JP3503489B2 - 局部洗浄装置 - Google Patents

局部洗浄装置

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JP3503489B2
JP3503489B2 JP27441398A JP27441398A JP3503489B2 JP 3503489 B2 JP3503489 B2 JP 3503489B2 JP 27441398 A JP27441398 A JP 27441398A JP 27441398 A JP27441398 A JP 27441398A JP 3503489 B2 JP3503489 B2 JP 3503489B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、局部洗浄機能を備
えた局部洗浄装置に係り、特に洗浄水を噴出するノズル
をクリーニングする機能を有する局部洗浄装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、局部洗浄装置として、局部の洗浄
機能を備えたものが知られている。この種の局部洗浄装
置では、ノズル装置を備えており、このノズル装置によ
り、洗浄位置まで進出させて、ノズルヘッドから洗浄水
を噴出する。ノズル本体はノズル駆動モータによって洗
浄位置まで進出し、洗浄水を先端のノズルヘッドから噴
出して局部を洗浄する。そして、このような洗浄過程の
際に噴出口の周辺部に汚物等が付着した場合にこれを自
動的に取り除くため、ノズルヘッドに洗浄水を浴びせか
けてクリーニングする機構が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、こうしたクリ
ーニング機構では、噴出口の周辺の汚れが十分に洗浄で
きない場合があった。
【0004】本発明は、上記従来の技術の課題を解決す
るものであり、人体局部に向けて噴出する噴出口の付近
の洗浄を効果的に行なうことができる局部洗浄装置を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】第
1の発明は、洗浄用ノズルの噴出口から洗浄水を人体局
部に向けて噴出して当該局部を洗浄する局部洗浄装置に
おいて、便座への着座の有無を検出する着座検出手段
と、上記着座検出手段により着座した旨の信号を受けて
から、上記噴出口から洗浄水が噴出される洗浄動作開始
までの着座時間を検出する着座時間検出手段と、洗浄用
ノズルから洗浄水を噴出する洗浄動作前に、上記噴出口
の周辺を洗浄するノズル洗浄を指令するとともに、上記
着座時間に基づいて、ノズル洗浄の洗浄時間を設定する
ノズル洗浄指令手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】第1の発明における局部洗浄装置は、洗浄
用ノズルの噴出口から洗浄水を人体局部に向けて噴出し
て当該局部を洗浄する。また、噴出口の周辺は、便や尿
などで汚れることがあるが、洗浄開始前にノズル洗浄指
令手段の指令により洗浄される。ノズル洗浄指令手段
は、ノズル洗浄の洗浄時間を、着座時間検出手段の着座
時間に基づいて定める。すなわち、着座時間は、着座検
出手段から着座した旨の信号を受けてから洗浄開始まで
の用便をしていた時間であり、この時間が長いほど噴出
口の周辺が汚れる可能性が大きい。したがって、着座時
間が長い場合には、ノズル洗浄の洗浄時間が長くなり、
噴出口の周辺が充分に洗浄され、一方、着座時間が短い
場合には、ノズル洗浄の洗浄時間が短くなり、人体局部
の洗浄が直ちに開始され使い勝手がよい。
【0007】第2の発明は、洗浄用ノズルの噴出口から
洗浄水を人体局部に向けて噴出して当該局部を洗浄する
局部洗浄装置において、上記噴出口から洗浄水が噴出さ
れる洗浄動作開始から洗浄動作終了までの洗浄時間を検
出する洗浄時間検出手段と、洗浄用ノズルから洗浄水を
噴出する洗浄動作後に、上記噴出口の周辺を洗浄するノ
ズル洗浄を指令するとともに、上記洗浄時間に基づい
て、ノズル洗浄の洗浄時間を設定するノズル洗浄指令手
段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】第2の発明における局部洗浄装置は、ノズ
ル洗浄指令手段により洗浄動作終了後もノズル洗浄が実
行される。すなわち、ノズル洗浄指令手段は、ノズル洗
浄の洗浄時間を、洗浄時間検出手段の洗浄時間に基づい
て定める。すなわち、洗浄時間は、洗浄動作開始から洗
浄動作終了までの時間であり、この時間が長いほど、噴
出口の周辺が汚れる可能性が大きい。したがって、洗浄
時間が長い場合には、ノズル洗浄の洗浄時間を長くし
て、噴出口の周辺が充分に洗浄する。
【0009】第3の発明は、洗浄用ノズルの噴出口から
洗浄水を人体局部に向けて噴出して当該局部を洗浄する
局部洗浄装置において、前回の洗浄動作から、今回の洗
浄動作を行なおうとするまでの空き時間を検出する空き
時間検出手段と、洗浄用ノズルから洗浄水を噴出する洗
浄動作前に、上記噴出口の周辺を洗浄するノズル洗浄を
指令するとともに、上記空き時間に基づいて、ノズル洗
浄の洗浄時間を設定するノズル洗浄指令手段と、を備え
たことを特徴とする。
【0010】上記空き時間検出手段の好適な態様とし
て、前回の洗浄動作の終了時から便座への着座するまで
の時間を測定する構成や、前回の洗浄動作の終了時から
洗浄開始までの時間を測定する構成を採ることができ
る。
【0011】第3の発明における局部洗浄装置は、洗浄
開始前にノズル洗浄指令手段の指令により洗浄される。
ノズル洗浄指令手段は、ノズル洗浄の洗浄時間を、空き
時間検出手段の空き時間に基づいて定める。すなわち、
空き時間は、前回の洗浄動作から今回の洗浄動作を行な
おうとするまでの時間であり、この時間が長いほど、ノ
ズル洗浄が行なわれておらず、この時間内に男子小用で
噴出口の周辺が汚れる可能性が大きい。したがって、空
き時間が長い場合には、ノズル洗浄の洗浄時間を長くし
て、噴出口の周辺が充分に洗浄される。
【0012】第4の発明は、洗浄用ノズルの噴出口か
ら、洗浄水に空気を混入した気泡水を人体局部に向けて
噴出して当該局部を洗浄する局部洗浄装置において、給
水源から上記噴出口に至る洗浄水流路に設けられ、上記
洗浄水流路に流れる洗浄水の流量Qwを調節する洗浄水
量調節手段と、圧搾空気を出力する空気供給手段と、上
記洗浄水流路に設けられ、上記空気供給手段からの圧搾
空気を上記洗浄水流路の洗浄水に混合することにより気
泡水を作成する空気混入手段と、上記空気供給手段から
上記空気混入手段への空気流量Qaを調節する空気流量
調節手段と、上記洗浄水量調節手段、上記空気流量調節
手段及び空気供給手段の少なくとも一を制御することに
より、空気流量Qaと洗浄水の流量Qwとの比の値Qa
/Qwで定義される空気混入率λを調整する混入比調整
手段と、便座への着座の有無を検出する着座検出手段
と、上記着座検出手段により着座した旨の信号を受けて
から、上記噴出口から洗浄水が噴出される洗浄動作開始
までの着座時間を検出する着座時間検出手段と、洗浄用
ノズルから洗浄水を噴出する洗浄動作前に、上記噴出口
の周辺を洗浄するノズル洗浄を指令するとともに、上記
着座時間に基づいて、ノズル洗浄の洗浄時間を設定する
ノズル洗浄指令手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】第5の発明は、洗浄用ノズルの噴出口か
ら、洗浄水に空気を混入した気泡水を人体局部に向けて
噴出して当該局部を洗浄する局部洗浄装置において、給
水源から上記噴出口に至る洗浄水流路に設けられ、上記
洗浄水流路に流れる洗浄水の流量Qwを調節する洗浄水
量調節手段と、圧搾空気を出力する空気供給手段と、上
記洗浄水流路に設けられ、上記空気供給手段からの圧搾
空気を上記洗浄水流路の洗浄水に混合することにより気
泡水を作成する空気混入手段と、上記空気供給手段から
上記空気混入手段への空気流量Qaを調節する空気流量
調節手段と、上記洗浄水量調節手段、上記空気流量調節
手段及び空気供給手段の少なくとも一を制御することに
より、空気流量Qaと洗浄水の流量Qwとの比の値Qa
/Qwで定義される空気混入率λを調整する混入比調整
手段と、上記噴出口から洗浄水が噴出される洗浄動作開
始から洗浄動作終了までの洗浄時間を検出する洗浄時間
検出手段と、洗浄用ノズルから洗浄水を噴出する洗浄動
作後に、上記噴出口の周辺を洗浄するノズル洗浄を指令
するとともに、上記洗浄時間に基づいて、ノズル洗浄の
洗浄時間を設定するノズル洗浄指令手段と、を備えたこ
とを特徴とする。
【0014】第6の発明は、洗浄用ノズルの噴出口か
ら、洗浄水に空気を混入した気泡水を人体局部に向けて
噴出して当該局部を洗浄する局部洗浄装置において、給
水源から上記噴出口に至る洗浄水流路に設けられ、上記
洗浄水流路に流れる洗浄水の流量Qwを調節する洗浄水
量調節手段と、圧搾空気を出力する空気供給手段と、上
記洗浄水流路に設けられ、上記空気供給手段からの圧搾
空気を上記洗浄水流路の洗浄水に混合することにより気
泡水を作成する空気混入手段と、上記空気供給手段から
上記空気混入手段への空気流量Qaを調節する空気流量
調節手段と、上記洗浄水量調節手段、上記空気流量調節
手段及び空気供給手段の少なくとも一を制御することに
より、空気流量Qaと洗浄水の流量Qwとの比の値Qa
/Qwで定義される空気混入率λを調整する混入比調整
手段と、前回の洗浄動作から、今回の洗浄動作を行なお
うとするまでの空き時間を検出する空き時間検出手段
と、洗浄用ノズルから洗浄水を噴出する洗浄動作前に、
上記噴出口の周辺を洗浄するノズル洗浄を指令するとと
もに、上記空き時間に基づいて、ノズル洗浄の洗浄時間
を設定するノズル洗浄指令手段と、を備えたことを特徴
とする。
【0015】第4ないし第6の発明にかかる局部洗浄装
置は、給水源から供給される洗浄水を流す洗浄水流路に
空気混入手段を備えており、この空気混入手段にて、洗
浄水に、空気供給手段から供給される圧搾空気が混入さ
れて、気泡水が作成される。この気泡水は、噴出口から
人体局部に向けて噴出されることにより人体局部が洗浄
される。このとき、気泡水の空気混入率λ、つまり、空
気流量Qaと洗浄水の流量Qwとの比率Qa/Qwは、
混入比調整手段によって、洗浄水量調節手段、空気流量
調節手段及び空気供給手段の少なくとも一が制御される
ことにより調整される。
【0016】また、ノズル洗浄指令手段は、ノズル洗浄
の際にも、空気混入率λを変更する。すなわち、空気混
入率λを変更すると、ノズル洗浄強度も変更されるか
ら、これを利用して、噴出口の周辺が汚れる可能性が大
きいほどノズル洗浄力の大きい空気混入率λに設定する
