JP7385956B1 - ガス除害装置及びガス処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 省エネルギー化を実現することができ、使用条件の範囲を拡大することが可能な、ガス除害装置及びガス処理方法を提供する。【解決手段】ガス除害装置は、第1の反応器4と第2の反応器5とを有している。第1の反応器4は加熱壁7に囲まれた第1の反応空間6を有しており、前記第2の反応器5は加熱壁7を囲む第2の反応空間16を有している。第1の反応空間6の一端側からガス及び還元剤が導入され、第1の反応空間6の他端側は第2の反応空間16と連通している。第2の反応空間16には酸素又は酸素を含むガスが導入される。【選択図】 図1

Description

本発明は、ガス除害装置及びガス除害方法に関するものである。
製造等の種々の工業的プロセスにおいて発生する排ガスには、人体へ悪影響を及ぼす虞のある成分を含むことがある。例えば、半導体製造工場では、成膜プロセスの酸化剤等としてNOを使用することがある。また、窒素化合物の燃焼等の高温処理によりサーマルNOxが生成されることがある。特に、NOは温暖化係数の高い温室効果ガスであり、排出量を低減する必要がある。
排ガスの除害装置の1つとして、このような有害成分を熱分解する装置が知られている。
特許7021730号公報 特開2005-125285号公報 再表2008/096466 特開2008-253903
例えば、窒素酸化物である亜酸化窒素(NO)を加熱分解するには、高温で熱処理を行う必要がある。そのため、加熱分解を採用する除害装置は、一般に大電力を必要とし、除害装置の省エネルギー化が要望される。
従来の除害装置においても、省エネルギー化を可能とする除害装置は存在する。しかし、除害装置の使用者の多様な要望(例えばさらなる低温化等)に応じ、除害装置の使用条件の範囲をさらに拡大することが要望されている。
上記課題を鑑み、本発明は、省エネルギー化を実現することができ、使用者の選択の範囲を広げるために、使用条件の範囲を拡大することが可能なガス除害装置及びガス除害方法の提供を課題とする。
本発明に係るガス除害装置(1)は、

第1の反応器(4)と第2の反応器(5)とを有し、
前記第1の反応器(4)は加熱壁(7)に囲まれた第1の反応空間(6)を有し、
前記第2の反応器(5)は前記加熱壁(7)を囲む第2の反応空間(16)を有し、
前記第1の反応空間(6)の一端側から前記ガス及び還元剤が導入され、
前記第1の反応空間(6)の他端側は前記第2の反応空間(16)と連通し、
前記第2の反応空間(16)には酸素又は酸素を含むガスが導入される
ことを特徴とする。
このような構成のガス除害装置とすることで、還元剤を選択することにより、使用者の要望に対応し得る使用可能な条件の範囲を拡げることができる。また、第2の反応空間において還元剤と酸素とを反応させ、その燃焼熱を第1の反応空間での還元反応に利用することができ、省エネルギー化に寄与することができる。
また、本発明に係るガス除害装置(1)は、上記構成において、
前記第1の反応器(4)は前記第1の反応空間(6)内にガス流調整器(13)を有してもよい。
このような構成のガス除害装置とすることで、第1の反応空間でのガスの還元反応を促進することができ、除害効率の向上に寄与することができる。
また、本発明に係るガス除害装置(1)は、上記構成において、
前記加熱壁(7)は直管形状を有し、
前記ガス流調整器(13)は気流制御部(15)を有し、
前記気流制御部(15)の長手方向は、前記加熱壁(7)の長手方向平行になるように設置されてもよい。
このような構成のガス除害装置とすることで、気流制御部によって第1の反応空間の還元反応を促進するとともに、ガス流調整器の第1の反応器への取り付け、取り外しが容易となり、メンテナンス性も向上する。
また、本発明に係るガス除害装置(1)は、上記構成において、
前記還元剤が可燃性ガスであってもよい。
このような構成のガス除害装置とすることで、還元剤として可燃性の還元性ガスを適宜に選択し、第2の反応器において燃焼させ、その熱エネルギーを第1の反応器での還元反応に利用することができる。また、特に還元剤として水素を選択することにより、処理温度の低温化も可能となり、除害処理の使用温度範囲を広げることもでき、使用者の選択の範囲を広げることができる。
また、本発明に係るガス除害装置(1)は、上記構成において、
前記還元剤が有機溶媒であってもよい。
このような構成のガス除害装置とすることで、可燃性ガスの使用を望まない使用者の要望にも対応することができる。
また、本発明に係るガス除害システム(100)は、
前記ガス除害装置(1)と、入口スクラバ(2)と、出口スクラバ(3)とを備え、
前記入口スクラバ(2)は、前記第1の反応器(4)と連通し、
前記出口スクラバ(3)は、前記第2の反応器(5)と連通することを特徴とする。
このような構成のガス除害システムとすることで、入口スクラバにおいて、粉塵や水溶性成分などを除去後にガス除害装置においてガス中の除害対象成分を分解し、出口スクラバにおいて冷却、及び適宜に希釈して大気放出することができる。
