JP2003160515A - ナフタレンから2段水素化反応によりデカリンを製造する方法 - Google Patents

ナフタレンから2段水素化反応によりデカリンを製造する方法

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decalin
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hydrogenation reaction
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Fumio Kumada
文雄 熊田
Yoshiaki Hirasawa
佳朗 平澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナフタレンあるいはナフタレンを主とする芳
香族炭化水素化合物との混合物を水素化してデカリンあ
るいはデカリンを主とするナフテン系炭化水素化合物と
の混合物を製造する効率的な方法を提供する。 【解決手段】 ナフタレンを水素化しデカリンを製造す
る方法において、一段目でテトラリンまで水素化し、未
反応のナフタレンを分離した後、テトラリンを水素化し
デカリンを製造する。ナフタレンと他の芳香族炭化水素
化合物との混合物を使用した場合は、一段目の反応生成
物からナフタレンを含む未反応原料を分離して二段目の
反応行い、デカリンと他のナフテン系炭化水素との混合
物が得られる。 【効果】ナフタレンを一段で完全水素化するよりも低圧
の温和な条件下、短時間の反応でデカリンを製造するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナフタレンあるい
はナフタレンを含有する芳香族炭化水素混合物の水素化
によるデカリンあるいはデカリンを含有するナフテン系
炭化水素混合物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用燃料電池の開発が急速に進む
中、燃料電池のエネルギー源である水素を自動車用に供
給する方法が大きな課題となっている。その中でデカリ
ンは、水素貯蔵媒体として注目されている。デカリンは
ナフタレンの水素化によって得られる。デカリンは燃料
電池中で水素供与体として容易に水素を発生してナフタ
レンとなる。ナフタレンは、次に再水素化工程によりデ
カリンにする。
【0003】ナフタレンの水素化反応は、古くから触媒
を用いた多くの研究がなされており、既に1927年
(J.Soc.Chem.Ind.,46,454)、1931年(Bull.Chem.S
oc.Japan,6,241)、1934年(Rec.trav.chim.,53,82
1)にニッケル触媒を用いて水素化が試みられている。
その後も水素化反応に有効な白金、ロジウム、パラジウ
ム等の貴金属系触媒や、コバルト・モリブデン、ニッケ
ル・モリブデン、ニッケル・タングステン等の硫化物触
媒が検討されている。さらにこれらの活性金属を担持す
る担体を変えることも試みられており、アルミナ、シリ
カ、シリカ・アルミナ、ゼオライト等が検討されてい
る。
【0004】「石油化学とその工業」(昭晃堂、196
5年、68−69ページ)に記述されているように、一
般に芳香族炭化水素の核水素化反応速度は芳香族環の数
が増すほど大きくなり、多環芳香族の最初の環が水素化
される速度は、ベンゼンの2−5倍である。そして、最
後の芳香族環の水素化速度は著しく遅くなる。例えばニ
ッケル触媒を用いた場合、ベンゼンの水素化反応速度1
に対し、ナフタレンからテトラリンの生成は3.14、
テトラリンからデカリンの生成は0.24と報告されて
いる。すなわち、ナフタレンの部分水素化反応によるテ
トラリン生成は速く、テトラリンの水素化によるデカリ
ン生成は著しく遅い。
【0005】水素化反応条件は、ナフタレンからデカリ
ンまでの完全水素化反応では圧力は5〜15MPaと高
く、触媒量も多く要し、反応時間もナフタレンからテト
ラリンまでの水素化の場合と比較して2〜10倍ほど長
いという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ナフタレンの完全水素
化反応は、非常に遅いため、高圧を必要とし、反応時間
も長時間であり、工業的に利用するには技術的・経済的
にも困難であった。 本発明の課題は、ナフタレンの水
素化によるデカリンの製造を比較的低圧の下で短時間で
