JP2003164173A - 駆動装置 - Google Patents

駆動装置

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JP2003164173A JP2001357660A JP2001357660A JP2003164173A JP 2003164173 A JP2003164173 A JP 2003164173A JP 2001357660 A JP2001357660 A JP 2001357660A JP 2001357660 A JP2001357660 A JP 2001357660A JP 2003164173 A JP2003164173 A JP 2003164173A
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械共振特性の有する位相伝達特性に頼るこ
となく、最適な機械変位の応答が得られる駆動装置を提
供する。 【解決手段】 駆動回路14は、所定の周波数の第1の
駆動信号を生成する第1の駆動回路151と、第1の駆
動信号とは異なる所定の周波数の第2の駆動信号を生成
する第2の駆動回路152とを備え、第1の駆動信号と
第2の駆動信号とを加算して圧電素子26に印加するこ
とで当該圧電素子26を駆動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動装置に関し、
特にはXY移動ステージ、カメラの撮影レンズ、オーバ
ヘッドプロジェクタの投影レンズ、双眼鏡のレンズ等の
駆動に適した駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、撮影レンズ等が取り付けられた係
合部材を棒状の駆動部材に所定の摩擦力を有するように
結合させると共に、その駆動部材の一方端に圧電素子を
固着して構成されたインパクト型圧電アクチュエータか
らなる駆動装置が知られている。例えば、図10は、カ
メラの撮影レンズ位置を調節するための駆動装置の概略
構成を示す図である。
【0003】この図10における駆動装置100は、電
気機械変換素子である圧電素子101と、圧電素子10
1により駆動される棒状の駆動部材102と、駆動部材
102に所定の摩擦力で結合された係合部材103と、
圧電素子101に駆動電圧を印加する駆動回路104と
を備えている。
【0004】圧電素子101は、駆動回路104から印
加される駆動電圧に応じて伸縮するものであり、その伸
縮方向における一方端が支持部材105に固着されると
共に、その他方端が駆動部材102の軸方向における一
方端に固着されたものである。係合部材103は、所定
箇所に駆動対象物である撮影レンズLが固着され、駆動
部材102上を軸方向に沿って移動可能とされている。
【0005】駆動回路104は、図11に示すように、
波形発生器107とパワーアンプ108とで構成され
る。波形発生器107は、例えば0〜5Vの矩形波から
なる駆動電圧を生成してパワーアンプ108に入力し、
パワーアンプ108は、波形発生器107から供給され
る駆動電圧を例えば0〜10Vの矩形波からなる駆動電
圧に増幅して圧電素子101に印加する。
【0006】このように構成された駆動装置100で
は、駆動回路104から、例えばデューティ比D(D=
B/A)が0.25である図12(a)に示すような矩
形波形の駆動電圧が圧電素子101に印加される。この
駆動電圧を用いた駆動方法は、インパクト型圧電アクチ
ュエータを構成する圧電素子101に結合された駆動部
材102の機械共振特性による振幅伝達特性と位相伝達
特性とを利用している。
【0007】図13(a)は振幅伝達特性を示す図であ
り、縦軸は駆動部材102の振幅を表し、横軸は駆動部
材102の機械共振周波数frに対する駆動周波数fd
の比(fd/fr)を表す。図13(b)は位相伝達特
性を示す図であり、縦軸は位相を表し、横軸は駆動部材
102の機械共振周波数frに対する駆動周波数fdの
比(fd/fr)を表す。複数の共振のなかで最も低い
機械共振周波数fr1の前後に駆動電圧に含まれる基本
波信号の周波数fd1(図12(b)参照)と第2高調
波の周波数fd2(図12(c)参照)とをfd1<f
r1<fd2となるように設定することによって第3高
調波の周波数fd3以上の高調波信号成分に対する駆動
軸の機械応答を低下させる。そして、機械共振のただ一
つのモードを有する分布を表す単峰特性を利用して基本
波信号と第2高調波信号とに対する適当な機械変位の応
答を得て、さらに基本波と第2高調波との位相関係を変
化させることで最終的に駆動軸の機械変位が図12
(d)に示すような鋸波形となるように駆動電圧の振
幅、デューティ比D、駆動周波数fd、振幅伝達特性及
び位相伝達特性を設定することによって所望のインパク
ト型圧電アクチュエータの機械負荷速度を得ている。
【0008】また、駆動装置100の動作としては、駆
動電圧が圧電素子101に繰り返し印加されると、圧電
素子101の伸縮により係合部材103は繰出方向(圧
電素子101から離反する方向)である矢印a方向に移
動する(図10参照)。すなわち、図12(d)に示す
機械変位の緩慢な立ち上がり部Cでは駆動部材102が
緩やかに伸長することになるため、係合部材103と駆
動部材102との摩擦係数が大きくなり、係合部材10
3は駆動部材102と共に繰出方向に移動する一方、急
峻な立ち下がり部Dでは駆動部材102が急激に縮小す
ることになるため、係合部材103と駆動部材102と
の摩擦係数が小さくなり、駆動部材102が戻り方向
(矢印aとは逆方向)に移動しても係合部材103は駆
動部材102上をスリップして略同位置に留まることに
なる。このため、図12(a)に示すような波形の駆動
電圧が圧電素子101に繰り返し印加されると、係合部
