JP2002220867A - 局部洗浄装置 - Google Patents

局部洗浄装置

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JP2002220867A
JP2002220867A JP2001015259A JP2001015259A JP2002220867A JP 2002220867 A JP2002220867 A JP 2002220867A JP 2001015259 A JP2001015259 A JP 2001015259A JP 2001015259 A JP2001015259 A JP 2001015259A JP 2002220867 A JP2002220867 A JP 2002220867A
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washing
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由佳 芦谷
Makoto Hatakeyama
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Yumiko Kataoka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被洗浄部への洗浄水の着水状況に基づく洗浄
感の多様化を図る。 【解決手段】 被洗浄部に洗浄水を着水するに当たり、
この被洗浄部(お尻洗浄部AHM)に対してやや斜め後
方から傾斜してお尻洗浄部AHMに洗浄水を着水させた
り、この被洗浄部にほぼ真っ直ぐに洗浄水が着水したり
するようにする。こうすることで、被洗浄部における洗
浄水の滑りの様子を種々のものとでき、着水による濡れ
面積の広狭調整やその維持、或いは着水洗浄水からの刺
激感の維持等を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体局部に向けて
洗浄水を吐水孔から吐水して局部洗浄を行う局部洗浄装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の局部洗浄装置は、洗浄形態の多
様化、広範囲の局部洗浄等を図るため、種々の技術が提
案されている。例えば、従来は、吐水孔から洗浄水をた
だ単に吐水するだけであったが、ノズルをスイング状に
局部に対して進退させたり、ノズルを前後左右の組み合
わせで駆動して広範囲洗浄を図っていた。この他、ノズ
ル自体は動かさず、ノズルに組み込んだ流体素子や可動
体により、吐水される洗浄水自体を拡散させて広範囲洗
浄を図っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これら局部
洗浄装置では、洗浄範囲の広範化といった利点がある
が、次のような問題点が指摘されるに至った。
【0004】局部の洗浄感は、洗浄範囲の広狭にのみな
らず、被洗浄部たる局部への洗浄水の着水状態にも左右
される。上記の既存の局部洗浄装置では、この着水状態
のうち、洗浄水水勢に注目して洗浄感の多様化を図るも
のの、洗浄水が被洗浄部に着水する際の着水角度につい
ての配慮は何らなされていないのが現状である。
【0005】被洗浄部に洗浄水を着水させる場合、洗浄
水がほぼ真っ直ぐに被洗浄部に着水した場合と、洗浄水
が傾斜して被洗浄部に着水した場合とでは、洗浄水の跳
ね返りの様子が相違する。また、傾斜して着水する場合
には、着水時の洗浄水の滑りが起きるので、着水洗浄水
による濡れ面積(洗浄面積)は、真っ直ぐに着水した場
合とは当然に相違し、傾斜の程度によっても相違する。
【0006】また、上記のように濡れ面積(洗浄面積)
が相違するほか、着水時の洗浄水の滑りの有無或いはそ
の程度により、着水洗浄水から受ける刺激感も相違す
る。
【0007】このような被洗浄部への洗浄水の着水の仕
方に基づく着水状況の変化は、被洗浄部に洗浄水が着水
する際の着水角度、或いは被洗浄部に洗浄水が着水する
際の着水領域のほぼ中央を吐水孔から指向した洗浄水吐
水方向の相違で把握できる。よって、これら着水角度や
洗浄水吐水方向の相違がもたらす局部洗浄の多様化につ
いての改善の余地が残されている。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、被洗浄部への洗浄水の着水状況に基づく洗浄感の
多様化を図ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第
1の局部洗浄装置は、人体局部に向けて洗浄水を吐水孔
から吐水して、局部洗浄を行う装置であって、前記吐水
孔を有し、前記被洗浄部に対して待機位置から進退可能
とされたノズルと、前記吐水孔から吐水された洗浄水が
人体局部の被洗浄部に着水する際の着水角度を、前記ノ
ズルの進退駆動を伴って変更制御する角度制御手段と、
前記吐水孔への洗浄水の通水状況を制御して前記吐水孔
からの洗浄水の吐水を制御すると共に、この吐水制御を
前記着水角度の変更制御と個別に実行する吐水制御手段
とを備えることを特徴とする。
【0010】上記構成を有する本発明の第1の局部洗浄
装置では、人体局部のある被洗浄部(例えば、お尻)に
洗浄水を着水してこれを洗浄するに際し、この被洗浄部
(例えば、お尻)に洗浄水が着水する際の着水角度を、
ノズルの進退駆動を伴って変更制御する。例えば、ある
被洗浄部(例えば、お尻)に対してほぼ真っ直ぐに洗浄
水が着水するよう、ノズルを駆動して着水角度を変更し
たり、このある洗浄部(例えば、お尻)に対して傾斜し
て洗浄水が着水するよう、ノズルを駆動して着水角度を
変更したりできる。つまり、着水角度を被洗浄部で洗浄
水の滑りがより多くなるように変更したり、着水角度を
被洗浄部での洗浄水滑りが少なくなり洗浄水が被洗浄部
にほぼ真っ直ぐ着水する側に変更したりすることができ
る。よって、ある洗浄部(例えば、お尻)に洗浄水が着
水する際の滑りの程度を可変させて着水状況を変更で
き、これにより、濡れ面積を狭くして刺激感を高めた
り、濡れ面積を広くして刺激感も抑えたりすることがで
きる。また、着水角度をほぼ垂直のものとして、洗浄水
の跳ね返りを抑制したりすることもできる。
【0011】しかも、本発明の第1の局部洗浄装置で
は、上記したように着水角度の変更制御を通して着水状
況を変更するのみならず、吐水孔への洗浄水の通水状況
を制御して吐水孔からの洗浄水の吐水を制御すると共
に、この吐水制御を着水角度の変更制御と個別に制御す
る。よって、この吐水制御を通して得られる被洗浄部
(例えば、お尻)への着水状況を、着水角度の変更制御
に依存することなく独立に種々調整できる。この結果、
着水角度に伴う着水状況に起因して得られる上記の濡れ
面積や刺激感を、吐水制御を通してより一層多様なもの
とすることができる。例えば、着水角度を被洗浄部で洗
浄水の滑りがより多くなるように変更すると、濡れ面積
を広くでき、刺激感も抑えることができるが、この場合
に、吐水制御を通して水勢低減を図れば、その低減程度
に応じて、それまでの濡れ面積を狭くしたり、刺激感を
より抑えることができる。或いは、水勢増大を図れば、
増大程度に応じて濡れ面積を広くした上で、刺激感を高
めることができる。
【0012】その反面、着水角度を被洗浄部での洗浄水
滑りが少なくなり洗浄水を被洗浄部にほぼ真っ直ぐ着水
する側に変更すると、濡れ面積を狭くして刺激感を高め
たり、洗浄水の跳ね返りを抑制したりすることもできる
が、この場合に、吐水制御を通して水勢低減を図れば、
その低減程度に応じて、それまでの濡れ面積をより狭く
した上で刺激感を抑えたり、跳ね返り程度も抑制するこ
とができる。或いは、水勢増大を図れば、増大程度に応
じて濡れ面積を狭くした上で、刺激感を高めることがで
きる。
【0013】また、上記した課題の少なくとも一部を解
決するため、本発明の第2の局部洗浄装置は、人体局部
に向けて洗浄水を吐水孔から吐水して、局部洗浄を行う
装置であって、前記吐水孔を有し、前記被洗浄部に対し
て待機位置から進退可能とされたノズルと、前記吐水孔
から吐水された洗浄水が人体局部の被洗浄部に着水する
際の着水角度を、前記ノズルの進退駆動を伴って変更制
御する角度制御手段と、前記吐水孔への洗浄水の通水状
況を制御して前記吐水孔から洗浄水を吐水する吐水手段
と、前記着水角度と前記通水状況の一方が変化した場
合、その変化状況に応じて他方が変化するよう前記角度
制御手段と前記吐水手段を相互制御し、前記被洗浄部に
着水した洗浄水が呈する洗浄特性を維持制御する特性維
持制御手段とを備えることを特徴とする。
【0014】上記構成を有する本発明の第2の局部洗浄
装置にあっても、人体局部のある被洗浄部(例えば、お
尻)に洗浄水を着水してこれを洗浄するに際し、この被
洗浄部(例えば、お尻)に洗浄水が着水する際の着水角
度を、ノズルの進退駆動を伴って変更制御する。例え
ば、ある被洗浄部(例えば、お尻)に対してほぼ真っ直
ぐに洗浄水が着水するよう、ノズルを駆動して着水角度
を変更したり、このある洗浄部(例えば、お尻)に対し
て傾斜して洗浄水が着水するよう、ノズルを駆動して着
水角度を変更したりできる。つまり、着水角度を被洗浄
部で洗浄水の滑りがより多くなるように変更したり、着
水角度を被洗浄部での洗浄水滑りが少なくなり洗浄水が
被洗浄部にほぼ真っ直ぐ着水する側に変更したりするこ
とができる。よって、ある洗浄部(例えば、お尻)に洗
浄水が着水する際の滑りの程度を可変させて着水状況を
変更でき、これにより、濡れ面積を狭くして刺激感を高
めたり、濡れ面積を広くして刺激感も抑えたりすること
ができる。また、洗浄水の跳ね返り程度を抑制すること
もできる。
【0015】しかも、本発明の第2の局部洗浄装置で
は、着水角度の変更制御を通して着水状況を変更するに
当たり、吐水孔への洗浄水の通水状況を制御して吐水孔
から洗浄水を吐水するものの、着水角度と通水状況を相
互制御する。例えば、着水角度が、ある被洗浄部(例え
ば、お尻)に対してほぼ真っ直ぐに洗浄水が着水する角
度から、このある洗浄部(例えば、お尻)に対して傾斜
して洗浄水が着水する角度に変化するような場合には、
その着水角度変化に応じて通水状況を吐水量低減側に低
減変化させる。こうすれば、着水角度変化に起因する濡
れ面積の広狭化を、通水状況の低減変化により抑制で
き、濡れ面積や跳ね返り程度を維持できる。なお、この
着水角度変化により刺激感は弱まり、通水状況の低減に
よって、更に刺激感を弱めることができる。このため、
濡れ面積をほぼ維持したまま、刺激感をより抑制でき
る。
【0016】また、着水角度が上記のように変化するよ
うな場合、その着水角度変化に応じて通水状況を吐水量
増大側に増大変化させるようにすることもできる。こう
すれば、着水角度変化に起因する刺激感の低減化を、通
水状況の増大変化により抑制でき、刺激感を維持でき
る。なお、この着水角度変化により濡れ面積は広がり、
通水状況の増大によって、更に濡れ面積を広げることが
できる。このため、刺激感をほぼ維持したまま濡れ面積
をより広げることができるので、広い範囲に亘って洗浄
を欲する洗浄手法、例えばビデ洗浄に適する。
【0017】通水状況が変化した場合も同様であり、こ
の変化に応じて着水角度を変化させるようにすることも
できる。
【0018】上記の構成を有する本発明の第1の局部洗
浄装置は、次の態様を採ることもできる。即ち、人体局
部の所定の前後範囲を洗浄領域とし、前記角度制御手段
を制御して前記ノズルの進退駆動に伴って前記着水角度
を変更しつつ前記洗浄領域を走査して洗浄する走査洗浄
手段を備えるものとし、前記吐水制御手段を前記走査洗
浄手段が走査洗浄する際の前記洗浄領域ごとに、前記通
水状況を変更制御するものとすることができる。
【0019】このようにすれば、次の利点がある。ノズ
ルの進退駆動に伴って着水角度を変更しつつ人体局部の
所定の前後範囲とされた洗浄領域を走査して洗浄するに
当たり、洗浄領域ごとに(例えば、洗浄領域の前方領域
部分、中央領域部分、後方領域部分ごとに)通水状況を
変更制御する。よって、前方領域や後方領域部分では、
濡れ面積が狭く跳ね返り程度が少なくなるよう着水角度
を変更させた上で、通水状況を刺激感が高まるよう制御
したり、刺激感を抑制するよう制御できる。また、中央
領域部分では、濡れ面積が広くなるよう着水角度を変更
させた上で、通水状況を刺激感を抑制するよう制御した
り、水量を増大するよう制御したりできる。この結果、
洗浄領域の各領域部分に応じた態様で洗浄することがで
き、洗浄の多様化を図ることができる。このように中央
領域部分での濡れ面積の拡大を伴う走査洗浄は、ビデ洗
浄の際の走査洗浄において、生理等によって中央領域部
分の汚れが前後領域・後方領域より顕著な場合に適す
る。
【0020】上記の構成を有する本発明の第2の局部洗
浄装置にあっても、次の種々の態様を採ることもでき
る。即ち、人体局部の所定の前後範囲を洗浄領域とし、
前記角度制御手段を制御して前記ノズルの進退駆動に伴
って前記着水角度を変更しつつ前記洗浄領域を走査して
洗浄する走査洗浄手段を備え、前記特性維持制御手段
を、前記走査洗浄手段が走査洗浄する際の前記洗浄領域
ごとに前記角度制御手段と前記吐水手段を相互制御し
て、前記洗浄領域ごとの前記洗浄特性を前記洗浄領域ご
とに維持制御するものとすることができる。
【0021】このようにすれば、次の利点がある。ノズ
ルの進退駆動に伴って着水角度を変更しつつ人体局部の
所定の前後範囲とされた洗浄領域を走査して洗浄するに
当たり、洗浄領域ごとに(例えば、洗浄領域の前方領域
部分、中央領域部分、後方領域部分ごとに)着水角度と
通水状況を相互制御する。よって、前方領域から後方領
域部分にかけて着水角度が変化するような場合であって
も、その変化に応じて通水状況を変化させることができ
るので、洗浄領域の全域に亘って濡れ面積や跳ね返り程
度を維持したり、刺激感を維持したりできる。このよう
に洗浄特性を維持した走査洗浄は、お尻洗浄やビデ洗浄
の際の通常の走査洗浄に適する。
【0022】また、上記した課題の少なくとも一部を解
決するため、本発明の第3の局部洗浄装置は、便座に着
座した使用者の人体局部に向けて洗浄水を吐水孔から吐
水して、局部洗浄を行う装置であって、前記吐水孔を有
し、前記被洗浄部に対して待機位置から進退可能とされ
たノズルと、前記吐水孔への洗浄水の通水状況を制御し
て前記吐水孔から洗浄水を吐水する吐水手段と、前記吐
水孔から吐水された洗浄水が人体局部の被洗浄部に着水
する際の着水角度を、前記ノズルの進退駆動を伴って変
更制御する角度制御手段と、前記着座した使用者の前記
被洗浄部の位置を感知する感知手段と、前記感知した被
洗浄部位置に応じた着水角度を規定する規定手段とを備
え、前記角度制御手段は、前記ノズルを進退させた上
で、前記着水角度を前記規定着水角度に設定する設定手
段を有することを特徴とする。
【0023】上記構成を有する本発明の第3の局部洗浄
装置では、人体局部のある被洗浄部(例えば、お尻)に
洗浄水を着水してこれを洗浄するに際し、着座した使用
者の被洗浄部の位置を感知する。そして、この感知した
被洗浄部位置に応じた着水角度を規定する。つまり、着
座の際に使用者の着座位置は便器前後方向にずれること
が起きるが、このずれを起こした実際の被洗浄部位置を
感知して、それに応じた着水角度を規定する。こうして
着水角度が規定されると、ノズルを進退させた上で、吐
水孔から吐水された洗浄水が人体局部の被洗浄部に着水
する際の着水角度を規定済みの規定着水角度に設定し、
通水状況の制御をすることで吐水孔から被洗浄部に洗浄
水を吐水する。このため、被洗浄位置が着座時にずれた
ような場合であっても、そのずれた位置にある被洗浄部
に対して規定済みの着水角度で洗浄水を吐水できる。従
って、この着水角度の規定の仕方を濡れ面積や飛び跳ね
程度がほぼ同じとなるようなものとしたり、刺激感がほ
ぼ同じとなるようなものとしておけば、着座位置がずれ
ても濡れ面積や飛び跳ね程度或いは刺激感をほぼ同じと
でき好ましい。
【0024】上記のように被洗浄部の位置を感知するに
当たっては、便器ボールや洗浄ノズルに光電変換素子を
用いたCCDカメラを設置し、当該カメラによって撮像
した局部を映像処理し、その結果から、上記の被洗浄部
位置を感知すればよい。或いは、局部は臀部等の表皮部
分より高温であることから、赤外線を用いた温度センサ