行う方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、この課題を解
決するため鋭意研究した結果、反応を二段階に分け、中
間で未反応のナフタレンを分離することにより、本課題
を解決することができることを見出し、完成されたもの
である。
【0008】すなわち、本発明の第1は、ナフタレンを
水素化してデカリンを製造する方法において、一段目の
水素化反応によりテトラリンを生成し、反応生成物から
未反応のナフタレンを分離した後、二段目の水素化反応
によりテトラリンを水素化してデカリンを生成すること
を特徴とするデカリンの製造方法に関するものである。
【0009】本発明の第2は、本発明の第1において、
一段目および二段目の水素化反応を、反応圧力1〜5M
Paで行うことを特徴とするデカリンの製造方法に関す
るものである。
【0010】本発明の第3は、本発明の第1または第2
における一段目の水素化反応におけるナフタレンからテ
トラリンへの転化率が50%以上であることを特徴とす
るデカリンの製造方法に関するものである。
【0011】本発明の第4は、本発明の第1〜第3のい
ずれかにおいて、二段目の水素化反応への供給原料中の
ナフタレン濃度が、0.5mass%以下であることを
特徴とするデカリンの製造方法に関するものである。
【0012】本発明の第5は、本発明の第1〜第4のい
ずれかにおいて、一段目の水素化反応の供給原料がナフ
タレンを主成分として含有する芳香族炭化水素混合物で
あり、一段目の反応生成物からナフタレンおよび未反応
原料を分離し、二段目の水素化反応性生物としてデカリ
ンとナフテン系炭化水素との混合物を得ることを特徴と
するデカリンの製造方法に関するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において原料として使用す
るナフタレンは、ナフタレン単独あるいはナフタレンと
他の芳香族炭化水素の混合物が好ましく使用できる。ナ
フタレンを単独で使用する場合、その純度は通常90〜
98%であり、製造方法によって異なるが、他の成分と
して主にモノメチルナフタレンやジメチルナフタレンが
含まれる。ナフタレンと他の芳香族炭化水素の混合物も
好ましく使用できる。その場合のナフタレンの濃度は特
に制限がないが、濃度が低い場合は工業的にロスが多く
なるので、ナフタレンを主成分とする、ナフタレン濃度
が50%以上の原料を使用するのが好ましい。原料とし
て、水素化反応に悪影響を与えない範囲で芳香族炭化水
素以外の成分、例えばナフテン系炭化水素等、を含むも
のを適宜に使用することができる。水素化反応の発熱を
抑制する目的で他の溶剤を適宜使用することもできる。
【0014】本発明に使用できるナフタレンは、石炭コ
ークス炉から出る乾留油や石油系の接触改質油、流動接
触分解油、さらにはエチレン製造副産物のナフサ分解油
の中に含まれており、ベンゼン、アルキルベンゼン、ナ
フタレン、アルキルナフタレン、フェナントレン、アン
トラセン及び4環以上の多環芳香族からナフタレンもし
くはナフタレンと他の芳香族化合物との混合物を分離精
製して得ることができる。ナフタレンもしくはナフタレ
ンと他の芳香族化合物との混合物中には、原料によって
はベンゾチオフェン等の硫黄含有化合物、ピリジン等の
窒素を含む芳香族化合物、フェノール類等の酸素を含む
芳香族化合物等が不純物として含まれており、これらは
水素化触媒の触媒毒になるので、水素化精製プロセスを
用いて該不純物を除去することが好ましい。
【0015】該水素化精製プロセスは、当該業者には水
素化脱硫プロセスとも呼ばれ、非常に良く知られた方法
である。ナフタレンを含む留分は、比較的軽質であり、
水素化脱硫プロセスの中でも容易な反応とみなされる。
例えば、市販のニッケル・モリブデン、コバルト・モリ
ブデン等の脱硫触媒を用い、温度250〜350℃、圧
力1〜5MPa程度の比較的温和な条件で容易に不純物
を除去することができる。
【0016】一段目の水素化反応は、ナフタレンもしく
はナフタレンと他の芳香族炭化水素の混合物を部分水素
化して、部分水素化物を得ることを目的とするが、完全
水素化物の生成も一部生じることを妨げるものではな
い。一段目の水素化反応では、ナフタレンからテトラリ
ンへの転化率を50%以上にするのが好ましい。さらに
好ましくは転化率70%以上である。テトラリンへの転
化率が50%未満では水素化効率が悪い。転化率は高い
ほうが好ましいが、99.5%を越えると反応時間が著
しく長くなり好ましくない。転化率を95%以下にする
