JP2003164659A - ライン誘導型競走ゲーム装置における乗り換え制御システム - Google Patents
ライン誘導型競走ゲーム装置における乗り換え制御システムInfo
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Abstract
り換え走行制御における乗り換え角度を可及的に緩やか
にして、乗り換え走行の走行経路の外側への膨らみを小
さくして、できるだけ予定通りの経路を経て、スムーズ
に乗り換えがなされるように、乗り換え走行制御システ
ムを工夫すること。 【解決手段】ライン誘導型競走ゲーム装置の乗り換え制
御システムにおいて、自走体が進度線と誘導線とから現
在位置を認識して、誘導線に沿って走行させ、自走体の
走行制御手段MPU3が、目標進度と目標誘導線の指令
を受け、これらの目標進度と目標誘導線とによる目標位
置と、上記現在位置とに基づいて、乗り換え方向及び乗
り換え走行速度を算定して、自己完結的に乗り換え走行
を制御し、直近の目標進度、目標誘導線とともに次の第
2の目標進度、目標誘導線を同時に指令し、現在位置
と、第2の目標進度と第2の目標誘導線とによる第2の
目標位置とを結ぶ線の方向を乗り換え走行方向とするこ
と。
Description
る模型体を、下段走行面を走行する自走体で磁石を介し
て牽引して、模型体によるレースを環状トラックで展開
するものであって、自走体を誘導レーンによって誘導
し、中央制御装置からの指令によって、誘導線を乗り換
えながら自走体が走行する競走ゲーム装置において、中
央制御装置からの走行指令に応じて誘導レーンを逐次乗
り換えるについて、自走体の相互干渉、スリップなどの
外乱による乗り換え走行の不安定さを可及的に低減し
て、乗り換え走行の不安定化によるレースの乱れを回避
することができるものである。
せ、下段を走行する自走体で上記模型体を磁石を介して
牽引する競走ゲーム装置として、個々の自走体を下段の
走行面に敷設したレールで誘導するタイプのものがあ
り、また、2次元座標上の自走体の位置を逐次検出し、
2次元座標上の目標位置と位置検出手段で検出した位置
とによってフィードバック制御しながら目標位置を順次
追跡走行させるようにして、自走体を無軌道走行させる
ものもある(特許第2645851号公報)。また、走
行面に密に敷設した誘導レーンを、自走体が備えている
レーン検出手段で検出しながら、自走体の走行制御装置
で自己完結的にフィードバック制御して、誘導レーンを
追跡走行させるものもある(特開平10−232712
号公報)。2次元座標上の目標位置と、逐次検出した位
置(2次元座標位置)とでフィードバック制御して、目
標位置を順次経由しながら所定の走行経路を走行させる
上記従来技術は、2次元座標上の位置を細かく表示する
位置表示装置が必要であるとともに、これに対応する自
走体の位置を検出する位置検出装置が必要である。ま
た、2次元座標上の目標位置を逐次経由して走行させる
ために、自走体の向きを検出して、自走体の向きと次の
目標位置との関係で、走行速度を勘案しながら操向角度
を演算して操向制御することが必要であるので、走行制
御のための情報処理が単純でなく、その制御は複雑なも
のとなる。また2次元座標上の目標位置を順次経由する
ように、プログラム上、微小間隔で目標位置を定め、こ
れをフィードバック制御するものであるから、走行の円
滑性、安定性に問題がある。さらに、ゲーム機本体に設
けた中央制御装置は複雑な情報処理を行いながら自走体
の走行を位置情報に基づいてフィードバック制御するも
のであるから制御システムが複雑であり、それだけコス
ト高になることが避けられない。
は、基本的には走行経路を誘導ライン(又は誘導線)で
誘導するからその走行の円滑性、安定性において優れて
いる。しかし、走行経路の単純さ、競走の不自然さがあ
ることは否めず、これを解消するために誘導レーンの乗
り換えを適宜行わせることが必要である。また、誘導レ
ーンを追跡走行する自走体の走行制御は、基本的には速
度制御と乗り換え制御であるからその走行制御及びその
制御システムは単純である。しかし、レースの進行状況
からして乗り換えのタイミングがずれると、レースのリ
アルさが著しく損なわれることになる。したがって、レ
ースの進行状況からして違和感のないように適切なタイ
ミングでの乗り換え制御、速度制御などの走行制御を行
って、レースのリアルさを如何に実現するかが残された
問題である。
