JP2003164018A - 配電盤用母線の支持機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で、絶縁材料の使用量が少なく製
作コストが低減され、母線支持部の通気性も改善された
電力供給母線の支持機構を得る。 【解決手段】 帯板状導体の幅方向の面を相互に向き合
わせて構成される電力供給母線３２を配電盤内に支持す
る機構において、電力供給母線３２の側縁に嵌まるよう
に形成されたＵ字溝を有する絶縁ブロック５１を各電力
供給母線３２の両側縁にそれぞれ嵌装し、一方の側縁に
嵌装された絶縁ブロック５１の背面側からその絶縁ブロ
ック５１を一括して支持部材５２で支持すると共に、他
方の側縁に嵌装された絶縁ブロック５１の背面側からそ
の絶縁ブロック５１を一括して支持部材５３で支持し、
両側の支持部材５２，５３に挿通された締付部材５４に
よる締付けにより電力供給母線３２を締付け保持し、か
つ、支持部材５２を配電盤内に固着して電力供給母線３
２を所定の場所に支持するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、 例えば、コント
ロ−ルセンタ−のような段積みされた複数台の分岐開閉
器ユニットを有する閉鎖配電盤において、特に、複数台
の分岐開閉器ユニットに対する多相の電力供給母線の支
持機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の閉鎖配電盤の電力供給母線の支持
機構としては、例えば、実公昭４５−１３４５７号公報
に示されたものがあるが、これに限らず、一般に電力供
給母線の支持機構は、棒状あるいは板状の絶縁物で挟ん
で支持している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の電力供給母線の
支持機構としては、上記のような機構の場合に絶縁材料
の使用量が多く、製作コストが高くなっていた。また、
絶縁材料の使用量が多ことなどから、母線支持部の通気
性が悪く、冷却作用が阻害されて電力供給母線の温度上
昇の原因にはるなどの問題点があった。

【０００４】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、簡単な構成で、絶縁材料の使
用量が少なく製作コストが低減され、母線支持部の通気
性も改善された電力供給母線の支持機構を得ることを目
的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の配電盤用母線の支持機構においては、帯板
状導体の幅方向の面を相互に向き合わせて構成される電
力供給母線を配電盤内に支持する機構において、電力供
給母線の側縁に嵌まるように形成されたＵ字溝を有する
絶縁ブロックを各電力供給母線の両側縁にそれぞれ嵌装
し、一方の側縁に嵌装された絶縁ブロックの背面側から
その絶縁ブロックを一括して支持部材で支持すると共
に、他方の側縁に嵌装された絶縁ブロックの背面側から
その絶縁ブロックを一括して支持部材で支持し、上記両
側の支持部材に挿通された締付部材による締付けにより
電力供給母線を締付け保持し、かつ、上記支持部材を配
電盤内に固着して電力供給母線を所定の場所に支持する
ようにしたものである。

【０００６】また、支持部材を金属板で形成し、絶縁ブ
ロックの背面側に支持部材を嵌込むための嵌込み溝を設
け、この嵌込み溝に支持部材を嵌込むよう構成したもの
であり、金属板で形成した支持部材はプレス加工により
製作できるので、生産性の向上に対応できるようにし
た。

【０００７】また、支持部材に切欠ぎ部を設け、この切
欠ぎ部に絶縁ブロックを嵌込んで支持することにより、
隣接する電力供給母線の間に、大電流による電磁力が働
いても、電力供給母線を強固に支持し、電力供給母線が
変形ないようにした。

【０００８】また、支持部材は、金属板を折曲げて断面
がコ字状になるように形成することにより、製作が容易
で、しかも支持部材の機械的強度が向上して、電力供給
母線を強固に締付け保持し、配電盤内に対する固着も確
実にしたものである。