ことにより、充分なノズル洗浄が実行される。
【0017】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例
について説明する。
【0018】次に、本発明の実施の形態を実施例に基づ
き説明する。図1は実施例の局部洗浄装置10の概略構
成を表わしたブロック図、図2はこの局部洗浄装置10
の制御系をリモートコントローラを中心に表わしたブロ
ック図である。図示するように、この局部洗浄装置10
は、洗浄水を一旦貯留して予め温水化し、この温水化し
た洗浄水を人体局部に噴出するいわゆる貯湯式のもので
ある。
【0019】局部洗浄装置10は、洗浄水タンクとして
機能する熱交換器12を備え、圧力調整機能を有する電
磁止水弁14を経由して、図示しない水道管から洗浄水
の供給を受ける。熱交換器12は、図示するように貯湯
式であることから、洗浄水の温度変化や温調むらを低減
できる利点がある。そして、この熱交換器12は、貯留
した洗浄水を適温に温水化するためのヒータ16と、貯
留洗浄水の水位を検知するための満水水位センサ18お
よび下限水位センサ20と、洗浄水温度を検出する温度
センサ22とを有する。このヒータ16は、電子制御装
置24からの制御信号を受けてオン/オフし、各センサ
は、電子制御装置24に検出信号を出力する。電子制御
装置24は、CPU、ROM、RAM等を有する論理演
算回路として構成され、局部洗浄装置10における種々
の制御を実行する。その一例として、電子制御装置24
は、温度センサ22の検出した洗浄水温度に基づいてヒ
ータ16をオン/オフ制御し、貯留洗浄水を適温に維持
する。また、電子制御装置24は、満水水位センサ18
および下限水位センサ20からの水位信号の入力状態に
応じてヒータ16や電磁止水弁14を制御し、空炊き防
止や水位維持を図る。
【0020】局部洗浄装置10は、熱交換器12からノ
ズル装置26に至るまでの洗浄水供給系に、熱交換器1
2の側から、バキュームブレーカ28と流量調整弁30
とを有する。バキュームブレーカ28は、管路を大気開
放することで、ノズル装置26の側からの洗浄水の逆流
を防止する。流量調整弁30は、電子制御装置24から
の制御信号を受けて、ステッピングモータの駆動によ
り、管路開放と流量調整を行なう電磁弁であり、後述す
複数の流路に選択的に連通するモードと、全ポート
全開にするモードとを備えている。
【0021】また、局部洗浄装置10は、ノズル装置2
6から噴出される洗浄水を気泡混入の洗浄水とするた
め、空気供給系として、空気ポンプ32と、大気開放弁
31と、流量調整弁34と、これらを接続する空気流路
29とを有する。空気ポンプ32は、電子制御装置24
からの制御信号に基づいて駆動し、流量調整弁34に空
気を圧送する。この空気ポンプ32としては、約500
00〜10000Pa(約0.5〜1.0kgfcm
2)程度の圧送能力で定常運転できるものであればよ
く、ローリングポンプ、ベーンポンプ、ロータリーポン
プ、リニアポンプ等の種々のタイプのものを採用でき
る。流量調整弁34は、電子制御装置24からの制御信
号に基づいて管路開放と流量調整を行ない、その下流の
ノズル装置26に空気ポンプ32からの空気を送り込
む。この流量調整弁34と流量調整弁30は、上記した
それぞれの管路の管路開放並びに流量調整を電子制御装
置24からの制御信号に基づき同期して行なう。
【0022】また、大気開放弁31は、空気流路29に
接続されて、該空気流路29内の圧力を逃がす弁であ
る。図3は大気開放弁31の付近を示す断面図である。
図3において、大気開放弁31は、弁室31aを形成す
るケーシング31bと、弁室31a内に配置された弁体
31cと、弁体31cに付勢するスプリング31dとを
備えている。上記弁室31aは、空気流路29に流路側
流路31eを介して接続され、大気側開口31fを介し
て大気側に接続されている。よって、空気流路29は、
流路側流路31e、弁室31a、大気側開口31fを通
じて大気に接続されている。なお、弁体31cは、スプ
リング31dの付勢力により、通常、流路側流路31e
を閉じている。この大気開放弁31は、空気流路29に
所定値以上の圧力が加わると、流路側流路31eを介し
て弁体31cを押圧し、この弁体31cへの押圧力がス
プリング31dの付勢力を上回ると開弁する。これによ
り、空気流路29は、大気開放される。後述する空気混
入体60に異物が付着して詰まって空気流路29が閉塞
された場合に、空気ポンプ32からの圧搾空気は、空気
流路29内の圧力を高くする。そして、所定値以上にな
った場合に、大気開放弁31を通じて大気に連通する。
したがって、空気流路29内の圧力は、所定値以上に高
くならないことから、空気ポンプ32に過負荷を与える
ことがなく、また、他の部位にも故障を招くことがな
い。
【0023】局部洗浄装置10は、ノズル装置26を進
退駆動させるため、ノズル駆動モータ33を有する。ノ
ズル駆動モータ33は、図示しないプーリ、ベルト等を
有する駆動伝達機構を介してノズル装置26と係合され
ている。このノズル駆動モータ33は、電子制御装置2
4からの制御信号により正逆回転駆動して、ノズル装置
26を図示しない本体ケーシング内の待機位置からお尻
洗浄位置あるいはその前方のビデ洗浄位置に進出させた
り、両洗浄位置から待機位置に退避させる。
【0024】この他、局部洗浄装置10は、使用者に操
作されその使用意図を電気信号に変換して電子制御装置
24に出力する操作部35と、図示しない便座に使用者
が着座したことを検出する着座センサ36と、主電源の
操作部である電源投入部38とを有する。操作部35
は、局部洗浄に付随する種々の指令を使用者のボタン操
作に伴い電子制御装置24に出力すべく、各種の操作ボ
タンを備える。本実施例では、局部の洗浄を開始するた
めのお尻洗浄ボタン71aやビデ洗浄ボタン71b、停
止ボタン71c、水勢などに強弱の変化をつけた洗浄水
の噴出を設定するマッサージ設定ボタン71d、ノズル
装置26を揺動させた局部の洗浄を設定するムーブ設定
ボタン71e、お尻噴出口49の周囲を洗浄するための
ノズル洗浄ボタン71f等の動作指令ボタンや、洗浄水
の温度を調節する吐水温設定ボタン71g、洗浄強度を
設定する洗浄強度設定ボタン71h、空気と洗浄水との
割合を設定する混合比設定ボタン71i、などの各設定
ボタンと、洗浄水の水量を設定する水量設定ボタン71
j、気泡量設定ボタン71k、温水洗浄便座全体の運転
状態を設定する運転入/切ボタン71n等を設けてい
る。また、この操作部35は、出力装置として、これら
の各種操作ボタンによる操作の結果をランプや液晶によ
って表示する表示部72を、上記各ボタンと共に備え
る。
【0025】次に、局部洗浄装置10の洗浄動作の概略
を、お尻洗浄を例として説明する。いま、操作部35の
お尻洗浄ボタン71aが操作されると、操作部35は、
お尻洗浄開始信号を電子制御装置24に送信する。電子
制御装置24は、この信号を受けて、種々の制御対象機
器に制御信号を送る。つまり、電磁止水弁14には管路
を開く旨の制御信号を、空気ポンプ32には空気圧送を
行なう旨の制御信号を、流量調整弁30と流量調整弁3
4とには管路開放並びに流量調整量(管路開放量)に関
する制御信号を、ノズル駆動モータ33にはノズル装置
26をお尻洗浄位置まで進出させる旨の制御信号をそれ
ぞれ送信する。電磁止水弁14等の上記の各制御対象機
器は対応する制御信号に基づいて駆動する。よって、ノ
ズル装置26は、待機位置からお尻洗浄位置まで進出す
る。洗浄水供給系では、熱交換器12に洗浄水が流れ込
み、その分の熱交換器内洗浄水(温水洗浄水)が、この
熱交換器12からバキュームブレーカ28と流量調整弁
30を経てノズル装置26に流れ込む。また、空気供給
系では、空気ポンプ32の圧送した空気が流量調整弁3
4を経てノズル装置26に流れ込む。そして、後述する
ように洗浄水に空気が気泡状で分散混合した気泡流の洗
浄水(図7参照)がノズル装置26から噴出され、この
洗浄水によりお尻洗浄が行なわれる。なお、空気ポンプ
32を圧送空気量が可変するよう構成並びに制御し、流
量調整弁34を管路の開閉を行なう開閉弁とすることも
できる。
【0026】このようにしてお尻洗浄を行なう際、電子
制御装置24は、リモートコントローラの上記動作設定
ボタンにて設定済みの洗浄水水勢の強弱等のお尻洗浄機
能に関する現在の設定状態を検出する。そして、電子制
御装置24は、洗浄水水勢に関する設定情報を流量調整
量(管路開放量)として流量調整弁30に送信し、当該
情報を受け取った流量調整弁30は、設定水勢となるよ
うに管路開度を調節する。この場合、本実施例では、後
述するように空気混入を行なっていることから、この空
気混入率λを考慮した管路開度とされる。また、電子制
御装置24は、設定水勢、すなわち流量調整弁30によ
る流量調整に基づいた空気の流量調整量(管路開放量)
の制御信号を空気ポンプ32に送信するので、流量調整
弁34は、後述の空気混入率λとなるよう、圧送空気量
を調整する。
【0027】そして、操作部35の停止ボタン71cが
操作されると、操作部35は、停止信号を電子制御装置
24に送信するので、電子制御装置24は、上記各機器
を元の状態に復帰させお尻洗浄を終了する。これによ
り、洗浄水並びに空気の供給は停止してノズル装置26
は待機位置に退避し、局部洗浄装置10は、次回以降の
局部洗浄に備える。
【0028】次に、この実施例(第1実施例)の局部洗
浄装置10が有するノズル装置26について説明する。
図4はノズル装置26の概略構成を示す概略断面図、図
5はノズル装置26の移動の様子を説明するための説明
図である。
【0029】図示するように、ノズル装置26は、内部
に洗浄水流路を有するノズル本体40と、その先端に着
脱可能なノズルヘッド42と、ノズル本体基部側に位置
して気泡混合並びに洗浄水切替を行なうための気泡混合
・切替機構部44とを有する。ノズル本体40は、その
軸線方向に沿って2系統の洗浄水流路を有し、小径の側
の流路をお尻洗浄のためのお尻流路43とし、大径の側
の流路をビデ洗浄のためのビデ流路45としている。こ
の場合、お尻流路43は、その径が約1.9mmとさ
れ、ビデ流路45は約2.5mmとされている。また、
この両流路は、長短とされているが、この流路を通過す
る洗浄水速度を考慮するとほぼ同一流路長と仮定でき、
本実施例では約95mmである。ノズルヘッド42は、
シールリング46を介してノズル本体40先端に水密に
取り付けられ、お尻流路43と同径でこれに連続したお
尻噴出流路47とその先端のお尻噴出口49と、ビデ流
路45と同径でこれに連続したビデ噴出流路51とその
