JP2003166151A - 編み物の製造方法及び天竺編み用糸 - Google Patents

編み物の製造方法及び天竺編み用糸

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JP2003166151A
JP2003166151A JP2001364908A JP2001364908A JP2003166151A JP 2003166151 A JP2003166151 A JP 2003166151A JP 2001364908 A JP2001364908 A JP 2001364908A JP 2001364908 A JP2001364908 A JP 2001364908A JP 2003166151 A JP2003166151 A JP 2003166151A
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water
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twisted yarn
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Hidemasa Kondo
英雅 近藤
Yoshimichi Kaneko
嘉通 金子
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Kondo & Co Ltd
KONDO SHOTEN KK
Original Assignee
Kondo & Co Ltd
KONDO SHOTEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紡毛単糸等を用いても天竺編みによる無斜向
の編み物の製造ができ、これにより編み物業界でのより
一層広い商品展開を可能とした極めて実用性,用途性に
秀れた画期的な編み物の製造方法及び天竺編み用糸を提
供すること。 【解決手段】 所定の撚りを有する編み物用の撚糸1の
外周面に、この撚糸1の撚りの向きとは逆向きに且つ前
記撚糸1の撚り回数未満の回数で水溶性ビニロン糸2を
逆撚り状態に巻回することで、前記撚糸1の外周面に水
溶性ビニロン糸2が設けられ前記撚糸1の撚りが前記水
溶性ビニロン糸2の巻回により戻された状態の複合撚糸
3を形成し、この複合撚糸3を用いて天竺編みにより編
み物4を形成し、続いて、この編み物4に水分を加える
ことで前記複合撚糸3の水溶性ビニロン糸2を溶かし撚
糸1の外周面から除去する編み物の製造技術。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、編み物の製造方法
及び天竺編み用糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
広く一般的に用いられている編み物の一つに、図1に示
す天竺編み(平編み)がある。
【0003】ところで、この天竺編みでは、紡毛単糸21
(紡績工程によって一定方向に所定回数の撚りがかけら
れた糸)は使用できないといわれている。なぜなら、紡
毛単糸21を用いて天竺編みを実施すると、図2(a)に
示すように、編み物22の表面に斜向(編み目のズレ)が
形成されて体裁が悪くなるからである。尚、図2におけ
る符号23は、斜向の向きを示す線である。
【0004】詳述すると、紡毛単糸21は一定方向に強い
撚りがかけられており、この強い撚りがかけられた紡毛
単糸21で天竺編みを実施すると、前記撚りのため、編み
物22の編み目の配列がズレ、このズレにより斜向が生じ
る。
【0005】また、この斜向が生じた編み物22に染色や
ソーピング処理を施すと、水分によって紡毛単糸21を構
成する繊維が伸張し、これにより前記紡毛単糸21の撚り
回数が増えて編み目の配列が更にズレ、このズレにより
図2(b)に示すように、前記斜向が更に大きくなる。
【0006】一方、この斜向を防止する為に紡毛単糸の
撚りを斜向が生じない撚り回数まで減らすと(戻し撚り
