JP2003161709A - 蛍光x線分析装置の試料回転機構 - Google Patents

蛍光x線分析装置の試料回転機構

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JP2003161709A
JP2003161709A JP2001360396A JP2001360396A JP2003161709A JP 2003161709 A JP2003161709 A JP 2003161709A JP 2001360396 A JP2001360396 A JP 2001360396A JP 2001360396 A JP2001360396 A JP 2001360396A JP 2003161709 A JP2003161709 A JP 2003161709A
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Masaru Murata
優 村田
Yukio Sako
幸雄 迫
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストッパ片などの付け替えといった手間を要
することなく、性状の異なる種々の試料を変位すること
なく回転させて高精度に分析することのできる蛍光X線
分析装置における試料回転機構を提供する。 【解決手段】 1次X線B1が照射された試料10から
発生する蛍光X線B2を分析する蛍光X線分析装置にお
いて、試料10を支持する試料台7を回転させる駆動機
22と、試料台7を異なる複数の回転速度で回転させる
ように前記駆動機22を制御する速度制御部22と、試
料10の性状に応じた回転速度の設定値を速度制御部2
2に入力する入力部39とを備えた試料回転機構を設け
て、試料10の性状に応じて試料10が回転時の遠心力
で変位しない回転速度に設定して試料台7を回転させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光X線分析装置
において、試料を回転させながら1次X線を試料に照射
するための試料回転機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】蛍光X線分析装置で分析する試料には、
組成が部分的に異なるものがあり、このような試料で
は、元素の偏析に起因して、1次X線の照射方向に対す
る試料の方位によって、発生する蛍光X線強度が不均一
となる。そこで、従来では、定量分析を高精度に行うこ
とを目的として、試料を回転させながら元素の測定を行
うことにより、分析の信頼性を向上させている。
【0003】試料の定性分析においては、一般に、試料
が載置される試料台を1秒間に1回転ないし0.5回転
の一定の回転速度で回転させている。このように一定の
回転速度に設定することで、ゴニオメータを走査しなが
ら測定するレートメータを使った定性分析測定におい
て、レートメータの時定数によって積算計数値が平均化
されることにより、試料の偏析に起因する分析むらを、
実用上、殆ど支障のない程度に抑制している。
【0004】一方、定量分析においては、所定の測定時
間内に少なくとも1回転すれば、測定時間内において一
定の強度以上の蛍光X線を計数した積算計数値の平均値
を求めることができるから、原理的に十分であるが、上
記一定の回転速度を得る機構に加えて、回転速度を変更
する機構を付設すれば、構成が複雑化することから、止
むなく定性分析時と同じ回転速度で試料が回転されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
分析対象の試料が多岐にわたり、例えば、鉄鋼のインゴ
ットのように殆ど加工を加えない比較的大きな形状のま
までしか測定できない試料に対する分析要求がある。し
かしながら、従来の蛍光X線分析装置における定量分析
では試料が前記の比較的速い一定の回転速度で回転され
るので、試料の性状によっては、回転時の遠心力を受け
て試料が試料台上で変位することがある。特に、上述の
大きな形状の試料や滑らかな表面を有して摩擦係数の小
さい試料、あるいは丸棒状の動き易い試料の場合には、
