
増加につながるという不具合があり、また第1,第2ブ
レーキ系統用の深さ違いのシリンダ孔は、鋳造成形加工
と鋳造成形後の切削加工を煩雑にするという不具合があ
る。
されたもので、その目的とするところは、不要なボリュ
ームによる液圧損失を防止し、部品点数を減少し、キャ
リパボディの小型・軽量化を図るとともに、加工が容易
なキャリパボディを提供することにある。
て、第1の発明では、ディスクロータの側部に配設され
る作用部に、ディスクロータ側へ開口する3個以上のシ
リンダ孔をディスク周方向へ並設し、該シリンダ孔の底
部にそれぞれ液圧室を画成し、これら液圧室の少なくと
もディスク周方向外側に位置する2つを第1ブレーキ系
統用となし、該第1ブレーキ系統用の液圧室以外の液圧
室を第2ブレーキ系統用となした車両用ディスクブレー
キのキャリパボディにおいて、該キャリパボディ内部に
パイプ材を鋳込み成形し、該パイプ材にて前記第1ブレ
ーキ系統用の液圧室を連通せしめたことを特徴としてい
る。
リンダ孔の周面外側を迂回して配設してもよく、また第
1ブレーキ系統用と第2ブレーキ系統用のシリンダ孔を
それぞれ同一深さに形成することもできる。
基づいて説明する。図1及び図2は、本発明の第1形態
例を示すもので、ディスクブレーキ1は、車両の前進走
行時に矢印A方向へ回転するディスクロータ2と、該デ
ィスクロータ2の一側部で車体に固設されるキャリパブ
ラケット3と、該ブラケット3に一対の摺動ピン4,5
を介して支持されるキャリパボディ6と、ディスクロー
タ2の両側部に対向配置される一対の摩擦パッド7,7
とを持っている。
8,8,9を2つのブレーキ系統に分けた3ポット2系
統式のピンスライド型で、ディスクロータ2の両側部に
配設される作用部6a及び反作用部6bと、ディスクロ
ータ2の外周を跨いでこれらを連結するブリッジ部6c
とからなっている。作用部6aには取り付け腕6d,6
eが突設されており、キャリパボディ6は、両取り付け
腕6d,6eと前述の摺動ピン4,5とを用いてディス
ク軸方向に移動可能に支持されている。
述の摩擦パッド7,7がディスクロータ2を挟んで対向
配置されている。各摩擦パッド7は、ライニング7aと
裏板7bとからなっており、キャリパブラケット3のデ
ィスク回入側にディスクロータ2を跨いで横架されるハ
ンガーピン10を裏板7bの一側方に挿通し、裏板7b
の他側方をキャリパブラケット3のディスク回出側に凹
設したパッドガイド部3aで支承して、キャリパボディ
6と同様に、ディスク軸方向へ移動可能に支持されてい
る。
する有底円筒状の3つのシリンダ孔8,8,9がディス
ク周方向に併設され、これらシリンダ孔8,8,9に、
コップ状のピストン11,11,12を内挿して、ピス
トン11,11,12とシリンダ孔8,8,9の底壁と
の間に液圧室13,13,14を画成している。ディス
ク周方向外側の2つの液圧室13,13の間には、湾曲
した金属製のパイプ材15が介装されており、該パイプ
材15の内部を連通孔16となして、双方の液圧室1
3,13を連通している。
2つのユニオンボス部6f,6gが形成され、一方のユ
ニオンボス部6fの内部をディスク回出側のシリンダ孔
8の液圧室13に連通し、他方のユニオンボス部6gの
内部をディスク周方向内側のシリンダ孔9の液圧室14
に連通して、キャリパボディ6の内部を、ディスク周方
向外側のシリンダ孔8,8とピストン11,11と液圧
室13,13とパイプ材15とユニオンボス部6fとを
用いた第1ブレーキ系統用と、ディスク周方向内側のシ
リンダ孔9とピストン12と液圧室14とユニオンボス
部6gとを用いた第2ブレーキ系統用との2系統に分け
ている。
鋳造成形時に、シリンダ孔8,8,9の下孔を形成する
中子とともに成形型の内部にセットされ、その両端を第
1ブレーキ系統用のシリンダ孔8,8用の中子の底部側
に当接させて、中間の湾曲部分をディスク半径方向内側
に向けながら、第2ブレーキ系統用のシリンダ孔9用の
中子の周面外側を迂回させて成形型内に配設され、成形
時に型内に金属溶湯を注入することにより、キャリパボ
ディ6の内部に鋳ぐるみされる。
ディ6は、第2ブレーキ系統用のシリンダ孔9のディス
ク半径方向内側の周面外側をパイプ材15が湾曲して配
設され、該パイプ材15の端部がディスク周方向外側の
シリンダ孔8,8の底部近傍に開口する。なお、パイプ
材は、第2ブレーキ系統用のシリンダ孔のディスク半径
方向外側の周面外側を迂回して配設することもできる。
ブレーキ1は、第1ブレーキ系統と第2ブレーキ系統の
いずれか一方または双方によって作動する。例えば、双
方のブレーキ系統を操作した場合には、別途の図示しな
いタンデム型の液圧マスタシリンダで昇圧された作動液
が各液圧室13,13,14に供給され、ピストン1
1,11,12がシリンダ孔8,8,9をディスクロー
タ方向へ移動して、作用部6a側の摩擦パッド7をディ
