JP2003165765A - ガラスセラミック組成物およびガラスセラミックスの製造方法、並びに配線基板の製造方法 - Google Patents

ガラスセラミック組成物およびガラスセラミックスの製造方法、並びに配線基板の製造方法

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JP2003165765A
JP2003165765A JP2001363636A JP2001363636A JP2003165765A JP 2003165765 A JP2003165765 A JP 2003165765A JP 2001363636 A JP2001363636 A JP 2001363636A JP 2001363636 A JP2001363636 A JP 2001363636A JP 2003165765 A JP2003165765 A JP 2003165765A
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glass
powder
ceramic
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average particle
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Yoshitake Terashi
吉健 寺師
Hiromi Yamada
裕美 山田
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】800〜1050℃にて焼成可能で、高周波領
域において低誘電損失、磁器強度300MPa以上、か
つSi、GaAs等のチップ部品やプリント基板との実
装信頼性が良好な配線基板の絶縁層用の磁器組成物とそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】平均粒径2μm以上のガラス粉末30〜9
0質量%と、平均粒径が2μm以上のセラミック粉末1
0〜70質量%からなり、前記ガラス粉末およびセラミ
ック粉末の各平均粒径(D50)に対してD10がD5
0の20%以上、かつD90がD50の400%以下の
粒度分布を有し、前記ガラス粉末の平均粒径と、前記セ
ラミック粉末の平均粒径との差が1.5μm以下である
ガラスセラミック組成物を用い、成形、焼成することに
よって、磁器強度が300MPa以上のガラスセラミッ
クスを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子収納用
パッケージや多層配線基板等の配線基板用の絶縁基板と
して好適であり、特に、銅や銀と同時焼成が可能であ
り、特に誘電率および熱膨張係数の調整が容易であり、
かつ磁器の高強度化が図れるガラスセラミック組成物お
よびガラスセラミックスの製造方法、並びに前記ガラス
セラミックスを絶縁基板とする配線基板の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来技術】従来、セラミック多層配線基板としては、
アルミナ質焼結体からなる絶縁基板の表面または内部に
タングステンやモリブデンなどの高融点金属からなる配
線層が形成されたものが最も普及している。
【0003】また、最近に至り、高度情報化時代を迎
え、使用される周波数帯域はますます高周波化に移行し
つつある。このような、高周波の信号の伝送を必要とす
る高周波配線基板においては、高周波信号を損失なく伝
送する上で、配線層を形成する導体の抵抗が小さいこ
と、また絶縁基板の高周波領域での誘電損失が小さいこ
とが要求される。
【0004】ところが、従来のタングステン(W)や、
モリブデン(Mo)などの高融点金属は導体抵抗が大き
く、信号の伝搬速度が遅く、また、1GHz以上の高周
波領域の信号伝搬も困難であることから、W、Moなど
の金属に代えて銅、銀、金などの低抵抗金属を使用する
ことが必要となっている。
【0005】このような低抵抗金属からなるメタライズ
配線層は、融点が低く、アルミナと同時焼成することが
不可能であるため、最近では、ガラス、またはガラスと
セラミックスとの複合材料からなる、いわゆるガラスセ
ラミックスを絶縁基板として用いた配線基板が開発され
つつある。
【0006】しかしながら、従来のガラスセラミックス
は磁器強度が低いために、機械的信頼性が低く、また、
これを絶縁基板として用いると、該絶縁基板表面に形成
した配線回路層に引張応力がかかった場合、配線回路層
が磁器ごと剥がれてしまい、メタライズ強度を高めるこ
とができないという問題があった。
【0007】一方、特開平10−120436号公報、
特開平11−49531号公報では、ディオプサイド結
