JP2003160965A - 便器用泡発生装置およびそれを備えた局部洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 頻繁にメンテナンスをせずとも泡供給経路が
閉塞を生じることのない便器用泡発生装置およびそれを
備えた局部洗浄装置を提供する。 【解決手段】 タンク２内にて発生した泡２２をタンク
２外部に流出させる泡流出口２８と、泡２２を便器５１
内に供給する泡供給口１４と、泡流出口２８と泡供給口
１４とを連通させる泡供給経路２５とを備えた便器用泡
発生装置１を一体に具備する局部洗浄装置５０であっ
て、給水部３０とノズル部３７とを局部洗浄用給水路３
２で連通させて成る局部洗浄手段を有し、上記局部洗浄
用給水路３２の途中から分岐した泡供給経路洗浄用給水
路２３を泡供給経路２５に連通させて備えるとともに、
人体のトイレからの退室や泡２２の発生完了と連動して
泡供給経路洗浄用給水路２３への通水を行うことを特徴
とした局部洗浄装置５０とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、便器用泡発生装置
およびそれを備えた局部洗浄装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】便器用泡発生装置とは局部洗浄装置に備
えられるものであり、石鹸液を水と混合させて生成した
泡発生液を貯めておくタンクを備え、空気ポンプ等を用
いた泡発生手段によりタンク内の泡発生液を発泡させる
とともに管状の泡供給経路を通じてこの泡を便器内にま
で搬送し、溜水面上を泡で覆うことにより便器内からの
悪臭の遮断、排便時における水の跳ね返り防止、及び、
便器内の洗浄といった効果を得るものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来の便器用
泡発生装置にあっては、泡の非供給時に泡供給経路に残
留した泡発生液が乾燥して石鹸分が固化し、これにより
泡供給経路が閉塞してしまうことがあった。本発明は上
記の点に鑑みてなされたものであり、使用者が頻繁にメ
ンテナンスをせずとも泡供給経路が閉塞を生じることの
ない便器用泡発生装置およびそれを備えた局部洗浄装置
を提供することを課題とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明を、泡発生液を貯めておくタンクと、タンク内
の泡発生液に泡を発生させる泡発生手段と、発生した泡
をタンク外部に流出させる泡流出口と、泡を便器内に供
給する泡供給口と、泡流出口と泡供給口とを連通させる
泡供給経路とを具備して成る便器用泡発生装置におい
て、一端を給水部と連通した泡供給経路洗浄用給水路の
他端を上記泡供給経路の途中に連通させるとともに、人
体のトイレへの入室を検出する人体検出センサと、泡供
給経路洗浄用給水路を介して為される給水部から泡供給
経路への通水を人体検出センサからの信号に基づいて制
御する制御手段とを備えることを特徴とした便器用泡発
生装置とする。このようにすることで、人体のトイレへ
の入退室と連動して自動的に泡供給経路の水洗いが為さ
れるので、使用者が頻繁にメンテナンスをせずとも、残
留した泡発生液の成分が固化して泡供給経路を閉塞して
しまうことが防止される。

【０００５】また、上記課題を解決するために本発明
を、泡発生液を貯めておくタンクと、タンク内の泡発生
液に泡を発生させる泡発生手段と、発生した泡をタンク
外部に流出させる泡流出口と、泡を便器内に供給する泡
供給口と、泡流出口と泡供給口とを連通させる泡供給経
路とを具備して成る便器用泡発生装置において、一端を
給水部と連通した泡供給経路洗浄用給水路の他端を上記
泡供給経路の途中に連通させるとともに、泡発生手段に
よる泡発生完了から所定時間経過後に泡供給経路洗浄用
給水路を介して給水部から泡供給経路への通水を開始す
る制御手段を備えることを特徴とした便器用泡発生装置
としても良く、このようにすることで、泡を発生させた
後には自動的に泡供給経路の水洗いが為されるので、使
用者が頻繁にメンテナンスをせずとも、残留した泡発生
液の成分が固化して泡供給経路を閉塞してしまうことが
防止される。

