JPH08157320A - 歯科用材料及び歯科用樹脂組成物 - Google Patents

歯科用材料及び歯科用樹脂組成物

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JPH08157320A
JPH08157320A JP6301996A JP30199694A JPH08157320A JP H08157320 A JPH08157320 A JP H08157320A JP 6301996 A JP6301996 A JP 6301996A JP 30199694 A JP30199694 A JP 30199694A JP H08157320 A JPH08157320 A JP H08157320A
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JP
Japan
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unsubstituted
sulfur
carbon atoms
optionally substituted
resin composition
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Pending
Application number
JP6301996A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Irisato
義広 入里
Yoshinobu Kanemura
芳信 金村
Teruyuki Nagata
輝幸 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】歯の治療に用いられる歯科用樹脂組成物として
優れた審美性を有し、かつ、機械的強度、耐摩耗性、耐
水性、硬化性に優れた歯科用樹脂組成物の提供。 【構成】 分子内に硫黄原子を3個以上含み、ポリマー
とした時の屈折率が1.56以上の含硫(メタ)アクリ
ル酸エステルを重合してなる歯科用材料及び樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた審美性を持ち、か
つ高い機械的強度、耐摩耗性、耐水性を持ち、硬化性に
優れた歯科用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】歯科用樹脂組成物はう蝕等によって形成
された歯の欠損部の充填、修復、人工の歯冠と天然歯の
接着、人工歯冠用、義歯床用及び人工歯用等に用いられ
る。
【0003】特にう蝕等による歯の欠損部の充填、修復
に用いられる歯科用コンポジットレジン或は歯牙用硬質
レジン(以下コンポジットレジンと略す)等の歯科材料
は機械的強度、耐摩耗性、耐水性、接着性の物理的性質
と、より天然歯に近づけるための透明性等の審美的性質
が兼ね備えていなければならない。また口腔内で数秒か
ら数時間で組成物の内部深部まで硬化することが必要
で、口腔内の条件に耐えうる物性を短時間で発現しなけ
ればならない。
【0004】コンポジットレジンはこれらの性質、特に
物理的性質を改善する目的で無機フィラーとモノマー、
重合開始剤から成り、重合により樹脂化する。
【0005】またコンポジットレジンは臨床上、二次カ
リエスの早期発見や診断及び充填状態を観察するために
X線不透過性を付与する必要がある。
【0006】この目的のためにコンポジットレジンにバ
リウム、鉛、タングステン、ジルコニウム、ストロンチ
ウム、イッテルビウム等の化合物がX線造影剤として添
加される。
【0007】ここで本発明ではモノマー、無機フィラ
ー、重合開始剤等を混合した組成物を歯科用材料と呼
び、歯科用材料を硬化し樹脂化したものを歯科用樹脂組
成物と呼び区別する。
【0008】しかし現在一般に使用されているモノマ
ー、2,2−ビス[4−(3−メタクリロキシ−2−ヒ
ドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン(以下Bis
GMAと略す。)や、トリエチレングリコールジメタク
リレート(以下TEGDMAと略す。)等は、そのポリ
マー化時の屈折率が最高でも1.55と低く、X線造影
剤もしくはそれらを含む無機フィラーとの屈折率の差が
大きいために、得られる樹脂組成物が白濁し、審美性を
損ねるといった問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは優れた審美性を有し、かつ、機械的強度、耐摩耗
性、耐水性、硬化性に優れた歯科用樹脂組成物を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明者等は鋭意検討を重ねた結果、そのポリマー化
時の屈折率が1.56以上の特定の含硫モノマーを歯科
用コンポジットレジン中に用いた場合、速やかに重合
し、コンポジットレジン中にX線造影剤を含有していて
も、濁りは全くなく、優れた審美性を持ち、かつ、機械
的強度、耐摩耗性、耐水性に優れていることを見いだし
た。
【0011】本発明の歯科用材料は光による硬化の場
合、深部まで光が到達しやすい為硬化深度が深く得られ
る樹脂は重合度が高く、機械的強度、耐摩擦性、耐水性
に優れている。これは本発明の歯科用材料中のモノマー
の屈折率とこれを含む歯科用材料が硬化してポリマーと
なったときの樹脂組成物の屈折率の差が小さいためであ
ると推測される。
【0012】すなわち本発明はポリマーの屈折率が1.
