JP2003165839A - ポリイミドブロック共重合体 - Google Patents

ポリイミドブロック共重合体

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JP2003165839A
JP2003165839A JP2001367762A JP2001367762A JP2003165839A JP 2003165839 A JP2003165839 A JP 2003165839A JP 2001367762 A JP2001367762 A JP 2001367762A JP 2001367762 A JP2001367762 A JP 2001367762A JP 2003165839 A JP2003165839 A JP 2003165839A
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polyimide
block copolymer
residue
molecular weight
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JP2001367762A
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Takeshi Futai
健 二井
Makoto Tokumizu
眞 徳水
Masaharu Fujimoto
雅治 藤本
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性及び柔軟性を有し、外観に優れた成形
品に向けた素材を提供する。 【解決手段】 ポリイミド結合を構造中に有するポリイ
ミドブロック共重合体であって、ポリイミドセグメント
(A)の分子量分布が1.0〜1.2であるポリイミド
ブロック共重合体。好ましい態様は、ポリイミドセグメ
ント(A)が芳香族テトラカルボン酸成分(B)と直鎖
脂肪族ジアミンセグメント(C)もしくは、さらに両末
端にアミノ基を有するポリシロキサンセグメント(D)
から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性及び柔軟性
を有し、且つ、成形外観に優れた新規なポリイミドブロ
ック共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題への意識の高まりから、
様々な産業分野においてリサイクル可能な素材への代替
の動きが加速されている。特に、他の材料に比べてリサ
イクルが容易なエラストマー材料は、成形が容易である
ことからも種々の素材が開発されてきており、広い分野
で実用に供されている。そして、従来からテトラカルボ
ン酸二無水物とジアミン化合物との反応によって得られ
るポリイミドは、他の樹脂材料に比べて、耐熱性に加え
て、力学的強度、耐薬品性、難燃性、電気絶縁性等の特
性を合わせ持つために、電気電子機器、宇宙航空機器、
輸送機器等広い分野で使用され、今後もさらに耐熱性が
要求される分野への展開が期待されており、それに向け
た新しいポリイミド素材の開発が進められている。
【0003】例えば、特開平4−80229号公報は、
ポリイミドセグメントとポリエステルセグメントとのブ
ロック共重合体を提案している。しかし、この共重合体
は、耐熱性、柔軟性、弾性回復あるいは成形品の外観等
の点で不充分な素材であった。また、特開2000−1
7073号公報には、ポリイミドセグメントとポリシロ
キサンセグメントを有するポリアミドイミド樹脂及びそ
れを含有する樹脂組成物が開示されている。しかし、こ
の樹脂は、硬質で柔軟性に欠けており、しかも可溶性で
あるため利用分野が限られる。他方、Macromolecules,V
ol.2,No.6(1969)には、ハードセグメントの分子量分布
を単分散にすることにより弾性率、引っ張り強度の向上
を図ったウレタンエラストマーが報告されている。しか
し、この熱可塑性エラストマーは、ウレタン結合を持つ
ために耐熱性が十分でないという欠点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性及び柔軟性を有し、且つ、外観に優れた成形品に向け
た新しい素材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の如
き状況においてさらに優れた特性をもつ素材の開発を進
めた結果、特定の分子量分布で構成されたポリイミドセ
グメントを有するポリイミドブロック共重合体が高い耐
熱性を有し、且つ、その成形品は透明性で外観に優れて
いることを見出した。
【0006】すなわち、本発明は、 ポリイミド結合を構造中に有するポリイミドブロック
共重合体であって、ポリイミドセグメント(A)の分子
量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.2であるポリイミ
ドブロック共重合体を提供するものであり、また、 ポリイミドセグメント(A)が、芳香族テトラカルボ
ン酸セグメント(B)と直鎖脂肪族ジアミンセグメント
(C)からなる上記記載のポリイミドブロック共重合
体を提供するものであり、さらに ポリイミドブロック共重合体が、芳香族テトラカルボ
ン酸セグメント(B)と直鎖脂肪族ジアミンセグメント
(C)及び両末端にアミノ基を有するポリシロキサンセ
グメント(D)からなり、且つ、芳香族テトラカルボン
酸セグメント(B)と直鎖脂肪族ジアミンセグメント
(C)との和が5〜60質量%であり、ポリシロキサン