材103は矢印a方向に間欠的に移動する。
【0009】また、係合部材103を戻り方向に移動さ
せる場合は、駆動電圧のデューティ比Dを変化させるこ
とで図12(d)に示す立ち上がり部Cを急峻な立ち上
がりとなるようにし、立ち下り部Dを緩慢な立ち下りと
なるようにする。これにより、機械変位の急峻な立ち上
がり部Cでは駆動部材102が繰出方向に急激に伸長す
ることになるため、係合部材103と駆動部材102と
の摩擦係数が小さくなり、係合部材103は駆動部材1
02上をスリップして略同位置に留まる一方、緩慢な立
ち下がり部Dでは駆動部材102が緩やかに縮小するこ
とになるため、係合部材103と駆動部材102との摩
擦係数が大きくなり、係合部材103は駆動部材102
と共に戻り方向(矢印aとは逆方向)に移動することに
なる。このため、係合部材103は矢印aの逆方向に間
欠的に移動することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記の
従来の駆動装置において、振幅伝達特性や位相伝達特性
はインパクト型圧電アクチュエータの機械設計によって
達成される特性であるため、低コスト化及び小型化等の
制約で自由に設計できるものではない。また、駆動信号
としては、その振幅とデューティ比Dは操作可能であ
り、基本波と第2高調波との振幅の合成比は変えること
ができるが、デューティ比Dを変えても位相は同相のま
まで変わらないため位相関係を操作することは困難であ
る。そのため、インパクト型圧電アクチュエータの機械
設計で位相関係を設定する必要があるが、この場合も低
コスト化及び小型化等の制約で自由に設計できるもので
はない。
【0011】本発明は、上記の問題を解決するためにな
されたもので、振幅や合成比の他に位相関係も操作可能
である駆動信号の印加方法によって、機械共振特性の有
する位相伝達特性に頼ることなく、最適な機械変位の応
答が得られる駆動装置を提供することを目的とするもの
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、駆動信号が印加されることにより伸縮する電気機械
変換素子と、前記電気機械変換素子の伸縮方向における
一方端に固着された支持部材と、前記電気機械変換素子
の伸縮方向における他方端に固着された駆動部材と、前
記駆動部材に所定の摩擦力で係合された係合部材と、前
記電気機械変換素子を駆動する駆動回路とから構成さ
れ、前記電気機械変換素子を異なる速度で伸縮させるこ
とで前記支持部材と前記係合部材とを相対移動させる駆
動装置において、前記駆動回路は、所定の周波数の第1
の駆動信号を生成する第1の駆動手段と、前記第1の駆
動信号とは異なる所定の周波数の第2の駆動信号を生成
する第2の駆動手段とを備え、前記第1の駆動信号と前
記第2の駆動信号とを加算して前記電気機械変換素子に
印加することで当該電気機械変換素子を駆動させること
を特徴とする。
【0013】この構成によれば、第1の駆動手段によっ
て生成された所定の周波数の第1の駆動信号と、第2の
駆動手段によって生成された第1の駆動信号とは異なる
所定の周波数の第2の駆動信号とを加算して電気機械変
換素子に印加することで当該電気機械変換素子が駆動さ
れる。このため、第1の駆動信号と第2の駆動信号の位
相関係を操作することによって電気機械変換素子の機械
共振特性の有する位相伝達特性に頼ることなく、最適な
機械変位の応答が得られる駆動装置が実現される。
【0014】請求項2に記載の発明は、第1の駆動信号
及び第2の駆動信号は、いずれも矩形波またはいずれも
正弦波またはいずれか一方が矩形波で他方が正弦波であ
ることを特徴とする。この構成によれば、第1の駆動信
号及び第2の駆動信号として生成される波形は、いずれ
も矩形波またはいずれも正弦波またはいずれか一方が矩
形波で他方が正弦波であるため、第1の駆動信号及び第
2の駆動信号の波形に応じた駆動信号を得ることができ
る。
【0015】請求項3に記載の発明は、第1の駆動信号
の周波数と第2の駆動信号の周波数との比が整数比であ
ることを特徴とする。この構成によれば、第1の駆動信
号の周波数と第2の駆動信号の周波数との比が整数比で
ある駆動装置に適用することができる。
【0016】請求項4に記載の発明は、前記整数比は
1:2であることを特徴とする。この構成によれば、第
1の駆動信号の周波数と第2の駆動信号の周波数との比
が1:2である駆動装置に適用することができる。
【0017】請求項5に記載の発明は、第1の駆動信号
と第2の駆動信号との位相関係を変化させて前記電気機
械変換素子の伸縮方向における駆動速度を変化させるこ
とを特徴とする。この構成によれば、第1の駆動信号と
第2の駆動信号との位相関係を変化させることで電気機
械変換素子の伸縮方向における駆動速度を変化させるた
め、例えば、鋸波形の最適状態の機械変位を得ている状
態から第1の駆動信号と第2の駆動信号との位相関係を
変化させることで当該変化量に応じた滑らかな速度変化
を得ることができる。
【0018】請求項6に記載の発明は、前記電気機械変
換素子の最も低い機械共振周波数frに基づいて第1の
駆動信号及び第2の駆動信号の周波数を設定することを
特徴とする。この構成によれば、第1の駆動信号及び第
2の駆動信号の周波数が電気機械変換素子の最も低い機
械共振周波数frに基づいて設定されるため、例えば、
第1の駆動信号の駆動周波数fd1と第2の駆動信号の
駆動周波数fd2とをfd1<fr<fd2となるよう
に設定することや、fr<fd1<fd2となるように
設定することや、fd1<fd2<frとなるように設
定することができ、設定の自由度が増すこととなる。
【0019】請求項7に記載の発明は、第1の駆動信号
と第2の駆動信号とは互いに周波数が同じであり、第1
の駆動信号のデューティ比D1と第2の駆動信号のデュ