また、本発明に係るガスの除害方法は、
前記第1の反応器(4)に前記ガスを導入するガス導入ステップと、
前記第1の反応器(4)に導入された前記還元剤と前記ガスとを混合し、前記ガスを還元する還元ステップと、
前記第2の反応器(5)に、前記還元ステップ実行後の前記ガスと余剰の前記還元剤とを導入し、前記第2の反応器(5)に導入された酸素と余剰の前記還元剤とを反応させる燃焼ステップと、
前記第2の反応器(5)から前記燃焼ステップ実行後の前記ガスを排出する排気ステップと、を含むことを特徴とする。
このようなガスの除害方法とすることで、還元剤を選択することにより、使用者の要望に対応し得る使用可能な条件の範囲を拡げることができる。また、第2の反応空間において還元剤と酸素とを反応させ、その燃焼熱を第1の反応空間での還元反応に利用することができ、省エネルギー化に寄与することができる。
本発明によれば、省エネルギー化を実現することができ、使用者の選択の範囲を広げるために、使用条件の範囲を拡大することが可能なガス除害装置及びガス除害方法を提供することができる。
図1は、ガス除害装置1を用いたガス除害システム100の主要構成を模式的に示す断面図である。(実施形態1) 図2(A)は、加熱壁7に組み込まれたガス流調整器13の構成を示す部分側面図である。図2(B)は加熱壁7とガス流調整器13の支持部14との配置関係を示す上面図、図2(C)は加熱壁7と還元性ガスを供給するための配管9との配置関係を示す底面図である。 図3(A)は、NOの除去効率と水素の流量との関係を示すグラフである。図3(B)は、排ガス処理に必要なコストと処理温度との関係を示すグラフである。 図4はガス除害システム100の主要構成を示す模式図である。(実施形態2) 図5(A)はNOの除去効率とIPAの供給量との関係を示すグラフであり、図5(B)はNOの除去効率とエタノールの供給量との関係を示すグラフである。 図6(A)はNFの除害効率の水素流量依存性を示すグラフ、図6(B)はNFの除害効率のエタノール流量依存性を示すグラフ、図6(C)はNFの除害効率のイソプロピルアルコール(IPA)流量依存性を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は、いずれも本発明の要旨の認定において限定的な解釈を与えるものではない。また、同一又は同種の部材については同じ参照符号を付して、説明を省略することがある。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
(実施形態1)
以下、本発明の一実施形態におけるガス除害システム100について説明する。
図1は、ガス除害装置1を用いたガス除害システム100の主要構成を示す断面図である。図1において、矢印は、(理解のため、)ガスの流れを模式的に表現したものである。
図2(A)はガス流調整器13の周りの気流を示す模式図である。図2(B)は内筒ヒータ式除害装置における加熱壁7とガス流調整器13の支持部14との配置関係を示し、加熱壁7の上部から見た平面図、図2(C)は加熱壁7と還元性ガスを供給するための配管9との配置関係を示し、加熱壁7の底面側から見た平面図である。
ガス除害システム100はガス除害装置1と、入口スクラバ2と出口スクラバ3とを備える。ガス除害装置1は窒素酸化物(NO等)を含む被処理ガスの除害処理を行う。
図1においては、ガス除害装置1、入口スクラバ2、出口スクラバ3が一体で構成されている例を示すが、それぞれを独立して構成し、配管で接続してもよい。入口スクラバ2及び出口スクラバ3を独立して構成する場合、それぞれ公知の湿式スクラバを使用することができる。
ガス除害装置1は、第1の反応器及び第2の反応器、すなわち、内部反応器(内部リアクタ)4と外部反応器(外部リアクタ)5とを備えている。
内部反応器4は、内部反応空間6(第1の反応空間)を有し、内部反応空間6は、両端が開放された筒状の加熱壁7(反応壁)の内壁面により囲まれている。
加熱壁7は所定の温度に維持され得る。例えば、加熱壁7は、加熱機構(例えば電熱線)を備えており、所望の温度、例えば、(非限定的に)700℃から1000℃に維持され得る。
なお、温度の制御方法は、加熱壁7の温度を検知する温度計と制御装置を用いた公知の技術、例えばPID制御等を利用することができる。
加熱壁7の表面(内壁面及び外壁面)は、上記加熱機構を覆い、公知の耐火性、耐蝕性を有する材料から構成され、ガス除害装置1内の化学反応に対する耐性を有する。
内部反応器4は、加熱壁7により内部反応空間6を高温状態に維持する構成であり、この点において、実質的にホットウォール型の反応器であるとも考えられる。
還元性ガス供給口8(以下、ガス供給口8と称す。)を経由して、内部反応空間6(又は加熱壁7)の一端側から、還元剤(還元性物質)として、例えば水素や、メタン等の炭化水素系ガス等の還元性ガスが供給される。
ガス供給口8には、還元性ガスを供給するための配管9(還元性ガス供給ライン)が接続され、図示しないボンベ等の供給源から配管9を介してガス供給口8に還元性ガスが輸送される。
