JP2017132727A - 可視光重合性組成物 - Google Patents

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啓志 福留
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啓志 福留
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Abstract

【課題】 充分な機械的強度を有するとともに、硬化時の収縮応力が小さい歯科用重合性組成物を提供する【解決手段】 本発明の可視光重合性組成物は、(a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体、(b)(b1)α−ジケトン化合物と(b2)アミン化合物との組み合わせからなる重合開始剤、又は(b3)単分子開裂型光重合開始剤のいずれかから選択される重合開始剤とともに、(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物を含んでなる。(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物としては、ナフトキノン化合物が好ましい。【選択図】 なし

Description

本発明は、可視光重合性組成物に関する。詳細には、硬化した際の機械的強度や硬化時の収縮応力が小さい可視光重合性組成物に関する。本発明に係る可視光重合性組成物は、好適には歯科用充填修復材料、歯科用セメント、歯科用接着材、歯科用支台築造材料等として、特に、歯科用充填修復材料として好適に使用されるものである。
光重合を利用した高分子材料は、塗料、印刷、接着剤、半導体、歯科材料等として幅広く利用されている。熱を利用した高分子材料と比較して有用な点としては、局所的な重合が可能であること、重合開始から完了までの時間が比較的短いことなどが挙げられる。一方で、重合速度が非常に速いことから金型等周辺の部材に大きな応力が掛り、剥離や変形などの問題を抱えている。
この問題を解決するために重合性基濃度の低減、連鎖移動剤の添加による重合速度の低減などの方法が考えられている。これらの方法により重合収縮応力を低減することは可能であるが、高分子材料の強度も低下する。このため、高い機械的強度が求められる材料、特に歯科材料に適用する場合、新たな問題が生じていた。
歯の齲蝕や、それに伴う欠損の治療に際して、一般に、歯科用接着材及び歯科用充填修復材料を使用する修復が行われている。修復治療は次の手順で行われる。すなわち、まず、齲蝕部分を削って窩洞を形成した後、歯科用接着材を窩洞に塗布・乾燥し、可視光を照射して硬化させる。続いて、硬化した接着材層の上に歯科用充填修復材料を充填し、可視光を照射して光重合により充填材を硬化させる。
上述の治療において、歯科用充填修復材料の重合による硬化に伴う大きな収縮応力が歯質からの剥離を引き起こし、最悪の場合、窩洞から脱落するという問題があった。このため、低収縮応力の歯科用充填修復材料が求められていた。
近年、低収縮応力の歯科用充填修復材料を開発するために様々な研究が行われている。例えば、嵩高い樹枝状化合物を配合することにより、歯科用充填材中の重合性基濃度を低減することが提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、この方法では、充分な効果を得るためには、樹枝状化合物を多量に配合することが必要であり、樹枝状化合物が多量に配合されることにより、歯科用充填修復材料の架橋密度は小さく、その機械的強度が不充分となるとの課題があった。
この他にも、重合時に開環を伴う重合性単量体を配合する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。しかし、このような重合性単量体の構造は限られており、多様な物性を考慮した歯科用充填材を設計することは難しい。特に、強度の低い骨格を持つ重合性単量体が多く、高強度と低収縮応力との両立は非常に困難である。
さらに、重合の速度を調整するために連鎖移動剤を配合する方法が提案されている(例えば、特許文献3)。しかし、このような連鎖移動剤を配合すると最終的な重合度が低下し、硬化体の機械的強度が低下するという課題があった。
また、キノン構造を有する化合物としてα―ジケトン化合物を配合した組成物は公知であり(例えば、特許文献4)、該α―ジケトン化合物は光増感剤としての使用目的で配合されている。また、α‐ジケトン化合物の他に、アシルホスフィンオキサイドのような単分子開裂型の光重合開始剤も一般的に知られている。しかしながら、α−ジケトン化合物とアミン化合物との組み合わせからなる重合開始剤にαジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物を併用する態様、あるいは、単分子開裂型光重合開始剤に加え、さらにαジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物を併用する態様については記載も示唆もされていない。
特開2006−298919号公報 特開平5−255442号公報 特開2009−227591号公報 特開2014−231493号公報
本発明は、充分な機械的強度を有するとともに、硬化時の収縮応力が小さい可視光重合性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を行った。その結果、(メタ)アクリル基含有重合性単量体及びα−ジケトン化合物とアミン化合物との組み合わせからなる重合開始剤又は単分子開裂型光重合開始剤、α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物を含んでなる可視光重合性組成物が、充分な強度を有していながら硬化時の収縮応力が低いことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体、(b)(b1)α−ジケトン化合物と(b2)アミン化合物との組み合わせからなる重合開始剤、又は(b3)単分子開裂型光重合開始剤のいずれかから選択される重合開始剤、及び(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物を含んでなる可視光重合性組成物に関する。
本発明によれば、充分な機械的強度を有するとともに、硬化時の収縮応力が低い可視光重合性組成物が提供される。