をボール内に設けて、その結果から被洗浄部位置を感知
するようにしてもよい。また、使用者がハンドル、ボタ
ン等を用いて被洗浄位置を所望の位置を変更指示可能に
構成し、その位置変更後の被洗浄位置を着水角度規定の
ためのものとすることもできる。
【0025】上記の構成を有する本発明の第3の局部洗
浄装置は、次の態様を採ることもできる。即ち、前記規
定手段の規定する前記規定着水角度を、前記使用者によ
り変更可能とすることもでき、こうすれば、それぞれの
使用者の所望する濡れ面積や飛び跳ね程度或いは刺激感
を持った局部洗浄を実行できる。
【0026】また、前記規定手段を、前記規定着水角度
を異なる使用者ごとに記憶する記憶手段と、前記異なる
使用者を特定する特定手段とを備え、該特定手段により
特定された使用者に対応する前記規定着水角度を前記記
憶手段から読み出し、その読み出した規定着水角度を前
記感知した被洗浄部位置に応じた着水角度とするものと
することができる。こうすれば、使用者の所望する濡れ
面積や飛び跳ね程度或いは刺激感を持った局部洗浄を、
各使用者が装置使用の都度に繰り返し実行できる。
【0027】また、前記角度制御手段を、前記被洗浄部
に洗浄水が着水する際の着水領域のほぼ中央を前記吐水
孔から指向した洗浄水吐水方向を、前記ノズルの進退駆
動を伴って変更することで、前記着水角度を変更制御す
るものとすることができる。こうすれば、吐水孔からの
洗浄水吐水方向の変更により着水角度を変更できる。こ
のように洗浄水吐水方向の変更に当たっては、ノズルを
駆動して吐水孔の向きを変更したり、洗浄のための位置
まで進退したノズルをそのままの姿勢とし吐水孔のみの
向きを変更したりすることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る局部洗浄装置
の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、便器
に装着した状態の第1実施例の局部洗浄装置を表す概略
斜視図、図2は、局部洗浄装置の概略構成を水路系を中
心に表したブロック図、図3は、制御系の概略構成を表
すブロック図である。
【0029】図示するように、第1実施例の局部洗浄装
置は、便器BTの後部上面に固定される本体部12と、
洗浄動作や乾燥動作等を遠隔操作するための遠隔操作装
置14とを有する。本体部12は、便器開口部側に、便
座18並びに便蓋20を開閉自在に備える。また、この
本体部は、便器の側方に袖部22を有すると共に、洗浄
水を洗浄局部に吐水する洗浄ノズル24を有するノズル
装置40(図4参照)の他、後述の種々の機能部品を収
納している。
【0030】遠隔操作装置14は、その前面に、排便時
に常用される種々のボタンを備え、操作されたボタンに
対応した信号(光信号)を発するようにされている。例
えば、お尻洗浄が所望される際に操作されるお尻洗浄ボ
タン14aが操作されると、その旨の信号が発せられ、
この信号は本体部12の側で受信される。そして、この
信号を受けて、お尻洗浄が開始される。この遠隔操作装
置14は、停止ボタン14bややわらか洗浄ボタン14
c、ビデ洗浄ボタン14dの他、水勢を強弱設定する水
勢設定ボタン14e、ノズル位置を前後設定するノズル
位置前後調整ボタン14f、洗浄面積を広狭設定する面
積設定ボタン14g、ノズルを前後動させながら吐水す
るムーブ洗浄ボタン14h、後述する吐水孔の向きを前
後に傾斜させ洗浄水吐水方向を前後に設定する吐水向き
設定ボタン14i等を有する。
【0031】これらボタンのうち、水勢設定ボタン14
eは、その操作に応じて水勢を強弱設定し、水勢設定は
吐水孔への通水状況の制御を伴うことから、本発明にい
う「吐水制御手段」、「吐水手段」の一機能を担うもの
となる。吐水向き設定ボタン14iは、その操作に応じ
て吐水孔向き、即ち洗浄水吐水方向を前後設定し、この
前後設定は被洗浄部に着水する際の着水角度に影響する
ことから、本発明にいう「角度制御手段」の一機能を担
うものとなる。また、ムーブ洗浄ボタン14hは、その
操作によりノズルの前後動を起こして洗浄範囲を人体局
部の所定の前後範囲のものとすることから、本発明にい
う「走査洗浄手段」の一機能を担うものとなる。
【0032】袖部22は、その上面に、本局部洗浄装置
の動作状況等を表示する表示部22aと、開閉自在なカ
バー22bとを有する。なお、この表示部には、上記の
遠隔操作装置14から発せられた光信号を受光する受光
部が組み込まれている。また、このカバー22bの一部
は、着座人体を検出するための着座センサSS10(図
3参照)からの光を選択的に透過させるよう着色された
光透過窓22cとされている。また、この袖部22のカ
バー下方には、局部洗浄に必要な最低限のボタンが設け
られており、遠隔操作装置14が電池切れ等で操作不能
なときでも袖部のボタン操作で局部洗浄を行うことがで
きるようにされている。
【0033】本実施例の局部洗浄装置10は、上記のボ
タンに応じた洗浄動作・乾燥動作等を行うため、下の水
路系構成並びに制御系構成を有する。図2に示すよう
に、本局部洗浄装置の水路系は、図示しない外部の給水
源側から、入水側弁ユニット50と熱交換ユニット60
と流調ポンプ65とを備える。そして、洗浄水は、ギヤ
ポンプ等で構成されるこの流調ポンプ65からノズル装
置40の流路切換弁71を経て洗浄ノズル24に案内さ
れ、当該ノズルから後述のように洗浄水が吐水される。
【0034】上流側給水管路51は、本局部洗浄装置に
給水源(水道管)から洗浄水(水道水)を直接給水すべ
く入水側弁ユニット50に配管されている。この上流側
給水管路51に導かれた洗浄水は、入水側弁ユニット5
0のストレーナ52でのごみ等の捕捉を経て、逆止弁5
3、定流量弁54に流れ込む。そして、定流量弁54下
流の電磁弁55にて管路が開かれると、洗浄水は、定流
量弁54で所定流量とされた状態で、瞬間加熱方式の熱
交換ユニット60に流入する。このように流調を受けて
流入する洗浄水流量は、約300〜600cc/min
程度となるようにされている。なお、上流側給水管路5
1を、便器洗浄用の洗浄水を貯留する洗浄水タンク(図
示省略)から分岐して入水側弁ユニット50に配管する
こともできる。
【0035】この入水側弁ユニット50から熱交換ユニ
ット60に至る間の上流側給水管路51には、リリーフ
弁56を介在させた第1洗浄水導出管路56aが配設さ
れている。この第1洗浄水導出管路56aは、リリーフ
弁上流側の管路圧力が何らかの原因で上昇してリリーフ
弁56により管路が開かれると、上流側給水管路51内
の洗浄水を外部に導出する。また、低流量での使用時も
流調ポンプ65と同期してリリーフ弁56を開き供給水
の一部を排水する。
【0036】上記した入水側弁ユニット下流の熱交換ユ
ニット60は、ヒータ61を内蔵する熱交換部62を備
える。このヒータ61またはその近傍には、図示しない
バイメタルスイッチや温度ヒューズが装着されており、
熱交換ユニット60の異常加熱回避が図られている。
【0037】この熱交換ユニット60は、熱交換部62
へ流入する洗浄水の温度と熱交換部62から流出する洗
浄水の温度を入水温センサSS16aと出水温センサS
S16bで検出しつつ、ヒータ61で洗浄水を設定温度
の洗浄水に温水化する。そして、このようにして温水化
された洗浄水は、流調ポンプ65により流量調整を受け
た上で、洗浄ノズル24に流入する。従って、この流調
ポンプ65は、ノズルの後述の吐水孔に至る洗浄水の通
水状況(流量)を制御する機器であることから、本発明
にいう「吐水制御手段」、「吐水手段」の一機能を担う
ものとなる。
【0038】また、この熱交換ユニット60は、熱交換
部内水位を検出するフロートスイッチSS18を備え、
その信号により、空焚きが回避されるようになってい
る。また、熱交換ユニット60は、バキュームブレーカ
63を備え、このバキュームブレーカ63により、熱交
換部下流側からの洗浄水逆流を防止するようになってい
る。
【0039】洗浄ノズル上流の流路切換弁71は、洗浄
水の給水先を、洗浄ノズル24に至るお尻洗浄用流路、
やわらか洗浄用流路、ビデ洗浄用流路のいずれかに切り
換える。よって、熱交換ユニット60での温水化と流調
ポンプ65による流量調整を受けた洗浄水は、流路切換
弁71で切り換えられた給水先から吐水される。
【0040】本実施例の局部洗浄装置10の制御系は、
図3に示すように、マイクロコンピュータを主要機器と
する電子制御装置80を中心に構成されている。この電
子制御装置80は、上記した着座センサ、入水出水温セ
ンサ等の各種センサやフロートスイッチ、転倒検知セン
サSS30、洗浄水量センサSS14からの信号の他、
遠隔操作装置14や袖部22における洗浄ボタン等の種
々の操作ボタン並びにツマミの操作状況を、入力回路を
介して有線もしくは無線(光信号)で入力する。この場
合、洗浄水量センサは、流調ポンプ65以降の下流側給
水管路において洗浄水量を検出し、その検出結果を電子
制御装置80に出力する。転倒検知センサSS30は、
本局部洗浄装置の傾き状態を検知してその結果を電子制
御装置80に出力する。
【0041】この電子制御装置80は、入力した上記信
号に基づいて、入水側弁ユニット50の電磁弁開閉弁制
御、熱交換ユニット60のヒータ通電制御、流調ポンプ
制御、本体袖部表示部の表示制御、局部乾燥用の乾燥ヒ
ータやファンモータ等を含む乾燥部79の通電制御、臭
気除去用のオゾナイザーや吸引ファンモータ等を含む脱
臭部(図示省略)および室内暖房用のヒータやファンモ
ータ等を含む暖房部(図示省略)の通電制御を実行する
他、上記信号に基づいて、後述のノズル装置40のノズ
ル駆動モータ制御、ノズルヘッド25の揺動コイル群通
電制御を実行する。
【0042】次に、本実施例の局部洗浄装置が有するノ
ズル装置40について説明する。図4は、ノズル装置4
0を表す概略斜視図である。
【0043】図示するように、ノズル装置40は、局部
洗浄装置10の本体部12(図1参照)に収納設置され
る。このノズル装置40は、本体部12に固定設置され
るベース41と、このベース上面の架台41aに組み込
み配設されたノズル駆動モータ42と、このモータの正
逆回転を前後動に変換して洗浄ノズル24に伝達する伝
達機構43と、ベース上面に立設され洗浄ノズル24を
便器ボール部側で摺動自在に保持するノズル保持部41
bと、洗浄ノズル24を後述のノズル進退軌道に沿って
案内する案内レール部44とを有する。
【0044】伝達機構43は、ノズル駆動モータ42の
回転軸に固定された駆動プーリ43aと、上記のノズル
進退軌道に沿った前後の従動プーリ43bと、これらプ
ーリに掛け渡されたタイミングベルト43cと、当該ベ
ルトにテンションを与えるテンションローラ43dとを
有する。タイミングベルト43cは、洗浄ノズル24の
筒状部24aから延びたベルト把持体24bを介して、
当該ノズルと係合・固定されている。よって、この洗浄
ノズル24は、タイミングベルト43cの正逆回転に応
じて前後に進退駆動する。
【0045】案内レール部44は、傾斜状の直線軌道を
形成し、洗浄ノズル24の下方に設置されている。そし
て、この案内レール部44は、洗浄ノズル24の後端側
下方の図示しない軌道把持体を介して当該ノズルと係合
されており、洗浄ノズル24を直線軌道に沿って斜めに
案内する。
【0046】また、ノズル先端側のノズル保持部41b
は、洗浄ノズル24を摺動自在に保持する。よって、洗
浄ノズル24は、タイミングベルト43cにより前後に
進退駆動する際、案内レール部44に沿って前後に傾斜
して進退駆動する。これにより、洗浄ノズル24は、本
体部内に引き込んだ待機位置HP(図13参照)と便器
ボール部内の洗浄位置(お尻洗浄位置AWP、ビデ洗浄
位置VWP)との間を前後に進退駆動する。
【0047】次に、洗浄ノズル24について説明する。
図5は、洗浄ノズル先端のノズルヘッド25の拡大概略
斜視図である。
【0048】図4、図5に示すように、洗浄ノズル24
は、直管状の筒状部24aの先端のノズルヘッド25を
有する。この筒状部24aは、その内部が長手方向に沿
って分割されている。そして、この筒状部24aは、ノ
ズルヘッド内の後述のコイル群への電力供給等のための
フラットケーブル(図示省略)や、お尻洗浄・やわらか
洗浄・ビデ洗浄の時の洗浄水給水用の流路を収納する。
これら流路は、流路切換弁71(図2、図4参照)と接
続されているので、この切換弁が洗浄水の給水先をお尻
洗浄・やわらか洗浄・ビデ洗浄のいずれかに切り換える
と、洗浄水は、その切り換えられた流路を経てノズルヘ
ッド25に流れ込み、後述の各吐水孔から吐水される。
【0049】ノズルヘッド25は、流れ込んだ洗浄水を
局部に向けて吐水すべく、以下の構成を備える。このノ
ズルヘッド25は、ノズルヘッドベース25aにヘッド
カバー25bを装着して構成される。このヘッドカバー
25bは、通常のお尻洗浄に用いるお尻吐水孔25cと
お尻のやわらか洗浄に用いるやわらか吐水孔25dを有
するお尻用可動体26と、ビデ洗浄に用いるビデ吐水孔
25eを有するビデ用可動体27とを、カバー上面に前
後に備える。なお、このヘッドカバー25bは交換可能
とされている。
【0050】ここで、上記の可動体について、ビデ用可
動体27を例に採り説明する。なお、お尻用可動体26
は、通常のお尻洗浄用とやわらか洗浄用の二つの吐水孔
(お尻吐水孔25cとやわらか吐水孔25d)を有する
ほかは、ビデ用可動体27と同一の構成を有する。図6
は、図5におけるビデ用可動体27のビデ吐水孔25e
付近でノズルヘッドを断面視した概略拡大断面図、図7
は、ビデ用可動体27をこれを揺動させるための電磁コ
イルと共に表す概略斜視図である。
【0051】これら図面に示すように、ビデ用可動体2
7は、ヘッドカバー25bの上面に固定されるフランジ
部28とその中央の円筒部29と、この円筒部をその中
央において貫通しビデ吐水孔25eが空けられた吐水駒
30と、この吐水駒下端の磁気駆動体31とを有する。
フランジ部28並びに円筒部29は、変形復元性を発揮
する弾性材料から一体成形されており、その製造には、
例えば、ゴムやエラストマーをはじめ、バネ特性を有す
る金属や軟質プラスチック等のほか、シリコンなどが用
いられる。
【0052】吐水駒30は、樹脂成型品であり、この吐
水駒30のビデ吐水孔下端側は、大径でテーパ状の吐水
案内孔32とされている。磁気駆動体31は、耐水性・
防錆性を有する磁性材料、例えば電磁ステンレス鋼鈑の
プレス成型品であり、インサート成型法等により吐水駒
30と一体成型される。この磁気駆動体31の材料は、
一般に、高透磁率材料である軟質磁性材料であれば良
く、ケイ素鋼、フェライト、純鉄等を例示でき、無電解
Niメッキ等の表面処理を施して防錆を図ると好まし
い。この吐水駒は上記の円筒部の中央貫通孔に嵌合固定
されることから、ビデ用可動体27は上記各部材からな
るサブアッシー品である。
【0053】そして、このビデ用可動体27は、フラン
ジ部28の周縁部にて、接着剤、溶着、ネジ止め等の適
宜手法によりヘッドカバー25bに固定される。このた
め、ビデ用可動体27は、フランジ部28で支持されて
釣り下げられた状態のまま、このフランジ部28と円筒
部29との繋ぎ部分の変形・復元により、図7に示すよ
うに左右前後に首振り揺動可能であり、このように揺動
可能に保持されている。このフランジ部28並びに円筒
部29は、上記のように変形復元性を有することから、
可動体が左右前後いずれかの方向に揺動変位すると、そ
の変位程度、詳しくは傾斜程度に応じた力(復元力)を
生成してこの力を可動体に及ぼす。この場合、フランジ
部28並びに円筒部29をシリコンで製造すると、この
フランジ部28並びに円筒部29は、シリコンの有する
高い反発弾性力を発揮する。よって、このフランジ部2
8並びに円筒部29は、その振動振幅の減衰を抑制しつ
つ上記の復元力を可動体に作用してその揺動状態を長期
に亘って維持する。
【0054】磁気駆動体31は、ノズルに対する前後左
右の位置に磁気作用部31a〜31dを等間隔で有す
る。よって、各磁気作用部に磁力による吸引力がその下
方から作用すれば、該当する磁気作用部が下方に移動す
る。このため、ビデ吐水孔25eは、ビデ用可動体27
と共にこの磁気作用部の下方移動に応じて傾斜する。そ
して、各磁気作用部下方には、これら磁気作用部とは非