れたものは、レースのスタート段階で、乗り換え位置と
乗り換え方向、及び途中の走行速度を、自走体の制御メ
モリに一括して記憶させ、個々の自走体はこの一括記憶
された走行制御指令どおりに、所定の速度で、所定のと
おりに誘導レーンを順次乗り換えながらゴールまで走行
することになる。しかし、実際には、スタート時に一括
記憶させた走行制御指令速度で自走体が走行しない(ス
リップなどのため)ことが多々あるので、レースが予定
どおりに実行されない場合が少なくない。このためにレ
ースの進行状況からすれば乗り換えのタイミングがず
れ、不自然な状態で乗り換えが行われ、その結果、レー
ス進行が極めて不自然なものになりかねない。これは、
実際のレース状況とは関わり無く、レーススタート時点
で一括して入力された走行制御指令によってゴールまで
走行制御されるために生じる問題である。
た一群のものとして一括して走行制御するには、全ての
自走体の散らばりが、ある範囲内にあることが必要であ
る。特定の自走体が予定速度よりも速く走行することは
ないが、予定よりも大きく遅れることが多々あり、その
ためにレースが壊される場合が少なくない。自走体のメ
モリに予め一括して記憶させた制御データと、検出した
自走体の走行速度を基準にして速度制御するもの、ある
いは、予め用意した制御データを中央制御装置から機械
的に順次自走体に送信し、検出した走行速度データに基
づいて速度制御するものにおいては、少数の自走体の走
行遅延によって生じるレースの乱れを修正することはで
きない。予め用意した制御データを中央制御装置から機
械的に順次送信するものについては、自走体からの速度
検知データをフィードバックして補正をかけることもで
きないではないが、走行制御のための中央制御装置と自
走体の走行制御装置との間の情報交換の単純さが失わ
れ、ライン誘導型の走行制御装置の利点が失われること
になる。
して、自走体が誘導レーンを追跡しながら、模型体を磁
力を介して牽引する競走ゲーム装置について、自走体の
走行制御手段による自走体の走行制御を可及的に単純に
するとともに、レース状況に応じた乗り換え制御、速度
制御などの走行制御データを適宜送信できるように、レ
ース実行システムを工夫したものがある(特願2001
−221752号。以下これを「先行技術」という)。
上記の先行技術は、上段走行面を模型体が走行し、下段
走行面を自走体が走行し、磁力を介して自走体で模型体
を牽引して走行させる、いわば二階建構造の競走ゲーム
装置であって、自走体が下段走行面に付設した多数の誘
導線を乗り換えながら、指定された誘導線を追跡走行す
る競走ゲーム装置を基本とするものである。そして、レ
ース進行管理部(MPU1)のレース作成部で模擬レー
ス(コンピュータ上の模擬レース)を実行し、上記模擬
レースに基づいて模型体の走行制御データを作成し、こ
の走行制御データを中継制御装置(MPU2)を介して
自走体の走行制御手段(MPU3)に送信し、走行制御
手段(MPU3)の自己完結的なフィードバック制御に
よって指定された誘導線を追跡走行し、乗り換えを行う
ものである。なお、上記の走行制御データは、目標レー
ン、目標進度、走行速度などの極めて単純なものであ
る。自走体は走行している誘導線番号、走行進度を認識
し、これらのデータと中央制御装置からの走行制御デー
タとに基づいて、誘導線を逐次乗り換えながら、指令さ
れた速度でゴールまで走行する。
を参照して具体的に説明する。下段走行面に多数の環状
の誘導線1が密に付設されており、また、誘導線1に対
して直角方向の進度計測線2が所定間隔で多数設けられ
ている。この実施の形態においては進度計測線2は磁気
ラインである。
組み合わせて用い、進度センサを、赤、青、緑に対して
感度の高い3つの受光素子を組み合わせたものとするこ
ともできる。しかし、この場合は、進度線と誘導線との
検知が混線しないように、誘導線について別途工夫する
必要がある。また図1に示すように、競走トラックTの
一周に、誘導線1に直角方向の位置表示線3が計6個配
置されている。この位置表示線3は、光信号(赤外線信
号)発信器であって、誘導線番号と正確な進度とを、当
該位置表示線3を横切る自走体に送信するものである。
この位置表示線3は自走体のメモリに記録された誘導線
番号、進度を所定間隔で修正して、走行精度を向上させ
るものであるから、その個数は適宜選択すればよいこと
であるが、4個以上であれば実用上支障はない。