本発明に係る可視光重合性組成物は、その重合による収縮応力が極めて小さいとの特性を利用して、歯科材料において使用されている種々の硬化性材料として有用に使用できる。具体的には、歯科用充填修復材料、歯科用セメント、歯科用接着材、歯科用支台築造材料等が挙げられるが、特に、歯牙の窩洞に対して充填して硬化させた際に、硬化体と窩洞の内壁との間に間隙が形成され難く、二次的な齲蝕の発生が大きく低減できることから、歯科用充填修復材料として最も有用である。
本発明に係る可視光重合性組成物は、可視光(約400nm〜700nm)の光を照射することにより重合しうる組成物であり、(a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体、(b)(b1)α−ジケトン化合物と(b2)アミン化合物との組み合わせからなる重合開始剤、又は(b3)単分子開裂型光重合開始剤のいずれかから選択される重合開始剤、及び(d)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物を含んでなる。
以下、本発明の可視光重合性組成物の各成分について説明する。
(a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体
(メタ)アクリル基含有重合性単量体は、公知の化合物から適宜選択して用いることができる。中でも、(メタ)アクリル基を複数有する多官能重合性単量体が、硬化速度、硬化体の機械的物性、耐水性、及び耐着色性等を良好にする観点から好適に用いられる。多官能性の(メタ)アクリル基含有重合性単量体の代表例としては、下記(1)〜(3)に示される二官能重合性単量体、三官能重合性単量、四官能重合性単量体が挙げられる。
(1)二官能重合性単量体
二官能重合性単量体としては、芳香族化合物系の重合性単量体、脂肪族化合物系の重合性単量体が挙げられる。
芳香族化合物系の重合性単量体としては、例えば、2,2’−ビス{4−[3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ]フェニル}プロパン、2,2’−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシフェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシフェニル]プロパン、2−[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]−2‐[4−(メタ)クリロイルオキシトリエトキシフェニル]プロパン、2−[4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル]−2−[4−(メタ)クリロイルオキシトリエトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)クリロイルオキシプロポキシフェニル]プロパン;及びOH基含有ビニルモノマーと脂肪族ジイソシアネート化合物との付加から得られるジアダクト等が挙げられる。
なお、OH基含有ビニルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレート、これらメタクリレートに対応するアクリレート等が挙げられる。また、前記ジイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネートメチルベンゼン、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族化合物系の重合性単量体としては、例えば、1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート、1,8−オクタンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート等のメタクリレート、これらメタクリレートに対応するアクリレート等;並びにOH基含有ビニルモノマーと脂肪族ジイソシアネート化合物との付加から得られるジアダクト等が挙げられる。
なお、OH基含有ビニルモノマーとしては、先に例示したものと同様のものを挙げることができ、脂肪族ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)等を挙げることができる。
(2)三官能重合性単量体
前記三官能重合性単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールメタントリメタクリレート等のメタクリレート;及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート等が挙げられる。
(3)四官能重合性単量体
前記四官能重合性単量体としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート;及びジイソシアネート化合物とグリシドールジメタクリレートとの付加体から得られるジアダクト等が挙げられる。
なお、ジイソシアネート化合物としては、例えば、ジイソシアネートメチルベンゼン、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート等を挙げることができる。さらに、必要に応じて、単官能(メタ)アクリレート系重合性単量体を用いてもよい。
単官能(メタ)アクリレート系重合性単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、重合性単量体として、疎水性の重合性単量体を多く含む場合には、両親媒性重合性単量体を併用しても良い。
両親媒性(メタ)アクリレート系重合性単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコール重合度9〜50)、1,2,3,4−ブタンテトラオール−1,4−ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、これらの多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(b)重合開始剤
本発明の可視光重合組成物には、(メタ)アクリル基含有重合性単量体を重合させるために、重合開始剤としてα―ジケトン化合物とアミン化合物との組み合わせからなる重合開始剤、又は単分子開裂型光重合開始剤のいずれかから選択される重合開始剤が配合される。中でも、可視光を効率良く吸収し、重合を開始する観点から、α―ジケトン化合物とアミン化合物との組み合わせからなる重合開始剤が好適に用いられる。なお、α‐ジケトン化合物とアミン化合物との組み合わせからなる重合開始剤と、単分子開裂型光重合開始剤の両者を併用しても構わない。