晶相を析出可能なガラス粉末70〜100%に対して、
アルミナ、ムライト等のセラミック粉末0〜30%を添
加、混合して焼成した磁器が提案され、マイクロ波帯で
の誘電損失を低減でき、磁器強度を高めることができる
ことが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
10−120436号公報、特開平11−49531号
公報では、磁器強度がせいぜい2200kg/cm2
あり、配線層のメタライズ強度を高める観点から磁器強
度のさらなる向上が求められている。また、フィラーと
してアルミナやムライトを添加した磁器では高周波帯で
の誘電率および誘電損失が高く、誘電率および誘電損失
を低下させることも求められていた。
【0009】さらに、ディオプサイド結晶相を析出可能
なガラス粉末に対して、フィラーとしてコージェライト
を添加する方法では、両者間の濡れ性が悪いために磁器
密度を高めることができず、開気孔率が大きくなるため
に磁器強度は低下してしまうという問題があった。
【0010】従って、本発明は、金、銀、銅を配線層を
構成する導体として多層化が可能な800〜1050℃
での焼成で磁器を緻密化できるとともに、高周波領域に
おいても良好な誘電特性を示し、かつ磁器強度が高いガ
ラスセラミック組成物およびガラスセラミックスの製造
方法、並びに配線基板の製造方法を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を鋭意検討した結果、ガラス粉末およびセラミック粉末
の粒度分布を、粒径を比較的大きく、且つシャープな粒
度分布を有する組成物を用い、これを成形、焼成するこ
とによって、強度の高いガラスセラミックスを得ること
ができることを見出した。
【0012】即ち、本発明のガラスセラミック組成物
は、平均粒径2μm以上のガラス粉末30〜90質量%
と、平均粒径が2μm以上のセラミック粉末10〜70
質量%とからなり、前記ガラス粉末およびセラミック粉
末の各平均粒径(D50)に対してD10がD50の2
0%以上、かつD90がD50の400%以下の粒度分
布を有することを特徴とする。なお、前記ガラス粉末の
平均粒径と、前記セラミック粉末の平均粒径との差は
1.5μm以下であること、また、前記ガラス粉末と前
記セラミック粉末との混合粉末のBET比表面積が3m
2/g以下であることが高強度化を図る上で望ましい。
【0013】また、前記ガラス粉末としては、焼成によ
って、ディオプサイド結晶相を析出する結晶性ガラスを
用いること、また前記セラミック粉末として、少なくと
もアルミナを含有することによってさらに高強度化を図
ることができる。
【0014】なお、前記ガラス粉末が30〜90質量
%、前記セラミック粉末が10〜70質量%の割合で配
合されてなること、前記ガラスの軟化点が550〜95
0℃であることが高強度化と低温焼成化を図る上で望ま
しい。
【0015】本発明のガラスセラミックスの製造方法
は、上記のガラスセラミック組成物を成形後、800〜
1050℃で焼成することを特徴とするものであり、焼
成後の開気孔率を1%以下となるように焼成することが
高強度化を図る上で望ましい。
【0016】さらに、本発明によれば、絶縁基板の表面
および/または内部に、メタライズ配線層が配設された
配線基板の製造方法において、前記ガラスセラミック組
成物を成形後、該成形体に配線パターン状にメタライズ
ペーストを塗布し、800〜1050℃で焼成すること
を特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のガラスセラミック組成物
は、無機成分が、平均粒径2μm以上のガラス粉末と、
平均粒径が2μm以上のセラミック粒子からなるもので
ある。この平均粒径を上記の範囲に特定したのは、ガラ
ス粉末および/またはセラミック粉末の平均粒径が2μ
mよりも小さいと、混合における粉末の分散性が悪くな
り、得られるセラミックス中のフィラーおよび析出結晶
相が偏析し強度劣化を招くためである。なお、ガラス粉
末およびセラミック粉末の平均粒径は共に2.5μm以
上であることが望ましい。
【0018】また、本発明によれば、ガラス粉末および
セラミック粉末において、共に、平均粒径(D50)に
対してD10がD50の20%以上、かつD90がD5
0の400%以下の粒径を有することが重要である。な
お、D10、D50、D90とは、10%、50%、9
0%の累積粒子径をそれぞれ示す。
【0019】上記の粒度分布は、D10およびD90と
D50との関係を上記のように調整することによって、
そのセラミック材料の強度特性を最大限発揮させること
ができる。特に、D10がD50の25%以上、特に3
0%以上、さらには35%以上が望ましく、また、D9
0が、D50の300%以下、特に250%以下、さら