スクロータ2の一側面へ押圧する。次に、この反作用に
よって、キャリパボディ6が摺動ピン4,5に案内され
ながら作用部6a方向へ移動し、反作用部6bが、他方
の摩擦パッド7をディスクロータ2の他側面へ押圧し
て、制動作用が行われる。
ィ6にパイプ材15を鋳込んで、ディスク周方向外側に
位置する第1ブレーキ系統用のシリンダ孔8,8の液圧
室13,13をつなぐようにしたから、従来のように連
通孔を後加工する必要がなく、加工孔の端部を閉塞する
シール材やシール材の取り付け作業を要しないので、加
工数と部品点数とを減少して低コスト化を図ることがで
きる。また、連通孔を開設するための不要なボリューム
を持たないので、液圧損失をなくして立ち上がりのよい
制動力が得られるようになる。
内側に位置する第2ブレーキ系統用のシリンダ孔9の周
壁を利用して、該シリンダ孔9のディスク周方向内側の
周面外側を迂回して配設されることから、シリンダ孔9
の後側に肉厚部分を設ける必要がなくなる。この結果、
キャリパボディ6のディスク軸方向の長さを短くするこ
とができ、キャリパボディ6の小型化と軽量化が図れ
る。また、第1,第2ブレーキ系統用のシリンダ孔8,
8,9が同一深さとなるので、これら孔の加工が簡素化
できる。
で、本形態例のキャリパボディ20は、作用部20aの
ディスク半径方向外側に深底のシリンダ孔21,21を
配設し、該シリンダ孔21,21の間に浅底のシリンダ
孔22を配設して、該浅底シリンダ孔22の底壁20b
を厚肉に形成している。
コップ状ピストン23,23,24が内挿され、深底シ
リンダ孔21,21の底壁とピストン23,23との間
に液圧室25,25が、また浅底シリンダ孔22の底壁
とピストン24との間に液圧室26がそれぞれ画成され
ている。
浅底シリンダ孔22の底壁20bとは横並びに位置して
おり、液圧室25,25は、キャリパボディ20の鋳造
成形時に底壁20bに鋳込んだパイプ材27内の連通孔
28によって連通しており、キャリパボディ20の内部
を、深底のシリンダ孔21,21とピストン23,23
とパイプ材27とを用いた第1ブレーキ系統用と、浅底
のシリンダ孔22とピストン24とを用いた第2ブレー
キ系統用との2系統に分けている。
以上の場合には、複数のパイプ材を用いて液圧室を2個
ずつつなぐか、あるいは第1ブレーキ系統用の液圧室の
全てを1本のパイプ材でつなぐようにしてもよく、後者
の場合には、予めパイプ材をこれに即した形状に加工し
ておく。また本発明は、上述の形態例に示したピンスラ
イド型のキャリパボディ以外に、ピストン対向型のキャ
リパボディにも適用することができ、さらに、作用部の
シリンダ孔が3個以上の場合にも適用が可能である。
ブレーキのキャリパボディによれば、従来のように連通
孔を後加工する必要がなく、加工孔の端部を閉塞するシ
ール材やシール材の取り付け作業を要しないので、加工
数と部品点数とを減少して低コスト化を図ることができ
る。また、連通孔を開設するための不要なボリュームを
持たないので、液圧損失をなくして立ち上がりのよい制
動力が得られるようになる。
位置する第2ブレーキ系統用のシリンダ孔の周面外側を
迂回して配設した場合には、第2ブレーキ系統用のシリ
ンダ孔の底壁を厚肉にする必要がなくなるので、キャリ
パボディの小型化及び軽量化を図ることができる。
キ系統用のシリンダ孔をそれぞれ同一深さに形成するこ
とことにより、これら孔の加工が簡素化できる。
の断面平面図
の断面平面図
リパボディ、6a…作用部、6b…反作用部、6c…ブ
リッジ部、7…摩擦パッド、8,9,21,22…シリ
ンダ孔、11,12,23,24…ピストン、13,1
4,25,26…液圧室、15,27…パイプ材、1
6,28…連通孔
Claims (3)
- 【請求項1】 ディスクロータの側部に配設される作用
部に、ディスクロータ側へ開口する3個以上のシリンダ
孔をディスク周方向へ並設し、該シリンダ孔の底部にそ
れぞれ液圧室を画成し、これら液圧室の少なくともディ
スク周方向外側に位置する2つを第1ブレーキ系統用と
なし、該第1ブレーキ系統用の液圧室以外の液圧室を第
2ブレーキ系統用となした車両用ディスクブレーキのキ
ャリパボディにおいて、該キャリパボディ内部にパイプ
材を鋳込み成形し、該パイプ材にて前記第1ブレーキ系
統用の液圧室を連通せしめたことを特徴とする車両用デ
ィスクブレーキのキャリパボディ。 - 【請求項2】 前記パイプ材を、前記第2ブレーキ系統
用のシリンダ孔の周面外側を迂回して配設したことを特
徴とする請求項1記載の車両用ディスクブレーキのキャ
リパボディ。 - 【請求項3】 前記第1ブレーキ系統用と第2ブレーキ
系統用のシリンダ孔をそれぞれ同一深さに形成したこと
を特徴とする請求項1又は2記載の車両用ディスクブレ
ーキのキャリパボディ。
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