すると)、糸の保形性が失われ、編み物を編む際に、紡
毛単糸を構成する繊維がバラバラにばらけて糸として使
用できなくなったり、糸の撚り回数が少なくて編み針が
糸に引っ掛かることができなくなり、これにより天竺編
みができなくなる等の問題が生じる。
【0007】そこで、従来の天竺編みでは、単糸同志を
撚り合わせることで夫々の撚りを打ち消した糸(例えば
二本の右撚りした単糸を左撚りして合わせた双糸)を用
いて斜向を防止することが行われていたが、この場合、
糸が太番手(太い糸)となってしまい、必然的に天竺編
みによる編み物が厚くなり、商品展開範囲が限られてし
まうという問題があった。
【0008】本発明は、これまで実現化されなかった紡
毛単糸を用いての天竺編みによる無斜向の編み物の製造
に成功したもので、これにより編み物業界でのより一層
広い商品展開を可能とした極めて実用性,用途性に秀れ
た画期的な編み物の製造方法及び天竺編み用糸を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
【0010】所定の撚りを有する編み物用の撚糸1の外
周面に、この撚糸1の撚りの向きとは逆向きに且つ前記
撚糸1の撚り回数未満の回数で水溶性ビニロン糸2を逆
撚り状態に巻回することで、前記撚糸1の外周面に水溶
性ビニロン糸2が設けられ前記撚糸1の撚りが前記水溶
性ビニロン糸2の巻回により戻された状態の複合撚糸3
を形成し、この複合撚糸3を用いて天竺編みにより編み
物4を形成し、続いて、この編み物4に水分を加えるこ
とで前記複合撚糸3の水溶性ビニロン糸2を溶かし撚糸
1の外周面から除去することを特徴とする編み物の製造
方法に係るものである。
【0011】また、天竺編みする前の前記複合撚糸3
は、外周面に逆撚り状態に巻回された前記水溶性ビニロ
ン糸2による撚りを有し、この撚りにより、複合撚糸3
を天竺編みした前記編み物4には斜向が形成され、この
斜向が形成された編み物4に前記水分を加えることで前
記水溶性ビニロン糸2が除去され前記水溶性ビニロン糸
2の巻回により撚りが戻された状態の前記撚糸1で構成
された編み物4となり、この編み物4は撚糸1の撚り回
数と前記水溶性ビニロン糸2の逆撚り回数との差の分前
記斜向が消去されていることを特徴とする請求項1記載
の編み物の製造方法に係るものである。
【0012】また、前記撚糸1が紡毛単糸であることを
特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の編み物
の製造方法に係るものである。
【0013】また、前記複合撚糸3とする前の前記撚糸
1の撚り回数と前記水溶性ビニロン糸2の逆撚り回数と
の回数差を1.0×102(回/100cm)に設定
し、且つ、この水溶性ビニロン糸2の逆撚り回数を前記
回数差より大に設定したことを特徴とする請求項1〜3
のいずれか1項に記載の編み物の製造方法に係るもので
ある。
【0014】また、所定の撚りを有する編み物用の撚糸
1の外周面に、この撚糸1の撚りの向きとは逆向きに且
つ前記撚糸1の撚り回数を超える回数で水溶性ビニロン
糸2を撚り状態に巻回することで、前記撚糸1の外周面
に水溶性ビニロン糸2が設けられ前記撚糸1の撚りが前
記水溶性ビニロン糸2の巻回により戻され且つ逆撚りさ
れた状態の複合撚糸3を形成し、この複合撚糸3を用い
て天竺編みにより編み物4を形成し、続いて、この編み
物4に水分を加えることで前記複合撚糸3の水溶性ビニ
ロン糸2を溶かし前記撚糸1の外周面から除去すること
を特徴とする編み物の製造方法に係るものである。
【0015】また、所定の撚りを有する編み物用の撚糸
1に、この撚糸1の撚りの向きとは逆向きに且つ前記撚
糸1の撚り回数未満の回数で水溶性ビニロン糸2を逆撚
り状態に合撚することで、前記撚糸1と前記水溶性ビニ
ロン糸2とから成り前記撚糸1の撚りが前記水溶性ビニ
ロン糸2の合撚により戻された状態の複合撚糸3を形成
し、この複合撚糸3を用いて天竺編みにより編み物4を
形成し、続いて、この編み物4に水分を加えることで前