には225%以下であることが望ましい。
【0020】また、本発明のガラスセラミック組成物に
おいては、前記ガラス粉末の平均粒径と、セラミック粉
末の平均粒径との差が1.5μm以下であることが望ま
しく、これが1.5μmよりも大きくなると、焼結性が
不安定となり、ボイドが増え安定して強度の高いセラミ
ックスが得にくくなる。特に、ガラス粉末の平均粒径と
セラミック粉末の平均粒径の差は1.0μm以下、更に
は0.5μm以下、望ましくは0.2μm以下であるこ
とがより望ましい。
【0021】本発明においては、ガラス粉末およびセラ
ミック粉末との粒度分布を上記のように制御することに
よって、その材料が有する強度特性を効果的に発揮する
ことができる。
【0022】ここで、ガラス粉末の組成は、最終的に得
られるガラスセラミックスの機械的特性のみならず、電
気的特性を決定するものであり、特に得られるガラスセ
ラミックスの高周波での誘電損失を低減し基板の伝送損
失を低減する為には、ディオプサイド、スピネル(Mg
Al24)、ガーナイト(ZnAl24)、コージェラ
イト、ムライト、エンスタタイト、ウイレマイト、アノ
ーサイト(CaAl2Si28)、スラウソナイト(S
rAl2Si28)、(Sr,Ca)Al2Si 28、フ
ォルステライト、セルシアン、ヘキサセルシアン、モン
ティセライト、メリライト、アケーマナイトの群から選
ばれる少なくとも1種からなる結晶相が、ガラスから析
出、またはガラスとセラミック粉末との反応によって生
成されることが望ましい。特に強度向上の点からディオ
プサイド系結晶相が析出することが最も望ましい。な
お、ディオプサイド系結晶相としては、Ca(Mg,A
l)(Si,Al)26のディオプサイドや、これと類
似するCa2MgSi27(akermanite)、
CaMgSiO4(monticellite)、Ca3
MgSi28(merwinite)等が析出してもよ
く、また、前記ディオプサイド結晶相中にはSrOが固
溶していてもよい。
【0023】さらに、ガラス粉末は、磁器の開気孔率を
低減させるとともに、脱バインダの容易性および結晶化
度を高めるために、ガラスの軟化点が550〜950
℃、特に650〜950℃、さらに700〜950℃と
なることが望ましい。
【0024】また、セラミック粉末としては、アルミ
ナ、ムライト、フォルステライト、エンスタタイト、デ
ィオプサイド、コージェライト、アノーサイト、スラウ
ソナイト、セルシアン、ヘキサセルシアン、スピネル、
ガーナイト、シリカ、ジルコニア、チタニア、MgTi
3、(Mg,Zn)TiO3、Mg2TiO4、Zn2
iO4、CaTiO3、SrTiO3、Si34、SiC
およびAlNの群から選ばれる少なくとも1種から選ば
れることが望ましい。特に、ガラスセラミックスの抗折
強度を300MPa以上に高めるためには、セラミック
粉末としてアルミナを10質量%以上含有することが望
ましい。
【0025】また、上記のガラス粉末とセラミック粉末
との混合粉末のBET比表面積が3m2/g以下、特に
2.5m2/g以下であることが強度を高める上で好適
である。
【0026】上記のガラス粉末とセラミック粉末とは、
ガラス粉末が30〜90質量%、特に40〜70質量
%、セラミック粉末が10〜70質量%、特に30〜6
0質量%の割合で混合する。この比率によって、105
0℃以下の焼成によって得られるセラミックスの開気孔
率を1%以下に緻密化するとともに、磁器強度を向上さ
せることができる。
【0027】そして、この混合粉末を用いてドクターブ
レード法やカレンダーロール法、あるいは圧延法、プレ
ス成形法の周知の成型法により所定形状の成形体を作製
した後、該成形体を500〜750℃で脱バインダ処理
し、800〜1050℃の酸化性雰囲気または不活性雰
囲気中で焼成することにより作製することができる。
【0028】ここで、焼成温度を上記範囲に限定した理
由は、焼成温度が800℃より低いと、磁器を緻密化で
きず、また結晶化ガラスを用いた場合に結晶化度が低く
磁器中のガラス相の割合を5重量%以下とすることがで
きず、高周波領域での誘電損失が増大するためであり、
逆に1050℃を越えると、CuやAg等の低抵抗金属
との同時焼成ができないためである。
【0029】なお、1050℃以下での焼成で磁器を緻
密化させるためには、焼成時の昇温速度を1050℃/
hr、特に500℃/hr以下で、かつ焼成時間を10
分以上、特に30分以上とすることが望ましく、また、
磁器中の結晶相の結晶化度を高めるためには、焼成時の
昇温速度を1050℃/hr以下、特に500℃/hr
以下とすることが望ましい。
【0030】本発明のガラスセラミック組成物を用いて
作製されたガラスセラミックスは、配線基板の絶縁基板
として用いるのが好適である。このような高強度のガラ
