JP2003161424A - 蓄熱燃焼装置 - Google Patents

蓄熱燃焼装置

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JP2003161424A
JP2003161424A JP2001354364A JP2001354364A JP2003161424A JP 2003161424 A JP2003161424 A JP 2003161424A JP 2001354364 A JP2001354364 A JP 2001354364A JP 2001354364 A JP2001354364 A JP 2001354364A JP 2003161424 A JP2003161424 A JP 2003161424A
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Shinsuke Iijima
伸介 飯島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直接加熱においても触媒をオーバーヒートさ
せることなく低ランニングコストで揮発性有機化合物あ
るいはアンモニアなどの可燃性有害成分を含む排気ガス
を処理することができる蓄熱燃焼装置を提供することを
目的とする。 【解決手段】 燃焼室に未処理ガスの供給流路および処
理済ガスの排気流路となる蓄熱室を接続設置し、該蓄熱
室に蓄熱体を充填すると共に揮発性有機化合物あるいは
アンモニアなど未処理ガス中に含まれる可燃性有害成分
を燃焼分解可能な触媒を当該成分の触媒燃焼温度雰囲気
となる蓄熱体の間及び蓄熱体の未処理ガス供給側に設置
したことを特徴とする蓄熱燃焼装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、未処理排ガス中に
含まれる悪臭成分あるいは揮発性有機化合物などの可燃
性有害ガスを直接燃焼あるいは触媒燃焼により無害化す
るとともに、処理済ガスの熱を蓄熱回収し、未処理ガス
の予備加熱に再利用する蓄熱燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種生産設備や処理設備から排気された
可燃性悪臭成分あるいは揮発性有機化合物を含む排ガス
は、公害防止の観点から通常脱臭設備に供給され無害化
された後に大気に放出している。各種脱臭方式のうち、
直接燃焼法は最も基本的な脱臭処理方法であり、有害な
成分を700〜900℃の高温化で炭酸ガスと水に酸化
分解あるいは熱分解し無害化している。分解効率は十分
高く一般的な可燃性成分に適応できる反面、燃焼室内を
高温に保つために燃料消費量が多量となり、ランニング
コストが嵩むという問題点があった。
【0003】上記の問題点を解決するために、蓄熱式の
熱交換層を燃焼室に連結することにより、可燃成分を処
理したあとの高温ガスの熱を蓄熱回収し、未処理ガスを
燃焼室内に導入する際に予備加熱するための熱源として
使用することによりランニングコストを低減する蓄熱燃
焼装置が利用されている。また、揮発性有機化合物ある
いはアンモニアなどを分解する触媒を燃焼室と蓄熱室の
連結部に設置した触媒式蓄熱燃焼装置(特開平5−66
005号公報等)により処理する方法もある。この方式
によれば蓄熱燃焼装置の高い熱交換効率を有したまま、
触媒燃焼により比較的低温度領域で可燃性有害成分を分
解するため、ランニングコストを大幅に削減できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記蓄熱
燃焼装置の加熱装置にバーナあるいは電気ヒータなどを
使用するためその炎あるいは電熱線の周辺温度は触媒の
耐熱温度を超える温度領域たとえば700〜1300℃
に達するので、加熱装置の出力を最小限に絞った場合に
おいても、その輻射熱により触媒がオーバーヒート状態
となり、触媒が劣化し、活性寿命が低下するため触媒の
交換が頻繁になり、ランニングコストが増大する要因と
なる。
【0005】触媒のオーバーヒートを解決する方法とし
て加熱装置を直接燃焼装置に設置せず、未処理排ガス温
度を触媒燃焼温度まで加熱できる温度の熱風を発生する
熱風発生装置と燃焼装置を熱風供給ダクトで接続するこ
とにより、バーナ等の輻射熱による触媒のオーバーヒー
