JP2003160422A - 歯科用材料および歯科用組成物 - Google Patents

歯科用材料および歯科用組成物

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JP2003160422A
JP2003160422A JP2001359401A JP2001359401A JP2003160422A JP 2003160422 A JP2003160422 A JP 2003160422A JP 2001359401 A JP2001359401 A JP 2001359401A JP 2001359401 A JP2001359401 A JP 2001359401A JP 2003160422 A JP2003160422 A JP 2003160422A
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dental
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bis
mass
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JP2001359401A
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English (en)
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Masatoshi Takagi
木 正 利 高
Masao Imai
井 雅 夫 今
Takahiro Fujiyama
山 高 広 藤
Atsuo Otsuji
辻 淳 夫 大
Shigemichi Honda
田 成 道 本
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Mitsui Chemicals Inc
Sun Medical Co Ltd
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Mitsui Chemicals Inc
Sun Medical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の歯科用材料は、下記式(1)で表
されるアクリル酸エステル化合物の少なくなくとも一種
を含有するものであり、歯科用組成物は、(A)重合性
化合物、(B)重合開始剤および(C)充填材を必須構
成成分とし、重合性化合物が下記式(1)で表されるア
クリル酸エステル化合物の少なくとも一種であることを
特徴としている。 【化1】 式(1)中、R1〜R4は水素原子またはアルキル基、R5
6は水素原子またはアルキル基、X1〜X4は、酸素原
子または硫黄原子、Y1〜Y2は単結合もしくは二価の有
機基を表す。 【効果】本発明の歯科用材料および歯科用組成物は、硬
化性(特に光硬化性)に優れ、歯科用材料に求められる
諸物性(例えば、曲げ強度、耐摩耗性、吸水率など)が
良好であり、かつ、高いX線造影性と透明性を兼ね備え
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯科用材料および歯科
用組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、組成物
の硬化性(特に、光硬化性)が良好で、透明性を有し、
審美性に優れ、かつ、高いX線造影性を有する硬化体を
形成することが可能な歯科用材料、歯科用組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】天然歯の齲蝕(虫歯)や破折等の充填ま
たは修復用、人工の歯冠と天然歯の接着用、人工歯冠
用、人工歯用または義歯床用に、ラジカル重合性を有す
る化合物を主成分として用いた有機系の歯科用材料、歯
科用組成物が実用化されている。特に、ラジカル重合性
を有する重合性化合物を主成分とするレジンマトリック
スおよび充填剤とからなるコンポジットレジンと呼ばれ
る歯科用材料は、天然歯に近い審美性、ならびに、短時
間での光照射で硬化が可能であるといった操作性の良さ
から、従来、使用されてきた金属材料(例えば、アマル
ガムなど)に代って、近年広く用いられている。
【0003】コンポジットレジンで使用される充填材と
しては、微粉砕された粉末状のシリカ、ガラスなどの無
機化合物のものが主に使用され、機械的強度等の諸物性
を向上させる効果を果たしているが、歯科治療において
はX線撮影によってその治療状態を確認することが多い
ことから、かかる充填材として、歯科治療の際にX線撮
影が可能となるように、X線造影性を有するバリウム、
ジルコニウム、ストロンチウム等の重金属元素を含有し
たガラスを粉砕した粉末(粉砕ガラス粉末)が用いられ
ている。従来、かかるガラス粉末としては、粒径が10
μm〜30μm程度のものが使用されてきたが、天然歯
と同様な表面艶が得られないために、近年では、平均粒
径が2μm以下に微粉砕されたガラス粉末を使用したコ
ンポジットレジン等が開発されている。例えば、特開平
5−194135号公報には、平均粒径が0.1〜5μ
mの粉砕ガラス粉末および/または平均粒径が0.01
〜0.04μmのシリカ微粒子等の無機化合物を使用す
ることが開示されている。このような微粉砕ガラス粉末
を使用したコンポジットレジンでは、従来の比較的粒径
の大きな粉砕ガラス粉末を用いたコンポジットレジンの
欠点とされてきた表面艶は向上するものの、透明性、光
硬化性およびX線造影性等に関して改善すべき点が残さ
れている。すなわち、例えば、平均粒径2μm以下に微
粉砕された充填材を均一に充填した歯科用組成物におい
てはレジンマトリックスと充填材との境界面の面積が飛
躍的に増大するため、その透明性を確保するために、充
填材と樹脂硬化物との屈折率を非常に近似させる必要が
あった。すなわち、屈折率差が生じると、本来、透明性
を有するべきコンポジットレジン自体が極度に白濁し不
透明となり、審美性が損なわれるという欠点となるため
である。
【0004】これまで歯科用途で多く使用されてきた、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通
称、ビスフェノールA)から誘導されるエポキシメタク
リレート化合物(以下、Bis−GMAと略する)等の
硬化物の屈折率は最大で1.55程度であり、それと近
似した屈折率を有する充填材との併用によって、歯科材
料、歯科用組成物の透明性を確保していた。しかしなが
ら、最近では、より高いX線造影性を有する材料が要求
されており、そのために充填材中の重金属元素の含有量
を増加させてX線造影性を高める方法が開発されてお
り、その結果、充填材の屈折率も高くなってきている。
このような高屈折率の充填材に適合して、透明性と審美
性を実現できる高い屈折率を有し、かつ、重合性(特
に、光硬化性)に優れ、歯科用材料または歯科用組成物
に要求される機械的強度、耐摩耗性、耐水性などの諸物
性が良好な重合性化合物の開発が強く要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、歯科
用材料または歯科用組成物における上記課題を解決し得
る、硬化性(特に光硬化性)に優れ、歯科用材料に求め
られる諸物性(例えば、曲げ強度、耐摩耗性、吸水率な
ど)が良好であり、かつ、高いX線造影性と透明性を兼
ね備えた歯科用材料および歯科用組成物を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく、鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明の歯科用材料は、 下記一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合
物の少なくなくとも一種を含有することを特徴としてい
る。
【0007】
【化3】
【0008】上記式(1)中、R1、R2、R3およびR4
は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表
し、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素原子または
アルキル基を表し、X1、X2、X3およびX4は、それぞ
れ独立に、酸素原子または硫黄原子を表し、Y1および
2は、それぞれ独立に、単結合または二価の有機基を
表す。
【0009】また、本発明の歯科用組成物は、(A)
重合性化合物、(B)重合開始剤および(C)充填材を
必須構成成分として含有する歯科用組成物において、重
合性化合物が上記一般式(1)で表されるアクリル酸エ
ステル化合物であることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の歯科用材料および
歯科用組成物について、具体的に説明する。本発明の歯
科用材料とは、下記の歯科用組成物を含む広く歯科治療
分野において使用される材料全般である。本発明の歯科
用組成物とは、必須構成成分として、重合性化合物の他
に、重合開始剤および充填剤を含有してなるものであ
り、これには重合、硬化を行う前の重合性組成物と、該
重合性組成物を重合、硬化して得られる硬化物が包含さ
れる。
【0011】本発明の歯科用材料は、一般式(1)で表
される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴と
する。以下、本発明の歯科用材料を構成する一般式
(1)で表されるアクリル酸エステル化合物について説
明する。本発明の歯科用材料を構成するアクリル酸エス
テル化合物は下記式(1)で表わすことができる。
【0012】
【化4】
【0013】上記一般式(1)において、置換基R1
2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子また
はアルキル基であり、好ましくは、水素原子または炭素
数1〜4のアルキル基である。かかる置換基基R1