回転時の遠心力を受けて変位し易い。このように試料が
測定時に変位した場合には、積算計数値を平均化して試
料の偏析に起因する分析むらを除去する効果が薄れるだ
けでなく、時には分析できないこともある。
【0006】そこで、従来では、試料台の外周縁にスト
ッパ片などを設けて試料の変位を分析に支障を来さない
範囲に抑制することも行われている。しかし、このよう
な手段では、順次分析する試料の形状が異なると、その
形状の大小に応じてその都度ストッパ片などを付け替え
る手間が生じる。
【0007】そこで本発明は、前記従来の課題に鑑みて
なされたもので、ストッパ片などの付け替えといった手
間を要することなく、性状の異なる種々の試料を変位す
ることなく回転させて高精度に分析することのできる蛍
光X線分析装置における試料回転機構を提供することを
目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る蛍光X線分析装置の試料回転機構は、
1次X線が照射された試料から発生する蛍光X線を分析
する蛍光X線分析装置における試料回転機構であって、
前記試料を支持する試料台を回転させる駆動機と、前記
試料台を異なる複数の回転速度で回転させるように前記
駆動機を制御する速度制御部と、前記試料の性状に応じ
た回転速度の設定値を前記速度制御部に入力する入力部
とを備えている。
【0009】この蛍光X線分析装置の試料回転機構で
は、試料の性状に応じた回転速度、つまり比較的大きな
形状や滑り易い表面或いは変位し易い外形などを有する
試料では遅い回転速度を、かつ、回転時の遠心力を受け
難い試料では速い回転速度を、例えばオペレータが入力
部から設定入力すれば、速度制御部が、設定入力された
回転速度で試料台を回転するように駆動機を制御する。
したがって、性状の異なるどのような試料であっても、
それらの試料は、各々の性状に応じて、回転時の遠心力
による変位が生じない回転速度で回転されるので、所要
の積算計数値を得て、この積算計数値を平均化して試料
の方位に対する蛍光X線強度の不均一性を排除できるの
で、試料を高精度に分析できる。
【0010】本発明の好ましい実施形態では、さらに、
前記入力部が、前記試料の測定時間と前記試料の性状に
応じた回転数とが前記入力部に入力されたとき、前記測
定時間と前記試料の回転数とから前記試料台の回転速度
を算出して前記速度制御部に入力させる演算部を備えて
いる。この構成によれば、試料の測定時間と試料の性状
に応じた回転数とを入力すれば、その試料の回転速度が
演算部により自動的に算出されるので、試料の性状に応
じた回転速度を計算して入力する手間が省ける。
【0011】本発明の他の好ましい実施形態では、さら
に、複数の試料について、前記回転速度を記憶する記憶
部と、その記憶された回転速度で順次前記速度制御部を
作動させる連続測定制御部を備えている。この構成によ
れば、例えば、多試料交換機能を有する蛍光X線分析装
置では、同時にセットした複数の各試料が、入力部から
の入力に基づいて予め記憶された、各々の性状に応じた
回転速度で回転されるので、複種類の試料の分析を迅速
に行うことができる。
【0012】前記演算部を備えた実施形態において、さ
らに、測定時間内の蛍光X線強度の積算計数値と単位時
間ごとの計数値とに基づいて、前記試料の平均分析値と
偏析度合いとを求める試料分析部を設けることもでき
る。この構成によれば、測定時間内の積算計数値に基づ
き試料の平均分析値が求められるのに加えて、従来装置
に比較して試料を格段に遅い回転速度で回転させなが
ら、単位時間ごとの蛍光X線の計数値を時系列に取り込
むことにより、時系列データとしての計数値から試料の
偏析度合いをも求めることができる。その求めた偏析度
合いに基づいて試料の良否を判別する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の
一実施形態に係る試料回転機構を備えた蛍光X線分析装
置を示す縦断面図である。蛍光X線分析装置は、本体ケ
ース1の上壁aに蓋体2が開閉回動可能に取り付けられ
ており、本体ケース1の上壁1aと蓋体2とで囲まれた
試料室3が形成されている。本体ケース1の上壁1aと