セグメント(D)が95〜40質量%の量割合からなる
上記記載のポリイミドブロック共重合体を提供するも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリイミドブロック共重合体を構成しているポ
リイミドセグメント(A)は、下記一般式(1)で示さ
れる数平均分子量Mnが300〜10000、好ましく
は350〜5000のポリイミドオリゴマー残基であ
る。
【化1】 (式中、Aはテトラカルボン酸二酸無水物残基、Bはジ
アミン残基、nは整数を示す。)
【0008】そしてポリイミドセグメント(A)の分子
量分布(Mw/Mn)(以下、分子量分布と略する。)
は1.0〜1.2であることを特徴とする。分子量分布
が1.0〜1.2の範囲をとることによりハードセグメ
ントの凝集性がよくなり耐熱性を高める。より好ましい
分子量分布は1.0〜1.15の範囲である。また、ポ
リイミドセグメント(A)の数平均分子量が300より
も小さいとポリイミドセグメントのブロック性が低下
し、共重合体あるいは共重合体を含むエラストマー組成
物の耐熱性及び機械強度が低下する傾向がでてくる。ま
た、10000を超えると溶融粘度が上昇し、結果成形
温度を高くしなければならず、実用的でなくなる。
【0009】本発明のポリイミドブロック共重合体中の
ポリイミドセグメント(A)を構成する各セグメントと
しては以下のものが例示される。芳香族テトラカルボン
酸セグメント(B)の具体例としては、ピロメリット酸
二無水物残基、ベンゼン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二
無水物残基、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物残基、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物残基、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物残基、2,3,3’,4’-ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物残基、2,2’,3,3’-ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物残基、3,3’,4,4’-ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物残基、ビス(3,4-ジカ
ルボキシフェニル)エーテル二無水物残基、ビス(3,4-ジ
カルボキシフェニル)メタン二無水物残基、1,1-ビス(2,
3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物残基、1,1-ビ
ス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物残基、2,
2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物残
基、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン二無
水物残基、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二
無水物残基、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無
水物残基等であり、
【0010】さらに、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物残基、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物残基、1,2,4,5-ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物残基、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物残基、2,6-ジクロルナフタレン-1,4,5,8-テトラ
カルボン酸二無水物残基、2,7-ジクロルナフタレン-1,
4,5,8-テトラカルボン酸二無水物残基、2,3,6,7-テトラ
クロルナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物
残基、フェナンスレン-1,8,9,10-テトラカルボン酸二無
水物残基、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,
3,3-テトラメチルジシクロヘキサン二無水物残基、2,2-
ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン二無水物残基、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノ
キシ)フェニル]プロパン二無水物残基、p-フェニレン
ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)残基、1,
2-(エチレン)ビス(トリメリテート無水物)残基、1,
3-(トリメチレン)ビス(トリメリテート無水物)残
基、1,4-(テトラメチレン)ビス(トリメリテート無水
物)残基、1,6-(ヘキサメチレン)ビス(トリメリテー
ト無水物)残基、1,8-(オクタメチレン)ビス(トリメ
リテート無水物)残基、1,9-(ノナメチレン)ビス(ト