【０００６】また、制御手段が泡供給経路洗浄用給水路
への通水量を周期的に変化させることを特徴とした便器
用泡発生装置としても良く、このようにすることで、少
ない水量でも効果的に泡供給経路の水洗いを行うことが
できる。

【０００７】また、上記課題を解決するために本発明
を、上記便器用泡発生装置を備えた局部洗浄装置であっ
て、給水部と局部洗浄用のノズル部とを局部洗浄用給水
路で連通させて成る局部洗浄手段を有し、便器用泡発生
装置の泡供給経路洗浄用給水路を上記局部洗浄用給水路
の途中から分岐させて備えることを特徴とした局部洗浄
装置としても良く、このようにすることで、局部洗浄手
段に備えた給水部からの供給水を利用して泡供給経路の
水洗いを行うことができる。

【０００８】また、局部洗浄用給水路の途中に圧逃がし
弁を備え、圧逃がし弁から分岐する排水路と泡供給経路
洗浄用給水路とを連通させることを特徴とした局部洗浄
装置としても良く、このようにすることで、局部洗浄に
用いられない捨て水を泡供給経路に導入して水洗いを行
うことができ、節水効果が得られる。

【０００９】また、局部洗浄用給水路の途中に供給水を
加熱する加熱手段を備えるとともに、加熱手段の下流側
から分岐させて泡供給経路洗浄用給水路を備えることを
特徴とした局部洗浄装置としても良く、このようにする
ことで、泡供給経路の水洗いを温水で行うことができ、
高い洗浄効果が得られる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実
施の形態に基づいて説明する。図２には本発明の実施の
形態における一例の便器用泡発生装置１を一体に備えた
局部洗浄装置５０を示している。局部洗浄装置５０とは
便器５１上に固定されるものであり、主制御手段を備え
た局部洗浄装置本体５２と、便座５３と、便座５３の上
方を開閉する便蓋５４とを備えている。更に局部洗浄装
置本体５２には、局部洗浄手段と、便器用泡発生装置１
と、操作手段と、人体検出センサとが接続されている。

【００１１】上記局部洗浄装置１を構成する各要素につ
いて更に説明する。主制御手段は、操作手段からの操作
信号に応じて便座５３に対しては便座温度を、局部洗浄
手段に対しては洗浄温度及び洗浄流量を、便器用泡発生
装置１に対しては泡発生量を、夫々制御するものであ
る。便座５３には便座温度調節手段や着座検出センサ等
が備えられているが、この便座温度調節手段は便座温度
可変手段、便座温度検出手段により構成されたものであ
り、主制御手段からの便座温度変更指示を受けて指定さ
れた温度に便座を保持するものである。また、着座検出
センサは、使用者が着座したことを検出してその検出情
報を主制御手段に伝達するものである。局部洗浄手段
は、洗浄温度可変手段や洗浄流量可変手段等で構成され
ており、主制御手段からの洗浄温度変更指示及び洗浄流
量変更指示を受けて、指示された温度及び流量でおしり
洗浄やビデ洗浄といった局部洗浄を行うものである。操
作手段は、便座操作部や洗浄操作部や泡発生操作部によ
り構成されており、便座操作部には便座温度を変更する
為の便座温度操作キーが配され、洗浄操作部にはお尻洗
浄やビデ洗浄を行う為の洗浄操作キーと洗浄水の温度を
変更する為の洗浄温度操作キーと洗浄時の洗浄流量を変
更する為の洗浄流量操作キーとが配され、泡発生操作部
には手動泡発生操作キーと泡発生量操作キーと泡発生モ
ード切換キーとが配されている。操作手段に備えたこれ
らのキーを使用者が操作すると、そのキー入力情報は主
制御手段へと伝達される。人体検出センサは使用者のト
イレへの入室を検出するものであり、例えば赤外線セン
サや超音波センサが用いられる。