以下、本発明に用いることができる重合開始剤について説明する。
(b1)α―ジケトン化合物
本発明の可視光重合組成物に用いることができるα―ジケトン化合物は、光照射により励起状態となり、(b2)アミン化合物と共に重合を開始する化合物であり、これらは1種又は2種以上を使用することができる。
代表例としては、カンファーキノン、カンファーキノンカルボン酸、カンファーキノンスルホン酸、ベンジル、ジアセチル、アセチルベンゾイル、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、9,10−フェナンスレンキノン、アセナフテンキノン等が挙げられる。中でも、カンファーキノンが可視光を効率良く吸収する観点から、好適に用いられる。また、2種類以上のα―ジケトン化合物を組み合わせて利用することもできる。なお、これらのα―ジケトン化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(b1)α―ジケトン化合物の配合量は、多すぎると環境光下で硬化が進行し、十分な操作時間が得られず、少なすぎると充分な硬化性が得られない。これらの問題が生じ難い(b1)α―ジケトン化合物の配合量は、(a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体100質量部当り、0.1〜2.0質量部の範囲で使用するのが好ましく、0.2〜0.5質量部となる範囲で使用するのがより好ましい。
(b2)アミン化合物
本発明の可視光重合組成物に用いることができるアミン化合物は、光照射により励起状態となった(b1)α―ジケトン化合物とともに重合を開始する化合物であり、これらは1種又は2種以上を使用することができる。
アミン化合物としては、公知のものが制限なく使用でき、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンの何れであっても良く、脂肪族アミン、芳香族アミンのどちらであっても良い。歯科用として用いた場合、臭気等の問題が少ないため、一般に第2級または第3級アミン化合物が用いられ、特に第3級アミン化合物が好ましい。これらは1種又は2種以上を使用することができる。
代表例としては、2−エチルヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン等の脂肪族第1級アミン化合物;ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジアリルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン等の脂肪族第2級アミン化合物;トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−エチルジアリルアミン、N−エチルジベンジルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジプロピルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリ(イソプロパノール)アミン、トリ(2−ヒドロキシブチル)アミン、トリベンジルアミン等の第3級アミン化合物;N−メチルアニリン、N−メチル−p−トルイジン等の第2級芳香族アミン化合物;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ−n−ブチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、m−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミルエステル、N,N−ジメチルアンスラニックアシッドメチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、p−ジメチルアミノフェネチルアルコール、p−ジメチルアミノスチルベン、N,N−ジメチル−3,5−キシリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチル−α−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−β−ナフチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2,2’−(n−ブチルイミノ)ジエタノール等の第3級芳香族アミン化合物であり、さらに好ましくは、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−エチルジアリルアミン、N−エチルジベンジルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンが挙げられる。なお、これらのアミン化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(b2)アミン化合物の配合量は、多すぎると臭気や着色の問題が生じ、少なすぎると硬化性が充分に得られない。これらの問題が生じない(b2)アミン化合物の配合量は、(a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体100質量部当り、0.01〜10質量部の範囲で使用するのが好ましく、特に0.02〜5質量部の範囲で使用するのがより好ましい。
(b3)単分子開裂型光重合開始剤
本発明の可視光重合組成物に用いることができる単分子開裂型光重合開始剤は、光照射により単独で開裂し、重合を開始する化合物であり、これらは1種又は2種以上を使用することができる。単分子開裂型重合開始剤の中でもアシルホスフィンオキサイド系重合開始剤が好ましい。
代表例としては、モノアシルホスフィンオキサイド、ビスアシルホスフィンオキサイド、アセトフェノン誘導体、ベンジルジメチルケタール誘導体、α―ヒドロキシケトン誘導体、α―アミノケトン誘導体、アシルホスフィンオキサイド誘導体、アシルゲルマン誘導体が挙げられる。なお、これらの単分子開裂型光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物