なお、還元性ガスは、上記例に限定されず、窒素酸化物を窒素と水に分解し、酸素と反応する可燃性ガスが採用できる。
一般に、窒素酸化物、例えばNOを熱分解するためには、1100℃以上に加熱する必要があることが知られているが、メタンの添加により、900℃で分解が可能となり、ガス処理の低温化が可能となる。後述するように、添加ガスとして水素を採用することで、さらなる低温化が可能となり、例えば800℃でNOの分解が可能となる。消費電力の低減の観点からは、還元性ガスとして、水素が好適に使用できる。
従って、除害処理に使用できる温度範囲の拡大(低温領域の拡大)が可能となり、除害装置の使用者の温度選択範囲が拡大される。
還元性ガスとして水素を採用する場合、例えば、半導体工場等においては、一般に水素ガスの供給ラインが設けられているため、既存の供給ラインを流用することができる。使用者の所有する設備に合わせて、使用する還元性ガスを適宜に選択してもよい。
供給源から供給された還元性ガスは、マスフローコントローラ等の流量制御装置FCDによって、その流量が制御され、配管9により輸送され、ガス供給口8を経由して内部反応空間6内に導入される。(図2(C)参照。)
ガス除害装置1には被処理ガスを内部反応空間6に導入するためのガス導入口10(被処理ガス導入口)が設けられており、ガス導入口10は内部反応空間6(より具体的には加熱壁7)の一端部側に位置する。
図1に示す例においては、ガス供給口8は加熱壁7の一端部(底面)に接続された導入配管50の壁面に設けられ、還元性ガスは加熱壁7の一端部の下方からガス導入口10を経由して内部反応空間6に供給される。この場合、還元性ガスは、被処理ガスと混合された後に、内部反応空間6に導入される。
なお、ガス供給口8は加熱壁7の一端部側の壁面に設け、ガス導入口10より上方から還元性ガスを供給してもよい。ガス供給口8は、還元性ガスを内部反応空間6に導入し、被処理ガスと十分に反応させるため、内部反応空間6の一端側に位置すればよく、そのため加熱壁7の一端部(底面)の導入配管50に位置してもよく、加熱壁7の一端部側の壁面に位置してもよい。
なお、被処理ガスは、直接的にガス導入口10からガス除害装置1の内部反応器4に導入してもよいが、入口スクラバ2を経由してガス導入口10に供給されてもよい。内部反応器4と連通する入口スクラバ2は、公知の装置を使用してもよい。
図1に示す例においては、入口スクラバ2は、直管型の入口スクラバ本体部21と、液体を放出するためのノズル22とを有する。
ガス流入口23から入口スクラバ本体部21へ導入された被処理ガス(図1中Gで示す)は、粉塵や水溶性成分などを除去するため、ノズル22から水などの薬液が放出(噴霧)される。放出された薬液は、薬液タンク40に回収される。回収された薬液は、ポンプPにより、循環パイプ24を介してノズル22に送られる。
なお、薬液タンク40にはドレインバルブ41が設けられており、定期メンテナンス時の薬液交換等のために、薬液をドレインバルブ41から排出することができる。
入口スクラバ2によって、粉塵除去等の処理がなされた被処理ガスは、入口スクラバ本体部21に設けられたガス流出口26から流出し、ガス導入口10を経由してガス除害装置1の内部反応器4に流入する。
図1に示す例においては、薬液タンク40の薬液面と薬液タンク40の天井面との空間を、入口スクラバ2からガス除害装置1(内部反応器4)までの流路(流入路FPi)として利用している。なお、ガス流出口26とガス導入口10との間を連通するために、ガス流通用の配管を別途設けてもよい。
図1、図2(B)に示すように、内部反応器4のガス導入口10に対向する他端部には、外部反応空間16に対して開放されているガス流出口12が設けられている。内部反応空間6の他端側は外部反応空間16に連通している。
従って、ガス導入口10から流入した被処理ガスは、ガス供給口8から導入された還元性ガスとともに内部反応空間6(又は加熱壁7)の長さ方向に沿って移動し、ガス流出口12から外部反応空間16へ流出する。
ガス除害装置1の内部反応器4の内部反応空間6には、ガス流調整器13が備えられている。図2(C)に示すように、ガス供給口8から導入された還元性ガスは、ガス流調整器13へ向かって放出される。なお、加熱壁7の内壁面に沿って流れるように、ガス供給口8から還元性ガスを放出してもよい。
図2(A)は、加熱壁7に組み込まれたガス流調整器13の構成を示す部分側面図であり、ガス流調整器13の周りの気流を模式的に示す。
図2(A)に示すように、ガス流調整器13は、T字状の支持部14と気流制御部15とを有している。
支持部14はヘッド部14aとシャフト部14bとを有している。
ヘッド部14aは、加熱壁7のガス流出口12において、加熱壁7の上端部の表面に接触して設置される。(図2(A)、図2(B)参照。)
加熱壁7を直管型の形状を有するように構成し、シャフト部14bを直線的な棒状に構成することにより、シャフト部14bを加熱壁7の内部に容易に挿入することが可能である。