先端のビデ噴出口53とを有する。なお、ビデ噴出口5
3は、大小二つの噴出口からなり、ビデ噴出流路51を
通過した洗浄水を両噴出口から同時に噴出する。
【0030】気泡混合・切替機構部44は、ノズル本体
40に水密に固定されるケーシング55を備える。この
ケーシング55は、その底部のモータ連結体56でノズ
ル駆動モータ33の動力を受け、ノズル本体40を上記
した待機位置、お尻洗浄位置およびビデ洗浄位置に進退
させる。ケーシング55の内部には、その周壁に沿って
図中上下に摺動する空気室形成体58が水密に組み込ま
れている。空気室形成体58は、その内部に空気混入体
60を備える。この空気混入体60は、ノズル本体40
の側の支持体61とその反対側の支持体62とで、空気
室形成体58の内壁から隙間を隔てて保持されている。
また、空気室形成体58は、図示する上端側に空気室切
替部63を備え、その下端側のケーシングとの間の間隙
に、スプリング64を備える。そして、支持体62は、
上記の流量調整弁30と接続され、その内部の洗浄水導
入路65から、空気混入体60中央を貫通する貫通孔6
6に洗浄水を導き入れる。その一方、空気室切替部63
は、上記の流量調整弁34と接続され、その内部に形成
された空気導入路67から、空気室形成体58と空気混
入体60との間の間隙に空気を導き入れる。このように
洗浄水並びに空気が導かれる空気混入体60は、独立し
た開孔を形成する多孔質やメッシュであることから、上
記のように導かれた空気を貫通孔66に通過させ、この
貫通孔66において、洗浄水に空気を気泡状に混入させ
る。そして、気泡混入済みの洗浄水は、支持体61中央
の貫通孔68を経て、上記のお尻流路43又はビデ流路
45のいずれかに流れ込み、お尻洗浄あるいはビデ洗浄
に供せられる。なお、気泡混入の様子並びに空気混入体
60の製造手法については、後述する。
【0031】次に、上記の気泡混入済み洗浄水の供給先
の切替の様子を、ノズル装置26の移動の様子と関連付
けて説明する。図5に示すように、気泡混合・切替機構
部44は、支持体62を下方に押し下げるための遮蔽ブ
ロック69を有する。この遮蔽ブロック69は、ノズル
装置26が上記した待機位置およびお尻洗浄位置に位置
する場合には、図の左方側に示すように、支持体62と
干渉しない位置に設置されている。よって、お尻洗浄ボ
タン71aが操作されてノズル装置26がお尻洗浄位置
を採る場合には、空気室形成体58は、スプリング64
の付勢力を受けて上方の初期位置(図の左方側)にあ
る。この状態では、支持体61の貫通孔68とケーシン
グ55のお尻側貫通孔70とが対向するので、気泡混入
済み洗浄水は、ノズル本体40におけるお尻流路43を
通過し、お尻噴出口49から噴出される。
【0032】その一方、ビデ洗浄ボタン71bが操作さ
れてノズル装置26がお尻洗浄位置より前方のビデ洗浄
位置まで前進すると、支持体62は、このノズル前進の
間に遮蔽ブロック69と接触し、図の右方側に示すよう
に、遮蔽ブロック69により下方に押し下げられる。よ
って、ノズル装置26がビデ洗浄位置を採る場合には、
空気室形成体58は、スプリング64の付勢力に抗して
上記の初期位置から流路切替位置(図の右方側)に移動
する。この状態では、支持体61の貫通孔68とケーシ
ング55のビデ側貫通孔71とが対向するので、気泡混
入済み洗浄水は、ノズル本体40におけるビデ流路45
を通過し、ビデ噴出口53から噴出される。なお、ノズ
ル装置26がビデ洗浄位置から待機位置に復帰すると、
空気室形成体58はスプリング64の付勢力を受けて初
期位置に復帰し、次回のお尻洗浄・ビデ洗浄に備える。
【0033】次に、気泡混合・切替機構部44での洗浄
水への空気混合の様子について説明する。この気泡混合
・切替機構部44は、気泡ポンプとして機能することか
ら、当該ポンプの概念を模式的に表わした図6の模式図
として示すことができる。図6に示すように、この気泡
ポンプ80は、気泡混合・切替機構部44における空気
室形成体58に相当する空気混入混合筐体81と、その
内部に空気室82を隔てて支持された気泡分散体83を
有する。この気泡分散体83が、気泡混合・切替機構部
44における空気混入体60である。この場合、洗浄水
管路84の管路径や気泡分散体83の中央貫通孔径等
は、気泡混合・切替機構部44における支持体62の洗
浄水導入路65の管路径、空気混入体60の貫通孔66
の径等と同じであり、約1.5〜3.0mmである。
【0034】気泡分散体83は、洗浄水管路84に連続
した管路を形成し、当該管路を流れる洗浄水に接する
面、すなわち管路壁面全周に、多数の独立開孔を備え
る。よって、空気導入管85から空気室82に圧送され
た空気は、気泡分散体83の上記の各独立開孔から管路
内に送られ、各開孔箇所にて膨らむ。この場合、空気室
82は、圧送された空気の圧力変動や圧力分布を吸収す
る緩衝領域として機能するので、空気は、著しい速度差
を生じることなく気泡分散体83を通過する。そして、
上記した空気の膨らみは、それぞれの開孔で洗浄水の流
れから受ける剪断力により断ち切られて気泡となり、そ
れぞれ個別に洗浄水に混入する。
【0035】本実施例では、気泡分散体83(空気混入
体60)における上記の独立開孔を後述する形成材料の
選定並びに工程設定を経て形成し、各独立開孔からの形
成気泡の径が約100〜1000μmとなるようにし
た。よって、洗浄水には、このような微細な径の気泡が
独立して混入・混合する。しかも、各気泡は、形成当初
から独立気泡の状態を保ち、独立開孔にある程度依存し
た小さな径の略球形形状となるので、剛性が高く変形も
しにくい。このため、混入した気泡の合一機会は低減す
ると共に、気泡合一自体をも起きにくくできるので、気
泡分散体83により、洗浄水の流れを、空気が気泡状態
で安定して分散混合した気泡流とできる。この際、各気
泡は、上記したようにそれぞれの独立開孔から個別に形
成されて独立気泡の状態で洗浄水に混入するので、高い
分散効率で気泡が洗浄水に当初から混合する。つまり、
気泡分散体83において空気の混入、微細化、分散混合
が同時に行われることになる。
【0036】この気泡分散体83は、洗浄水管路84に
連続した管路を形成しているので、洗浄水の流れに乱れ
やよどみを発生させることがなく、この乱れやよどみに
よる気泡合一の機会を低減できる。また、洗浄水管路8
4における洗浄水流れ方向に沿って独立開孔を多数有す
るので、この洗浄水流れ方向における多数箇所から気泡
混入を図り気泡発生密度を低くできる。よって、大量の
空気をこの気泡分散体83から混入させても、気泡生成
時の気泡合一が発生しにくく微細な独立気泡を生成でき
る。
【0037】このように、上記の気泡ポンプ80として
模式的に表わされた気泡混合・切替機構部44は、上記
したように洗浄水に気泡を確実に分散混合させ気泡合一
を起きにくくしている。よって、気泡混合・切替機構部
44より下流の洗浄水の流れは、図7に示すような気泡
流の洗浄水流(図7(a))となり、洗浄水に混入した
気相が連続相として存在するスラグ流(図7(b))や
環状流(図7(c))あるいは噴霧流(図7(d))の
非所望の流動様相となることはない。従って、本実施例
では、圧送空気の有する運動量(エネルギ)を、確実
に、効率よく、迅速に洗浄水に伝達することができる。
また、微細な気泡は剛性が高く変形しにくく、不要な運
動をしないのでエネルギ損失は少ない。上記の気泡ポン
プ80から噴出される洗浄水の流れの様子を写真撮影し
たところ、図8の写真の読取画像に示すように、この噴
出洗浄水流は、噴出口から広がることなく真っ直ぐに噴
出することが判明した。また、この噴出洗浄水流は、上
記のように気泡が分散混合した気泡流であることから、
乳白色であった。そして、本実施例では、このようにし
て得られた気泡流の状態で、洗浄水をノズル本体40に
おけるお尻流路43あるいはビデ流路45に送り込み、
既述したお尻洗浄あるいはビデ洗浄に供せられる。
【0038】次に、上記の気泡混合・切替機構部44で
得られる効果について、その模式的な構成を有する図6
の気泡ポンプ80を用いて説明する。まず、空気混入に
よる洗浄水の運動量増加効果について説明する。洗浄水
の運動量は、気泡ポンプ80の噴出口から洗浄水を噴出
させた場合、この噴出洗浄水がもたらす荷重で把握でき
る。よって、気泡ポンプ80の噴出口に対向して荷重側
定器を配置し、この噴出洗浄水の荷重を、種々の空気混
入率λの気泡流の洗浄水について測定した。その結果を
図9に示す。なお、この図9における縦軸は、空気未混
入の洗浄水(空気混入率λ=0)を気泡ポンプ80から
噴出した場合に得られる荷重で除算した荷重比である。
また、図9において本実施例とされているものは、気泡
混合・切替機構部44と寸法等の点で同等の気泡ポンプ
80を意味する。従来技術とされているものは、周壁に
単一の空気混入孔を空けただけの管体を気泡分散体83
に替わって組み込んだ空気混入手段を意味し、分岐管か
ら管路内に単純に空気を混入させただけの従来の手法で
ある。また、図中の理論値と示した直線は、以下のよう
にして導いたものである。
【0039】管路を通過する流体の運動量Euは、管路
面積をS、流体密度をρ、流体速度をVとすると、次の
式(1)と表わすことができる。
【0040】Eu=ρ・S・V2 …(1)
【0041】空気の密度ρaは水の密度ρwに比べて無
視できるほど小さいので、洗浄水に空気を混入した混合
洗浄水の密度は、空気混入率λη(空気流量/洗浄水流
量)と洗浄水の密度ρwから、ρw/(1+η)とな
る。また、この混合洗浄水の速度は、空気混入率ληと
洗浄水の速度Vから、V・(1+η)となる。よって、
空気混入率ληの混合洗浄水の運動量Euは、次の式
(2)と表わすことができる。
【0042】 Eu=(ρw/(1+η))・S・V2 ・(1+η)2 =ρw・S・V2 ・(1+η) …(2)
【0043】そして、この式(2)の運動量を空気未混
入の洗浄水(空気混入率λ=0)の運動量(ρw・S・
2 )で除算した運動量比(1+η)は、上記の荷重比
に相当し、この運動量比が理論値として示されている。
この理論値における混合洗浄水は、洗浄水に空気が理想
的に分散混合した気泡流の洗浄水に他ならず、連続気相
が存在するようなスラグ流等の非所望の流動様相の洗浄
水ではない。よって、上記の荷重比がこの理論値に近似
すればするほど、その洗浄水は空気が理想的に分散混合
した気泡流であるといえる。
【0044】図9から、従来技術での荷重比は、1より
も低い空気混入率λの時点から上記の理論値と相違し、
空気混入率λが約1.3となると、約1.5程度の荷重
比しか得られない。よって、従来技術では、空気混入率
λを洗浄水流量に対して1以上に高めても、洗浄水に空