本発明の最大の特長は、前記(a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体、(b1)α−ジケトン化合物と(b2)アミン化合物との組み合わせからなる重合開始剤、又は(b3)単分子開裂型光重合開始剤のいずれかから選択される重合開始剤を配合した系において、さらに、(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物を配合した点にある。各成分を共存させることで、高い硬化性と低い重合収縮応力を両立させるという効果が生じる。このような効果が生じる理由は以下のように推定している。すなわち、α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物は、重合途中の(メタ)アクリル基含有重合性単量体の水素原子及びラジカル種を引き受けて連鎖移動剤として働く他、可視光を吸収して活性化したα−ジケトン化合物又は単分子開裂型重合開始剤からエネルギーを引き受け、ラジカル種を発生するラジカル発生剤としての機能を有する。そのため、高い硬化性と低い重合収縮応力を両立できると考えられる。
本発明において、α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物とは、α−ジケトン化合物を除く芳香族系の単環状あるいは芳香族系の多環状化合物において、2つのケトン構造を有する化合物を意味し、具体的には、ナフトキノン化合物、アントラキノン化合物等が好ましく、ナフトキノン化合物がより好ましい。これらは1種又は2種以上を使用することができる。
具体的には、次に例示する1,4−ナフトキノン化合物や9,10−アントラキノン化合物が好ましい化合物として例示される。代表例としては、1,4−ナフトキノン、5−メチル−1,4−ナフトキノン、6−メチル−1,4−ナフトキノン、6,7−ジメチル−1,4−ナフトキノン、5−ブチル−1,4−ナフトキノン、6−ブチル−1,4−ナフトキノン、6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、5−クロロ−1,4−ナフトキノン、6−クロロ−1,4−ナフトキノン、6,7−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−1,4−ナフトキノン、2,5−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2,6−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2,6,7−トリメチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−5−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−6−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−6,7−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−5−メチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5−メチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6−メチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6,7−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6,7−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−6−メチル−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−6,7−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−5−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−6−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−6,7−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,6−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,5,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,5,6,8−テトラヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−5−メチル−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−6−メチル−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−6,7−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−5−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−6−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−6,7−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,5−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2,6−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2,5,8−トリメトキシ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−5−メチル−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−6−メチル−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−6,7−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2,5−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2,6−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2,6,7−トリクロロ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5−メチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