JP2003157556A - 光学ヘッドおよび光ディスク再生装置 - Google Patents

光学ヘッドおよび光ディスク再生装置

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JP2003157556A
JP2003157556A JP2001351690A JP2001351690A JP2003157556A JP 2003157556 A JP2003157556 A JP 2003157556A JP 2001351690 A JP2001351690 A JP 2001351690A JP 2001351690 A JP2001351690 A JP 2001351690A JP 2003157556 A JP2003157556 A JP 2003157556A
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lens
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optical
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JP2001351690A
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Katsutoshi Sato
克利 佐藤
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非無限系の光学ヘッドで、DVD再生時に
も、CD再生時にも、視野振り時の軸外収差をキャンセ
ルできるようにする。 【解決手段】 DVD再生時には、有限対物レンズ1を
磁気中立位置Poより距離Hdだけ後退させ、CD再生
時には、有限対物レンズ1を磁気中立位置Poより距離
Hcだけ前進させる。有限対物レンズ1をフォーカシン
グ方向およびトラッキング方向に駆動するアクチュエー
タは、この有限対物レンズ1の作動位置の違いによる応
力差を利用して、有限対物レンズ1をトラッキング方向
に移動させたときのレンズ移動量に対するレンズ傾斜角
の特性を、DVD再生時とCD再生時とで変え、DVD
再生時にも、CD再生時にも、3次コマ収差をキャンセ
ルする傾斜方向に、3次コマ収差をキャンセルする傾斜
角で、有限対物レンズ1を傾倒させるローリング特性を
有するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光ディスクの再
生用または記録再生用の光学ヘッド、および、その光学
ヘッドによって光ディスクの再生または記録再生を行う
光ディスク再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクの再生用または記録再生用の
光学ヘッドとしては、無限対物レンズを用いたものと、
有限対物レンズを用いたものとがある。無限対物レンズ
を用いた光学ヘッドは、レーザ出射光を、コリメータレ
ンズで平行光にして、無限対物レンズに入射させ、光デ
ィスク上に集光させるものであり、有限対物レンズを用
いた光学ヘッドは、レーザ出射光を、平行光にすること
なく、有限対物レンズに入射させ、光ディスク上に集光
させるものである。
【0003】無限対物レンズを用いた光学ヘッドでは、
トラックジャンプ時やシーク時など、アクチュエータ
(対物レンズ駆動装置)によって対物レンズをトラッキ
ング方向に移動させる、いわゆる視野振り時にも、レー
ザ出射光が対物レンズの光軸に対して平行に対物レンズ
に入射するので、軸外収差の発生が少ない。
【0004】これに対して、有限対物レンズを用いた光
学ヘッドでは、コリメータレンズを用いないので、ヘッ
ドの小型化およびコストダウンを実現できるが、視野振
り時には、レーザ出射光が対物レンズの光軸に対して傾
斜して対物レンズに入射するので、軸外収差が発生し、
読み取り信号が劣化する。
【0005】図8(A)に、この有限対物レンズを用い
た光学ヘッドにおける視野振り時の軸外収差の発生の様