気が理想的に分散混合した気泡流を得ることはできず、
スラグ流等の非所望の流動様相となるに過ぎない。この
ため、洗浄水への空気混入を通して節水化を図ろうとし
ても、この非所望の流動様相であるが故に、上記したよ
うに洗浄力が低下するので、空気混入を受ける洗浄水自
体の流量増を必要とする。なお、この従来技術では、空
気混入率λを約1.3以上としても荷重比に増大変化が
見られないのは、従来技術の手法で空気混入率λを高め
ても、既述したようにこの空気混入率λでは噴霧流に相
転してしまい、それ以上の運動量増大を得ることができ
ないからだと考えられる。
【0045】これに対し、本実施例では、空気混入率λ
がほぼ4に近くなるまで、上記の理論値と合致し、最高
で約4.5という高い荷重比を得ることができた。よっ
て、本実施例によれば、従来技術にあっては噴霧流に相
転してしまう1.3以上という高い空気混入率λとして
も、洗浄水に空気が理想的に分散混合した気泡流を確実
に得ることができる。よって、この気泡流の洗浄水とす
ることを通して、洗浄水の運動量を空気混入により確実
に増大できる。このため、少量の洗浄水で高い洗浄力を
発揮でき、節水の実効性を高めることができる。これ
は、上記した独立開孔を有する空気混入体60(気泡分
散体83)により、上記したように、空気の微細気泡で
の混入並びに分散混合を行なうからである。
【0046】次に、局部洗浄装置10による洗浄動作に
ついて、図10のタイミングチャートにしたがって説明
する。いま、使用者が便座上に着座すると、着座センサ
36がオンし(時点t1)、その旨の信号が電子制御装
置24に入力される。電子制御装置24は、まず、ノズ
ル装置26内に残っている洗浄水を除去する残水除去前
処理を実行する。残水除去前処理は、空気ポンプ32を
所定時間T1だけ駆動することにより行なわれる。図1
1はノズル装置26への流路26aに残っている水が除
去される様子を説明する説明図である。図11に示すよ
うに、空気ポンプ32の駆動により流路に空気が吹き込
まれると、流路内の気圧が低くなって、流路の上流側の
洗浄水、つまりノズル装置26の頂部より低い位置にあ
る流路26aの洗浄水もサイホン作用によって、流路2
6aの下流側へ吸引されて、お尻噴出口49を通じて排
出される。この残水除去前処理により、後述するノズル
前洗浄の時間が短いか、あるいは省略する場合に、冷水
が人体局部に向けて噴出されるのを防止する。
【0047】続いて、使用者が操作部35のお尻洗浄ボ
タン71aをオンすると(時点t2)、ノズル前洗浄処
理が実行される。ノズル前洗浄処理は、空気ポンプ32
を時点t2から所定時間T2だけ駆動し、時間Tb経過
した時点t3にて電磁止水弁14を所定時間T3だけ開
くことによって行なわれる。このとき、流量調整弁30
は、3ポート同時吐水の位置にあるから、ノズル装置2
6の流路に洗浄水を流す。そして、空気ポンプ32の圧
搾空気が洗浄水に混入されて気泡流となり、お尻噴出口
49及びビデ噴出口53の両噴出口から吐水される。こ
のように気泡流がお尻噴出口49などから噴出すること
によりお尻噴出口49の周辺のノズル洗浄が行なわれ
る。
【0048】このとき、ノズル洗浄時間T3は、便座に
着座してからお尻洗浄ボタン71aを押すまでの時間T
p1によって決められる。すなわち、この時間Tp1
は、着座センサ36から着座した旨の信号を受けてから
お尻洗浄ボタン71aが押されるまでの用便をしていた
時間であり、この時間Tp1が長いほどお尻噴出口49
の周辺が汚れる可能性が大きい。したがって、時間Tp
1が長い場合には、ノズル洗浄時間T3が長くなり、お
尻噴出口49の周辺が充分に洗浄され、一方、時間Tp
1が短い場合には、ノズル洗浄時間T3が短くなり、人
体局部の洗浄が直ちに開始され使い勝手がよい。
【0049】なお、ノズル洗浄の際には、時間T3を変
更するほか、空気混入率λの変更を合わせて行なうか、
または空気混入率λの変更を単独で行なって、適切な洗
浄力で行なうようにしてもよい。このようなノズル前洗
浄処理において、空気ポンプ32を駆動して空気を混入
した気泡流により行なうので、少ない水量であっても、
強い水勢によりお尻噴出口49の付近を洗浄することが
でき、よってその優れたノズル洗浄効果を得ることがで
きる。しかも、洗浄水に混入される気泡は、100〜1
000μmの微少なものであり、この混入によって超音
波振動を生じて、一層、洗浄効果を高めることができ
る。
【0050】そして、ノズル前洗浄を終えるために電磁
止水弁14が閉じられて、時間Tcだけ経過した後に空
気ポンプ32が閉じられる。このように電磁止水弁14
が開かれる前と閉じられた後の時間Tbにおいて、空気
ポンプ32が駆動されており、これにより空気ポンプ3
2側の空気流路29側を洗浄水側の流路より高圧に維持
する。このように空気流路29側を高圧に維持すること
により、空気流路29に洗浄水が入り込まず、空気ポン
プ32の故障の原因を招かない。また、空気流路29に
洗浄水が入り込むと、空気混入体60が洗浄水に濡らさ
れ、細菌を増殖させる要因になるが、このようなことも
ない。さらに、空気ポンプ32を駆動することにより空
気流路29への逆流を防止しているので、空気流路29
などに逆止弁などを設ける必要がなく、構成も簡単にで
きる。
【0051】続いて、電磁止水弁14を一旦閉弁すると
ともに空気ポンプ32を停止した状態にて、流量調整弁
30のステッピングモータを原点に調節し、さらに水量
設定ボタン71jの設定にしたがって流量調整弁30の
開度を調節する。これと同時に、ノズル駆動モータ33
を駆動することにより、ノズル装置26を待機位置から
洗浄位置へ進出させる。
【0052】このノズル装置26の進出動作時に空気ポ
ンプ32を停止させており、これにより、ノズル装置2
6のお尻噴出口49などから空気が吹き出されることが
なく、使用者に不快感を与えることを回避している。な
お、ノズル装置26の進出動作時に空気ポンプ32を停
止させる制御を実行する態様のほかに、使用者に空気の
噴出を感じない程度に、空気ポンプ32の出力を低減す
る制御を採ったり、噴出される空気を人体局部に向かわ
ない方向へ逃がしたりする構成をとってもよい。
【0053】そして、ノズル装置26が洗浄位置まで進
出した状態にて、時点t4にて、空気ポンプ32を駆動
し、さらに所定時間Tb後に、電磁止水弁14を全開に
する。これにより、ノズル装置26のお尻噴出口49か
ら、洗浄水に空気が混入された気泡水が人体局部に向け
て噴出されて該局部の洗浄が行なわれる。このとき、空
気流量Qaと洗浄水流量Qwとの比である空気混入率λ
の値については、後述する。なお、この場合にも、電磁
止水弁14が開かれる前の時間Tbだけ、空気ポンプ3
2が駆動されて、空気流路29側が高圧になり、空気流
路29側に洗浄水が入り込むのを防止している。
【0054】そして、使用者が操作部35の停止ボタン
71cを押すと(時点t5)、止水処理が行なわれる。
すなわち、止水処理は、電磁止水弁14及び流量調整弁
30を閉じて洗浄水の供給を停止すると共に、空気ポン
プ32を停止して空気の供給を停止することにより行な
われる。この場合も、電磁止水弁14等を閉じて、時間
Tb経過した後に、空気ポンプ32を停止させているの
で、空気流路29側が高圧に維持され、空気流路29に
洗浄水が入り込まない。その後、ノズル駆動モータ33
に駆動信号を出力することにより、ノズル装置26を洗
浄位置から待機位置に後退させる。ノズル装置26は、
待避移動時にも、進出時と同様に空気ポンプ32が停止
しているので、お尻噴出口49などから空気が吹き出さ
れることなく、使用者に不快感を与えない。
【0055】続いて、ノズル後洗浄処理が実行される。
ノズル後洗浄処理は、ノズル前洗浄処理とほぼ同様な処
理であり、つまり、流量調整弁30を3ポート同時吐水
位置に移動するとともに空気ポンプ32を駆動した後
に、電磁止水弁14を所定時間T4だけ開くことにより
行なわれる。そして、所定時間T4が経過したときに、
電磁止水弁14を閉じて、その後、空気ポンプ32を停
止する。これにより、ノズル装置26のお尻噴出口49
の周辺部が洗浄される。このとき、ノズル後洗浄を行な
う時間T4は、お尻洗浄ボタン71aがオンされてか
ら、停止ボタン71cが押されるまでの時間Tp2によ
り定める。この時間Tp2は、洗浄動作開始から洗浄動
作終了までの時間であり、この時間Tp2が長いほど、
十分な洗浄が行なわれており、お尻噴出口49の周辺が
汚れている可能性が大きい。したがって、洗浄の時間T
p2が長い場合には、ノズル後洗浄の時間T4を長くし
て、お尻噴出口49の周辺を充分に洗浄する。なお、ノ
ズル洗浄の際には、時間T4を変更するほか、空気混入
率λを変更する制御を合わせて行なうか、これを空気混
入率λを変更する制御を単独で行なうことにより、適切
な洗浄力でノズル後洗浄を行なってもよい。
【0056】続いて、使用者が便座から離れると(時点
t6)、着座センサ36から離座信号が出力され、残水
除去後処理が実行される。この残水除去後処理は、残水
除去前処理と同様に、空気ポンプ32を所定時間T5だ
け駆動することにより行なわれる。すなわち、電磁止水
弁14を閉じて止水している状態にて、空気ポンプ32
を駆動すると、ノズル装置26の流路に残っている洗浄
水は、お尻噴出口49から排出される。これにより、ノ
ズル装置26内に洗浄水が残らず、つまり空気混入体6
0を洗浄水で濡らした状態を維持しないので、雑菌の繁
殖を防止する。この残水除去処理は、ノズル装置26が
待機位置に戻ってから実行されるので、便座への着座時
に空気ポンプ32から圧搾空気が送られて、ノズル装置
26のお尻噴出口49から空気が吹き出されることがな
く、使用者に不快感を与えない。
【0057】次に、局部洗浄装置10のお尻洗浄の際
に、使用者の好みに合わせて、空気混入率λを変更する
洗浄動作について説明する。電子制御装置24は、洗浄
動作の前または本洗浄動作中に、所定時間毎の割込処理
にて、気泡量設定ボタン71k及び水量設定ボタン71
jにて設定された値を読み込み、これらの値に基づい
て、流量調整弁30の開度及び、空気ポンプ32の出力
と流量調整弁34の開度をそれぞれ制御して、洗浄水流
量Qw及び空気流量Qaを定める。これにより、広範囲
に空気混入率λを設定することができる。
【0058】図12は水量設定ボタン71jにより設定
された水量設定値Qwsと洗浄水流量Qwとの関係を示
すグラフであり、図13は気泡量設定ボタン71kによ
り設定された気泡量設定値Qasと空気流量Qaとの関
係を示すグラフである。図12において、水量設定ボタ
ン71jにより設定された水量設定値Qwsに基づいて