6−メチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6,7−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6,7−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジエチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−1,4−ナフトキノン、2,3,6−トリメチル−1,4−ナフトキノン、2,3,6,7−テトラメチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−5−クロロ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−6−クロロ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−6,7−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,6,7−トリメチル−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−5−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−6−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−6,7−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3,5−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3,6−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3,5,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3,5,6,8−テトラヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−6−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−6,7−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2,3,5−トリクロロ−1,4−ナフトキノン、2,3,6−トリクロロ−1,4−ナフトキノン、2,3,6,7−テトラクロロ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−6−メチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−6,7−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−5−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3,6−ジクロロ−1,4−
ナフトキノン、2−アミノ−3,6,7−トリクロロ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン等のナフトキノン化合物、9,10−アントラキノン、1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、2−メチル−1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、2−クロロ−1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、6−メチル−1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、2−クロロ−6−メチル−1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、2−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、6−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、2,6−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、2−クロロ−6−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、9,10−アントラキノン、2−メチル−9,10−アントラキノン、2−クロロ−9,10−アントラキノン、6−メチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジメチル−9,10−アントラキノン、2−クロロ−6−メチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、2−メチル−1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、2−クロロ−1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、2−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン等のアントラキノン化合物が挙げられる。なお、これらのα−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物の配合量は、多すぎると着色の問題が生じ、少なすぎると充分な重合収縮応力低減効果が得られない傾向がある。また、(b1)α−ジケトン化合物又は(b3)単分子開裂型光重合開始剤と(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物の配合量の配合量の総量が少なすぎると充分な硬化性が得られにくい。したがって、(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物の配合量は、(a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体100質量部当り0.2〜2.0質量部であることが好ましい。