接触の状態で、即ち、磁気作用部下端との間に所定の間
隙KDを確保した状態で、電磁コイル33a〜33dが
前後左右に配設されている。この場合、電磁コイル33
cは、電磁コイル33aと向き合って配置されるが、図
示の都合上、省略されている。
【0055】ここで、電磁コイルの構成について詳しく
説明するが、それぞれの電磁コイルは同一の構成を有す
るので、電磁コイル33aを例に採り説明する。図8
は、ビデ用可動体27についての電磁コイル33aを説
明するための概略分解斜視図である。なお、お尻用可動
体26についての各電磁コイルもこの電磁コイル33a
と同一である。
【0056】この図8に示すように、電磁コイル33a
は、プレート35にH字状のコイル鉄心体36を立設し
て備える。コイル鉄心体36は、対向する吸着部36a
とこれを連結する鉄心部36bを有し、この鉄心部36
bにコイル36cを巻回して有する。この電磁コイルの
製造に際しては、まず、鉄心部36bにコイル36cを
巻線形成し、その後、各吸着部36aの嵌合軸部36d
をプレート35の嵌合孔35aに嵌合させる。そして、
カシメ等の固定手法で吸着部36aとプレート35を一
体化させる。嵌合孔への軸部の嵌合で強度不足がなけれ
ば、カシメ等の固定手法を省略できる。なお、プレート
を省略して、両吸着部36aと鉄心部36bおよびコイ
ル36cで電磁コイルとすることもできる。なお、この
他の鉄芯の製造方法としては、異型挽き抜き材を旋削加
工等に処し、一体型構造のものとして製造することもで
きる。また、棒状部材の両端を曲げて端部部分を吸着部
とし、曲げ端部間の部分を鉄心として、棒状部材から一
体型構造で製造することもできる。
【0057】こうして構成された電磁コイル33aは、
コイル36cへの通電により励磁して、図中二点鎖線で
示すように、鉄心部36b、対向する吸着部36aの上
部部分および当該吸着部上方の磁気作用部31a(図6
参照)をループする磁束を形成する。そして、この電磁
コイル33aは、コイル通電に応じた磁力に基づく吸引
力を、対向する磁気作用部31aに及ぼす。つまり、電
磁コイル33aが励磁されると、対向する磁気作用部内
を通る磁束が形成されて磁気作用部31aには各吸着部
36aに対応して逆の極、つまりN極の吸着部36aに
は磁気作用部31aにS極が、またS極の吸着部36a
には磁気作用部31aにN極が形成されるので、作用部
はそれぞれの吸着部36aに同時に吸引される。流す電
流の方向を変えても、極性がNとSに逆転するだけで吸
引力は、同じように作用する。しかも、この磁力による
吸引力の強さは、コイルへの通電制御を通して制御可能
である。本実施例では、上記の吸着部36aおよび鉄心
部36bを強磁性体材料とされているので、上記の磁極
形成が顕著となり、強力な磁力に基づく吸引力を磁気作
用部31aに及ぼすことができる。
【0058】ビデ用可動体27についてのこれら各電磁
コイル33a〜33dとお尻用可動体26についての前
後左右の電磁コイルは、図示しないプリント配線基板に
その電源ラインと共に設置されている。そして、これら
電磁コイルは、基板ごとノズルヘッド25に組み込まれ
ており、電子制御装置80により励磁制御される。
【0059】こうした構成並びに上記の配置を採るこれ
ら電磁コイル33a〜33dを順次通電して励磁すれ
ば、通電状態の電磁コイルに吸引される前後左右の磁気
作用部31a〜31dが順次切り換わるので、それに応
じてビデ用可動体27並びにビデ吐水孔25eも前後左
右に順次揺動移動する。つまり、ビデ吐水孔25eは、
傾斜した姿勢のままノズルに対して前方向→左方向→後
ろ方向→右方向→前方向・・・のようにその傾き方向を
順次変える。よって、各電磁コイルが同じ吸引力を発揮
するよう通電されれば、図7に模式的に描画したよう
に、ビデ吐水孔25eからは、洗浄水がコーン状に吐水
される。このような吐水孔の挙動と共に、ビデ吐水孔2
5eは、実際には回転しないものの、擬似的に回転を起
こすような挙動を採る。なお、説明の便宜上、この擬似
的な回転挙動を揺動回転と呼ぶこととする。
【0060】こうした揺動回転を伴う吐水を起こすとき
の吐水孔の左右振れ角αと前後吐水振れ角βは、上記の
コイル吸引力の強さを調整すること、即ち、電磁コイル
の通電電圧の電圧値(即ち電流値)を調整すること、通
電電圧のデューティ比を調整すること等により、変更可
能である。この場合、左右振れ角αの程度は、左右の電
磁コイル33b、33dの励磁制御により調整可能であ
り、前後吐水振れ角βの程度は、前後の電磁コイル33
a、33cの励磁制御により調整可能である。これら振
れ角調整については後述する。なお、上記のフランジ繋
ぎ部分に変形を起こすだけの吸引力を作用させればよい
ので、ビデ用可動体27は容易に揺動する。お尻用可動
体26でも同様である。
【0061】次に、各可動体への洗浄水給水を図るため
の構成について説明する。図6に示すように、ビデ用可
動体27の下方に位置する前後左右の電磁コイル33a
〜33d(図には左右の電磁コイル33b、33dを示
す)で取り囲まれた領域には、吐水用突出部34が形成
されている。そして、この突出部に貫通形成されたヘッ
ド内ビデ吐水孔34aにベース内ビデ流路34bから洗
浄水が給水される。ベース内ビデ流路34bは、ノズル
軸心からオフセットされて配設され、ノズル先端側で屈
曲してヘッド内ビデ吐水孔34aに合流する。
【0062】お尻用可動体26のお尻・やわらかの各吐
水孔についても個別にヘッド内吐水孔が形成されてお
り、これらヘッド内吐水孔は、お尻用可動体26やビデ
用可動体27のお尻吐水孔25c、やわらか吐水孔25
d、ビデ吐水孔25eに空隙を空けて対向する。よっ
て、流路切換弁71(図2参照)が洗浄水の給水先をそ
の下流のお尻洗浄用流路、やわらか洗浄用流路、ビデ洗
浄用流路のいずれかに切り換えると、洗浄水は、その切
り換えられた流路を経て上記の各ヘッド内吐水孔を通過
して可動体に給水され、各可動体の上記各吐水孔から吐
水される。
【0063】この場合、各可動体の吐水孔は、その下端
がテーパ状とされている。このため、可動体が揺動して
吐水孔が傾いても、対応するヘッド内ビデ吐水孔34a
等の各吐水孔から洗浄水を可動体側に給水できる。
【0064】可動体の各吐水孔に洗浄水を給水しつつ電
磁コイルの上記した順次励磁を行えば、可動体吐水孔が
上記したように左右吐水振れ角αと前後吐水振れ角βを
呈しつつ揺動回転することから、吐水孔からの洗浄水も
揺動回転しつつお尻等の洗浄対象(被洗浄部)に吐水さ
れる。そして、この左右吐水振れ角α並びに前後吐水振
れ角βを電磁コイルの通電制御により制御することで、
異なる吐水振れ角で洗浄水を吐水したり、ある振れ角で
の吐水を違う角度の振れ角の吐水に変更したりすること
ができる。左右吐水振れ角αや前後吐水振れ角βを変更
すべく電磁コイルの通電制御を行うには、コイルに印加
する電圧や電流を電子制御装置80により可変制御すれ
ばよい。例えば、コイルON・OFFのデューティ比を
可変制御するデューティ制御等を行ったり、電圧値を可
変制御したりすればよい。
【0065】次に、電磁コイルに通電して磁気作用部を
吸引し、可動体を揺動回転させた場合の電磁コイルと可
動体、詳しくは磁気作用部との関係について説明する。
図9は、可動体揺動時の電磁コイル33b、33dとビ
デ用可動体27、詳しくは左右の磁気作用部31b、3
1dとの関係を説明する説明図、図10は、可動体並び
に吐水孔の揺動回転を伴った洗浄動作を説明するための
説明図、図11は、この洗浄動作による洗浄水吐水の様
子を模式的に説明するための説明図である。
【0066】まず、揺動回転を伴う洗浄動作の説明に先
立ち、図9を用いて左右揺動動作時の挙動について、電
磁コイル33b、33dの順に励磁した場合を例に採り
説明する。コイル通電制御が電磁コイル33b、33d
の順に行われ各電磁コイルが順に励磁すると、可動体
(ビデ用可動体27)は、図9に示すように、励磁状態
にある電磁コイル(例えば、電磁コイル33d)に磁気
作用部31dが吸引されるので、電磁コイル33dの側
に左右吐水振れ角αで傾斜する。これが次に励磁する電
磁コイル33bについても起きるので、ビデ用可動体2
7は、左右吐水振れ角αで揺動し、これに伴なって洗浄
水は揺動吐水される。このような揺動吐水では、吐水孔
以降で洗浄水が拡散し、洗浄水着水個所(即ち、被洗浄
部)には着水洗浄幅SHで洗浄水が着水する。この場
合、左右吐水振れ角αの広狭により、ノズル左右方向に
ついての吐水洗浄水の拡散の程度は定まり、この左右吐
水振れ角αの広狭は対応する電磁コイル33b、33d
の励磁制御で定まる。よって、この左右の電磁コイル3
3b、33dの励磁制御を通してノズル左右方向の着水
洗浄幅SHを広狭調整できる。
【0067】そして、前後の電磁コイル33a、33c
についても上記の電磁コイル33b、33dと同様に、
かつ、電磁コイル33a〜33dの順に順次励磁すれ
ば、図7に示すようなコーン状の拡散吐水とできる。
【0068】また、左右の電磁コイル励磁にノズル前後
方向の電磁コイル33a、33cの一方のコイルの励磁
制御を組み合わせることで、次のようにして、吐水洗浄
水の吐水方向を前向き或いは後向きに変更することがで
きる。
【0069】吐水方向を前向きに変更するには、ノズル
の前端側に位置する電磁コイル33aと左右の電磁コイ
ル33b、33dの3つの電磁コイルを順次励磁する。
この際の、第1の手法では、図10(a)に示すよう
に、電磁コイル33c以外の電磁コイルを、33b→3
3a→33d→33a→33b→33a…の順に順次励
磁する。第2の手法では、図10(b)に示すように、
33a→33b→33d→33a→33b→33d…の
順に順次励磁する。
【0070】吐水方向を後ろ向きに変更するには、ノズ
ルの後端側に位置する電磁コイル33cと左右の電磁コ
イル33b、33dの3つの電磁コイルを順次励磁す
る。この際の、第1の手法では、図10(c)に示すよ
うに、33b→33c→33d→33c→33b→33
c…の順に順次励磁する。第2の手法では、図10
(d)に示すように、33b→33c→33d→33b
→33c→33d…の順に順次励磁する。
【0071】吐水方向の前向き変更における第1の手法
で励磁した場合は、図11(a)に図中矢印Haで示す
ように、吐水孔はノズルヘッド前方側において円弧状の
軌跡で揺動回転する。よって、洗浄水はこの吐水孔の軌
跡に倣ってノズルヘッドの前方側に向いて前向きに円弧
状に吐水する。第2の手法で励磁した場合は、図11
(b)に図中矢印Hbで示すように、吐水孔はノズルヘ
ッド前方側において半円軌跡で揺動回転する。よって、
洗浄水はこの吐水孔の軌跡に倣ってノズルヘッド前方側
で吐水し、その際の洗浄面積は、半円形状となる。この
両手法での洗浄水吐水は、図11(c)に示すように、
ノズルヘッド前方に向けた前向きの吐水形態を採る。
【0072】一方、吐水方向の後ろ向き変更における第
1の手法で励磁した場合は、図11(d)に図中矢印H
dで示すように、吐水孔はノズルヘッド後方側において
円弧状の軌跡で揺動回転し、洗浄水はノズルヘッド後方
側に向いて後ろ向きに円弧状に吐水する。第2の手法で
励磁した場合は、図11(e)に図中矢印Heで示すよ
うに、吐水孔はノズルヘッド後方側において半円軌跡で
揺動回転し、洗浄面積が半円形状となるよう、洗浄水は
ノズルヘッド後方側で吐水する。この両手法での洗浄水
吐水は、図11(f)に示すように、ノズルヘッド後方
に向けた後ろ向きの吐水形態を採る。
【0073】また、上記各手法の励磁順序で各電磁コイ
ルを励磁するに際して、ヘッド前方の電磁コイル33a
或いはヘッド後方の電磁コイル33cのデューティ比D
tを増減制御する。こうすることで、図11に示す前向
き吐水の場合の前方吐水振れ程度βFや、後ろ向き吐水
の後方吐水振れ程度βBを変更し、前向き・後向き吐水
の吐水角度を変更する。つまり、こうした吐水角度の変
更により、被洗浄部に着水する洗浄水の着水角度は変更
されることになる。そして、この着水角度変更には、上
記の各可動体並びに電磁コイル、これを通電制御する電
子制御装置80が関与し、着水角度変更はノズル装置4
0によるノズル進退に伴い行う後述のように行うことか
ら、これら機器が本発明にいう「角度制御手段」として
機能する。なお、電磁コイルの通電電圧の電圧値(即ち
電流値)を調整するようにすることもできる。
【0074】更に、前向き・後向きの拡散吐水を行う
際、この吐水の前後向きに影響しない電磁コイル、即ち
ノズルの左右方向に配置された両電磁コイルを、その励
磁力を可変に制御することができる。こうすれば、ノズ
ル前後方向の電磁コイル励磁で定まる前向き或いは後ろ
向きの吐水角度で吐水される拡散吐水の拡散程度を、ノ
ズル左右の両電磁コイルの励磁制御により、広狭調整で
きる。
【0075】こうした前向き・後ろ向き吐水の場合の上
記前方吐水振れ程度βFや後方吐水振れ程度βBは、洗
浄水が拡散する吐水形態を採ることから次のように定め
た。上記のように拡散吐水形態を採ることから、吐水孔
が揺動回転の挙動を採っている瞬間瞬間では、吐水孔の
向き(前向き・後ろ向き)は相違し吐水方向も変化す
る。ところで、本実施例では、上記の電磁コイル33
a、33b、33d(或いは電磁コイル33b、33
c、33d)の繰り返し励磁を、励磁周波数fで起こす
ことにし、この励磁周波数fを、後述の不感帯周波数に
含まれるものとした。こうすることで、吐水孔の揺動回
転挙動を伴う洗浄水吐水であるものの、使用者にはこう
した挙動による吐水であることを知覚させない。図11
(b)を例に採り説明すると、吐水孔が半円軌跡で回転
挙動を起こしているので、瞬間瞬間では、図中にTbで
示す仮想的な吐水水柱の吐水方向は相違するが、使用者
はこうした吐水水柱の一つ一つを知覚することはなく、
各水柱が一度に着水した感じを受ける。よって、使用者
は、各吐水水柱が集まった図中の半円形状TBの吐水を
一律に受けていると感じる。このため、上記した前方吐
水振れ程度βFは、図示する半円形状TBの領域のほぼ
中央を指向した吐水として定めた。この半円形状TB
は、被洗浄部に洗浄水が着水する際の着水領域に反映す
るので、上記の前方吐水振れ程度βFを変更することで
着水角度も変更させることができる。
【0076】ここで、上記した電磁コイルの繰り返し励
磁を、不感帯周波数に含まれる励磁周波数fで起こすよ
うにした点について説明する。
【0077】一般に、人体表皮の同一箇所に感知可能な
刺激を繰り返し加えた場合、この繰り返し間隔が長く繰
り返し周波数が低いと、人は、この繰り返された刺激を
振動刺激としてその都度感知する。その一方、繰り返し
間隔が短く繰り返し周波数が高いと、人は、この意図的
に繰り返された刺激を振動刺激とは感知できず、連続的
な刺激として感知する。つまり、人体表皮への繰り返し
刺激に対しては、振動刺激としては感知できない不感帯
周波数がある。
【0078】ここで、局部およびその周辺の洗浄におい
て、刺激を受ける人体表皮から見て洗浄水の流量または
流速の大小を繰り返し吐水(以下、繰り返し吐水とい
う)したと仮定すると、吐水からの刺激の大小が繰り返
されることになるので、この繰り返し吐水は洗浄箇所表
皮に振動刺激として現れる。これが約5Hz以上の繰り
返し周波数であると、この意図的な繰り返し吐水に基づ
く振動に知覚が追従できなくなる。このため、意図的な
繰り返し吐水であるという吐水態様(本実施例での図7
に示すような揺動回転繰り返し吐水、図11(b)では
吐水水柱Tbが集まった半円形状TBの吐水)を意識で
きなくなり、無用な振動による不快感が減少される。繰
り返し吐水の繰り返し周波数が高まるほど、意図的な繰
り返し吐水に基づく振動に対しての知覚の追従が困難と
なるので、この繰り返し周波数が約10Hz以上の繰り
返し周波数になると、通常の知覚を有する大多数の人で
は意図的な繰り返し吐水に基づく振動に対して知覚がほ
とんど追従できなくなる。よって、意図的な繰り返し吐
水であるという吐水態様の認識が困難となり、無用な振
動による不快感もより減少される。
【0079】また、約15Hz以上の繰り返し周波数で
は、人体表皮の平均的な部位であっても振動認識周波数
を超えるので、通常の知覚を有する大多数の人において
不快感が感じられなくなる。さらに、約20Hz以上の
繰り返し周波数では、人体表皮の敏感な部位であっても