56以上の含硫モノマーを含有してなる歯科用材料及び
それを重合してなる樹脂組成物である。
【0013】前述のごとく、コンポジットレジンは重合
によって数秒から数分の短時間で硬化しなければならな
いので、重合性に優れた化合物を基本骨格にする必要が
ある。本発明に用いられる重合性基本骨格化合物として
は、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、カ
ルボン酸ビニル類、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル、アクリル酸チオエステル、メタクリル酸チオ
エステル等の(メタ)アクリル酸エステル類、アクリル
アミド類、アルキルビニルケトン類、アリルエーテル、
アリルスルフィド等のアリル化合物等がある。この中で
低毒性で、口腔内において速やかに重合し、さらに加水
分解を受けにくく、かつ製造が容易である(メタ)アク
リル酸エステル類が特に好ましい。すなはちポリマーの
屈折率が1.56以上の含硫(メタ)アクリル酸エステ
ルを含む歯科用樹脂組成物が好ましい。この場合樹脂成
分として含硫(メタ)アクリル酸エステル単独でも、そ
の他の重合性化合物を混合した共重合物でも構わない。
またここで用いられるモノマーは(メタ)アクリル酸エ
ステルを分子中に1個以上含めばいいが、2個以上含む
と重合時に橋架け構造となり、ポリマー化後の物理的物
性が向上するので好ましい。
【0014】一方、高屈折率の樹脂を得るにはフッ素以
外のハロゲン原子、硫黄原子、芳香環をモノマーの分子
内に導入するのが効果的であるが、ハロゲン原子を導入
すると耐候性が悪くなるので硫黄原子の導入が不可欠で
あり、特に高屈折率の樹脂を得るには分子内に硫黄原子
を3個以上含む方が好ましい。すなはち分子内に硫黄原
子を3個以上含み、そのポリマーの屈折率が1.56以
上の含硫(メタ)アクリル酸エステルを含む歯科用樹脂
組成物が特に好ましい。
【0015】これらの含硫モノマーの一例を挙げると、
一般式(1)
【化5】 [式中、Aは酸素原子または硫黄原子を示し、R1は水
素原子またはメチル基を示し、R2及びR5は無置換もし
くは置換していてもよい炭素数1〜15のアルキレン、
無置換もしくは置換していてもよい炭素数3〜10のシ
クロアルキレン、R3及びR4は無置換もしくは置換して
いてもよい炭素数1〜15のアルキレン、無置換もしく
は置換していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキレ
ン、無置換もしくは置換していてもよいフェニル基もし
くはナフタレンを示し、n、n’は0〜3の整数を示
す。]
【0016】で表わされる(メタ)アクリル酸エステ
ル、または一般式(2)
【化6】 [式中、Aは酸素原子または硫黄原子を示し、R1は水
素原子またはメチル基を示し、R2及びR5は無置換もし
くは置換していてもよい炭素数1〜6のアルキレン、R
3及びR4は無置換もしくは置換していてもよい炭素数1
〜15のアルキレン、無置換もしくは置換していてもよ
い炭素数3〜10のシクロアルキレン、無置換もしくは
置換していてもよいフェニル基もしくはナフタレンを示
し、n、n’は0〜3の整数を示す。]で表わされる
(メタ)アクリル酸エステルがある。
【0017】上記一般式(1)中、R2及びR5の具体例
としては、メチレン、エチレン、プロピレン、テトラメ
チレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチ
レン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、
ウンデカメチレン、ドデカメチレン、トリデカメチレ
ン、テトラデカメチレン、ペンタデカメチレン、1−ヒ
ドロキシエチレン、1−メトキシエチレン、1−エトキ
シエチレン、1−ブトキシエチレン、1−アセチルオキ
シエチレン、1−ヒドロキシプロピレン、2−ヒドロキ
シプロピレン、1−メトキシプロピレン、2−メトキシ
プロピレン、1−エトキシプロピレン、2−エトキシプ
ロピレン、1−アセトキシプロピレン、2−アセトキシ
プロピレン、1−ヒドロキシテトラメチレン、2−ヒド
ロキシテトラメチレン、1−メトキシテトラメチレン、
1,4−ジヒドロキシヘキサメチレン、1,4−ジメチ
ルヘキサメチレン、シクロプロピレン、1,3−シクロ
ブチレン、1,3−シクロペンチレン、1,4−シクロ
ヘキシレン、3−メトキシ−1,4−シクロヘキシレ
ン、3−メチル−1,4−シクロヘキシレン、3−ブロ
モ−1,4−シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシ
レン、1,4−ビシクロ[3.3.3]オクチレン、
1,4−シクロヘプチレン、1,5−シクロオクチレン
等が挙げられる。
【0018】またR3及びR4の具体例としては、メチレ
ン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメ
チレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチ
レン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレ
ン、ドデカメチレン、トリデカメチレン、テトラデカメ
チレン、ペンタデカメチレン、1−ヒドロキシエチレ
ン、1−メトキシエチレン、1−エトキシエチレン、1