素子10a,10b,10cを互いに近接して設けてお
り、中央の受光素子10aが誘導線1の中心に位置し、
左右の受光素子10b,10cで誘導線1を左右から挟
む位置関係にある。受光素子は反射光を検知するもので
あり、自走体が誘導線1の中心からずれると、受光素子
10aと、左右の受光素子10bまたは10cのいずれ
かとの2つが誘導線1を検知するようになるので、自走
体の走行制御手段(MPU3)によって、受光素子10
aだけで誘導線1が検知されるように自走体の走行が制
御される。自走体の下面に磁気センサ11があって、進
度計測線2である磁気線を横切る度に一つのパルス信号
が発生する。このパルス信号を上記走行制御装置で加算
することで、進度計測線(磁気線)2を横切る度に進度
(スタート位置からの進度)が一つ加算されて、その時
点での進度が検出されることになる。
が設けられており、誘導線1を追跡しながら走行して上
記位置表示線3(赤外線発信器)を横切るときに、その
ときの誘導線番号と進度を位置表示線3から受信する。
そして、自走体の走行制御装置のメモリに記録されてい
る誘導線番号、進度が位置表示線3から受信した真値に
書き換えられる。したがって、走行制御装置のメモリに
記録された誘導線番号、進度が位置表示線3から受信し
た真値と一致しないときはこれで修正されるから、走行
中の誘導線、進度に狂いを生じることがあっても、レー
ス全体としては中央制御装置の中継制御装置20からの
指令どおりに走行して、指令どおりにレースが実行され
ることになる。
20と自走体の走行制御手段(MPU3)30との間の
信号のやり取りは図6に示すとおりである。中継制御装
置(MPU2)20からの走行指令(目標誘導線番号、
目標進度、走行速度など)がコマンド送信部から自走体
の走行制御手段(MPU3)30に送信される。中継制
御装置(MPU2)20の送信部は走行指令を送信した
ことを契機として受信モードに切り替わり、他方、走行
制御手段(MPU3)30の受信部は走行指令の受信を
契機として送信モードに切り替わる。そして、メモリに
記録されている進度が走行指令中の目標進度と一致しな
いときは、NG信号を中継制御装置(MPU2)20に
返信する。自走体の進度が目標進度に到達するまで同じ
走行指令が0.2秒間隔(自走体の数が10個の場合)
で繰り返し送信され、進度計測値が走行指令中の進度目
標に一致すると、走行制御手段(MPU3)30からO
K信号が中継制御装置(MPU2)20に返信される。
この走行指令は、走行トラックTを走行方向において多
数の区分に区画した1区画毎に、模型体の走行に2〜5
区画(段階)ほど先行して、レース進行管理部(MPU
1)40のレース作成部で作成され、作成された2〜5
区画のそれぞれの走行制御データのうちの最先の区画の
走行制御データが中継制御装置(MPU2)20のメモ
リに順次設定されるが、上記区画は時間にして0.6〜
1.0秒(通常走行時の走行距離にして90〜150m
m)である。この区画が余り長いとレースが単調にな
り、他方、短すぎると走行制御が細かくなりすぎる。こ
れらの兼ね合いからして、上記の程度が一つの目安であ
る。
U3)30によって自己完結的にフィードバック制御さ
れるが、基本的には誘導線1を受光素子で検知しなが
ら、中央制御装置の中継制御装置(MPU2)20から
の指令された走行速度で、指定された誘導線1を追跡し
なから上記目標進度まで走行する。目標進度に達すると
走行制御手段(MPU3)30からOK信号が送信され
るから、このOK信号を受信したことを契機として、中
継制御装置(MPU2)20のメモリに設定されている
走行指令が次の区画のコマンドに更新され、このコマン
ドが送信されることになる。なお、走行指令が更新され
るときは、次の走行指令を走行制御手段(MPU3)3
0が受信するまでの間、直前の走行指令における走行速
度で走行を継続するので、走行は滑らかに継続される。
受信した走行指令の目標誘導線番号が、自走体の走行制
御手段(MPU3)30のメモリに記録されている誘導
線番号と一致しない場合は、当該誘導せん番号と目標誘
導線番号との差がゼロになるように、必要な誘導線の乗
り換えを行い、一致したところでその誘導線を追跡走行
するようになる。誘導線を一つ乗り換えるとき、中央の
受光素子10aの出力が変化するので、この変化をカウ
ントすることで自走体が誘導線を乗り換えた数を検知す
ることができる。
り換え角度(図7参照)で乗り換え走行するが、この乗
