JP2003164799A - 化粧材の製造方法 - Google Patents

化粧材の製造方法

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JP2003164799A JP2001366551A JP2001366551A JP2003164799A JP 2003164799 A JP2003164799 A JP 2003164799A JP 2001366551 A JP2001366551 A JP 2001366551A JP 2001366551 A JP2001366551 A JP 2001366551A JP 2003164799 A JP2003164799 A JP 2003164799A
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Yutaka Takasaki
裕 高崎
Shigemiki Kato
茂幹 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面にエンボス模様が形成された基材の、該エ
ンボス模様の凹部を埋没させることなく、該凹部の内面
を含む全面に、塗料塗膜を形成することが可能であり、
しかも、塗面が平滑で艶ムラの少ない、意匠品質に優れ
た塗料塗膜を形成することが可能な化粧材の製造方法を
提供する。 【解決手段】表面にエンボス模様2が形成された基材1
の表面に、スプレー塗工法と、グラビア塗工法又はロー
ル塗工法との、二種の塗工法を併用して塗料塗膜を形成
する化粧材の製造方法である。特に、スプレー塗工法に
よる第一の塗料塗膜4の形成後に、グラビア塗工法又は
ロール塗工法による第二の塗料塗膜6を形成する工程順
序によることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧材の製造方法
に関する。更に詳しくは、基材の表面にエンボス模様が
形成されると共に、該表面に塗料塗膜が形成されてなる
化粧材の製造方法であって、該塗料塗膜を基材の一般平
面部の表面のみならず、エンボス模様の凹部の内面を含
む全面に連続して設けるための化粧材の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅等の建築物における壁材、天
井材、床材等の内外装材や、扉等の建具、家具、什器、
家電製品の外装、車両内装材等の用途に用いられる化粧
材としては、基材に天然木材の木目模様や天然石材の石
目模様等を模した絵柄模様を印刷等により形成すると共
に、天然木材の導管溝の凹凸や天然石材の劈開面の凹凸
等を模したエンボス模様を基材の表面に設けたものが、
広く用いられている。
【0003】係る化粧材を構成する基材の表面には、一
般に、化粧材の使用中における外部からの物理的又は化
学的な刺激から基材や絵柄模様等を保護したり、化粧材
の表面の艶状態を望ましい状態に調整したりする目的
で、保護層又は艶調整層等の塗料塗膜が設けられる場合
が多い。
【0004】ところが、基材の表面に凹凸のエンボス模
様が設けられていると、該エンボス模様の凹凸形状に沿
って表面に塗料塗膜を形成することは、一般に極めて困
難である。その理由を順次説明すると、まず、化粧材へ
の塗料塗膜の塗工法として最も一般的なロール塗工法や
グラビア塗工法によったのでは、エンボス模様の凹部を
除く化粧材の一般平面部においては特に問題はないが、
エンボス模様の凹部の内面には、機械的な障害のために
塗工ロールやグラビア版が接触できないため、塗料塗膜
を形成することができない。このため、得られる化粧材
は、エンボス模様の凹部において、耐溶剤性や耐汚染
性、耐候性等の各種物性が劣るものとなってしまう。
【0005】エンボス模様の凹部内にまで塗料を十分に
供給可能な塗工方法として、上記したロール塗工法又は
グラビア塗工法による塗工の前にワイピング法によりエ
ンボス模様の凹部に塗料を充填する方法や、フローコー
ト法やナイフコート法、ディップコート法等の様に、基
材の表面に大量の塗料を供給する方法なども考えられ
る。しかし、この様な方法で塗工を行うと、エンボス模
様の凹部が塗料塗膜で埋没してしまうため、折角のエン