ヘッド部14aの長手方向の長さは、加熱壁7の内径より長く、支持部14のシャフト部14bは、ヘッド部14aにより内部反応空間6に吊り下げられる。シャフト部14bは、ガス流出口12からガス導入口10に向かって、内部反応空間6の長手方向に平行に設けられる。
このような構成とすることで、ガス流調整器13の加熱壁7への組み込み及び取り外しが容易となる。例えば、内部反応器4から取り外したガス流調整器13は、洗浄後、再度取り付けが容易であり、メンテナンス性を高めることができる。
気流制御部15は、シャフト部14bに固定されている。図示される例においては、気流制御部15の各構成部品は、加熱壁7の長手方向と平行な方向に配置されている。
配管9によりガス供給口8から流入する還元性ガスは、気流制御部15に向かって流れ、さらに被処理ガスと混合され、混合ガスとなる。後述するように、気流制御部15により、被処理ガスと還元性ガスとの混合ガスが撹拌される。
被処理ガスと還元性ガスとが混合した混合ガスは、内部反応空間6内において、ガス導入口10からガス流出口12に向かって流れる。
内部反応空間6に設けられたガス流調整器13の気流制御部15は、混合ガスのガス導入口10からガス流出口12への直線的な流れ(又は層流)を部分的に遮る。
例えば、図2(A)に示すように、混合ガスは、気流制御部15により部分的に流れが遮られ、例えば図中矢印に示すような渦等の影響により複雑な流れ(乱流)が発生する。
そのため、混合ガスが内部反応空間6に滞留する時間が長くなり、また、被処理ガスの分解対象成分と還元性ガスとの混合がさらに促進され、分解対象成分の分解反応が促進される。その結果、内部反応空間6での窒素酸化物の分解温度の低温化に寄与することができる。
あるいは、ガス流調整器13は、還元反応に要する内部反応空間6(加熱壁7)の長手方向の長さの短縮に寄与することができる。ガス流調整器13は、ガス除害装置1の省エネルギー化、小型化に寄与することができる。
なお、ガス流調整器13、特に気流制御部15は、部分的に内部反応空間6内の混合ガスの層流を少なくとも部分的に遮る構成であればよく、種々の形状を用いることができる。
還元性ガスの例として水素を採用した場合、内部反応器4において、窒素酸化物と水素とは、例えば、以下の反応により窒素と水に変換される。
O+H → N+HO(+NO+NO
2NO+2H → N+2H
2NO+4H → N+4H
なお、還元性ガスとしてメタン等の炭化水素を使用した場合、さらに二酸化炭素が生成される。
内部反応器4により還元処理されたガスは、ガス流出口12を経由して、内部反応器4を収容する外部反応器5へと流れる。導入された還元性ガスは、還元反応により消費されるが、窒素酸化物の還元に寄与しなかった余剰の還元性ガスが残存する。
還元性ガス(例えば、水素や炭化水素)は可燃性ガスであるため、以下に説明するように、残存する余剰の還元性ガスは外部反応器5において燃焼処理される。
外部反応器5は外部反応空間16(第2の反応空間)を有し、外部反応空間16は、断熱壁17に囲まれている。外部反応空間16は内部反応器4の加熱壁7の外壁面を囲むように構成されている。
内部反応器4とは異なり、外部反応器5は、その内部に設けられた加熱壁7から熱エネルギーが供給される構成である。
外部反応空間16には、吸気口18に設けられた配管19を経由して酸素又は酸素を含むガス(例えば空気)が供給される。例えば、酸素は、図示しない送風機等により、乾燥空気(図中DAで示す。)の形で送り込むことにより供給することができる。
ガス流出口12から外部反応空間16に流入したガスに含まれる還元性ガス(水素)は可燃性ガスであり、加熱壁7から供給される熱エネルギーにより、酸素と反応し(燃焼し)、水に変換される。
2H+O → 2H
なお、還元性ガスとして炭化水素を用いる場合、水と二酸化炭素に変換される。
外部反応空間16内での水素の燃焼熱は、内部反応器4の加熱壁7を加熱するために利用される。そのため、加熱壁7を加熱するための加熱機構に要するエネルギー(電力)を低減し、省エネルギー化に寄与することができる。
外部反応器5で浄化処理されたガスは、ガス排出口11(浄化ガス排出口)を経由して、外部反応器5の外部に排気される。
なお、ガス排出口11から排出される高温のガスにより、ガス導入口10から内部反応器4に導入される被処理ガスを加熱してもよい。
この目的のために、ガス導入口10につながる導入配管50と、ガス排出口11につながる排出配管51との間に、図示しない熱交換器を設けることができる。排出される熱エネルギーを有効に活用することができ、さらにガス除害装置1の省エネルギー化を図ることができる。
特に図1に示す例においては、加熱壁7の一端(第1の端部)側に位置するガス導入口10から被処理ガスが内部反応空間6に導入され、その後加熱壁7の他端(第2の端部)側から外部反応空間16に流入したガスが、加熱壁7の長手方向に沿って流れる。その後、第1の端部側に位置する外部反応器5のガス排出口11から排出される。
そのため、ガス導入口10とガス排出口11とは加熱壁7の第1の端部側に位置し、互いに近接して構成されており、ガス導入口10とガス排出口11との間の熱交換を容易にする。