蓋体2との間はシール部材4によりシールされている。
【0014】前記試料室3の底壁を形成する前記上壁1
aには試料台7が鉛直軸の回りに回転自在に支持されて
おり、試料台7にX線照射窓8が貫通して設けられてい
る。試料台7には、分析対象の試料1を底部に支持した
試料ホルダ9が載置されて、試料10がX線照射窓8を
塞ぐ状態に設定される。この試料ホルダ9の詳細につい
ては後述する。
【0015】前記本体ケース1内にはX線発生装置11
がその頭部をX線照射窓8に近接させて配置されてい
る。本体ケース1内にはさらに、分光結晶17とX線検
出器18を収納した分析ケース19が配置されている。
【0016】このX線分析装置は、いわゆる下面照射型
であり、前記X線発生装置11の頭部のX線出射部11
aから出射された1次X線B1は、試料台7上にセット
された試料ホルダ9内の測定用試料10の下面に、試料
台7のX線照射窓8および試料ホルダ9の底部のX線入
射孔9aを通して照射される。この1次X線B1は、試
料10を励起して、元素固有の蛍光X線B2を発生させ
る。この蛍光X線B2は分光結晶17に入射して分光さ
れ、ブラッグの式を満足する所定の波長の蛍光X線B2
のみが、分光結晶17への入射角と同一の回折角で回折
される。この回折された蛍光X線B2は、X線検出器1
8に入射して検出され、後述する計数回路により求めら
れた積算計数値に基づいて試料10の元素分析がなされ
る。
【0017】前記試料台7は、本体ケース1に軸受20
によって回転自在に保持されており、試料10を収納し
た試料ホルダ9を回転させて、元素の偏析による測定誤
差を補償する。前記試料台7を回転させる試料回転機構
は、試料台7の下面に設けられたリング状のスピンギャ
21と、回転駆動源の速度可変型の試料台駆動機22
と、試料台駆動機22により回転駆動されるスピンドラ
イブ軸23と、スピンドライブ軸23の上端に固着され
て前記スピンギャ21に噛合するスピンドライブギャ2
4と、さらに図4の各構成要素とを備えている。図4の
各構成要素については後述するが、前記試料回転機構の
特徴の一つは速度可変型の試料台駆動機22を備えてい
ることであり、この速度可変型の試料駆動機22として
は、例えば、パルスモータまたはインバータモータなど
の電気的に回転速度をコントロールできるモータが用い
られる。
【0018】前記試料室3内には試料交換機35が配置
されている。この試料交換機35の円盤状のターレット
28は、図2の平面図に示すように、その回転軸心C1
と同心の同一円上における等間隔の12箇所に、円筒状
の試料受け29が、取付孔に嵌入されて上下に貫通する
配置として、図1に示すブッシュ30で固定されてい
る。前記試料受け29にはそれぞれ前記試料ホルダ9
が、上下動可能に支持されている。試料ホルダ9は、試
料10が載置される底面の中央部に前記X線入射孔9a
が設けられ、上端開口の縁部に径方向外方に突出する係
止部9bが形成されている。この係止部9bの機能につ
いては後述する。なお、図2は、試料ホルダ9が試料受
け29に未装着の状態を図示してある。
【0019】前記ターレット28は、本体ケース1内に
配置されて、本体ケース1の上壁1に固定されたターレ
ット駆動機構部31の上端部に、六角ノブ32およびガ
イド33(図2)により固定されている。ターレット駆
動機構部31は、ターレット28を一定高さまで上昇さ
せて、試料ホルダ9を本体ケース1の上壁1aから上方
へ離間させたのちに、隣接する2つの試料受け29の間
隔に相当する一定角度だけ回転させ、その回転停止後に
所定位置まで下降させるよう作動する。図3(a),
(b)はそれぞれ、ターレット28がターレット駆動機
構部31の駆動により上昇した状態および下降した状態
における試料測定箇所での縦断面図を示す。
【0020】図3(a)に示すように、ターレット28
が上昇したときには、試料ホルダ9の係止部9bが試料
受け29の上端面に当接して試料ホルダ9が試料受け2
9に吊り下げ状態に支持され、試料ホルダ9における試
料受け29の下方から突出した底面が、試料台7および
本体ケース1の上壁1a(図1)から離間しており、こ
の状態でターレット28が所定角度だけ回転される。ま