【００１２】次に、便器用泡発生装置１の具体的構成に
ついて説明する。便器用泡発生装置１は泡２２を発生さ
せて便器５１内に供給するものであり、泡発生速度や泡
発生時間を変更することにより泡発生量を調節する手段
を備えている。図５、図６には便器用泡発生装置１を示
している。便器用泡発生装置１は、石鹸液を水と混合さ
せる等して生成した泡発生液１６を貯めておく為のタン
ク２を備えるとともに、該タンク２の上側に泡発生装置
本体８を装着している。但し、上記泡発生装置本体８
は、図１４に示すように局部洗浄装置本体５２と一体に
構成されている。

【００１３】タンク２は、上方の開口したタンク本体３
と、該タンク本体３の上方に超音波溶接等で一体に接続
させた封止蓋４とで構成されている。封止蓋４に形成し
た取付口２９にはタンク蓋７を着脱自在に設けており、
該タンク蓋７にはタンク２の内部と外部を連通させる泡
流出口２８を設けている。泡発生装置本体８には略筒型
の泡供給経路部材１２を設置しており、この泡供給経路
部材１２は、便器５１内に泡２２を供給する泡供給口１
４とタンク２の泡流出口２８とを接続させる泡供給経路
２５を構成している。また、タンク２内に配された多孔
質から成る泡発生部１０は泡発生装置本体８に設置され
た空気ポンプ９と連通している。

【００１４】泡流出口２８と泡供給経路部材１２とはＯ
リング１３の介在により気密性を持って接続されてい
る。本例ではタンク蓋７の泡流出口２８部分を雄形状に
形成するとともに泡供給経路部材１２の泡流出口２８と
の接続部分を雌形状に形成し、Ｏリング１３をタンク蓋
７の上記雄形状部分の外周に装着させているので、タン
ク蓋７の雌形状部分を泡供給経路部材１２の雌形状部分
に挿入させることでＯリング１３のシールにより気密性
を保持した状態で泡流出口２８と泡供給経路部材１２と
を接続させることができる。加えて、このようにＯリン
グ１３をタンク蓋７側に配したことにより、タンク２の
取り外しとともにＯリング１３を泡発生装置本体８側か
ら取り外すことができ、Ｏリング１３が消耗した場合等
には交換を容易に行うことができる。また、泡供給経路
部材１２の雌形状部分にはグリスを塗布していても良
く、このようにグリスを泡供給経路部材１２側に塗布す
ることで、タンク２を取り外した際に使用者によって拭
き取れられてしまう可能性が低くなる。

【００１５】タンク２を泡発生装置本体８に着脱自在に
装着させる為の構成としては以下の通りである。つま
り、泡発生装置本体８には、泡発生装置本体８の前後方
向を長手方向とした長穴であるとともに後側より前側を
幅広としたガイド部１１を備えており、タンク２には、
封止蓋４の上面に立設されるとともに段部を介して上側
が下側より幅広となるような略逆Ｌ字状に形成された固
定部５を備えている。従って、図７（ａ）〜（ｃ）に示
すように固定部５をガイド部１１前側の下方より挿入し
たのちに後方に移動させれば、固定部５はガイド部１１
に案内されてスライドするとともに、固定部５とガイド
部１１の係合によりタンク２は泡発生装置本体８に着脱
自在に装着される。

【００１６】また、泡供給経路部材１２と泡発生装置本
体８との夫々の接続箇所においては、図８（ａ）、
（ｂ）に示すように泡供給経路部材１２の取付部４が泡
発生装置本体８に突設される取付片３に装着される際
に、例えば０．３ｍ程度の隙間ｄを前後左右に設けて装
着されるような構造にしている。この構造は、泡供給経
路部材１２と泡発生装置本体８とを一定範囲内で移動自
在として位置調節を行う為の構造であり、このようにす
ることで、固定部５とガイド部１１の寸法にばらつきが
生じた場合等にもＯリング１３が変形することなく、気
密性が保持される。但し、上記隙間ｄを設ける代りに、
同様の隙間をタンク蓋７と封止蓋４の間に設けても良
く、この場合も同様の効果が得られる。