2、R3およびR4の具体例としては、水素原子、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などが
例示される。
【0014】該置換基基R1、R2、R3およびR4とし
て、より好ましくは、水素原子またはメチル基であり、
水素原子が特に好ましい。一般式(1)において、R5
およびR6は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキ
ル基を表す。該置換基R5およびR6として、好ましく
は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、
より好ましくは、水素原子またはメチル基である。
【0015】一般式(1)において、X1、X2、X3
よびX4は、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子
であり、より好ましくは、酸素原子である。一般式
(1)において、Y1およびY2は、それぞれ独立に、単
結合または二価の有機基を表す。かかるY1およびY2
して、好ましくは、単結合または下記式(A)で表され
る基である。
【0016】
【化5】
【0017】上記式(A)おいて、Z1およびZ2は、そ
れぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキレン基を表し、X
5およびX6は、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原
子を表し、mは0〜3の整数を示す。一般式(1)にお
けるY1およびY2として、かかる式(A)で表される二
価の有機基中のX5側は、一般式(1)における(メ
タ)アクリロイル基のカルボニル炭素に結合する。ま
た、一方、式(A)で表される二価の有機基中のZ2
は基X2または基X4に結合する。
【0018】式(A)における、Z1およびZ2として、
好ましくは、メチレン基、1,2−エチレン基、トリメ
チレン基、プロピレン基、テトラメチレン基であり、よ
り好ましくは、1,2−エチレン基またはプロピレン基
であり、さらに好ましくは、1,2−エチレン基であ
る。上記式(A)における、X5およびX6として、好ま
しくは、酸素原子である。
【0019】上記式(A)におけるmは、好ましくは、
0〜2の整数であり、さらに好ましくは、0〜1の整数
であり、このmが0であることが特に好ましい。本発明
に係る一般式(1)で表される化合物として、好ましく
は、下記一般式(1−a)、(1−b)または一般式
(1−c)で表される化合物であり、より好ましくは、
下記一般式(1−a)または一般式(1−b)で表され
る化合物であり、式(1−a)で表される化合物は、特
に好ましい。
【0020】
【化6】
【0021】(上記一般式(1-a)〜(1-c)中、R1、R2
3、R4、R5、R6、X1、X2、X3、X4、Y1および
2は前記に同じ) 本発明の歯科用材料を構成する一般式(1)で表される
アクリル酸エステル化合物の具体例としては、以下に示
される化合物が例示されるが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。 アクリル、Z1、Z2の種類 4,4’−ビス(4−アクリロイルオキシフェニルオキ
シ)ジフェニルスルフォン、4,4’−ビス(4−アク
リロイルオキシメチルオキシフェニルオキシ)ジフェニ
ルスルフォン、4,4’−ビス[4−(2−アクリロイ
ルオキシエチルオキシ)フェニルオキシ]ジフェニルス
ルフォン、4,4’−ビス[4−(3−アクリロイルオ
キシプロピルオキシ)フェニルオキシ]ジフェニルスル
フォン、4,4’−ビス[4−(2−アクリロイルオキ
シプロピルオキシ)フェニルオキシ]ジフェニルスルフ
ォン、4,4’−ビス[4−(4−アクリロイルオキシ
ブチルオキシ)フェニルオキシ]ジフェニルスルフォ
ン、 アクリル、R1、R2の種類 4,4’−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエチル
オキシ)−3−メチルフェニルオキシ]ジフェニルスル
フォン、4,4’−ビス[4−(2−アクリロイルオキ
シエチルオキシ)−3−tert−ブチルフェニルオキ
シ]ジフェニルスルフォン、4,4’−ビス[4−(2
−アクリロイルオキシエチルオキシ)−2,5−ジメチ
ルフェニルオキシ]ジフェニルスルフォン、4,4’−
ビス[4−(2−アクリロイルオキシプロピルオキシ)
−3−メチルフェニルオキシ]ジフェニルスルフォン、 アクリル、アクリル含有基の置換位置 4,4’−ビス(3−アクリロイルオキシメチルオキシ
フェニルオキシ)ジフェニルスルフォン、4,4’−ビ
ス[3−(2−アクリロイルオキシエチルオキシ)フェ
ニルオキシ]ジフェニルスルフォン、4,4’−ビス
[3−(3−アクリロイルオキシプロピルオキシ)フェ
ニルオキシ]ジフェニルスルフォン、4,4’−ビス
[3−(2−アクリロイルオキシプロピルオキシ)フェ
ニルオキシ]ジフェニルスルフォン、4,4’−ビス
[3−(4−アクリロイルオキシブチルオキシ)フェニ
ルオキシ]ジフェニルスルフォン、 アクリル、アクリル含有基の置換位置、X1〜Y2の種類 4,4’−ビス[2−(2−アクリロイルオキシエチル
オキシ)フェニルオキシ]ジフェニルスルフォン、4,
4’−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエチルオキ
シ)フェニルチオ]ジフェニルスルフォン、4,4’−
ビス[3−(2−アクリロイルオキシエチルチオ)フェ
ニルチオ]ジフェニルスルフォン、4,4’−ビス[3
−(2−アクリロイルチオエチルチオ)フェニルチオ]
ジフェニルスルフォン、 メタアクリル、Z1、Z2の種類 4,4’−ビス(4−メタアクリロイルオキシフェニル
オキシ)ジフェニルスルフォン、4,4’−ビス(4−
メタアクリロイルオキシメチルオキシフェニルオキシ)
ジフェニルスルフォン、4,4’−ビス[4−(2−メ
タアクリロイルオキシエチルオキシ)フェニルオキシ]
ジフェニルスルフォン、4,4’−ビス[4−(3−メ
タアクリロイルオキシプロピルオキシ)フェニルオキ
シ]ジフェニルスルフォン、4,4’−ビス[4−(2
−メタアクリロイルオキシプロピルオキシ)フェニルオ
キシ]ジフェニルスルフォン、4,4’−ビス[4−
(4−メタアクリロイルオキシブチルオキシ)フェニル
オキシ]ジフェニルスルフォン、 メタアクリル、R1、R2の種類 4,4’−ビス[4−(2−メタアクリロイルオキシエ
チルオキシ)−3−メチルフェニルオキシ]ジフェニル
スルフォン、4,4’−ビス[4−(2−メタアクリロ
イルオキシエチルオキシ)−3−tert−ブチルフェ
ニルオキシ]ジフェニルスルフォン、4,4’−ビス
[4−(2−メタアクリロイルオキシエチルオキシ)−
2,5−ジメチルフェニルオキシ]ジフェニルスルフォ
ン、4,4’−ビス[4−(2−メタアクリロイルオキ
シプロピルオキシ)−3−メチルフェニルオキシ]ジフ
ェニルスルフォン、 メタアクリル、メタアクリル含有基の置換位置 4,4’−ビス(3−メタアクリロイルオキシメチルオ
キシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン、4,4’
−ビス[3−(2−メタアクリロイルオキシエチルオキ
シ)フェニルオキシ]ジフェニルスルフォン、4,4’
−ビス[3−(3−メタアクリロイルオキシプロピルオ
キシ)フェニルオキシ]ジフェニルスルフォン、4,
4’−ビス[3−(2−メタアクリロイルオキシプロピ
ルオキシ)フェニルオキシ]ジフェニルスルフォン、
4,4’−ビス[3−(4−メタアクリロイルオキシブ
チルオキシ)フェニルオキシ]ジフェニルスルフォン、 メタアクリル、メタアクリル含有基の置換位置、X1
2の種類 4,4’−ビス[2−(2−メタアクリロイルオキシエ
チルオキシ)フェニルオキシ]ジフェニルスルフォン、
4,4’−ビス[4−(2−メタアクリロイルオキシエ
チルオキシ)フェニルチオ]ジフェニルスルフォン、
4,4’−ビス[3−(2−メタアクリロイルオキシエ
チルチオ)フェニルチオ]ジフェニルスルフォン、4,
4’−ビス[3−(2−メタアクリロイルチオエチルチ
オ)フェニルチオ]ジフェニルスルフォン。
【0022】本発明の歯科用材料を構成する一般式
(1)で表されるアクリル酸エステル化合物は、下記一
般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物を原料化合物
として、反応それ自体は公知である各種(メタ)アクリ
ル酸エステル化法によって製造される。すなわち、下記
一般式(2)で表される化合物に対して、(メタ)ア
クリル酸類を反応させる方法;ハロプロピオン酸化合
物(例えば、3−クロロプロピオン酸、3−ブロモプロ
ピオン酸、3−クロロ−2−メチルプロピオン酸、3−
ブロモ−2−メチルプロピオン酸など)またはその酸ハ
ロゲン化物を反応させ、ハロプロピオン酸エステル化合
物とした後、脱ハロゲン化水素して、(メタ)アクリル
酸エステル化する方法;などを代表的な具体例とする公
知の各種エステル化法によって、一般式(1)で表され
るアクリル酸エステル化合物は、好適に製造される。
【0023】
【化7】
【0024】(上記一般式(2)中、R1、R2、R3
4、X1、X2、X3、X4、Y1およびY2は前記に同
じ) 一般式(2)で表される化合物のうち、Y1およびY2
単結合である化合物は、例えば、英国特許121470
0号、特開平5−50760号公報、特開平8−169
180号公報、特開平7−309830号公報などに記
載の方法等によって製造される。
【0025】また、一般式(2)において、Y1および
2が式(A)で表される基である化合物は、一般式
(2)で表される化合物の中でY1およびY2が単結合で
ある化合物を原料化合物として用いて、公知の各種オキ
シ(またはメルカプト)アルキレン化方法、すなわち、