−ブトキシエチレン、1−アセチルオキシエチレン、1
−ヒドロキシプロピレン、2−ヒドロキシプロピレン、
1−メトキシプロピレン、2−メトキシプロピレン、1
−エトキシプロピレン、2−エトキシプロピレン、1−
アセトキシプロピレン、2−アセトキシプロピレン、1
−ヒドロキシテトラメチレン、2−ヒドロキシテトラメ
チレン、1−メトキシテトラメチレン、1,4−ジヒド
ロキシヘキサメチレン、1,4−ジメチルヘキサメチレ
ン、シクロプロピレン、1,3−シクロブチレン、1,
3−シクロペンチレン、1,4−シクロヘキシレン、3
−メトキシ−1,4−シクロヘキシレン、3−メチル−
1,4−シクロヘキシレン、3−ブロモ−1,4−シク
ロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン、1,4−ビ
シクロ[3.3.3]オクチレン、1,4−シクロヘプ
チレン、1,5−シクロオクチレン、1,4−フェニレ
ン、3−クロロ−1,4−フェニレン、3−ブロモ−
1,4−フェニレン、3−ヒドロキシ−1,4−フェニ
レン、1,3−フェニレン、3−メトキシ−1,4−フ
ェニレン、3−エトキシ−1,4−フェニレン、3−メ
チルチオ−1,4−フェニレン、3,5−ジブロモ−
1,4−フェニレン、2,5−ジブロモ−1,4−フェ
ニレン、3−アセトキシ−1,4−フェニレン、1,3
−フェニレン、4−ブロモ−1,3−フェニレン、4−
シクロヘキシル−1,3−フェニレン、2,6−ナフタ
レン、1,4−ナフタレン、1,4−ナフタレン等が挙
げられる。
【0019】前記一般式(1)もしくは(2)で示され
る含硫モノマーの製造方法は特に限定されるものではな
く、如何なる方法を採用してもよい。工業的に好適な方
法を以下に述べる。
【0020】即ち下記一般式(3)
【化7】 [式中R3及びR4は前述の定義の通り]で示されるジチ
オール化合物と、下記一般式(4)
【化8】 [式中Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、スルホネ
ートを示す。]で示される化合物を塩基触媒の存在下に
反応し、下記一般式(5)
【化9】 [式中R2、R3、R4及びR5は前述の定義の通り]
で表される化合物を得る。さらに下記一般式(6)
【化10】 [式中R1は水素原子またはメチル基を示し、X’は塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子、または水酸基を示
す。]と反応することにより前記(1)の含硫モノマー
が得られる。
【0021】もしくは一般式(3)で示されるジチオー
ル化合物と、下記一般式(7)
【化11】 [式中Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、スルホネ
ートを示す。]を反応し、さらにアルカリ等によって閉
環することにより、下記一般式(8)
【化12】 [式中R3及びR4は前述の定義の通り]で表されるエポ
キシ化合物が得られる。さらに下記一般式(9)
【化13】 [式中R1は水素原子またはメチル基を示す。]で表さ
れる(メタ)アクリル酸とを反応し、一般式(2)で表
される化合物が得られる。
【0022】一般式(1)においてAが硫黄のチオエス
テルの場合、下記一般式(6)
【化14】 [式中R1は水素原子またはメチル基を示し、Xは塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子、または水酸基を示す。]
と下記一般式(10)
【化15】 で示されるジチオール化合物を塩基存在下に反応するこ
とにより前記(1)の含硫モノマーが得られる。
【0023】上記一般式(3)で示したチオール化合物
としては、公知のものが制限なく用いられるが、例え
ば、チオビスベンゼンチオール、チオビス(2−ブロモ
ベンゼンチオール)等のチオビスベンゼンチオール類、
チオビス(エチレンチオール)、チオビスプロピレンチ
オール)等のチオビスアルキレンチオール類、チオビス
(シクロヘキシルチオール)等のチオビス(シクロアル
キレンチオール)等が好適に用いられる。
【0024】上記一般式(4)で示したアルコール化合
物としてはブロモエタノール、クロロエタノール、ブロ
モプロパノール、クロロブタノール、4−ブロモシクロ
ヘキサノール等のハロアルコール等が好適に用いられ
る。
【0025】上記反応において一般式(3)のチオール
化合物に対する一般式(4)の反応モル比は1〜10の
範囲で反応させることが好適であるが、2〜3の範囲が
より好ましい。この時用いられる塩基触媒としては公知
のものが使用可能であり、それらを例示すれば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の無機塩基、
トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トルブチルア
ミン、ベンジルジメチルアミン等の脂肪族アミン、また
はピリジン、ピコリン、キノリン等の芳香族アミン等が
挙げられる。その添加量は一般式(3)の化合物に対し
て0.1〜10倍モルの範囲が好適であるが、特に2〜
3倍モルの使用が好ましい。またこの反応に用いる溶媒
としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ス