ボス模様による凹凸の意匠感が減殺される結果となって
しまう。
【0006】エンボス模様の凹部が塗料塗膜で埋没しな
いように、基材の表面への塗料の供給量を必要量のみに
抑えつつ、エンボス模様の凹部の内面へも塗料を付着可
能な塗工方法として、スプレー塗工法も考えられる。し
かし、このスプレー塗工法は、塗料の液性にも依存する
が一般に、その塗工原理から、塗料が霧化された際の溶
剤分の揮発のために、基材表面に着肉した際に塗膜がレ
ベリングしにくいため、塗面が点付き状になり易く、塗
面の粗さや点状艶ムラ(特に艶消タイプの塗料を使用し
た場合に顕著に見られる)のために、得られる化粧材の
意匠品質が頗る悪いという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記した様な問題点を解決するためになされた
ものであって、その目的とするところは、表面にエンボ
ス模様が形成された基材の、該エンボス模様の凹部を埋
没させることなく、該凹部の内面を含む全面に、塗料塗
膜を形成することが可能であり、しかも、塗面が平滑で
艶ムラの少ない、意匠品質に優れた塗料塗膜を形成する
ことが可能な化粧材の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧材の製造方
法は、表面にエンボス模様が形成された基材の、該エン
ボス模様の凹部の内面を含む全面に、塗料塗膜を形成す
る化粧材の製造方法であって、前記塗料塗膜の形成を、
スプレー塗工法と、グラビア塗工法又はロール塗工法と
の、二種の塗工法を順不同に用いて行うことを特徴とす
るものである。
【0009】また特に、前記塗料塗膜の形成を、スプレ
ー塗工法と、グラビア塗工法又はロール塗工法との、二
種の塗工法をこの順に用いて行うことを特徴とするもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の化粧材の製造方法
の実施の形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。図
1及び図2は、それぞれ本発明の化粧材の製造方法の実
施の形態を工程順に示した側断面図である。
【0011】本発明の化粧材の製造方法を工程順に説明
すると、図1に示す様に、まず表面にエンボス模様2が
施された基材1を用意する(図1(a))。次に、該基
材1の表面に、スプレー塗工ヘッド3(スプレーガン、
ノズル等ともいう)から塗料を霧状に噴霧させて付着さ
せるスプレー塗工法により塗料を塗布して、第一の塗料
塗膜4を形成する(図1(b))。このスプレー塗工法
による塗料塗膜4は、基材1の表面のエンボス模様2の
凹部の内面にも連続して形成される。
【0012】しかる後に、該第一の塗料塗膜4を含む基
材1の表面に、塗工ロール(又はグラビア版)5を用い
たロール塗工法(又はグラビア塗工法)により塗料を塗
布して、第二の塗料塗膜6を形成する(図1(c))。
このロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗料塗
膜6は、基材1の表面のエンボス模様2の凹部の内面を
除く一般平面部の表面にのみ形成される。以上の工程に
より、基材1の表面に、スプレー塗工法による塗料塗膜
4と、ロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗料
塗膜6との二層からなる塗料塗膜7が形成された化粧材
が完成する。
【0013】スプレー塗工法による第一の塗料塗膜4
は、既に述べた様に、基材1の表面のエンボス模様2の
凹部にも十分に塗膜が形成される利点はあるが、塗料が
スプレー塗工ヘッド3から霧化された状態で噴霧された
際に、塗料が含有する溶剤分が揮発し易く、粘度が上昇
し易いため、基材1の表面に着肉した際に、未乾燥塗膜
がレベリングしにくいため、点付き状の粗い塗面となり
易い。
【0014】しかし、本発明においては、その上にロー
ル塗工法(又はグラビア塗工法)による第二の塗料塗膜
6を設けることにより、スプレー塗工法による塗料塗膜
4の表面の点付き状の粗い塗面が覆い隠され、ロール塗
工法(又はグラビア塗工法)による良好な塗面が形成さ
れるので、外観意匠品質の良好な化粧材を容易に製造す
ることができる。