振動認識周波数を超えるので、通常の知覚を有する大多
数の人において連続的で良好な洗浄感を確実に感じるこ
とができる。その上、約30Hz以上の繰り返し周波数
では、人体表皮の神経が特に集中した敏感な部位であっ
ても、振動認識周波数を超えるので、通常の知覚を有す
る大多数の人においてソフトな洗浄感を得ることができ
る。そして、繰り返し周波数を商用周波数と一致させる
(商用周波数50Hz地域では50Hz、商用周波数6
0Hz地域では60Hz)と、駆動が容易となるという
効果も加わる。
【0080】この不感帯周波数の観点から、本実施例で
は、前向き吐水の際の電磁コイル33a、33b、33
d(或いは、後ろ向き吐水の際の電磁コイル33b、3
3c、33d)の繰り返し励磁周波数fが約5Hz以上
の範囲となるようにし、洗浄水の着水箇所(詳しくは吐
水水柱Tbの各着水箇所)において人体局部への刺激が
連続的な刺激として感知されるようにした。つまり、洗
浄水の着水領域、例えば図11(b)であれば半円形状
TBが反映した半円軌跡において、その軌跡に沿って着
水箇所が移動していくが、使用者は、この着水箇所の移
動を知覚できず、お尻ではこの着水領域に亘って一律に
着水を受けてお尻洗浄が継続されているという感覚を持
つ。つまり、使用者には、上記した着水領域に亘って一
律で連続的な洗浄水の吐水を受けているような洗浄感を
与えることができる。このため、お尻・ビデの局部洗浄
に対する違和感を当たえることがないと共に、洗浄の充
足感を与えることができる。図7に示すように、前向き
・後ろ向きの吐水方向変更を伴わないコーン状吐水を実
施する場合にあっても同様である。
【0081】このように、前向き・後向きの拡散吐水の
際に、その吐水角度を変更可能であることから、次のよ
うな利点がある。なお、上記した構成は、ビデ吐水孔2
5eを有する可動体27について説明したが、お尻用可
動体26は、お尻吐水孔25cとやわらか吐水孔25d
を有する点で異なるに過ぎず、可動体構成並びに揺動回
転の挙動等についてもビデ用可動体27と変わることは
ない。よって、以下の説明に当たっては、説明の便宜
上、お尻用可動体26を用いたお尻洗浄について説明す
る。図12は、お尻洗浄の際の洗浄水の着水角度を変更
する洗浄動作を説明する説明図である。
【0082】洗浄ノズル24のノズルヘッド25が所定
のお尻洗浄位置AWPまで前進し、その位置を採る場
合、初期状態では、上記の前後・左右の4つの電磁コイ
ルの総てを既述したように順次励磁する。これにより、
この時のお尻洗浄部AHMには、図7に示したようなコ
ーン状の拡散形態で洗浄水が着水する。
【0083】このようにコーン状の拡散形態を採る場合
の左右吐水振れ角αと前後吐水振れ角βは、基準振れ角
としてそれぞれバックアップRAMに記憶されている。
つまり、お尻洗浄ボタンが操作されれば、洗浄ノズル2
4は、本体内の待機位置HPから所定距離だけ前進して
停止してノズルヘッド25をお尻洗浄位置AWPに置
く。そして、洗浄ノズル24は、この位置を基準位置と
して、上記の左右吐水振れ角α・前後吐水振れ角β(基
準振れ角)でお尻用可動体26を繰り返し揺動回転させ
ながら、洗浄水をそのお尻吐水孔25cから吐水させ
る。これにより、被洗浄部であるお尻では、規定の着水
面積を持った洗浄が行われる。ビデ洗浄についても同様
である。なお、上記の基準振れ角の規定に際しては、お
尻洗浄位置AWPにノズルヘッドが位置するときの吐水
孔からお尻洗浄位置までの距離が考慮される。例えば、
この距離が約50mmとした場合において、規定の着水
面積(約10mmの直径の略円形形状面積)が得られる
ように、左右・前後の基準振れ角が規定されている。ビ
デ洗浄の場合にあっては、この着水面積は約30mmと
されている。
【0084】今、遠隔操作装置14の吐水向き設定ボタ
ン14iが操作され使用者が吐水向きの変更を所望した
とする。例えば、図11(c)に示すような前向き吐水
を所望すると、電子制御装置80は、上記ボタンの操作
状況(例えば、押圧操作回数)に応じた前向き吐水の前
方吐水振れ程度βFを演算する。この演算と共に、この
前方吐水振れ程度βFで前向き吐水した場合にその洗浄
水をお尻洗浄部AHMに着水させることができるノズル
位置AWPFを求める。具体的には、基準位置としたお
尻洗浄位置AWPからのノズル移動量を求める。そし
て、電子制御装置80は、この新たなノズル位置AWP
Fに洗浄ノズル24を後退駆動させると共に、次のよう
にコイル励磁制御を行う。つまり、上記の前方吐水振れ
程度βFでの洗浄水吐水を起こすよう、前向き吐水のた
めの通電コイルである電磁コイル33aのデューティ比
Dtの増減制御と、この電磁コイル33aを含む電磁コ
イル33a、33b、33dを励磁周波数fで繰り返し
励磁制御する。
【0085】こうすれば、図7に示すコーン状の吐水形
態での吐水を被洗浄部(お尻洗浄部AHM)に対してや
や斜め後方から傾斜してお尻洗浄部AHMに受けていた
使用者は、このお尻洗浄部AHMに対してより傾斜した
洗浄水の着水を受ける。この際の吐水形態は、例えば、
図11(b)に示したようなものとなる。しかし、使用
者には既述したように洗浄水を一律に受けているように
知覚させていることから、使用者は、コーン状の吐水形
態から図11(c)に示すような吐水形態に推移したこ
とを知覚できず、吐水方向が変化したことによる着水状
況の推移をもたらす。つまり、着水がより傾斜すること
から、お尻洗浄部AHMに対する洗浄水の着水角度は洗
浄水の滑りがより多くなるように変更される。よって、
着水洗浄水の滑り程度を増やして濡れ面積(SHSM
F)を広くでき、これにより刺激感も抑制することがで
きる。
【0086】その一方、図11(f)に示すような後ろ
向き吐水が所望された場合は、後ろ向き吐水の後方吐水
振れ程度βBの演算、この前方吐水振れ程度βFで前向
き吐水した場合のノズル位置AWPBの算出(ノズル移
動量の算出)を行う。そして、ノズル位置AWPBへの
洗浄ノズル24の前進駆動と、後方吐水振れ程度βBで
の洗浄水吐水を起こすための電磁コイル33cのデュー
ティ比Dtの増減制御と、この電磁コイル33cを含む
電磁コイル33c、33b、33dの励磁周波数fでの
繰り返し励磁制御を実行する。
【0087】こうすれば、図12に示すように、吐水方
向が後ろ向きに変化したことによる着水状況の推移、こ
の場合は、お尻洗浄部AHMに対する洗浄水の着水角度
は洗浄水の滑りがより少なくなるように変更される。よ
って、着水洗浄水の滑り程度を抑えて濡れ面積(SHS
MB)を狭くでき、これにより刺激感を高めることがで
きる。
【0088】上記の振れ程度演算・ノズル位置演算は、
次のようにすることもできる。即ち、吐水向き設定ボタ
ン14iの操作程度と、吐水方向の前後変更程度、ノズ
ル位置変位程度を予め対応付けてテーブル状にバックア
ップRAMに記憶しておき、ボタン操作の際に、このテ
ーブル状データを読み出すようにすることもできる。こ
うすれば、演算負荷が軽減される。
【0089】上記したように左右の電磁コイルと前後の
一方の電磁コイルの3つの電磁コイルを繰り返し励磁制
御するほか、次のようにして前向き吐水或いは後ろ向き
吐水を図りつつ、その吐水方向の変更程度(着水角度の
変更程度)を調整するようにすることもできる。即ち、
ノズル前後方向の電磁コイル33a、33cのうち、前
向き吐水の際には、電磁コイル33aを定常的に励磁
し、このコイル励磁状況下で、左右の電磁コイル33
b、33dを繰り返し励磁する。そして、この際の電磁
コイル33aへの通電電流(通電電圧)を大小調整する
ことで、可動体の前向き程度、即ち前向き吐水の吐水方
向(着水角度)の変更程度を調整する。後ろ向き吐水の
場合は、電磁コイル33cの定常励磁状況下で左右の電
磁コイル33b、33dを繰り返し励磁し、電磁コイル
33cへの通電電流(通電電圧)の大小調整により、後
ろ向き吐水の吐水方向(着水角度)の変更程度を調整す
る。この場合であっても、前向き或いは後ろ向き吐水の
際の拡散程度(着水洗浄幅)を、ノズル左右の電磁コイ
ル33b、33dの励磁制御により、広狭調整できる。
【0090】また、本実施例では、電子制御装置80か
らの指令に基づいた流調ポンプ65による水勢調整(水
量調整)を、上記した吐水方向の変更(着水角度の変
更)を起こすための可動体の揺動回転と独立に実行する
ことができる。よって、上記したような着水角度の変更
により着水がより傾斜するようにして濡れ面積(SHS
MF)を広くした場合において、水勢低減を図ることに
より、それまでの濡れ面積(SHSMF)を狭くしたり
(例えば、初期の洗浄面積SHSMと同程度となるよう
狭くしたり)、刺激感をより抑えることができる。ま
た、水勢増大を図ることで、濡れ面積(SHSMF)を
より広くすると共に、刺激感を高めることができる。
【0091】着水角度の変更により洗浄水がお尻洗浄部
AHMにより真っ直ぐ着水するようにして濡れ面積(S
HSMB)を狭くした場合も同様であり、水勢低減によ
り濡れ面積を狭くした上で刺激感を抑えたり、跳ね返り
程度も抑制することができる。また、水勢増大を図るこ
とで、それまでの濡れ面積(SHSMB)を広くしたり
(例えば、初期の洗浄面積SHSMと同程度となるよう
広くしたり)、刺激感を高めることができる。これらの
結果、刺激感や濡れ面積をより多様なものとすることが
できる。
【0092】更に、本実施例では、水勢調整と吐水方向
の変更(着水角度の変更)を相互制御するようにするこ
ともできる。つまり、遠隔操作装置14の吐水向き設定
ボタン14iが操作されて上記したように吐水向きを前
向き・後ろ向きに変更する場合、以下に説明するよう
に、この吐水向きの変更に応じて水勢を調整するように
することもできる。
【0093】今、遠隔操作装置14の吐水向き設定ボタ
ン14iにより吐水向きを前向き変更された場合、その
吐水向きを上記のようにして変更しつつ、即ち、ノズル
位置変更に伴い吐水方向(着水角度)を変更しつつ、電
子制御装置80からの指令に基づいた流調ポンプ65に
よる水勢調整(水量調整)を、吐水方向の変更(着水角
度の変更)に応じて実行する。例えば、吐水方向を前向
き吐水に変更して着水角度を変更した場合は、着水洗浄
水の滑りが増えるようになり、お尻洗浄部AHMにおけ
る洗浄面積SHSMの広がりと刺激感の低下を来す。よ
って、このように着水角度を変更した場合(前向き吐水
に変更した場合)において、洗浄面積についての制御を
優先するならば、着水角度の変更程度(前向き吐水の変
更程度)に応じた水勢低減を図って水量減少を起こるこ
とで、お尻洗浄部AHMにおける洗浄面積SHSMに大
きな変化が起きないようにできる。その一方、前向き吐
水への変更を通して着水角度を変更した場合、刺激感に
ついての制御を優先するならば、着水角度の変更程度
(前向き吐水の変更程度)に応じた水勢増大を図って水
量を増加させ、刺激感を大きく変化しないようにでき
る。吐水方向を後ろ向き吐水に変更して着水角度を変更
した場合も同様であり、面積維持・刺激感維持という目
的と着水角度の変更程度(後ろ向き吐水の変更程度)に
応じて水勢調整(低減或いは増大)を図って、お尻洗浄
部AHMにおける洗浄面積SHSMに大きな変化が起き
ないように、或いは刺激感にあっても大きく変化しない
ようにできる。
【0094】更には、同じお尻洗浄部AHMを継続して
洗浄する間において、時間の経過と共に、洗浄ノズル2
4をノズル位置AWPBからノズル位置AWPFの間で
進退駆動させつつ、吐水方向を上記した前向き吐水方向
から後ろ向き方向に推移させるようにすることもでき
る。こうすれば、上記した着水角度の変更に伴う濡れ面
積や刺激感を時間経過と共に推移できるので、この刺激
感の推移により便意促進を図ることができる。また、吐
水方向の推移により、局部付着済みの汚物や汚れに対し
てその前後から洗浄水を着水でき、これら汚物の剥離効
果を高めることができる。なお、こうした洗浄を行う際
に、上記したような吐水方向変化に応じた水勢調整を併
用すれば、濡れ面積や刺激感をほぼ同じに維持したま
ま、吐水方向の推移を通して、局部付着汚物の剥離効果
を高めることができる。
【0095】このように洗浄ノズル24をノズル位置A
WPBからノズル位置AWPFの間で進退駆動させつつ
同じお尻洗浄部AHMを継続洗浄する動作は、次のよう
に構成することで実行できる。この手法の洗浄動作を開
始指示するためのボタン(例えば、継続洗浄ボタン)を
遠隔操作装置14に設け、このボタンが操作されると、
まず、洗浄ノズル24を基準位置のノズル位置AWPに
待機位置から進退させ、上記したようなコーン状の吐水
を開始する。そして、この吐水を開始してから洗浄ノズ
ル24をノズル位置AWPBに向けて進退(前進)させ
つつ後ろ向き吐水を実行し、その際の後方吐水振れ程度
βBを漸増させる。そして、洗浄ノズル24がノズル位
置AWPBに達した後は、この洗浄ノズル24をノズル
位置AWPFに向けて進退(後退)させつつ、ノズル位
置AWP近傍までは後ろ向き吐水を実行し(後方吐水振
れ程度βB;漸減)、ノズル位置AWPを越えてからノ
ズル位置AWPFまでは前向き吐水を実行する(前方吐
水振れ程度βF;漸増)。ノズル位置AWPFからノズ
ル位置AWPBも同様である。なお、前方・後方の吐水
振れ程度βF、βBは、洗浄ノズル24のノズル位置に
合わせて制御される。
【0096】また、次のような水勢調整と吐水方向の変
更(着水角度の変更)の相互制御を行うようにすること
もできる。本実施例では、遠隔操作装置14に水勢設定
ボタン14eを備え、当該ボタン操作により水勢を強弱
設定する。今、図12に示すように、洗浄ノズル24の
ノズルヘッド25が基準位置としてのお尻洗浄位置AW
Pに位置してコーン状の吐水形態で吐水しているとす
る。この状態で水勢設定ボタン14eが操作され水勢増
大が図られると、お尻洗浄部AHMにおける洗浄水の跳
ね返り程度が増えて濡れ面積の増大を招く。一方、水勢
低減を起こすと濡れ面積が狭くなり洗浄面積も狭くして
しまう。このような事態は、水勢増大の際には吐水の濡
れ面積の抑制化を図ることで、水勢低減の際には吐水の
濡れ面積の拡大化を図ることで回避可能となる。
【0097】従って、本実施例では、このように水勢設
定(水勢調整)がなされると、その設定水勢に応じて
(詳しくは、水勢変更程度に応じて)吐水方向(着水角
度)を変更する。つまり、水勢設定ボタン14eの操作
により水勢が増大設定されれば、濡れ面積の抑制を図る
べく、それまでの水勢からの水勢変更程度に応じて吐水
方向をお尻洗浄部AHMに、より真っ直ぐ着水するよう
変更する。図12においては、後方吐水振れ程度βBが
水勢変更程度に応じたものとして吐水方向を後ろ向きに
変更し、それに応じてノズル位置調整も行う。水勢が低
減設定されれば、濡れ面積の拡大を図るべく、それまで
の水勢からの水勢変更程度に応じて吐水方向をお尻洗浄
部AHMに、より傾斜して着水するよう変更する。図1
2においては、前方吐水振れ程度βFが水勢変更程度に
応じたものとして吐水方向を前向きに変更し、それに応
じてノズル位置調整も行う。こうした水勢設定に応じた
吐水方向(着水角度)の変更制御により、ほぼ同じ濡れ
面積(洗浄面積)のまま、設定水勢での局部洗浄を実行
できる。
【0098】また、次のように構成することもできる。
図7に示すように、吐水孔から吐水された洗浄水には、
その時の吐水孔から真っ直ぐに飛散しようとする直進方
向の力Fwと可動体(吐水孔)の揺動回転に伴う遠心力
Fkが作用し、洗浄水はこれら力の合力方向に飛散す
る。直進方向の力Fwは、吐水孔に通水される洗浄水の
水勢(流速)に依存し、水勢(流速)が大きいほど大き
くなる。このため、遠心力Fkが同じであれば、設定水
勢が大きいほど直進方向の力Fwが大きくなるので、前
記の合力方向は直進方向の力Fwの方向に近づき、洗浄
水の拡散程度は小さくなる。この結果、可動体の揺動回
転による吐水では、水勢を大きくすると洗浄水の着水面
積(洗浄面積・濡れ面積)は狭くなり、低水勢では広く
なる。
【0099】こうした事態が起きないようにするため、
水勢に応じて着水方向を調整するようにする。つまり、
設定水勢が大きければ、着水面積狭小を補うべく、洗浄
水が被洗浄部により傾斜して着水するよう着水角度を調
整し、低水勢であれば、着水面積拡大を抑制すべく、洗
浄水が被洗浄部により真っ直ぐ着水するよう着水角度を
調整する。