ガス除害装置1により還元及び酸化(燃焼)処理されたガスは、流入口30を介して出口スクラバ3に導入される。図1に示す例においては、薬液タンク40の薬液面と薬液タンク40の天井面との空間を、ガス除害装置1(外部反応器5)から出口スクラバ3までの流路(流出路FPo)として利用している。
図1に示す例においては、入口スクラバ2と出口スクラバ3とが1つの薬液タンク40を共用している。そのため、隔壁42により、流出路FPoと流入路FPiとが分離されている。その結果、ガス除害装置1による処理前のガスと、処理後のガスが混合されることが防止される。
なお、ガス排出口11と出口スクラバ3の流入口30との間を連通するために、ガス流通用の配管を別途設けてもよい。
また、薬液タンク40を共有せず、入口スクラバ2と出口スクラバ3とを別個に設けてもよい。
図1に示すように、外部反応器5と連通する出口スクラバ3は、直管型の出口スクラバ本体部31と、液体を放出するためのノズル32とを有する。
流入口30から出口スクラバ本体部31へ導入されたガスは、ノズル32から放出される水などの薬液により、冷却され、また粉塵や水溶性成分などを除去される。
放出された薬液は、薬液タンク40に回収される。
図1は、図示しない供給源から、新しい薬液(水等)が供給される例を示すが、入口スクラバ2と同様に、ポンプによって薬液タンク40に回収された薬液を循環させてもよい。
出口スクラバ本体部31は、ノズル32の上方に 希釈用の乾燥空気(図中DAで示す。)を取り入れるための流路である希釈ポート33を備えてもよい。
出口スクラバ本体部31の頂部出口には排気ファン34が設けられており、排気ファン34は処理済みの排ガスを大気中へ放出することができる。
このように、ガス除害装置1は、2種類の異なる機能を有する反応器、すなわち還元反応のための内部反応器4と酸化反応のための外部反応器5とを備えており、内部反応器4は外部反応器5の内部に設けられている。内部反応器4の加熱壁7は、内部反応空間6の周囲を囲み、内部反応空間6を加熱する。
外部反応空間16は加熱壁7の周囲を囲むように構成されている。すなわち、外部反応空間16は加熱壁7を収容し、加熱壁7により加熱されるとともに、外部反応空間16内の酸化反応の発熱を利用して、加熱壁7を加熱する。その結果、加熱壁7の加熱に必要なエネルギー消費を低減できる。
このように、外部反応空間16は内部反応器4の還元反応に必要な還元性ガスを有効に活用することができる。また、別途還元性ガスの処理装置を設ける必要がなく、ガス除害装置1の占有面積の低減効果も得られる。
図3(A)は、内部反応器4での処理温度700℃~850℃において、NOの除去効率と内部反応器4に導入される水素の流量との関係を示すグラフである。縦軸はNOの除去効率(%)であり、横軸は水素流量(SLM)である。図3(A)中、□(白四角)は700℃、▲(黒三角)は750℃、◆(黒菱形)は800℃、△(白三角)は850℃のデータを示す。なお、除去効率は、NO流量が7(SLM)の条件で検証した。
図3(B)は、ガス除害装置1において、排ガス処理に必要なコストと処理温度との関係を示すグラフである。縦軸はコストの計算値(任意単位)、横軸は処理温度(℃)である。
図3(A)に示すように、水素流量の増加に伴いNOの除去効率が増加する。また、処理温度の低温化とともにNOの除去効率は低下する傾向があるが、水素流量を増加させることで、NOの除去効率を向上させることが可能である。
処理温度が850℃から750℃の場合、高いNOの除去効率を得ることができる。また、処理温度が700℃まで低温化しても、水素流量をさらに増加させることにより、高いNOの除去効率を得ることができる。ただし、処理温度が700℃の場合、必要とされる水素量が顕著に増大する傾向がある。
なお、上記検証においては、多量のNOを処理しているにも関わらず、ガス除害装置1から排出されるNOの濃度は200ppm程度に抑えられていることが確認できた。また、さらに必要に応じて、対象施設に合わせた排出基準(例えば100~150ppm未満)となるよう、希釈ポート33から供給される空気により容易に希釈することも可能である。
一般に、NOを単に熱分解すると数千ppmのNOが発生するため、NOの発生を抑えながらNOの高効率な除去を実現することは難しい。しかしながら、上記のように、ガス除害装置1からのNOの濃度は、200ppm程度以下に抑えられ、非常に低い濃度であることが理解できる。すなわち、ガス除害装置1は、高いNOの除去効率と、一般に難しいとされるNOの発生の低減を両立することが可能である。また、さらに、ガス除害装置1は、処理温度の低温化も可能であり、広範囲での温度領域において、これらを両立することを可能とする、優れた除害装置であることが理解できる。
なお、余剰の還元性ガスである可燃性ガス(水素)は燃焼により消費されるため、排出基準を満たすことが可能である。
図3(B)はコスト(計算値)と処理温度との関係を示す。図3(B)に示すように、処理温度が800℃の条件でコストが最小となる。
処理温度が低くなると、必要な水素量が増大するため、水素ガスのコストが増大し、特に700℃で水素ガスのコストが大きく増加する傾向がある。一方、処理温度が高くなると、加熱に必要なエネルギー(電力量)が増大する。図3(B)に示すコストの観点からは、800℃が最適となる。