子を示す。視野振り前には、有限対物レンズ1は、半導
体レーザ2および光ディスク10に対して、破線の位置
および状態にあって、半導体レーザ2からのレーザ光
は、光ビーム2aで示すように、有限対物レンズ1に入
射する。これに対して、視野振り時には、有限対物レン
ズ1が、実線で示すように、その光軸が軸1aから軸1
bに平行移動するように、トラッキング方向に移動し、
半導体レーザ2からのレーザ光が、光ビーム2bで示す
ように、有限対物レンズ1の光軸1bに対して、角度θ
bで示すように傾斜して、有限対物レンズ1に入射し、
軸外収差が発生する。
【0006】そこで、特開平8−36768号には、有
限対物レンズを用いた光学ヘッドにおいて、その有限対
物レンズをフォーカシング方向およびトラッキング方向
に駆動するアクチュエータに、有限対物レンズを傾倒さ
せるローリング機能を持たせ、視野振り時、図8(B)
に実線で示すように、有限対物レンズ1を、角度θtで
示すように傾倒させることによって、軸外収差を補正す
ることが示されている。
【0007】この軸外収差を補正するレンズ傾斜角θt
は、視野振り時のレンズ移動量Δxの関数として、あら
かじめ求められ、その関数に応じて有限対物レンズ1を
傾倒させるように、アクチュエータが設計される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一つの光学ヘッド、一
台の光ディスク再生装置で、DVD(DigitalV
ersatile Disc)とCD(Compact
Disc)を再生する場合、そのDVDとCDに共用
の光学ヘッドとして、有限対物レンズを用いることが考
えられる。
【0009】さらに、このDVDとCDに共用の有限対
物レンズを用いた光学ヘッドに、特開平8−36768
号の発明を適用して、DVD再生時およびCD再生時の
視野振り時、それぞれ、有限対物レンズを傾倒させるこ
とによって、軸外収差を補正することが考えられる。
【0010】しかしながら、一般に、視野振り時に発生
する軸外収差は、DVD再生時とCD再生時とで同じで
はなく、有限対物レンズを傾倒させたときの軸外収差の
補正状態も、DVD再生時とCD再生時とで同じではな
い。
【0011】例えば、ある有限対物レンズについては、
視野振り時のレンズ移動量に対する波面収差および3次
コマ収差が、DVD再生時には、それぞれ図2(A)の
実線および破線で示すようになり、CD再生時には、そ
れぞれ同図(B)の実線および破線で示すようになる、
というように、例えば、DVD再生時よりCD再生時の
方が、読み取り信号の劣化に対する寄与が大きい3次コ
マ収差が大きくなる。
【0012】この場合に、DVD再生時およびCD再生
時の視野振り時、それぞれ有限対物レンズを傾倒させ
て、それぞれ3次コマ収差を図3(A)および(B)の
破線で示すようにレンズ移動量の全域に渡ってキャンセ
ルするときのレンズ傾斜角は、例えば、DVDについて
は、図4の破線で示すような負(傾斜方向がマイナス方
向)の比較的小さいレンズ傾斜角fdとなり、CDにつ
いては、同図の鎖線で示すような正(傾斜方向がプラス
方向)の比較的大きいレンズ傾斜角fcとなる、という
ように、例えば、DVD再生時とCD再生時とで方向が
逆になり、かつ絶対値も異なるものとなる。
【0013】レンズ傾斜方向(レンズ傾斜角の正負)に
ついては、図8(B)に実線で示したように有限対物レ
ンズ1を傾倒させる場合、例えば、図8(B)で右側が
ディスク外周部側であるとき、すなわち有限対物レンズ
1の光軸の光ディスク10側をディスク外周部側に寄せ
る方向に有限対物レンズ1を傾倒させるときを、プラス
方向の傾斜方向(正のレンズ傾斜角)とし、逆に、図8
(B)で右側がディスク内周部側であるとき、すなわち
有限対物レンズ1の光軸の光ディスク10側をディスク
内周部側に寄せる方向に有限対物レンズ1を傾倒させる
ときを、マイナス方向の傾斜方向(負のレンズ傾斜角)
とする。
【0014】視野振り(アクチュエータによる対物レン