ルホラン等が挙げられる。この中でベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ヘキサン等の非極性溶媒を使用する場合
は、テトラブチルアンモニウム・ブロミド、ベンジルト
リメチルアンモニウム・ブロミド等の相間移動触媒の使
用が望ましい。
【0026】反応温度は30〜80℃の範囲が好まし
く、反応時間は特に制限されることはなく、反応温度と
の関連で適宜決定される。
【0027】上記反応において一般式(5)のジオール
化合物に対する一般式(6)の(メタ)アクリル酸誘導
体の反応モル比は1〜10の範囲で反応させることが好
適であるが、2〜3の範囲がより好ましい。この時、一
般式(6)のX’が水酸基の場合は、p−トルエンスル
ホン酸、塩酸、硫酸等の酸触媒あるいはピリジン、トリ
エチルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジメチルア
ミン等の塩基触媒存在下加熱するか、もしくはトルエン
等の水と共沸する溶媒を用いて生成する水を共沸脱水す
るか、もしくはジシクロヘキシルカルボジイミド(以下
DCCと略す)、モレキュラーシーブ等の脱水剤の存在
下に反応させることにより、一般式(1)で表される化
合物が得られる。
【0028】またこれらの反応触媒の添加量は、一般式
(5)のジオール化合物に対して、酸触媒のときは0.
01〜5倍モル、好ましくは0.1〜2倍モルであり、
塩基触媒のときは0.1〜10倍モル、好ましくは0.
5〜3倍モルであり、DCCの場合は2〜5倍モル、好
ましくは2〜3倍モルである。またこの反応の溶媒とし
てはベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、クロロ
ホルム、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルイミダゾリジノン、スルホラン等が挙げられる。
反応温度は触媒の種類によって変わり、酸触媒、塩基触
媒の場合は0〜150℃、好ましくは40〜70℃の範
囲である。この時触媒量が多すぎたり、反応温度が高い
と反応物が重合しやすいので、ハイドロキノン、ハイド
ロキノンモノメチルエーテル、ブチルヒドロキシトルエ
ン等の重合禁止剤を少量添加するほうが好ましい。反応
後は、非極性溶媒の場合は、炭酸ナトリウム、水酸化ナ
トリウム等の弱アルカリ水で未反応の(メタ)アクリル
酸を抽出し、反応溶媒を減圧蒸留等で留去後、ヘキサン
洗浄もしくはカラムクロマトグラフィ等による精製によ
り高純度の一般式(1)の化合物が得られる。溶媒が水
に可溶な場合は反応物を多量の水で希釈し、デカンテー
ションにより上澄み液を除き、上記と同等に精製可能で
ある。
【0029】また上記一般式(6)のX’が塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子の場合は塩基触媒が用いられ、具
体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウ
ム等の無機塩基、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トルブチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の脂
肪族アミン、またはピリジン、ピコリン、キノリン等の
芳香族アミン等が挙げられる。その添加量は一般式
(5)の化合物に対して0.1〜10倍モルの範囲が好
適であるが、特に2〜3倍モル使用が望ましい。またこ
の反応に用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
イミダゾリジノン、スルホラン等が挙げられる。またピ
リジン、ピコリン、キノリン等を塩基触媒兼溶媒として
用いることができる。得られた生成物は上記と同様に精
製可能である。
【0030】上記反応において一般式(3)のジチオー
ル化合物に対する一般式(7)のエポキシ化合物の反応
モル比は1〜10の範囲で反応させることが好適である
が、2〜3の範囲がより好ましい。またこの反応に用い
る溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキ
サン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスル
ホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノ
ン、スルホラン等が挙げられる。この中でベンゼン、ト
ルエン、キシレン、ヘキサン等の非極性溶媒を使用する
場合は、テトラブチルアンモニウム・ブロミド、ベンジ
ルトリメチルアンモニウム・ブロミド等の相間移動触媒
の使用が望ましい。
【0031】反応温度は30〜80℃の範囲が好まし
く、反応時間は特に制限されることはなく、反応温度と
の関連で適宜決定される。さらに塩基触媒を用いて脱ハ
ロゲン化水素を行い、エポキシ基閉環反応をさせる。
【0032】塩基触媒として具体的には、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の無機塩基、トリ
エチルアミン、トリプロピルアミン、トルブチルアミ
ン、ベンジルジメチルアミン等の脂肪族アミン、または
ピリジン、ピコリン、キノリン等の芳香族アミン等が挙
げられる。その添加量は一般式(5)の化合物に対して