洗浄水流量Qwが設定される。また、図13において、
気泡量設定ボタン71kにより設定された気泡量設定値
Qasに基づいて、水量設定値Qws毎に空気流量Qa
が設定される。すなわち、水量設定ボタン71j及び気
泡量設定ボタン71kのそれぞれの設定値であるレベル
1〜5の5段階に対応した洗浄水流量Qw及び空気流量
Qaが図12及び図13のマップにより定められてい
る。
【0059】いま、使用者が、水量設定ボタン71jに
よって水量設定値Qws及び気泡量設定ボタン71kに
よって気泡量設定値Qasをレベル3にそれぞれ設定す
ると、図12に基づいて、洗浄水流量Qwが400cc
にセットされ、さらに気泡量設定ボタン71kのレベル
3でありかつ水量設定値Qwsのレベル3の直線に基づ
いて、空気流量Qaが500ccにセットされる。この
洗浄水流量Qwに基づいて流量調整弁30の開度、及び
空気流量Qaに基づいて空気ポンプ32及び流量調整弁
34の開度が制御され、空気流量Qa及び洗浄水流量Q
wの比で定義される空気混入率λが設定される。
【0060】このように水量設定ボタン71jにより水
量設定値Qws及び気泡量設定ボタン71kにより気泡
量設定値Qasをそれぞれ調節して空気混入率λを変更
することにより、洗浄強度Wfを調節することができ
る。例えば、使用者が同じ水量設定値Qwsであって
も、気泡量設定ボタン71kにより気泡量設定値Qas
の値を上げることにより、空気流量Qaを増大させて洗
浄強度Wfを増大させることができる。すなわち、上述
したように、気泡水の洗浄力は、洗浄水のエネルギー
に、つまり洗浄水流量Qwと速度に依存する。空気が混
入されると、その空気混入率λによって、洗浄水のエネ
ルギーが異なる。洗浄水流量Qwにて、空気を多く混入
すると、流路面積が一定であるから、洗浄水の速度が増
大して、洗浄水のエネルギーが増大する。よって、同じ
水量であっても、空気流量Qaを増大することにより水
勢を増大させることができる。一方、空気流量Qaを減
少することにより、洗浄強度Wfが弱くなり、柔らかな
洗浄感を得ることができる。このように、使用者が水量
設定ボタン71jや気泡量設定ボタン71kを調節する
ことにより、好みに合わせた洗浄強度Wfにより洗浄す
ることができる。
【0061】図14及び図15は他の実施の形態を示
し、図14は混合比設定ボタン71iにより設定される
空気混入率λを示すグラフ、図15は水量設定ボタン7
1jにより設定される水量設定値Qwsと気泡水の噴出
量Qawとの関係を示すグラフである。ここで、気泡水
の噴出量Qawは、空気流量Qaと洗浄水流量Qwとの
合計を表わしている。この実施の形態において、混合比
設定ボタン71iにより混入率設定値λsをレベル1〜
5のいずれかに設定すると、空気混入率λが設定され
る。そして、水量設定ボタン71jの洗浄水の水量設定
値Qwsに基づいて、混入率設定値λsのレベル毎に、
気泡水の噴出量Qaw、さらに空気流量Qaが求められ
る。これらの値に基づいて、流量調整弁30の開度及
び、空気ポンプ32の駆動力と流量調整弁34の開度が
それぞれ制御され、好みに合わせた空気混入率λにて気
泡水が噴出される。
【0062】図16及び図17は別の実施の形態を示
し、洗浄強度設定ボタン71hの洗浄感Fsの設定値と
洗浄水流量Qw及び空気流量Qaとの関係を示すグラフ
であり、図16は洗浄強度Wfのレベル1〜5までの5
段階のうち、実線は洗浄強度Wfが3の値をとる場合を
示し、図17は洗浄強度Wfが4の値をとる場合を示し
ている。なお、図示していないが、これらのマップは洗
浄強度Wfのレベル1〜5に合わせて5つ電子制御装置
24に記憶されている。上記洗浄強度設定ボタン71h
の洗浄強度Wfは、その強度の大きい方から順に、レベ
ル1〜5の5段階に設定可能であり、また、洗浄感設定
ボタン71mの洗浄感Fsは、空気混入率λが小さくな
る方へ、レベル1〜5の5段階の値にそれぞれ設定可能
である。
【0063】電子制御装置24は、洗浄強度設定ボタン
71hで設定された洗浄強度Wf及び洗浄感設定ボタン
71mで設定された洗浄感Fsのそれぞれの値を読み込
み、例えば、洗浄強度Wfがレベル3に設定されている
場合には、図16に示すマップが読み込まれる。次い
で、このマップに基づいて、洗浄感Fsの値に対応する
洗浄水流量Qw及び空気流量Qaが求められる。この場
合において、使用者が洗浄強度Wfをレベル3の値に設
定しても、洗浄感Fsをレベル1〜5のいずれかの値に
設定することにより、空気混入率λの異なった値を選択
することができる。例えば、洗浄感Fsをレベル1に設
定すれば、洗浄水流量Qwが最小で、空気流量Qaが最
大であるドライ感のある洗浄を選択することができ、ま
た、洗浄感Fsをレベル5に設定すれば、洗浄水流量Q
wが最大で、空気流量Qaが最小であるウェット感のあ
る洗浄を選択することができる。この場合において、洗
浄強度Wfは、レベル3で同じである。したがって、洗
浄感設定ボタン71mの設定により同じ洗浄強度Wfで
あっても、水量の多いウェットな洗浄と、空気流量Qa
の多いドライ感の洗浄とを使用者の好みに合わせて選択
することができる。
【0064】図18は他の実施の形態における給水圧P
wと最大空気流量Qamaxとの関係を示すグラフであ
る。すなわち、局部洗浄装置10には、給水源の給水圧
Pwを検出する水圧センサ(図示省略)が設けられてお
り、その水圧センサにより検出した給水圧Pwに基づい
て、最大空気流量Qamaxが設定され、この範囲内に
て空気混入率λが設定される。
【0065】すなわち、空気混入率λは、4を超える
と、気泡水から噴霧流に変わることから、4以下に制御
する必要がある。たとえば、給水源が水道直結タイプの
場合に、給水圧Pwが所定圧Pwa以下に低下すると、
洗浄水流量Qwが減少して、空気混入率λの値が高くな
りやすいが、最大空気流量Qamaxが抑制されるか
ら、空気混入率λが4を超えることがなく、よって気泡
水から噴霧流に変わることがない。なお、給水圧Pwの
低下の要因としては、給水用の水圧ポンプモータを用い
ている場合には、水圧ポンプモータの経年変化によりポ
ンプ出力の変動などを生じたり、貯湯式タンクから便器
に排水して圧力を低下した場合のように各種の状況に対
応させるように構成することができる。
【0066】図19は別の実施の形態における給水圧P
wと空気流量Qaとの関係を示すグラフである。すなわ
ち、給水圧Pwが一時的に低くなって洗浄水流量Qwが
減少したときに、洗浄強度Wfが変わらないように空気
流量Qaを増大し、つまり空気混入率λを高める。これ
により、給水源の水圧の変動にかかわらず、一定の洗浄
強度Wfが維持されて、使用者に不快感を与えることが
ない。
【0067】図20ないし図23は他の実施の形態にか
かり、ノズル装置26から噴出される気泡水の吐水位置
に応じて空気混入率λを変更する説明する図である。こ
れらの実施の形態は、ノズル駆動モータ33によりノズ
ル装置26を往復動させることにより洗浄位置を移動す
るとともに、その範囲内にて空気混入率λを変更する構
成に特徴を有している。
【0068】図20は洗浄位置の中心付近で空気混入率
λを小さく、つまり中心付近での洗浄水流量Qwを多く
して、局部に強く付着している大便を除去する作用を高
める。これにより、周辺部で空気混入率λが大きく、つ
まり洗浄水流量Qwが少なくなるから、体毛を濡らすこ
とを少なくし、乾燥を容易にすることができる。また、
逆に、図21に示すように、洗浄位置の中心付近での空
気混入率λを大きくすることにより、人体局部の中心付
近の汚物の付着量が多い場合に大きな洗浄強度Wfで洗
浄することができる。さらに、図22に示すように、お
尻洗浄の時にお尻の後方に向かうにしたがって空気混入
率λを高くしたり、図23に示すように、ビデ洗浄の時
に前方に向かうにしたがって空気混入率λを大きくした
りして、洗浄水流量Qwを少なくして衣服の濡れを予防
することができる。このように、洗浄する人体局部の状
態に応じて種々の空気混入率λに変更することができ
る。
【0069】図24及び図25は他の実施の形態にかか
り、図24は瞬間式の熱交換器12Bを備えた局部洗浄
装置10Bの概略構成図であり、図25は入水温度Tw
と、最大水量Qwmax及び最小空気混入率λminと
の関係を示すグラフである。図24において、熱交換器
12Bは瞬間式のヒータを備え、貯湯式タンクを有しな
いものであり、給水源から供給される洗浄水は、熱交換
器12Bにて加熱された後に、ノズル装置26に供給さ
れる。したがって、給水される洗浄水を、入水温度Tw
から吐水温度設定値Tawsに向かうように、電子制御
装置24によりヒータへの通電量がフィードバック制御
される。
【0070】電子制御装置24は、図25に示すよう
に、入水温度Twに応じて、最大水量Qwmax及び最
小空気混入率λminを設定する。すなわち、最大水量
Qwmaxは、入水温度Twによって定まり、つまり、
入水温度Twの洗浄水を、熱交換器12Bにより吐水温
度設定値Tawsまで加熱することができる洗浄水の流
量で定まる。したがって、最大水量Qwmaxは、入水
温度Twが低いほど、少ない流量となる。一方、最小空
気混入率λminは、入水温度Twが低いときに大き
く、空気混入率λの範囲が狭くなり、入水温度Twが高
いときに小さい値まで許容する。
【0071】すなわち、入水温度Twが高いときには、
空気混入率λが0から4までの広い範囲を許容するが、
入水温度Twが低いときには、空気混入率λが最小空気
混入率λmin以上の大きい範囲しか許容しない。した
がって、寒冷地の冬季のように、入水温度Twが低く、
その洗浄水の流量が熱交換器12Bによる最大沸かし上
げ能力を上回るような場合にも、適切な洗浄強度Wf及
び吐水温度設定値Tawsを確保したうえで、空気混入
率λが大きい範囲になるように設定する。その結果、給
水源からの洗浄水の入水温度Twが低くても、洗浄強度
Wfを低下させることがなく、熱交換器12Bによって
沸かすための洗浄水流量Qwが少なくてよく、所望の吐
水温度設定値Tawsで気泡水を噴出させることができ
る。
【0072】なお、図24の実施の形態では、熱交換器
12Bとして、瞬間式を用いたが、これに限らず、貯湯
式タンクを備える場合であってもよい。すなわち、貯湯
式タンクの場合において、貯湯式タンクの下部から入水
されると、貯湯式タンクの一部の水が混ざり合い、一部
が死水になり、所定温度以上で吐出される水量が少なく
なる。このことから、少なくとも何分以上、所定以上の
温水が維持されるように空気混入率λを調節するように
制御することができる。しかも、貯湯式タンクの場合
に、通常、400Wの熱交換器12Bを用いているが、