ズのトラッキング方向の移動)についても、正負の方向
がある。これについては、例えば、図8(B)に破線で
示した中心位置(半導体レーザ2の出射光の中心が有限
対物レンズ1の光軸上を通る、3次コマ収差が最小とな
る位置)からディスク内周部に向かう方向に有限対物レ
ンズ1を移動させるときを、プラス方向の移動とし、逆
に、中心位置からディスク外周部に向かう方向に有限対
物レンズ1を移動させるときを、マイナス方向の移動と
する。
【0015】図4は、レンズ移動方向がプラス方向の場
合、すなわち有限対物レンズを中心位置からディスク内
周部に向かう方向に移動させる場合である。
【0016】レンズ移動方向がマイナス方向の場合、す
なわち有限対物レンズを中心位置からディスク外周部に
向かう方向に移動させる場合、発生する3次コマ収差
の、レンズ移動量の絶対値に対する関係は、レンズ移動
方向がプラス方向の場合と同じであるが(したがって、
図2(A)(B)の横軸のレンズ移動量は絶対値であ
る)、その3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜角
の、レンズ移動量の絶対値に対する関係は、レンズ移動
方向がプラス方向の場合と逆の極性になる。
【0017】すなわち、3次コマ収差をキャンセルする
レンズ傾斜角は、DVD再生時には、有限対物レンズを
プラス方向に移動させるときについては、図4のfdで
示したように負(傾斜方向がマイナス方向)の比較的小
さい傾斜角となるとすると、有限対物レンズをマイナス
方向に移動させるときについては、正(傾斜方向がプラ
ス方向)の比較的小さい傾斜角となり、CD再生時に
は、有限対物レンズをプラス方向に移動させるときにつ
いては、図4のfcで示したように正(傾斜方向がプラ
ス方向)の比較的大きい傾斜角となるとすると、有限対
物レンズをマイナス方向に移動させるときについては、
負(傾斜方向がマイナス方向)の比較的大きい傾斜角と
なる。
【0018】このように、視野振り時に発生する3次コ
マ収差、および、この3次コマ収差をキャンセルするレ
ンズ傾斜角は、DVD再生時とCD再生時とで同じでは
ない。
【0019】DVDとCDを比較すると、DVD再生時
にはCD再生時より有限対物レンズのNA(Numer
ical Aperture:開口率)が大きいこと
や、DVD再生時とCD再生時とで波長の異なるレーザ
光を用いる場合には、DVD再生時にはCD再生時より
短波長のレーザ光を用いる(具体的には、DVD再生時
には波長650nmのレーザ光を用い、CD再生時には
波長780nmのレーザ光を用いる)ことなど、DVD
の方がCDより各種トレランスが厳しいため、一般にD
VDとCDに共用の光学ヘッドでは、DVDについての
各種制限条件を満たすように光学系を設計することが多
い。
【0020】そのため、DVDとCDに共用の有限対物
レンズを用いた光学ヘッドに、特開平8−36768号
の発明を適用して、アクチュエータに有限対物レンズを
傾倒させるローリング機能を持たせ、DVD再生時およ
びCD再生時の視野振り時、有限対物レンズを傾倒させ
て軸外収差を補正する場合にも、アクチュエータのロー
リング特性を、DVDについての、レンズ移動量に対す
る3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜角の特性に
応じて、有限対物レンズを傾倒させるように設計するこ
とが考えられる。
【0021】しかし、そうすると、図4に示したように
DVD再生時とCD再生時とで3次コマ収差をキャンセ
ルするレンズ傾斜方向が逆になる場合には、CD再生
時、かえって3次コマ収差が増大してしまう。
【0022】逆に、アクチュエータのローリング特性
を、CDについての、レンズ移動量に対する3次コマ収
差をキャンセルするレンズ傾斜角の特性に応じて、有限
対物レンズを傾倒させるように設計すると、DVD再生
時、かえって3次コマ収差が増大してしまう。
【0023】図4とは異なり、レンズ移動方向が同じで
あれば、DVD再生時とCD再生時とで、3次コマ収差