のがさらに好ましい。一段目の水素化反応の目的を達成
するように、一段目の水素化反応に使用する触媒および
反応条件を設定する。
【0017】本発明の一段目の水素化反応に使用する水
素化触媒は、市販または公知の各種水素化触媒を使用す
ることができる。特別な高活性触媒である必要はない。
例えばニッケル系、貴金属系、金属硫化物系の水素化触
媒を使用することができる。ニッケル系触媒では、日揮
化学(株)製 N113、N103等を使用することが
でき、貴金属系触媒ではPt、Pd、Rh、Ru、Ir
系の触媒が使用でき、エヌ・イー・ケムキャット(株)
製 Pt、Pd、Rh、Ru触媒等を使用することがで
き、金属硫化物系触媒では、NiW系触媒等を使用する
ことができる。一般にはニッケル系触媒や金属硫化物系
触媒の方が、貴金属系触媒より活性は低いが、価格が安
いためその分多く使用することができ、要求性能と価格
により、使用触媒は適宜選定される。触媒の担体は特に
限定されず、アルミナ、シリカ、活性炭等いかなるもの
でも使用できるが、中性の担体が好ましい。
【0018】本発明における一段目および二段目の水素
化反応は、流通式、バッチ式のいずれでも実施すること
ができる。いずれの方法でも、熱力学的平衡の制約か
ら、圧力と温度の関係がもっとも重要な因子であり、圧
力が高いほどかつ温度が低いほどテトラリンおよびデカ
リンの生成量は増加する。圧力については、高圧ほど加
圧費用が高くなるので、できる限り低圧に設定すること
が好ましい。
【0019】一段目の水素化反応を好ましくは1〜5M
Paの圧力下で実施し、テトラリンを主成分とする部分
水素化物を生成させる。なお、本発明では一段目の水素
化反応でデカリンが生成物に含まれていても問題ない。
一段で完全水素化をしてデカリンを製造することが理想
であるが、そのためには10MPaを越えかつ長時間の
反応が必要となるので経済上好ましくなく、本発明にお
いては、先ず一段目の反応で中間体であるテトラリンを
主体とする部分水素化物を製造すること目的としてい
る。
【0020】本発明の一段目の反応において5MPa以
下の圧力では実質的なデカリンの生成は見られず、5M
Paを越えるとデカリンも生成し始めるが、10MPa
以下ではデカリンの生成はわずかである。一段目の反応
において、完全水素化が容易に進行しない理由は明らか
でないが、ナフタレンやその他の原料成分による水素化
触媒の被毒等が考えられている。
【0021】一段目の水素化反応の他の条件として、反
応温度、反応時間、触媒量等がある。反応温度は通常1
00〜350℃の範囲が好ましい。温度が低いほどテト
ラリンの生成は増加するが、反応速度が低下するので1
00〜350℃の範囲において高活性触媒はより低温
で、低活性触媒はより高温で反応することができる。触
媒量及び反応時間は、触媒活性に依存し、転化率が好ま
しい範囲になるように決められるが、例えば、原料油1
00重量部に対し、触媒量が0.1〜10重量部で、反
応時間0.5〜10時間の範囲が適当である。一般には
触媒量が少ないほど反応が遅くなるので、反応時間は長
く、運転費用は増加する。ただし触媒が少ないほど触媒
費用が安くなるので、目的に応じて適当な範囲に選択す
ることができる。
【0022】一段目の水素化反応生成物は、ナフタレン
またはナフタレンと他の芳香族炭化水素の混合物の部分
水素化物および完全水素化物ならびに未反応原料を含ん
でいるが、これを二段目の水素化反応に供するには、ナ
フタレンを含む未反応成分を分離除去して、ナフタレン
濃度を0.5mass%以下にすることが好ましく、特
に好ましくは0.2mass%以下である。未反応のナ
フタレンおよび不純物は二段目のテトラリンの水素化反
応を抑制する作用があると考えられるので極力少ない方
が好ましい。未反応のナフタレンを含む未反応成分を分
離除去するとテトラリンの水素化反応が容易になる。そ
の理由は明白ではないが、二段目の反応ではナフタレン
またはナフタレン以外の不純物により触媒が被毒し、テ
トラリンの水素化反応の進行を妨げているものと推定し
ている。
【0023】該未反応のナフタレンを含む未反応成分の
分離、除去については、一段目の水素化反応生成物の主
成分であるテトラリンの沸点が207℃、ナフタレンの
沸点が218℃なので、通常は30〜100段程度の蒸
留塔により容易に両者を分離することができる。また、
凝固点がナフタレン80.3℃に対し、テトラリン−3
5.8℃と大きく違うので、冷却晶析や圧力晶析でナフ
タレンが先に結晶化するので、晶析分離を用いることも