このように、ガス除害装置1によって、処理温度の低温化も可能となり、採用できる温度の範囲が広がり、耐熱性を考慮した部品の選択範囲も広がる。低温化により、メンテナンス時の冷却時間が短縮され、メンテナンス性も向上することになる。
また、水素の使用量を低減したい場合は、高い処理温度を選択することも可能である。
除害処理対象のガスの窒素酸化物の濃度、ガス除害装置1のメンテナンス性、運営管理、使用される部品の耐熱性、耐久性等を総合的に考慮して、最適な処理温度を採用することができる。このように、使用者の要望に対応可能なガス除害装置1の使用条件の範囲が拡大することになる。
(被処理ガスの除害方法)
上記構成のガス除害装置1を含むガス除害システム100を用いた窒素酸化物(N2O)の除害方法は、以下のステップを含む。
ステップ0:加熱機構である加熱壁7を制御して、内部反応空間6の温度を所定の温度、例えば、800℃に設定し、維持する。このとき、外部反応空間16も加熱され、所定の温度に維持される。
なお、このステップ0はガス除害装置1の立ち上げ工程の1つである。
ステップ1:被処理ガス(排ガス)を入口スクラバ2に導入し、被処理ガスに含まれている粉塵や水溶性成分などを除去する。
ステップ2:内部反応器4に被処理ガスを導入する。
ステップ3:内部反応器4に導入された還元剤と被処理ガスとを、内部反応器4(内部反応空間6)内で混合する(混合ガスとなる)とともに、被処理ガスを還元剤(還元性ガス)により還元する。 なお、被処理ガスを還元するとは、より詳細には、被処理ガス中の除害対象成分(この場合、窒素酸化物)を還元することを意味する。
ステップ4:内部反応器4で処理された混合ガス(還元処理された排ガスと余剰の還元剤)を外部反応器5に放出する。
ステップ5:外部反応器5(外部反応空間16)に導入された酸素(空気)と、内部反応器4(内部反応空間6)から流出した処理済みの混合ガスに含まれる余剰の還元剤、すなわち窒素酸化物の還元反応に消費されなかった還元剤とを反応させ、余剰の還元剤を燃焼させる。燃焼熱により、加熱壁7を加熱する。
ステップ6:外部反応器5で処理されたガス(混合ガス)を(出口スクラバ3に)放出する。
ステップ7:出口スクラバ3で、外部反応器5で処理されたガスを冷却し、必要に応じて希釈する。
ステップ8:出口スクラバ3で処理されたガスを大気に放出する。
なお、上記ステップにおいて、ガス除害装置1における被処理ガスの処理ステップは、ステップ2~6である。
なお、ステップ3において、内部反応器4内に設置されたガス流調整器13は、排ガスと還元剤との混合を促進するとともに、内部反応空間6での混合ガスの滞留時間を長くし、還元反応を促進させる効果を有する。
(実施形態2)
以下では、還元剤として還元性ガス(水素等)を用いないガス除害装置1の実施形態について説明する。
図4はガス除害システム100の主要構成を示す模式図である。図1との違いは、特にガス除害装置1の還元性ガスを供給する配管9がなく、代わりに有機溶媒(例えばイソプロピルアルコールIPA等のアルコール)の供給ラインを備える点である。
以下、実施形態1との相違点について詳細に説明する。
内部反応器4には、ガス導入口10に設けられた放出部90より可燃性の有機溶媒が供給される。還元剤(還元性物質)として、液体の有機溶媒を採用するため、放出部90として、好適には、例えば2流体ノズルを採用することができる。
放出部90には、有機溶媒を供給する配管91(有機溶媒供給ライン)と、有機溶媒のキャリアガス、例えば窒素、アルゴン、を供給する配管92(キャリアガス供給ライン)が接続されている。
なお、還元剤である有機溶媒は可燃性である。
有機溶媒は、図示しないポンプ等により有機溶媒容器(タンク)93から配管91を介して放出部90へ送出される。配管91には流量制御器94が設置され、有機溶媒の流量が所定の流量になるように制御される。
キャリアガスは、ボンベ95(ガス容器)から配管92を介して放出部90へ送出される。配管92には流量制御器96が設置され、キャリアガスの流量が所定の流量になるように制御される。
放出部90に供給された有機溶媒は、キャリアガスとともに、ガス導入口10を経由して内部反応空間6に放出される。
放出部90として、好適には2流体ノズルを採用することができる。放出部90である2流体ノズルに供給された有機溶媒は、キャリアガスと混合され、キャリアガスにより、内部反応器4の内部反応空間6に輸送される。
なお、有機溶媒とキャリアガスとを混合し、この混合ガスを、1本の配管により放出部90に輸送し、放出部90から内部反応空間6に放出してもよい。しかし、2流体ノズルを用いることで、混合ガスの有機溶媒濃度の制御が容易になる。
なお、有機溶媒の内部反応器4への供給手段は上記に限定されず、有機溶媒の供給量を制御でき、内部反応空間6に導入できればよい。
有機溶媒として、非限定的な例として、製造現場等において洗浄、乾燥等の種々の用途で使用されているIPAを採用することができる。また、キャリアガスとして、不活性なガスとして安価な窒素が好適に採用できるが、これに限定するものではない。