例えば、触媒の存在下に、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート、エチレンオキシド、プロピレンオ
キシド、ヒドロキシアルキルハライド(例えば、2−ク
ロロエタノール、2−ブロモエタノール、2−クロロプ
ロパノール、2−ブロモプロパノール、3−クロロプロ
パノール、3−ブロモプロパノールなど)、メルカプト
アルキルハライド(例えば、2−メルカプトエタノール
など)を作用させてオキシ(またはメルカプト)アルキ
レン化する方法などにより製造される。
【0026】以下、上記一般式(2)で表される化合物
と(メタ)アクリル酸類[例えば、(メタ)アクリル
酸、そのエステル誘導体またはその酸ハロゲン化物な
ど]を反応させる方法について、前述の方法の中から
代表的な例を詳しく述べる。かかる方法としては、各種
エステル化反応として公知の方法、例えば、実験化学講
座(日本化学会編)19,471〜482頁(1957
年)、Journal of Organic Chemistry, 45巻,53
64頁(1980年)、European Polymer Journal,
19巻,399頁(1983年)などに記載の方法が挙
げられる。
【0027】すなわち、例えば、(−a)撹拌下、塩
基の存在下、上記一般式(2)で表される化合物に対し
て、(メタ)アクリル酸の酸ハロゲン化物を滴下するな
どの操作を行いながら作用させる方法、あるいは、(
−b)触媒(酸触媒あるいは塩基触媒)の存在下、上記
一般式(2)で表される化合物と(メタ)アクリル酸エ
ステル誘導体[例えば、(メタ)アクリル酸メチルエス
テル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)ア
クリル酸ブチルエステルなどの(メタ)アクリル酸アル
キルエステルなど]とのエステル交換反応を行う方法等
が例示される。
【0028】これらの方法の中でも、所望のエステル化
反応の副反応の進行を抑制するために、比較的低い温度
で反応を行うことのできる前者(−a)の方法が、よ
り好ましい。上記反応の際、上記一般式(2)で表され
る化合物に対して作用させる(メタ)アクリル酸類[例
えば、(メタ)アクリル酸、そのエステル誘導体または
その酸ハロゲン化物など]の使用量は、特に制限するも
のではないが、通常、該化合物 1モルに対して、0.1
〜5モルであり、好ましくは、0.25〜2.5モルで
あり、より好ましくは、0.5〜1.5モルある。
【0029】反応は、無溶媒で行ってもよく、あるい
は、反応に対して不活性溶媒中で行ってもよい。かかる
溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、ベンゼンまたは
トルエン等の炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチル
ケトンまたはメチルイソブチルケトン等のケトン系溶
媒、酢酸エチルまたは酢酸ブチル等のエステル系溶媒、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサ
ン等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンまたはパーク
レン等のハロゲン系溶媒;アセトニトリル、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルイミダゾリジノン等の極性溶媒などが
挙げられる。これらの溶媒は2種類以上を併用しても差
し支えない。
【0030】反応温度は特に制限はないが、原料の前記
(メタ)アクリル酸類または反応生成物の一般式(1)
で表されるアクリル酸エステル化合物が重合しない温度
であり、通常、−78〜150℃の範囲であり、好まし
くは、−20〜120℃であり、より好ましくは、−1
0〜100℃であり、さらに好ましくは、0〜50℃で
ある。
【0031】反応時間は反応温度に依存し、特に制限す
るものではないが、通常、数分〜100時間であり、好
ましくは、30分〜50時間であり、より好ましくは、
1〜20時間である。また、公知の分析手段(例えば、
液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、I
Rなど)により反応率(原料化合物の消費率)を確認し
ながら、任意の反応率で反応を停止することも可能であ
る。
【0032】上記一般式(2)で表される化合物と(メ
タ)アクリル酸の酸ハロゲン化物との反応によって、本
発明の一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合
物を製造する際には、例えば、反応系に不活性ガス(例
えば、窒素、アルゴンなど)を導入する方法などによっ
て、副生するハロゲン化水素(例えば、塩化水素など)
を反応系外に除去しながら行ってもよく、あるいは、脱
ハロゲン化水素剤を使用してもよい。
【0033】かかる脱ハロゲン化水素剤としては、例え
ば、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ジメチル
アニリン、ジエチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DB
U)等の有機塩基、あるいは、炭酸水素ナトリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化マ
グネシウムなどの無機塩基等が用いられる。
【0034】かかる脱ハロゲン化水素剤の使用量として
は、特に制限はないが、上記一般式(2)で表される化
合物1モルに対して、0.05〜10モルであり、好ま
しくは、0.1〜5モルであり、より好ましくは、0.
5〜3モルである。一般式(1)においてX3、X4(ま
たはX5)が硫黄原子であるアクリル酸エステル化合物
を製造する方法として、前記の方法はより好ましい。
【0035】前記一般式(2)においてX3、X4(また
はX5)が硫黄原子である含硫化合物と、ハロプロピオ
ン酸類またはその酸ハロゲン化物とを反応させて、ハロ
プロピオン酸エステル化合物とした後、脱ハロゲン化水
素して、一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化
合物を製造する方法としては、例えば、特開平10−6
7736号公報などに記載の方法等が例示される。
【0036】上記の一般式(1)で表されるアクリル酸
エステル化合物を含有する本発明の歯科用材料または歯
科用組成物において、一般式(1)で表される化合物
は、単独で用いられてもよく、あるいは、一般式(1)
で表される化合物であって互いに異なる複数(2種類以
上)が併用されても差し支えない。本発明の歯科用材料
または歯科用組成物においては、一般式(1)で表され
るアクリル酸エステル化合物は、特にその状態に関して
限定されるものではないが、歯科用材料または歯科用組
成物を調製する際に他の成分または添加剤を容易に溶解
できるなどの操作性等の観点から、室温(25℃)付近
で液体であることが好ましい。
【0037】一般式(1)で表されるアクリル酸エステ
ル化合物の粘度(使用時における粘度、一般には室温=
25℃における粘度)として、特に制限するものではな
いが、通常、100〜1000000cps(mPa・
s)であり、好ましくは、100〜1000000cp
s(mPa・s)であり、より好ましくは、1000〜
100000cps(mPa・s)である。
【0038】室温(25℃)で液体であって、前記の粘
度を有する該化合物は、重合、硬化していない状態の重
合性化合物(重合性モノマー)として単独で歯科用材料
に好適に使用される。しかしながら、一般式(1)で表
されるアクリル化合物が、室温(25℃)付近で固体で
あっても他の液状の重合性化合物と併用したり、加熱し
て溶融させて使用したりする等の方法によって、使用可
能である。
【0039】一般式(1)で表されるアクリル酸エステ
ル化合物の、20℃における重合前の状態での屈折率
は、1.53〜1.68であることが好ましく、より好
ましくは、1.55〜1.67であり、さらに好ましく
は、1.56〜1.65である。また、一般式(1)で
表される化合物を重合、硬化して得られる硬化物の20
℃における屈折率は、1.53〜1.68であることが
好ましく、より好ましくは、1.55〜1.67であ
り、さらに好ましくは、1.56〜1.65である。
【0040】本発明の歯科用組成物は、(A)重合性化
合物、(B)重合開始剤、(C)充填材を必須構成成分
として含有してなる組成物において、該重合性化合物と
して、上述の一般式(1)で表されるアクリル酸エステ
ル化合物を含有することを特徴とする。本発明の歯科用
材料または歯科用組成物において使用される重合開始剤
としては、特に限定されるものではなく、公知の各種重
合開始剤(例えば、熱重合開始剤、常温重合開始剤また
は光重合開始剤など)が好適に使用される。
【0041】該熱重合開始剤として、例えば、有機過酸
化物、ジアゾ系化合物などが挙げられる。これらの熱重
合開始剤の中で有機過酸化物として、例えば、ジアセチ
ルパ−オキサイド、ジイソブチルパーオキサイド、ジデ
カノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、
スクシン酸パーオキサイドなどのジアシルパーオキサイ
ド類;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−
2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジアリ
ルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボ
ネート類; tert−ブチルパーオキシイソブチレー
ト、tert−ブチルネオデカネート、クメンパーオキ
シネオデカネートなどのパーオキシエステル類; アセ
チルシクロヘキシルスルホニルパーオキシドなどの過酸
化スルホネート類等が挙げられる。
【0042】ジアゾ系化合物としては、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シ
アノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−
2,4−ジメトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾ
ビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)などを挙
げることができる。重合が短時間で行える等の利点か
ら、80℃での分解半減期が10時間以下である化合物
は好ましく、上記化合物の中でも、ベンゾイルパ−オキ
サイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルは、よ
り好ましい化合物である。
【0043】常温重合開始剤としては、例えば、熱重合
開始剤と還元性化合物とを組合せて作用させることによ
って常温で重合を開始する、いわゆるレドックス系重合
開始剤、ならびに、単独で重合可能なトリアルキルホウ
素誘導体などが、代表的な具体例として挙げられる。該
レドックス系重合開始剤として、特に限定はなく、公知
の熱重合開始剤と還元性化合物が使用される。
【0044】該レドックス系重合開始剤として使用され
る還元性化合物として、例えば、N,N−ジメチルアニ
リン、p−N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,
N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−トル
イジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−
ジヒドロキシ−p−トルイジン、N,N−ジメチル−p
−tert−ブチルアニリン、N,N−ジメチルアニシ
ジン、N,N−ジエチル−p−クロルアニリン、p−
N,N−ジメチルアミノ安息香酸、p−N,N−ジメチ
ルアミノ安息香酸メチル、p−N,N−ジエチルアミノ
安息香酸メチル、p−N,N−ジエチルアミノ安息香
酸、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−
N,N−ジエチルアミノ安息香酸エチル、p−N,N−
ジメチルアミノ安息香酸2−n−ブトキシエチル、p−
N,N−ジエチルアミノ安息香酸2−n−ブトキシエチ
ル、p−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p
−N,N−ジメチルアミノベンゾニトリル、p−N,N
−ジエチルアミノベンゾニトリル、p−ジメチルアミノ
フェネチルアルコ−ル、N,N−ジメチルアミノエチル
メタクリレート、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、トリプロピルアミン、N−エチルエタノールアミ
ン、N−フェニルグリシン、N−トリルグリシン、N−
(3−メタアクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピ
ル)フェニルグリシンなどのアミン化合物;ベンゼンス
ルフィン酸、o−トルエンスルフィン酸、p−トルエン
スルフィン酸、エチルベンゼンスルフィン酸、デシルベ
ンゼンスルフィン酸、ドデシルベンゼンスルフィン酸、
クロルベンゼンスルフィン酸などの芳香族スルフィン酸
またはその塩類;5−ブチルアミノバルビツール酸、1
−ベンジル−5−フェニルバルビツ−ル酸などのバルビ
ツール酸誘導体;亜硫酸、重亜硫酸、メタ亜硫酸、メタ
重亜硫酸、ピロ亜硫酸、チオ硫酸、1亜2チオン酸、次
亜硫酸、ヒドロ亜硫酸およびこれらの塩類(例えば、ナ
トリウム塩、カリウム塩、水素ナトリウム塩、水素カリ
ウム塩など);等の有機または無機化合物が例示され
る。
【0045】また、前述の単独の常温重合開始剤として
は、例えば、トリプロピルホウ素、トリ−n−ブチルホ
ウ素、トリイソプロピルホウ素、トリ−n−ブチルホウ
素、トリ−n−アミルホウ素、トリイソアミルホウ素、
トリ−sec−アミルホウ素またはこれらの一部が部分
酸化されたトリアルキルホウ素酸化物などが挙げられ
る。
【0046】光重合開始剤は、可視光あるいは紫外線光
の照射で励起されて重合を開始する化合物であり、例え
ば、ベンジル、カンファーキノン、α−ナフチル、p,p'
−ジメトキシベンジル、ペンタジオン、1,4−フェナ
ントレンキノン、ナフトキノン、トリメチルベンゾイル
ジフェニルフォスフィンオキシドなどのα−ジケトン化
合物類またはリン原子含有化合物などが例示される。
【0047】これらの化合物は単独で使用されてもよ
く、あるいは、2種類以上を混合して使用されても差し
支えない。これら化合物の中でも、カンファーキノンお
よびトリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキ
シドは、好ましい化合物である。重合開始剤として光重
合型開始剤を使用する場合に重合性を向上させる目的
で、光重合促進剤と組合わせて使用することは好ましい
ことである。
【0048】かかる光重合促進剤としては、前述したよ
うなレドックス系重合開始剤で用いられる還元性化合物
(例えば、アミン化合物、芳香族スルフィン酸またはそ
の塩類、バルビツール酸誘導体など)が使用される。こ
れらの化合物を光重合促進剤として使用する際には、単
独で使用してもよく、あるいは、2種類以上を混合して
使用しても差し支えない。
【0049】これら化合物の中でも光重合促進剤とし
て、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−
N,N−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p−N,N−
ジメチルアミノ安息香酸2−n−ブトキシエチル、N,
N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどは、好ま
しい化合物である。光重合開始剤と光重合促進剤を併用
する組み合わせの中でも、例えば、光重合開始剤とし
て、カンファーキノンまたはトリメチルベンゾイルジフ
ェニルフォスフィンオキシドを使用し、光重合促進剤と
して、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルまた
はp−N,N−ジメチルアミノ安息香酸2−n−ブトキ
シエチルを使用する組み合わせは、さらに好ましい。
【0050】これらの重合開始剤の使用量は、特に限定
するものではないが、通常、重合性化合物100質量部
に対して、0.001〜10質量部であり、好ましくは
0.001〜5質量部であり、より好ましくは、0.0
05〜2質量部である。本発明の歯科用組成物に必須構
成成分として含まれる充填材は、機械的強度の確保、光
透過性の向上、X線造影性の付与、重合収縮の低減など
の目的で添加される。本発明に使用される充填材として
は、特に限定するものではなく、通常、公知の無機質ま
たは有機質充填材が使用される。
【0051】かかる無機充填材として、例えば、周期律
第I、II、III、IV族、遷移金属またはこれらの酸化物、
塩化物、亜硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸、あるい
は、これらの混合物が挙げられる。より具体的には、例
えば、二酸化ケイ素、ランタンガラス、バリウムガラ
ス、ストロンチウムガラスなどのガラス粉末;石英粉
末;硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、バ
リウム塩、ガラスビーズ、ガラス繊維、フッ化バリウ
ム、鉛塩、タルクを含有するガラスフィラー;シリカゲ
ル、コロイダルシリカ、ジルコニウム酸化物、スズ酸化
物、炭素繊維、その他セラミックス粉末などが挙げられ
る。また無機充填材の中でも、カチオン溶出性の充填材
として、例えば、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチ
ウムなどの水酸化物; 酸化亜鉛、ケイ酸塩ガラス、フ
ルオロアルミノシリケートガラス等の酸化物などの無機
化合物が挙げられる。
【0052】有機充填材として、例えば、ポリメチルメ
タアクリレート、ポリエチルメタアクリレート、ポリメ
チルメタアクリレート−ポリエチルメタアクリレート共
重合体、架橋型ポリメチルメタアクリレート、架橋型ポ
リエチルメタアクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリ
ル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−
ブタジエン共重合体等が挙げられる。これらは、単独で
使用されてもよく、または、二種類以上を併用してもよ
い。
【0053】これらのほかに本発明に使用される充填材
として、前記無機質充填材に重合性化合物を添加してペ
ースト状にした後、重合された後で粉砕して得られる有
機−無機複合充填材が挙げられ、好適に使用される。こ
れらの充填材の中でも、無機質充填材は好ましく、前述
したような各種ガラスを微粉砕して得られるガラス粉末
は、より好ましい。
【0054】本発明において使用される充填材は、一般
に、臨床治療においては充填物の存在がX線写真で明瞭
に確認できることが重要であるため、X線造影性を有す
ることが好ましい。ガラス粉末にX線造影性を付与する
ためには、ガラス構成元素として、通常バリウム、スト
ロンチウム、ジルコニウム、ビスマス、タングステン、
ゲルマニウム、モリブデン、ランタニド等のX線造影性
を有する元素(重金属元素)が添加される。
【0055】充填材の粒径、形状に、特に制限はなく、
充填材の平均粒子径は、通常、0.01〜100μmで
あり、好ましくは、0.01〜50μmであり、より好
ましくは、0.01〜10μmであり、さらに好ましく
は、0.1〜3μmである。また、充填材の屈折率は
1.53〜1.67であり、より好ましくは、1.55
〜1.65であり、さらに好ましくは、1.57〜1.