空気混入率λを調節することにより、熱交換器12Bの
容量を小さいもので済ますことができる。
【0073】また、上記実施の形態において、入水温度
Twを検出するために、入水温センサを用いる代わり
に、熱交換器12Bに供給した通電量に基づいて、たと
えば、熱交換器12Bへ供給される通電量の微分値に基
づいて算出してもよい。これにより、入水温センサが不
要となり、構成を簡単にできる。
【0074】図26は他の実施の形態にかかり、洗浄時
における空気混入率λの値を示すタイミングチャートで
ある。本実施の形態では、使用者が混合比設定ボタン7
1iにより混入率設定値λsを設定しても、洗浄開始か
ら所定時間Tst、異なった空気混入率λに制御するこ
とに特徴がある。図26(A)は混入率設定値λsより
高い値に空気混入率λc1に設定する場合であり、図2
6(B)は混入率設定値λsに空気混入率λc2を徐々
に近づける場合であり、さらに図26(C)は混入率設
定値λsより低い値に空気混入率λc3を低く設定する
場合である。
【0075】図26(A)に示すように、お尻洗浄ボタ
ン71aをオンした後に、所定時間Tst、空気混入率
λを高くし、その後に使用者が設定した混入率設定値λ
sとなるように制御する。これは以下の理由による。図
23の瞬間式の熱交換器12Bの場合には、洗浄開始時
に、ヒータの応答遅れから、洗浄水を吐水温度設定値T
awsまで加熱することができず、吐水温度Tawとの
間に偏差を生じやすいが、空気混入率λを大きくして加
熱する洗浄水流量Qwを少なくすることにより、これを
補償するのである。すなわち、洗浄水流量Qwが減少し
た分は、空気混入率λの増加で補うことにより、洗浄強
度Wfを低下させないようにして、使用者に不快感を与
えない。
【0076】図26(B)に示すように、お尻洗浄ボタ
ン71aをオンした後に、所定時間Tst、空気混入率
λc2を低めの値から徐々に混入率設定値λsに近づけ
るように制御する。これにより、洗浄開始直後の所定時
間Tstの間、洗浄強度Wfを変更しない範囲内にて、
洗浄水流量Qwを多めに設定することから、人体局部に
優しいソフトの洗浄を実現することができる。
【0077】図26(C)に示すように、お尻洗浄ボタ
ン71aをオンした後に、所定時間Tst、空気混入率
λc3を低めの値に混入率設定値λsを制御する。これ
により、洗浄開始直後の所定時間Tstの間、洗浄強度
Wfを変更しない範囲内にて、洗浄水流量Qwを多めに
設定することから、粘着性の便の付着を容易にする。
【0078】なお、混入率設定値λsの値は、予め所定
値に定めるほか、状況に応じて段階的または連続的に変
動させてもよい。
【0079】次に、別の実施の形態にかかる洗浄水流量
Qw及び空気流量Qaを変更する制御について説明す
る。図27は局部洗浄装置10の洗浄動作を示すタイミ
ングチャートである。図10の洗浄動作では、洗浄水を
流す前に空気ポンプ32を駆動することにより、空気流
路29側を高圧に維持する制御を実行することにより、
洗浄水に対して空気の応答遅れを回避しているが、図2
7の洗浄動作では、これを洗浄水流量Qw及び空気流量
Qaの変更の場合にも適用している。図27において、
お尻洗浄ボタン71aを押した後に、時点tc4にて、
吐水量設定ボタンにより噴出量設定値Qawsを高めて
いる。このとき、まず、空気ポンプ32及び流量調整弁
34への流量制御により空気流量Qaを増大させ、遅延
時間Tb後に、流量調整弁30への制御により流量を調
節している。また、時点tc5にて噴出量設定値Qaw
sを低めた場合には、空気流量Qaを減少させた後に、
遅延時間Tb後に洗浄水流量Qwを減少させている。こ
のように、噴出量設定値Qawsを変更した場合にも空
気の応答遅れを回避している。これにより、噴出量設定
値Qawsを変更しても、空気混入率λが急激に変動し
て使用者に不快感を与えることがない。
【0080】なお、図28に示すように、遅延時間Tb
は、一定に設定するほか、空気流量Qaの偏差ΔQaに
基づいて、その長さを変更してもよく、これにより一
層、空気混入率λの急激な変動を抑制することができ
る。
【0081】また、図29に示すように、空気の応答遅
れを回避する制御として、洗浄水流量Qwをフィードバ
ック制御している場合において、洗浄水流量Qwを制御
するフィードバックゲインを、空気流量Qaを制御する
フィードバックゲインに対して小さくすることにより、
意図的に緩やかな応答遅れを生じるように構成してもよ
い。
【0082】図30は他の実施の形態にかかるノズル前
洗浄を説明するタイミングチャートである。図30にお
いて、着座センサ36により着座した旨の信号を出力さ
れている状態にて、お尻洗浄ボタン71aがオンされた
ときに、ノズル前洗浄が実行されるが、このノズル前洗
浄の時間は、前回の洗浄動作があってからの空き時間T
soffに依存している。すなわち、図30において、
前回の洗浄動作を終えて、着座センサ36がオフになっ
てから(時点t6)、今回の洗浄動作において着座セン
サ36がオンになったときまでの空き時間Tsoffを
測定する。そして、この空き時間Tsoffの長さに比
例してノズル前洗浄の時間T3を長くする。
【0083】このノズル前洗浄処理について、図31の
フローチャートにしたがって説明する。図31におい
て、まず、着座センサ36がオフされたときに(ステッ
プS52)、カウンタCstがインクリメントされる
(ステップS54)。そして、続くステップS56に
て、着座センサ36がオンされたか否かの判定が実行さ
れる。すなわち、ステップS52からステップS56ま
での処理にて、前回の離座から今回の着座までの空き時
間Tsoffを測定する。そして、ステップS56にて
着座センサ36がオンしていると判定されたときに、ス
テップS58にて、お尻洗浄ボタン71aが押されたか
の判定が実行され、肯定判定されたときに、ステップS
60にてノズル前洗浄を実行する。このときのノズル前
洗浄の時間T3は、上記空き時間Tsoffの長さに比
例して設定される。その後、カウンタCstがクリアさ
れる(ステップS62)。
【0084】本ノズル前洗浄処理において、着座センサ
36がオフされたとき、つまり離座したときから、今回
の洗浄動作を行なおうとするまでの空き時間Tsoff
が長いほど、ノズル洗浄が行なわれておらず、この空き
時間Tsoff内に男子小用でお尻噴出口49の周辺が
汚れる可能性が大きい。したがって、空き時間Tsof
fが長い場合には、ノズル洗浄の洗浄時間が長く設定さ
れるから、お尻噴出口49の周辺が充分に洗浄される。
【0085】なお、空き時間Tsoffの測定手段は、
上述したように、着座センサの離座から着座までの時間
を用いるほかに、停止ボタン71cの検出信号などを用
いてもよく、いずれにしても、前回の前条動作の終了を
判定してから、ノズル前洗浄までの時間を測定すること
ができる手段であればよい。
【0086】また、ノズル前洗浄の際には、洗浄する時
間を変更するほか、空気混入率λを変更する制御を合わ
せて行なうか、空気混入率λを変更する制御を単独で行
なうことにより、適切な洗浄力でノズル前洗浄を行なっ
てもよい。つまり、ノズル前洗浄の際に、空気ポンプ3
2を駆動して空気を混入した気泡流によりノズル装置2
6のお尻噴出口49の周辺を洗浄するために、少ない水
量であっても洗浄力が増加して、お尻噴出口49の付近
の洗浄効果を高めることができる。しかも、洗浄水に混
入される気泡は、100〜1000μmの微少なもので
あり、この混入によって超音波振動を生じて、一層、洗
浄効果を高めることができる。
【0087】図32は他の実施の形態にかかる残水除去
処理を示すフローチャートである。図10に係る実施の
形態では、着座センサ36からの検出信号がオフになっ
たとき、つまり離座したときに(時点t6)、残水除去
処理を実行したが、図32にかかる実施の形態は、離座
した後における局部洗浄装置10を使用していない空き
タイミングにて残水除去処理を実行する例である。
【0088】図32において、本処理は電子制御装置2
4によって所定時間毎の割込処理にて実行される。ま
ず、ステップS102にて、着座センサ36からオフの
信号が出力されたか否かが判定され、オフ信号が出力さ
れたと判定された場合にはステップS104へ進み、所
定時間が経過したか否かが判定され、肯定判定の場合に
は、ステップS106にてカウンタCwrがインクリメ
ントされる。そして、ステップS108にてカウンタC
wrが所定値Cwr0以上となったか否かが判定され、
肯定判定の場合にステップ110にて、残水除去処理が
実行され、さらにステップS112にてカウンタCwr
がクリアされる。すなわち、洗浄を終えて離座した後で
あり、洗浄回数がカウンタCwrで設定された所定値C
wr0に達したときに、残水除去処理が実行される。し
たがって、図10に示すように、離座の後に直ちに残水
除去処理を実行する代わりに、残水による雑菌の繁殖状
況を勘案した適切な残水除去処理を行なうことができ
る。
【0089】なお、この残水除去処理において、上述し
たような、空気だけを流す態様のほか、殺菌用の薬液を
混入した洗浄水を流した後に、空気を吹き出して空気混
入体60などを乾燥することにより、雑菌の繁殖を一層
抑制するようにしてもよい。また、残水除去処理の際に
使用する洗浄水として、酸性水や塩素水などを用いれ
ば、雑菌の繁殖の予防に対してより効果的であり、しか
も水中のカルシウム、鉄、亜鉛、シリカなどによるスケ
ール付着をも防止でき、好適である。
【0090】また、残水中における雑菌の繁殖力が大き
い場合は、外気温が高い場合であることから、図32の
残水除去処理のステップS106に代えて、図33のス
テップS106a〜S106dを実行してもよい。すな
わち、外気温センサ(図示省略)からの検出信号を読み
込み(ステップS106a)、その温度が所定温度以上
でない場合には(ステップS106b)、カウンタCw
rを1だけインクリメントし、一方、所定温度以上であ
る場合にはカウンタCwrを2だけインクリメントす
る。すなわち、外気温が高い場合にはカウンタCwrの
インクリメントの数を増やすことにより、残水除去処理
の回数を多くし、これにより雑菌の繁殖を適切に予防す
ることができる。
【0091】図34は別の実施の形態にかかるノズル洗
浄処理を示すタイミングチャートである。本実施の形態
は、人体局部の洗浄とは別に、清掃の際にノズル装置2
6を洗浄位置まで進出させてお尻噴出口49の周辺を清
掃し易くする例である。図34において、操作部35の
ノズル洗浄ボタン71fをオンにすると、その旨の信号
が電子制御装置24に送られる。電子制御装置24は、
この信号を受けてノズル駆動モータ33を駆動して、ノ