0.1〜10倍モルの範囲が好適であるが、特に2〜3
倍モル使用が望ましい。
【0033】またこの反応に用いる溶媒としては、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン等が挙
げられる。
【0034】一般式(8)と一般式(9)の付加反応は
上記一般式(5)と一般式(6)との反応と同様に処理
することができるが、中間体のエポキシ化合物及び生成
物の(メタ)アクリル酸誘導体が熱及び触媒により重合
しやすいので重合禁止剤を添加し、30〜80℃の温度
範囲で行う方が好ましい。
【0035】一般式(6)と一般式(10)のチオエス
テル化反応は上記一般式(5)と一般式(6)との反応
と同様に処理することができるが、原料及び生成物の
(メタ)アクリル酸誘導体が熱及び触媒により重合しや
すいので重合禁止剤を添加し、またチオールの二重結合
への付加反応を抑えるために10〜−30℃の温度範囲
で行う方が好ましい。
【0036】本発明の樹脂組成物中の含硫ポリマーは全
体の5〜100重量%、好ましくは30〜70重量%の
範囲で使用される。
【0037】また本発明の用いられる重合開始剤は特に
限定されず、公知のラジカル発生剤、もしくは光照射に
よりラジカルを発生する光増感剤が用いられる。例えば
ラジカル発生剤としてはベンゾイルパーオキサイド、パ
ラクロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロ
ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、ターシャルブチルパーオキ
サイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメ
チルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、メ
チルエチルケトンパーオコサイド、ターシャルブチルパ
ーオキシベンゾエート等のような有機過酸化物、アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(4−メトキ
シ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−
2,2−アゾビスイソブチレート等のようなアゾ化合
物、トリエチルボロン、トリイソプロピルボロン、トリ
ブチルボロン、トリ−n−アミルボロン等のような有機
ホウ酸化合物等があり、光増感剤としてはジアセチル、
ベンジル、カンファーキノン、α−ナフチル、アセナフ
テンキノン、4,4−ジメトキシベンジル、4,4−ジ
クロロベンジル、ペンタンジオン、9,10−フェナン
トレンキノン等のα−ジケトン類、ベンゾイン、ベンゾ
インメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベ
ンゾイン化合物、4−クロロベンゾフェノン、4−メト
キシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類が挙げられ
る。
【0038】特に、人体に対して無害な可視光線で重合
を開始できる光増感剤であるカンファーキノン、ベンジ
ル、ジアセチルの使用が望ましい。上記重合開始剤の添
加量は組成物の硬化性及び貯蔵安定性を考慮して適宜決
定すればいい。一般には全モノマーに対して0.01〜
10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0039】また、上記光増感剤に光重合促進剤を組み
合わせて用いることも好ましい。かかる光重合促進剤と
しては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチル
アニリン、N,N−ジ−n−ブチルアニリン、N,N−
ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジ
ン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメ
チル−m−トルイジン、4−ブロモ−N,N−ジメチル
アニリン、3−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、
N,N−ジメチル−3,5−キシルジン、4−ジメチル
アミノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン、トリプ
ロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエ
チルメタクリレート等の3級アミン類、5−ブチルバル
ピツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルピツール
酸等のパルピツール酸類が使用できる。
【0040】上記の光重合促進剤の添加量は全モノマー
に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5
重量%である。
【0041】また本発明に使用される無機フィラーとし
ては周期表I、II、III、IV、V族、遷移金属及
びそれらの酸化物、水酸化物、塩化物、硫酸塩、亜硫酸
塩、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩及びこれらの混合物、
複合塩等が挙げられる。具体的には硫酸バリウム、フッ