スセラミックス、特に強度が300MPa以上、特に3
50MPa以上のガラスセラミックスを用いることによ
って、半導体素子等の電子部品の実装に伴い発生する熱
応力によるクラックを防止し、メタライズ強度を高め、
かつ配線基板の機械的信頼性を高めることができる。ま
た、半田実装時や半導体素子の作動停止による繰り返し
温度サイクルによって両者間の熱応力に起因するクラッ
クや剥離の発生を防止し、両者間を接続する配線の電気
的信頼性を向上させることができる。
【0031】本発明のガラスセラミック組成物を用いて
配線基板を作製するには、前記ガラス粉末とセラミック
粉末との混合粉末に、適当な有機溶剤、溶媒を用い混合
してスラリーを調製し、これを従来周知のドクターブレ
ード法やカレンダーロール法、あるいは圧延法、プレス
成形法により、シート状に成形する。そして、このシー
ト状成形体に所望によりスルーホールを形成した後、ス
ルーホール内に、銅、金、銀のうちの少なくとも1種を
含む導体ペーストを充填する。そして、シート状成形体
表面には、高周波信号が伝送可能な高周波線路パターン
等に前記導体ペーストを用いてスクリーン印刷法、グラ
ビア印刷法などによって印刷するか、または銅箔などの
金属箔をパターン加工して貼りつけるなどの方法によっ
て、厚みが5〜30μmの配線パターンを形成する。
【0032】その後、複数のシート状成形体を位置合わ
せして積層圧着し、窒素ガスや窒素−酸素混合ガス等の
非酸化性雰囲気中、上述した条件で焼成することによ
り、高周波用配線基板を作製することができる。具体的
に、例えば、導体として銅等の焼成により酸化する恐れ
もあるものを用いる場合には、脱バインダ処理を水蒸気
含有雰囲気等の弱酸化性雰囲気、焼成を窒素、窒素−水
素あるいは窒素−不活性ガス等の非酸化性雰囲気中にて
焼成することが望ましい。
【0033】そして、この配線基板の表面に、適宜半導
体素子等のチップ部品が搭載され配線層と信号の伝達が
可能なように接続される。接続方法としては、配線層上
に直接搭載させて接続させたり、あるいは樹脂、Ag−
エポキシ、Ag−ガラス、Au−Si等の樹脂、金属、
セラミックス等の厚み50μm程度の接着剤によりチッ
プ部品を絶縁基板表面に固着し、ワイヤーボンディン
グ、TABテープなどにより配線層と半導体素子とを接
続する。なお、半導体素子としては、Si系やGa−A
s系等のチップ部品の実装に有効である。
【0034】さらに、半導体素子が搭載された配線基板
表面に、絶縁基板と同種の絶縁材料や、その他の絶縁材
料、あるいは放熱性が良好な金属等からなり、電磁波遮
蔽性を有するキャップをガラス、樹脂、ロウ材等の接着
剤により接合してもよく、これにより半導体素子を気密
に封止することができる。
【0035】本発明のガラスセラミック組成物を好適に
使用しうる高周波用配線基板の一例である半導体素子収
納用パッケージの具体的な構造とその実装構造について
図1をもとに説明する。図1は、半導体素子収納用パッ
ケージ、特に、接続端子がボール状端子からなるボール
グリッドアレイ(BGA)型パッケージの概略断面図で
ある。図1によれば、パッケージAは、絶縁材料からな
る絶縁基板1と蓋体2によりキャビティ3が形成されて
おり、そのキャビティ3内には、Si、Ga−As等の
チップ部品4が前述の接着剤等により実装されている。
【0036】また、絶縁基板1の表面および内部には、
チップ部品4と電気的に接続された配線層5が形成され
ている。この配線層5は、高周波信号の伝送時に導体損
失を極力低減するために、銅、銀あるいは金などの低抵
抗金属からなることが望ましい。また、この配線層5に
1GHz以上の高周波信号を伝送する場合には、高周波
信号が損失なく伝送されることが必要となるため、配線
層5は周知のストリップ線路、マイクロストリップ線
路、コプレーナ線路、誘電体導波管線路のうちの少なく
とも1種から構成される。
【0037】さらに、図1のパッケージAにおいて、絶
縁基板1の底面には、接続用電極層6が被着形成されて
おり、パッケージA内の配線層5と接続されている。そ
して、接続用電極層6には、半田などのロウ材7により
ボール状端子8が被着形成されている。
【0038】また、上記パッケージAを外部回路基板B
に実装するには、図1に示すように、ポリイミド樹脂、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの有機樹脂を含む絶
縁材料からなる絶縁基板9の表面に配線導体10が形成
された外部回路基板Bに対して、ロウ材を介して実装さ
れる。具体的には、パッケージAにおける絶縁基板1の
底面に取付けられているボール状端子8と、外部回路基
板Bの配線導体10とを当接させてPb−Snなどの半
田11によりロウ付けして実装される。また、ボール状