をキャンセルするレンズ傾斜方向が同じで、レンズ傾斜
角の絶対値のみが異なる場合もある。
【0024】しかし、その場合でも、アクチュエータの
ローリング特性を、3次コマ収差をキャンセルするレン
ズ傾斜角が小さい方のディスクについての、レンズ移動
量に対する3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜角
の特性に応じて、有限対物レンズを傾倒させるように設
計すると、3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜角
が大きい方のディスクの再生時、3次コマ収差が残留し
て、読み取り信号の劣化を生じ、逆に、アクチュエータ
のローリング特性を、3次コマ収差をキャンセルするレ
ンズ傾斜角が大きい方のディスクについての、レンズ移
動量に対する3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜
角の特性に応じて、有限対物レンズを傾倒させるように
設計すると、3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜
角が小さい方のディスクの再生時、過補正の状態となっ
て、やはり読み取り信号の劣化を生じる。
【0025】そこで、この発明は、DVDとCDのよう
な、少なくとも2種類の光ディスクに共用の対物レンズ
を用いた光学ヘッドにおいて、いずれの種類の光ディス
クの再生時にも、アクチュエータによって対物レンズを
トラッキング方向に移動させたときに発生する軸外収差
をキャンセルすることができ、読み取り信号の劣化を防
止することができるようにしたものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】この発明の光学ヘッド
は、少なくとも第1種類の光ディスクと第2種類の光デ
ィスクとに共用される対物レンズと、この対物レンズを
フォーカシング方向およびトラッキング方向に駆動する
アクチュエータとを備え、そのアクチュエータは、前記
対物レンズを前記フォーカシング方向において前記第1
種類の光ディスクを再生するときの第1の作動位置にし
たときと前記第2種類の光ディスクを再生するときの第
2の作動位置にしたときとの応力差によって、前記対物
レンズを前記第1の作動位置にしたときには、前記第1
種類の光ディスクについての、前記対物レンズを前記ト
ラッキング方向に移動させたときのレンズ移動量に対す
る移動後の位置で発生する軸外収差をキャンセルするレ
ンズ傾斜角の特性に応じて、前記対物レンズを傾倒さ
せ、前記対物レンズを前記第2の作動位置にしたときに
は、前記第2種類の光ディスクについての、前記対物レ
ンズを前記トラッキング方向に移動させたときのレンズ
移動量に対する移動後の位置で発生する軸外収差をキャ
ンセルするレンズ傾斜角の特性に応じて、前記対物レン
ズを傾倒させるローリング特性を有するものとする。
【0027】上記の構成の、この発明の光学ヘッドで
は、第1種類の光ディスクの再生時にも、第2種類の光
ディスクの再生時にも、アクチュエータによって対物レ
ンズをトラッキング方向に移動させたときに発生する軸
外収差をキャンセルすることができ、読み取り信号の劣
化を防止することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の光学ヘッドお
よび光ディスク再生装置の一実施形態を示す。
【0029】光学ヘッド20は、有限対物レンズ1、半
導体レーザ2、光分岐板3、受光部4、およびアクチュ
エータ5を備えるものである。
【0030】有限対物レンズ1は、DVDの再生とCD
の再生に共用されるものであり、半導体レーザ(レーザ
ダイオード)2は、この実施形態では、DVDの再生と
CDの再生に共用される波長650nmのレーザ光を出
射するものである。
【0031】受光部4も、DVDの再生とCDの再生に
共用されるもので、再生信号、フォーカスエラー信号お
よびトラッキングエラー信号の検出用に分割された受光