ーティ比D2とは、D1+D2=1の関係にないことを
特徴とする。この構成によれば、第1の駆動信号と第2
の駆動信号とが互いに周波数が同じであり、第1の駆動
信号のデューティ比D1と第2の駆動信号のデューティ
比D2とが、D1+D2=1の関係にない場合にも適用
することができ、設定の自由度が増すこととなる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態に係
るインパクト型圧電アクチュエータからなる駆動装置の
基本構成を概略的に示すブロック図である。この図にお
いて、駆動装置10は、駆動部12と、駆動部12を駆
動する駆動回路14と、駆動部12に取り付けられてい
る係合部材30の位置を検出する部材センサ16と、駆
動部12の基端に配設された基端センサ18と、駆動部
12の先端に配設された先端センサ20と、全体の動作
を制御する制御部22とを備えている。
【0021】図2は、駆動部12の構成例を示す斜視図
である。この図において、駆動部12は、素子固定式構
造のものであり、支持部材24、電気機械変換素子であ
る圧電素子26、駆動部材28及び係合部材30から構
成されている。
【0022】支持部材24は、圧電素子26及び駆動部
材28を保持するものであり、円柱体の軸方向両端部2
41,242と略中央に位置する仕切壁243とを残し
て内部を刳り貫くことにより形成された第1の収容空間
244及び第2の収容空間245を有している。この第
1の収容空間244には、圧電素子26がその分極方向
である伸縮方向を支持部材24の軸方向と一致させた状
態で収容されている。また、第2の収容空間245に
は、駆動部材28と係合部材30の一部とが収容されて
いる。
【0023】圧電素子26は、例えば、所定の厚みを有
する複数枚の圧電基板を各圧電基板間に電極を介して積
層することにより構成したものであって、その伸縮方向
(積層方向)である長手方向の一方端面が第1の収容空
間244の一方端部241側端面に固着されている。支
持部材24の他方端部242及び仕切壁243には中心
位置に丸孔が穿設されると共に、この両丸孔を貫通して
断面円形状の棒状の駆動部材28が第2収容空間245
に軸方向に沿って移動可能に収容されている。
【0024】駆動部材28の第1の収容空間244内に
突出した端部は圧電素子26の他方端面に固着され、駆
動部材28の第2の収容空間245の外部に突出した端
部は板ばね32により所定のばね圧で圧電素子26側に
付勢されている。この板ばね32による駆動部材28へ
の付勢は、圧電素子26の伸縮動作に基づく駆動部材2
8の軸方向変位を安定化させるためである。
【0025】係合部材30は、駆動部材28の軸方向の
両側に取付部301を有する基部302と、両取付部3
01の間に装着される挟込み部材303とを備えてお
り、基部302が駆動部材28に遊嵌されると共に、挟
込み部材303が両取付部301に取り付けられた板ば
ね304により下方に押圧されて駆動部材28に接触す
ることで係合部材30が所定の摩擦力で駆動部材28に
結合され、係合部材30に対してその摩擦力よりも大き
な駆動力が作用したときに駆動部材28の軸方向に沿っ
て移動可能とされている。なお、係合部材30には駆動
対象物である撮影レンズL(図1)が取り付けられる。
【0026】図3は、駆動回路14の構成例を示す図で
ある。図3に示す駆動回路14は、ブリッジ回路で構成
され、第1の駆動手段である第1の駆動回路151と第
2の駆動手段である第2の駆動回路152とから構成さ
れる。第1の駆動回路151は、エンハンスメント型の
MOS(Metal Oxide Semiconductor)型FET(Fie
ld Effect Transistor)であるスイッチ素子Tr1
からなる第1スイッチ回路141、同じくエンハンスメ
ント型のMOS型FETであるスイッチ素子Tr2から
なる第2スイッチ回路142、図略の駆動電源からの直
流電源電圧V1及び波形発生器145で構成される。第
2の駆動回路152は、エンハンスメント型のMOS型
FETであるスイッチ素子Tr3からなる第3スイッチ
回路143、同じくエンハンスメント型のMOS型FE
Tであるスイッチ素子Tr4からなる第4スイッチ回路
144、図略の駆動電源からの直流電源電圧V2及び波
形発生器146で構成される。
【0027】第1の駆動回路151は、図略の駆動電源
からの直流電源電圧V1がスイッチ素子Tr1のソート
電極に供給され、接地される接続点aとの間に第1スイ
ッチ回路141及び第2スイッチ回路142の直列回路
が接続される。第2の駆動回路152は、図略の駆動電
源からの直流電源電圧V2がスイッチ素子Tr3のソー
ト電極に供給され、接地される接続点aとの間に第3ス
イッチ回路143及び第4スイッチ回路144の直列回
路が接続される。
【0028】第1スイッチ回路141を構成するスイッ
チ素子Tr1及び第3スイッチ回路143を構成するス
イッチ素子Tr3はPチャンネルFETであり、第2ス
イッチ回路142を構成するスイッチ素子Tr2及び第
4スイッチ回路144を構成するスイッチ素子Tr4は
NチャンネルFETである。PチャンネルFETである
スイッチ素子Tr1,Tr3は駆動制御信号がローレベ
ルのときにオンになり、NチャンネルFETであるスイ
ッチ素子Tr2,Tr4は駆動制御信号がハイレベルの
ときにオンになる。なお、第1スイッチ回路141及び
第2スイッチ回路142の接続点cと、第3スイッチ回
路143及び第4スイッチ回路144の接続点dとの間
に圧電素子26が接続されてブリッジ回路が構成され
る。
【0029】波形発生器145からの第1の駆動信号S
d1はスイッチ素子Tr1及びスイッチ素子Tr2のゲ
ート電極に印加され、波形発生器146からの第2の駆
動信号Sd2はスイッチ素子Tr3及びスイッチ素子T