り換え方向の角度(図7参照)については、中央制御装
置から指定してもよく、また、走行速度との関係で走行
制御手段(MPU3)30が適宜選択するようにしても
よい。中央制御装置から指令する場合は、自走体の走行
制御手段(MPU3)30のメモリに予め多数の乗り換
え角度を用意しておいて、乗り換え角度をコード番号で
自走体の走行制御手段に送信し、これを受信した自走体
が当該コードに対応する乗り換え角度を上記メモリから
選択するようにすればよく、また、この乗り換え角度
を、自走体の左右の駆動輪の回転速度差として用意して
おいてもよい。さらに、自走体の走行制御手段(MPU
3)が走行速度との関係で自ら選択する方式にしてもよ
い。この場合は、適宜に区分された走行速度範囲毎に乗
り換え角度を用意しておいて、個々の走行速度から適宜
の乗り換え角度を選択するようにするのもよい。
1)40のレース作成部は、個々の模擬レースにおける
制御条件(出走馬、出走馬それぞれの特性、着順など)
等を基礎データとして、個々の出走馬の脚足などの特性
による走行を基本としつつ、追突、干渉を避けるために
必要な所定の計算条件に従って演算を繰り返して、馬群
の纏まりを保ちつつ整然とした模擬レースをコンピュー
タ内で進行させる。そして、この模擬レースにおける走
行制御データから、ライン誘導型競走ゲーム装置におけ
る目標誘導線、目標進度、走行速度等の走行制御データ
を作成して、これを順次バッファメモリに設定する。な
お、模擬レースの演算は、自走体走行面の誘導線と進度
目盛り線(進度計測線又は進度線と同じ)とによるxy
座標と符合するXY座標の下でなされるから、模擬レー
スが展開されるXY座標上の位置は、自走体走行面の誘
導線番号と進度とによる位置との相関関係から、レーン
番号と進度とによる走行面上の位置に変換される。ま
た、模擬レースのための演算はこの例では、上記走行区
画にして4区画(レース進行の観点からすれば4段階)
だけ模型体のレースよりも先行して行われ、模擬レース
の制御データがレース進行管理部(MPU1)40のレ
ース作成部のバッファメモリに蓄積され、一区画(レー
ス進行の一段階)分レースが進行する毎に、メモリに蓄
積されている制御データが順次更新される。また、MP
U2からのOK信号の返信に応答して、レース進行管理
部(MPU1)40のレース作成部のメモリ内の制御デ
ータを順に中継制御装置(MPU2)20に送信して、
そのメモリに記録されている指令を更新させる。
模擬レースは、スタート時点において制御条件の一つと
して与えられた着順になるようにする。上記レース作成
部は各模型体に与えられた馬脚などの特性(模型体の馬
脚、年齢、性別などによる特性)によって模擬レースを
行うことを基本とし、中継制御装置(MPU2)20が
管理するレース進行タイマー50が、模擬レースの制御
タイマーを兼ねている。何等かの障害によって、特定の
自走体が目標進度に遅れて到達した場合は、その遅れに
合わせるように、レース進行タイマー50の計時速度が
遅らされ、これによって、上記MPU1のレース作成部
で実行される模擬レースの進行速度が遅らされる。他
方、中継制御装置(MPU2)20が目標進度への到達
が遅れていない他の自走体に対する走行速度を、レース
進行タイマー50の計時速度の遅延に応じた割合で減速
処理して、当該自走体の走行速度を遅延させ、これによ
って模型体のレース進行を遅らせる。
0が管理するレース進行タイマー50がMPU1のレー
ス作成部による模擬レースの制御タイマーを兼ねてお
り、かつ、上記中継制御装置(MPU2)20が模型体
のレースを遅延させることによって、模擬レースの進行
速度と自走体によるレースの進行速度が同期するように
なる。また、実際のレースの進行状況に合わせて上記レ
ース作成部による模擬レースが進行される。
は、誘導ライン(誘導線と同じ、以下「誘導線」とい
う)に沿って走行している限り、相互干渉、スリップな
どの外乱があっても、誘導線によって走行基準が明確に
規定されているので、フィードバック制御によってその
走行は安定的に制御される。ところで、乗り換え走行制
御時の乗り換え走行方向を定めるには、走行方向の角度
を予め選定してあってその角度方向に走行するように左
右の駆動輪を駆動して目標誘導線に向けて走行させる手
法、あるいは、指令された次の目標誘導線と目標進度線
の交点を目標点として走行方向を算定し、その角度方向
に走行するように左右の駆動輪を駆動して目標誘導線に