素子によって構成される。
【0032】アクチュエータ5は、有限対物レンズ1を
フォーカシング方向(図の上下方向)およびトラッキン
グ方向(図の左右方向)に駆動するもので、光ディスク
の反りによるコマ収差をキャンセルする機能を有するも
のを用いる。
【0033】具体的に、アクチュエータ5は、固定部を
構成するベース5bに、図では省略したヨークおよび永
久磁石からなる磁気回路が形成され、可動部を構成する
ホルダ5aに、有限対物レンズ1が取り付けられるとと
もに、ベース5b上の磁気回路の磁界中を横切るように
図では省略したフォーカシングコイルおよびトラッキン
グコイルが取り付けられ、そのホルダ5aが、図では省
略した4本のワイヤなどの弾性部材によってベース5b
に支持され、フォーカシングコイルにフォーカシング用
の駆動電流が供給されることによって、有限対物レンズ
1がフォーカシング方向に駆動され、トラッキングコイ
ルにトラッキング用の駆動電流が供給されることによっ
て、有限対物レンズ1がトラッキング方向に駆動され
る。
【0034】さらに、このアクチュエータ5は、有限対
物レンズ1をトラッキング方向に駆動するとき、上記の
弾性部材がトラッキング方向に弾性変位すると同時にロ
ーリングすることによって、後述のようなローリング特
性で有限対物レンズ1を傾倒させるものである。
【0035】DVD再生時も、CD再生時も、半導体レ
ーザ2から出射されたレーザ光は、光分岐板3で反射
し、有限対物レンズ1によって集光されて、光ディスク
(DVDまたはCD)10上に照射される。光ディスク
10に入射したレーザ光は、入射面10aで屈折して、
記録面10bで合焦し、反射して、有限対物レンズ1を
介して光分岐板3に入射し、光分岐板3で屈折して受光
部4に入射し、受光部4で受光される。
【0036】受光部4の受光出力信号は、光学ヘッド2
0からRFアンプ31に送出され、RFアンプ31から
DSP(Digital Signal Proces
sor)32に、再生信号、フォーカスエラー信号およ
びトラッキングエラー信号が送出される。
【0037】DSP32は、コントローラ33によって
制御されて、アクチュエータ5にフォーカシング用およ
びトラッキング用の駆動信号を送出する。また、図では
省略したが、DSP32は、ドライバを制御し、ドライ
バから、光ディスク10の駆動用のスピンドルモータ、
および光学ヘッド20の送り用のモータに、それぞれ駆
動信号が送出される。
【0038】DVDは、図5(A)に示すように、それ
ぞれ厚さ0.6mmの2枚のディスク11および12を
貼り合わせたものであり、ディスク11の読み取り光の
入射面11aから記録面11bまでの距離Ddが0.6
mm弱であるのに対して、CDは、同図(B)に示すよ
うに、厚さ1.2mmのディスク13であり、その読み
取り光の入射面13aから記録面13bまでの距離Dc
が1.2mm弱である。
【0039】DVDとCDに共用の有限対物レンズ1で
は、通常、DVDとCDにつき焦点距離がほぼ同じにな
るので、この入射面から記録面までの距離Dc,Ddの
差(Dc−Dd)に相当する分だけ、DVD再生時とC
D再生時とで作動距離を変える。
【0040】具体的に、例えば、DVD再生時には、図
5(A)に示すように、有限対物レンズ1を、ディスク
11の入射面11aから距離(Ho+Hd)だけ後退し
た位置にし、CD再生時には、同図(B)に示すよう
に、有限対物レンズ1を、ディスク13の入射面13a
から距離(Ho−Hc)だけ後退した位置にする。
【0041】距離Hoは、図1のアクチュエータ5によ
って有限対物レンズ1をフォーカシング方向に駆動しな
いとき(フォーカシングコイルに供給する駆動電流をゼ
ロとしたとき)の有限対物レンズ1のフォーカシング方
向における位置である磁気中立位置Poの入射面11a
または13aからの距離であり、有限対物レンズ1の磁
気中立高さである。
【0042】すなわち、DVD再生時には、ある方向の
駆動電流をフォーカシングコイルに流して、有限対物レ
ンズ1を磁気中立位置Poより距離Hdだけ後退させ、