r4のゲート電極に印加される。第1の駆動信号Sd1
及び第2の駆動信号Sd2は周波数比が整数比の駆動信
号であり、本実施の形態においてこの整数比は1:2で
ある。第1の駆動信号Sd1は振幅がV3でデューティ
比D1(D1=B1/A1)が0.5の矩形波形であ
り、第2の駆動信号Sd2は振幅がV4でデューティ比
D2(D2=B2/A2)が0.5の矩形波形である。
なお、第1の駆動信号Sd1のデューティ比D1と第2
の駆動信号Sd2のデューティ比D2とは、D1+D2
=1の関係にある。
【0030】直流電源電圧V1及びV2は、圧電素子2
6に印加される矩形波駆動電圧の大きさを決める値であ
り、直流電源電圧V1は第1の駆動信号Sd1に対応す
る第1の駆動電圧Vd1、直流電源電圧V2は第2の駆
動信号Sd2に対応する第2の駆動電圧Vd2となる。
第1の駆動電圧Vd1及び第2の駆動電圧Vd2は第1
の駆動信号Sd1及び第2の駆動信号Sd2とは逆位相
の電圧で、それぞれ圧電素子26に印加される。
【0031】なお、直流電源電圧V1及びV2をV1=
V2として電源系統を統一してもよい。この場合、回路
構成が簡素化されることとなり、駆動回路の低コスト化
及び小型化をさらに実現することができる。
【0032】図1に戻り、部材センサ16は、係合部材
30の移動可能範囲内に配設されたものであり、MRE
(Magneto Resistive Effect)素子やPSD(Position
Sensitive Device)素子等の適宜のセンサにより構成
されている。また、基端センサ18及び先端センサ20
は、フォトインタラプタ等の適宜のセンサにより構成さ
れている。これにより、係合部材30の位置が部材セン
サ16により検出されることで係合部材30の所定位置
への移動制御が可能となる一方、係合部材30の位置が
基端センサ18及び先端センサ20により検出されるこ
とで係合部材30のそれ以上の移動が禁止される。
【0033】また、制御部22は、演算処理を行うCP
U(Central Processing Unit)、処理プログラム及
びデータが記憶されたROM(Read Only Memory)及
びデータを一時的に記憶するRAM(Random Access
Memory)等から構成されており、部材センサ16、基端
センサ18及び先端センサ20から入力される信号に基
づいて駆動回路14を駆動制御する。すなわち、制御部
22は、第1の駆動回路151において生成される第1
の駆動信号Sd1及び駆動電源からの直流電源電圧V1
と、第2の駆動回路152において生成される第2の駆
動信号Sd2及び駆動電源からの直流電源電圧V2とを
制御する。
【0034】次に、図4及び図5を参照して駆動回路1
4の原理的な動作説明を行う。図4は、駆動回路14の
原理的な動作を説明するための駆動電圧のパルス波形等
を示す図である。図4(a)は、波形発生器145から
出力される第1の駆動信号Sd1を表す矩形波であり、
矩形波の振幅はV3であり、デューティ比D1は0.5
である。図4(d)は、波形発生器146から出力され
る第2の駆動信号Sd2を表す矩形波であり、矩形波の
振幅はV4であり、デューティ比D2は0.5である。
また、第1の駆動信号Sd1と第2の駆動信号Sd2と
の周波数の比は1:2であり、デューティ比D1とデュ
ーティ比D2との関係はD1+D2=1である。
【0035】図4(b)は、圧電素子26に印加される
第1の駆動電圧Vd1を表す矩形波であり、図4(e)
は、圧電素子26に印加される第2の駆動電圧Vd2を
表す矩形波である。図4(c)は圧電素子26に印加さ
れる第1の駆動周波数fd1の正弦波電圧Vd1cを表
す波形であり、図4(f)は圧電素子26に印加される
第2の駆動周波数fd2の正弦波電圧Vd2cを表す波
形である。図4(g)は第1の駆動電圧Vd1と第2の
駆動電圧Vd2との差に相当する駆動電圧Vdを表す図
である。この駆動電圧Vdが圧電素子26の一方側の電
極である電極Aと他方側の電極である電極Bとから印加
される(図3参照)。
【0036】図5は、駆動装置10を構成する支持部材
24及び駆動部材28が固着された状態での圧電素子2
6の機械共振特性を示す特性図である。図5(a)は振
幅伝達特性を示す図であり、縦軸は駆動部材28の振幅
を表し、横軸は駆動部材28の機械共振周波数frに対
する駆動周波数fdの比(fd/fr)を表す。図5
(b)は位相伝達特性を示す図であり、縦軸は位相を表
し、横軸は駆動部材28の機械共振周波数frに対する
駆動周波数fdの比(fd/fr)を表す。なお、共振
特性の鋭さを表す量であるQの値は、駆動部材に機械負
荷が実装されている状態での実効Q値で10としてい
る。
【0037】支持部材24及び駆動部材28が固着され
た状態での圧電素子26の機械共振周波数frの最も低
い機械共振周波数fr1付近に、駆動周波数fd1及び
駆動周波数fd2を各々設定することによって共振特性
の有する振幅伝達特性を利用し、第1の駆動電圧Vd1
及び第2の駆動電圧Vd2の高調波成分(デューティ比
D1及びD2が0.5なので奇数次の高調波を各々有す
る)に対する機械変位応答をなくし、基本波成分に相当
する応答が得られる。すなわち、駆動周波数fd1の正
弦波電圧Vd1cと駆動周波数fd2の正弦波電圧Vd
2cとが圧電素子26に印加される。そのため、駆動周
波数fd1,fd2の設定はfr1を基準にして以下の
3種類がある。
【0038】fd1<fd2<fr1・・・・ fd1<fr1<fd2・・・・ fr1<fd1<fd2・・・・
【0039】これらの設定は、従来のデューティ矩形波
駆動では圧電素子26の振幅伝達特性と位相伝達特性と
の両立のため、fd1<fr1<fd2()の設定し
かできなかった。しかしながら、第1の駆動信号Sd1
及び第2の駆動信号Sd2の周波数が電気機械変換素子