【００１７】タンク２と泡発生装置本体８との装着箇所
には更に、クリック構造を設けている。具体的には、図
９に示すようにタンク２の封止蓋４の上面にクリック用
突部１７を設け、泡発生装置本体８において上記クリッ
ク用突部１７と対向する位置には、略長方形の穴部１８
を設けるとともに該穴部１８の後側の内側面から一対の
係止部１９を泡発生装置本体８の下面と平行に延設して
いる。上記一対の係止部１９は、両者の隙間が先端部側
のみクリック用突部１７の幅より小さくなるよう弾性体
により形成しているので、図１０（ａ）〜（ｃ）に示す
ように、タンク２を後方へスライドさせるとそれに伴っ
てクリック用突部１７は一対の係止部１９の先端部を押
し広げながら係止部１９間に侵入し、所定の位置までス
ライドしたときにクリック用突部１７が係止部１９の先
端部より根元側の隙間に嵌合する。この嵌合の際に使用
者はクリック感を得て、Ｏリング１３の気密性が確保さ
れる状態にあることを知ることができる。

【００１８】上記したクリック構造の代り若しくはそれ
に加えてロック構造を設けても構わない。上記ロック構
造としては、例えば図１１（ａ）、（ｂ）に示すように
タンク２側にロック用突部２０を設け、泡発生装置本体
８側にはフック２１を設けて、Ｏリング１３の気密性が
確保された状態となるまでタンク２がスライドしたとき
に、フック２１とロック用突部２０の係合によりロック
がなされて、タンク２が泡発生装置本体８に着脱自在に
固定される構造にすれば良い。これによれば上記ロック
を解除しないとタンク２は取り外せないので、タンク２
が不用意に外れてしまうことがない。また、クリック構
造やロック構造の代り若しくはそれに加えて、タンク２
の装着の際にＯリング１３の気密性が確保された状態に
あるか否かを電気的な判定により検出して表示する手段
（図示せず）を設けても良い。検出の為のセンサとして
は、プッシュ式のリミットスイッチや、ホール素子によ
るリードスイッチ等を用いる。

【００１９】次に、局部洗浄手段の具体的構成について
図１に基づいて説明する。局部洗浄手段は、水道等の給
水部３０からの給水／停止を行う給水弁３１と、給水弁
３１を介して供給される供給水を加熱して洗浄水として
貯めておく為の温水タンク３４及びヒータ３５と、洗浄
水に水圧を発生させて後述する洗浄用のノズル部３７に
供給するポンプ３６と、先端部に洗浄水を上方に噴出す
る為の噴出口３９を有して局部洗浄装置本体５２の便座
５３下方に伸縮自在に備えられるノズル部３７とを備え
ており、給水部３０からノズル部３７に至るまでの各構
成要素は局部洗浄用給水路３２によって連通されてい
る。また、上記局部洗浄用給水路３２のうち給水弁３１
と温水タンク３４とを接続する部分には圧逃がし弁３３
を備えている。圧逃がし弁３３は温水タンク３４内の水
圧が所定値を超えると開放され、給水弁３１から温水タ
ンク３４内に流入しようとする供給水を捨て水として吐
出し、温水タンク３４に所定値以上の水圧が加わらない
ようにするものである。このように温水タンク３４内の
水圧を所定値以下に抑えるのは、温水タンク３４の水圧
が高過ぎるとノズル部３７から噴出される洗浄水の勢い
が強くなり過ぎるからである。