65である。
【0056】本発明で使用される充填材としては、重合
性化合物の硬化物(レジンマトリックス)の屈折率との
屈折率の差が0.05以下である充填材が好ましく、該
屈折率の差が0.02以下である充填材がより好まし
い。本発明の歯科用材料または歯科用組成物において含
まれる充填材の含有量は、重合性単量体100質量部に
対して、通常、5〜2000質量部であり、好ましく
は、100〜1000質量部であり、より好ましくは、
100〜700質量部である。
【0057】本発明の歯科用材料または歯科用組成物
は、必須構成成分の一つである重合性化合物として、一
般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物を含有
する他に、本発明の所望の効果を損なわない程度で、一
般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物以外の
他の重合性化合物を含有してもよい。かかる重合性化合
物としては、特に限定されるものではなく、歯科用材料
分野で使用されている各種公知の重合性化合物(重合性
モノマーまたは重合性オリゴマーなど)が使用される。
【0058】一般式(1)で表されるアクリル酸エステ
ル化合物以外の他の重合性化合物として、重合性、硬化
性などを考慮すると、好ましくは、(メタ)アクリル酸
エステル化合物または(メタ)アクリル酸アミド化合物
である。低毒性で重合が速やかに達成され、加水分解を
受けにくく、製造が比較的容易である(メタ)アクリル
酸エステル化合物は、より好ましい化合物である。
【0059】かかる(メタ)アクリル酸エステル化合物
としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル
(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレー
ト化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−または3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒ
ドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、1,2−また
は1,3−ジヒドロキシプロピルモノ(メタ)アクリレ
ート、エリスリトールモノ(メタ)アクリレート等のヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレート化合物;ジエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート化合物;エチレン
グリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、
エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチル
エーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリ
レート等の(ポリ)グリコールモノアルキルエーテル
(メタ)アクリレート;パーフルオロオクチル(メタ)
アクリレート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレ
ート等の(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステル
化合物;γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリ(ト
リメチルシロキシ)シラン等の(メタ)アクリロキシア
ルキル基を有するシラン化合物;β−メタクリロイルオ
キシエチルハイドロジェンフタレート、β−メタクリロ
イルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、β−メ
タクリロイルオキシエチルマレエート等のカルボン酸含
有(メタ)アクリレート化合物;3−クロロ−2−ヒド
ロキシプロピルメタクリレートなどのハロゲン含有(メ
タ)アクリレート、ならびに、テトラフルフリル(メ
タ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレ
ート化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジ(メタ)アクリレート、へキシレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリメチロープロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート等のアルカンポリオールのポリ
(メタ)アクリレート化合物;ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト等のポリオキシアルカンポリオールポリ(メタ)アク
リレート化合物;下記式で表わされる脂肪族、脂環族ま
たは芳香族の(メタ)アクリレート化合物;
【0060】
【化8】
【0061】(ただし、上記式(b)において、R11
水素原子またはメチル基を示し、mおよびnは0または
正の整数を示し、R12は単結合または二価の有機基であ
る。) 下記式で表される脂環族または芳香族エポキシジ(メ
タ)アクリレート;
【0062】
【化9】
【0063】(上記式(c)において、R13は水素原子
またはメチル基を示し、nは0または正の数を示し、R
14は単結合または二価の有機基である) さらに、下記式で表される分子内にウレタン結合を有す
る(メタ)アクリレート化合物;
【0064】
【化10】
【0065】(上記式(d)において、R15は水素原子
またはメチル基を表し、R16は、単結合または二価の有
機基を表す)などの単官能もしくは多官能(メタ)アク
リル酸エステル化合物が例示される。上記式(b)また
は(c)における、二価の有機基R12およびR14はそれ
ぞれ独立に、
【0066】
【化11】
【0067】を表す。また前式(d)における、二価の
有機連結基R16は、
【0068】
【化12】
【0069】を表す。上記重合性化合物の例示中、メチ
ルメタクリレート、エチルメタアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテルメタクリレート、テトラエチレングリ
コールモノメチルエーテルメタクリレート、エチレング
リコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジ
メタクリレートまたは下記式で表される化合物は、さら
に好ましい。
【0070】
【化13】
【0071】(上記式において、R17は水素原子または
メチル基を表し、m+nは平均2.6である)
【0072】
【化14】
【0073】(上記式において、R17は水素原子または
メチル基を表す)
【0074】
【化15】
【0075】(上記式において、R17は水素原子または
メチル基を表す) さらに本発明の歯科用材料または歯科用組成物は、上記
の公知の重合性化合物の他に、歯質などへの接着性を付
与させることを目的に添加する酸性基含有モノマーなど
を含有してもよい。かかる酸性基含有の重合性モノマー
としては、1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基
を有するモノマーとしては、モノカルボン酸、ジカルボ
ン酸、トリカルボン酸およびテトラカルボン酸またはこ
れらの誘導体を挙げることができる。
【0076】例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、
p−ビニル安息香酸、11−(メタ)アクリロイルオキ
シ−1,1−ウンデカンジカルボン酸(MAC−1
0)、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルピ
ロメリット酸、6−(メタ)アクリロイルオキシエチル
ナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸、4−(メタ)
アクリロイルオキシメチルトリメリット酸およびその無
水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリ
ット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロイルオ
キシブチルトリメリット酸およびその無水物、4−[2
−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ]ブチ
ルトリメリット酸およびその無水物、2,3−ビス
(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピル
(メタ)アクリレート、N-o-ジ(メタ)アクリロイル
オキシチロシン、o-(メタ)アクリロイルオキシチロ
シン、N−(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N−
(メタ)アクリロイルオキシフェニルアラニン、N−
(メタ)アクリロイル−p−アミノ安息香酸、N−(メ
タ)アクリロイル−o−アミノ安息香酸、N−(メタ)
アクリロイル5−アミノサリチル酸、N−(メタ)アク
リロイル4−アミノサリチル酸、2または3または4−
(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレートとピロメリット酸二無水物
の付加生成物(PMDM)、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートと無水マレイン酸または3,3',4,
4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BT
DA)または3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物の付加反応物、2−(3,4−ジカルボキ
シベンゾイルオキシ)1,3−ジ(メタ)アクリロイル
オキシプロパン、N−フェニルグリシンまたはN−トリ
ルグリシンとグリシジル(メタ)アクリレートとの付加
物、4−[(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピル)アミノ]フタル酸、3または4−
[N−メチル-N−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸などを挙
げることができる。
【0077】また、1分子中に少なくとも1個のリン酸
基を有するモノマーとしては、例えば2−(メタ)アク
リロイルオキシエチルアシドホスフェート、2および3
−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシドホスフェ
ート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルアシドホ
スフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル
アシドホスフェート、8−(メタ)アクリロイルオキシ
オクチルアシドホスフェート、10−(メタ)アクリロ
イルオキシデシルアシドホスフェート、12−(メタ)
アクリロイルオキシドデシルアシドホスフェート、ビス
{2−(メタ)アクリロイルオキシエチル}アシドホス
フェート、ビス{2または3−(メタ)アクリロイルオ
キシプロピル}アシドホスフェート、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチルフェニルアシドホスフェート、2
−(メタ)アクリロイルオキシエチルp−メトキシフェ
ニルアシドホスフェートなどを挙げることができる。こ
れらの化合物におけるリン酸基は、チオリン酸基に置き
換えることができる。
【0078】また、1分子中に少なくとも1個のスルホ
ン酸基を有するモノマーとして、例えば2−スルホエチ
ル(メタ)アクリレート、2−スルホ−1−プロピル
(メタ)アクリレートまたは1−スルホ−2−プロピル
(メタ)アクリレート、1−スルホ−2−ブチル(メ
タ)アクリレート、または3−スルホ−2−ブチル(メ
タ)アクリレート、3−ブロモ−2−スルホ−2−プロ
ピル(メタ)アクリレート、3−メトキシ−1−スルホ
−2−プロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチ
ル−2−スルホエチル(メタ)アクリルアミドなどを挙
げることができる。
【0079】また、酸性基を含有する重合性化合物とし
ては、11−メタクリロイルオキシ−1,1−ウンデカ
ンジカルボン酸、4−メタクリロイルオキシエチルトリ
メリット酸無水物、N−メタクリロイル5−アミノサリ
チル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニ
ルアシドホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオ
キシデシルアシドホスフェート、2−メチル−2−(メ
タ)アクリルアミドプロパンスルホン酸等が特に好まし
く用いられる。
【0080】このような酸性基含有モノマーは、本発明
の歯科用組成物中の重合性化合物100質量部に対し
て、通常は0.01〜100質量部の範囲で使用され、
好ましくは、0.1〜50質量部、より好ましくは、
0.5〜20質量部、さらに好ましくは、1〜10質量
部の範囲内の量で使用される。本発明の歯科用組成物に
おいては、一般式(1)で表されるアクリル酸エステル
化合物と前記の公知の重合性化合物との混合物を重合、
硬化させて得られる硬化体の屈折率と、充填材の屈折率
との差が、通常、0.05以下になるよう調製して使用
し、好ましくは、該屈折率差が0〜0.02の範囲内で
あり、より好ましくは、0〜0.02の範囲である。
【0081】本発明の歯科用組成物中における必須構成
成分である重合性化合物の含有量は、歯科用組成物の総
重量中、5〜50質量%の範囲内にあることが好まし
く、より好ましくは、10〜30質量%の範囲内であ
る。本発明の歯科用組成物は、必須構成成分として一般
式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物などの重合
性化合物、充填材、ならびに、重合開始剤を含有してい
るが、所望の効果を損なわない限りにおいて、公知の各
種添加剤を含有していてもよい。かかる添加剤として、
例えば、顔料、染料、安定剤、ポリマー粉末、紫外線吸
収剤、重合禁止剤、酸化防止剤、溶媒(例えば、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、トルエン、ジクロロメタン、
メタノール、エタノール、酢酸エチル、水など)、増粘
剤(例えば、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチル
セルロース、ポリビニルアルコールなど)、殺菌剤、消
毒剤、安定化剤、保存剤等が挙げられる。
【0082】本発明の歯科用組成物の製造方法として、
例えば、歯科修復用のコンポジットレジンでは、重合性
化合物として一般式(1)で表されるアクリル酸エステ
ル化合物、重合開始剤、充填材、さらに所望に応じて一
般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物以外の
他の重合性化合物を、所定量秤取り、これらを混合、混
錬してペースト状の組成物を調製する方法などが挙げら
れる。
【0083】重合性化合物を使用する際に不溶物または
異物を除去するために、重合前に濾過などの操作によっ
て精製することは、好ましいことである。また、硬化物
中での気泡の生成を防止する目的で、該組成物を減圧下
で充分に脱気、脱泡することは好ましい。本発明の歯科
用組成物の使用法として、例えば、歯科修復用のコンポ
ジットレジンでは、上記の方法で製造されたペースト状
の組成物を、直接患者の窩洞内に充填して歯科治療に用
いられる照射光を照射することにより硬化される方法、
成形されるべき歯冠がインレーやクラウンの場合には、
患者の口腔内印象から作成された窩洞歯、支台歯の模型
上に、上記ワンペースト状の組成物を、歯冠形態を再現
するように築盛した後、同様に活性光線を照射すること
により硬化する方法が例示される。
【0084】本発明の歯科用組成物の重合、硬化は、紫
外線または可視光線などの活性光線の照射により、好適
に実施される。活性光線の光源として、例えば、蛍光
灯、各種水銀灯、キセノンランプ、タングステンラン
プ、ハロゲンランプまたは太陽光などが使用される。活
性光線の照射時間は、活性光線の波長、強度、充填時の
歯科用組成物の形状などにも影響されるので、特に限定
するものではないが、通常、1秒〜5分である。
【0085】重合、硬化の際の温度は、通常0〜100
℃、好ましくは5〜60℃の範囲である。重合、硬化
は、歯科治療面での都合および患者への影響、負担など
考慮して、常温付近(20〜40℃)で、なるべく短時
間で完了するのが好ましく、特に1〜30分間で終了さ
せるように、組成を調整してもよい。本発明の歯科用組
成物は、透明性とX線造影性をバランス良く実現してい
ることが特徴の一つであり、該歯科用組成物の硬化物と
しての光線透過率(透明性)は、1%以上であることが
好ましく、5%以上がより好ましい。また該組成物の硬
化物のX線造影性については、100〜1000(%、
対アルミニウム)であることが好ましく、200〜80
0(%、対アルミニウム)であることが、より好まし
い。
【0086】また、本発明の歯科用組成物は、いわゆる
コンポジットレジンとして欠損部の修復あるいは穿設し
た穿孔内に充填して使用することができるほか、前歯な
どの歯質の接合あるいは接着、仮歯の製造、ブリッジの
ボンディング、前装冠など歯科治療において幅広く使用
される。本発明の歯科用材料としては、歯科治療に使用
される有機系の歯科材料全般を包含するものであり、具
体的には、コンポジットレジン、フィッシャーシーラン
ト、コーティング材、クラウン・ブリッジ・インレー用
レジン、レジンセメント、根管充填材、支台築造材、義
歯床用レジン、義歯床補修用レジン、矯正用接着材など
が例示される。
【0087】
【実施例】以下に、本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。本発明の一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化
合物の合成
【0088】
【参考製造例1】4,4’−ビス(3−ヒドロキシフェ
ニルオキシ)ジフェニルスルフォン 15.00g
(0.034モル)をアセトン60gに溶解させた溶液
に、35%水酸化ナトリウム水溶液15.55g(水酸
化ナトリウム 0.136モル相当)を30分要して滴
下した後、25℃に保ちながら、3−クロロプロピオン
酸クロリド 8.64g(0.068モル)を10分要
して滴下した。液体クロマトグラフィー分析により、原
料の4,4’−ビス(4−ジヒドロキシフェニルオキ
シ)ジフェニルスルフォンが消費されていることを確認
した上で、反応混合物を水250gに排出して、トルエ
ン300gで抽出した。このトルエン溶液を3回水洗し
た後、分液して有機層を取り出し、減圧下、トルエンを
留去して、粘稠な淡黄色透明液体の粗生成物を得た。
【0089】この粗生成物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(展開溶媒;クロロホルム)により精製し
て、粘稠な無色透明液体の目的物である4,4’−ビス
(3−アクリロイルオキシフェニルオキシ)ジフェニル
スルフォン 16.6g(0.031モル)を得た。収
率 90%、純度(高速液体クロマトグラフィーの面積
百分率法による)≧99%であった。 ・270MHz 1H−NMR δ(CDCl3);
5.71(dd,2H)、6.32(dd,4H)、
6.70〜7.52(m,16H) ・FD−MS; 542(M) この化合物を単独で重合、硬化して得られる硬化体の屈
折率(nd)は、1.620であった。
【0090】
【参考製造例2】参考製造例1において、4,4’−ビ
ス(3−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフ
ォンを使用する代りに、4,4’−ビス(4−ヒドロキ
シフェニルオキシ)ジフェニルスルフォンを使用する以
外は参考製造例1に記載の方法と同様にして行い、4,
4’−ビス(4−アクリロイルオキシフェニルオキシ)
ジフェニルスルフォンを製造した。 ・FD−MS; 542(M) この化合物を単独で重合、硬化して得られる硬化体の屈
折率(nd)は、1.621であった。
【0091】
【参考製造例3】参考製造例1において、4,4’−ビ
ス(3−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフ
ォンを使用する代りに、4,4’−ビス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン
を使用する以外は参考製造例1に記載の方法と同様にし
て行い、4,4’−ビス(3−メチル−4−アクリロイ
ルオキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォンを製造
した。 ・FD−MS; 570(M) この化合物を単独で重合、硬化して得られる硬化体の屈
折率(nd)は、1.608であった。
【0092】
【参考製造例4】参考製造例1において、アクリル酸ク
ロリドを使用する代りに、メタアクリル酸クロリドを使
用する以外は参考製造例1に記載の方法と同様にして行
い、4,4’−ビス(3−メタアクリロイルオキシフェ
ニルオキシ)ジフェニルスルフォンを製造した。 ・FD−MS; 570(M) この化合物を単独で重合、硬化して得られる硬化体の屈
折率(nd)は、1.611であった。
【0093】
【参考製造例5】4,4’−ビス(3−ヒドロキシフェ
ニルオキシ)ジフェニルスルフォン 43.45g
(0.10モル)、エチレンカーボネート 21.13
g(0.24モル)、炭酸カリウム 0.69g(0.