リメリテート無水物)残基、1,10-(デカメチレン)ビ
ス(トリメリテート無水物)残基、1,12-(ドデカメチ
レン)ビス(トリメリテート無水物)残基、及びこれら
の混合物が挙げられる。また、直鎖脂肪族ジアミンセグ
メント(C)の具体例としては、1,6-ジアミノへキサン
残基、1,7-ジアミノヘプタン残基、1,8-ジアミノオクタ
ン残基、1,9-ジアミノノナン残基、1,10-ジアミノデカ
ン残基、1,11-ジアミノウンデカン残基、1,12-ジアミノ
ドデカン残基、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0011】本発明のポリイミドブロック共重合体が有
するポリイミドセグメント(A)を構成するセグメント
(B)とセグメント(C)の反応は、公知反応によるも
のであり、通常有機溶媒中で行なわれる。用いられる有
機溶媒としては、N-メチルピロリドン、ジメチルアセ
トアミド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホ
ルアミド、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-
ピリミジノン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ス
ルホラン、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクト
ン、γ-バレロラクトン、γ-カプロラクトン、α-アセ
チル-γ-ブチロラクトン、ε-カプロラクトン、ジオキ
サン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエー
テル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン、グリセリン、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、フェノール、クレゾ
ール、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブアセ
テート、ブチルセロソルブアセテート、トルエン、キシ
レン、ジエチルベンゼン、シクロヘキサン、トリクロロ
エタン、テトラクロロエタン、モノクロルベンゼン等が
単独あるいは混合して用いられる。これらの溶剤のなか
で、モノマーの溶解性、あるいは環境安全性を考慮する
とN-メチルピロリドンが好ましい。
【0012】そして、上記反応は、芳香族テトラカルボ
ン酸無水物と直鎖脂肪族ジアミン化合物とを、N-メチ
ルピロリドン中で所望の数平均分子量となるように各モ
ノマーの反応割合を選択して行なう。この際、ブロック
共重合体の融点は、反応条件及びポリイミドセグメント
(A)との割合により若干変わってくるが、通常は共重
合するポリイミドセグメント(A)の融点より低めに出
るので、ポリイミドセグメント(A)の融点はやや高め
の190〜350℃の温度範囲で行なうのが望ましい。
【0013】ポリイミドブロック重合体を構成するもう
一つの成分である両末端にアミノ基を有するポリシロキ
サンセグメント(D)の具体例としては、一般式H
(SiRO)SiRNH(式
中、Rは2価の炭化水素基又はフェニレン基を表し、
、Rは同一又は異なって、炭素数1〜3のアルキ
ル基又はフェニル基を表し、mは整数を表す。)で表さ
れるポリシロキサンセグメントが好ましい。これらの中
で、Rがプロピレン基、R、Rがともにメチル基
であるポリシロキサンセグメントはコスト面から好まし
く、mは5〜250、好ましくは7〜200、特に好ま
しくは19〜100である。mの値が5以上のポリシロ
キサンセグメントである場合、柔軟性と弾性の両特性が
両立する。具体的化合物としては、ω,ω-ビス(3-ア
ミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(R=プロピ
レン基、R及びR=メチル基)が例示される。
【0014】そして、上記ポリシロキサンセグメント
(D)は、公知の方法によるものであり、アルコキシシ
ランの加水分解、それに続く縮合反応等を適用すること
により得ることができる(C.A.Arnoldら、POLYMER ENGI
NEERING AND SCIENCE 1989,vol.29,No.20参照)。本発
明において好ましいポリイミドブロック共重合体は、上
述のポリイミドセグメント(A)にさらにポリシロキサ
ンセグメント(D)を共重合して得られるポリイミドブ
ロック共重合体であり、ポリイミドセグメント(A)の
製造と同様にして溶媒中で反応させることにより得るこ
とができる。また、この反応はポリイミドセグメント
(A)を得る反応と同時に行ってもよく、各セグメント
の反応を逐次的に行なってもよい。なお、得られたポリ
イミドブロック共重合体は、例えばアルコール類、純水
のような貧溶媒中で再沈精製を行ったり、再度クロロホ
ルムのような溶媒で低分子量成分を除去し、高分子量成
分を抽出する方法等によって精製を行なうことができ
る。
【0015】ポリイミドセグメント(A)とポリシロキ
サンセグメント(D)との量比は、得られるポリイミド
ブロック重合体に要求される弾性特性によって任意に選
択することができるが、通常A(=B+C)/D(質量
比)は60/40〜5/95とするのが望ましく、好ま
しくは50/50〜5/95、さらに好ましくは40/
60〜10/90とするのが望ましい。ポリイミドセグ
メントの割合が5質量%未満である場合、得られるポリ
イミドブロック重合体の耐熱性が不足する傾向がある。