化バリウム、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チ
タン、石英粉末、アルミナ、カオリン、タルク、炭酸カ
ルシウム、バリウムアルミノシリケートガラス、ホウケ
イ酸ガラス、コロイダルシリカ、ガラス粉末、ガラスビ
ーズ、ガラス繊維、バリウム塩、鉛塩またはストロンチ
ウム塩を含有するガラスフィラー、シリカゲル、ジルコ
ニウム酸化物及びスズ化合物、コロイダルシリカをポリ
マーで固めて粉砕した有機複合フィラー粉末あるいはポ
リメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリ
メタクリル酸メチル−ポリメタクリル酸エチル共重合
体、架橋型ポリメタクリル酸メチル等の樹脂を粉砕した
粉末等が挙げられる。前記無機フィラーは表面処理を施
しても、しなくてもかまわない。
【0042】表面処理剤としてはγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、
ビニルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤、
アルミネートカップリング剤等を使用することが出来
る。上記無機フィラーの添加量は全重量に対して5〜9
0重量%、好ましくは30〜80重量%である。
【0043】本発明の歯科用樹脂組成物は従来の光重合
性材料と同様にハロゲンランプ、キセノンランプ、タン
グステンランプ、蛍光灯或は太陽光などを光源とする光
によって重合することができる。
【0044】光重合の際の温度は通常0〜100℃、好
ましくは5〜50℃に範囲にあり、光照射も時間は1秒
〜5分である。
【0045】
【実施例】以下に実施例及び比較例によって本発明を詳
しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお、実施例中、部は重量部を示す。ま
た本実施例中の物性評価は下記の方法に従い行った。
【0046】屈折率の測定 屈折率の測定は20℃恒温室中にて精密屈折計(カルニ
ュー光学工業社、KPR−2)により測定した。ポリマ
ーの試験体は次のように作成した。すなはちモノマーに
対して、カンファーキノンを1重量%、過酸化ベンゾイ
ル1重量%、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート1重量部を加えてよく混合した組成物を調整し、得
られた組成物に光を3分間照射後、24時間放置し、十
分に重合させた後、20×20×9mmの寸法に調整し
た。測定は接触液としてブロモホルム、1−ブロモナフ
タレンを用いて測定した。またこの時の光源はハロゲン
−タングステンランプ(1KW)を有するスライドプロ
ジェクター(理化学精機社、HILUX−H130)を
使用した。
【0047】圧縮強度の測定 全重量の48.5重量%のモノマーに、カンファーキノ
ンを0.5重量%、N,N−ジメチルアミノエチルメタ
クリレート1重量%を加えてよく混合し、さらにフィラ
ーとしてシラン処理した平均粒径4.3μmの溶融石英
ガラスフィルター(龍森社、ヒューズレックスE−I
I)を全重量の40重量%、酸化ジルコニウム等のx線
造影剤10重量%を添加し、ガラス乳鉢で十分に練和し
た後、真空デシケーター中で脱泡した。得られた組成物
を内径4mm高さ6mmのステンレス製金型に充填し、
上下両面に厚さ0.1mmのカバーグラスを密着させた
後、光照射器(Kulzer社、TransluxC
L)を使用し、上下両面より60秒づつ照射した後、評
価した。強度測定はオートグラフ(島津製作所社、IS
−5000型)を用い、負荷速度0.5mm/minで
試験した。試験は各5個の試験片を用いて測定し、それ
らの平均値で表示した。
【0048】耐水強度の測定 上記と同様の硬化物を37℃で1カ月水中に保存した
後、その圧縮強度を測定し、耐水強度とした。
【0049】吸水率 内径20mm高さ1mmのステンレス製金型を用いて同
様の方法で得られた樹脂組成物を37℃で1カ月水中に
保存した後樹脂単位表面積当りの重量増加分を測定し吸
水率の評価を実施した。
【0050】摩耗量 摩耗面10mm×30mm厚さ3mmのステンレス製金
型を用いて、同様の方法にて得られた樹脂組成物を歯ブ
ラシにより5000回滑走摩耗したときの樹脂組成物単
位表面積当りの重量減少分を測定し評価した。
【0051】透明度の測定 直径30mm高さ1mmの円盤状のステンレス製金型を
用いて上記と同様の方法にて得られた樹脂組成物を色彩
色差計(ミノルタ社、CR−200、CT−210)を
用いて、試験片の背後に標準白版を置いて色度を測定し
た場合の明度(L1)と、同じ試験片の背後に標準黒板
を置いて色度を測定した場合の明度(L2)との差ΔL
(=L1−L2)を測定し、透明度の指標とした。この
評価方法ではΔLの値が大きい程透明度が高いことを意
味する。
【0052】実施例1 100mlの四つ口フラスコに4,4’−チオビスベン
ゼンチオール12.5部、テトラブチルアンモニウム・
ブロミド0.13部、トルエン20部を装入し、60℃
へ昇温する。昇温後、エピクロルヒドリン11.1部を
4時間かけて装入し、さらに同温にて3時間保温後、3
2%水酸化ナトリウム水溶液30部を1.5時間かけて
装入した。同温にて2時間保温後、トルエンを減圧にて
留去後、下記式(11)のエポキシ化合物12.7部が