である圧電素子26の最も低い機械共振周波数fr1に
基づいて設定されるため、例えば、第1の駆動信号Sd
1の駆動周波数fd1と第2の駆動信号Sd2の駆動周
波数fd2とをfd1<fr1<fd2()となるよ
うに設定することや、fr1<fd1<fd2()と
なるように設定することや、fd1<fd2<fr1
()となるように設定することができ、設定の自由度
が増すこととなる。
【0040】なお、支持部材24及び駆動部材28が固
着された状態での圧電素子26の機械共振周波数fr
は、次の数式により求めたものである。
【0041】
【数1】
【0042】この数1におけるfroは圧電素子26の
両電極間におけるフリー共振周波数(圧電素子26自体
の電極間方向における機械共振周波数)、mpは圧電素
子26の質量、mfは駆動部材28の質量をそれぞれ表
わしている。なお、支持部材24の質量は、共振系にお
ける圧電素子26の機械共振周波数frに関係するが、
支持部材24の質量は圧電素子26及び駆動部材28の
各質量mp,mfを加算したものに比べて十分大きな値
を有しており、機械共振周波数frに与える影響は小さ
いので演算パラメータとして考慮する必要はない。ま
た、係合部材30は、圧電素子26の共振時には駆動部
材28に対して滑りを生じて実質的に共振系の要素とし
て考慮する必要はないので、上記数1の演算パラメータ
としては含まれていない。
【0043】図6(a)は、図5(a),(b)のfd
1<fr1<fd2()の場合における振幅伝達特性
を示す特性図であり、縦軸は駆動部材28の振幅を表
し、横軸は駆動部材28の機械共振周波数frに対する
駆動周波数fdの比(fd/fr)を表す。図6(b)
は、図5(a),(b)のfd1<fr1<fd2
()の場合における位相伝達特性を示す特性図であ
り、縦軸は位相を表し、横軸は駆動部材28の機械共振
周波数frに対する駆動周波数fdの比(fd/fr)
を表す。また、図7は、本発明に係る駆動装置10に適
用される駆動回路14の具体的な動作を説明するための
図である。
【0044】例えば、駆動周波数fd1が支持部材24
及び駆動部材28が固着された状態での圧電素子26の
共振周波数frの最も低い機械共振周波数fr1の0.
75倍(fd1=0.75×fr1)となるように設定
する。なお、説明の便宜上、直流電源電圧V1,V2を
V1=V2とする。すなわち、第1の駆動電圧Vd1及
び第2の駆動電圧Vd2はVd1=Vd2となる。この
場合、第1の駆動電圧Vd1は図7(a)に示すような
矩形波となり、第2の駆動電圧Vd2は図7(b)に示
すような矩形波となる。圧電素子26の両電極A,Bに
は、第1の駆動電圧Vd1と第2の駆動電圧Vd2との
差に相当する駆動電圧Vd(Vd=Vd1−Vd2)が
印加される。振幅伝達特性によって、第1の駆動電圧V
d1及び第2の駆動電圧Vd2に対する変位の高調波成
分は各々除去され、残った変位の基本波成分は各々振幅
と位相の変化を受ける。振幅伝達特性による振幅変化
は、図6(a)に示すようにr1:r2=2.25:
0.794となる。また、位相伝達特性による位相の変
化は、図6(b)に示すようにθ1:θ2=−9.7
°:−173.2°となる。支持部材24及び駆動部材
28が固着された状態での圧電素子26の機械変位x
は、第1の正弦波電圧Vd1cによる機械変位x1と第
2の正弦波電圧Vd2cによる機械変位x2との合成変
位(x=x1+x2)となる(図7(d))。また、支
持部材24及び駆動部材28が固着された状態での圧電
素子26の速度vは、上記機械変位x1を微分した速度
v1と機械変位x2を微分した速度v2との合成速度
(v=v1+v2)となる(図7(e))。
【0045】ここで、図7(d)に示す合成変位xの波
形を見てみると、立ち上がり部Eで大きなふくらみが発
生しており、鋸波形とはなっておらず、支持部材24及
び駆動部材28が固着された状態での圧電素子26の所
望する機械変位xを得ることができない。また、支持部
材24及び駆動部材28が固着された状態での圧電素子
26の速度v1,v2が略同相の場合に、合成速度vの
波形は略台形形状になるが、図7(e)に示す合成速度
vの波形は略台形形状になっておらず、支持部材24及
び駆動部材28が固着された状態での圧電素子26の所
望する速度を得ることはできない。そのため、支持部材
24及び駆動部材28が固着された状態での圧電素子2
6の所望する鋸波形の機械変位を得るためには第1の正
弦波電圧Vd1c、第2の正弦波電圧Vd2cの振幅と
位相関係を操作する必要がある。この操作は機械共振周
波数fr1の特性の変更は困難であるため、振幅の操作
に関しては直流電源電圧V1又はV2の可変によって行
い、位相の操作に関しては第1の駆動信号Sd1、第2
の駆動信号Sd2の位相関係の可変によって行う。
【0046】そこで、直流電源電圧V1,V2を例えば
V1:V2=1:0.7に設定し、第2の駆動信号Sd
2の位相を第1の駆動信号Sd1の位相に対して例えば
65°進ませる。これによって図7(f)に示すような
第2の駆動電圧Vd2''が得られる。このときの第2の
正弦波電圧Vd2''による機械変位x2''は図7(g)
に示す波形となる。機械変位x1と機械変位x2''との
合成変位x''は図7(g)に示すような鋸波形となり、
所望の機械変位を得ることができるようになる。また、
このときの機械速度v2''は図7(g)に示す波形とな
る。機械速度v1と機械速度v2''との合成速度v''は
図7(g)に示すような略台形波形となり、所望の機械
速度を得ることができるようになる。
【0047】このように、第1の駆動回路151によっ
て生成された所定の周波数の第1の駆動信号Sd1と、
第2の駆動回路152によって生成された第1の駆動信
号Sd1とは異なる所定の周波数の第2の駆動信号Sd
2とを加算して電気機械変換素子である圧電素子26に