向けて走行させる手法など、種々の手法を採用すること
ができる。この発明は後者の手法による場合についての
ものである。後者の手法による場合は、上記先行技術に
よれば、乗り換え誘導線の変更がない場合は、自走体は
そのままの誘導線を単純に追跡走行するが、乗り換え誘
導線の変更がある場合は、指令された目標進度と目標誘
導線との交点を目標位置にして、その方向への走行角度
を算定し、この算定した走行角度を基にして必要な転向
操作を行い、やがて目標誘導線に乗せる(乗り継がせ
る)ことになる。ところが、乗り換え走行においては、
外側に膨らんだ経路wを辿る(図8の一点鎖線の経路参
照)ので、乗り換え走行が予定どおりに行われず、この
ためにレースがスムーズに進行しなくなる場合がある。
誘導型競走ゲーム装置について、その乗り換え走行制御
における乗り換え角度を可及的に緩やかにして、乗り換
え走行の走行経路の外側への膨らみを小さくして、でき
るだけ予定通りの経路を経て、スムーズに乗り換えがな
されるように、乗り換え走行制御システムを工夫するこ
とをその課題とするものである。
手段は、先行技術における乗り換え走行制御を次のよう
にしたことである。 (イ)自走体が進度線と誘導線とから現在位置を認識し
て、誘導線に沿って走行させること、(ロ)自走体の走
行制御手段MPU3が、目標進度と目標誘導線の指令を
受け、これらの目標進度と目標誘導線とによる目標位置
と、上記現在位置とに基づいて、乗り換え方向及び乗り
換え走行速度を算定して、自己完結的に乗り換え走行を
制御すること、(ハ)直近の目標進度、目標誘導線とと
もに次の第2の目標進度、目標誘導線を同時に指令し、
現在位置と、第2の目標進度と第2の目標誘導線とによ
る第2の目標位置とを結ぶ線の方向を乗り換え走行方向
とすること。
走行中、目標進度y0に達すると、そのときのOK信号
に応答して中継制御装置(MPU2)から目標進度y3
が走行制御手段(MPU3)に指令される。このとき、
目標進度y3,誘導線x0とともに第2の目標進度y
6、目標誘導線x2が指令され、第2の目標において誘
導線の変更があるから、走行制御手段MPU3は、進度
y0に達したとき、その交点(y0,x0)と上記の目
標進度y6、目標誘導線x2の交点(y6,x2)とを
結ぶ線L1(いわば乗り換え線)に向けて転向させるよ
うに制御し、上記線L1の方向に走行して目標進度y3
に達したときに、OK信号を中継制御装置(MPU2)
に送信する。このOK信号に応答して、目標進度6y、
目標誘導線x2が指令されるとともに第2の目標進度y
9、目標誘導線x2が指令される。このとき、走行制御
手段MPU3は、自走体の目標進度線y3と上記線L1
との交点の位置(xm)を、走行制御手段のCPUの適
宜の演算によって判別し、当該位置(y3,xm)と第
2の目標進度y9、目標誘導線x2の交点(y9,x
2)とを結ぶ線L2の方向に転向させるように制御して
目標誘導線x2に乗り継がせる。以上のように、乗り換
え開始点(y3,x0)の1つ手前の段階(y0,x
0)で、乗り換え目標位置(y6,x2)に向けた乗り
換えを開始するので、所定の乗り換え開始位置(y3,
x0)で乗り換え目標位置(y6,x2)に向けて乗り
換えを開始する場合に比して、転向角度(図8における
(90度−Θ)の角度)が緩やかになる。したがって、
この乗り換え開始後の走行経路の外側への膨らみが著し
く低減される。また、自走体が目標進度y3に達した場
合の当該目標誘導線x2と上記線L2との間の角度は乗
り換え開始の場合と同様に緩やかになるので、その分だ
け目標誘導線x2への乗り継ぎも滑らかになる。したが
って、乗り換え開始点(y0,x0)及び乗り換え点
(y9,x2)における、走行経路の膨らみが低減さ
れ、全体として比較的滑らかな経路に沿ってほぼ予定ど
おりに乗り換え走行がなされる。
(ホ)自走体の目標進度y3への到達点の、当該目標進
度線(y3)上の位置(y3,xm、図8参照)を、乗
り換え方向の角度Θに基づく走行制御手段(MPU3)
の演算によって決定するようにすることである。
え開始点(y0,x0)と第2の目標進度(y6)と目
標誘導線(x2)の交点を結ぶ線Lの方向を乗り換え方
向とし、上記線L1の角度Θに基づいて上記線L1と目
標進度線(y3)との交点(y3,xm)を求める。こ
の交点の位置(y3,xm)と、進度線y3に到達した
ときに指令される第2の目標進度y9と目標誘導線x2
の交点(y9,x2)とを結ぶ線L2の方向が、いわば