【０００９】さらに、コ字状の支持部材の両辺に対して
電力供給母線が対向する位置にそれぞれ絶縁ブロックを
嵌込み、上記絶縁ブロックを嵌込んだ支持部材により電
力供給母線を締付け保持することにより、締付け力が両
方の辺に配分され、強固に締付けても支持部材が変形し
ないようにしたものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】実施の形態１．以下、 この発明に
よる配電盤用母線の支持機構について図を用いて説明す
る。図１はこの発明に関する配電盤用母線の支持機構を
実施する閉鎖配電盤１の外観を示す斜視図であり、通常
はこの閉鎖配電盤１を数台並設して列盤構成として使用
される。図２は図１の閉鎖配電盤１に収納された分岐開
閉器ユニット２の内の１台を引出した状態を示す斜視図
であり、２１は引出しレ−ルで、分岐開閉器ユニット２
と共に閉鎖配電盤１に内蔵されたものである。図３は分
岐開閉器ユニット２の主要部を示す側断面図であり、２
２は電磁接触器、２３は電源接続用端子、２４は負荷接
続用端子、２５は零相変流器、２６は電磁接触器２１の
２次側導体を示す。図４は閉鎖配電盤１の内部を示す側
面図であり、分岐開閉器ユニット２が３台段積みされた
ものである。この図において、１１は分岐開閉器室、１
２は給電母線室、１３は垂直母線室、１４はケ−ブル
室、１５は床板である。また、３１は分岐開閉器ユニッ
ト２に対する電源となる電力供給水平母線（以下水平母
線という）であり、３２，３３は電力供給垂直母線（以
下垂直母線という）である。３７はユニット分岐母線
で、垂直母線３２，３３と電源接続用端子２３を接続す
るものである。５０はこの発明による配電盤用母線の支
持機構であり、詳細は後述する。

【００１１】図５は図４のＡ−Ａ線から見た裏面断面図
である。図６は図５の閉鎖配電盤を右斜め上方から見た
斜視図で、水平母線３１と垂直母線３２，３３の接続部
分、及び、本発明の配電盤用母線の支持機構の一部分を
示す。図７は図５のＢ−Ｂ線から見た水平拡大断面図で
ある。図８は本発明の配電盤用母線の支持機構の詳細を
示す分解斜視図である。これらの図５ないし図８におい
て、３１は複数枚の導体で形成された水平母線で、母線
支持板３１ａにより上下両側から保持されている。３２
は第１の垂直母線（以下垂直母線という）、３３は第２
の垂直母線（以下垂直母線という）、３４は上側連結母
線、３５は下側連結母線であり、水平母線３１と垂直母
線３２，３３とが、連結母線３４，３５により連結され
ている。なお、４１は仕切りカバ−、４３は垂直母線３
２，３３のためのフレ−ムである。５０はこの発明によ
る配電盤用母線の支持機構である。

【００１２】水平母線３１に対する垂直母線３２及び垂
直母線３３の接合は、上側連結母線３４を水平母線３１
の一方の面に螺着し、下側連結母線３５を水平母線３１
の他方の面に螺着することによってなされる。次に、段
積みされた分岐開閉器ユニット２に対する垂直母線３２
及び垂直母線３３の接合は次のようになされる。先ず、
最上段の分岐開閉器ユニット２に対しては、垂直母線３
２と垂直母線３３により挟持螺着されたユニット分岐母
線３７によってなされる。即ち、このユニット分岐母線
３７が分岐開閉器ユニット２の電源接続用端子２３に接
合される。次の段の分岐開閉器ユニット２に対しては、
図示されていないが、ユニット分岐母線３７と同様のユ
ニット分岐母線を垂直母線３２に直接螺着して、そのユ
ニット分岐母線が次の段の分岐開閉器ユニット２の電源
接続用端子２３に接合される。

【００１３】上記のように接合することにより、最上段
の分岐開閉器ユニット２と次の段の分岐開閉器ユニット
２に流れる合計の負荷電流は、垂直母線３２及び垂直母
線３３により対応する。次の段の分岐開閉器ユニット２
の負荷電流は垂直母線３２のみにより対応する。分岐開
閉器ユニット２の段積みが３段の場合は、三段階の垂直
母線（図示せず）により対応するように構成するが、構
造上の都合によっては、分岐開閉器ユニット２の段積み
が３段の場合に、図６のように二段階の垂直母線により
対応するように構成してもよい。