CD再生時には、逆の方向の駆動電流をフォーカシング
コイルに流して、有限対物レンズ1を磁気中立位置Po
より距離Hcだけ前進させる。ただし、この場合の有限
対物レンズ1の位置は、フォーカシングエラーがゼロの
ときの中立位置である。
【0043】DVD再生時の作動距離(Ho+Hd)と
CD再生時の作動距離(Ho−Hc)との差(Hd+H
c)は、ディスク13の入射面13aから記録面13b
までの距離Dcとディスク11の入射面11aから記録
面11bまでの距離Ddとの差(Dc−Dd)に相当す
るものである。実際上は、レーザ出射光は入射面11a
または13aで屈折するので、作動距離の差(Hd+H
c)は、距離Dcと距離Ddの差(Dc−Dd)より若
干短くする。
【0044】このように、有限対物レンズ1の作動位置
(作動距離)をDVD再生時とCD再生時とで変えるこ
とによって、図1のアクチュエータ5に生じる応力をD
VD再生時とCD再生時とで変えることができ、その応
力差を利用して、視野振りによって有限対物レンズ1を
トラッキング方向に移動させたときのレンズ移動量に対
するレンズ傾斜角の特性を、DVD再生時とCD再生時
とで変えることができる。
【0045】例えば、上述したように、読み取り信号の
劣化に対する寄与が大きい3次コマ収差をキャンセルす
るレンズ傾斜角が、DVD再生時には、有限対物レンズ
1をプラス方向に移動させるときについては、図4のf
dで示したように負(傾斜方向がマイナス方向)の比較
的小さい傾斜角となり、有限対物レンズ1をマイナス方
向に移動させるときについては、正(傾斜方向がプラス
方向)の比較的小さい傾斜角となり、CD再生時には、
有限対物レンズ1をプラス方向に移動させるときについ
ては、図4のfcで示したように正(傾斜方向がプラス
方向)の比較的大きい傾斜角となり、有限対物レンズ1
をマイナス方向に移動させるときについては、負(傾斜
方向がマイナス方向)の比較的大きい傾斜角となるとす
ると、アクチュエータ5のローリング特性は、DVD再
生時には、図6に示すように有限対物レンズ1を傾倒さ
せるローリング特性とし、CD再生時には、図7に示す
ように有限対物レンズ1を傾倒させるローリング特性と
する。
【0046】すなわち、DVD再生時には、図6に示す
ように、有限対物レンズ1を、中心位置(レーザ出射光
の中心が有限対物レンズ1の光軸上を通る、3次コマ収
差が最小となる位置)から、Δxで示すようにプラス方
向(ディスク内周部に向かう方向)に移動させるときに
ついては、有限対物レンズ1を、マイナス方向(有限対
物レンズ1の光軸のディスク11側をディスク内周部側
に寄せる方向)に、fdで示すように比較的小さい傾斜
角で傾倒させ、有限対物レンズ1を、中心位置から、−
Δxで示すようにマイナス方向(ディスク外周部に向か
う方向)に移動させるときについては、有限対物レンズ
1を、プラス方向(有限対物レンズ1の光軸のディスク
11側をディスク外周部側に寄せる方向)に、fdで示
すように比較的小さい傾斜角で傾倒させる。
【0047】また、CD再生時には、図7に示すよう
に、有限対物レンズ1を、中心位置から、Δxで示すよ
うにプラス方向(ディスク内周部に向かう方向)に移動
させるときについては、有限対物レンズ1を、プラス方
向(有限対物レンズ1の光軸のディスク13側をディス
ク外周部側に寄せる方向)に、fcで示すように比較的
大きい傾斜角で傾倒させ、有限対物レンズ1を、中心位
置から、−Δxで示すようにマイナス方向(ディスク外
周部に向かう方向)に移動させるときについては、有限
対物レンズ1を、マイナス方向(有限対物レンズ1の光
軸のディスク13側をディスク内周部側に寄せる方向)
に、fcで示すように比較的大きい傾斜角で傾倒させ
る。
【0048】したがって、DVD再生時にも、CD再生
時にも、アクチュエータ5によって有限対物レンズ1を
トラッキング方向に移動させたときに発生する3次コマ
収差をキャンセルすることができ、読み取り信号の劣化
を防止することができる。
【0049】また、これによって、有限対物レンズ1の