トを防止する方法が提案されている(特開平9−253
449号公報)。この方法によれば未処理ガスの加熱が
間接的に行われるため、熱風発生装置に付属するバーナ
の容量は、直接加熱する場合に比較して大となることは
明白であり、燃料消費量およびランニングコストの増大
につながる。さらに1台熱風供給用の送風機が必要とな
るとともに触媒式蓄熱燃焼装置内を通過する処理済ガス
量が増量することから、装置圧力損失が増大するなどの
問題点がある。
【0006】本発明は上記の問題に鑑みて成されたもの
で、直接加熱においても触媒をオーバーヒートさせるこ
となく低ランニングコストで揮発性有機化合物あるいは
アンモニアなどの可燃性有害成分を含む排気ガスを処理
することができる蓄熱燃焼装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明における蓄熱燃焼装置は、所定の高温雰囲気
下に加熱して未処理ガス中の有害成分を燃焼分解処理す
る燃焼室に未処理ガスの供給流路および処理済ガスの排
気流路となる蓄熱室を接続設置し、該蓄熱室に処理済ガ
ス通過時に処理済ガスの廃熱を蓄熱回収し、未処理ガス
通過時に未処理ガスを予備加熱に再利用する蓄熱体を充
填すると共に前記蓄熱室の燃焼室1側とは反対側には、
未処理ガス、処理済ガス用給排気ダクトを接続するため
のホッパを配置し、かつ各ダクトとホッパの接続部に
は、蓄熱室を通過するガスを所定時間ごとに切り替える
ことができるように、それぞれ未処理ガス供給ダンパ、
処理済ガス排気ダンパを配置した蓄熱燃焼装置におい
て、揮発性有機化合物あるいはアンモニアなど未処理ガ
ス中に含まれる可燃性有害成分を燃焼分解可能な触媒を
当該成分の触媒燃焼温度雰囲気となる蓄熱体の間及び蓄
熱体の未処理ガス供給側に設置したことを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明によれば、未処理ガスダクト、未処理ガ
ス供給ダンパ及びホッパを経由して蓄熱室に供給された
未処理ガスは、蓄熱室中に充填された蓄熱体を通過する
際に予備加熱されるとともに、未処理ガス中に含まれる
可燃性有害成分の触媒燃焼温度領域に設置された触媒層
を通過する間に有害成分の触媒分解処理も同時に行われ
た後、燃焼室に供給される。
【0009】このとき、加熱装置が燃焼室内のガス温度
を可燃性有害成分の直接燃焼温度を上回る高温雰囲気ま
で加熱制御可能なものであれば、燃焼室内においてさら
に可燃性有害成分が2次燃焼されるため分解効率が上昇
し、たとえば蓄熱燃焼装置全体の分解効率として98%
が必要な場合、触媒層で有害成分を50%分解できれ
ば、燃焼室内では残存有害成分を96%の効率で分解す
ればよいので、高い分解効率が得られる高価な触媒を使
用する必要は特になく、中性能で安価な触媒が使用でき
るとともに、従来型の蓄熱燃焼装置と比較して燃焼室を
小さくすることも可能となり、かつ、触媒毒成分の付着
などにより触媒の活性が低下した場合でも極端な分解効
率の低下もなく蓄熱燃焼装置の運転を継続することがで
きる。
【0010】あるいは、例えば揮発性有機化合物とアン
モニアが未処理ガス中に含まれる場合、例えば白金触媒
などの酸化触媒または、高温雰囲気下による直接燃焼に
より1段階で燃焼分解すると多量の窒素酸化物が発生す
るため、2段階処理したいが、触媒に特定成分の触媒燃
焼に特化したものを使用することにより、特定成分のみ
が触媒層であらかじめ分解された後、他の可燃性有害成
分を燃焼室内で燃焼処理することも可能となる。
【0011】さらに、加熱装置を有する燃焼室と各蓄熱
室中に設置された触媒の間には蓄熱体が少なくとも1層
以上配置されているため、加熱装置の輻射熱により触媒
のオーバーヒートを防止することができるので、触媒寿
命が延び、交換頻度が抑えられ、ランニングコストを低
減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳しく説明する。図1は本発明に係る蓄熱燃
焼装置の構成図を示し、図2は蓄熱燃焼装置内の未処理
ガスの供給/排気方向を示す説明図である。
【0013】図1は、未処理ガス中に含まれる悪臭成分
あるいは揮発性有機化合物などの可燃性有害成分を触媒
燃焼あるいは高温雰囲気下における直接燃焼により無害
化するとともに、処理済ガスの熱を蓄熱回収し、未処理