【0015】なお、エンボス模様2の凹部においては、
ロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗料塗膜6
が形成されないため、塗料塗膜4の表面は粗い状態のま
まとなる。しかし、凹部は一般に面積も小さく、しかも
その凹状という非平面形状のために表面の粗さが目立ち
にくいので、化粧材の外観意匠品質への悪影響は殆ど無
視することができる。
【0016】本発明において、スプレー塗工法による塗
料塗膜4の形成と、ロール塗工法(又はグラビア塗工
法)による塗料塗膜6の形成とは、上記と逆の順序で行
うことも可能である(図2(a)〜(d))。この様に
しても、基材1の表面の一般平面部においては、スプレ
ー塗工法による塗料塗膜4の下地として、ロール塗工法
(又はグラビア塗工法)による表面の平滑な塗料塗膜6
が既に形成されていることから、ロール塗工法(又はグ
ラビア塗工法)を用いずにスプレー塗工法のみによって
塗工した場合と比較すれば、スプレー塗工法による塗料
塗膜4の表面の点付き状の粗さは、目立ちにくくなる。
【0017】特に、ロール塗工法(又はグラビア塗工
法)による第一の塗料塗膜6の塗工形成後、これを乾燥
させることなく直ちに、スプレー塗工法による第二の塗
料塗膜4を塗工形成すると、溶剤分を十分に含んだ湿潤
状態の第一の塗料塗膜6から、霧化時の溶剤分の揮発に
より増粘した第二の塗料塗膜4に溶剤分が補われて、第
二の塗料塗膜4のレベリングが促進され、より外観意匠
品質の良好な化粧材を製造することができる。
【0018】但し、この様な塗膜間での溶剤分の移動を
利用したレベリング作用は、塗料の液性への依存性が大
きく、また、スプレー塗工ヘッド3からの噴霧条件や、
スプレー塗工時の第一の塗料塗膜6の乾燥状態(特に表
面の皮張り状態)等、諸々の塗工条件の変化によって仕
上がり品質が不安定になり易いという短所もある。
【0019】また、エンボス模様2の凹部における物性
の確保のためには、該凹部の内面への塗料の塗着が可能
なスプレー塗工法による第二の塗料塗膜4の塗布量を増
す必要があるが、そうすると、スプレー塗工法による第
二の塗料塗膜4の塗面の粗さが増す上に、ロール塗工法
による第一の塗料塗膜6からの溶剤分の移動による、ス
プレー塗工法による第二の塗料塗膜4のレベリング作用
が不足となるので、結果的に塗料塗膜7の表面に良好な
塗面状態が得られにくいという問題もある。
【0020】従って、本発明においては可能な限り、図
1に示した様に、スプレー塗工法による塗工の後でロー
ル塗工法(又はグラビア塗工法)による塗工を行う工程
順序によることが望ましい。この工程順序による限り、
少なくとも基材1のエンボス模様2の凹部を除く一般平
面部における塗面の仕上がりは、スプレー塗工法による
塗工の後で行われる、ロール塗工法(又はグラビア塗工
法)による塗工塗膜6の塗面の仕上がりで決定されるの
で、外観意匠品質の良好な化粧材をより安定的に製造す
ることができるからである。
【0021】なお、スプレー塗工法による塗工の後でロ
ール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗工を行う場
合には、スプレー塗工法による塗料塗膜4を乾燥させる
ことなく直ちにロール塗工法(又はグラビア塗工法)に
よる塗工を行っても良いが、ロール塗工法(又はグラビ
ア塗工法)による塗工時の塗料塗膜4の取られを防止
し、安定的に塗工を行うためには、スプレー塗工法によ
る塗料塗膜4を乾燥させた後にロール塗工法(又はグラ
ビア塗工法)による塗工を行うことが望ましい。
【0022】図1及び図2では簡単のため、スプレー塗
工ヘッド3から噴射した塗料ミストを被塗工体である基
材1の表面に直接噴霧する、ダイレクト方式のスプレー
塗工法の例を図示したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、上記ダイレクト方式に代えて、図3に示す
様なバウンド方式のスプレー塗工法を採用することも、
勿論可能である。
【0023】バウンド方式のスプレー塗工法とは、図3
に示す様に、スプレー塗工ヘッド84から噴射した塗料
ミスト85を、循環移動するベルト82(又はロール