【００２０】ポンプ３６は主制御手段からの指示を受け
て洗浄流量を制御するのだが、このような洗浄流量の制
御手段として、ポンプ３６の代りに、主制御手段からの
指示を受けて流路の断面積を変化させることで流量を変
化させるモータ（図示せず）を設けても良い。また、ポ
ンプ３６を省略しても良く、この場合には給水弁３１と
して電磁弁を用い、電磁弁の開弁により流路の断面積を
変化させて流量を変更する。

【００２１】ノズル部３７の噴出口３９と連通する流路
４２の噴出口３９近傍には、環状を成すフィードバック
流路４０を一対設けており、ノズル部３７にまで送り込
まれた洗浄水は一対のフィードバック流路４０に交互に
分流されながら図３に示す状態ａ→ｂ→ｃ→ｂ→ａとい
ったように自励振動して広範囲に噴出される。更に、フ
ィードバック流路４０との合流地点近傍の流路４２には
空気吸入口４１を設けており、インジェクタ効果により
空気吸入口４１を介して洗浄水に気泡混合を行って、洗
浄水が局部に当るときの衝撃力を高めている。図４には
ノズル部３７の伸縮構造を示している。ノズル部３７は
水圧で押し出されることで前方に伸び、水圧が低下する
とばね３８の復元力により後退して縮むような構造にな
っているが、ノズル部３７を伸縮させる為の手段として
は、このような水圧の利用に代えてモータ等のアクチュ
エータ（図示せず）を利用しても良い。

【００２２】温水タンク３４に関しては省略しても良
く、この場合には熱交換器としてセラミックまたはシー
ズ型のヒータを備えて給水部３０からの供給水を加熱す
るとともに直接ノズル部３７に送り込む。更に、この場
合の洗浄水への空気の混入は、熱交換器の上流側の管路
中に形成した空気混入領域にて空気ポンプにより強制的
に空気を圧送して行う。洗浄水の流れが泡沫を含んだ乱
流状態にあれば、気泡を含まない通常の洗浄水をそのま
ま直接加熱を行う場合と比べて熱伝達が促進されるの
で、洗浄水の瞬間的な直接加熱により洗浄水は迅速に温
水化される。

【００２３】上記構成の局部洗浄手段において、使用者
が洗浄操作部に備えた洗浄操作キーを操作すると、ポン
プ３６の作動により温水タンク３４内でヒータ３５によ
り昇温された洗浄水がノズル部３７に送り込まれ、ノズ
ル部３７が洗浄水の水圧によって洗浄位置にまで進出し
た後に、空気の混入された洗浄水が噴出口３９から自励
振動しながら上方に噴出される。

【００２４】次に、本発明の特徴的構成である泡供給経
路洗浄給水路２３について説明する。局部洗浄手段に備
えられる局部洗浄用給水路３２のうち、給水弁３１と温
水タンク３４とを接続する部分であって圧逃がし弁３３
よりも上流側となる部分からは泡供給経路洗浄用給水路
２３を分岐して備えている。上記分岐箇所には電磁弁２
４を介在させており、一端を電磁弁２４に接続した泡供
給経路洗浄用給水路２３の他端は泡供給経路２５の途中
に連通させている。従って、電磁弁２４が開くことで泡
供給経路２５に給水部３０からの供給水を導入し、水洗
いによる洗浄を行うことができる。

【００２５】また、別の分岐方法として、泡供給経路洗
浄給水路２３の一端を圧逃がし弁３３の排水路（図示せ
ず）と連通させるとともに他端を泡供給経路２５の途中
に連通させても良く、この場合には局部洗浄に用いられ
ない捨て水を泡供給経路２５に導入して水洗いを行うこ
とができ、節水効果が得られる。更に別の分岐方法とし
ては、局部洗浄用給水路３２のうち温水タンク３４とノ
ズル部３７とを接続する部分から泡供給経路洗浄給水路
２３を分岐させて備えても良く、この場合には泡供給経
路２５の水洗いを温水で行うことができ、高い洗浄効果
が得られる。