印加することで当該圧電素子26が駆動される。このた
め、第1の駆動信号Sd1と第2の駆動信号Sd2の位
相関係を操作することによって圧電素子26の機械共振
特性の有する位相伝達特性に頼ることなく、最適な機械
変位の応答が得られる駆動装置が実現される。
【0048】また、第1の駆動信号Sd1と第2の駆動
信号Sd2との位相関係を変化させることで電気機械変
換素子である圧電素子26の伸縮方向における駆動速度
を変化させるため、例えば、鋸波形の最適状態の機械変
位を得ている状態から第1の駆動信号Sd1と第2の駆
動信号Sd2との位相関係を変化させることで当該変化
量に応じた滑らかな速度変化を得ることができる。
【0049】図8は、駆動回路14の別の構成例を示す
図である。この図において、駆動回路14'はブリッジ
回路で構成され、第1の駆動回路151'と第2の駆動
回路152'とから構成される。第1の駆動回路151'
は、エンハンスメント型のMOS(Metal Oxide Semi
conductor)型FET(Field Effect Transistor)
であるスイッチ素子Tr1からなる第1スイッチ回路1
41、同じくエンハンスメント型のMOS型FETであ
るスイッチ素子Tr2からなる第2スイッチ回路14
2、図略の駆動電源からの直流電源電圧V1、波形発生
器145'、コンデンサC1、入力抵抗R1及び帰還抵
抗R2で構成される。第2の駆動回路152'は、エン
ハンスメント型のMOS型FETであるスイッチ素子T
r3からなる第3スイッチ回路143、同じくエンハン
スメント型のMOS型FETであるスイッチ素子Tr4
からなる第4スイッチ回路144、図略の駆動電源から
の直流電源電圧V2、波形発生器146'、コンデンサ
C2、入力抵抗R3及び帰還抵抗R4で構成される。こ
のように、第1の駆動回路151'に入力抵抗R1及び
帰還抵抗R2を配置することによって、ゲインG1がG
1=R2/R1である増幅回路となり、同様に、第2の
駆動回路152'に入力抵抗R3及び帰還抵抗R4を配
置することによって、ゲインG2がG2=R4/R3で
ある増幅回路となる。ただし、ゲインG1,G2は充分
大きいとする。
【0050】第1の駆動回路151'は、図略の駆動電
源からの直流電源電圧V1がスイッチ素子Tr1のソー
ト電極に供給され、接地される接続点aとの間に第1ス
イッチ回路141及び第2スイッチ回路142の直列回
路が接続される。第2の駆動回路152'は、図略の駆
動電源からの直流電源電圧V2がスイッチ素子Tr3の
ソート電極に供給され、接地される接続点aとの間に第
3スイッチ回路143及び第4スイッチ回路144の直
列回路が接続される。
【0051】第1スイッチ回路141を構成するスイッ
チ素子Tr1及び第3スイッチ回路143を構成するス
イッチ素子Tr3はPチャンネルFETであり、第2ス
イッチ回路142を構成するスイッチ素子Tr2及び第
4スイッチ回路144を構成するスイッチ素子Tr4は
NチャンネルFETである。PチャンネルFETである
スイッチ素子Tr1,Tr3は駆動制御信号がローレベ
ルのときにオンになり、NチャンネルFETであるスイ
ッチ素子Tr2,Tr4は駆動制御信号がハイレベルの
ときにオンになる。なお、第1スイッチ回路141及び
第2スイッチ回路142の接続点cと、第3スイッチ回
路143及び第4スイッチ回路144の接続点dとの間
に圧電素子26が接続されてブリッジ回路が構成され
る。
【0052】第1の駆動信号Sd1'は直流阻止用のコ
ンデンサC1を通じて入力抵抗R1に印加され、第1の
駆動電圧Vd1'は第1の駆動信号Sd1'をゲインG1
倍した電圧となる。同様に、第2の駆動信号Sd2'は
直流阻止用のコンデンサC2を通じて入力抵抗R3に印
加され、第2の駆動電圧Vd2'は第2の駆動信号Sd
2'をゲインG2倍した電圧となる。
【0053】図9は、駆動回路14'の原理的な動作を
説明するための駆動電圧のパルス波形等を示す図であ
る。図9(a)は、波形発生器145'から出力される
第1の駆動信号Sd1'を表す正弦波であり、正弦波の
振幅はV3である。図9(d)は、波形発生器146'
から出力される第2の駆動信号Sd2'を表す正弦波で
あり、正弦波の振幅はV4である。また、第1の駆動信
号Sd1'と第2の駆動信号Sd2'との周波数の比は整
数比であり、本実施の形態においてこの整数比は1:2
である。
【0054】図9(b)は、圧電素子26に印加される
第1の駆動電圧Vd1'を表す正弦波であり、図9
(e)は、圧電素子26に印加される第2の駆動電圧V
d2'を表す正弦波である。図9(c)は圧電素子26
に印加される駆動周波数fd1'の正弦波電圧Vd1c'
を表す波形であり、図9(f)は圧電素子26に印加さ
れる駆動周波数fd2'の正弦波電圧Vd2c'を表す波
形である。図9(g)は第1の駆動電圧Vd1'と第2
の駆動電圧Vd2'との差に相当する駆動電圧Vd'を表
す図である。この駆動電圧Vd'が圧電素子26の一方
側の電極である電極Aと他方側の電極である電極Bとか
ら印加される。
【0055】このように、第1の駆動信号Sd1'及び
第2の駆動信号Sd2'を正弦波とすることで、振幅伝
達特性による高調波除去に留意しなくてもよくなるとい
う利点がある。
【0056】また、第1の駆動回路151'によって生
成された所定の周波数の正弦波である第1の駆動信号S
d1'と、第2の駆動回路152'によって生成された第
1の駆動信号Sd1'とは異なる所定の周波数の正弦波
である第2の駆動信号Sd2'とを加算して電気機械変
換素子である圧電素子26に印加することで当該圧電素
子26が駆動される。このため、第1の駆動信号Sd
1'と第2の駆動信号Sd2'の位相関係を操作すること
によって圧電素子26の機械共振特性の有する位相伝達