ガスの予備加熱に再利用する蓄熱燃焼装置であって、未
処理ガスを所定温度まで加熱して有害成分の分解処理す
る燃焼室1には、燃焼バーナなどの加熱装置9が配置さ
れており、かつ3つの蓄熱室2a、2b、2cが並設接
続されている。
【0014】各蓄熱室2a〜2cには、処理済ガスが排
気される際に処理済ガスの熱を蓄熱回収して、未処理ガ
スが当該蓄熱室2a〜2cに供給された際に予備加熱す
るための蓄熱体3a、3b、3cが充填されており、揮
発性有機化合物あるいはアンモニアなど未処理ガス中に
含まれる可燃性有害成分を分解可能な触媒4a〜4cが
当該成分の触媒燃焼温度雰囲気となる蓄熱体3a〜3c
の間及び蓄熱体3a〜3cの未処理ガス供給側に充填さ
れている。
【0015】また、各蓄熱室2a〜2cの燃焼室1の反
対端には、未処理ガス、処理済ガス用給排気ダクトを接
続するためのホッパ5a〜5cが配置され、かつ各ダク
トとホッパ5a〜5cの接続部には、蓄熱室2a〜2c
を通過するガスを所定時間ごとに切り替えることができ
るように、それぞれ未処理ガス供給ダンパ6a〜6c、
処理済ガス排気ダンパ7a〜7c及びパージダンパ8a
〜8cが配置されている。
【0016】以上が本発明の構成であって、以下にその
作動について説明する。図2(イ)に示すように、未処
理ガスが未処理ガス供給ダンパ6aおよびホッパ5aを
経由して蓄熱室2aに供給されるとき、蓄熱室2a内に
充填された蓄熱体3aにより燃焼室1内の温度付近まで
予備加熱されるとともに、触媒4a層を通過する際に有
害成分は分解される。触媒4a〜4cとしては、未処理
ガス中に含まれる処理対象有害成分の分解に対応したも
のであれば貴金属触媒あるいは比較的安価な卑金属触媒
にかかわらず既知の触媒を使用することが可能である。
このとき発生した燃焼熱は、未処理ガスを予備加熱する
という追加効果もある。
【0017】蓄熱室2aにて一次分解処理及び予備加熱
されたガスは、燃焼室1に供給される。燃焼室1に設置
した加熱装置9が有害成分を直接分解可能な温度まで加
熱可能な性能を有する場合、燃焼室1内にて二次分解処
理が可能なため、触媒毒成分の付着などにより触媒が劣
化した際にも分解効率の著しい減少を防止したまま装置
の運転を継続できるという追加効果も期待できる。
【0018】さらに、加熱装置9と各触媒4a〜4c層
の間には少なくとも1層以上の蓄熱体3a〜3cが充填
されているので加熱装置9の輻射熱により触媒層の温度
がオーバーヒートすることもない。なお、触媒のみでも
十分な分解効率が得られるような場合には、燃焼室1内
の温度を不要に上昇させる必要はないので、加熱装置9
の出力をカットすることができ、燃料あるいは電気の消
費量がゼロとなりランニングコストが大幅に低減できる
ことは明白である。
【0019】触媒4aあるいは燃焼室1内にて有害成分
を分解処理された高温ガスは、蓄熱室2b、ホッパ5
b、処理済ガス排気ダンパ7bを経由して装置外に排気
される。このとき蓄熱室2b内に充填された蓄熱体3b
は処理済ガスより廃熱を蓄熱回収する。このとき、残り
の蓄熱室2cにはパージ用エアを供給し、蓄熱室2c、
ホッパ5c中に残存している有害成分を含むガスをパー
ジしている。
【0020】次いで、一定時間経過後、6a、7b、8
cの各ダンパを閉じ、6b、7c、8aの各ダンパを開
くと、図2(ロ)に示すように未処理ガスは蓄熱室2b
に供給され、処理済ガスは蓄熱室2cを経由して排気さ
れると共に先に未処理ガスが供給されていた蓄熱室2a
内に残存している未処理ガスをパージエアによりクリー
ンな状態にパージする。
【0021】さらに、一定時間経過後、6b、7c、8
aの各ダンパを閉じ、6c、7a、8bの各ダンパを開
くと、図2(ハ)に示すように未処理ガスは蓄熱室2c
に供給され、処理済ガスは蓄熱室2aを経由して排気さ
れると共に先に未処理ガスが供給されていた蓄熱室2b
内に残存している未処理ガスをパージエアによりクリー
ンな状態にパージする。
【0022】表1、表2は従来型蓄熱燃焼装置および本
発明による蓄熱燃焼装置の実施例によりアンモニア及び
トルエンを含むガスを分解除去した際に装置出入口ダク
トにおいて測定した各成分濃度の一例を示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】本発明によれば、従来型の蓄熱燃焼装置を