【００２６】次に、局部洗浄装置５０の実際の操作につ
いて説明する。使用者が便座５３に着座すれば、着座検
出センサの検出情報は主制御手段に伝達され、更に、使
用者が排便後に洗浄操作キーを操作してお尻洗浄やビデ
洗浄を選択した場合には、そのキー入力情報を伝達され
た主制御手段は局部洗浄手段に制御情報を送り、所望の
洗浄が行われる。具体的には、給水弁３１を開放し、ポ
ンプ３６等の洗浄流量可変手段によって流量を調整した
後に、ノズル部３７から洗浄水を噴出するという動作を
行なう。途中、使用者が洗浄流量操作キーを操作して洗
浄流量の変更指示を行った場合には、ポンプ３６等の洗
浄流量可変手段によって流量を変更する。

【００２７】便器用泡発生装置１の実際の動作として
は、使用者が泡発生モード切換キーを操作して例えば自
動泡発生モードを選択した場合には、人体検出センサに
よるトイレからの退室の検出直後又は検出から一定時間
経過後、或いは、着座検出センサによる便座５３からの
離座の検出直後又は検出から一定時間経過後に、図１２
（ａ）に示すように空気ポンプ９から送り込まれた空気
がタンク２内の泡発生部１０から泡２２となって吐出さ
れて泡発生液１６を発泡させる。図１２（ｂ）に示すよ
うにタンク２内で充満した泡２２は、図１２（ｃ）に示
すように泡供給経路２５を経由して泡供給口１４から便
器５１内に供給される。運転開始から所定時間経過する
と空気ポンプ９は自動停止し、便器５１への泡２２の供
給が完了する。運転開始から自動停止までの所定時間
は、泡発生量操作キーにより或る範囲内で使用者が設定
できるようになっている。

【００２８】運転により発生した泡２２は２〜３時間消
滅しないので、長時間の留守後に使用する場合や起床後
初めて使用する場合以外は便器５１内に常時泡２２が存
在することとなり、使用者は入室後に便器５１内に泡２
２が溜まるまでの時間を待つ必要なく即座に排便行為を
行うことができる。

【００２９】使用者が泡発生モード切換キーを操作して
例えば手動泡発生モードを選択した場合には、使用者が
手動泡発生操作キーを押下することで空気ポンプ９は運
転を開始し、運転開始から所定時間経過後に自動停止す
る。また、運転中に使用者が手動泡発生操作キーを再び
押下することで空気ポンプ９が停止するようにしても良
い。

【００３０】泡２２の発生量については、図１３に示す
ように泡発生量と泡発生時間は略正比例の関係にあるこ
とから、運転開始から停止までの所定時間を泡発生量操
作キーの操作により或る範囲内で変更することで、泡発
生量を自在に変更することができる。

【００３１】このように空気ポンプ９から空気を送り込
むことで泡発生液１６を発泡させ、生じた泡２２を泡供
給口１４から便器５１内に供給する手段を用いること
で、泡２２を十分に発生させることができるとともに、
泡２２が便器５１内に附着した際にも流れ難いことから
高い洗浄効果を得ることができる。加えて、便器５１内
の溜水面上を泡２２で覆うことにより、便器５１内から
の悪臭の遮断、排便時における水の跳ね返り防止といっ
た効果を得ることもできる。泡２２の発生手段としては
泡発生液１６を便器５１内に直接噴出するか、メッシュ
等に当ててから放出する手段を用いても良いが、この場
合には本例のように空気ポンプ９を用いた手段に比べて
発泡の程度が低くなるものの、泡発生までの時間的ロス
を短縮することができる。また、脱臭に関してはいずれ
の手段であっても同様の効果が得られる。