また、60質量%を超えた場合、柔軟性が不十分となる
傾向がある。
【0016】以上の方法によって製造された本発明のポ
リイミドブロック共重合体は、射出成形、押出成形、ブ
ロー成形等の公知の成形法によって所望の形状に成形さ
れる。また、本発明のポリイミドブロック共重合体を樹
脂改質剤として、他の熱可塑性樹脂に混合して用いるこ
とができる。また、混合した樹脂組成物は、一軸押出
機、二軸押出機、ベント式押出機等により溶融混練し造
粒することも可能である。
【0017】なお、本発明のポリイミドブロック重合体
には、所望により、公知の添加剤、例えば、シリカ、タ
ルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チ
タン、カーボンブラック等の顔料、染料、紫外線吸収
剤、耐候性安定化剤、滑剤、離型剤、熱安定剤、抗酸化
剤、帯電防止剤、難燃剤等を加えてよい。また、成形品
には、所望により従来公知の各種加工処理、例えば、紫
外線、α線、β線、γ線あるいは電子線等の照射、コロ
ナ処理、プラズマ照射処理、火炎処理等の処理、塩化ビ
ニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリオ
レフィン等の樹脂の塗布、ラミネート、あるいは金属の
蒸着等を施して、目的に合わせた外観特性をもたせるこ
とも可能である。
【0018】
【実施例】次に、実施例により本発明を詳述する。な
お、実施例中ポリイミドセグメント(A)の質量%は、
エステル形成基を除いた部分の含有割合を示し、「部」
とは「質量部」を示す。また、平均分子量の測定、ショ
ア硬度の測定及び軟化温度の評価は下記によった。 <平均分子量>MILIPORE社製 Waters510 HPLCシステム
を使用し、クロロホルムを移動相とするGPCで、ポリ
スチレン換算により求めた。 <ショアA硬度>JIS K 7215規格に準拠して
測定を行った(単位はない)。 <軟化温度の評価>JIS K 7206規格のビカッ
ト軟化温度測定試験において、荷重を1.5Nとして求
めた。
【0019】[参考例1]攪拌機付の容器内で窒素雰囲
気下、ドデカンジアミン10部をN-メチル-2-ピロリ
ドン50部に60℃で溶解した後、この溶液にピロメリ
ット酸二無水物1部をN-メチル-2-ピロリドン50部
に溶解した溶液を1時間かけて添加し、さらに1時間攪
拌する。反応液を冷却した後、アセトン1000部に添
加し、析出した沈殿物を濾取し、アセトンで十分洗浄
後、60℃で2日間真空乾燥し白色固体(I−1)2.
4部を得た。次に、攪拌機付の容器内で窒素雰囲気下、
ピロメリット酸二無水物8部をN-メチル-2-ピロリド
ン100部に60℃で溶解した後、上記白色固体(I−
1)2.4部を加え5時間攪拌する。反応液を冷却後、
アセトン1000部に添加し、析出した沈殿物を濾別
し、アセトンで十分洗浄後、60℃で2日間真空乾燥し
白色固体(I−2)3部を得た。GPCで測定したこの
白色固体の数平均分子量は1100、分子量分布は1.
1であった。
【0020】[参考例2]攪拌機付の容器内で窒素雰囲
気下、ドデカンジアミン4.01部、ピロメリット酸二
無水物6.54部、N-メチル-2-ピロリドン100部
を60℃で2時間攪拌する。反応液を冷却後、アセトン
1000部に加え、生成した沈殿物を濾取し、アセトン
で十分洗浄後、60℃で2日間真空乾燥し白色固体(I
−3)10部を得た。GPCで測定したこの白色固体の
数平均分子量は1100、分子量分布は1.9であっ
た。
【0021】[実施例1]攪拌機付の反応容器内で窒素
雰囲気下、ω,ω'-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチ
ルシロキサン(数平均分子量;6000)0.5部及び
参考例1で得た白色固体(I−2)2.73部を、N-
メチル-2-ピロリドン50部とトルエン50部との混合
溶媒中90℃で7時間攪拌する。その後1時間かけて徐
々に反応温度を上げ180℃とし、少量の窒素を通流さ
せて生成する水を溶媒の一部とともに除去しながら5時
間反応させた。次いで、反応液を冷却し、約10倍量の
アセトン中に加え、析出した沈殿を濾取し、アセトンで
十分洗浄後、180℃で真空乾燥した。得られたポリイ
ミドブロック共重合体は、2.8部(数平均分子量約5
4000)であり、示差走査熱量計を用い窒素雰囲気中
20℃/分の昇温速度下で測定した融点(吸熱ピークの
ピーク温度)は260℃、そのときの吸熱量は17J/
gであった。さらに、上記ポリイミドブロック共重合体
を120℃で5時間減圧乾燥し、300℃で射出成形し
各試験用サンプルを得た。各試験用サンプルについて、
上記測定を行なったところ、ショアA硬度:77、耐熱
性の各試験220℃で、外観はうす茶色透明であった。
【0022】[比較例1]攪拌機付の反応容器内で窒素
雰囲気下、ω,ω'-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチ
ルシロキサン(数平均分子量;6000)0.5部と参
考例2で得た化合物(I−3)2.73部とを、N-メ
チル-2-ピロリドン50部及びトルエン50部の混合溶
媒中90℃で7時間攪拌した。その後1時間かけて徐々
に反応温度を上げ180℃とし、少量の窒素を通流させ
て生成する水を溶媒の一部とともに除去しながら5時間
反応させた。反応液を冷却し、約10倍量のアセトン中
に添加し、析出した沈殿を濾取し、アセトンで十分洗浄
後、180℃で真空乾燥した。得られた共重合体は2.