できる。分離された未反応のナフタレンまたは未反応の
ナフタレンを含む未反応成分は、適宜一段目の反応原料
に再循環することができる。
【0024】一段目の水素化反応生成物からナフタレン
を分離除去したものを原料として、二段目の水素化反応
を行う。二段目の水素化反応ではテトラリンからデカリ
ンへの転化率は高ければ高いほど好ましく、95%以上
が好ましく、特に98%以上が好ましい。
【0025】一段目の水素化で水素化触媒の活性が低下
しているので二段目の水素化では、一段目で使用した水
素化触媒をそのまま使うのではなく、二段目の反応用に
別に用意した水素化触媒を使用することが好ましい。本
発明の二段目の水素化触媒も、公知または市販の各種水
素化触媒を使用することができ、通常の水素化触媒であ
ればよく、特別な高活性触媒を用いなくともよい。該水
素化触媒は例えばニッケル系、貴金属系、金属硫化物系
の水素化触媒を使用することができる。ニッケル系触媒
では、日揮化学(株)製 N113、N103等を使用
することができ、貴金属系触媒ではPt、Pd、Rh、
Ru、Ir系の触媒が使用でき、エヌ・イー・ケムキャ
ット(株)製 Pt、Pd、Rh、Ru触媒等を使用す
ることができ、金属硫化物系触媒では、NiW系触媒を
使用することができる。一般にはニッケル系触媒や金属
硫化物系触媒の方が、貴金属系触媒より活性は低いが、
価格が安いためその分多く使用することができ、要求性
能と価格により、使用触媒は適宜選定することができ
る。本発明の二段目の反応において触媒の担体は特に限
定されず、アルミナ、シリカ、活性炭等を使用すること
ができ、中性の担体が好ましい。
【0026】二段目の水素化反応も条件は一段目とほぼ
同じであるが、熱力学的平衡上さらに高圧、低温が望ま
しい。本発明では、テトラリン油の水素化反応を好まし
くは1〜5MPaの圧力下で実施することができる。反
応温度は通常100〜250℃の範囲である。温度が低
いほどデカリン生成は増加するが、反応速度が低下する
ので、100〜250℃の範囲において高活性触媒はよ
り低温で、低活性触媒はより高温で適宜反応させること
ができる。二段目の水素化反応の発熱抑制のために該生
成物の一部をリサイクル使用することもできる。あるい
は、発熱抑制の目的で他の溶剤を適宜使用することもで
きる。
【0027】触媒量及び反応時間は、生成物濃度が好ま
しい範囲になるように決められるが、例えば、原料油1
00重量部に対し、触媒量が0.1〜10重量部で、反
応時間0.5〜10時間の範囲が適当である。一般には
触媒量が少ないほど反応が遅くなるので、反応時間は長
く、運転費用は増加する。ただし触媒が少ないほど触媒
費用が安くなるので、目的に応じて適当な範囲に選択す
ることができる。
【0028】二段目の水素化反応により得られる生成物
の主成分は、二段目の水素化反応への供給原料組成に対
応して完全水素化物であるデカリンまたはデカリンと他
のナフテン系炭化水素の混合物である。この生成物はそ
のまま、またはデカリンを単離して、もしくはデカリン
と他のナフテン系炭化水素を分離取得して、燃料電池そ
の他の各種用途に使用できる。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ナフタレンの完
全水素化によりデカリンを製造するに際して、水素化反
応を2段に分割することにより、低圧の温和な条件のも
とで、短時間で進行することができるので効率的にデカ
リンを製造することができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例によって具体的に
説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものでは
ない。 (実施例1)一段目の水素化反応として、500mlの
圧力容器の中に、ナフタレン300ml、日揮化学N1
13触媒3gを充填し、水素圧力4MPa、温度200
℃の反応条件下、5時間保持した。途中水素の消費によ
り圧力が低下するので水素を補充し、圧力を一定に保っ
た。冷却後、生成油を取出し、組成をガスクロにより分
析した。生成油は、テトラリン85mass%、ナフタ
レン15mass%からなり、デカリン及び他の副生成
物は認められなかった。ナフタレンからテトラリンへの
転化率は、85%であった。次に生成油を30段の蒸留
塔を用いて蒸留した。留出油をガスクロで分析すると、
テトラリン99.8mass%、ナフタレン0.2ma
ss%で他の不純物は認められなかった。二段目の水素