重合開始剤が(b1)α−ジケトンと(b2)アミン化合物の組み合わせである場合、(b1)α−ジケトン化合物と(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物との総量が(a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体100質量部に対して、0.2質量部以上とするのが好ましく、0.2〜2.0質量部となる範囲で使用するのがより好ましい。また、(b1)α−ジケトン化合物と(d)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物との配合比、すなわち、(b1)α−ジケトン化合物:(d)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物は80:20〜20:80となる範囲で使用するのが好ましく、60:40〜40:60となる範囲で使用するのがより好ましい。
重合開始剤が(b3)単分子開裂型光重合開始剤である場合、(b3)単分子開裂型光重合開始剤と(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物との総量が(a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体100質量部に対して、0.2質量部以上とするのが好ましく、0.2〜2.0質量部となる範囲で使用するのがより好ましい。また、(b3)単分子開裂型光重合開始剤と(d)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物との配合比、すなわち、(b3)単分子開裂型光重合開始剤:(d)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物は80:20〜20:80となる範囲で使用するのが好ましく、60:40〜40:60となる範囲で使用するのがより好ましい。
重合開始剤として、(b1)α−ジケトンと(b2)アミン化合物の組み合わせからなる重合開始剤と、(b3)単分子開裂型光重合開始剤との両者を併用して用いる場合、(b1)α−ジケトンと(b3)単分子開裂型光重合開始剤と(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物との総量が(a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体100質量部に対して、0.2質量部以上とするのが好ましく、0.2〜2.0質量部となる範囲で使用するのがより好ましい。また、(b1)α‐ジケトンと(b3)単分子開裂型光重合開始剤との合計量と(d)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物との配合比、すなわち、((b1)α‐ジケトン+(b3)単分子開裂型光重合開始剤):(d)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物は80:20〜20:80となる範囲で使用するのが好ましく、60:40〜40:60となる範囲で使用するのがより好ましい。
本発明の可視光重合性組成物は、上記の(a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体、(b)重合開始剤、(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物に加えて、任意に、(d)充填材を含有できる。
前記(d)充填材としては、特に制限はなく、公知の化合物から適宜選択して用いることができ、無機充填材、有機−無機充填材、有機充填材が挙げられる。
無機充填材としては、例えば、シリカ、ジルコニア、チタニア、シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニア、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、ランタンガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、フッ化イッテルビウム等が挙げられる。
これら無機充填材の平均粒径としては、特に制限はなく、一般的に歯科用材料として使用されている大きさの0.01μm〜1000μmでよいが、0.01μm〜5μmが好ましい。また、前記充填材の屈折率としても、特に制限はなく、一般的な歯科用の充填材が有する1.4〜1.7でよい。
これら無機充填材の形状としては、特に制限はなく、不定形、球状、略球状のいずれであってもよいが、中でも研磨性の観点から、球状の無機充填材が好ましい。
前記有機−無機複合充填材としては、上述の無機充填材に重合性単量体を予め添加し、ペースト状にした後に重合させ、粉砕して得られる粒状物、或いは、無機充填材の凝集粒子に前記重合性単量体を含浸させた後に重合させた粒状物が使用される。さらに、有機充填材としては、上述の重合性単量体を重合して得られた粒状物が使用される。
これら有機−無機複合充填材及び有機充填材の平均粒径としては、特に制限はなく、一般的に歯科用材料として使用されている大きさの0.1μm〜1000μmでよいが、0.1μm〜500μmが好ましい。また、前記充填材の屈折率としても、特に制限はなく、一般的な歯科用の充填材が有する1.4〜1.7でよい。なお、前記充填材としては、単独で用いてもよいが、粒径範囲や平均粒径、屈折率、材質の異なる複数の充填材を併用して用いてもよい。
これら有機−無機複合充填材及び有機充填材の形状としては、特に制限はなく、不定形、球状、略球状のいずれであってもよいが、中でも研磨性の点から、球状の無機充填材が好ましい。
前記充填材は、シランカップリング剤に代表される表面処理剤で疎水化することにより重合性単量体とのなじみを良好にし、機械的強度や耐水性を向上させることができる。
疎水化の方法としては、特に制限はなく、公知の方法が挙げられる。すなわち、前記シランカップリング剤として、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等を用いた疎水化が挙げられる。
前記充填材の配合量としては、特に制限はないが、上述の重合性単量体100質量部に対して、50質量部〜1500質量部が好ましく、70質量部〜1000質量部がより好ましい。
本発明の可視光重合性組成物は、さらに、他の添加剤を含有することもできる。他の添加剤としては、本発明の効果を妨げない限り、特に制限はなく、目的に応じて選択することができ、公知の歯科用硬化性組成物に含まれる各種成分を適用することができる。例えば、重合禁止剤を配合して保存安定性を高めることができるし、必要に応じて、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の高分子化合物などの有機増粘材を添加することが可能である。また、紫外線吸収剤、染料、帯電防止剤、顔料、蛍光顔料、香料等の各種添加剤を必要に応じて配合することもできる。