目標誘導線x2への進入方向となる。上記線L2と目標
進度線x1との間の角度は、乗り換え開始点(y0、x
0)における上記線L1と誘導線x0の間の角度(角度
(90度−Θ))よりも小さいので、交点(y3,x
m)から目標誘導線x2への走行経路の膨らみが低減さ
れ、目標誘導線x2への乗り継ぎが極めて滑らかにな
る。
(ヘ)誘導線間に多数の仮想誘導線を走行制御手段のC
PU内で規定し、誘導線追跡用受光素子の受光量の変化
を分析して、上記仮想誘導線の順番を特定することによ
り、自走体の進度線(y3)への到達点の、当該進度線
(y3)上における誘導線と誘導線との間の位置(x
n、図9参照)を決定することである。
御手段(MPU3)のCPUによって誘導線追跡用受光
素子の受光量の変化を分析して、自走体と目標誘導線x
1との実際の位置関係が決定されるので、乗り換え走行
中の走行経路の乱れ(外乱などによる)の影響が排除さ
れる。したがって、目標進度y3への到達点の目標進度
y3上の位置(y3,xn)と第2の目標位置(y9,
x1)とを結ぶ線L2の方向(角度)の設定、すなわち
乗り換え走行経路の第2段階の方向(角度)の設定が実
際の走行状態に基づいて成され、乗り換え走行制御の精
度が向上し、安定した乗り換え走行がなされる。
2において、自走体の走行制御手段(MPU3)が目標
進度到達時間を指令され、当該目標進度到達時間と目標
進度までの距離とに基づいて走行速度を演算して決定す
ることである。
進度到達時間とによって与えられ、自走体の走行制御手
段(MPU3)によって走行速度を決定するから、模型
体の走行遅延が自走体の走行制御手段の速度制御によっ
て回復されることになる。したがって上記遅延回復のた
めの情報処理をレース進行管理部で行う場合に比して単
純化される。
進度までの走行距離と目標進度到達時間とに基づいて、
目標進度に到達するまでの間に走行速度を複数回繰り返
して演算し、決定することである。
時間とに基づいて走行速度の演算・決定を複数回繰り返
すので、目標進度到達時間を基準としたフィードバック
制御がなされ、したがって、スリップなどの外乱による
走行遅延を速やかに回復して目標進度到達時間に正確に
目標進度に到達する。それゆえ、自走体の走行がレース
作成部で実行される模擬レースにおける模型体の走行に
確実に倣うことになって、レース進行が円滑になされ
る。
mで、進度線の間隔(ピッチ)10mmのライン誘導型
競馬ゲーム装置の自走体の走行制御システムにこの発明
を適用した例を説明する。この競馬ゲーム装置において
は1回の走行指令によって、目標進度、目標誘導線番
号、目標進度への到達時間が与えられ、指令された目標
到達時間と目標進度と基づいて、走行制御手段MPU3
がその間の走行速度を演算して決定する。図9の例は、
この発明による乗り換え制御を最も単純にしたものであ
る。自走体10は、誘導線x0を追跡走行していて、そ
の進度がy0の位置にあって、進度y0に到達してOK
信号を中継制御装置MPU2に返信し、目標進度y3、
目標誘導線x0を受信した状態にある。このとき、目標
進度y3、目標誘導線x0とともに、次の第2目の目標
進度y6と目標誘導x1をも受信するので、この時点
で、走行制御手段(MPU3)は進度y0において、現
在位置(y0,x0)から乗り換え目標位置(y6,x
1)へ向う角度(いわば乗り換え角度)Θを演算する。
この角度Θは、現在位置(y0,x0)から乗り換え目
標位置(y6,x1)とを結ぶ線L1の角度(すなわち
6進度/1誘導線間隔の角度)である。そこで、目標進
度y3に到達するまでの目標到達時間tを勘案して、走
行制御手段(MPU3)が上記線L1の方向での走行速
度を演算し、これに基づいて上記線L1の方向への転向
を開始させる。いうまでもないが、乗り換え方向での走
行速度は、上記線L1の方向での走行距離と目標進度到
達時間とに基づいて演算され、上記線L1の方向での走
行距離は、当該線L1の方向の角度と、目標進度数3
(y3−y1)と乗り換え幅1(x1−x0)とによっ
て幾何学的に演算される。このようにして乗り換え走行
中に目標進度y3に到達すると、走行制御手段(MPU
3)はOK信号を中継制御装置(MPU2)に返信し、
これに応答して、MPU2が目標進度y6,目標誘導線
x1を指令し、同時に次の第2の目標進度y9,誘導ラ
インx1を指令する。目標進度線y3に到達した段階
で、当該位置(進度線y3上の位置)を判別し、当該位