特性に頼ることなく、最適な機械変位の応答が得られる
駆動装置が実現される。
【0057】なお、本実施の形態では、第1の駆動信号
及び第2の駆動信号としていずれも矩形波または正弦波
を用いたが、本発明は特にこれに限定されず、いずれか
一方が矩形波で他方が正弦波でもよい。この場合、駆動
回路14は、矩形波を発生させる第1の駆動回路151
と正弦波を発生させる第2の駆動回路152'とで構成
されるか、正弦波を発生させる第1の駆動回路151'
と矩形波を発生させる第2の駆動回路152とで構成さ
れる。このように、第1の駆動信号及び第2の駆動信号
として生成される波形は、いずれも矩形波またはいずれ
も正弦波またはいずれか一方が矩形波で他方が正弦波で
あるため、第1の駆動信号及び第2の駆動信号の波形に
応じた駆動信号を得ることができる。
【0058】また、本実施の形態では、第1の駆動電圧
Vd1のデューティ比D1あるいは第2の駆動電圧Vd
2のデューティ比D2のうちの一方、または第1の駆動
電圧Vd1のデューティ比D1及び第2の駆動電圧Vd
2のデューティ比D2の両方が0.5であり、D1+D
2=1の関係にある矩形波を用いたが、本発明は特にこ
れに限定されず、デューティ比D1,D2が0.5以外
で、D1+D2=1の関係でない矩形波を用いてもよ
い。この場合、例えば図5(a)に示すfd1<fd2
<fr1()の関係にある駆動周波数の設定方法を選
択したとすると第1の駆動電圧Vd1の第3高調波が機
械共振周波数fr1の近傍に存在する可能性が高くな
る。そのため、共振特性によって支持部材24及び駆動
部材28が固着された状態での圧電素子26の駆動周波
数の第3高調波に対する機械変位の応答に悪影響を及ぼ
す(鋸波形とならない)可能性がある。そこで、第2の
駆動電圧Vd2のデューティ比D2は0.5のままで、
第1の駆動電圧Vd1にデューティ比D1が0.33ま
たは0.67の矩形波電圧を用いることで第1の駆動電
圧Vd1には第3高調波成分が含まれなくなり、上記問
題は解決される。このように、第1の駆動信号Sd1と
第2の駆動信号Sd2とが互いに周波数が同じであり、
第1の駆動信号Sd1のデューティ比D1と第2の駆動
信号Sd2のデューティ比D2とが、D1+D2=1の
関係にない場合にも適用することができ、設定の自由度
が増すこととなる。
【0059】また、本発明に係る駆動装置の圧電素子の
機械負荷の速度を変化させる場合や反転させる場合は、
図7(g)に示す鋸波形の機械変位を得ている状態か
ら、第1の駆動信号Sd1と第2の駆動信号Sd2との
位相関係を変化させることで、当該変化量に応じて鋸波
形の機械変位は最適状態から外れていくため速度は徐々
に低下する。そして、変化量をさらに増加させることで
停止に至り、ついには反転した鋸波形が得られるため、
変化量に応じた滑らかな速度変化を得ることができる。
つまり、駆動装置の機械負荷の速度制御を第1の駆動信
号Sd1と第2の駆動信号Sd2との位相差で行うこと
が可能となる。
【0060】また、圧電素子26には、図4(g)に示
す駆動電圧Vdによると1周期について3回の充放電が
存在している。この放電時には、原理的に一旦0ボルト
になる期間が存在する(図4(g)のE1,E2,E
3)。これは、駆動回路14のトランジスタ(スイッチ
素子Td1,Tr2,Tr3,Tr4)による圧電素子
26の短絡放電動作である。従来のデューティ矩形波駆
動は、駆動電圧の1周期について1回の充放電が存在
し、放電時は短絡放電動作ではなく直流電源を通じての
放電動作となるので、放電電流が駆動電源に流れて当該
駆動電源での消費電力が加算され、その結果駆動時の消
費電力が大きくなっている。従来のデューティ矩形波駆
動での消費電力P1は下記の(1)式で表される。
【0061】 P1=C×(2V)2×fd=4×C×V2×fd・・・・(1) ただし、従来のデューティ矩形波駆動での消費電力をP
1とし、圧電素子の静電容量をCとし、直流電源電圧を
Vとし、駆動周波数をfdとする。
【0062】しかしながら、本発明に係る駆動回路で
は、消費電力P2は下記の(2)式で表される。 P2=3×C×V2×fd・・・・(2)
【0063】このように、本発明に係る駆動回路の消費
電力P2は従来の駆動回路の消費電力P1の0.75倍
となり、消費電力が向上されることとなる。
【0064】なお、本実施の形態ではカメラの撮影レン
ズに関する駆動装置で説明したが、本発明は特にこれに
限定されず、XY移動ステージ、オーバーヘッドプロジ
ェクタの投影レンズ及び双眼鏡のレンズ等の駆動に適し
た駆動装置にも適用可能である。
【0065】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、第1の
駆動手段によって生成された所定の周波数の第1の駆動
信号と、第2の駆動手段によって生成された第1の駆動
信号とは異なる所定の周波数の第2の駆動信号とを加算
して電気機械変換素子に印加することで当該電気機械変
換素子が駆動される。このため、第1の駆動信号と第2
の駆動信号の位相関係を操作することによって電気機械
変換素子の機械共振特性の有する位相伝達特性に頼るこ
となく、最適な機械変位の応答を得ることができる。
【0066】請求項2に記載の発明によれば、第1の駆
動信号及び第2の駆動信号として生成される波形は、い
ずれも矩形波またはいずれも正弦波またはいずれか一方
が矩形波で他方が正弦波であるため、第1の駆動信号及
び第2の駆動信号の波形に応じた駆動信号を得ることが
できる。
【0067】請求項3に記載の発明によれば、第1の駆
動信号の周波数と第2の駆動信号の周波数との比が整数
比である駆動装置に適用することができる。
【0068】請求項4に記載の発明によれば、第1の駆
動信号の周波数と第2の駆動信号の周波数との比が1:
2である駆動装置に適用することができる。