ズル装置26を待機位置から洗浄位置へ進出させる。そ
の後、電磁止水弁14を開くとともに流量調整弁30を
開く。これにより、電磁止水弁14からの水圧は、熱交
換器12内の洗浄水に加わる。該洗浄水は、流量調整弁
30を介してノズル装置26へ送り、お尻噴出口49か
ら噴出する。このとき、お尻噴出口49から噴出される
洗浄水流量Qwは、お尻洗浄時における洗浄水の流量よ
り少なく設定されている。また、空気ポンプ32は、空
気流路29側へ水が流入しない程度の小さな出力で駆動
される。これにより、空気ポンプ32から圧搾空気がノ
ズル装置26に圧送されず、洗浄水に空気が混入しな
い。そして、お尻噴出口49から噴出された洗浄水を利
用してブラシなどで、お尻噴出口49の周辺を掃除する
ことができる。
【0092】そして、掃除を終えて、ノズル洗浄ボタン
71fをオフにすると(時点td2)、電磁止水弁14
及び流量調整弁30が閉じることによりノズル装置26
のお尻噴出口49からの洗浄水の噴出が停止し、さらに
ノズル駆動モータ33が駆動して、ノズル装置26が洗
浄位置から待機位置へ待避する。
【0093】したがって、局部洗浄装置10では、ノズ
ル装置26のお尻噴出口49の付近を掃除するために、
ノズル装置26を待機位置から洗浄位置に進出させるこ
とができるとともに、そのお尻噴出口49から僅かに洗
浄水が吐出されるので、お尻噴出口49の付近の掃除が
簡単になる。このような洗浄水は、以下の効果もある。
すなわち、お尻噴出口49から洗浄水が吐出されない場
合に、洗剤などを用いて掃除すると、その洗剤がお尻噴
出口49を詰まらせることもあるが、お尻噴出口49か
ら吐出される洗浄水により洗剤が溶けるのでお尻噴出口
49の付近が詰まることもない。しかも、ノズル装置2
6の洗浄時に、空気ポンプ32の駆動力が低められるか
ら、空気の混入のために洗浄水が飛び散ることもなく、
清掃作業に支障を生じない。
【0094】次に、局部洗浄装置10によるマッサージ
機能について説明する。マッサージ機能は、人体局部へ
の洗浄水の噴出により排便を促す機能であり、図10の
タイミングチャートにおける時点t4からの本洗浄処理
の際に、マッサージ吐水をするものである。すなわち、
操作部35のマッサージ設定ボタン71dをオンにする
と、その旨の信号が電子制御装置24に送られる。電子
制御装置24は、この信号を受けてノズル装置26を待
機位置から洗浄位置へ進出させた状態にて、空気ポンプ
32を駆動すると共に流量調整弁34を開いて圧搾空気
をノズル装置26へ供給するとともに、電磁止水弁14
及び流量調整弁30を開いて洗浄水をノズル装置26へ
供給する。ノズル装置26では、上記空気ポンプ32か
らの圧搾空気と熱交換器12からの洗浄水とを混合し
て、お尻噴出口49から噴出して人体局部に向けて噴出
する。これと同時に、ノズル駆動モータ33を駆動して
ノズル装置26を軸方向に所定周波数(5〜40Hz)
にて振動させ、お尻噴出口49から噴出される気泡水の
噴出位置を変更する。これにより、人体局部に当たる気
泡水は、周期的な刺激を受けて排便が促される。
【0095】ここで、人体局部を刺激する周期として、
5〜40Hzを採ることにより、優れたマッサージ効果
を得ることができる理由について説明する。
【0096】このような周波数の刺激がマッサージ洗浄
にて効果を生じるかについて、人による体感試験により
調べた。図36はマッサージ洗浄時における体感刺激を
説明するグラフであり、横軸に周波数fm、縦軸に振動
認知度を示す。ここに、振動認知度とは、気泡水を刺激
として認識する度合いをいう。図36において、5〜3
0Hzの周波数にて、断続的な刺激を体感できたのに対
して、従来の5Hz未満の周波数では、弱い不連続な刺
激としか認識されず、また、30Hzを越える周波数で
は、連続的な刺激としか認識されなかった。
【0097】また、5〜40Hzの周波数範囲は、神経
に鋭敏な刺激を与えることも医学的にも裏付けられてい
る。すなわち、肛門・直腸部に、特定の周波数の振動を
与えると、直腸内圧が高まり、肛門括約筋が弛緩を起こ
す。この周波数領域は、上述した5〜30Hzより広
く、上述した人が認識されない30〜40Hzの振動を
与えることにより、非常に高い排便促進効果が得られ、
特に、中心周波数を15Hz前後して、10〜20Hz
程度の範囲でもっとも効果的に振動効果を得ることがで
きる。この効果は、最初、排便刺激効果が大きくない場
合もあるが、継続することにより、人体内の学習的な作
用によりその効果を高めることができる。このように、
5〜30Hzの振動周波数を与えることにより、体感的
な刺激を生じ、さらに5〜40Hzの周波数を与えるこ
とにより体内の括約筋への刺激を生じ、これらにより快
適な使用感と高い排便促進効果を同時に得ることができ
る。なお、筋弛緩効果は、肛門などの括約筋だけでな
く、骨格筋についても得られる。また、5〜10Hzの
周波数では、体感的にも高い水量感を得ることができ、
特に10〜20Hzにおいてその効果が大きい。
【0098】図37は空気流量及び洗浄水流量を周期的
に増減させて、洗浄圧力を振動させた場合の洗浄圧力の
時間的変化を示すグラフである。この場合における振動
周波数は、15Hzであるが、その高調波も存在してい
る。この高調波は、15Hzの振動周波数fのf/n
(nは自然数)を基底振動数としかつ大きな振幅の振動
であり、特に、低次のn=2程度で高調波成分が大きく
なる。このような高調波は、基底周波数である15Hz
と協同して人体の皮膚や括約筋などを刺激し、排便促進
効果を一層促す。この高調波を主に人体局部を刺激する
ための周波数としても利用することができる。例えば、
基底周波数を7.5Hzとすれば、15Hzの振動強度
の高い第2次高調波(n=2)が得られる。したがっ
て、刺激する周波数よりも低い周波数を用いることによ
り、制御を簡単にすることができる。
【0099】なお、気泡水によるマッサージ作用を得る
ための手段として、上記実施の形態のようにノズル装置
26をノズル駆動モータ33により軸方向へ往復動させ
る手段のほか、人体局部に刺激を与える手段であれば各
種の手段を採ることができる。例えば、流量調整弁30
を上記周波数範囲にて開閉制御する手段や、流量調整弁
30及び流量調整弁34を同時に制御することにより、
空気混入率λを上記周波数範囲にて変動させる手段など
を採ることができる。なお、空気混入率λを周期的に変
動させる手段によれば、ノズル駆動モータ33による機
械的駆動でないから、装置自体の寿命も長くすることが
できる。
【0100】次に、他の実施の形態にかかるマッサージ
機能について説明する。本実施の形態は、気泡流と噴霧
流とを繰り返すことによりマッサージ効果を得ようとす
る処理である。図9に示すように、空気混入率λによっ
て洗浄水の荷重比が異なり、人体局部への刺激が異な
る。しかも、空気混入率λを上げて、その値が4を境
に、図7(a)〜図7(d)に示すように気泡流から、
噴霧流に変わる。ここで、気泡流は、微細な粒子状に混
合されている状態であり、噴霧流は、気泡同士が合体し
て空気層を形成し、洗浄水と分離している状態をいう。
このような空気混入率λが約4を臨界点として変わるこ
とを利用してマッサージ作用を生じさせる。
【0101】すなわち、マッサージ設定ボタン71dが
押されると、電子制御装置24は、ノズル装置26を進
出させた状態にて、空気ポンプ32を駆動しかつ流量調
整弁34を開くとともに、電磁止水弁14及び流量調整
弁30を開いて、洗浄水及び空気をノズル装置26に供
給する。空気混入率λは、気泡流または噴霧流とを繰り
返す空気混入率4の付近に設定して、お尻噴出口49か
ら噴出して人体局部に向けて噴出する。このような空気
混入率λの値に設定することにより、自動的に気泡流と
噴霧流とに周期的に変わり、これが局部を刺激して排便
を促すマッサージ効果を生じる。
【0102】しかも、上記マッサージ機能によれば、ノ
ズル駆動モータ33を駆動することなく、マッサージ作
用を実現することができ、しかもノズル駆動モータ33
の駆動によるマッサージよりも周波数の高い繰り返し状
態を容易に実現することができる。しかも、ノズル駆動
モータ33による機械的駆動でないから、装置自体の寿
命も長くすることができる。
【0103】なお、洗浄水と空気とが混合された状態
で、ノズル装置26の流路を通過する際に、空気塊が合
流して噴霧流の状態になりやすいことから、ノズル装置
26の流路の長さにおうじて空気混入率λを低めに設定
することが必要であり、例えば、2〜2.5の空気混入
率λで混合すれば、お尻噴出口49の付近にて臨界点に
達して、気泡流と噴霧流とに交互に変えることができ
る。
【0104】さらに、上述した臨界点は、種々の条件に
より異なり、例えば、洗浄水水量を増加させると低下す
る。これは、水流が増大することにより乱れ強度が増大
し、気泡の接触機会が増えて気泡の合一が促進されて、
大きな気泡が作成やすくなるからである。したがって、
洗浄水流量に応じて気泡流と噴霧流とを切り換えるため
の空気混入率を変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる局部洗浄装置1
0の概略構成を表わしたブロック図である。
【図2】この局部洗浄装置10の制御系をリモートコン
トローラを中心に表わしたブロック図である。
【図3】大気開放弁31の付近を示す断面図である。
【図4】ノズル装置26の概略構成を示す断面図であ
る。
【図5】ノズル装置26の移動の様子を説明するための
説明図である。
【図6】気泡ポンプ80による作用を説明する説明図で
ある。
【図7】気泡流の変化の状態を説明する説明図である。
【図8】気泡流の写真の読取画像の様子を説明する説明
図である。
【図9】空気混入率λと洗浄水荷重比との関係を示すグ
ラフである。
【図10】お尻洗浄動作を示すタイミングチャートであ
る。
【図11】ノズル装置26に接続される流路26aに残
っている水が除去される様子を説明する説明図である。
【図12】水量設定ボタン71jにより設定される水量
設定値Qwsと洗浄水流量Qwとの関係を示すグラフで
ある。
【図13】気泡量設定ボタン71kにより設定される気
泡量設定値Qasと空気流量Qaとの関係を示すグラフ
である。
【図14】混合比設定ボタン71iにより設定される混
入率設定値λsと空気混入率λとを関係を示すグラフで
ある。
【図15】水量設定ボタン71jにより設定される水量
設定値Qwsと噴出量Qawとの関係を示すグラフであ
る。
【図16】洗浄強度Wfがレベル3の場合における洗浄
感Fsと洗浄水流量Qwとの関係を示すグラフである。
【図17】洗浄強度Wfがレベル4の場合における洗浄