等)に一旦衝突させて反射させ、その反射流を被塗工体
である基材1に塗着させる塗工方式である。
【0024】この塗工方式は、塗料ミスト85がベルト
82(又はロール等)に衝突した際に、ミスト粒径が反
射前の2分の1乃至10分の1程度の超微粒子状になっ
て反射されるので、ダイレクト方式によるよりも塗膜厚
の平均化には有利である。
【0025】但し、ミスト粒径が小さくなる分だけ、塗
工中の溶剤分の揮発の影響も増すためか、塗面のレベリ
ング性の改善効果は少ない。従って、良好な表面意匠品
質の化粧材の製造には、やはりロール塗工法(又はグラ
ビア塗工法)の併用が必要である。
【0026】本発明において、塗料塗膜7の膜厚は特に
制限されるものではなく、目的とする化粧材の用途によ
り適宜設計すれば良いが、一般的には3〜100μm程
度とされる場合が多く、特に化粧紙又は化粧シート等の
様に可撓性が要求される化粧材の場合には、通例3〜3
0μm程度とされる場合が多い。
【0027】上記塗料塗膜7における、スプレー塗工法
による塗料塗膜4と、ロール塗工法(又はグラビア塗工
法)による塗料塗膜6との膜厚の関係についても、本発
明において特に制限されるものではなく、塗料の液性等
にもよるが、一般的には、スプレー塗工法による塗料塗
膜4の塗面の粗さを覆い隠し、レベリングし又は目立ち
にくくさせて、良好な塗面を得るためには、ロール塗工
法(又はグラビア塗工法)による塗料塗膜6の膜厚は少
なくとも1μm以上とし、なお且つ、少なくともスプレ
ー塗工法による塗料塗膜4の膜厚の3分の1以上とする
ことが望ましい。一方、スプレー塗工法による塗料塗膜
4の膜厚が薄過ぎても、凹部の物性が不十分となるの
で、スプレー塗工法による塗料塗膜4の膜厚も少なくと
も1μm以上とし、なお且つ、少なくともロール塗工法
(又はグラビア塗工法)による塗料塗膜6の膜厚以上と
することが望ましい。
【0028】スプレー塗工法による塗料塗膜4に用いる
塗料と、ロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗
料塗膜6に用いる塗料とは、同種のものであっても異種
のものであっても良い。但し、異種のものを組み合わせ
て用いる場合には、両者の界面が目立ちにくい様に、色
相差や乾燥後(硬化型であれば硬化後)の屈折率差の小
さいものを組み合わせるのが良い。また、両者の界面を
融合させて、界面をより目立ちにくくさせると共に、レ
ベリング作用も十分に得られる様に、互いに同一又は相
溶性の高い溶剤系のものを組み合わせることが好まし
い。
【0029】本発明において、基材1の材質や構造には
特に制限はなく、例えば従来より同種の化粧材における
基材として使用されているものであって、表面にエンボ
ス模様2の形成が可能なものであれば、何であっても使
用可能である。
【0030】具体的には、例えば薄葉紙、チタン紙、上
質紙、リンター紙、クラフト紙、板紙等の紙類や、ポリ
オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル
系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド
系樹脂等の合成樹脂からなるフィルム又はシート類、木
材単板、合板、集成材、中密度繊維板、パーティクルボ
ード等の木質系基材、ガラス、石膏ボード、珪酸カルシ
ウム板、スレート板、木毛セメント板、スラグセメント
板、軽量気泡コンクリート板等の無機質系基材、炭素繊
維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチック等の
合成樹脂系基材、鋼板、ステンレス板、真鍮板、アルミ
ニウム板等の金属系基材等、或いはそれらの複数種の混
合物、複合体、積層体等を挙げることができる。
【0031】本発明において、基材1の表面にエンボス
模様2を形成する方法にも特に制限はなく、金属製のエ
ンボス版又はエンボスロールを使用して熱及び圧力の作
用によりエンボス模様2を賦形するメカニカルエンボス
法が最も一般的であるが、その他、例えばケミカルエン
ボス法、射出成型法、注型成型法、感光性樹脂法、賦型
フィルム法、厚膜印刷法、機械切削法、サンドブラスト
法、エッチング法、部分メッキ法、電鋳法等、従来公知