【0100】この他、次のように構成することもでき
る。可動体を揺動回転させる場合、通電対象となる電磁
コイルの励磁周波数fを調整すると、刺激感が相違する
ことが知られている。例えば、特開2000−7343
4号公報では、この励磁周波数fを低周波数とすると刺
激感が高まる傾向にあるとされている。よって、刺激感
を調整するために励磁周波数fの高低調整制御を行う場
合には、次のような制御を採ることができる。励磁周波
数fを低減制御すると、刺激感を高めることができるも
のの、可動体の揺動回転速度は小さくなるので、既述し
たように揺動回転に伴う遠心力Fkの低下をきたし、着
水面積の狭小をもたらす。よって、この着水面積の狭小
を抑制すべく、励磁周波数fの低減制御に応じて、吐水
方向(着水角度)をより傾斜させた吐水となるよう変更
制御する。こうすれば、着水角度変更により、着水面積
の不用意な変化をきたさないようにできる。
【0101】励磁周波数fを高周波数とする場合は、逆
に遠心力Fkを増大させるので、着水面積の広がりを起
こす。よって、この着水面積の広がりを抑制すべく、励
磁周波数fの増大制御に応じて、吐水方向(着水角度)
を、被洗浄部により真っ直ぐ着水する側に変更制御す
る。こうすれば、こうした着水角度変更により、着水面
積の不用意な変化をきたさないようにできる。
【0102】ところで、着水角度の変更は、既述したよ
うに刺激感にも影響するので、可動体駆動のための励磁
周波数制御を通して刺激感制御を図る場合には、こうし
た刺激感制御を優先して、着水角度変更による刺激感変
更については無視し、着水角度変更による着水面積維持
を図るようにできる。また、着水角度変更による刺激感
変更を考慮する場合には、刺激感設定を所望した使用者
のその後のボタン操作等に応じて着水角度の変更程度を
再度制御するようにすることもできる。つまり、使用者
が刺激を大小設定したいとして所定のボタン操作を行う
と、その操作に応じて励磁周波数fの高低調整を行い、
併せて、着水面積維持のための着水角度変更制御を行
う。この時に、使用者が更なる刺激設定ボタン操作を行
えば、この更なるボタン操作の分だけ刺激調整の過不足
があることになる。よって、この過不足を補うために、
着水角度を新たに変更する。励磁周波数fの高低制御に
応じて着水角度を変更した場合の刺激感推移(刺激感相
違)の程度を予め規定しておけば、この刺激感推移程度
を見込んで着水角度を変更するようにすることもでき
る。こうすれば、刺激感の大きな変化をきたすことが無
く、着水面積についても大きく変化させないよう、速や
かに着水角度を変更制御できる。
【0103】このように励磁周波数制御と着水角度変更
制御を洗浄の目的(刺激感優先)を考慮して併用するに
当たり、次のようにすることもできる。刺激感について
は、励磁周波数の増減制御により刺激感の増減をもたら
し、吐水方向(着水角度)の変更制御によっても刺激感
の増減をもたらすので、この両制御を併用した場合の刺
激感は両制御でもたらされる刺激感の合成作用で定ま
る。よって、刺激感を優先して制御する場合、例えば刺
激感を低減するときにあっては、励磁周波数の増大によ
る刺激感の低減と、吐水方向(着水角度)を被洗浄部に
より真っ直ぐ着水する側に変更制御することによる刺激
感の増大との合成作用の結果としての刺激感が所望の刺
激感となるように、上記の励磁周波数制御と吐水方向
(着水角度)を相互制御するようにできる。こうすれ
ば、励磁周波数制御のみによって刺激感の低減制御する
場合に比べ、所望の刺激感の低減を保ちながら、濡れ面
積の増大を最小限に抑えることができる。
【0104】また、水勢は被洗浄部における洗浄強さ
(汚物の剥離力)に関与し、この洗浄強さを流量調整機
器(流調ポンプ65)による水勢設定以外の手法で調整
することが提案されている。例えば、特開2000−2
20194号公報では、吐水孔への洗浄水給水を、流速
が上下に繰り返し変動する脈動流の状態で行うようにす
ることが提案されている。これによれば、先に吐水孔か
ら吐水された洗浄水(水塊)は、飛散中に後から吐水さ
れてその流速の早い洗浄水(水塊)に追い着かれるの
で、洗浄水(水塊)同士が合一した水塊として飛散する
合一現象を起こす。この合一現象における洗浄水の合一
程度は、合一をきたす洗浄水(水塊)の速度差並びに洗
浄水(水塊)の最高速度によって定まり、これら速度差
と最高速度は、脈動流における脈動周波数の調整、或い
は脈動を生じさせる機器のデューティ比制御により種々
設定可能である。よって、脈動周波数の調整やデューテ
ィ比制御等により、洗浄水の合一程度も調整可能とな
る。そして、着水部(被洗浄部、例えばお尻)に合一水
塊が着水した際の洗浄強さは上記の最高速度に依存する
ことから、脈動周波数の調整やデューティ比制御等によ
り、洗浄強さの調整も可能となる。また、洗浄水を合一
させただけでなく、後から吐水されてその流速の早い洗
浄水(水塊)を前に吐水された洗浄水(水塊)に衝突さ
せて洗浄水水塊の爆発を起こすこともでき、この爆発の
現象によっても、上記した合一現象の場合と同様に洗浄
強さの調整も可能である。よって、脈動流での洗浄水給
水を行うノズル装置を、上記した実施例に併用して組み
込んだ場合は、次のように吐水方向を変更制御するよう
にすることもできる。
【0105】脈動流生成機器のデューティ比制御等によ
り調整された洗浄強さは、着水の際の刺激感を左右す
る。よって、こうしたデューティ比制御等によって洗浄
強さ(刺激感)の調整を図り、その上で、この脈動流生
成機器を介した洗浄強さ(刺激感)の調整程度に応じ
て、吐水方向(着水角度)を変更し、具体的には前方・
後方の吐水振れ程度βF、βBの調整とノズル位置調整
を行う。こうしても、ほぼ同じ濡れ面積(洗浄面積)の
まま、脈動流生成機器による設定洗浄強さ(刺激感)で
の局部洗浄を実行できる。なお、特開2000−220
194号公報に示されているように、脈動流生成機器の
デューティ比制御の他、脈動流生成機器の印加電圧制御
により洗浄強さ(刺激感)の調整を図る場合も同様であ
る。また、脈動流生成機器のデューティ比制御等を介し
て洗浄強さ(刺激感)の設定を行う場合、この洗浄強さ
(刺激感)の設定も着水角度調整と独立に実行可能であ
る。よって、刺激感を調整するために脈動流生成機器の
デューティ比制御を行う場合にあっても、次のようにす
ればよい。
【0106】脈動流生成機器のデューティ比を増大制御
すると、或いは当該機器の印可電圧を増大制御すると、
上記の最高速度の増大を通して刺激感を高めることがで
きる。その反面、洗浄水(水塊)の着水による跳ね返り
は速度が増す分多くなり、濡れ面積(洗浄面積)の広が
りをもたらす。よって、この濡れ面積(洗浄面積)の広
がりを抑制すべく、デューティ比或いは印可電圧の増大
制御に応じて、吐水方向(着水角度)を被洗浄部により
真っ直ぐ着水する側に変更制御する。こうすれば、着水
角度変更により、濡れ面積(洗浄面積)の不用意な変化
をきたさないようにできる。
【0107】デューティ比或いは印可電圧を低減制御す
る場合は、最高速度の低下により濡れ面積(洗浄面積)
の狭小を起こす。よって、この濡れ面積(洗浄面積)の
狭小を抑制すべく、デューティ比或いは印可電圧を低減
制御に応じて、吐水方向(着水角度)を被洗浄部に対し
てより傾斜して着水するように変更制御する。こうすれ
ば、こうした着水角度変更により、濡れ面積(洗浄面
積)の不用意な変化をきたさないようにできる。
【0108】ところで、脈動流生成機器のデューティ比
制御或いは印可電圧制御と併用した場合の着水角度の変
更制御にあっても、既述したように刺激感に影響をもた
らす。よって、デューティ比制御或いは印可電圧制御を
通して刺激感制御を図る場合であっても、可動体の励磁
周波数制御の場合と同様にして、着水角度を変更制御す
るようにすることができる。
【0109】このように脈動流生成機器のデューティ比
制御或いは印可電圧制御と着水角度変更制御を洗浄の目
的(刺激感優先)を考慮して併用するに当たっても、励
磁周波数制御との併用を図る場合と同様、次のようにす
ることもできる。つまり、刺激感を優先して制御する場
合、例えば刺激感を高めるとき、デューティ比制御或い
は印可電圧制御を介した最高速度の増大による刺激感の
増大と、吐水方向(着水角度)を被洗浄部に、より真っ
直ぐ着水する側に変更制御することによる刺激感の増大
との合成作用の結果としての刺激感が所望の刺激感とな
るように、上記のデューティ比制御或いは印可電圧制御
と吐水方向(着水角度)を相互制御するようにできる。
こうすれば、デューティ比制御或いは印可電圧制御に基
づく最高速度のみによって刺激感を増大制御する場合に
比べ、所望の刺激感の増大を保ちながら、濡れ面積の増
大を最小限に抑えることができる。
【0110】この他、可動体の吐水孔に給水する洗浄水
に空気を強制混入させると、混入空気量に応じて洗浄強
さや刺激感(ソフト感・ハード感)を調整できる。そし
て、この空気混入を経た洗浄強さ・刺激感の調整も、可
動体を介した着水角度調整と独立に実行可能である。よ
って、空気混入制御と着水角度調整を独立に、或いは、
空気混入に伴う欠点(例えば、濡れ面積の変化等)を着
水角度調整で補間するよう、相互制御することができ
る。
【0111】また、図12に示すように、洗浄ノズル2
4を基準位置のノズル位置AWPにおいて4つの電磁コ
イル励磁によるコーン状の洗浄水吐水を行っているとき
に、洗浄箇所(洗浄部)を前よりに変えたり後よりに変
えたりしたい場合がある。このような場合、使用者は、
遠隔操作装置14のノズル位置前後調整ボタン14fを
操作し、洗浄ノズル24を前進或いは後退させる。この
ノズル移動により被洗浄部の位置調整は可能であるが、
ノズル移動軌跡と被洗浄部周辺の形状は一致していない
ので、4つの電磁コイル励磁によるコーン状の洗浄水吐
水のままでは、洗浄箇所を調整したことで着水角度が変
わってしまう。特に、ビデ洗浄時においてこのように洗
浄箇所調整を行った場合は、着水角度の変化が顕著であ
る。
【0112】つまり、洗浄ノズル24を前後駆動させる
だけで、これに伴い着水角度を変更することになり、濡
れ面積(洗浄面積)や刺激感の変更をきたす。この場合
は、次のように構成する。図13は、洗浄箇所(被洗浄
部)を前後調整した場合の吐水の様子を説明するための
説明図である。なお、この図13は、お尻洗浄において
その洗浄箇所を前後調整した一例を説明の便宜上、誇張
して示すものである。
【0113】まず、濡れ面積(洗浄面積)を大きく変更
することなくほぼ同じようにするには、流調ポンプ65
による水勢調整(水量調整)を、洗浄ノズル24が基準
位置のノズル位置AWPから前方に行くほど、電子制御
装置80からの指令により低水勢側に設定する。つま
り、図中のお尻洗浄部AH0からその前方のお尻洗浄部
AH1とする際は、着水角度は着水洗浄水の滑り程度が
増えるように変更されるので、濡れ面積(洗浄面積)は
広くなる。よって、これを抑制するために水勢を弱調整
し、濡れ面積(洗浄面積)を洗浄箇所調整前とほぼ同じ
とする。その一方、お尻洗浄部AH0からその後方のお
尻洗浄部AH2とする際は、着水角度は着水洗浄水がほ
ぼ真っ直ぐ着水するよう変更されるので、濡れ面積(洗
浄面積)は狭くなる。よって、これを回避するために水
勢を強調整し、濡れ面積(洗浄面積)を洗浄箇所調整前
とほぼ同じとする。なお、こうした水勢調整を行う際の
設定水勢は、上記したノズル位置変更に伴う着水角度の
変更程度に応じて定まる。そして、この着水角度の変更
程度は、統計学的に解析した局部周辺の体格形状や洗浄
箇所の変更量(ノズル移動量)の他、便器本体に対する
お尻洗浄位置AWPの座標やノズルの移動軌跡等から演
算できる。よって、設定水勢は、上記のように洗浄箇所
変更がなされた場合は、上記演算で求めた着水角度の変
更程度に応じて定めることができる。この場合、洗浄箇
所変更量(ノズル位置前後調整ボタン14fの操作量)
と設定水勢(水勢変更量)と予めマップ状のデータとし
てバックアップRAM44に記憶しておき、ノズル位置
前後調整ボタン14fの操作に応じてこれらを読み込ん
で、ノズル位置調整、水勢調整を行うようにすることが
できる。
【0114】刺激感を大きく変更することなくほぼ同じ
ようにするには、流調ポンプ65による水勢調整(水量
調整)を、洗浄ノズル24が基準位置のノズル位置AW
Pから前方に行くほど、電子制御装置80からの指令に
より強水勢側に設定する。つまり、図13のお尻洗浄部
AH0からその前方のお尻洗浄部AH1とする際は、着
水角度は着水洗浄水の滑り程度が増えるように変更され
るので、刺激感は弱くなる。よって、これを回避するた
めに水勢を強調整し、刺激感を洗浄箇所調整前とほぼ同
じとする。その一方、お尻洗浄部AH0からその後方の
お尻洗浄部AH2とする際は、着水角度は着水洗浄水が
ほぼ真っ直ぐ着水するよう変更されるので、刺激感は強
くなる。よって、これを抑制するために水勢を弱調整
し、刺激感を洗浄箇所調整前とほぼ同じとする。なお、
この場合の設定水勢にあっても、上記したように定める
ことができる。
【0115】上記した水勢設定は、濡れ面積の維持を優
先するようにすれば、濡れ面積をほぼ同じとするよう実
行すればよく、刺激感の維持優先であれば、刺激感をほ
ぼ同じとするよう実行すればよい。また、ディップスイ
ッチ等にて、いずれの水勢設定を採用するかを選択でき
るようにすることもできる。
【0116】上記の刺激感は、水量調整を経た水勢のみ
ならず既述したように脈動流生成機器のデューティ比制
御や電圧制御でも種々調整可能である。よって、脈動流
での洗浄水給水を行うノズル装置を組み込んだ場合は、
このデューティ比制御や電圧制御を通して、洗浄箇所変
更後の水勢設定を行うようにすることもできる。
【0117】また、上記したように洗浄箇所を変更した
場合、その変更後の洗浄箇所の洗浄中に、使用者がボタ
ン操作により着水角度を変更すれば、その変更後の着水
角度となるようノズル進退を伴って着水角度を変更す
る。水勢変更が有った場合も、ボタン操作に応じて水勢
を変更する。そして、その状態の洗浄動作規定値(ノズ
ル位置、着水角度、水勢等)を特定のボタン(例えば、
メモリボタン、パーソナルボタン等)の操作を経て使用
者ごとに記憶するようにすることもできる。こうすれ
ば、それぞれの使用者が本装置を使用する都度に、記憶
済みの上記洗浄動作規定値を用いて設定済み着水角度、
設定済みノズル位置、設定済み水勢での局部洗浄を行う
ようにすることもできる。或いは、設定変更後のものは
洗浄終了の都度破棄し、新たな洗浄の際には、基準とし
て記憶しておいた洗浄動作規定値を用いるようにするこ
ともできる。
【0118】また、本実施例では、上記のように着水角
度の変更(前後吐水振れ角βの変更)に当たり、ノズル
自体の傾動動作を要しない。よって、ノズルの傾動駆動
のためのモータや支持機構が不要となるので、ノズル装
置、延いては装置全体の小型化が可能である。更に、ノ
ズルヘッド内の可動体26、27を駆動すれば足り、こ
の可動体は小型且つ軽量であることから、その駆動を伴
う洗浄時において静寂性を確保できる。加えて、駆動対
象が小さくて軽量であることから、駆動物重量(質量)
を考慮したモータ制御も不要となり、制御の簡略化も実
現できる。
【0119】なお、設定水勢が一定のままでも、洗浄水
の給水源(例えば水道管)の給水状態の変動により、吐
水孔に給水される給水量が変化したり、水路系の流量調
整弁により流量自体が水勢とは別に変更される場合があ
る。こういった場合でも、給水量や流量の変動を適宜な
センサ(例えば、洗浄水量センサSS14)で検出し、
その検出結果に応じて着水角度(前後吐水振れ角β)を
調整するようにすることもできる。こうすれば、本装置
外部で給水量や流量に変動が起きた場合でも、着水角度
調整を経た濡れ面積調整(維持)や刺激感調整(維持)
を図ることができる。
【0120】本実施例では、お尻洗浄を行うに当たり、
お尻吐水孔25cを用いた通常のお尻洗浄と、やわらか
吐水孔25dを用いたソフトなお尻洗浄を行うようにし
た。つまり、同じお尻洗浄部であっても、図5に示すよ
うに、異なる位置に設けた吐水孔を使い分けている。こ
のため、お尻吐水孔25cを用いた場合とやわらか吐水
孔25dを用いた場合では、次のようにしている。
【0121】やわらか吐水孔25dはお尻吐水孔25c
より前方にあるので、やわらか洗浄ボタン14cが操作