【0069】請求項5に記載の発明によれば、第1の駆
動信号と第2の駆動信号との位相関係を変化させること
で電気機械変換素子の伸縮方向における駆動速度を変化
させるため、例えば、鋸波形の最適状態の機械変位を得
ている状態から第1の駆動信号と第2の駆動信号との位
相関係を変化させることで当該変化量に応じた滑らかな
速度変化を得ることができる。
【0070】請求項6に記載の発明によれば、第1の駆
動信号及び第2の駆動信号の周波数が電気機械変換素子
の最も低い機械共振周波数frに基づいて設定されるた
め、例えば、第1の駆動信号の駆動周波数fd1と第2
の駆動信号の駆動周波数fd2とをfd1<fr<fd
2となるように設定することや、fr<fd1<fd2
となるように設定することや、fd1<fd2<frと
なるように設定することができ、設定の自由度が増すこ
ととなる。
【0071】請求項7に記載の発明によれば、第1の駆
動信号と第2の駆動信号とが互いに周波数が同じであ
り、第1の駆動信号のデューティ比D1と第2の駆動信
号のデューティ比D2とが、D1+D2=1の関係にな
い場合にも適用することができ、設定の自由度が増すこ
ととなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るインパクト型圧電
アクチュエータからなる駆動装置の基本構成を概略的に
示すブロック図である。
【図2】 駆動部の構成例を示す斜視図である。
【図3】 駆動回路の構成例を示す図である。
【図4】 駆動回路の原理的な動作を説明するための駆
動電圧のパルス波形等を示す図である。
【図5】 駆動装置を構成する支持部材及び駆動部材が
固着された状態での圧電素子の機械共振特性を示す特性
図である。
【図6】 本発明に係る駆動装置の振幅伝達特性及び位
相伝達特性を示す特性図である。
【図7】 本発明に係る駆動装置に適用される駆動回路
の具体的な動作を説明するための図である。
【図8】 駆動回路の別の構成例を示す図である。
【図9】 別の構成例である駆動回路の原理的な動作を
説明するための駆動電圧のパルス波形等を示す図であ
る。
【図10】 従来例の駆動装置の概略構成を示す図であ
る。
【図11】 図10に示す駆動装置の駆動回路の構成例
を示すブロック図である。
【図12】 図11に示す駆動回路の出力波形を示す図
である。
【図13】 従来例の駆動装置の振幅伝達特性及び位相
伝達特性を示す特性図である。
【符号の説明】
14,14' 駆動回路 26 圧電素子(電気機械変換素子) 141 第1のスイッチング回路 142 第2のスイッチング回路 143 第3のスイッチング回路 144 第4のスイッチング回路 145,145' 第1の波形発振器 146,146' 第2の波形発振器 151,151' 第1の駆動回路(第1の駆動手段) 152,152' 第2の駆動回路(第2の駆動手段) Tr1 第1のスイッチ素子 Tr2 第2のスイッチ素子 Tr3 第3のスイッチ素子 Tr4 第4のスイッチ素子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動信号が印加されることにより伸縮す
    る電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の伸縮方
    向における一方端に固着された支持部材と、前記電気機
    械変換素子の伸縮方向における他方端に固着された駆動
    部材と、前記駆動部材に所定の摩擦力で係合された係合
    部材と、前記電気機械変換素子を駆動する駆動回路とか
    ら構成され、前記電気機械変換素子を異なる速度で伸縮
    させることで前記支持部材と前記係合部材とを相対移動
    させる駆動装置において、 前記駆動回路は、所定の周波数の第1の駆動信号を生成
    する第1の駆動手段と、前記第1の駆動信号とは異なる
    所定の周波数の第2の駆動信号を生成する第2の駆動手
    段とを備え、前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号
    とを加算して前記電気機械変換素子に印加することで当
    該電気機械変換素子を駆動させることを特徴とする駆動
    装置。
  2. 【請求項2】 第1の駆動信号及び第2の駆動信号は、
    いずれも矩形波またはいずれも正弦波またはいずれか一
    方が矩形波で他方が正弦波であることを特徴とする請求
    項1記載の駆動装置。
  3. 【請求項3】 第1の駆動信号の周波数と第2の駆動信
    号の周波数との比が整数比であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記整数比は1:2であることを特徴と
    する請求項3記載の駆動装置。
  5. 【請求項5】 第1の駆動信号と第2の駆動信号との位
    相関係を変化させて前記電気機械変換素子の伸縮方向に
    おける駆動速度を変化させることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記電気機械変換素子の最も低い機械共
    振周波数frに基づいて第1の駆動信号及び第2の駆動
    信号の周波数を設定することを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載の駆動装置。
  7. 【請求項7】 第1の駆動信号と第2の駆動信号とは互
    いに周波数が同じであり、第1の駆動信号のデューティ
    比D1と第2の駆動信号のデューティ比D2とは、D1
    +D2=1の関係にないことを特徴とする請求項1〜6
    のいずれかに記載の駆動装置。
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