【００１４】次に、配電盤用母線の支持機構５０につい
て図８を参照して説明する。図８の実施例は第１の垂直
母線３２を支持する機構であり、（ａ）は支持機構５０
の組立状態の斜視図、（ｂ）は分解斜視図である。図に
おいて、５１は絶縁ブロックで、例えばガラスポリエス
テル樹脂材で形成されたものである。この絶縁ブロック
５１は図９にも示すように形成されている。即ち、５１
ａはＵ字溝で、垂直母線３２の側縁に嵌まるように形成
されている。５１ｂは絶縁ブロック５１の側面及び背面
側に形成された嵌込み溝で、この実施の形態では、図９
の（ａ）に示すようにコ字形の嵌込み溝になっている。
この嵌込み溝５１ｂは、後述のように支持部材５２，５
３に絶縁ブロック５１を嵌込みするときの溝である。な
お、絶縁ブロック５１の大きさは、最も汎用的なコント
ロ−ルセンタ−の垂直母線母線の場合、寸法Ｗが５０ｍ
ｍ、寸法Ｌが３７ｍｍ、厚さ（図示せず）は２０ｍｍの
大きさに形成されている。

【００１５】５２及び５３は支持部材で、金属板（例え
ば鉄板）をコ字状に折曲げて形成したもので、折曲げた
両辺には、垂直母線３２の側縁と対向する位置にそれぞ
れ３か所の切欠ぎ部５２ａ，５３ａが設けてある。ま
た、支持部材５２の一端はＬ字状に折曲げて、その折曲
げた部分に取付け孔を有する固定部５２ｂが設けてあ
る。さらに、支持部材５２の他端にはねじ孔を有する固
定部５２ｃが設けてある。支持部材５３には固定部を設
けてないが、配電盤の構造によっては、支持部材５２と
同様に固定部５２ａ，５２ｂに相当する固定部を設けた
ものを使用してもよい。

【００１６】上記の支持部材５２の切欠ぎ部５２ａ、及
び、支持部材５３の切欠ぎ部５３ａに絶縁ブロック５１
を嵌込むが、この嵌込みは、図９の（ａ）に示すように
嵌込む。この場合、嵌込んだ絶縁ブロック５１が容易に
抜け落ちないようなはめあわせの関係になされている。
絶縁ブロック５１を嵌込んだ支持部材５２，５３は図８
（ａ）のように垂直母線３２の両側縁に嵌込む。そし
て、垂直母線３２の電磁力の作用を受けないように非磁
性材（例えばステンレス材）のボルト５４を支持部材５
２，５３に挿通して締付ける。このようにして垂直母線
３２を締付けた支持部材５２を配電盤内固着する。この
支持部材５２，５３による垂直母線３２の締付け固着
は、図５に示すように、垂直母線３２の長さに応じて適
当数設置する。なお、支持部材５２，５３の切欠ぎ部５
２ａ，５３と絶縁ブロック５１の嵌込み溝５１ｂの関係
は、図９の（ｂ）に示すように形成してもよい。また、
上記説明では垂直母線３２に設置したものを示したが、
水平母線３１に設置してもよい。

【００１７】実施の形態２．上記実施の形態１では、支
持部材５２，５３に切欠ぎ部５２ａ，５３ａを設け、こ
れに絶縁ブロック５１を嵌込んだものを示したが、これ
は、複数の垂直母線３２の位置と支持部材５２，５３に
嵌込んだ絶縁ブロック５１の位置が一致するように構成
してあるので、絶縁ブロック５１を嵌込んだ支持部材５
２，５３の取付けが容易になる。また、垂直母線３２に
大電流が流れたとき、隣接する垂直母線３２の間に電磁
力が作用して、隣接する垂直母線３２の間に、吸引力ま
たは反発力を生じることがあるが、そのとき、切欠ぎ部
５２ａ，５３ａに嵌込んだ絶縁ブロック５１が垂直母線
３２の変形を抑止するように働くものである。

【００１８】しかし、定格値が小さい配電盤用母線、あ
るいは、垂直母線３３を他の部材で強固に固定されたも
のは、上記のような電磁力の作用の問題が少ない。従っ
て、支持部材５２，５３に切欠ぎ部５２ａ，５３ａを設
けないで、絶縁ブロック５１を嵌めてもよい。この機構
によれば絶縁ブロック５１の位置を移動できるので、隣
接する垂直母線３３の間隔寸法に若干の誤差があった場
合、その誤差が支障のない誤差ならば、垂直母線３２の
間隔寸法をそのままで、絶縁ブロック５１は垂直母線３
２の間隔寸法に現物合わせで嵌めることができる。