された場合は、やわらか吐水孔25dとお尻吐水孔25
cの距離だけ控えて洗浄ノズル24をお尻洗浄位置AW
Pに向けて前進させる。こうすれば、やわらか洗浄時の
やわらか吐水孔25dの孔位置と通常洗浄時のお尻吐水
孔25cを同じ位置に位置させることができる。よっ
て、両洗浄時にあっても同じように着水角度変更を行え
ばよい。
【0122】次に、ムーブ洗浄について説明する。この
ムーブ洗浄は、お尻・ビデにおける所定の前後範囲を洗
浄範囲とする洗浄動作であるものの、ノズルの進退駆動
に伴って着水角度を変更しつつ洗浄領域を走査して洗浄
する洗浄動作である。図14は、お尻ムーブ洗浄時にお
けるノズル位置と着水角度(吐水方向)の調整の様子を
説明するための説明図である。図示するように、お尻ム
ーブ洗浄では、洗浄水の着水箇所はノズル前後動範囲
(お尻ムーブ洗浄範囲AMH)において推移し、その着
水箇所たるお尻洗浄部AHもムーブ中央位置AWPMに
対応するお尻洗浄部AHM(お尻ムーブ洗浄範囲AMH
の略中央)からムーブ前端位置AWPFに対応するお尻
洗浄部AHF、ムーブ後端位置AWPBに対応するお尻
洗浄部AHBと推移する。そして、このお尻ムーブ洗浄
範囲AMHはお尻に倣って湾曲しているのに対し、洗浄
ノズル24は傾斜状に直線軌跡に沿って上記各位置に亘
り往復動する。このため、上記のお尻ムーブ洗浄範囲A
MHにおいては、既述したように吐水方向を変えないで
も着水角度は変わっているが、本実施例のムーブ洗浄で
は、積極的にこの着水角度を変更する。
【0123】この場合、洗浄ノズル24の移動軌跡は局
部洗浄装置の設計寸法から算出でき、ノズル往復動によ
るムーブ洗浄範囲長並びに各ノズル位置での着水角度
(前方吐水振れ程度βF並びに後方吐水振れ程度βB)
は、既述したように人体の統計学的な体型解析を用いて
予め算出できる。また、ノズル往復動のノズル移動速度
は一定とされているので、経過時間ごとのノズル位置は
算出できる。よって、以下のようにして、ムーブ洗浄を
行う。
【0124】まず、ムーブ中央位置AWPMでは、既述
した通常のお尻洗浄の場合と同様、前後・左右の4つの
電磁コイルを基準の前後・左右の吐水振れ角α、βとな
るよう順次励磁する。これにより、この時のお尻洗浄部
AHMには、図7に示したようなコーン状の拡散形態で
洗浄水が着水する。こうしてまずムーブ中央位置AWP
Mにて吐水を始めてからムーブ洗浄を開始する。こうす
れば、ムーブ洗浄開始後からの経過時間ごとに、ノズル
位置が演算でき、このノズル位置に対応した着水角度
(詳しくは、前後吐水振れ角β)も演算(読み出し設
定)できる。なお、左右吐水振れ角αについては、一定
のままとしてもよく、ノズル位置に応じて広狭調整して
もよい。
【0125】そして、洗浄ノズル24を往復動させなが
ら、演算前後吐水振れ角βとなるよう該当する電磁コイ
ルを順次励磁して吐水方向(着水角度)を変更しつつ吐
水する。つまり、洗浄ノズル24が前進する場合は、着
水角度を洗浄水がより真っ直ぐに着水するよう変更しつ
つ、その程度(後方振れ程度βB)を漸増する。そし
て、洗浄ノズル24がムーブ前端位置AWPFに達した
後は、この洗浄ノズル24をムーブ後端位置AWPBに
向けて進退(後退)させつつ、ムーブ中央位置AWPM
近傍までは後ろ向き吐水を実行し(後方吐水振れ程度β
B;漸減)、ムーブ中央位置AWPMを越えてからムー
ブ後端位置AWPBまでは前向き吐水を実行する(前方
吐水振れ程度βF;漸増)。ムーブ後端位置AWPBか
らムーブ前端位置AWPFも同様である。なお、前方・
後方の吐水振れ程度βF、βBは、洗浄ノズル24のノ
ズル位置に合わせて制御される。
【0126】図15は、ビデムーブ洗浄時におけるノズ
ル位置と着水角度(吐水方向)の調整の様子を説明する
ための説明図である。この図示するビデムーブ洗浄であ
っても上記のお尻ムーブ洗浄と同様であり、ムーブ中央
位置VWPMまで洗浄ノズル24を進退させてから、洗
浄ノズル24を往復動させ、前後吐水振れ角βを調整し
て吐水する。なお、このビデムーブ洗浄では、洗浄水の
着水箇所たるビデ洗浄部VHは、ムーブ前端位置VWP
FEに対応するビデ洗浄部VHFからムーブ後端位置V
WPBに対応するビデ洗浄部VHBに亘るビデムーブ洗
浄範囲VMHを推移する。そして、このビデムーブ洗浄
時におけるムーブ中央位置VWPMに対応するビデ洗浄
部VHMは、ビデムーブ洗浄範囲VMHの前端位置であ
るビデ洗浄部VHFから、ビデムーブ洗浄範囲VMHの
ほぼ1/3の距離だけ離れた位置とされている。
【0127】上記したムーブ洗浄では、洗浄ノズル24
を一定速度で移動(往復動)させることもできるが、洗
浄水の着水箇所が上記のムーブ洗浄範囲AMH、VMH
において等速に移動するよう、洗浄ノズル24を変速移
動させることもできる。例えば、図15に示すビデムー
ブ洗浄において、洗浄ノズル24がムーブ中央位置VW
PMからその前方の位置VWPF、ムーブ前端位置VW
PFEの側に前進するほど吐水孔から着水箇所までの距
離が長くなるので、これを考慮してノズル前進時の移動
速度を前進端側で早くする。こうすれば、上記のムーブ
洗浄範囲AMH、VMHでは等間隔に洗浄水が着水する
ので、違和感がなく好ましい。また、ビデムーブ洗浄範
囲VMHでは、ムーブ中央位置VWPMに対応するビデ
洗浄部VHMの前後領域において汚れ程度がひどくなる
傾向にある。よって、このビデ洗浄部VHMの前後領域
ではノズル移動速度を遅くして、この領域では洗浄水が
ゆっくりと着水するようにすることも有益である。
【0128】上記したようにノズル速度を可変制御した
場合にあっても、次のようにして、ノズル移動を図りつ
つ着水角度(前方吐水振れ程度βF並びに後方吐水振れ
程度βB)を調整できる。洗浄ノズル24の移動軌跡や
ムーブ洗浄のためのノズル駆動長は機器構成の上から既
知であり、ムーブ洗浄範囲の局部の概略形状についても
統計学的な体型解析から規定できる。また、ノズル移動
速度もムーブ洗浄開始からの経過時間ごとに定めること
ができる。例えば、ムーブ洗浄をムーブ中央位置VWP
Mから開始することとし、洗浄ノズル24をその位置か
ら前進させるようにする。一方、ノズル移動速度は、洗
浄開始からの経過時間と関連付けて予めバックアップR
AM44に記憶しておく。着水角度(前方吐水振れ程度
βF並びに後方吐水振れ程度βB)についても、ノズル
位置に関連付けて予めバックアップRAM44に記憶し
ておく。図15で説明すれば、洗浄ノズル24がムーブ
中央位置VWPMからムーブ前端位置VWPFEまでの
位置を採るときには、後方吐水振れ程度βBが漸増する
よう各ノズル位置ごとにその後方吐水振れ程度βBを記
憶する。洗浄ノズル24がムーブ中央位置VWPMから
ムーブ後端位置VWPBまでの位置を採るときには、前
方吐水振れ程度βFが漸増するよう各ノズル位置ごとに
その前方吐水振れ程度βFを記憶する。こうすれば、経
過時間に応じたノズル移動速度で洗浄ノズル24を移動
させつつ、経過時間とノズル移動速度で求まるノズル位
置に応じた着水角度(前方吐水振れ程度βF並びに後方
吐水振れ程度βB)を読み出して、その着水角度となる
ように電磁コイルを励磁制御する。
【0129】次に、上記したムーブ洗浄を実行する際の
流量調整や着水面積の制御について、ビデムーブ洗浄を
例に採り説明する。
【0130】まず、ムーブ中央位置VWPMにおける着
水面積(例えば、既述した径約30mmの円形形状面
積)を定め、これに対応する左右吐水振れ角αvM・前
後吐水振れ角βvMを規定する。また、ビデムーブ洗浄
実行時のノズル位置毎の上記した前後吐水振れ角程度β
B、βFを規定して、これをバックアップRAM44に
マップ状データとして記憶する。そして、左右吐水振れ
角についても、ノズル位置ごとに次のように定める。つ
まり、図15に示すムーブ後端位置VWPB側のビデ洗
浄部VHB近傍領域では、着水面積が狭くてもよいの
で、左右吐水振れ角をムーブ中央位置VWPMでの左右
吐水振れ角αvMより小さく、また、流量も少なく設定
する。ムーブ中央位置VWPMに対応するビデ洗浄部V
HMの前後領域では、もっとも洗浄をよくする領域であ
るので、たっぷりとした水量で広範囲に洗浄すべく、上
記のように大きな着水面積のための左右吐水振れ角αv
Mとし、流量については多く設定する。ムーブ前端位置
VWPF側のビデ洗浄部VHF近傍領域では、着水面積
を中央領域よりやや狭くなるよう左右吐水振れ角を左右
吐水振れ角αvMよりやや小さくし、流量も中央領域よ
り少なく設定する。これらも、ノズル位置に対応してバ
ックアップRAM44に記憶させる。
【0131】このようにムーブ洗浄領域の各領域(後端
側領域、中央領域、前端側領域)で規定した左右吐水振
れ角は、左右の電磁コイル33b、33dの励磁力で定
まる。よって、後端領域では、図10に示した電磁コイ
ル33b、33dについてのコイル励磁波形をデューテ
ィ比が小さくなるようなものとし、中央領域ではデュー
ティ比が大きく、前端領域では小さくなるようにして、
それぞれのデューティ比で左右の電磁コイル33b、3
3dを励磁制御する。前後の電磁コイル33a、33c
については、前後吐水振れ角程度(βB、βF)の大き
さに合わせたデューティ比で励磁制御する。
【0132】そして、ムーブ洗浄を開始してからの経過
時間とノズルの移動速度に応じて、ノズル位置ごとの上
記のデータを読み込み、コイル励磁制御と流量調整を行
いつつ、洗浄ノズル24を往復動させながら、吐水す
る。つまり、洗浄ノズル24がムーブ中央位置VWPM
付近の領域にあるときには、左右吐水振れ角αvMを維
持しつつ、前後吐水振れ角程度βvMについてはこれを
後ろ向き吐水のための前後吐水振れ角程度βB(漸増)
とし、ムーブ前端位置VWPFの側の領域では、左右吐
水振れ角αvMを狭小調整しつつ、前後吐水振れ角程度
βvMを継続して漸増させる。流量については、流量ポ
ンプ65により、流量を中央領域で最大でノズル前進に
伴い低減調整する。ムーブ前端位置からの後退時は、こ
れと逆となる。また、ムーブ中央位置VWPMからムー
ブ後端位置側にノズル移動する際は、ムーブ中央位置V
WPM付近領域で、左右吐水振れ角αvMを維持しつ
つ、前後吐水振れ角程度βvMを前向き吐水のための前
後吐水振れ角程度βF(漸増)とし、ムーブ後端位置V
WPBの側の領域では、左右吐水振れ角αvMを狭小調
整しつつ、前後吐水振れ角程度βvMを継続して漸増さ
せる。流量については、流量ポンプ65により、流量を
中央領域で最大でノズル前進に伴い低減調整する。ムー
ブ後端位置からの前進時は、これと逆となる。
【0133】こうすれば、ムーブ洗浄領域の中央領域で
は、たっぷりとして水量で広い洗浄面積で広範囲に亘っ
て洗浄でき、洗浄の充足感を高めることができる。後端
側領域では、肛門に近いことから、中央領域より少ない
水量・狭い洗浄面積での洗浄としても支障はない。ま
た、前端側領域では、後端側領域よりは水量・洗浄面積
を増やすものの、中央領域よりは少ない流量と狭い洗浄
面積での洗浄を行うことができる。そして、この前端領
域では、吐水向きが後ろ向き吐水の洗浄水が着水するこ
とから、洗浄水を局部にかすって便器前方側に通り過ぎ
てしまうようないわゆるすり抜けを回避でき、便座等を
不用意に濡らしてしまうことがない。更には、前端側領
域或いは後端側領域では、中央領域に比して流量低減を
図ることから、洗浄水の飛び跳ねによる不快感を低減す
ることもできる。
【0134】上記したお尻・ビデのいずれのムーブ洗浄
においても、左右の電磁コイルと前後の一方の電磁コイ
ルの3つの電磁コイルを繰り返し励磁制御するほか、次
のようにして前向き吐水或いは後ろ向き吐水を図った上
で、上記のように吐水方向(着水角度)を変更しつつそ
の変更程度を調整するようにすることもできる。即ち、
ノズル前後方向の電磁コイル33a、33cのうち、前
向き吐水の際には、電磁コイル33aを定常的に励磁
し、このコイル励磁状況下で、左右の電磁コイル33
b、33dを繰り返し励磁する。そして、この際の電磁
コイル33aへの通電電流(通電電圧)を大小調整する
ことで、可動体の前向き程度、即ち前向き吐水の吐水方
向(着水角度)の変更程度を調整する。後ろ向き吐水の
場合は、電磁コイル33cの定常励磁状況下で左右の電
磁コイル33b、33dを繰り返し励磁し、電磁コイル
33cへの通電電流(通電電圧)の大小調整により、後
ろ向き吐水の吐水方向(着水角度)の変更程度を調整す
る。この場合であっても、前向き或いは後ろ向き吐水の
際の拡散程度(着水洗浄幅)を、ノズル左右の電磁コイ
ル33b、33dの励磁制御により、広狭調整できる。
【0135】なお、こうしたムーブ洗浄を、洗浄水給水
を脈動流の状態とする態様と組み合わせた場合には、脈
動流生成機器のデューティ比制御において、後端側領域
では大きなデューティ比で制御すると、刺激感を高める
ことができる。そして、中央領域と前方領域では小さな
デューティ比で制御すれば、刺激を押さえた優しい洗浄
感を提供でき、デリケートな局部部分を好適に洗浄でき
る。
【0136】こうしたムーブ洗浄の過程において、面積
設定ボタン14gにより洗浄面積が使用者により広狭設
定されれば、次のようにする。つまり、当該ボタンの操
作状況(拡大操作・狭小操作)に応じて各ノズル位置で
の左右吐水振れ角αを大小調整すればよい。なお、洗浄
面積の設定変更がなされた場合の左右吐水振れ角につい
ては、既述したように記憶して次回のムーブ洗浄に用い
たり、これを破棄して基準となる左右吐水振れ角に基づ
く洗浄面積での洗浄を繰り返してもよい。
【0137】図14に示すお尻ムーブ洗浄と図15に示
すビデムーブ洗浄において、その洗浄対象がお尻とビデ
と相違することから、中央領域での洗浄時における洗浄
面積(即ち左右吐水振れ角αvM・前後吐水振れ角βv
M)をお尻で狭く、ビデで広くするようにすることもで
きる。
【0138】本実施例では、お尻用とビデ用で異なる可
動体を用いたが、お尻洗浄とビデ洗浄で可動体を共通と
するよう変形できる。図16は、変形例の洗浄ノズル先
端のノズルヘッド125の拡大概略斜視図である。図示
するように、この変形例では、共通可動体26aにお尻
吐水孔25cとビデ吐水孔25eを有する。つまり、先
に説明したやわらか吐水孔をビデ吐水孔としたものであ
る。
【0139】この変形例では、お尻洗浄・ビデ洗浄を共
通の可動体揺動で行い、この揺動のために、左右・前後
の電磁コイルを洗浄ノズルのノズルヘッド125に組み
込めばよい。これにより、組み込み部品数の低減によ
り、洗浄ノズルの小型化を図ることもできる。
【0140】次に、他の実施例について説明する。図1
7は、第2実施例の局部洗浄装置300の概略構成を表
すブロック図、図18は、洗浄ノズル308のノズルヘ
ッド700を説明するため内部構造を一部破断して概略
的に表した説明図、図19は、この局部洗浄装置300
で採用した洗浄水給水の様子を説明する説明図である。
【0141】図17に示すように、第2実施例の局部洗
浄装置300は、外部の給水源側から、給水ユニット3
02と熱交換ユニット304と流調弁306とを備え
る。そして、この流調弁306で流量調整された洗浄水
を洗浄ノズル308に送り込み、当該ノズルから洗浄水
を後述のように吐水する。この洗浄ノズル308は、ノ
ズル駆動モータ310により、装置本体内の待機位置H
Pからお尻又はビデの各洗浄位置(AWP、VWP;図
12、図15参照)まで進退するよう構成されている。
局部洗浄装置300は、電子制御装置312を備え、図
示しない洗浄ボタン等の操作に応じて、この電子制御装
置312により、ノズル進退駆動、洗浄水給水並びに止
水、洗浄水の温水化、流調弁制御等を行う。
【0142】給水源(水道管)から送られた洗浄水(水
道水)は、給水ユニット302に導かれ、このユニット
の有するストレーナでのごみ等の捕捉を経て、下流の熱
交換ユニット304に至る。なお、給水ユニット302
は、その管路に図示しない逆止弁、調圧のための調圧弁
並びに管路開閉のための電磁弁を備える。よって、電磁
弁による回路開放時を受けて、洗浄水は、調圧弁により
所定圧力(2次圧:約0.098MPa{約1.0kg
f/cm2 })に調圧された状態で、瞬間加熱方式の熱
交換ユニット304に流入する。なお、給水ユニット3
02から熱交換ユニット304に至る間の管路には、リ
リーフ弁(図示省略)が配設されており、不用意な管路