た、同図(b)に示すように、ターレット28が下降し
たときには、試料ホルダ9が試料台7上に載置されて、
X線入射孔9aがX線照射窓8に重合した状態からター
レット28がさらに下降することにより、試料受け29
の上端が試料ホルダ9の係止部9bから下方に離間す
る。これにより、試料ホルダ9は試料受け29の内部に
挿通された状態で試料台7によって回転される。その試
料ホルダ9内に収納されて回転される試料10の下面に
は、前記重合しているX線照射窓8およびX線入射孔9
aを通じて1次X線B1が照射される。
【0021】つぎに、図4のブロック構成図を参照しな
がら本発明の一実施形態の試料回転機構について説明す
る。CPUからなる制御ユニット34は、RAM(記憶
部)37に記憶されたデータに基づきROM38に設定
記憶されたプログラムを実行することにより、前記試料
回転機構を含む蛍光X線分析装置全体を制御する。キー
ボードのような入力手段を含む入力部39には、オペレ
ータの操作によって外部から、試料台7の回転速度、ま
たは試料10の測定時間と試料10の性状に応じた回転
数などのデータが入力される。入力部39は、前記回転
速度が入力されたときは、これを設定値として制御ユニ
ット34に入力する。他方、試料10の測定時間と回転
数が入力されたときは、入力部に内蔵された演算部41
が、測定時間と回転数とから試料台7の回転速度を算出
し、これを設定値として制御ユニット34に入力する。
速度制御部40は、制御ユニット34から指令された回
転速度の設定値に基づき試料台駆動機22を回転制御す
る。
【0022】また、制御ユニット34は、演算部41が
算出した回転速度の設定値をRAM37に一時記憶して
プログラミングするとともに、その連続測定制御部34
aにより、試料交換機35のターレット駆動機構部31
を制御してターレット28を所定角度だけ回転させ、そ
の回転により試料台7上にセットされた試料10に対応
する回転速度の設定値をRAM37から順次読み出し、
その読み出した設定値で試料台駆動機22を回転制御す
るよう速度制御部40を連続的に制御する。
【0023】X線検出器18で検出されたX線は、波高
分析器43により、電気的ノイズおよび高次線を除いて
目的スペクトルだけが選別され、そのX線スペクトルの
強度に比例した数のパルスが出力される。そのパルス数
が計数回路44により計数される。制御ユニット34
は、タイマ回路42の計時時間に基づき、試料分析部4
5に対し、試料10の平均分析値と偏析度合いを求める
よう制御する。すなわち、制御ユニット34は、タイマ
回路42の計時時間に基づき、試料10の測定時間内に
おいて単位時間(例えば1秒)が経過するごとに前記計
数回路44の計数値を試料分析部45に内蔵のメモリに
一時記憶させるとともに、前記測定時間内の前記単位時
間ごとの計数値を累積した積算計数値に基づき試料10
の平均分析値を、且つ単位時間ごとの計数値に基づき試
料10の偏析度合いを、それぞれ求めるよう制御する。
この求められた平均分析値および偏析度合いの各データ
は、レートメータ46からアナログ信号として出力され
て、レコーダ47に記録される。
【0024】つぎに、前記制御ユニット34による試料
回転機構の制御処理について、図5のフローチャートを
参照しながら説明する。制御ユニット34は、入力部3
9から回転速度の設定値の入力または測定時間と回転数
の入力があったか否かを常に監視する(ステップS1,
S2)。試料ホルダ9内にセットされた試料10の回転
速度が予め実験的に求められてマニュアルに設定値とし
て記述されているような場合には、その回転速度の設定
値をオペレータが入力部39を操作して入力する。一
方、マニュアルに記述のない試料10の場合には、オペ
レータが測定時間と試料10の性状に応じた回転数とを
経験に基づき判断するなどして入力部39から入力す
る。
【0025】いま、回転速度の設定値が入力された場合
(ステップS1)、その設定値がそのまま制御ユニット
34に出力される。測定時間と回転数とが入力された場
合(ステップS2)には、演算部41が測定時間と回転
数とから試料台7の回転速度を算出し(ステップS
3)、その回転速度を設定値として制御ユニット34に