得られた。(反応収率85%)
【化16】 得られたエポキシ化合物(式11)37.8部、メタク
リル酸17.8部、ピリジン2.3部、ブチルヒドロキ
シトルエン0.3部、トルエン50部を100mlの四
つ口フラスコに装入し、窒素を通気しながら70℃へ昇
温した。同温で14時間保温後、室温まで冷却し、反応
物を200mlのトルエンを4回用いて抽出した。抽出
液を200mlになるまで濃縮し、カラムクロマトグラ
フィにて精製すると、下記式(12)の化合物25.0
部が混合物として得られた(反応収率47.0%)。
【化17】 この生成物の構造及び組成比はは赤外分光分析、核磁気
共鳴分析、マススペクトル分析、元素分析の結果により
確認された。
【0053】元素分析 ( )内は計算値 C;59.91(58.42) H;6.08(5.62) S;16.45(17.98) 0;17.56(17.98)
【0054】マススペクトル分析 p−ニトロベンジルアルコールをマトリックスとしてF
AB/MSを測定した。m/z=534であった。
【0055】赤外分光分析 3453cm-1 水酸基に基づく吸収 2955〜2886cm-1 アルキルに基づく吸収 1717cm-1 エステル基のカルボニル基
に基づく吸収 1163cm-1 エステル基のC−O−Cに
基づく吸収 1637,1576,813cm-1 p−置換ベンゼ
ンに基づく吸収
【0056】核磁気共鳴分析1 H−NMR、13C−NMR、H−H COSY、C−
H COSY、13C−DEPTの結果を表1にまとめ
る。これらの結果より下記3組の部分構造が存在し、H
j:Hf:Hnのプロトン比よりI:II:IIIの組
成比は42:20:38である。
【0057】
【表1】
【0058】以上の製法により得られた化合物を前記の
方法にて樹脂及び樹脂組成物を作成し、樹脂の屈折率、
樹脂組成物の透明度、圧縮強度、耐水強度、給水率、摩
耗量を測定した。すなはちモノマーに対して、カンファ
ーキノンを1重量部、過酸化ベンゾイル1重量部、N,
N−ジメチルアミノエチルメタクリレート1重量部を加
えてよく混合した組成物を調整し、得られた組成物に光
を3分間照射後、24時間放置し、十分に重合させた
後、20×20×9mmの寸法に調整した。その結果、
樹脂の屈折率は1.631であった。次に全重量の4
8.5重量部のモノマーに、カンファーキノンを0.5
重量%、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
1重量%を加えてよく混合し、さらにフィラーとしてシ
ラン処理した平均粒径4.3μmの溶融石英ガラスフィ
ルター(龍森社、ヒューズレックスE−II)を全重量
の40重量%、酸化ジルコニウム10重量%を添加し、
ガラス乳鉢で十分に練和した後、真空デシケーター中で
脱泡した。得られた組成物を内径4mm高さ6mmのス
テンレス製金型に充填し、上下両面に厚さ0.1mmの
カバーグラスを密着させた後、光照射器(Kulzer
社、TransluxCL)を使用し、上下両面より6
0秒づつ照射した後、評価すると圧縮強度4258kg
/cm3であった。上記と同様の硬化物を37℃で1カ
月水中に保存した後、その圧縮強度を測定すると耐水強
度は4225kg/cm3であった。また内径20mm
高さ1mmのステンレス製金型を用いて同様の方法で得
られた樹脂組成物を37℃で1カ月水中に保存した後樹
脂単位表面積当りの重量増加分を測定すると吸水量は
0.28mg/cm2であった。さらに摩耗面10mm
×30mm厚さ3mmのステンレス製金型を用いて、同
様の方法にて得られた樹脂組成物を歯ブラシにより50
00回滑走摩耗したときの樹脂組成物単位表面積当りの
重量減少分を測定すると摩耗量は0.30mg/cm2
であった。最後に直径30mm高さ1mmの円盤状のス
テンレス製金型を用いて上記と同様の方法にて得られた
樹脂組成物を色彩色差計を用いて、試験片の背後に標準
白版を置いて色度を測定した場合の明度(L1)と、同
じ試験片の背後に標準黒板を置いて色度を測定した場合
の明度(L2)との差ΔL(=L1−L2)を測定する
と、樹脂組成物の透明度は52であり、樹脂組成物の濁
りもなく歯科用樹脂組成物、特に歯科用コンポジットレ
ジンとして適当な審美性と物理物性を有していた。
【0059】実施例2 実施例1においてx線造影剤として酸化バリウムを用い
た以外は同様に行った。その結果、樹脂の屈折率1.6
31、樹脂組成物の透明度49、圧縮強度4154g/
cm3、耐水強度4116kg/cm3、吸水量0.28
mg/cm2、摩耗量0.29mg/cm2であり、樹脂
組成物の濁りもなく歯科用樹脂組成物、特に歯科用コン
ポジットレジンとして適当な審美性と物理物性を有して
いた。
【0060】実施例3〜59 表2に示すモノマー及びX線造影剤を使用した以外は、
実施例1と同様の方法により試験を行った。それらの結
果を表2及び表3に示す。なお表中のモノマーの構造は
式(1)に基づく。(表2中のn、n’はすべて1であ
る。)
【0061】比較例1 モノマーとしてBisGMAを使用した以外は、実施例
1と同様の方法により試験を行った。それらの結果、樹
脂の屈折率1.552、樹脂組成物の透明度28、圧縮
強度2844Kg/cm3、耐水強度2674kg/c
3、吸水量0.36mg/cm2、摩耗量0.36mg
/cm2であり、樹脂組成物は白濁し、審美性が損なわ
れていた。