【００３２】泡２２の供給完了から所定時間経過すると
局部洗浄用給水路３２の途中に備えた電磁弁２４が開
き、電磁弁２４に一端を連通させた泡供給経路洗浄用給
水路２３を介して泡供給経路２５内に供給水を導入し
て、所定時間だけ泡供給経路２５の水洗いを行う。この
ような使用後に自動的に行われる洗浄によって、残留し
た泡発生液１６の乾燥により石鹸分が固化して泡供給経
路２５が閉塞してしまうといったことが防止される。泡
供給経路２５への供給水の導入は、強弱を繰り返すよう
に主制御部により周期的に変化させても良く、この場合
には少ない水量でも効果的に泡供給経路２５の水洗いを
行うことができる。また、電磁弁２４の開放による泡供
給経路２５の水洗いのタイミングとしては、人体検出セ
ンサによるトイレからの退室の検出直後又は検出から一
定時間経過後に電磁弁２４を開くといったように、泡供
給経路洗浄用給水路２３を介して為される給水部３０か
ら泡供給経路２５への通水の制御を、人体検出センサか
らの信号に基づいて主制御手段が行うようにしても良
い。

【００３３】タンク２は例えば透明或いは半透明の樹脂
にて形成されており、使用者は泡発生液１６の残量を目
視にて確認することができる。残量が少なくなったと確
認される場合にはタンク２を取り外して泡発生液１６を
補充し、再装着すれば良い。

【００３４】

【発明の効果】上記のように請求項１記載の発明にあっ
ては、人体のトイレへの入退室と連動して自動的に泡供
給経路の水洗いが為されることから、使用者が頻繁にメ
ンテナンスをせずとも、残留した泡発生液の成分が固化
して泡供給経路を閉塞してしまうことが防止されるとい
う効果がある。

【００３５】また、請求項２記載の発明にあっては、泡
を発生させた後には自動的に泡供給経路の水洗いが為さ
れることから、使用者が頻繁にメンテナンスをせずと
も、残留した泡発生液の成分が固化して泡供給経路を閉
塞してしまうことが防止されるという効果がある。

【００３６】また、請求項３記載の発明にあっては、請
求項１又は２記載の発明の効果に加えて、少ない水量で
も効果的に泡供給経路の水洗いを行うことができるとい
う効果がある。

【００３７】また、請求項４記載の発明にあっては、局
部洗浄手段に備えた給水部からの供給水を利用して自動
的に泡供給経路の水洗いが行われることから、使用者が
頻繁にメンテナンスをせずとも、残留した泡発生液の成
分が固化して泡供給経路を閉塞してしまうことが防止さ
れるという効果がある。

【００３８】また、請求項５記載の発明にあっては、請
求項４記載の発明の効果に加えて、局部洗浄に用いられ
ない捨て水を泡供給経路に導入して水洗いが行われるこ
とから、節水効果がある。

【００３９】また、請求項６記載の発明にあっては、請
求項４記載の発明の効果に加えて、泡供給経路の水洗い
が温水で行われることから、高い洗浄効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態における一例の局部洗浄手
段の説明図である。

【図２】同上の局部洗浄装置における基本構成を示す説
明図である。

【図３】同上のノズル部の構造を示す説明図である。

【図４】同上のノズル部の伸縮構造を示す説明図であ
り、（ａ）が水量小時、（ｂ）が水量大時を示してい
る。

【図５】同上の便器用泡発生装置の一部分解斜視図であ
る。

【図６】同上の便器用泡発生装置の分解斜視図である。

【図７】同上のガイド部と固定部における装着手順の説
明図であり、（ａ）は装着前の状態、（ｂ）は装着途中
の状態、（ｃ）は装着後の状態を示している。

【図８】同上の泡供給経路部材と泡発生装置本体との位
置調整構造の説明図であり、（ａ）は装着前の状態、
（ｂ）は装着後の状態である。

【図９】同上のクリック構造の説明図である。

【図１０】同上のタンク装着時におけるクリック構造の
挙動を示す説明図であり、（ａ）は固定前の状態、
（ｂ）は固定途中の状態、（ｃ）は固定後の状態を示し
ている。

【図１１】同上のロック構造を用いた固定方法の説明図
であり、（ａ）は固定前の状態、（ｂ）は固定後の状態
を示している。

【図１２】同上の泡発生装置における泡供給経過の説明
図であり、（ａ）は運転開始直後の状態、（ｂ）は泡が
タンクから流出する寸前の状態、（ｃ）は便器に泡を供
給している状態を示している。