記複合撚糸3の水溶性ビニロン糸2を溶かし除去するこ
とを特徴とする編み物の製造方法に係るものである。
【0016】また、天竺編みする前の前記複合撚糸3
は、撚糸1に合撚された前記水溶性ビニロン糸2による
撚りを有し、この撚りにより、複合撚糸3を天竺編みし
た前記編み物4には斜向が形成され、この斜向が形成さ
れた編み物4に前記水分を加えることで前記水溶性ビニ
ロン糸2が除去され前記水溶性ビニロン糸2の合撚によ
り撚りが戻された状態の前記撚糸1で構成された編み物
4となり、この編み物4は撚糸1の撚り回数と前記水溶
性ビニロン糸2の逆撚り回数との差の分前記斜向が消去
されていることを特徴とする請求項6記載の編み物の製
造方法に係るものである。
【0017】また、天竺編みに使用する糸であって、所
定の撚りを有する撚糸1の外周面に、この撚糸1の撚り
の向きとは逆向きで且つ前記撚糸1が有する撚り回数未
満若しくは撚り回数より多い回数で水溶性ビニロン糸2
を逆撚り状態に巻回したことを特徴とする天竺編み用糸
に係るものである。
【0018】また、天竺編みに使用する糸であって、所
定の撚りを有する撚糸1と水溶性ビニロン糸2とを前記
撚糸1の撚りの向きとは逆向きで且つ前記撚糸1が有す
る撚り回数未満若しくは撚り回数より多い回数で逆撚り
状態に合撚したことを特徴とする天竺編み用糸に係るも
のである。
【0019】
【発明の実施の形態】好適と考える本発明の実施の形態
(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてそ
の作用効果を示して説明する。
【0020】尚、本説明では、理解を容易ならしめるた
めの具体的数値を入れ、更に撚糸1の太さと水溶性ビニ
ロン糸2の太さを同一と仮定して説明する。
【0021】撚り回数300回、即ち、300回/10
0cm(1メートル)の撚りを有する撚糸1の外周面
に、この撚糸1が有する撚りの向きとは逆向きに、水溶
性ビニロン糸2を200回/100cm(1メートル)
逆撚り状態に巻回して複合撚糸3を形成する。
【0022】この複合撚糸3の外周部は、撚糸1の外周
面に巻回された水溶性ビニロン糸2により、200回/
100cm逆撚りされた状態となっている。
【0023】また、この複合撚糸3の芯部に存在する撚
糸1は、前記300回/100cmの撚りが、水溶性ビ
ニロン糸2の巻回により200回/100cm分、戻し
撚り(逆撚り)された状態となり、これにより実質の撚
り回数は100回/100cm程度となる。また、撚糸
1は、実質の撚り回数が100回/100cmと少なく
とも、この撚糸1の外周面に巻回された水溶性ビニロン
糸2によって保形されており、よってこの撚糸1を構成
する繊維がばらばらにばらけてしまうことはない。
【0024】この複合撚糸3で天竺編みにより編み物4
を形成すると、この編み物4は前記複合撚糸3が有する
逆撚りによって編み目の配列がずれ、一旦斜向が形成さ
れることとなる。
【0025】この斜向の形成は、複合撚糸3の外周部が
水溶性ビニロン糸2により200回/100cm逆撚り
された状態となっており、複合撚糸3に強い撚りが存在
することによる。
【0026】また、この複合撚糸3で天竺編みする際、
編み針が水溶性ビニロン糸2の巻回によって形成された
凹凸に引っ掛かることができ、よって前記天竺編みによ
る編み物4の形成は良好に行えることとなる。
【0027】続いて、この一旦斜向が形成された編み物
4に染色処理やソーピング処理等により水分を加える
と、複合撚糸3の水溶性ビニロン糸2が溶け、この編み
物4から水溶性ビニロン糸2が除去されることとなる。
【0028】この際、水溶性ビニロン糸2が編み物4か
ら除去されることで、編み物4は実質、前記水溶性ビニ
ロン糸2によって逆撚りされた状態の撚り回数の少ない
(弱い)撚糸1(撚り回数100回/100cm)のみ
で形成されたものと同じとなる。
【0029】また、この撚り回数が100回/100c
mの撚糸1は、その撚りが弱いため編み目の配列にズレ
を生ぜず、ソーピング処理する前に水溶性ビニロン糸2