【0062】比較例2 モノマーとしてTEGDMAを使用した以外は、実施例
1と同様の方法により試験を行った。それらの結果、樹
脂の屈折率1.508、樹脂組成物の透明度17、圧縮
強度2094kg/cm3、耐水強度1987kg/c
3、吸水量0.32mg/cm2、摩耗量0.45mg
/cm2であり、樹脂組成物は白濁し、審美性が損なわ
れていた。
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
【表7】
【0069】
【表8】
【0070】
【発明の効果】歯の治療に用いられる歯科用樹脂組成物
として優れた審美性を有し、かつ、機械的強度、耐摩耗
性、耐水性、硬化性に優れた歯科用樹脂組成物が提供可
能となり、本発明の意義は大きい。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマーとした時の屈折率が1.56以
    上の含硫モノマーを含有してなる歯科用材料。
  2. 【請求項2】 ポリマーとした時の屈折率が1.56以
    上の含硫モノマーを重合してなる歯科用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリマーとした時の屈折率が1.56以
    上の含硫(メタ)アクリル酸エステルを含有してなる歯
    科用材料。
  4. 【請求項4】 ポリマーとした時の屈折率が1.56以
    上の含硫(メタ)アクリル酸エステルを重合してなる歯
    科用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 分子内に硫黄原子を3個以上含み、ポリ
    マーとした時の屈折率が1.56以上の含硫(メタ)ア
    クリル酸エステルを含有してなる歯科用材料。
  6. 【請求項6】 分子内に硫黄原子を3個以上含み、ポリ
    マーとした時の屈折率が1.56以上の含硫(メタ)ア
    クリル酸エステルを重合してなる歯科用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 一般式(1) 【化1】 [式中、Aは酸素原子または硫黄原子を示し、R1は水
    素原子またはメチル基を示し、R2及びR5は無置換もし
    くは置換していてもよい炭素数1〜15のアルキレン、
    無置換もしくは置換していてもよい炭素数3〜10のシ
    クロアルキレン、R3及びR4は無置換もしくは置換して
    いてもよい炭素数1〜15のアルキレン、無置換もしく
    は置換していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキレ
    ン、無置換もしくは置換していてもよいフェニル基もし
    くはナフタレンを示し、n、n’は0〜3の整数を示
    す。]で表わされる(メタ)アクリル酸エステルを含有
    してなる歯科用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 一般式(1) 【化2】 [式中、Aは酸素原子または硫黄原子を示し、R1は水
    素原子またはメチル基を示し、R2及びR5は無置換もし
    くは置換していてもよい炭素数1〜15のアルキレン、
    無置換もしくは置換していてもよい炭素数3〜10のシ
    クロアルキレン、R3及びR4は無置換もしくは置換して
    いてもよい炭素数1〜15のアルキレン、無置換もしく
    は置換していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキレ
    ン、無置換もしくは置換していてもよいフェニル基もし
    くはナフタレンを示し、n、n’は0〜3の整数を示
    す。]で表わされる(メタ)アクリル酸エステルを重合
    してなる歯科用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 一般式(2) 【化3】 [式中、Aは酸素原子または硫黄原子を示し、R1は水
    素原子またはメチル基を示し、R2及びR5は無置換もし
    くは置換していてもよい炭素数1〜6のアルキレン、R
    3及びR4は無置換もしくは置換していてもよい炭素数1
    〜15のアルキレン、無置換もしくは置換していてもよ
    い炭素数3〜10のシクロアルキレン、無置換もしくは
    置換していてもよいフェニル基もしくはナフタレンを示
    し、n、n’は0〜3の整数を示す。]で表わされる
    (メタ)アクリル酸エステルを含有してなる歯科用樹脂
    組成物。
  10. 【請求項10】 一般式(2) 【化4】 [式中、Aは酸素原子または硫黄原子を示し、R1は水
    素原子またはメチル基を示し、R2及びR5は無置換もし
    くは置換していてもよい炭素数1〜6のアルキレン、R
    3及びR4は無置換もしくは置換していてもよい炭素数1
    〜15のアルキレン、無置換もしくは置換していてもよ
    い炭素数3〜10のシクロアルキレン、無置換もしくは
    置換していてもよいフェニル基もしくはナフタレンを示
    し、n、n’は0〜3の整数を示す。]で表わされる
    (メタ)アクリル酸エステルを重合してなる歯科用樹脂
    組成物。
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