化反応として、500mlの圧力容器の中に、留出油3
00ml、日揮化学N113触媒3gを充填し、水素圧
力4MPa、温度200℃の反応条件下、5時間保持し
た。途中水素の消費により圧力が低下するので水素を補
充し、圧力を一定に保った。冷却後、生成油を取出し、
組成をガスクロにより分析した。生成油は、デカリン9
8mass%、テトラリン2mass%からなり、他の
副生成物は認められなかった。テトラリンからデカリン
への転化率は98%であった。
【0031】(実施例2)一段目の水素化反応として、
500mlの圧力容器の中に、ナフタレン300ml、
5%Pt担持活性炭触媒2gを充填し、水素圧力2MP
a、温度200℃の反応条件下、6時間保持した。途中
水素の消費により圧力が低下するので水素を補充し、圧
力を一定に保った。冷却後、生成油を取出し、組成をガ
スクロにより分析した。生成油は、テトラリン93ma
ss%、ナフタレン7mass%からなり、デカリン及
び他の副生成物は認められなかった。ナフタレンからテ
トラリンへの転化率は、93%であった。次に生成油を
30段の蒸留塔を用いて蒸留した。留出油をガスクロで
分析すると、テトラリン99.9mass%、ナフタレ
ン0.1mass%で他の不純物は認められなかった。
二段目の水素化反応として、500mlの圧力容器の中
に、留出油300ml、5%Pt担持活性炭触媒2gを充
填し、水素圧力2MPa、温度200℃の反応条件下、
6時間保持した。途中水素の消費により圧力が低下する
ので水素を補充し、圧力を一定に保った。冷却後、生成
油を取出し、組成をガスクロにより分析した。生成油
は、デカリン99.5mass%、テトラリン0.5m
ass%からなり、他の副生成物は認められなかった。
テトラリンからデカリンへの転化率は99.5%であっ
た。
【0032】(比較例1)500mlの圧力容器の中
に、ナフタレン300ml、日揮化学N113触媒6g
を充填し、水素圧力4MPa、温度200℃の反応条件
下、20時間保持した。途中水素の消費により圧力が低
下するので水素を補充し、圧力を一定に保った。冷却
後、生成油を取出し、組成をガスクロにより分析した。
生成油は、テトラリン96mass%、ナフタレン0.
5mass%、デカリン3.5mass%からなり、デ
カリンの生成量はわずかであった。
【0033】(比較例2)一段目の水素化反応を、実施
例1と同様に実施した。次に生成油の蒸留を行わず、一
段目の生成油の再度の水素化反応を、実施例1の二段目
と同様に行った。冷却後、生成油を取出し、組成をガス
クロにより分析した。生成油は、テトラリン98mas
s%、ナフタレン1.5mass%、デカリン0.5m
ass%からなり、デカリンの生成は非常に微量であっ
た。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナフタレンを水素化してデカリンを製造
    する方法において、一段目の水素化反応によりテトラリ
    ンを生成し、反応生成物から未反応のナフタレンを分離
    した後、二段目の水素化反応によりテトラリンを水素化
    してデカリンを生成することを特徴とするデカリンの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 一段目および二段目の水素化反応を、反
    応圧力1〜5MPaで行うことを特徴とする請求項1記
    載のデカリンの製造方法。
  3. 【請求項3】 一段目の水素化反応におけるナフタレン
    からテトラリンへの転化率が50%以上であることを特
    徴とする請求項1または2記載のデカリンの製造方法。
  4. 【請求項4】 二段目の水素化反応への供給原料中のナ
    フタレン濃度が、0.5mass%以下であることを特
    徴とする請求項1から3のいずれかに記載のデカリンの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 一段目の水素化反応の供給原料がナフタ
    レンを主成分として含有する芳香族炭化水素混合物であ
    り、一段目の反応生成物からナフタレンおよび未反応原
    料を分離し、二段目の水素化反応性生物としてデカリン
    とナフテン系炭化水素との混合物を得ることを特徴とす
    る請求項1から4のいずれかに記載のデカリンの製造方
    法。
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