の巻回により生じていた前記斜向は解消することとな
る。
【0030】即ち、本発明は、複合撚糸3を用いた天竺
編みにより編み物4を形成した後に、この複合撚糸3か
ら水溶性ビニロン糸2だけを除去することで、本来なら
ば撚りが弱すぎるために編み物を極めて形成しにくい撚
りの少ない(弱い)撚糸1により編み物4を形成できる
こととなる。
【0031】また、編み物4を構成する複合撚糸3から
水溶性ビニロン糸2を除去することで、水分を加える前
に比べて薄くて軽い編み物4に形成されることとなる。
【0032】従って、例えばこれまで斜向の発生が避け
得なかった例えば紡毛単糸等の撚糸1を用いて天竺編み
しても斜向を生じない編み物4を製造することができ、
また、これにより従来にない軽くて薄い編み物4を形成
可能となって幅広い商品展開が可能となる。
【0033】尚、所定の撚りを有する撚糸1と水溶性ビ
ニロン糸2とを、撚糸1が有する撚りの向きとは逆向き
に合撚しても、上記作用と同様の理由により、斜向を生
じない編み物4を製造することができる。
【0034】
【実施例】本発明の具体的な実施例について図面に基づ
いて説明する。
【0035】第一実施例 撚糸1は紡毛単糸1を採用している。
【0036】紡毛単糸1とは紡毛繊維に撚りを加えて形
成される単糸状の糸である。
【0037】具体的には、羊毛等の毛を原料とし、比較
的短い繊維同志を撚り合わせしてつくられる糸で、繊維
の毛並みを揃えたり延伸したりしないため、繊維の配列
が不規則であり、よって柔軟で膨らみがあり、粗野な感
じで軽く、ウオーム感が特徴の糸であり、ニット等を製
造する際に用いられている。
【0038】また、紡毛単糸1は、洗毛等した例えば羊
毛等の繊維同志を撚り合わせる工程である精紡工程を経
て形成される糸である。
【0039】また、第一実施例の紡毛単糸1は300回
/100cm(1インチ)の撚り回数のものを採用して
いる。
【0040】第一実施例では、先ず、この紡毛単糸1の
外周面に水溶性ビニロン糸2を巻回して複合撚糸3を形
成する。
【0041】水溶性ビニロン糸2は、水に溶ける性質を
有したビニロンで形成されている。
【0042】この複合撚糸3は、図3に示すように、3
00回/100cmの撚りを有する編み物用の紡毛単糸
1の外周面に、この紡毛単糸1の撚りの向きとは逆向き
に200回/100cmの撚り回数で水溶性ビニロン糸
2を逆撚り状態に巻回することで、前記紡毛単糸1の外
周面に水溶性ビニロン糸2が設けられ前記紡毛単糸1の
撚りが前記水溶性ビニロン糸2の巻回により戻された構
成となっている。
【0043】この際、複合撚糸3の芯部の紡毛単糸1
は、水溶性ビニロン糸2により200回/100cm戻
し撚りされて、その撚り回数は100回/100cmと
なる。
【0044】第一実施例では、次に、この複合撚糸3を
用いた天竺編みにより編み物4を形成する。
【0045】この際、複合撚糸3は、紡毛単糸1の外周
面に水溶性ビニロン糸2が逆撚り状態に確固に巻回して
いることで、編み針が水溶性ビニロン糸2の巻回によっ
て形成された凹凸に引っ掛かることができ、これにより
天竺編みによる編み物4を良好に形成できる。
【0046】尚、この天竺編みとは、例えばニットを編
む際などに用いられる編み方で、例えば毛糸をループ状
に縦横方向に連続して形成(ループ同志を繋ぎあわせ)
する編み方である(図1参照)。また、平編みとも言
う。
【0047】このように複合撚糸3で天竺編みをする
と、この複合撚糸3の外周部の水溶性ビニロン糸2の巻
回による200回/100cmの強い撚りにより、図4
(a)に示すように、編み目にズレが生じて編み物4に
斜向が生じる。尚、図中符号5が斜向の方向を示す線5
である。
【0048】第一実施例では、次に、この斜向が形成さ
れた編み物4に水分を加えることで前記水溶性ビニロン
糸2を溶かして除去する。
【0049】具体的には、第一実施例では、ソーピング
処理により編み物4に水分を加えて編み物4から水溶性
ビニロン糸2を除去している。尚、ソーピング処理は編
み物を編み上げた後に、この編み物に形成されるしわを