使用した場合と比べてトルエン及びアンモニアを高分解
効率で除去することができた。また、同じ分解効率でよ
り場合には、燃焼室内の温度を低くして運転することが
できるので、ランニングコストは安くなる。なお上記の
説明では、蓄熱燃焼装置として3塔の蓄熱室2a〜2c
を有する場合を例示したが、これに限らず2塔式のもの
や、燃焼室1の左右あるいは上下などに蓄熱室2を接続
した1塔式のものにも適用することができる。また、触
媒としては未処理ガス中に含まれる有害成分を触媒分解
処理可能なものであればよく、さらに1種類の触媒に限
定されるものではなく、複数の触媒を連続あるいは断続
的に配置してもよい。
【0026】
【発明の効果】本発明は上記の説明から明らかなよう
に、燃焼室に未処理ガスの供給流路および処理済ガスの
排気流路となる蓄熱室を接続設置し、該蓄熱室に蓄熱体
を充填すると共に揮発性有機化合物あるいはアンモニア
など未処理ガス中に含まれる可燃性有害成分を燃焼分解
可能な触媒を当該成分の触媒燃焼温度雰囲気となる蓄熱
体の間及び蓄熱体の未処理ガス供給側に設置したから、
燃焼室と触媒層の間に少なくとも1層以上の蓄熱体層が
存在し、加熱装置の輻射熱による触媒のオーバーヒート
によって引き起こされる触媒活性の低下を防止するとと
もに、触媒層における触媒分解と燃焼室内における直接
燃焼分解により有害成分を2段階処理することが可能と
なるので、比較的安価な卑金属触媒を使用することも可
能となるので、ランニングコストを低減できる上、従来
装置と比較して燃焼室を小型化することもでき、かつ触
媒毒の付着などにより触媒活性が低下した場合において
も有害成分の分解効率を低下することなく装置の運転を
継続することができる。あるいは、複数の有害成分を分
解する場合において、特定対象成分の分解に特化した触
媒を使用すれば、時間差をつけて2段階分解処理を実施
することが可能となるという非常に優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蓄熱燃焼装置の構成図である。
【図2】蓄熱燃焼装置内におけるガス流れ方向を示す説
明図(イ)(ロ)(ハ)である。
【符号の説明】
1 燃焼室 2a〜2c 蓄熱室 3a〜3c 蓄熱体 4a〜4c 触媒 5a〜5c ホッパ 6a〜6c 未処理ガス供給ダンパ 7a〜7c 処理済ガス排気ダンパ 8a〜8c パージダンパ 9 加熱装置 10 メイン送風機

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の高温雰囲気下に加熱して未処理
    ガス中の有害成分を燃焼分解処理する燃焼室に未処理ガ
    スの供給流路および処理済ガスの排気流路となる蓄熱室
    を接続設置し、該蓄熱室に処理済ガス通過時に処理済ガ
    スの廃熱を蓄熱回収し、未処理ガス通過時に未処理ガス
    を予備加熱に再利用する蓄熱体を充填すると共に前記蓄
    熱室の燃焼室側とは反対側に、未処理ガス、処理済ガス
    用給排気ダクトを接続するためのホッパを配置し、かつ
    ダクトとホッパの接続部には、蓄熱室を通過するガスを
    所定時間ごとに切り替えることができるように、それぞ
    れ未処理ガス供給ダンパ、処理済ガス排気ダンパを配置
    した蓄熱燃焼装置において、揮発性有機化合物あるいは
    アンモニアなど未処理ガス中に含まれる可燃性有害成分
    を燃焼分解可能な触媒を当該成分の触媒燃焼温度雰囲気
    となる蓄熱体の間及び蓄熱体の未処理ガス供給側に設置
    したことを特徴とする蓄熱燃焼装置。
  2. 【請求項2】 前記未処理ガスの供給流路および処理
    済ガスの排気流路となる蓄熱室が横に複数並設して燃焼
    室に接続されていることを特徴とする請求項1記載の蓄
    熱燃焼装置。
  3. 【請求項3】 前記触媒を当該成分の触媒燃焼温度雰
    囲気となる蓄熱体の間に設置するものと蓄熱体の未処理
    ガス供給側に設置するものとの種類を異なることとした
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蓄熱燃
    焼装置。
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