内圧力の上昇回避が図られている。
【0143】熱交換ユニット304は、内蔵ヒータへの
通電を介して通過洗浄水を瞬間的に温水化するよう構成
されている。なお、内蔵ヒータまたはその近傍に、その
異常加熱を機械的に遮断する図示しないバイメタルスイ
ッチや温度ヒューズが装着されている。
【0144】この場合、熱交換ユニット304は、流入
・流出洗浄水の温度を図示しない水温センサで検出しつ
つ、内蔵ヒータで洗浄水を設定温度の洗浄水に温水化す
る。そして、このようにして温水化された洗浄水は、流
調弁306により流量調整を受けた上で、洗浄ノズル3
08に送られる。なお、熱交換ユニット304には、空
焚き防止のためのフロートスイッチや、洗浄ノズル側か
らの洗浄水逆流を防止するためのバキュームブレーカが
設置されている。なお、この熱交換ユニット304を、
温水化した洗浄水を貯留するタンク式とすることもでき
る。
【0145】次に、この実施例で採用した洗浄ノズルと
その給水手法について説明する。図18に示すように、
洗浄ノズル308は、流調弁306からの洗浄水が通過
するヘッド流路134をノズル内に備え、ノズルヘッド
700における吐水孔131の直下に、当該吐水孔と連
通する洗浄水渦室171を有する。
【0146】洗浄水渦室171は、底部ほど大径とされ
小径連通路163(図19,20)の側に行くほど傾斜
した内周壁を有する中空室とされている。そして、この
洗浄水渦室171には、ヘッド流路134が図示するよ
うに偏心して接続されている。よって、この洗浄水渦室
171の内部にヘッド流路134から流入した洗浄水
は、図中矢印SYで示すように上記の大径部内周壁およ
び傾斜内周壁に沿って旋回する。そして、このようにし
て洗浄水渦室171にて旋回した洗浄水は、小径連通路
163を通過し吐水孔131から吐水される。
【0147】このようにして吐水された洗浄水は、この
洗浄水自体が有する旋回力の影響を受け、図中に模式的
に示すように螺旋状(コーン状)に旋回しつつ拡散した
旋回吐水形態を採る。つまり、こうした洗浄水の旋回吐
水形態は、中空の図示するコーン形状KSが吐水洗浄水
で形成されているものとなる。
【0148】本実施例では、洗浄水渦室171で洗浄水
に旋回力を付与し、螺旋状(コーン状)の旋回吐水形態
で洗浄水を吐水して、洗浄範囲の拡大並びに吐水洗浄水
の拡散を図っている。そして、この洗浄範囲の拡大・洗
浄水拡散に際し、吐水孔131は勿論のことこの吐水孔
131を有する洗浄ノズル308の移動を要しない。
【0149】上記の洗浄水の旋回力は洗浄水渦室171
への洗浄水の流入速度(洗浄水速度)で定まり、この流
入速度は洗浄水渦室171における洗浄水の旋回程度を
規定する。よって、洗浄水渦室171への洗浄水流入速
度(洗浄水速度)を調整することで、本実施例では流調
弁306により流量調整を行うことで、螺旋状の旋回吐
水形態での螺旋の広がり程度、即ち吐水洗浄水の拡散程
度を種々調整できる。しかも、ヘッド流路134から洗
浄水渦室171に偏心させて洗浄水を流入させるだけ
で、上記したように旋回吐水形態を採ることができ、こ
の際に、モータ等の特別な電気機器を要しない。よっ
て、省エネルギー化に有益であると共に、ノズル装置、
延いては装置全体の小型化やコスト低減を図ることもで
きる。
【0150】このようにして洗浄水の給水を図る洗浄ノ
ズル308は、上記の吐水孔131からの洗浄水を、図
18に示すように可動体から被洗浄部に吐水する。つま
り、この第2実施例は、第1実施例のように電磁コイル
を用いて吐水孔可動体を傾斜させ、その傾斜状態での吐
水孔からの吐水を、旋回による洗浄水拡散を洗浄水渦室
171で行う点に特徴がある。
【0151】図示するように、ノズルヘッド700は、
お尻用可動体26をノズルヘッド前端に有するものの、
この可動体を揺動させる電磁コイル33a、33cをノ
ズル前後方向に有する。ノズルヘッド700は、この両
コイルの一方を励磁することで、上記した第1実施例と
同様に、お尻用可動体26を前向き或いは後ろ向きに傾
斜させて前向き吐水・後ろ向き吐水を可能とする。そし
て、コイルの励磁状態を維持することで、お尻用可動体
26を傾斜姿勢のまま保持する。このように、お尻用可
動体26を傾斜保持する際の傾斜角βKは、上記の第1
実施例の場合と同様、使用者の吐水向き設定ボタン14
iの操作や、ムーブ洗浄時における洗浄箇所・設定水勢
等に応じて決定される。なお、各電磁コイルとお尻用可
動体26の配置関係については、両電磁コイルをノズル
前後に配置したことの他は、第1実施例と同様である。
【0152】ノズルヘッド700は、両電磁コイル間の
吐水用突出部34に、上記の吐水孔131と洗浄水渦室
171とを連結して有する。この洗浄水渦室171に
は、偏心してヘッド流路134が接続されており、当該
流路から洗浄水渦室171に洗浄水を流入させる。そし
て、この洗浄水流入に際しては、第1実施例と同様に、
その流速を調整することで、洗浄水渦室171において
洗浄水自体に旋回力を付与し、吐水孔131からは、こ
の旋回に基づいた拡散を起こして洗浄水を吐水する。こ
の場合、この拡散吐水洗浄水は、吐水孔131と対向す
るお尻用可動体26の吐水案内孔32に入り込み、お尻
吐水孔25cから洗浄部に向けて吐水される。こうして
お尻吐水孔25cから吐水された洗浄水は、洗浄水渦室
171で付与された旋回力に基づく遠心力を可動体の揺
動回転による遠心力に付加して維持するので、この遠心
力と上記した直進方向の力Fw(図7参照)の合力方向
に飛散し、お尻吐水孔25c以降では拡散しつつ吐水さ
れる。
【0153】お尻用可動体26が電磁コイル33a、3
3cのいずれのコイルにも吸引されていない場合、或い
は、両コイルに同時に吸引されている場合は、吐水孔1
31とお尻吐水孔25cはほぼ真っ直ぐに連続する。よ
って、この場合、ノズルヘッド700は、洗浄水をその
吐水方向を曲げることなくまっすぐに拡散吐水する。し
かし、電磁コイル33a、33cのいずれかのコイル励
磁によりお尻用可動体26が前向き或いは後ろ向きに傾
斜角βKで保持された場合は、洗浄水の吐水方向は可動
体傾斜に倣って矯正され、矯正後の吐水方向に沿って洗
浄水が拡散吐水される。この場合、洗浄水拡散は、洗浄
水渦室171によるものであることから、それぞれの傾
斜角βKで吐水した拡散洗浄水の着水形状は、図18に
示すようにほぼ円形となる。
【0154】この第2実施例では、既述したように、前
向き・後向きの拡散吐水の際に、お尻用可動体26の傾
斜角βKを変更可能である。しかも、拡散吐水の際の拡
散程度も、洗浄水渦室171への流入洗浄水の流速調整
により調整可能である。よって、この第2実施例にあっ
ても、第1実施例と同様に吐水方向(着水角度)を変更
しつつ局部洗浄を実施でき、第1実施例と同様の効果を
奏することができる。しかも、この第2実施例では、着
水形状を円形とできるので、洗浄部(お尻洗浄部AH)
を円形形状範囲に亘ってほぼ同時に洗浄でき、洗浄の充
足感を与えることができる。
【0155】また、次のような利点もある。この第2実
施例では、コイル励磁をノズル前後位置の二つの電磁コ
イルについて行うだけでよく、拡散吐水については、コ
イル励磁によらず洗浄水渦室171への洗浄水の偏心流
入によって起こす。よって、拡散吐水を起こすに当たっ
てのコイル励磁制御が不要となり、その分、制御を簡略
化できると共に、コイル組み込みの構成が簡便となり、
コスト低減を図ることもできる。
【0156】以上説明したように、第2実施例にあって
は、第1実施例と同様、ノズル前後位置の電磁コイルの
励磁に基づく前向き或いは後ろ向き吐水角度の広狭によ
り、吐水孔からお尻・ビデの被洗浄部に向けた吐水方向
を変更する。よって、ノズルヘッドにおける可動体やノ
ズル前後位置の電磁コイルとこれを励磁制御する電子制
御装置は、本発明にいう「角度制御手段」として機能す
る。また、この第2実施例では、洗浄水渦室171とヘ
ッド流路134並びに流量(流速)調整を果たす流調弁
306と電子制御装置312が本発明にいう「吐水制御
手段」、「吐水手段」として機能する。
【0157】また、洗浄水渦室171の近傍におけるヘ
ッド流路134の流路部分に有効管路径を広狭調整する
バルブ等を設け、このバルブにより通過洗浄水の速度
(渦室への流入洗浄水速度)を調整するようにすること
もできる。こうすれば、流量を大きく変化させずに、吐
水洗浄水の拡散程度を調整することができる。また、水
圧を高低調整するポンプ等も併せて制御すれば、流量と
独立して、吐水洗浄水の拡散程度を調整することができ
る。
【0158】また、この第2実施例によれば、被洗浄部
(お尻・ビデ)における着水形状を略円形とでき、洗浄
水の拡散程度は洗浄面積を左右することから、その際の
洗浄面積を、上記した流量(流速)調整により種々調整
できる。更に、ムーブ洗浄時における洗浄領域に応じた
洗浄水の旋回程度の調整も可能であることから、この点
についても第1実施例と同様の効果を奏することができ
る。そして、既述したように着水角度により濡れ面積に
広狭が生じる際には、洗浄水の旋回程度を調整し、濡れ
面積の維持を図るようにすることができる。例えば、着
水角度が洗浄水が被洗浄分にほぼ真っ直ぐに着水するよ
うなものであるために、濡れ面積が狭くなるような場合
は、供給洗浄水の流速を上げて旋回力を大きくし、洗浄
水の拡散程度を大きくすれば、濡れ面積の狭小を抑制し
て濡れ面積をほぼ同じとすることができる。この逆も同
様である。
【0159】次に、第2実施例の変形例について説明す
る。図20は、変形例で採用した洗浄水給水の様子を説
明する説明図である。図示するように、この変形例で
は、洗浄水渦室171を備え、旋回を伴う洗浄水の拡散
程度の調整を2系統の洗浄水供給で行う点に特徴があ
る。
【0160】図示するように、この変形例では、洗浄水
のノズル給水経路として、洗浄水渦室171に偏心して
接続された偏心経路222と、当該渦室にその軸心を指
向して接続された軸心指向経路223とを有する。ま
た、この両経路に独立して洗浄水を給水する図示しない
洗浄水給水ユニットを有する。この洗浄水給水ユニット
は、軸心指向経路223のみへの洗浄水給水、軸心指向
経路223と偏心経路222の両経路への洗浄水同時給
水が可能であり、その給水の際には各経路ごとの流量Q
1、Q2の流量調整を行うよう構成されている。なお、
洗浄水給水ユニットを偏心経路222にのみ給水するよ
うにすれば、既述したノズルヘッド700と同一とな
る。なお、前向き吐水・後ろ向き吐水を可能とする可動
体を有し、この可動体に上記の洗浄水渦室171を経て
給水する点は、上記した実施例と同様である。
【0161】ここで、上記した変形例から洗浄水を吐水
した際の拡散程度の調整の様子について説明する。
【0162】軸心指向経路223の流量Q1と偏心経路
222の流量Q2とを調整しつつこれら両経路に洗浄水
を同時に給水すると、拡散状態の洗浄水吐水を実現でき
る。流量Q1と流量Q2をQ2>>Q1の関係で調整す
ると、偏心経路222から給水された流量大の洗浄水が
渦室内挙動を決定するので、両経路から渦室内に流入し
た洗浄水は、図中矢印SYで示すように渦室内で旋回す
る。よって、この旋回により、洗浄水はコーン状KSと
されて拡散しつつ吐水され、その際の両流路の流量の関
係から、拡散程度は広くなって、図20に示すように広
い洗浄面積SMcの吐水とできる。
【0163】そして、流量Q1と流量Q2を、Q2がQ
1に近づくよう調整した場合は、渦室内挙動に及ぼす偏
心経路222からの洗浄水の影響が小さくなる。よっ
て、このように流量調整をした場合は、両経路から渦室
内に流入した洗浄水は、図中矢印SYで示すように渦室
内で旋回するものの、旋回程度が小さくなり、次のよう
になる。つまり、吐水形態はコーン状KSであるもの
の、旋回程度、即ち拡散程度は小さくなり、図20に示
すように洗浄面積SMb、SMaのように狭くなる。
【0164】従って、この変形例によっても、着水角度
の変更程度(吐水方向の変更程度)に応じて上記の流量
Q1、Q2を調整すれば、上記の実施例と同様に、前向
き或いは後ろ向き吐水の際の着水角度に応じた拡散程度
の調整に伴う効果を奏することができる。
【0165】なお、この変形例では、洗浄水渦室171
とこの渦室への洗浄水流入を図る偏心経路222と軸心
指向経路223により拡散吐水を実現することから、こ
の洗浄水渦室171並びに偏心経路222と軸心指向経
路223並びに流量(流速)調整を果たす給水ユニット
とこれを制御する制御装置が本発明にいう「吐水制御手
段」、「吐水手段」として機能する。
【0166】また、上記のように2経路からの洗浄水の
流量Q1、Q2を調整するに当たり、例えば、流量Q1
を増やしてその分だけ流量Q2を減らすといった流量調
整により、流量Q1と流量Q2の総量を変更することな
く拡散程度を調整するようにすることができる。このす
れば、流量(総流量)の変化を来すことなく、前向き・
後ろ向き吐水の際の吐水洗浄水の拡散程度を調整でき、
着水洗浄幅SHに起因する洗浄感の多様化を図ることが
できる。また、給水ユニット2よりその下流経路での流
量Q1、Q2を調整する他、この各経路に有効管路径を
広狭調整するバルブ等を渦室近傍に設け、このバルブに
より各経路の通過洗浄水の速度(渦室への流入洗浄水速
度)を調整するようにすることもできる。こうすれば、
流量を大きく変化させずに、吐水洗浄水の拡散程度を調
整することができる。
【0167】次に、第3実施例について説明する。この
第3実施例は、吐水孔を有するノズル自体をノズル左右
方向に繰り返し揺動して吐水孔からの洗浄水を拡散さ
せ、着水角度の変更については、ノズル自体を前後に傾
動させる点に特徴がある。図21は、第3実施例のノズ
ルユニット500を示し、図21(a)はこのノズルユ
ニット500の概略構成図、図21(b)は当該ユニッ
トが有する洗浄ノズル502から洗浄水をその吐水方向
を左右へ繰り返し揺動させつつ吐水している状態を説明
する説明図、図21(c)は洗浄水の吐水方向を前向き
吐水或いは後ろ向き吐水として洗浄水を吐水している状
態を説明する説明図である。
【0168】前後偏向モータ504は、洗浄ノズル支持
体(図示せず)に固定され、その回転シャフト506が
ノズルガイド508に連結されている。また、左右偏向
モータ510は、ノズルガイド508に固定され、その
回転シャフト512が洗浄ノズル502に連結されてい
る。洗浄ノズル502は、ノズルガイド508により左
右方向へ回転するように支持されており、制御部514
により制御される。この制御部514は、洗浄水の瞬間
吐出水量調節を流量調節バルブ516の駆動制御を介し
て行うと共に、前後偏向モータ504と左右偏向モータ
510の駆動制御を行なう。
【0169】洗浄ノズル502は、制御部514による
左右偏向モータ510の正逆回転の切り換え制御によ
り、図21(b)に示すように、ノズル自体を左右に繰
り返し揺動させ、このノズル揺動に伴って、洗浄水を左
右に繰り返し揺動させながら拡散吐水する。また、洗浄
ノズル502は、制御部514により前後偏向モータ5
04がノズル前後駆動に伴って指示回転角だけ回転する
ことで、図21(c)に示すように、ノズル自体を前向
き或いは後ろ向きに傾動させ、このノズル傾動により吐
水孔からの洗浄水の吐水方向(着水角度)を変更調整す
る。
【0170】なお、このノズルユニット500は、図示
しない前後動モータによりユニットごと前後退可能とさ
れており、洗浄ノズル502をお尻・ビデの各洗浄位置
に進退させたり、前後往復動させてムーブ洗浄を実行す
る。
【0171】この第3実施例では、前後偏向モータ50
4の回転駆動量を大小調整することで、洗浄ノズル50
2の傾動量、延いては洗浄水の吐水方向を種々調整でき
る。そして、こうした吐水方向(着水角度)調整を、第
1実施例と同様にしてボタン操作や設定水勢等に応じて
実行できる。よって、この第3実施例によっても、既述
した実施例と同様に吐水方向(着水角度)を変更しつつ
局部洗浄を実施でき、第1実施例と同様の効果を奏する
ことができる。なお、この第3実施例においては、前後
偏向モータ504並びに当該モータを駆動制御する制御
部514は、吐水方向の変更をもたらすことから本発明
にいう「角度制御手段」として機能する。しかも、制御
部514は、モータ制御を通して吐水の通水状況を制御
して吐水の拡散程度を調整することから、本発明にいう