8部(数平均分子量約52000)であり、示差走査熱
量計を用い窒素雰囲気中20℃/分の昇温速度下で測定
した融点(吸熱ピークのピーク温度)は255℃(ブロ
ード)、そのときの吸熱量は13J/gであった。次
に、上記共重合体を120℃で5時間減圧乾燥し、30
0℃で射出成形し各試験用サンプルを得た。各サンプル
について上記測定を行なったところ、ショアA硬度:7
6、耐熱性の各試験205℃で、外観は薄茶色でやや濁
りがかっていた。
【0023】上記実施例及び比較例から明らかなよう
に、実施例1で得られた共重合体からなる成形体は比較
例1での成形体よりも明かに耐熱性、透明性に優れてお
り、また、融解時の吸熱量が大きいことから凝集力も大
きくなっていることが確認された。これに対して、比較
例1の共重合体は、ポリイミドセグメントの分子量分布
が1.9と広いため耐熱性に劣っており、その成形品の
外観も実施例1での成形品より劣るものであった。
【0024】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のポ
リイミドブロック共重合体は、熱可塑性であって通常の
熱可塑性樹脂と同様に成形できるとともに、約220℃
の高温でも透明で形状を保つ利点がある。また、本発明
のポリイミドブロック共重合体は、比較的高温下の耐久
性が優れているとされているポリウレタンやポリエーテ
ルエステルに比べても、優る耐熱性を有しており、成形
外観が重視される家電用、医療機器用、光学用あるいは
自動車部品用のほか、耐熱性を要求されるシート、フィ
ルム、チューブ、パッキン等の各種工業用の素材として
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 雅治 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4J043 PA09 QB31 RA35 SA06 SB03 TA13 TA14 TA22 TA48 TB01 UA082 UA122 UA132 UA262 UA761 UA771 UB011 UB122 UB152 UB302 UB351 WA09 ZA12 ZA33 ZA52 ZB47 ZB51

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド結合を構造中に有するポリイ
    ミドブロック共重合体であって、ポリイミドセグメント
    (A)の分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.2で
    あることを特徴とするポリイミドブロック共重合体。
  2. 【請求項2】 ポリイミドセグメント(A)が、芳香族
    テトラカルボン酸セグメント(B)と直鎖脂肪族ジアミ
    ンセグメント(C)からなる請求項1記載のポリイミド
    ブロック共重合体。
  3. 【請求項3】 ポリイミドブロック共重合体が、芳香族
    テトラカルボン酸セグメント(B)と直鎖脂肪族ジアミ
    ンセグメント(C)及び両末端にアミノ基を有するポリ
    シロキサンセグメント(D)からなり、且つ、芳香族テ
    トラカルボン酸セグメント(B)と直鎖脂肪族ジアミン
    セグメント(C)との和が5〜60質量%及びポリシロ
    キサンセグメント(D)が95〜40質量%の量割合か
    らなる請求項1記載のポリイミドブロック共重合体。
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