本発明に係る可視光重合性組成物は、その重合による収縮応力が極めて小さいとの特性を利用して、歯科材料において使用されている種々の硬化性材料として有用に使用できる。具体的には、歯科用充填修復材料、歯科用セメント、歯科用接着材、歯科用支台築造材料等が挙げられるが、特に、歯牙の窩洞に対して充填して硬化させた際に、硬化体と窩洞の内壁との間に間隙が形成され難く、二次的な齲蝕の発生が大きく低減できることから、歯科用充填修復材料として最も有用であり、中でも重合収縮応力の影響を大きく受ける1級窩洞や2級窩洞の充填修復に使用する際に最も効果的である。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で用いた化合物及び略称(かっこ内)を以下に示す。
(a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体
・2,2’−ビス{4−[3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ]フェニル}プロパン(Bis−GMA)
・トリエチレングリコールジメタクリレート(3G)
(b)重合開始剤
(b1)α−ジケトン化合物との組み合わせからなる重合開始剤
・カンファーキノン(CQ)
(b2)アミン化合物
・p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(DMBE)
(b3)単分子開裂型光重合開始剤
・モノアシルホスフィンオキサイド(MAPO)
・ビスアシルホスフィンオキサイド(BAPO)
(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物
・1、4−ナフトキノン(NQ)
・9,10−アントラキノン(AQ)
・5−メチルー1、4−ナフトキノン(MNQ)
(d)充填材
・球状シリカ−ジルコニア、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面処理物;平均粒径;0.5μm(E−1)
・球状シリカ−チタニア、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面処理物;平均粒径;0.08μm(E−2)
(e)その他添加剤
・ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)
・ヒドロキノンメチルエーテル(HQME)
・α―メチルスチレンダイマー(MSD)
(1)ヴィッカース硬さの測定
直径7mm、高さ1mmの孔を有するポリアセタール製の型に可視光重合性組成物を填入し、ポリプロピレンフィルムで圧接し、歯科用光照射器トクソーパワーライト(トクヤマ社製、波長:400−520nm)で20秒間光照射した。
微小硬度計(PMT−X7型:松沢精機)を使用し、得られた硬化体をヴィッカース圧子にて押圧し、荷重100gf、荷重保持時間30秒で、試験片にできたくぼみの対角線長さを測定した。
下式により、ヴィッカース硬さを求めた。
HV=F/S=2Fsinθ/2d=1.8544F/d
(ここで、HV:ヴィッカース硬さ、F:荷重(Kgf)、S:くぼみの表面積(mm)、d:くぼみの対角線長さ(mm)、θ:ダイヤモンド圧子の対面角)
試験は5点について行い、その平均を求めた。さらに、その値が十分な硬度を有しているか評価を行った。評価基準は下記の通りである。
◎・・ヴィッカース硬さが40以上である
〇・・ヴィッカース硬さが30以上である
△・・ヴィッカース硬さが15以上である
×・・ヴィッカース硬さが15未満である
(2)重合収縮応力の測定
直径6mm、深さ2mmの模擬窩洞の窩底部に、歯科用接着剤として、ワンナップボンドFプラス(登録商標:トクヤマデンタル社)を塗布し、歯科用光照射器(トクヤマデンタル社製)を用いて10秒間光照射した。ついで、模擬窩洞中に満たされるように可視光重合性組成物を填入し、歯科用光照射器トクソーパワーライト(トクヤマ社製、波長:400−520nm)で20秒間光照射した。この時の応力を、万能引張試験機オートグラフ(AG−5000D:島津製作所)で測定した。
(3)窩洞適合性の評価
屠殺後24時間以内に抜去した牛下顎前歯に対し、歯科用のダイヤモンドバーを用いて深さ2mm、直径4mmの円柱状の窩洞を形成した。ついで、この窩洞の内部全体に、歯科用接着剤としてボンドフォース(登録商標:トクヤマデンタル社)を塗布し、圧縮空気を当てて溶媒を除去した後、歯科用光照射器トクソーパワーライト(トクヤマ社製、波長:400−520nm)を使用して、10秒間光照射した。続いて、この窩洞内に満たされるように可視光重合性組成物を填入し、歯科用光照射器トクソーパワーライトで20秒間光照射した。このようにして得られた試験片を、37℃の水中に一晩浸漬した後、ダイヤモンドカッターを使用して、窩底部に対して鉛直方向で切断し、試験片を調製した。露出した切断面を、耐水研磨紙(♯3000、♯1500)及びダイヤモンドスラリ−(6μm、3μm、1μm、0.25μm)で研磨して、研磨面を、レーザー顕微鏡(VK9700:KEYENCE社)を使用して観察し、窩洞の観察・窩洞適合性の評価を行った。評価基準は下記の通りである。
◎・・適合している部分が全体の100%である
〇・・適合している部分が全体の90%以上である
△・・適合している部分が全体の80%以上である
×・・適合している部分が全体の80未満である
[実施例1]
(a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体として、Bis−GMA/3G(60wt%/40wt%)混合物を使用し、該混合物100重量部に対して、(b1)α―ジケトン化合物としてCQ(0.2重量部)、(b2)アミン化合物としてDMBE(0.3重量部)、(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物としてNQ(2.0重量部)、BHT(0.1重量部)を混合した。各成分が完全に溶解するまで撹拌した後、E−1(164質量部)及びE−2(71質量部)と混合し、混練することによって可視光重合性組成物を調製した。組成を表1に示す。このように調整した可視光重合性組成物について、上記した各方法で測定した。結果を表2に示す。
[実施例2〜16、比較例1〜4]、