除去するために従来から行われている加水処理工程で、
例えば編み物4を水洗い若しくは湯洗いい、その後、水
や湯と編み物4とを分離する方法が採用されている。
【0050】前記ソーピング処理により水溶性ビニロン
糸2を除去すると、ソーピング処理前に編み物4に生じ
ていた斜向が直る。
【0051】これは、複合撚糸3の水溶性ビニロン糸2
の除去により、紡毛単糸1のみで編み物4が形成される
ことによる。
【0052】即ち、撚り回数が100回/100cmの
紡毛単糸1は撚りが弱いために編み目の配列にズレが生
じず、ソーピング処理前に水溶性ビニロン糸2の巻回に
より生じていた斜向はソーピング処理によって前記水溶
性ビニロン糸2が除去されて図4(b)に示すように消
去される。
【0053】この後は、通常の染色処理工程等の後処理
を行い、斜向が生じない編み物4を完成させる。
【0054】第一実施例は上述のようにするから、紡毛
単糸1で斜向のない天竺編みの編み物4が形成できる。
【0055】また、単に紡毛単糸1の外周面に水溶性ビ
ニロン糸2を巻回する構成の複合撚糸3を用いて編み物
4を形成し、単に業界で通常普通に行われるソーピング
処理や染色処理で水溶性ビニロン糸2を容易に溶かすこ
とができることで、紡毛単糸1を用いた天竺編みでも斜
向を生じない編み物4を簡易に形成することができる。
【0056】また、第一実施例は、特別な装置,器具,
機械等を必要とせず、これまでの装置類を用いて簡易に
天竺編み用糸(無斜向糸)を形成できる上、業界で通常
行われるソーピング処理や染色処理を利用して水溶性ビ
ニロン糸2を溶かして除去するため、極めて実用的であ
り、量産性に秀れ安価に無斜向の編み物を実現できる画
期的な編み物の製造方法及び天竺編み用糸となる。
【0057】また、第一実施例によれば細い紡毛単糸1
を用いて編み物を形成できるため、従来は天竺編みでは
出来なかった軽くて薄い編み物を形成できる。
【0058】尚、第一実施例では、紡毛単糸1の外周面
に巻回する水溶性ビニロン糸2の巻回数を、紡毛単糸1
の撚り回数未満に設定したが、紡毛単糸1の撚り回数以
上でも良い。また、この際は、紡毛単糸1の撚り回数と
水溶性ビニロン糸2の逆撚り回数との回数差が1.0×
102回程度となるように設定し、且つ、この水溶性ビ
ニロン糸2の逆撚り回数はこの逆撚りによって逆撚りさ
れた紡毛単糸1の撚り回数が1.0×102回程度とな
るように設定すると良い。
【0059】第二実施例 第二実施例では先ず、図5に示すように、300回/1
00cmの撚りを有する紡毛単糸1(撚糸1)と水溶性
ビニロン糸2とを、紡毛単糸1が有する撚りの向きとは
逆向きに、200回/100cmの合撚回数で互いに撚
り合わせて複合撚糸3を形成する。
【0060】この紡毛単糸1と水溶性ビニロン糸2との
合撚により、複合撚糸3を構成する紡毛単糸1は、元々
有していた撚りが戻された構成となっている。
【0061】具体的には、複合撚糸3を構成する紡毛単
糸1は、合撚により200回/100cm戻し撚りされ
て、その撚り回数は100回/100cmとなる。
【0062】また、複合撚糸3は、前記合撚により20
0回/100cmの撚られた状態となる。
【0063】続いて、第一実施例と同様に、この複合撚
糸3を用いた天竺編みにより編み物4を形成すると、こ
の編み物4は複合撚糸3の撚りによって、一時的に斜向
が生じるが、前記ソーピング処理により、水溶性ビニロ
ン糸2を溶かして除去することで、編み物4に生じた斜
向を直すことができる。
【0064】また、その余は第一実施例と同様である。
【0065】また、各実施例では撚糸1として紡毛糸を
採用したが、綿紡でも良いし、梳毛糸でも良く、紡績糸
であれば適宜採用しても良い。
【0066】
【発明の効果】本発明は上述のようにするから、単に撚
糸に水溶性ビニロン糸を巻回した複合撚糸を用いて天竺
編みの編み物を形成し、この天竺編みの編み物に水分を
加えてこの編み物から水溶性ビニロン糸を除去するだけ
で斜向が生じない天竺編みの編み物を製造できる極めて
用途性に秀れ、実用性に秀れた画期的な編み物の製造方