対し出力する。これにより、試料10の測定時間と試料
10の性状に応じた回転数とを入力すれば、その試料1
0の回転速度が演算により自動的に算出されるので、試
料10の性状に応じた回転速度を計算する手間が省け
る。
【0026】つぎに、制御ユニット34は、入力部39
からのデータ入力の終了であるか否かを判別する(ステ
ップS4)。複種類の試料10がターレット28の回転
方向に沿った各試料受け29の試料ホルダ9に順次セッ
トされた場合には、オペレータが、例えば連続入力を指
示する操作を行ったのちに、各試料10について、回転
速度の設定値、または測定時間と回転数を、入力部39
から順次入力する。このとき、制御ユニット34は、入
力された設定値、または演算部41で算出された設定値
をRAM37に一時記憶した(ステップS5)のちに、
ステップS2〜S4の制御処理を繰り返して、入力部3
9から順次入力される回転速度の設定値をRAM37に
一時記憶してプログラミングするよう制御する。
【0027】制御ユニット34は、入力部39の例えば
終了キーの操作による入力信号によってデータ入力の終
了を判別すると(ステップS4)、RAM37から1番
目の回転速度の設定値を読み出して、その設定値に基づ
き試料台駆動機22を回転制御するよう速度制御部40
に対し指令する(ステップS6)。なお、1種類の試料
10のみがターレット28にセットされた場合には、回
転速度の設定値をRAM37に記憶することなく、その
設定値に基づき速度制御部40に試料台駆動機22の回
転を制御するよう指令する。
【0028】ところで、従来装置では定量分析時にも1
秒間に1回転ないし0.5回転する定性分析時の回転速
度と同一の一定の回転速度で試料台を回転させていたの
に対し、上記実施形態の試料回転機構では、試料10の
性状に応じて設定した回転速度に試料台7が回転制御さ
れる。一般に、定量分析時の測定時間は10秒から数1
00秒であり、この測定時間の間に試料台7を少なくと
も1回転させれば、そのときの積算計数値を平均化する
ことにより、試料10の方位に対するX線強度の不均一
性を除去できる。そこで、試料台7は、従来装置の回転
速度に比較して1/10〜1/100の遅い回転速度で
回転させる。これにより、性状の異なるどのような試料
10であっても、それらの試料10は、試料台7の回転
時の遠心力で変位することがない。
【0029】また、試料10は上述のように従来装置に
比較して格段に遅い回転速度で回転させることができる
から、制御ユニット34は、試料分析部45に対し、測
定時間内においてタイマ回路42の計時時間に基づき単
位時間の経過ごとに計数回路44の計数値を自身に内蔵
のメモリに一時記憶するよう指令する(ステップS
7)。さらに、制御ユニット34は、タイマ回路42の
計時時間に基づき測定時間が経過したと判別したときに
(ステップS8)に、試料分析部45に対し、積算計数
値に基づき試料10の平均分析値を、且つ、単位時間ご
との計数値に基づき試料10の偏析度合いをそれぞれ求
めるよう指令する(ステップS9)。なお、積算計数値
は単位時間ごとの計数値を累積して求められる。また、
偏折度合いは、平均分析値に対する単位時間ごとの分析
値のずれの最大値と最小値の割合であって、この偏折度
合いに基づき試料10の良否を判別することが可能とな
る。
【0030】制御ユニット34は、平均分析値と偏析度
合いとを求める指令を行ったのちに、ターレット28の
試料受け29にセットされた複種類の試料10の全てに
ついて測定が終了したか否かをプログラム上で判別して
(ステップS10)、終了していない場合に、ターレッ
ト作動機構31を制御してターレット28を所定角度だ
け回転させ(ステップS11)、そののち、ステップS
6にリターンして上述と同様の制御処理を、全ての試料
10の測定が終了したと判別するまで繰り返す。その際
に、制御ユニット34は、ターレット28の所定角度の
回転に伴って次の試料10が試料台7にセットされるご
とに、その試料10に対応する回転速度をRAM37か
ら順次読み出して(ステップS6)、速度制御部40が
試料台駆動機22を回転制御するための試料台7の回転