内部反応器4において、有機溶媒と混合された窒素酸化物は、例えば、以下の反応により窒素と水に変換される。
有機溶媒の化学式をCとすると、反応式は以下のとおり。
O+C → N+HO+CO
NO+C → N+HO+CO
NO+C → N+HO+CO
なお、反応式の係数は省略している。
例えば、有機溶媒がIPA(CO)の場合、NOとの反応式は以下のとおりである。
9NO+CO → 9N+4HO+3CO
図5(A)はNOの除去効率のIPAの供給量依存性を示すグラフであり、図5(B)はNOの除去効率の無水エタノールの供給量依存性を示すグラフである。図5(A)において、縦軸はNOの除去効率、横軸はIPAの流量であり、図5(B)において、縦軸はNOの除去効率、横軸はエタノールの流量である。なお、NOの流量は7(SLM)に設定して、実験を行った。なお、図5(A)中、◆(黒菱形)は、処理温度850℃で検証したデータ、図5(B)中、□(白四角)及び◆(黒菱形)は、それぞれ処理温度800℃及び850℃で検証したデータを示すが、処理温度は、これらの温度に限定するものではない。
図5(A)に示すように、IPAの流量が増大するに従い、除去効率が増大し、90%以上の高い除去効率を達成できることが理解できる。
また、図5(B)に示すように、IPAと同様に、エタノールの流量が増大するに従い、除去効率が増加し、90%以上の高い除去効率を達成できることが理解できる。処理温度800℃及び850℃の除去効率を比較すると、850℃の除去効率の方が高い値を示す傾向にあるが、実質的に大きな差はなく、温度依存性は小さいことが理解できる。
以上より、還元剤として有機溶媒を使用した場合においても、NOの高い除去効率を達成することができ、また、処理温度を800℃程度に低温化することも可能であることが理解できる。
なお、いずれの処理条件においても、多量のNOを処理しているにも関わらず、ガス除害装置1から排出されるNOの濃度は200ppm程度以下の低い濃度に抑えられており、高いNOの除害効率と、NOの発生の低減とを両立することも可能であることが確認された。
従って、還元剤として有機溶媒を使用するガス除害装置1においても、NOの除害効率とNOの発生の低減とを両立することを可能とするものであり、また、800℃程度の低温化も可能とする、優れた除害装置であることが理解できる。
なお、実施形態1と同様に、余剰の還元剤である有機溶媒は、外部反応器5により燃焼させることができ、その燃焼による熱エネルギーは、内部反応器4での還元反応に必要なエネルギーに利用可能であり、消費エネルギーの低減に寄与する。
このように、還元剤として有機溶媒を利用することが可能であり、水素等の可燃性ガスの使用を望まない場合に、本実施形態のガス除害装置1を使用することができる。
実施形態1のガス除害装置1と、実施形態2のガス除害装置1とは、ガス除害装置1の主要な構成は共通しており、還元剤の供給系統の設計変更により、種々の顧客の要望に容易に対応が可能である。
実施形態2により、水素のような可燃性の高圧ガスを用いない構成を提供できるため、例えば、ガス除害装置1のレイアウト上の選択の自由度が増える。
ガス除害装置1の設置場所、使用頻度、安全管理方法、コスト等に従って、実施形態1又は実施形態2のガス除害装置1を選択することができる。
すなわち、使用者の使用条件に応じて、使用可能な選択の範囲を拡大することができる。
(実施形態3)
実施形態1、2においては、被処理ガスの除害対象成分として窒素酸化物の例を示したが、それに限定されるものではない
以下では、ガス除害装置1を使用して、被処理ガスの除害対象成分が、窒素化合物であるNFの例について説明する。
窒素化合物(NF)を内部反応器4において還元剤と混合した状態で加熱分解し、除害することが可能である。
図6(A)はNFの除害効率の水素流量依存性を示し、図6(B)はNFの除害効率のエタノール流量依存性を示し、図6(C)はNFの除害効率のイソプロピルアルコール(IPA)流量依存性を示す。図6においては、ガス除害装置1から排出されるNOの濃度も掲載している。縦軸(左)はNFの除害効率(%)、縦軸(右)はNO濃度(ppm)である。図6(A)の横軸は水素流量(SLM)、図6(B)の横軸はエタノール流量(SCCM)、図6(C)の横軸はIPA流量(SCCM)である。図6において◆(黒菱形)は除害効率、○(白丸)はNO濃度を示す。NFの流量は5(SLM)、処理温度は800℃の条件で検証を行った。
図6に示すように還元剤(水素、エタノール、IPA)が存在しない状況においてもNFの高い除害効率(約100%)が得られることができるが、高濃度のNOxが発生していることが理解できる。
しかし、還元剤を導入することにより、NO濃度を大きく低減できることが理解できる。
還元剤の導入により、ガス除害装置1から排出されるNO濃度は、約200(ppm)程度又はそれ以下に低減することが理解できる。すなわち、窒素化合物(NF)を加熱分解する場合、薬液タンク内に溜まっている水分(水蒸気)と反応し、高濃度でNOが生成されるが、内部反応器4において還元剤を導入することで、NOの生成を顕著に低減させることが可能であることが理解できる。