端子8自体を溶融させて配線導体10と接続させてもよ
い。
【0039】本発明によれば、Ga−As等のチップ部
品4のロウ付けや接着剤により実装されるような表面実
装型パッケージにおいて、Ga−As等のチップ部品4
の絶縁基板1との熱膨張差を従来のセラミック材料より
も小さくできることから、かかる実装構造に対して、熱
サイクルが印加された場合においても実装部での応力の
発生を抑制することができる結果、実装構造の長期信頼
性を高めることができる。なお、図1のボール状端子8
に代えて柱状端子を用いる(ランドグリッドアレイ(L
GA))ことも可能である。
【0040】
【実施例】下記の組成 ガラスA:SiO250重量%−Al235.5重量%
−MgO18.5重量%−CaO26重量% ガラスB:SiO250.2重量%−Al235.0重
量%−MgO16.1重量%−CaO15.1重量%−
SrO13.6重量% ガラスC:SiO210.4重量%−Al232.5重
量%−ZnO35.2重量%−B2345.3重量%−
Li2O6.6重量% からなるディオプサイド結晶相が析出可能なガラス粉末
(A、B)と非結晶化ガラス粉末Cを準備した。なお、
各ガラスA,B,Cの粒度分布は表1に示した。
【0041】そして、上記ガラスに対して表1の粒度分
布を有する純度99%以上のセラミックフィラー粉末を
準備した。
【0042】そして、上記ガラス粉末とセラミックフィ
ラー粉末とを表1の比率で混合し、さらに、この混合物
に有機バインダ、可塑剤、トルエンを添加し、スラリー
を調製した後、このスラリーを用いてドクターブレード
法により厚さ350μmのグリーンシートを作製した。
そして、このグリーンシートを10〜15枚積層し、5
0℃の温度で10MPaの圧力を加えて熱圧着した。得
られた積層体を水蒸気含有/窒素雰囲気中、700℃で
脱バインダ処理を行った後、乾燥窒素中で表1の焼成条
件で焼成し絶縁基板用磁器を得た。
【0043】得られた磁器について誘電特性を以下の方
法で評価した。測定は形状、直径2〜7mm、厚み1.
5〜2.5mmの形状に切り出し、60GHzにてネッ
トワークアナライザー、シンセサイズドスイーパーを用
いて誘電体円柱共振器法により行った。測定では、NR
Dガイド(非放射性誘電体線路)で、誘電体共振器の励
起を行い、TE021、TE031モードの共振特性より、誘
電率、誘電損失(tanδ)を算出した。
【0044】また、アルキメデス法により開気孔率を測
定した。さらに、焼結体中における結晶相をX線回折チ
ャートから同定し、表1に示した。また、JIS−R1
601に基づき、ガラスセラミックスの3点曲げ抗折強
度を測定した。
【0045】さらに、表1の組成物を用いて、ドクター
ブレード法により厚み500μmのグリーンシートを作
製し、このシート表面に厚み10μmのCuメタライズ
ペーストをスクリーン印刷法を用いて塗布しメタライズ
配線層を形成した。また、グリーンシートの所定箇所に
スルーホールを形成しその中にもCuメタライズペース
トを充填した。そして、メタライズペーストが塗布され
たグリーンシートをスルーホール間で位置合わせしなが
ら6枚積層し圧着した。この積層体を上述した焼成条件
でメタライズ配線層と絶縁基板とを同時焼成し、表面に
メタライズ配線層が形成された配線基板を作製した。
【0046】得られた配線基板表面の2mm角のメタラ
イズ配線層の表面にニッケルメッキおよび金メッキを施
し、該メッキ膜上に銅リード線を半田付けした後、該リ
ード線をメタライズ配線層と垂直に10mm/秒の速度
で引っ張ってメタライズ配線層が剥がれまたは破損する
引っ張り荷重(F)を測定し、メタライズ配線層の形成
面積(S)との比であるF/S(MPa)をメタライズ
強度として算出した。結果は表1に示した。
【0047】
【表1】
【0048】表1の結果から明らかなように、セラミッ
ク粉末量が10質量%よりも少ない試料No.1、2で
は、抗折強度が低く、メタライズ強度も低かった。ま
た、ガラス量が30質量%未満の試料No.13、14
では、1050℃の焼成によっても緻密化することがで
きず、開気孔率が1%を超えるものであった。
【0049】さらに、ガラス粉末およびセラミック粉末
の各平均粒径(D50)に対してD10がD50の20
%以上、かつD90がD50の400%以下の粒度分布
の条件を逸脱する試料No.9、15、16、17、2
2、23では、いずれも抗折強度やメタライズ強度が低
いものであった。
【0050】これに対して、本発明の試料No.3〜
8、10〜12、18〜21は、抗折強度300MPa
以上、メタライズ強度20MPa以上の優れた特性を有
するものであった。
【0051】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のガラスセラ