005モル、ジヒドロキシ化合物に対して5モル%)お
よびN,N−ジメチルホルムアミド 300gに溶解さ
せた溶液を、130℃で6時間、攪拌して反応させた。
液体クロマトグラフィー分析により、原料の4,4’−
ビス(3−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスル
フォンが消費されていることを確認した上で、反応混合
物を水250gに排出して、トルエン300gで抽出し
た。このトルエン溶液を3回水洗した後、分液して有機
層を取り出し、減圧下、トルエンを留去して、粘稠な微
黄色固体の粗生成物を得た。
【0094】この粗生成物をトルエンから再結晶精製し
て、無色粉末状結晶の目的物である4,4’−ビス(3
−ヒドロキシエチルオキシ)ジフェニルスルフォン 4
4.41g(0.085モル)を得た。収率 85%、
純度(高速液体クロマトグラフィーの面積百分率法によ
る測定)99%以上であった。
【0095】
【参考製造例6】上記参考製造例5で得られた4,4’
−ビス(3−ヒドロキシエチルオキシフェニルオキシ)
ジフェニルスルフォン 15.76g(0.034モ
ル)およびトリエチルアミン7.08g(MW101.
19;0.070モル)をアセトン60gに溶解させた
溶液に対して、25℃に保ちながら、アクリル酸クロリ
ド6.15g(MW90.5;0.068モル)を30
分要して滴下した。液体クロマトグラフィー分析によ
り、原料の4,4’−ビス(3−ヒドロキシエチルオキ
シフェニルオキシ)ジフェニルスルフォンが消費されて
いることを確認した上で、反応混合物を水250gに排
出して、トルエン300gで抽出した。このトルエン溶
液を純水200gで3回洗浄した後、分液して有機層を
取り出し、減圧下、トルエンを留去して、粘稠な淡黄色
透明液体の粗生成物を得た。
【0096】この粗生成物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(展開溶媒;クロロホルム)により精製し
て、粘稠な無色透明液体の目的物である4,4’−ビス
(3−アクリロイルオキシエチルオキシフェニルオキ
シ)ジフェニルスルフォン 16.6g(0.031モ
ル)を得た。収率 90%、純度(高速液体クロマトグ
ラフィーの面積百分率法による測定)99%以上であっ
た。 ・270MHz 1H−NMR δ(CDCl3);
3.75〜4.20(m,8H)、5.71(dd,2
H)、6.32(dd,4H)、6.70〜7.52
(m,16H) ・FD−MS; 603(M) この化合物を単独で重合、硬化して得られる硬化体の屈
折率(nd)は、1.598であった。コンポジットレジンの調製および物性評価 以下の実施例でコンポジットレジンの調製の際に、使用
する重合性化合物および充填材は以下の通りである。 [無機充填材] ・ガラス粉末 下記の方法により、無機充填材として使用されるガラス
粉末を調製した。 ガラス粉末(G−1) 二酸化珪素40質量%、酸化バリウム40質量%、酸化
硼素10質量%、酸化アルミニウム10質量%を含有す
るガラス(屈折率1.60、平均粒径1μm)を常法に
従って、3質量%の〔3−(メタクリロイルオキシ)プ
ロピル〕トリメトキシシランで処理して得られた。 ガラス粉末(G−2) 二酸化珪素50質量%、酸化バリウム30質量%、酸化
硼素10質量%、酸化アルミニウム10質量%を含有す
るガラス(屈折率1.55、平均粒径1μm)を常法に
より、3質量%の〔3−(メタクリロイルオキシ)プロ
ピル〕トリメトキシシランで処理して得られた。 ・微粒子シリカ(R−812) 平均粒子径0.007μmのコロイダルシリカをジメチ
ルジクロルシラン処理して、疎水化して得られた[粒径
0.01μm以上の粒子の割合が約10%:日本アエロ
ジル(株)製]。 [他の重合性化合物]各実施例および比較例において使用
した一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物
以外の他の重合性化合物は、以下の通りである。
【0097】Bis−GMA: 2,2−ビス[4−
(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキ
シ)フェニル]プロパン TEGDMA: トリエチレングリコールジメタクリレ
ート UDMA: 1,6−ビス(メタクリロイルオキシエチ
ルオキシカルボニルアミノ)−2,2,4−(または−
2,4,4−)トリメチルヘキサン Bis−MPEPP: 2,2−ビス(4−メタクリロ
イルオキシポリエトキシフェニル)プロパン [コンポジットレジンの物性評価方法] ・硬化方法 各実施例および比較例で調製した歯科用組成物(コンポ
ジットレジン)は、所定の形状のモールドに填入した上
で、可視光線照射器(Kulzer社製、Transl
ux CL)を用いて、60秒間可視光線を照射して硬
化させた。 ・屈折率 アッベ屈折計[アタゴ(株)製:型式1T]を用いて、
20℃における屈折率を測定した。 ・曲げ強さおよびX線造影性 ISO−4049(1988)の7.8(曲げ強さ)お
よび7.11(X線造影性)に準じて試験を行った。
【0098】曲げ強さは、島津製作所(株)製オートグ
ラフ AGS−2000Gを用いて、クロスヘッドスピ
ード1mm/min.で測定した。また、X線造影性は
朝日レントゲン工業(株)製 X線制御装置DCX−1
00を用いて行った。 ・光線透過率(透明性) 横10mm×縦25mmの長方形の穴があいた厚さ1m
mのテフロン(R)製モールドにコンポジットレジンを
充填し、両面をポリエステルフィルムおよびガラス板で
挟み可視光線照射器(Kulzer社製、Transl
ux CL)を用いて、一カ所につき60秒間、可視光
線を照射して硬化させた。可視光の照射方法に関して
は、ISO4049(1988)の7.8.2.2に記
述の方法などと同様にして、サンプル全体に均等、か
つ、充分に光が照射できるようにした。重合、硬化した
サンプルについて紫外可視分光光度計[島津製作所
(株)製UV−160A]を用いて、480nmでの光
線透過率を測定した。
【0099】
【実施例1】4,4’−ビス(3−アクリロイルオキシ
フェニルオキシ)ジフェニルスルフォン 70質量部お
よびBis−MPEPP 30質量部の混合物に、カン
ファーキノン 0.5質量部とN,N−ジメチルアミノ
安息香酸エチルエステル 0.5質量部とを添加して溶
解させた。このモノマーに前記ガラス粉末(G−1)
400質量部および微粒子シリカ(R−812)20質
量部を混合して、均一なペーストとして歯科用組成物を
得た。
【0100】この歯科用組成物の硬化体の屈折率は1.
60であった。この歯科用組成物の硬化体の曲げ強さ、
光線透過率ならびにX線造影性を第1表に示す。
【0101】
【実施例2】4,4’−ビス(4−アクリロイルオキシ
フェニルオキシ)ジフェニルスルフォン 70質量部お
よびBis−GMA 30質量部の混合物に、カンファ
ーキノン 0.5質量部とN,N−ジメチルアミノ安息
香酸エチルエステル 0.5質量部とを添加して溶解さ
せた。このモノマーに前記ガラス粉末(G−1) 40
0質量部および微粒子シリカ(R−812)20質量部
を混合して、均一なペーストとして歯科用組成物を得
た。
【0102】この歯科用組成物の硬化体の屈折率は1.