また、還元剤の流量に対するマージンも広く、安定性が高いことが理解できる。
なお、余剰の還元剤は外部反応器5で燃焼される。
このように、ガス除害装置1によれば、NOの排出を抑制しながら、窒素化合物を除外対象成分として含むガスの除害処理が可能である。
本発明にかかるガス除害装置1は、窒素化合物である亜酸化窒素等を除害対象成分として含むガスを還元剤と混合し、熱分解により除害するための内部反応器4と、余剰の還元剤を燃焼除害する外部反応器5とを備えており、外部反応器5での燃焼熱を回収し、内部反応器4での還元反応に必要なエネルギーとして再利用できるため、省エネルギー化が可能である。
還元剤として水素を採用することで、処理温度範囲の低温側への拡大が可能である。
また、還元剤の形態(気体又は液体)に応じて、還元剤の導入部の構成を変えることで、例えば、ガス除害装置1の設置可能範囲の拡大に寄与することもできる。
使用者の種々の要望に応じて、従来の装置と比較して、ガス除害装置1の使用可能な範囲を拡大することができ、産業上の利用可能性は高い。
100 ガス除害システム
1 ガス除害装置
2 入口スクラバ
3 出口スクラバ
4 内部反応器(内部リアクタ、第1の反応器)
5 外部反応器(外部リアクタ、第2の反応器)
6 内部反応空間(第1の反応空間)
7 加熱壁(反応壁)
8 還元性ガス供給口(ガス供給口)
9 配管(還元性ガス供給ライン)
10 ガス導入口(被処理ガス導入口)
11 ガス排出口(浄化ガス排出口)
12 ガス流出口
13 ガス流調整器
14 支持部
14a ヘッド部
14b シャフト部
15 気流制御部
16 外部反応空間(第2の反応空間)
17 断熱壁
18 吸気口
19 配管
21 入口スクラバ本体部
22 ノズル
23 ガス流入口
24 循環パイプ
26 ガス流出口
30 流入口
31 出口スクラバ本体部
32 ノズル
33 希釈ポート
34 排気ファン
40 薬液タンク
41 ドレインバルブ
50 配管(導入配管)
51 排出配管
90 放出部
91 配管(有機溶媒供給ライン)
92 配管(キャリアガス供給ライン)
93 有機溶媒容器(タンク)
94 流量制御器
95 ボンベ(ガス容器)
FPi 流入路
FPo 流出路
FCD 流量制御装置
P ポンプ

Claims (7)

  1. 第1の反応器(4)と第2の反応器(5)とを有し、
    前記第1の反応器(4)は加熱機構を有する加熱壁(7)に囲まれた第1の反応空間(6)を有し、
    前記第2の反応器(5)は前記加熱壁(7)を囲む第2の反応空間(16)を有し、
    前記第1の反応空間(6)の一端側から被処理ガス及び還元剤が導入され、
    前記第1の反応空間(6)の他端側は前記第2の反応空間(16)と連通し、
    前記第2の反応空間(16)には酸素又は酸素を含むガスが導入される、ことを特徴とするガス除害装置(1)。
  2. 前記第1の反応器(4)は前記第1の反応空間(6)内にガス流調整器(13)を有することを特徴とする請求項1記載のガス除害装置(1)。
  3. 前記加熱壁(7)は直管形状を有し、
    前記ガス流調整器(13)は気流制御部(15)を有し、
    前記気流制御部(15)の長手方向は、前記加熱壁(7)の長手方向平行になるように設置されていることを特徴とする請求項2記載のガス除害装置(1)。
  4. 前記還元剤が可燃性ガスであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のガス除害装置(1)。
  5. 前記還元剤が有機溶媒であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のガス除害装置(1)。
  6. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の前記ガス除害装置(1)と、入口スクラバ(2)と、出口スクラバ(3)とを備え、
    前記入口スクラバ(2)は、前記第1の反応器(4)と連通し、
    前記出口スクラバ(3)は、前記第2の反応器(5)と連通する、
    ことを特徴とするガス除害システム(100)。
  7. 請求項1記載のガス除害装置(1)を用いた亜酸化窒素を含有するガスの処理方法であり、
    前記第1の反応器(4)に前記ガスを導入するガス導入ステップと、
    前記第1の反応器(4)に導入された前記還元剤と前記ガスとを混合し、前記ガスを還元する還元ステップと、
    前記第2の反応器(5)に、前記還元ステップ実行後の前記ガスと余剰の前記還元剤とを導入し、前記第2の反応器(5)に導入された酸素と余剰の前記還元剤とを反応させる燃焼ステップと、
    前記第2の反応器(5)から前記燃焼ステップ実行後の前記ガスを排出する排気ステップと、を含むことを特徴とするガスの処理方法。
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