【００１９】実施の形態３．支持部材５２，５３は各種
の形状のものが考えられるが、実施の形態１に示すよう
に、コ字形に折曲げ形成したものが最も適当である。こ
の支持部材５２，５３に対して、その両辺に跨がるよう
に絶縁ブロック５１を設けてもよいが、つまり、１個の
支持部材５２または５３に３個の絶縁ブロック５１を設
けてもよい。しかし、実施の形態１のように、６個の絶
縁ブロック５１を設ける構成が絶縁材料の使用量も少な
く、締付け力がコ字形の両方の辺に均等に配分され、支
持部材５２，５３の変形を防止して強固に締付けでき
る。

【００２０】

【発明の効果】本発明は、以上発明したように構成され
ているので、以下に記載されたような効果を奏する。

【００２１】簡単な構成で、絶縁材料の使用量が少ない
ので、製作コストが低減される。

【００２２】母線支持部の通気性が改善されるので、冷
却作用が向上して電力供給母線の温度上昇が抑制され
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に関する閉鎖配電盤の外観を示す斜視
図である。

【図２】 図１の閉鎖配電盤に収納された分岐開閉器ユ
ニットの内の１台を引出した状態を示す斜視図である。

【図３】 分岐開閉器ユニットの主要部を示す側断面図
である。

【図４】 閉鎖配電盤の内部を示す側断面図である。

【図５】 図４のＡ−Ａ線から見た裏面断面図である。

【図６】 図５の閉鎖配電盤を右斜め上方から見た斜視
図である。

【図７】 図５のＢ−Ｂ線から見た水平拡大断面図であ
る。

【図８】 本発明の支持機構の詳細を示す分解斜視図で
ある。

【図９】 支持部材に対する絶縁ブロックの嵌込み説明
図である。

【符号の説明】

１ 閉鎖配電盤、２ 分岐開閉器ユニット、２３ 電源
接続用端子、３２ 垂直母線（電力供給母線）、５０
配電盤用母線の支持機構、５１ 絶縁ブロック、５１ａ
Ｕ字溝，５１ｂ 嵌込み溝，５２ 支持部材、５２ａ
切欠ぎ部、５３ 支持部材、５３ａ 切欠ぎ部、５４
ボルト。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 帯板状導体の幅方向の面を相互に向き合
   わせて構成される電力供給母線を配電盤内に支持する機
   構において、上記電力供給母線の側縁に嵌まるように形
   成されたＵ字溝を有する絶縁ブロックを上記各電力供給
   母線の両側縁にそれぞれ嵌装し、一方の側縁に嵌装され
   た絶縁ブロックの背面側からその絶縁ブロックを一括し
   て支持部材で支持すると共に、他方の側縁に嵌装された
   絶縁ブロックの背面側からその絶縁ブロックを一括して
   支持部材で支持し、上記両側の支持部材に挿通された締
   付部材による締付けにより上記電力供給母線を締付け保
   持し、かつ、上記支持部材を配電盤内に固着して上記電
   力供給母線を所定の場所に支持するようにしたことを特
   徴とする配電盤用母線の支持機構。
2. 【請求項２】 支持部材を金属板で形成し、絶縁ブロッ
   クの背面側に上記支持部材を嵌込むための嵌込み溝を設
   け、この嵌込み溝に上記支持部材を嵌込むよう構成した
   ことを特徴とする請求項１記載の配電盤用母線の支持機
   構。
3. 【請求項３】 支持部材に切欠ぎ部を設け、この切欠ぎ
   部に絶縁ブロックを嵌込んで支持したことを特徴とする
   請求項２記載の配電盤用母線の支持機構。
4. 【請求項４】 支持部材は断面がコ字状になるように折
   曲げ形成したものであることを特徴とする請求項２また
   は３記載の配電盤用母線の支持機構。
5. 【請求項５】 コ字状の支持部材の両辺に対して電力供
   給母線が対向する位置にそれぞれ絶縁ブロックを嵌込
   み、上記絶縁ブロックを嵌込んだ支持部材により上記電
   力供給母線を締付け保持するようにしたことを特徴とす
   る請求項４記載の配電盤用母線の支持機構。