の任意の凹凸加工方法を適宜用いることができる。
【0032】エンボス模様2のなす柄の種類にも特に制
限はなく、例えば木目柄、木目導管柄、石目柄、抽象
柄、布目柄、和紙状、ヘアライン状、万線状、幾何学図
形、文字又は記号等、或いはそれらの複数種の組み合わ
せ等、所望により任意である。但し、エンボス模様2の
凹部を除く一般平面部の面積比率が著しく少ない柄であ
ると、本発明の効果は必ずしも十分に発揮されず、例え
ば木目導管柄等の様に、凹部よりも一般平面部の面積比
率の高い柄のエンボス模様2の場合に、本発明の効果が
最も顕著に発揮される。
【0033】塗料塗膜7の形成に用いる塗料の種類にも
特に制限はなく、従来より同種の化粧材における表面塗
装に使用されている塗料であれば良い。この塗料は通
例、合成樹脂を主成分とするものが用いられ、該合成樹
脂としては、例えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等
の熱可塑性樹脂や、硝化綿等の繊維素誘導体等の、非硬
化性樹脂が用いられる場合もあるが、さらに耐溶剤性や
耐摩耗性等の表面物性に優れた化粧材を得るために、例
えばイソシアネート硬化型ウレタン系樹脂、メラミン系
樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、不飽和ポリ
エステル系樹脂、アミノアルキド系樹脂、酸硬化型アク
リル系樹脂等の熱硬化性樹脂や、(メタ)アクリレート
系樹脂等の電離放射線硬化性樹脂等が用いられる場合も
ある。
【0034】また、上記塗料には必要に応じて、例えば
着色剤、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、
酸化防止剤、艶調整剤、減摩剤、滑剤、抗菌剤、防黴
剤、帯電防止剤等の各種添加剤を適宜添加することもで
きる。これらの添加剤は、二層の塗料塗膜の両方に同等
量を添加する必要性は必ずしもなく、例えば、減摩剤は
先に塗工する塗料のみに添加することによって、表面の
ざらつき感や艶の低下を防止したり、艶調整剤や滑剤、
抗菌剤等は、後から表面側に塗工する塗料のみに添加す
ることによって、効果を落とすことなく使用量を削減す
ることなども可能である。
【0035】
【実施例】<基材の調製>図4に示す様に、厚さ80μ
mのポリプロピレン系樹脂フィルムを基材シート91と
し、その表面に、木目模様の絵柄層92と、2液ウレタ
ン系のアンカー層93とを施した後、該アンカー層93
上に、無水マレイン酸変性ランダムポリプロピレン樹脂
からなる接着性樹脂層94と、ホモポリプロピレン樹脂
からなる透明樹脂層95とを、厚さがそれぞれ15μm
及び65μmとなる様に共押出ラミネート法て積層する
と同時に、透明樹脂層95の表面に、金属製のエンボス
冷却ロールを使用して、最大深度が50μmの木目導管
柄のエンボス模様99を施して、化粧シート用の基材を
作製した。
【0036】<実施例1〜4、比較例1〜3>上記基材
の表面に、下表の要領で塗料塗膜98を塗工形成し、実
施例1〜4及び比較例1〜3の化粧シートを作製した。
但し、塗料は紫外線硬化型アクリル系樹脂(溶剤:酢酸
エチル/1−プロパノール=1/1、固形分:50重量
%)、スプレー塗工装置はエアロコートシステム(ノー
ドソン株式会社製、ノズル:0.04−14″×1、平
均ミスト径:0.8μm)を使用し、塗膜厚は、二層塗
工の場合はスプレー塗工法にて5μm及びロール塗工法
にて3μm、単層塗工の場合はスプレー塗工法又はロー
ル塗工法にて8μm(いずれも乾燥硬化後)とした。実
施例1及び2においては、スプレー塗工法による塗工
後、70℃にて5秒間乾燥後、ロール塗工法による塗工
を行った。塗工及び乾燥後、紫外線を照射して塗料塗膜
を硬化させて、各化粧シートを完成した。なお、図4に
示す構成は、実施例1又は実施例2の化粧シートの場合
に相当する。
【0037】塗工方法一覧 第一の塗料塗膜 第二の塗料塗膜 実施例1 スプレー塗工法(バウンド) ロール塗工法 実施例2 スプレー塗工法(ダイレクト) ロール塗工法 実施例3 ロール塗工法 スプレー塗工法(バウンド) 実施例4 ロール塗工法 スプレー塗工法(ダイレクト) 比較例1 スプレー塗工法(バウンド) (なし) 比較例2 スプレー塗工法(ダイレクト) (なし)比較例3 ロール塗工法 (なし)