ミックスによれば、1050℃以下の低温にて焼成でき
ることから、銅などの低抵抗金属による配線層を形成で
き、磁器強度が300MPa以上、メタライズ強度が2
0MPa以上と高く、Si、GaAsチップを実装した
場合において優れた耐熱サイクル性を有し、高信頼性の
実装構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組成物を焼成した磁器を用いた高周波
用配線基板の一例である半導体素子収納用パッケージの
実装構造の一例を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
A 半導体素子収納用パッケージ B 外部回路基板 1 絶縁基板 2 蓋体 3 キャビティ 4 チップ部品 5 配線層 6 接続用電極層 7 ロウ材 8 ボール状端子 9 絶縁基板 10 配線導体 11 半田
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G030 AA07 AA08 AA09 AA36 AA37 BA12 BA20 CA01 GA11 GA27 HA09 HA18 5E343 AA02 AA23 BB24 BB72 DD02 GG13 GG20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径2μm以上のガラス粉末30〜9
    0質量%と、平均粒径が2μm以上のセラミック粉末1
    0〜70質量%からなり、前記ガラス粉末およびセラミ
    ック粉末の各平均粒径(D50)に対してD10がD5
    0の20%以上、かつD90がD50の400%以下の
    粒度分布を有することを特徴とするガラスセラミック組
    成物。
  2. 【請求項2】前記ガラス粉末の平均粒径と、前記セラミ
    ック粉末の平均粒径との差が1.5μm以下であること
    を特徴とする請求項1記載のガラスセラミック組成物。
  3. 【請求項3】前記ガラス粉末と前記セラミック粉末との
    混合粉末のBET比表面積が3m2/g以下であること
    を特徴とする請求項1乃至2のいずれか記載のガラスセ
    ラミック組成物。
  4. 【請求項4】前記ガラス粉末が、焼成によって、ディオ
    プサイド結晶相を析出する結晶性ガラスからなることを
    特徴とする請求項1乃至3記載のガラスセラミック組成
    物。
  5. 【請求項5】前記セラミック粉末が、少なくともアルミ
    ナを含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    か記載のガラスセラミック組成物。
  6. 【請求項6】前記ガラス粉末が30〜90質量%、前記
    セラミック粉末が10〜70質量%の割合で配合されて
    なる請求項1乃至請求項5のいずれか記載のガラスセラ
    ミック組成物。
  7. 【請求項7】前記ガラスの軟化点が550〜950℃で
    あることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか
    記載のガラスセラミック組成物。
  8. 【請求項8】請求項1乃至請求項7のいずれか記載のガ
    ラスセラミック組成物を成形後、800〜1050℃で
    焼成することを特徴とするガラスセラミックスの製造方
    法。
  9. 【請求項9】焼成後の開気孔率が1%以下であることを
    特徴とする請求項8記載のガラスセラミックスの製造方
    法。
  10. 【請求項10】絶縁基板の表面および/または内部にメ
    タライズ配線層が配設された配線基板の製造方法におい
    て、前記請求項1乃至請求項7のいずれか記載のガラス
    セラミック組成物を成形後、該成形体に配線パターン状
    にメタライズペーストを塗布し、800〜1050℃で
    焼成することを特徴とする配線基板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006082938A1 (ja) * 2005-02-04 2006-08-10 Ibiden Co., Ltd. セラミックハニカム構造体およびその製造方法
JP2007230821A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Kyocera Corp 誘電体磁器
US7438967B2 (en) 2005-02-04 2008-10-21 Ibiden Co., Ltd. Ceramic honeycomb structural body

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