(b)重合開始剤、(d)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物あるいはMSDの配合量を、表1に示す量に変更して、実施例1と同様の方法で歯科用充填材を調製した。
組成を表1に示す。このように調整した可視光重合性組成物について、上記した各方法で測定した。結果を表2に示す。
Figure 2017132727
上記表1に示した各実施例、比較例には、表1に記載している配合成分以外に以下の成分が含まれている。
(a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体:Bis−GMA(60質量部)、3G(40質量部)、(d)充填材:E−1(164質量部)、E−2(71質量部)、その他添加剤:BHT(0.1重量部)。
Figure 2017132727
表1に示すようにα−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物を含有する実施例1〜11の各歯科用充填材は、α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物を含有しない場合(比較例1)と比較して、高いヴィッカース硬さと低い重合収縮応力を示した。実施例1〜7の比較から、α―ジケトン化合物とα−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物の配合比は、20:80〜80:20が良く、40:60〜60:40がより好ましく、50:50が最も良いことが確認できる。α―ジケトン化合物及びα−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物の硬化を促進する効果と、α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物の重合収縮応力を抑制する効果のバランスが最も取れている配合比であるためであると考えられる。実施例1、8〜12の比較から、α―ジケトン化合物とα−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物の配合量の総量は、0.2質量部以上の時に、より高い効果が現れている。α―ジケトン化合物とα−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物の配合量の総量が少ないと、十分な硬化性を確保することができないためだと考えられる。実施例1、13、14の比較から、α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物がナフトキノン化合物であると、特に重合収縮応力低減効果がより高いことが確認された。ナフトキノン化合物は、その分子サイズが小さいため、効率の良い連鎖移動反応を促進することができるためだと考えられる。実施例11、15、16の比較から、重合開始剤がカンファーキノンであると硬化性および重合収縮応力低減効果がより高いことが確認された。
比較例2〜4は、α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物の代わりに、連鎖移動剤としてα―メチルスチレンダイマー(MSD)を配合したものである。α―メチルスチレンダイマーは重合収縮応力を抑制する効果を有しているが、α―ジケトン化合物との配合比を調整することで高い硬化性と低い重合収縮応力を両立することは困難であることが確認できる。α―ジケトン化合物の配合比を大きくすれば重合収縮応力も大きくなり、α―ジケトン化合物の配合比を小さくすればヴィッカース硬さも小さくなるためである。

Claims (10)

  1. (a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体、(b)(b1)α−ジケトン化合物と(b2)アミン化合物との組み合わせからなる重合開始剤、又は(b3)単分子開裂型光重合開始剤のいずれかから選択される重合開始剤、(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物を含んでなる可視光重合性組成物。
  2. 前記(b)重合開始剤が(b1)α−ジケトン化合物と(b2)アミン化合物との組み合わせからなる重合開始剤である請求項1に記載の可視光重合性組成物。
  3. 前記(b)重合開始剤が(b3)単分子開裂型光重合開始剤である請求項1に記載の可視光重合性組成物。
  4. (b3)単分子開裂型光重合開始剤がアシルホスフィンオキサイド系重合開始剤である請求項3に記載の可視光重合性組成物。
  5. 前記(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物がナフトキノン化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の可視光重合性組成物。
  6. (b1)α−ジケトン化合物と(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物との配合比(α−ジケトン化合物:α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物)が80:20〜20:80である請求項2に記載の可視光重合性組成物。
  7. (b1)α−ジケトン化合物と(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物の配合量の総量が、(a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体100質量部に対して0.2質量部以上である請求項2に記載の可視光重合性組成物。
  8. (b3)単分子開裂型光重合開始剤と(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物との配合比(単分子開裂型光重合開始剤:α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物)が80:20〜20:80である請求項3に記載の可視光重合性組成物。
  9. (b3)単分子開裂型光重合開始剤と(c)α−ジケトン化合物以外のキノン構造を有する化合物の配合量の総量が、(a)(メタ)アクリル基含有重合性単量体100質量部に対して0.2質量部以上である請求項3に記載の可視光重合性組成物。
  10. 歯科用である請求項1〜9のいずれか一項に記載の可視光重合性組成物。
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