【0038】<評価>上記実施例1〜4及び比較例1〜
3の化粧シートについて、エンボス模様の凹部への付着
状態と、一般平面部における塗面の「ゆずはだ」(点付
き状の艶ムラ)及び「まだら」(塗布量が場所により不
均一なこと)の有無について評価した。その結果は下表
のとおりであった。但し、評価は目視官能検査による5
段階評価で、「5」が最も優れ(「ゆずはだ」及び「ま
だら」は、目視で認められないこと)、「1」が最も劣
ることを意味する。
【0039】
【0040】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の化粧
材の製造方法は、表面にエンボス模様が形成された基材
の表面に、スプレー塗工法と、グラビア塗工法又はロー
ル塗工法との、二種の塗工法を用いて塗料塗膜を塗工形
成するので、スプレー塗工法によりエンボス模様の凹部
の内面にも十分に塗料塗膜を塗工形成可能であるととも
に、グラビア塗工法又はロール塗工法の併用により、ス
プレー塗工法による塗料塗膜の塗面の粗さを覆い隠し、
レベリングし又は目立ちにくくすることができるので、
エンボス模様の凹部の諸物性に優れ、しかも外観意匠品
質も良好な化粧材を容易に製造することができるという
顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の化粧材の製造方法
の実施の形態を工程順に示した側断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、本発明の化粧材の製造方法
の実施の形態を工程順に示した側断面図である。
【図3】バウンド方式のスプレー塗工法の塗工部分を示
す説明図である。
【図4】本発明の化粧材の製造方法に従って製造した化
粧材である化粧シートの実施の形態を示す側断面図であ
る。
【符号の説明】
1 基材 2 エンボス模様 3 スプレー塗工ヘッド 4 スプレー塗工法による塗料塗膜 5 塗工ロール(又はグラビア版) 6 ロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗
料塗膜 7 塗料塗膜 81 基材 82 ベルト 83 スクレーパ 84 スプレー塗工ヘッド 85 塗料ミスト 86 塗料塗膜 91 基材シート 92 絵柄層 93 アンカー層 94 接着性樹脂層 95 透明樹脂層 96 スプレー塗工法による塗料塗膜 97 ロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗
料塗膜 98 塗料塗膜 99 エンボス模様
フロントページの続き Fターム(参考) 2E110 AA57 AB03 AB04 AB05 BB04 BB05 BB23 BB32 BB38 EA09 4D075 AA01 AA52 AC25 AC72 AE03 CA02 CA32 CA34 CA44 CA48 CB04 DA04 DA07 DA32 DB02 DB04 DB06 DB07 DB12 DB13 DB18 DB22 DB23 DB24 DB25 DB36 DB37 DB38 DB43 DB48 DB53 DB61 DB63 DC02 DC13 DC18 DC38 EA07 EB07 EB13 EB20 EB22 EB32 EB33 EB35 EB36 EB38

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面にエンボス模様が形成された基材の、
    該エンボス模様の凹部の内面を含む全面に、塗料塗膜を
    形成する化粧材の製造方法であって、前記塗料塗膜の形
    成を、スプレー塗工法と、グラビア塗工法又はロール塗
    工法との、二種の塗工法を順不同に用いて行うことを特
    徴とする化粧材の製造方法。
  2. 【請求項2】前記塗料塗膜の形成を、スプレー塗工法
    と、グラビア塗工法又はロール塗工法との、二種の塗工
    法をこの順に用いて行うことを特徴とする化粧材の製造
    方法。
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