法となる。
【0067】また、編み物を形成する複合撚糸から水溶
性ビニロン糸を除去することは、この水溶性ビニロン糸
を水に溶かすだけで簡単にできるから、編み物業界で通
常普通に行われている例えばソーピング処理や染色処理
を利用することで、特別な工程を増やすことなく安価に
無斜向の編み物を実現できる極めて用途性に秀れ、実用
性に秀れた画期的な編み物の製造方法となる。
【0068】また、請求項3記載の発明については、紡
毛単糸を用いても無斜向の編み物を実現することができ
るため、これにより従来にない軽くて薄い編み物を製造
することができる極めて用途性に秀れ、実用性に秀れた
画期的な編み物の製造方法となる。
【0069】また、請求項4記載の発明については、複
合撚糸を構成する撚糸及び水溶性ビニロン糸を最適な撚
り回数に設定しているから、上記作用効果を確実且つ良
好に発揮できる極めて用途性に秀れ、実用性に秀れた画
期的な編み物の製造方法となる。
【0070】また、請求項5記載の発明については、撚
糸の外周面に巻回する水溶性ビニロン糸の逆撚り回数
を、撚糸の撚り回数よりも多く設定したが、撚糸の芯部
で水溶性ビニロン糸の除去の後に残る撚糸は、請求項1
記載のものと同様の撚り回数であり、よって上記作用効
果を良好に実現して編み物を形成できる極めて実用性に
秀れた画期的な編み物の製造方法となる。
【0071】また、請求項6記載の発明については、単
に撚糸に水溶性ビニロン糸を合撚した複合撚糸を用いて
天竺編みの編み物を形成し、この天竺編みの編み物に水
分を加えてこの編み物から水溶性ビニロン糸を溶かして
除去するだけで斜向が生じない天竺編みの編み物を製造
できる極めて用途性に秀れ、実用性に秀れた画期的な編
み物の製造方法となる。
【0072】また、請求項8,9記載の発明について
は、従来できないといわれていた撚糸を用いた天竺編み
による無斜向の編み物を製造できる極めて実用性に秀れ
た天竺編み用糸となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】天竺編みを示す説明図である。
【図2】紡毛単糸により形成した編み物の状態を示す説
明図である。尚、(a)はソーピング処理等の水分処理
を施す前、(b)ソーピング処理等の水分処理を施した
後である。
【図3】第一実施例の撚糸1の外周面に水溶性ビニロン
糸2を巻回した複合撚糸3を示した説明図である。
【図4】各実施例の複合撚糸3により形成した編み物4
の状態を示す説明図である。尚、(a)は、ソーピング
処理等の水分処理を施す前、(b)はソーピング処理等
の水分処理を施した後である。
【図5】第二実施例の撚糸1と水溶性ビニロン糸2とを
合撚した複合撚糸を示した説明図である。
【符号の説明】
1 撚糸 2 水溶性ビニロン糸 3 複合撚糸 4 編み物
フロントページの続き Fターム(参考) 4L002 AA03 AA05 AB01 AB04 AC04 BA01 DA03 DA04 EA00 4L031 AA16 AB25 AB33 BA08 CA16 DA00 4L036 MA04 MA10 MA33 MA35 MA37 MA39 PA21 PA33 PA46 RA25 RA30 UA25

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の撚りを有する編み物用の撚糸の外
    周面に、この撚糸の撚りの向きとは逆向きに且つ前記撚
    糸の撚り回数未満の回数で水溶性ビニロン糸を逆撚り状
    態に巻回することで、前記撚糸の外周面に水溶性ビニロ
    ン糸が設けられ前記撚糸の撚りが前記水溶性ビニロン糸
    の巻回により戻された状態の複合撚糸を形成し、この複
    合撚糸を用いて天竺編みにより編み物を形成し、続い
    て、この編み物に水分を加えることで前記複合撚糸の水
    溶性ビニロン糸を溶かし撚糸の外周面から除去すること
    を特徴とする編み物の製造方法。
  2. 【請求項2】 天竺編みする前の前記複合撚糸は、外周