60であった。この歯科用組成物の硬化体の曲げ強さ、
光線透過率ならびにX線造影性を第1表に示す。
【0103】
【実施例3】4,4’−ビス(3−メチル−4−アクリ
ロイルオキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン
80質量部およびBis−MPEPP 20質量部の混
合物にカンファーキノン 0.5質量部とN,N−ジメ
チルアミノ安息香酸エチルエステル 0.5質量部とを
添加して溶解させた。このモノマーに前記ガラス粉末
(G−1) 400質量部および微粒子シリカ(R−8
12)20質量部を混合して、均一なペーストとして歯
科用組成物を得た。
【0104】この歯科用組成物の硬化体の屈折率は1.
60であった。この歯科用組成物の硬化体の曲げ強さ、
光線透過率ならびにX線造影性を第1表に示す。
【0105】
【実施例4】4,4’−ビス(3−メタアクリロイルオ
キシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン 80質量
部およびBis−MPEPP 20質量部の混合物にカ
ンファーキノン 0.5質量部とN,N−ジメチルアミ
ノ安息香酸エチルエステル 0.5質量部とを添加して
溶解させた。このモノマーに前記ガラス粉末(G−1)
400質量部および微粒子シリカ(R−812)20質
量部を混合して、均一なペーストとして歯科用組成物を
得た。
【0106】この歯科用組成物の硬化体の屈折率は1.
60であった。この歯科用組成物の硬化体の曲げ強さ、
光線透過率ならびにX線造影性を第1表に示す。
【0107】
【実施例5】4,4’−ビス(3−アクリロイルオキシ
エチルオキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン
95質量部およびBis−MPEPP 5質量部の混合
物にカンファーキノン 0.5質量部とN,N−ジメチ
ルアミノ安息香酸エチルエステル 0.5質量部とを添
加して溶解させた。このモノマーに前記ガラス粉末(G
−1) 400質量部および微粒子シリカ(R−81
2)20質量部を混合して、均一なペーストとして歯科
用組成物を得た。
【0108】この歯科用組成物の硬化体の屈折率は1.
60であった。この歯科用組成物の硬化体の曲げ強さ、
光線透過率ならびにX線造影性を第1表に示す。
【0109】
【実施例6】4,4’−ビス(3−アクリロイルオキシ
フェニルオキシ)ジフェニルスルフォン 85質量部お
よびTEGDMA 15質量部の混合物に、カンファー
キノン0.5質量部とN,N−ジメチルアミノ安息香酸
エチルエステル 0.5質量部とを添加して溶解させ
た。このモノマーに前記ガラス粉末(G−1) 400
質量部および微粒子シリカ(R−812)20質量部を
混合して、均一なペーストとして歯科用組成物を得た。
【0110】この歯科用組成物の硬化体の屈折率は1.
60であった。この歯科用組成物の硬化体の曲げ強さ、
光線透過率ならびにX線造影性を第1表に示す。
【0111】
【実施例7】4,4’−ビス(3−アクリロイルオキシ
フェニルオキシ)ジフェニルスルフォン 80質量部お
よびUDMA 20質量部の混合物に、カンファーキノ
ン 0.5質量部とN,N−ジメチルアミノ安息香酸エ
チルエステル 0.5質量部とを添加して溶解させた。
このモノマーに前記ガラス粉末(G−1) 400質量
部および微粒子シリカ(R−812)20質量部を混合
して、均一なペーストとして歯科用組成物を得た。
【0112】この歯科用組成物の硬化体の屈折率は1.
60であった。この歯科用組成物の硬化体の曲げ強さ、
光線透過率ならびにX線造影性を第1表に示す。
【0113】
【実施例8】[一般式(1)で表されるアクリル酸エス
テル化合物を用いた有機−無機複合充填材の調製とコン
ポジットレジンの調製]4,4’−ビス(3−アクリロ
イルオキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン85
質量部およびTEGDMA 15質量部の混合物に、ベ
ンゾイルパーオキサイド 0.5質量部を溶解させた。
これにガラス粉末(G−1) 400質量部とを添加し
て、よく混合し均一なペーストとした。このペーストに
圧縮成型器を用いて圧力をかけつつ、120℃で15分
間加熱してペーストを硬化させた。得られた硬化体を、
ボールミルを用いて粉砕して、ふるい分けすることによ
り、平均粒径約20μmの複合充填材(以下、複合充填
材CF−1と称する)を調製した。
【0114】4,4’−ビス(3−アクリロイルオキシ
フェニルオキシ)ジフェニルスルフォン85質量部およ
びTEGDMA 15質量部の混合物に、カンファーキ
ノン0.5質量部とN,N−ジメチルアミノ安息香酸エ
チルエステル 0.5質量部とを溶解させた。これにガ
ラス粉末(G−1) 350質量部、上記のように調製
した複合充填材ACF−1;50質量部およびシリカ粉
末(R−812)30質量部を混合して均一なペースト
として歯科用組成物を得た。
【0115】得られた歯科用組成物硬化体の屈折率は
1.60であった。この歯科用組成物の硬化体の曲げ強
さ、光線透過率ならびにX線造影性を第1表に示す。
【0116】
【比較例1】Bis−GMA 70質量部およびTEG
DMA 30質量部の混合物に、カンファーキノン 0.
5質量部とN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエス
テル0.5質量部とを溶解した。この混合物にガラス粉
末(G−1) 400質量部および微粒子シリカ(R−
812)25質量部を混合して均一なペーストとして歯
科用組成物を得た。この歯科用組成物の硬化体の屈折率
は1.54であった。
【0117】この歯科用組成物の硬化体の曲げ強さ、光
線透過率ならびにX線造影性を第1表に示す。
【0118】
【比較例2】Bis−GMA 70質量部およびTEG
DMA 30質量部の混合物に、カンファーキノン 0.
5質量部とN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエス
テル0.5質量部とを溶解した。このモノマーにガラス
粉末(G−2) 350質量部および微粒子シリカ(R
−812)20質量部を混合して均一なペーストとして
歯科用組成物を得た。この歯科用組成物の硬化体の屈折
率は1.55であった。
【0119】この歯科用組成物の硬化体の曲げ強さ、光
線透過率ならびにX線造影性を第1表に示す。
【0120】
【表1】
【0121】上記第1表から明らかなように、本発明の
歯科用組成物(コンポジットレジン)は、高いX線造影
性を有しつつ、かつ、高い透明性を有している。第1表
からわかるように、本発明の歯科用組成物について、曲
げ強さで表される機械的強度は、実用上、充分な強度を
有している。
【0122】
【発明の効果】本発明の一般式(1)で表されるアクリ
ル酸エステル化合物を含有してなる歯科用材料または歯
科用組成物は、硬化性(特に光硬化性)に優れ、歯科用
材料に求められる諸物性(例えば、曲げ強度、耐摩耗
性、吸水率など)が良好であり、かつ、高いX線造影性
と透明性を兼ね備えている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今 井 雅 夫 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 藤 山 高 広 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 大 辻 淳 夫 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 本 田 成 道 滋賀県守山市古高町571−2 サンメディ カル株式会社内 Fターム(参考) 4C089 AA06 AA10 BA13 BA14 BC02 BC07 BC10 BD02 BD11 CA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表されるアクリル酸エ
    ステル化合物の少なくとも一種を含有する歯科用材料; 【化1】 (上記式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞ
    れ独立に、水素原子またはアルキル基を表し、R5およ
    びR6は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基
    を表し、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ独立に、
    酸素原子または硫黄原子を表し、Y1およびY2は、それ
    ぞれ独立に、単結合または二価の有機基を表す)。
  2. 【請求項2】(A)重合性化合物、(B)重合開始剤お
    よび(C)充填材を必須構成成分として含有する歯科用
    組成物において、重合性化合物が下記一般式(1)で表
    されるアクリル酸エステル化合物の少なくとも一種であ
    ることを特徴とする歯科用組成物; 【化2】 (上記式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞ
    れ独立に、水素原子またはアルキル基を表し、R5およ
    びR6は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基
    を表し、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ独立に、
    酸素原子または硫黄原子を表し、Y1およびY2は、それ
    ぞれ独立に、単結合または二価の有機基を表す)。
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