「吐水制御手段」、「吐水手段」としても機能する。
【0172】また、この第3実施例では、上記の各モー
タの正逆回転制御を流量調節バルブ516による流量調
整から独立して、或いはモータ制御と流量制御を協調し
て実行できる。このため、第1実施例と同様に、設定水
勢や流量に応じたモータ制御を通して、着水角度や着水
面積を種々調整したりできる。
【0173】また、左右偏向モータ510を、その回転
方向が反転する反転周波数を既述した不感帯周波数領域
として、駆動制御可能である。よって、使用者には、洗
浄水の着水面に亘って一律で連続的な洗浄水の吐水を受
けているような洗浄感を与えることができる点でも、第
1実施例と同一の効果を奏することができる。このよう
にモータを反転制御する場合、モータ反転時に吐水洗浄
水には遠心力と加速度が加わり、その大きさは反転周波
数に応じて変化する。反転周波数が大きければ、大きな
遠心力と加速度が加わり、拡散程度も大きくなるが、反
転角度を周波数に合わせて小さくすることにより着水洗
浄幅を一定に保つこともできる。よって、こうした遠心
力や加速度の変化も考慮して、モータの反転制御を行う
ことが好ましい。
【0174】お尻洗浄とビデ洗浄で洗浄面積を変えるよ
うにするには、各洗浄で左右偏向モータ510の回転角
度を変更すればよい。また、洗浄途中での洗浄面積設定
が有った場合には、モータの回転角度を制御すればよ
い。
【0175】次に、第4実施例について説明する。この
第4実施例は、は、光電変換素子を用いたCCDカメラ
によって撮像した局部を映像処理し、その結果から、被
洗浄部位置を感知して着水角度(吐水角度)を設定する
点に特徴がある。即ち、この第4実施例は、図5に描画
したように、洗浄ノズル24のノズルヘッド上部に、C
CDカメラKCを有する。電子制御装置80は、このC
CDカメラKCからの撮像画像を入力してこれを映像処
理し、洗浄位置(例えば、お尻洗浄位置AWP;図12
参照)にある洗浄ノズル24に対する被洗浄部(お尻洗
浄部)の位置関係を感知する。その一方、この被洗浄部
に洗浄水を吐水する際の基準着水角度は予めバックアッ
プRAM44に記憶されているので、この記憶済み基準
着水角度での洗浄水着水を図るための新たなノズル位置
と前後吐水振れ程度を演算する。つまり、上記のCCD
カメラKCからの信号処理により、洗浄位置に移動済み
の洗浄ノズル24と被洗浄部との位置関係は把握済みで
あるので、この位置関係と上記の記憶済み基準着水角度
とに基づいて、新たなノズル位置(ノズル駆動量)と吐
水孔の前後吐水振れ程度を求め、これによりノズル進退
と電磁コイル励磁、並びに通水制御を行う。なお、局部
は臀部等の表皮部分より高温であることから、CCDカ
メラに替えて赤外線センサを設け、その結果から上記の
位置関係を把握するように構成することもできる。
【0176】上記構成を有する第4実施例では、人体局
部のある被洗浄部(例えば、お尻)に洗浄水を着水して
これを洗浄するに際し、着座した使用者の被洗浄部の位
置を実際に感知し、この感知した被洗浄部に応じて規定
済みの着水角度で、洗浄水を吐水して着水させる。この
ため、着座の際に使用者が便器前後方向或いは左右方向
にずれて座っても、この着座ずれを起こした実際の被洗
浄部位置を感知して、その被洗浄部に所定の着水角度で
洗浄水を着水させることができる。従って、この着水角
度の規定の仕方を濡れ面積や飛び跳ね程度がほぼ同じと
なるようなものとしたり、刺激感がほぼ同じとなるよう
なものとしておけば、着座位置がずれても濡れ面積や飛
び跳ね程度或いは刺激感をほぼ同じとでき好ましい。C
CDカメラや赤外線センサの設置場所は、洗浄ノズルに
限らず、便器ボールの内壁に埋設設置したりすることが
でき、局部観察が可能な部位・部材で有ればよい。
【0177】このようにした局部感知・規定着水角度で
の着水を図った洗浄を実施する際、使用者により遠隔操
作装置14の吐水向き設定ボタン14iが操作され吐水
向きが変更された場合は、この変更後の吐水向き(即
ち、変更後の着水角度)を、新たな基準着水角度として
バックアップRAM44に更新記憶するようにもでき
る。そして、こうした変更を所望する使用者をパーソナ
ルキー等にて特定し、各使用者ごとに基準着水角度とパ
ーソナルキーに対応付けてバックアップRAM44に記
憶する。こうすれば、使用者は局部洗浄に先立ってパー
ソナルキーにて使用者本人を指示すれば、便座への着座
ずれの有無に関わらず、本装置仕様の都度、その使用者
が所望する着水角度での洗浄水着水、並びに濡れ面積や
刺激感の局部洗浄を受けることができる。この場合、着
水角度に加えて水勢等も併せて記憶しておくように構成
することもできる。
【0178】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、上
記の実施例では、吐水孔の揺動回転等により洗浄水吐水
を拡散状のものとして説明したが、単純な孔とされただ
けの吐水孔から洗浄水を吐水するだけのものについて
も、着水角度の変更を来すよう、適用できる。
【0179】また、上記の実施例では、洗浄ノズルをノ
ズル前後方向に沿って進退させる場合の着水角度の変更
について説明したが、次のようなものにも適用できる。
洗浄ノズルをノズル前後方向とノズル左右方向の2次元
的に進退可能とした場合、ノズル左右方向について進退
駆動する場合がある。洗浄水の着水箇所たる局部の被洗
浄部形状は、ノズル左右方向についても一律ではないの
で、ノズル左右方向の進退により着水角度の変更をきた
し、着水角度の変更に起因して濡れ面積や刺激感が異な
ってしまう。よって、こうした事態に対処するため、洗
浄ノズル或いは吐水孔をノズル軸心回りに傾動可能に構
成し、ノズル左右方向における洗浄ノズルの進退に伴っ
てノズル軸心回りの傾動を起こすようにする。こうした
ノズル進退制御と通水制御を併用することで、上記した
左右方向のノズル進退の場合であっても濡れ面積や刺激
感の維持或いは制御を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】便器に装着した状態の第1実施例の局部洗浄装
置を表す概略斜視図である。
【図2】局部洗浄装置の概略構成を水路系を中心に表し
たブロック図である。
【図3】制御系の概略構成を表すブロック図である。
【図4】ノズル装置40を表す概略斜視図である。
【図5】洗浄ノズル先端のノズルヘッド25の拡大概略
斜視図である。
【図6】図5におけるビデ用可動体27のビデ吐水孔2
5e付近でノズルヘッドを断面視した概略拡大断面図で
ある。
【図7】ビデ用可動体27をこれを揺動させるための電
磁コイルと共に表す概略斜視図である。
【図8】ビデ用可動体27についての電磁コイル33a
を説明するための概略分解斜視図である。
【図9】可動体揺動時の電磁コイル33b、33dとビ
デ用可動体27詳しくは左右の磁気作用部31b、31
dとの関係を説明する説明図である。
【図10】可動体並びに吐水孔の揺動回転を伴った洗浄
動作を説明するための説明図である。
【図11】この洗浄動作による洗浄水吐水の様子を模式
的に説明するための説明図である。
【図12】お尻洗浄の際の洗浄水の着水角度を変更する
洗浄動作を説明する説明図である。
【図13】洗浄箇所(被洗浄部)を前後調整した場合の
吐水の様子を説明するための説明図である。
【図14】お尻ムーブ洗浄時におけるノズル位置と着水
角度(吐水方向)の調整の様子を説明するための説明図
である。
【図15】ビデムーブ洗浄時におけるノズル位置と着水
角度(吐水方向)の調整の様子を説明するための説明図
である。
【図16】変形例の洗浄ノズル先端のノズルヘッド12
5の拡大概略斜視図である。
【図17】第2実施例の局部洗浄装置300の概略構成
を表すブロック図である。
【図18】洗浄ノズル308のノズルヘッド700を説
明するため内部構造を一部破断して概略的に表した説明
図である。
【図19】この局部洗浄装置300で採用した洗浄水給
水の様子を説明する説明図である。
【図20】変形例で採用した洗浄水給水の様子を説明す
る説明図である。
【図21】第3実施例のノズルユニット500を示し、
図21(a)はこのノズルユニット500の概略構成
図、図21(b)は当該ユニットが有する洗浄ノズル5
02から洗浄水をその吐水方向を左右へ繰り返し揺動さ
せつつ吐水している状態を説明する説明図、図21
(c)は洗浄水の吐水方向を前向き吐水或いは後ろ向き
吐水として洗浄水を吐水している状態を説明する説明図
である。
【符号の説明】
10…局部洗浄装置 12…本体部 14…遠隔操作装置 14a…お尻洗浄ボタン 14b…停止ボタン 14c…やわらか洗浄ボタン 14d…ビデ洗浄ボタン 14e…水勢設定ボタン 14f…ノズル位置前後調整ボタン 14g…面積設定ボタン 14h…ムーブ洗浄ボタン 18…便座 20…便蓋 22…袖部 22a…表示部 22b…カバー 22c…光透過窓 24…洗浄ノズル 24a…筒状部 24b…ベルト把持体 25…ノズルヘッド 25a…ノズルヘッドベース 25b…ヘッドカバー 25c…お尻吐水孔 25d…やわらか吐水孔 25e…ビデ吐水孔 26…お尻用可動体 26a…共通可動体 27…ビデ用可動体 28…フランジ部 29…円筒部 30…吐水駒 31…磁気駆動体 31a〜31d…磁気作用部 32…吐水案内孔 33a〜33d…電磁コイル 34…吐水用突出部 34a…お尻吐水孔 34b…お尻流路 35…プレート 35a…嵌合孔 36…コイル鉄心体 36a…吸着部 36b…鉄心部 36c…コイル 36d…嵌合軸部 40…ノズル装置 41…ベース 41a…架台 41b…ノズル保持部 42…ノズル駆動モータ 43…伝達機構 43a…駆動プーリ 43b…従動プーリ 43c…タイミングベルト 43d…テンションローラ 44…案内レール部 50…入水側弁ユニット 51…上流側給水管路 52…ストレーナ 53…逆止弁 54…定流量弁 55…電磁弁 56…リリーフ弁 56a…第1洗浄水導出管路 60…熱交換ユニット 61…ヒータ 62…熱交換部 63…バキュームブレーカ 65…流調ポンプ 71…流路切換弁 300…局部洗浄装置 302…給水ユニット 304…熱交換ユニット 306…流調弁 308…洗浄ノズル 310…ノズル駆動モータ 312…電子制御装置 72…下流側給水管路 79…乾燥部 80…電子制御装置 125…ノズルヘッド 131…吐水孔 134…ヘッド流路 163…小径連通路 171…洗浄水渦室 222…偏心経路 223…軸心指向経路 500…ノズルユニット 502…洗浄ノズル 504…前後偏向モータ 506…回転シャフト 508…ノズルガイド 510…左右偏向モータ 512…回転シャフト 514…制御部 516…流量調節バルブ 700…ノズルヘッド AWPM…ムーブ中央位置 AWPF…ムーブ前端位置 AWPB…ムーブ後端位置 BT…便器 HP…待機位置 SS14…洗浄水量センサ SS16a…入水温センサ SS16b…出水温センサ SS18…フロートスイッチ SS30…転倒検知センサ
フロントページの続き (72)発明者 片岡 由美子 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 豊田 綾子 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 2D038 JA05 JF00 JH17

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人体局部に向けて洗浄水を吐水孔から吐
    水して、局部洗浄を行う装置であって、 前記吐水孔を有し、前記被洗浄部に対して待機位置から
    進退可能とされたノズルと、 前記吐水孔から吐水された洗浄水が人体局部の被洗浄部
    に着水する際の着水角度を、前記ノズルの進退駆動を伴
    って変更制御する角度制御手段と、 前記吐水孔への洗浄水の通水状況を制御して前記吐水孔
    からの洗浄水の吐水を制御すると共に、この吐水制御を
    前記着水角度の変更制御と個別に実行する吐水制御手段
    とを備えることを特徴とする局部洗浄装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の局部洗浄装置であって、 人体局部の所定の前後範囲を洗浄領域とし、前記角度制
    御手段を制御して前記ノズルの進退駆動に伴って前記着
    水角度を変更しつつ前記洗浄領域を走査して洗浄する走
    査洗浄手段を備え、 前記吐水制御手段は、 前記走査洗浄手段が走査洗浄する際の前記洗浄領域ごと
    に、前記通水状況を変更制御する、局部洗浄装置。
  3. 【請求項3】 人体局部に向けて洗浄水を吐水孔から吐
    水して、局部洗浄を行う装置であって、 前記吐水孔を有し、前記被洗浄部に対して待機位置から
    進退可能とされたノズルと、 前記吐水孔から吐水された洗浄水が人体局部の被洗浄部
    に着水する際の着水角度を、前記ノズルの進退駆動を伴
    って変更制御する角度制御手段と、 前記吐水孔への洗浄水の通水状況を制御して前記吐水孔
    から洗浄水を吐水する吐水手段と、 前記着水角度と前記通水状況の一方が変化した場合、そ
    の変化状況に応じて他方が変化するよう前記角度制御手
    段と前記吐水手段を相互制御し、前記被洗浄部に着水し
    た洗浄水が呈する洗浄特性を維持制御する特性維持制御
    手段とを備えることを特徴とする局部洗浄装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の局部洗浄装置であって、 人体局部の所定の前後範囲を洗浄領域とし、前記角度制
    御手段を制御して前記ノズルの進退駆動に伴って前記着
    水角度を変更しつつ前記洗浄領域を走査して洗浄する走
    査洗浄手段を備え、 前記特性維持制御手段は、 前記走査洗浄手段が走査洗浄する際の前記洗浄領域ごと
    に前記角度制御手段と前記吐水手段を相互制御して、前
    記洗浄領域ごとの前記洗浄特性を前記洗浄領域ごとに維
    持制御する、局部洗浄装置。
  5. 【請求項5】 便座に着座した使用者の人体局部に向け
    て洗浄水を吐水孔から吐水して、局部洗浄を行う装置で
    あって、 前記吐水孔を有し、前記被洗浄部に対して待機位置から
    進退可能とされたノズルと、 前記吐水孔への洗浄水の通水状況を制御して前記吐水孔
    から洗浄水を吐水する吐水手段と、 前記吐水孔から吐水された洗浄水が人体局部の被洗浄部
    に着水する際の着水角度を、前記ノズルの進退駆動を伴
    って変更制御する角度制御手段と、 前記着座した使用者の前記被洗浄部の位置を感知する感
    知手段と、 前記感知した被洗浄部位置に応じた着水角度を規定する
    規定手段とを備え、 前記角度制御手段は、 前記ノズルを進退させた上で、前記着水角度を前記規定
    着水角度に設定する設定手段を有することを特徴とする
    局部洗浄装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の局部洗浄装置であって、 前記規定手段の規定する前記規定着水角度は、前記使用
    者により変更可能とされている、局部洗浄装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の局部洗浄装置であって、 前記規定手段は、 前記規定着水角度を異なる使用者ごとに記憶する記憶手
    段と、 前記異なる使用者を特定する特定手段とを備え、 該特定手段により特定された使用者に対応する前記規定
    着水角度を前記記憶手段から読み出し、その読み出した
    規定着水角度を前記感知した被洗浄部位置に応じた着水
    角度とする、局部洗浄装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7いずれか記載の
    局部洗浄装置であって、 前記角度制御手段は、 前記被洗浄部に洗浄水が着水する際の着水領域のほぼ中
    央を前記吐水孔から指向した洗浄水吐水方向を、前記ノ
    ズルの進退駆動を伴って変更することで、前記着水角度
    を変更制御する、局部洗浄装置。
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