設計にあたっては、像高特性に対する制約が大幅に緩く
なり、他のパラメータに対する自由度が増すので、有限
対物レンズ1の設計が楽になる。
【0050】図4とは異なり、レンズ移動方向が同じで
あれば、DVD再生時とCD再生時とで、3次コマ収差
をキャンセルするレンズ傾斜方向が同じで、レンズ傾斜
角の絶対値のみが異なる場合にも、上述した作動位置
(作動距離)の違いによる応力差を利用して、レンズ移
動量に対するレンズ傾斜角の特性を、DVD再生時とC
D再生時とで変えることができ、DVD再生時にも、C
D再生時にも、3次コマ収差をキャンセルする傾斜方向
に、3次コマ収差をキャンセルする傾斜角で、有限対物
レンズ1を傾倒させることができる。
【0051】また、図5〜図7の例は、DVD再生時に
は、有限対物レンズ1を磁気中立位置Poより後退さ
せ、CD再生時には、有限対物レンズ1を磁気中立位置
Poより前進させる場合であるが、DVD再生時には、
有限対物レンズ1を磁気中立位置Poにし、または磁気
中立位置Poより若干前進させ、CD再生時には、有限
対物レンズ1をDVD再生時の位置より前進させ、ある
いは、CD再生時には、有限対物レンズ1を磁気中立位
置Poにし、または磁気中立位置Poより若干後退さ
せ、DVD再生時には、有限対物レンズ1をCD再生時
の位置より後退させるようにしてもよい。
【0052】これらの場合にも、作動位置(作動距離)
の違いによる応力差を利用して、レンズ移動量に対する
レンズ傾斜角の特性を、DVD再生時とCD再生時とで
変えることができ、DVD再生時にも、CD再生時に
も、3次コマ収差をキャンセルする傾斜方向に、3次コ
マ収差をキャンセルする傾斜角で、有限対物レンズ1を
傾倒させることができる。
【0053】なお、図1の実施形態の光学ヘッド20
は、最も簡単に構成した場合を示したもので、例えば、
半導体レーザ2と光分岐板3との間に、3ビーム法によ
るトラッキングエラー検出用に3本のビームを形成する
グレーティングを配置し、または、DVD用の波長65
0nmのレーザ光を出射する半導体レーザと、CD用の
波長780nmのレーザ光を出射する半導体レーザとを
切り換えて用いる、などの構成とすることもできる。
【0054】また、図1の実施形態は、有限対物レンズ
1を用いて、光学ヘッド20を有限系とする場合である
が、非無限系の光学ヘッドとして、光学ヘッドを半有限
系とし、または半有限で使用する系としてもよい。
【0055】さらに、この発明は、厚みの異なる2種類
の光ディスクの再生用または記録再生用の光学ヘッドに
限らず、ディスクの厚みやディスク中の空気換算光路長
が異なる、またはディスク中での分散が異なる、または
使用するレーザ光の波長が異なるなどの、2種類以上の
光ディスクの再生用または記録再生用の光学ヘッドに適
用することができる。
【0056】
【発明の効果】上述したように、この発明によれば、少
なくとも2種類の光ディスクに共用の対物レンズを用い
た光学ヘッドにおいて、いずれの種類の光ディスクの再
生時にも、アクチュエータによって対物レンズをトラッ
キング方向に移動させたときに発生する軸外収差をキャ
ンセルすることができ、読み取り信号の劣化を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光学ヘッドおよび光ディスク再生装
置の一実施形態を示す図である。
【図2】DVD再生時およびCD再生時の視野振り時の
有限対物レンズ移動量に対する波面収差の特性の一例を
示す図である。
【図3】DVD再生時およびCD再生時の視野振り時の
3次コマ収差をキャンセルしたときの有限対物レンズ移
動量に対する波面収差の特性の一例を示す図である。
【図4】DVD再生時およびCD再生時の視野振り時の
有限対物レンズ移動量に対する3次コマ収差をキャンセ
ルする有限対物レンズ傾斜角の特性の一例を示す図であ
る。
【図5】DVD再生時およびCD再生時における有限対
物レンズの作動位置の一例を示す図である。
【図6】この発明の光学ヘッドにおけるDVD再生時の