感Fsと洗浄水流量Qwとの関係を示すグラフである。
【図18】他の実施の形態における給水圧Pwと最大空
気流量Qamaxとの関係を示すグラフである。
【図19】別の実施の形態における給水圧Pwと空気流
量Qaとの関係を示すグラフである。
【図20】洗浄位置を中心に空気混入率λを変更する様
子を説明する説明図である。
【図21】他の実施の形態にかかる洗浄位置を中心に空
気混入率λを変更する様子を説明する説明図である。
【図22】お尻洗浄時における洗浄位置を中心に空気混
入率λを変更する様子を説明する説明図である。
【図23】ビデ洗浄時における洗浄位置を中心に空気混
入率λを変更する様子を説明する説明図である。
【図24】瞬間式の熱交換器12Bを備えた局部洗浄装
置10Bの概略構成図である。
【図25】図25は入水温度Twと、最大水量Qwma
x及び最小空気混入率λminとの関係を示すグラフで
ある。
【図26】洗浄初期に空気混入率λの値を変更する態様
を説明するタイミングチャートである。
【図27】洗浄水流量Qw及び空気流量Qaを変更した
場合における動作を示すタイミングチャートである。
【図28】空気流量Qaの制御を遅らせる遅延時間Tb
を設定するためのグラフである。
【図29】他の実施の態様にかかる洗浄水流量Qw及び
空気流量Qaを変更した場合における動作を示すタイミ
ングチャートである。
【図30】他の実施の形態にかかるノズル前洗浄を説明
するタイミングチャートである。
【図31】ノズル前洗浄処理を説明するフローチャート
である。
【図32】残水除去処理を示すフローチャートである。
【図33】図32の変形例を示すフローチャートであ
る。
【図34】ノズル洗浄処理を示すタイミングチャートで
ある。
【図35】マッサージ洗浄時における体感刺激を説明す
るグラフである。
【図36】マッサージ洗浄時における振動強度と周波数
との関係を説明するグラフである。
【符号の説明】
10…局部洗浄装置 10B…局部洗浄装置 12…熱交換器 12B…熱交換器 14…電磁止水弁 16…ヒータ 18…満水水位センサ 20…下限水位センサ 22…温度センサ 24…電子制御装置 26…ノズル装置 26a…流路 28…バキュームブレーカ 29…空気流路 30…流量調整弁 31…大気開放弁 31a…弁室 31b…ケーシング 31c…弁体 31d…スプリング 31e…流路側流路 31f…大気側開口 32…空気ポンプ 33…ノズル駆動モータ 34…流量調整弁 35…操作部 36…着座センサ 38…電源投入部 40…ノズル本体 42…ノズルヘッド 43…お尻流路 44…気泡混合・切替機構部 45…ビデ流路 46…シールリング 47…お尻噴出流路 49…お尻噴出口 51…ビデ噴出流路 53…ビデ噴出口 55…ケーシング 56…モータ連結体 58…空気室形成体 60…空気混入体 61…支持体 62…支持体 63…空気室切替部 64…スプリング 65…洗浄水導入路 66…貫通孔 67…空気導入路 68…貫通孔 69…遮蔽ブロック 70…お尻側貫通孔 71a…お尻洗浄ボタン 71b…ビデ洗浄ボタン 71c…停止ボタン 71d…マッサージ設定ボタン 71e…ムーブ設定ボタン 71f…ノズル洗浄ボタン 71g…吐水温設定ボタン 71h…洗浄強度設定ボタン 71i…混合比設定ボタン 71j…水量設定ボタン 71k…気泡量設定ボタン 71n…運転入/切ボタン 71…ビデ側貫通孔 71m…洗浄感設定ボタン 72…表示部 80…気泡ポンプ 81…空気混入混合筐体 82…空気室 83…気泡分散体 84…洗浄水管路 85…空気導入管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−182529(JP,A) 特開 平8−120734(JP,A) 特開 平8−260545(JP,A) 実開 昭62−114973(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03D 9/00 - 9/16

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄用ノズルの噴出口から洗浄水を人体
    局部に向けて噴出して当該局部を洗浄する局部洗浄装置
    において、 便座への着座の有無を検出する着座検出手段と、 上記着座検出手段により着座した旨の信号を受けてか
    ら、上記噴出口から洗浄水が噴出される洗浄動作開始ま
    での着座時間を検出する着座時間検出手段と、 洗浄用ノズルから洗浄水を噴出する洗浄動作前に、上記
    噴出口の周辺を洗浄するノズル洗浄を指令するととも
    に、上記着座時間に基づいて、ノズル洗浄の洗浄時間を
    設定するノズル洗浄指令手段と、 を備えたことを特徴とする局部洗浄装置。
  2. 【請求項2】 洗浄用ノズルの噴出口から洗浄水を人体
    局部に向けて噴出して当該局部を洗浄する局部洗浄装置
    において、 上記噴出口から洗浄水が噴出される洗浄動作開始から洗
    浄動作終了までの洗浄時間を検出する洗浄時間検出手段
    と、 洗浄用ノズルから洗浄水を噴出する洗浄動作後に、上記
    噴出口の周辺を洗浄するノズル洗浄を指令するととも
    に、上記洗浄時間に基づいて、ノズル洗浄の洗浄時間を
    設定するノズル洗浄指令手段と、 を備えたことを特徴とする局部洗浄装置。
  3. 【請求項3】 洗浄用ノズルの噴出口から洗浄水を人体
    局部に向けて噴出して当該局部を洗浄する局部洗浄装置
    において、 前回の洗浄動作から、今回の洗浄動作を行なおうとする
    までの空き時間を検出する空き時間検出手段と、 洗浄用ノズルから洗浄水を噴出する洗浄動作前に、上記
    噴出口の周辺を洗浄するノズル洗浄を指令するととも
    に、上記空き時間に基づいて、ノズル洗浄の洗浄時間を
    設定するノズル洗浄指令手段と、 を備えたことを特徴とする局部洗浄装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 上記空き時間検出手段は、前回の洗浄動作の終了時から
    便座への着座するまでの時間を測定する構成を備えてい
    る局部洗浄装置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、 上記空き時間検出手段は、前回の洗浄動作の終了時から
    洗浄開始までの時間を測定する構成を備えている局部洗
    浄装置。
  6. 【請求項6】 洗浄用ノズルの噴出口から、洗浄水に空
    気を混入した気泡水を人体局部に向けて噴出して当該局
    部を洗浄する局部洗浄装置において、 給水源から上記噴出口に至る洗浄水流路に設けられ、上
    記洗浄水流路に流れる洗浄水の流量Qwを調節する洗浄
    水量調節手段と、 圧搾空気を出力する空気供給手段と、 上記洗浄水流路に設けられ、上記空気供給手段からの圧
    搾空気を上記洗浄水流路の洗浄水に混合することにより
    気泡水を作成する空気混入手段と、 上記空気供給手段から上記空気混入手段への空気流量Q
    aを調節する空気流量調節手段と、 上記洗浄水量調節手段、上記空気流量調節手段及び空気
    供給手段の少なくとも一を制御することにより、空気流
    量Qaと洗浄水の流量Qwとの比の値Qa/Qwで定義
    される空気混入率λを調整する混入比調整手段と、 便座への着座の有無を検出する着座検出手段と、 上記着座検出手段により着座した旨の信号を受けてか
    ら、上記噴出口から洗浄水が噴出される洗浄動作開始ま
    での着座時間を検出する着座時間検出手段と、 洗浄用ノズルから洗浄水を噴出する洗浄動作前に、上記
    噴出口の周辺を洗浄するノズル洗浄を指令するととも
    に、上記着座時間に基づいて、ノズル洗浄の洗浄時間を
    設定するノズル洗浄指令手段と、 を備えたことを特徴とする局部洗浄装置。
  7. 【請求項7】 洗浄用ノズルの噴出口から、洗浄水に空
    気を混入した気泡水を人体局部に向けて噴出して当該局
    部を洗浄する局部洗浄装置において、 給水源から上記噴出口に至る洗浄水流路に設けられ、上
    記洗浄水流路に流れる洗浄水の流量Qwを調節する洗浄
    水量調節手段と、 圧搾空気を出力する空気供給手段と、 上記洗浄水流路に設けられ、上記空気供給手段からの圧
    搾空気を上記洗浄水流路の洗浄水に混合することにより
    気泡水を作成する空気混入手段と、 上記空気供給手段から上記空気混入手段への空気流量Q
    aを調節する空気流量調節手段と、 上記洗浄水量調節手段、上記空気流量調節手段及び空気
    供給手段の少なくとも一を制御することにより、空気流
    量Qaと洗浄水の流量Qwとの比の値Qa/Qwで定義
    される空気混入率λを調整する混入比調整手段と、 上記噴出口から洗浄水が噴出される洗浄動作開始から洗
    浄動作終了までの洗浄時間を検出する洗浄時間検出手段
    と、 洗浄用ノズルから洗浄水を噴出する洗浄動作後に、上記
    噴出口の周辺を洗浄するノズル洗浄を指令するととも
    に、上記洗浄時間に基づいて、ノズル洗浄の洗浄時間を
    設定するノズル洗浄指令手段と、 を備えたことを特徴とする局部洗浄装置。
  8. 【請求項8】 洗浄用ノズルの噴出口から、洗浄水に空
    気を混入した気泡水を人体局部に向けて噴出して当該局
    部を洗浄する局部洗浄装置において、 給水源から上記噴出口に至る洗浄水流路に設けられ、上
    記洗浄水流路に流れる洗浄水の流量Qwを調節する洗浄
    水量調節手段と、 圧搾空気を出力する空気供給手段と、 上記洗浄水流路に設けられ、上記空気供給手段からの圧
    搾空気を上記洗浄水流路の洗浄水に混合することにより
    気泡水を作成する空気混入手段と、 上記空気供給手段から上記空気混入手段への空気流量Q
    aを調節する空気流量調節手段と、 上記洗浄水量調節手段、上記空気流量調節手段及び空気
    供給手段の少なくとも一を制御することにより、空気流
    量Qaと洗浄水の流量Qwとの比の値Qa/Qwで定義
    される空気混入率λを調整する混入比調整手段と、 前回の洗浄動作から、今回の洗浄動作を行なおうとする
    までの空き時間を検出する空き時間検出手段と、 洗浄用ノズルから洗浄水を噴出する洗浄動作前に、上記
    噴出口の周辺を洗浄するノズル洗浄を指令するととも
    に、上記空き時間に基づいて、ノズル洗浄の洗浄時間を
    設定するノズル洗浄指令手段と、 を備えたことを特徴とする局部洗浄装置。
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