置と次の目標位置(y9,x1)とを結ぶ線L2の角度
Θ1を演算し、当該方向へ指向させるために第2段階の
転向制御を行う。上記角度Θ1の演算は、上記Θの演算
と同様であり、自走体の走行方向は第2段階の転向制御
によって、上記角度ΘからΘ1の方向に変更されること
になる。
進度線y3との交点(y3,xm)として幾何学的演算
によって求めることもできるが、乗り換え走行開始位置
(y0,x0)からの第1段階の実際の走行経路は外側
に膨らむので、計算上の位置(xm)と誤差を生じる。
この実施例においては、実際の位置xnを光学的に検出
して、当該位置(y3,xn)と目標位置(y9,x
1)とを結ぶ線L2の方向の角度Θ1を求め、当該角度
Θ1を基にして、目標進度y6への目標到達時間を勘案
して、乗り換え走行における第2段階での走行速度を演
算する。上記の実際の位置(y3,xn)は、走行制御
手段のCPU内での仮想位置であり(以下これを「仮想
位置」という)、ライン追跡用の3つの受光素子10
a,10b,10cの出力変化を利用して、次のように
して検出される。
位置検出方法の概略を説明する。自走体裏面の中央の受
光素子10aの検出範囲の中心が誘導線1の中心線sに
一致している状態から、例えば進行方向右方(図10に
おけるy方向)に移動すると、受光素子10aによる誘
導線1の検出幅が減少し、その分だけ受光素子10aの
受光量が変化する。他方、右方の受光素子10cによる
誘導線1の検出幅が減少し、その分だけ右方の受光素子
10cの受光量が変化し、他方、左方の受光素子10b
による誘導線1の検出幅が増大し、その分だけ左方の受
光素子10bの受光量が変化する。上記の右方向への移
動量(誘導線1の中心sからのずれ量)が誘導線1の1
ピッチに達したとき、3つの受光素子の受光量は元に戻
る。この間の受光量を電気量に変換することによって、
上記ずれ量を電気量の変化量として検出することができ
る。左右の受光素子による受光量の上記の変化は互いに
反対方向であるから、この変化量の差の変化によって、
自走体の誘導線1の中心線sからのずれの方向が検知さ
れる。
線を自走体の走行制御手段(MPU3)において規定
し、この規定値と受光素子の受光量に比例する電気量と
を比較することで、上記走行制御手段が自走体の誘導線
1の中心線sからのずれ量を判別することができる。そ
して、上記のずれ量から誘導線1,1の間における自走
体の位置(図9におけるxn)が特定される。
p1,p2,・・・pnで等分し、この仮想誘導線をp
1,p2,p3,・・・pnとするとき、走行制御手段
(MPU3)によって制御されて、自走体10は誘導線
1の中心から仮想誘導線p1の方向へ向かって斜め(例
えば、図10における矢印方向)に走行することにな
る。このとき、3つの受光素子の受光量が図11のよう
に変化するから、この変化量と仮想誘導線p1,p2,
p3,・・・pnとの相関関係から、上記変化量を検出
することによって仮想誘導線p1,p2,p3,・・を
判別することができる。この位置検出システムによる場
合は、図8、図9の誘導線x0,x1,x2・・・の間
に位置する上記仮想誘導線p1,p2,p3が走行制御
手段(MPU3)で規定されていて、自走体の誘導線間
の位置が仮想誘導線の番号として走行制御手段(MPU
3)によって順次特定されることになる。なお、各誘導
線と仮想誘導線p1,p2,p3との位置関係は走行制
御手段(MPU3)において認識されているから、誘導
線x0,x1,x2・・・と仮想誘導線p1,p2,p
3とは走行制御手段(MPU3)において関連付けられ
ている。
て与えるのではなく、目標進度への目標到達時間が与え
られるものであるが、走行指令として速度情報が与えら
れる場合は、目標進度へ所定の時間で到達するために必
要な走行速度がレース進行管理部で演算されて、これが
自走体の走行制御手段(MPU3)に指令される。した
がって、自走体は目標進度に到達するまで指令された速
度で走行することになる。しかし、実際には、自走体の
相互接触、スリップなどのために走行速度は一定せず、
したがって、目標進度への到達時刻が安定しない。これ
に対して上記実施例のように目標到達時間が指令される
場合は、目標進度までの走行距離(進度によって計測さ
れる走行距離)と残り目標到達時間とによって走行速度
が繰り返し演算され、目標進度に到達するまでこれを複
数回繰り返すことができる。このように目標進度に到達
するまで走行速度の演算を複数回繰り返す場合は、その