視野振り時の有限対物レンズの傾倒態様の一例を示す図
である。
【図7】この発明の光学ヘッドにおけるCD再生時の視
野振り時の有限対物レンズの傾倒態様の一例を示す図で
ある。
【図8】有限対物レンズを用いた場合の視野振り時の軸
外収差の発生とレンズの傾倒の説明に供する図である。
【符号の説明】
主要部については図中に全て記述したので、ここでは省
略する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも第1種類の光ディスクと第2種
    類の光ディスクとに共用される対物レンズと、 この対物レンズをフォーカシング方向およびトラッキン
    グ方向に駆動するアクチュエータとを備え、 そのアクチュエータは、前記対物レンズを前記フォーカ
    シング方向において前記第1種類の光ディスクを再生す
    るときの第1の作動位置にしたときと前記第2種類の光
    ディスクを再生するときの第2の作動位置にしたときと
    の応力差によって、前記対物レンズを前記第1の作動位
    置にしたときには、前記第1種類の光ディスクについて
    の、前記対物レンズを前記トラッキング方向に移動させ
    たときのレンズ移動量に対する移動後の位置で発生する
    軸外収差をキャンセルするレンズ傾斜角の特性に応じ
    て、前記対物レンズを傾倒させ、前記対物レンズを前記
    第2の作動位置にしたときには、前記第2種類の光ディ
    スクについての、前記対物レンズを前記トラッキング方
    向に移動させたときのレンズ移動量に対する移動後の位
    置で発生する軸外収差をキャンセルするレンズ傾斜角の
    特性に応じて、前記対物レンズを傾倒させるローリング
    特性を有する光学ヘッド。
  2. 【請求項2】請求項1の光学ヘッドにおいて、 前記第1の作動位置は、前記対物レンズを前記フォーカ
    シング方向に駆動しないときの前記対物レンズの前記フ
    ォーカシング方向における位置である磁気中立位置より
    光ディスクから遠ざかる位置であり、前記第2の作動位
    置は、前記磁気中立位置より光ディスクに近づく位置で
    ある光学ヘッド。
  3. 【請求項3】請求項1の光学ヘッドにおいて、 前記第1の作動位置は、前記対物レンズを前記フォーカ
    シング方向に駆動しないときの前記対物レンズの前記フ
    ォーカシング方向における位置である磁気中立位置、ま
    たはこれより光ディスクに近づく位置であり、前記第2
    の作動位置は、前記第1の作動位置より光ディスクに近
    づく位置である光学ヘッド。
  4. 【請求項4】請求項1の光学ヘッドにおいて、 前記第2の作動位置は、前記対物レンズを前記フォーカ
    シング方向に駆動しないときの前記対物レンズの前記フ
    ォーカシング方向における位置である磁気中立位置、ま
    たはこれより光ディスクから遠ざかる位置であり、前記
    第1の作動位置は、前記第2の作動位置より光ディスク
    から遠ざかる位置である光学ヘッド。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかの光学ヘッドを備
    える光ディスク再生装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100925226B1 (ko) * 2007-12-24 2009-11-06 주식회사 히타치엘지 데이터 스토리지 코리아 광픽업의 롱 점프 제어장치 및 방법
US7773475B2 (en) 2005-04-27 2010-08-10 Samsung Electronics Co. Ltd Optical pickup actuator and optical recording/reproducing apparatus having the same

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