【図１３】同上の泡発生時間と泡発生量との関係を示す
チャート図である。

【図１４】同上の局部洗浄装置本体を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 便器用泡発生装置 ２ タンク ８ 泡発生装置本体 ９ 空気ポンプ １０ 泡発生部 １２ 泡供給経路部材 １４ 泡供給口 １６ 泡発生液 ２２ 泡 ２３ 泡供給経路洗浄給水路 ２５ 泡供給経路 ２８ 泡流出口 ３０ 給水部 ３２ 局部洗浄用給水路 ３３ 圧逃がし弁 ３５ ヒータ ３７ ノズル部 ５０ 局部洗浄装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2D038 JA00 JB01 JB03 JB05 JF00 JH21 KA02 2D039 AA02 AC06 AC08 AE04 DB00 DB05 FA01 FC01 FC02

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 泡発生液を貯めておくタンクと、タンク
   内の泡発生液に泡を発生させる泡発生手段と、発生した
   泡をタンク外部に流出させる泡流出口と、泡を便器内に
   供給する泡供給口と、泡流出口と泡供給口とを連通させ
   る泡供給経路とを具備して成る便器用泡発生装置におい
   て、一端を給水部と連通した泡供給経路洗浄用給水路の
   他端を上記泡供給経路の途中に連通させるとともに、人
   体のトイレへの入室を検出する人体検出センサと、泡供
   給経路洗浄用給水路を介して為される給水部から泡供給
   経路への通水を人体検出センサからの信号に基づいて制
   御する制御手段とを備えたことを特徴とする便器用泡発
   生装置。
2. 【請求項２】 泡発生液を貯めておくタンクと、タンク
   内の泡発生液に泡を発生させる泡発生手段と、発生した
   泡をタンク外部に流出させる泡流出口と、泡を便器内に
   供給する泡供給口と、泡流出口と泡供給口とを連通させ
   る泡供給経路とを具備して成る便器用泡発生装置におい
   て、一端を給水部と連通した泡供給経路洗浄用給水路の
   他端を上記泡供給経路の途中に連通させるとともに、泡
   発生手段による泡発生完了から所定時間経過後に泡供給
   経路洗浄用給水路を介して給水部から泡供給経路への通
   水を開始する制御手段を備えたことを特徴とする便器用
   泡発生装置。
3. 【請求項３】 制御手段が泡供給経路洗浄用給水路への
   通水量を周期的に変化させることを特徴とする請求項１
   又は２記載の便器用泡発生装置。
4. 【請求項４】 請求項１〜３のいずれか記載の便器用泡
   発生装置を備えた局部洗浄装置であって、給水部と局部
   洗浄用のノズル部とを局部洗浄用給水路で連通させて成
   る局部洗浄手段を有し、便器用泡発生装置の泡供給経路
   洗浄用給水路を上記局部洗浄用給水路の途中から分岐さ
   せて備えたことを特徴とする局部洗浄装置。
5. 【請求項５】 局部洗浄用給水路の途中に圧逃がし弁を
   備え、圧逃がし弁から分岐する排水路と泡供給経路洗浄
   用給水路とを連通させたことを特徴とする請求項４記載
   の局部洗浄装置。
6. 【請求項６】 局部洗浄用給水路の途中に供給水を加熱
   する加熱手段を備えるとともに、加熱手段の下流側から
   分岐させて泡供給経路洗浄用給水路を備えたことを特徴
   とする請求項４記載の局部洗浄装置。