速度を自動的に切り換え設定する。これにより、複種類
の試料10の分析を連続的に迅速に行うことができる。
【0031】上述のように試料10の測定時間と回転数
との入力により算出された回転速度または実験的に求め
られた回転速度をマニュアルなどに記録しておけば、そ
の回転速度が記録された試料10の次回からの分析に際
して、オペレータがマニュアルに基づき回転速度を入力
することができる。
【0032】また、試料交換機35は割愛してもよく、
その場合、試料10は、試料ホルダ9に収納せずに、直
接試料台7に載置される。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る蛍光X線分
析装置の試料回転機構によれば、試料の性状に応じた回
転速度を入力すると、その回転速度で試料台を回転制御
する構成としたので、性状の異なるどのような試料であ
っても、それらの試料を各々の性状に応じた回転速度で
回転させることによって試料が回転時の遠心力で変位す
ることがないから、試料の方位に対する蛍光X線強度の
不均一性を排除した積算計数値を確実に得ることがで
き、この積算計数値を平均化して高精度な分析を行うこ
とができる。しかも、ストッパ片などの試料の移動防止
機構やこれの付け替えといった面倒な手間などを要しな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る試料回転機構を備
えた蛍光X線分析装置を示す縦断面図である。
【図2】同上の蛍光X線分析装置におけるターレットを
示す平面図である。
【図3】(a),(b)はそれぞれ同上のターレットが
上昇された状態および下降された状態における試料測定
箇所の縦断面図である。
【図4】同上の試料回転機構のブロック構成図である。
【図5】同上の試料回転機構の制御処理を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
7…試料台、10…試料、22…試料台駆動機(駆動
機)、34…制御ユニット、34a…連続速度制御部、
37…RAM(記憶部)、39…入力部、40…速度制
御部、41…演算部、43a…試料分析部、B1…1次
X線、B2…蛍光X線。
フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA01 BA04 CA01 EA01 EA03 FA06 GA01 GA08 GA13 JA08 KA01 PA12 PA13 PA14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1次X線が照射された試料から発生する
    蛍光X線を分析する蛍光X線分析装置における試料回転
    機構であって、 前記試料を支持する試料台を回転させる駆動機と、 前記試料台を異なる複数の回転速度で回転させるように
    前記駆動機を制御する速度制御部と、 前記試料の性状に応じた回転速度の設定値を前記速度制
    御部に入力する入力部とを備えた蛍光X線分析装置の試
    料回転機構。
  2. 【請求項2】 請求項1において、さらに、前記入力部
    は、前記試料の測定時間と前記試料の性状に応じた回転
    数とが前記入力部に入力されたとき、前記測定時間と前
    記試料の回転数とから前記試料台の回転速度を算出して
    前記速度制御部に入力させる演算部を備えた蛍光X線分
    析装置の試料回転機構。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、さらに、複
    数の試料について、前記回転速度を記憶する記憶部と、
    その記憶された回転速度で順次前記速度制御部を作動さ
    せる連続測定制御部を備えた蛍光X線分析装置の試料回
    転機構。
  4. 【請求項4】 請求項2において、さらに、測定時間内
    の蛍光X線強度の積算計数値と単位時間ごとの計数値と
    に基づいて、前記試料の平均分析値と偏析度合いとを求
    める試料分析部を備えた蛍光X線分析装置の試料回転機
    構。
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