間の走行速度が残り距離と残り時間とに応じて逐次変動
し、その結果、予定どおりの時間で目標進度に到達する
ことになる。すなわち走行制御手段(MPU3)によっ
て目標到達時間を基準にして走行速度がフィードバック
制御されることになる。
作成部でコンピュータ上の模擬レースを展開させて、こ
れを模型体のレースで模倣させる先行技術においては、
誘導線間の乗り換えが鋭角的になることが避けられず、
また、このために乗り換え走行経路が大きく外側に膨ら
み、その結果、予定どおりの経路にそって乗り換え走行
させることは難しい。このために、自走体の走行経路が
上記模擬レースにおける模型体の走行と必ずしも一致せ
ず、レース進行上の種々の不都合を生じる。しかし、自
走体からのOK信号に応答して中継制御手段MPU2か
ら発信される走行指令によって、直近の制御データとと
もにその一つ先の制御データを走行制御手段(MPU
3)に与えておくことによって、走行制御手段は、乗り
換え位置を1ステップだけ先読みして、これを取り込ん
だ形で乗り換えを開始するので、乗り換え走行の転向角
度が滑らかになり、乗り換え走行をよりスムーズにし、
これによって、乗り換え走行の上記模擬レースにおける
模型体の進路変更とのずれを可及的に減少させることが
できる。それゆえ、乗り換え走行時の走行経路の大きな
乱れを回避し、模型体によるレースを、上記模擬レール
に倣ってスムーズに進行させることができる。
を示す平面図である。
図である。
に示す断面図である。
模式的に示す断面図である。
を模式的に示す断面図である。
信の順序を模式的に示す図である。
示す平面図である。
る。
関係を示す模式的な拡大平面図である。
的に示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】上段走行面を走行する模型体を、下段走行
面を走行する自走体で磁石を介して牽引して、模型体に
よるレースを環状トラックで展開するものであって、自
走体を誘導レーンによって誘導し、中央制御装置からの
指令によって、誘導レーンを乗り換えながら自走体が走
行するライン誘導型競走ゲーム装置の乗り換え制御シス
テムにおいて、 自走体が進度線と誘導線とから現在位置を認識し、誘導
線に沿って走行し、 自走体の走行制御手段MPU3が、目標進度と目標誘導
線の指令を受け、これらの目標進度と目標誘導線とによ
る目標位置と、上記現在位置とに基づいて、乗り換え方
向及び乗り換え走行速度を算定して、自己完結的に乗り
換え走行を制御し、 直近の目標進度、目標誘導線とともに次の第2の目標進
度、目標誘導線を同時に指令し、現在位置と、第2の目
標進度と第2の目標誘導線とによる第2の目標位置とを
結ぶ線の方向を乗り換え走行方向とする、ライン誘導型
競走ゲーム装置における乗り換え制御システム。 - 【請求項2】請求項1のライン誘導型競走ゲーム装置に
おける乗り換え制御システムにおいて、 自走体の目標進度線(y3)への到達点の、当該目標進
度線(y3)上の位置(y3,xm)を、乗り換え方向
の角度に基づく走行制御手段(MPU3)の演算によっ
て決定するようにしたライン誘導型競走ゲーム装置にお
ける乗り換え制御システム。 - 【請求項3】請求項1のライン誘導型競走ゲーム装置に
おける乗り換え制御システムにおいて、 誘導線間に多数の仮想誘導線を走行制御手段のCPU内
で規定し、誘導線追跡用受光素子の受光量の変化を分析
して、上記仮想誘導線の順番を特定することにより、自
走体の進度線(y3)との交点の、当該進度線上におけ
る誘導線と誘導線との間の位置(xn)を決定するよう
にしたライン誘導型競走ゲーム装置における乗り換え制
御システム。 - 【請求項4】自走体の走行制御手段(MPU3)が目標
進度到達時間を指令され、当該目標進度到達時間と目標
進度までの距離とに基づいて走行速度を演算して決定す
る、請求項2または請求項3のライン誘導型競走ゲーム
装置における乗り換え制御システム。 - 【請求項5】目標進度までの走行距離と目標進度到達時
間とに基づいて、目標進度に到達するまでの間に、走行
速度を複数回繰り返して演算して決定する請求項4のラ
イン誘導型競走ゲーム装置における乗り換え制御システ
ム。
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-
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