    面に逆撚り状態に巻回された前記水溶性ビニロン糸によ
    る撚りを有し、この撚りにより、複合撚糸を天竺編みし
    た前記編み物には斜向が形成され、この斜向が形成され
    た編み物に前記水分を加えることで前記水溶性ビニロン
    糸が除去され前記水溶性ビニロン糸の巻回により撚りが
    戻された状態の前記撚糸で構成された編み物となり、こ
    の編み物は撚糸の撚り回数と前記水溶性ビニロン糸の逆
    撚り回数との差の分前記斜向が消去されていることを特
    徴とする請求項1記載の編み物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記撚糸が紡毛単糸であることを特徴と
    する請求項1,2のいずれか1項に記載の編み物の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記複合撚糸とする前の前記撚糸の撚り
    回数と前記水溶性ビニロン糸の逆撚り回数との回数差を
    1.0×102(回/100cm)に設定し、且つ、こ
    の水溶性ビニロン糸の逆撚り回数を前記回数差より大に
    設定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の編み物の製造方法。
  5. 【請求項5】 所定の撚りを有する編み物用の撚糸の外
    周面に、この撚糸の撚りの向きとは逆向きに且つ前記撚
    糸の撚り回数を超える回数で水溶性ビニロン糸を撚り状
    態に巻回することで、前記撚糸の外周面に水溶性ビニロ
    ン糸が設けられ前記撚糸の撚りが前記水溶性ビニロン糸
    の巻回により戻され且つ逆撚りされた状態の複合撚糸を
    形成し、この複合撚糸を用いて天竺編みにより編み物を
    形成し、続いて、この編み物に水分を加えることで前記
    複合撚糸の水溶性ビニロン糸を溶かし前記撚糸の外周面
    から除去することを特徴とする編み物の製造方法。
  6. 【請求項6】 所定の撚りを有する編み物用の撚糸に、
    この撚糸の撚りの向きとは逆向きに且つ前記撚糸の撚り
    回数未満の回数で水溶性ビニロン糸を逆撚り状態に合撚
    することで、前記撚糸と前記水溶性ビニロン糸とから成
    り前記撚糸の撚りが前記水溶性ビニロン糸の合撚により
    戻された状態の複合撚糸を形成し、この複合撚糸を用い
    て天竺編みにより編み物を形成し、続いて、この編み物
    に水分を加えることで前記複合撚糸の水溶性ビニロン糸
    を溶かし除去することを特徴とする編み物の製造方法。
  7. 【請求項7】 天竺編みする前の前記複合撚糸は、撚糸
    に合撚された前記水溶性ビニロン糸による撚りを有し、
    この撚りにより、複合撚糸を天竺編みした前記編み物に
    は斜向が形成され、この斜向が形成された編み物に前記
    水分を加えることで前記水溶性ビニロン糸が除去され前
    記水溶性ビニロン糸の合撚により撚りが戻された状態の
    前記撚糸で構成された編み物となり、この編み物は撚糸
    の撚り回数と前記水溶性ビニロン糸の逆撚り回数との差
    の分前記斜向が消去されていることを特徴とする請求項
    6記載の編み物の製造方法。
  8. 【請求項8】 天竺編みに使用する糸であって、所定の
    撚りを有する撚糸の外周面に、この撚糸の撚りの向きと
    は逆向きで且つ前記撚糸が有する撚り回数未満若しくは
    撚り回数より多い回数で水溶性ビニロン糸を逆撚り状態
    に巻回したことを特徴とする天竺編み用糸。
  9. 【請求項9】 天竺編みに使用する糸であって、所定の
    撚りを有する撚糸と水溶性ビニロン糸とを前記撚糸の撚
    りの向きとは逆向きで且つ前記撚糸が有する撚り回数未
    満若しくは撚り回数より多い回数で逆撚り状態に合撚し
    たことを特徴とする天竺編み用糸。
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