JP2003165270A - インクジェット用フロッキー熱圧着シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェットプリンターを用いて、主に濃色
生地の風合いを損ねない、鮮明な画像で柔らかい布の感
触を有するプリント方法と製品の提供。 【解決手段】熱接着性白色樹脂層にフロッキー加工を施
し、垂直に植設された白色短繊維でインク受容層を形成
したシートに、インジェットプリンターで印字し、生地
に熱圧着することで可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はインクジェット用フロ
ッキーシートおよびこれを用いるフロッキー加工商品に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、インクジェットプリンターやカラ
ーコピーで出力した画像を衣類に転写するには、専用転
写紙がある。剥離紙上の熱可塑性樹脂層にインク受容層
をコートしたものに印字し、熱圧着によって、樹脂コー
ト部を布に移し変えるもので、ビニール状のシールを貼
り付けたような仕上がりになる。また、濃色生地に転写
する場合は、下地に白色層を加えるため、厚みが増して
堅い違和感のある仕上がりになり、布の質感が無くなっ
ていた。この方式で十分な接着力を得るにはプレス機な
どの強い圧力が必要とされた。また、柔らかいビロード
調の風合い、感触をもつ絵柄転写方法にフロッキーシー
トに熱接着性樹脂によりスクリーン印刷し熱圧着する方
式があるが、印刷版を必要とし写真のような複雑な表現
は困難であり、少ロットにあわない方式であるとともに
インクジェットプリンターを利用した技法は用いられて
いない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】印刷版が不要なインク
ジェットプリンターを用いて、鮮明かつ柔らかい風合い
と感触の布の質感をもつ画像を、濃色生地にも熱圧着可
能な方法を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために熱接着性白色樹脂層に白色短繊維をフロッ
キー加工で垂直に植設し、高密度短繊維層を形成する構
成で、インクジェットプリンターにて短繊維層に印字
後、転写させたい部分のみ裁断分離し、被転写物上に熱
圧着することで課題を解決した。

【０００５】

【作用】垂直の高密度短繊維上に直接インクを吹き付け
ることで、滲まず鮮明なうえ布の風合いと感触をもつ画
像が得られる。また、熱接着性白色樹脂層に直接、短繊
維が植設されたシートのため、転写紙のような紙をはが
す手間無く熱圧着出来、表面がビニール状になることな
く、濃色生地でも鮮明さも風合い、感触も損なわれな
い。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面にもとづ
いて説明する。ポリエステルシートにポリエステル短繊
維（１）を毛埴加工したものに接着剤（２）を塗布し、
熱接着性白色樹脂（３）の顆粒をふりかけ固着させる。
その後、ポリエステルシートを剥離し、図面１のフロッ
キーシートが形成される。インクジェット（ＥＮＣＡＤ
改）にセットし、短繊維層に分散染料インクで印字す
る。接着させたい画像部分を型抜きし、黒綿Ｔシャツ上
に画像を上にして置き、コピー用紙をその上に置き１８
０℃のアイロンで３０秒押さえたのち、アイロンと紙を
除けると強い接着力が得られると同時に分散染料インク
が発色し、ポリエステル繊維を高い堅牢度で染め上げる
ことができた。同様にして、革や金属製品などの素材に
も熱圧着が可能なため、ビロード調シールとしても使え
る。

【０００７】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、インクジ
ェットプリンターを用いて、濃色生地上にも鮮明な画像
で、布地の風合いを損なわない柔らかい感触の布地製品
を形成させる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の断面図である。

【符号の説明】

１・・短繊維 ２・・接着剤 ３・・熱接着性白色樹脂

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】熱可塑性白色樹脂層を基材として、インク
   受容層に白色短繊維のフロッキー加工を施したインクジ
   ェット用フロッキー熱圧着シート。
2. 【請求項２】請求項１のシートを用いて加工された製品