JP2003156132A - 油圧供給装置 - Google Patents

油圧供給装置

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JP2003156132A
JP2003156132A JP2001356682A JP2001356682A JP2003156132A JP 2003156132 A JP2003156132 A JP 2003156132A JP 2001356682 A JP2001356682 A JP 2001356682A JP 2001356682 A JP2001356682 A JP 2001356682A JP 2003156132 A JP2003156132 A JP 2003156132A
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JP
Japan
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pressure pump
hydraulic
hydraulic oil
automatic transmission
low
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Application number
JP2001356682A
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English (en)
Inventor
Ryuichi Mori
隆一 森
Junya Tachikawa
純也 立川
Koichi Fushimi
宏一 伏見
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン始動用の油圧を発生させる高圧ポン
プと、オートマチックトランスミッション制御用の油圧
を発生させる低圧ポンプとを、簡単な構造で任意に作動
させる。 【解決手段】 油圧供給装置は、エンジンEを始動する
油圧アクチュエータMhを作動させるアキュムレータ1
1を蓄圧する高圧ポンプPHと、オートマチックトラン
スミッションTに低圧の作動油を供給する低圧ポンプP
Lとを備える。正逆転可能な電気モータMeの回転軸1
7に係合方向が異なる第1、第2一方向クラッチ18,
19を介して高圧ポンプPHおよび低圧ポンプPLを接
続し、電気モータMeの一方向の回転で高圧ポンプPH
を作動させるとともに、他方向の回転で低圧ポンプPL
を作動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンを始動す
る油圧アクチュエータを作動させるアキュムレータに高
圧の作動油を供給する高圧ポンプと、エンジンの駆動力
を変速して駆動輪に伝達するオートマチックトランスミ
ッションに低圧の作動油を供給する低圧ポンプとを備え
た油圧供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】走行中の車両が停止し、かつ所定の条件
が成立したときにエンジンを自動的に停止させ、また車
両を発進させるべくアクセルペダルが踏み込まれたとき
に電気モータでエンジンを自動的に始動することによ
り、燃料の節減や排気エミッションの低減を図るもの
が、特開2000−46165号公報により公知であ
る。
【0003】かかるエンジンの自動停止・始動装置を備
えた上記従来の車両はオートマチックトランスミッショ
ンを搭載しており、それを制御する作動油は基本的にエ
ンジンのクランクシャフトにより駆動されるオイルポン
プで発生する。しかしながら、エンジンを自動停止させ
た場合にクランクシャフトにより駆動されるオイルポン
プも停止するため、次回の発進時にオートマチックトラ
ンスミッションの油圧クラッチを係合させる油圧を速や
かに立ち上げることが難しく、そのために上記従来の車
両は電気モータで駆動されるオイルポンプを別途備える
ことで上記問題に対応している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
車両は電気モータでエンジンを始動しているが、油圧ポ
ンプで蓄圧されるアキュムレータからの作動油で油圧モ
ータを駆動してエンジンの始動を行う油圧式エンジン始
動装置も知られている。この油圧式エンジン始動装置を
上記従来の車両に適用した場合、オートマチックトラン
スミッションに作動油を供給する油圧ポンプとエンジン
始動用のアキュムレータを蓄圧する油圧ポンプとを別個
に設ける必要がある。
【0005】なぜならば、図7に示すように、オートマ
チックトランスミッション用の油圧は低圧で大流量であ
るのに対し、油圧式エンジン始動装置用の油圧は高圧で
小流量であるため、共通の油圧ポンプではカバーしきれ
ないからである。しかもオートマチックトランスミッシ
ョン用の油圧ポンプと油圧式エンジン始動装置用の油圧
ポンプとは作動タイミングが異なるため、共通の電気モ
ータで駆動することも困難である。
【0006】そのため、特性の異なる2個の油圧ポンプ
と、それらの油圧ポンプを選択的に駆動するために2個
の電気モータとが必要になり、これがコストの上昇、重
量の増加、装置の大型化の要因となる問題がある。
【0007】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、エンジン始動用の油圧を発生させる高圧ポンプと、
オートマチックトランスミッション制御用の油圧を発生
させる低圧ポンプとを、簡単な構造で任意に作動させる
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、エンジンを始
動する油圧アクチュエータを作動させるアキュムレータ
に高圧の作動油を供給する高圧ポンプと、エンジンの駆
動力を変速して駆動輪に伝達するオートマチックトラン
スミッションに低圧の作動油を供給する低圧ポンプとを
備えた油圧供給装置において、高圧ポンプおよび低圧ポ
ンプに接続された回転軸を駆動する単一の電気モータ
と、高圧ポンプからアキュムレータへの作動油の供給お
よび低圧ポンプからオートマチックトランスミッション
への作動油の供給を制御する油圧供給制御手段とを備え
たことを特徴とする油圧供給装置が提案される。
【0009】上記構成によれば、エンジン始動用の油圧
アクチュエータを駆動するアキュムレータに高圧の作動
油を供給する高圧ポンプと、オートマチックトランスミ
ッションに低圧の作動油を供給する低圧ポンプとを、単
一の電気モータの回転軸に接続して駆動するので、高圧
ポンプおよび低圧ポンプを各々別個の電気モータで駆動
する場合に比べてコスト、重量、スペースを削減するこ
とができる。しかも油圧供給制御手段によりアキュムレ
ータおよびオートマチックトランスミッションの一方も
しくは両方に作動油を供給することができるので、必要
なときだけにアキュムレータあるいはオートマチックト
ランスミッションに作動油を供給して作動油の無駄な供
給を回避することができる。
【0010】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、電気モータは正逆転可能であ
り、油圧供給制御手段は、回転軸および高圧ポンプ間に
配置されて該回転軸の一方向への回転により係合する第
1一方向クラッチと、回転軸および低圧ポンプ間に配置
されて該回転軸の他方向への回転により係合する第2一
方向クラッチとを含み、回転軸の一方向への回転により
第1一方向クラッチが係合して高圧ポンプが作動すると
ともに、回転軸の他方向への回転により第2一方向クラ
ッチが係合して低圧ポンプが作動することを特徴とする
車両の油圧供給装置が提案される。
【0011】上記構成によれば、電気モータが一方向に
回転すると第1一方向クラッチが係合して高圧ポンプだ
けが作動し、電気モータが他方向に回転すると第2一方
向クラッチが係合して低圧ポンプだけが作動するので、
電気モータの回転方向を制御するだけでアキュムレータ
およびオートマチックトランスミッションに任意に作動
油を供給することができる。
【0012】また請求項3に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、電気モータは正逆転可能であ
り、かつ低圧ポンプおよび高圧ポンプは回転方向により
吐出方向が変化する可逆ポンプであり、電気モータの一
方向への回転時に高圧ポンプはアキュムレータに向けて
作動油を吐出し、電気モータの他方向への回転時に低圧
ポンプはオートマチックトランスミッションに向けて作
動油を吐出し、油圧供給制御手段は、高圧ポンプおよび
アキュムレータを接続する供給油路に設けられて高圧ポ
ンプからアキュムレータへの作動油の通過を許容する第
1チェック弁と、高圧ポンプの上流位置および下流位置
を接続する第1バイパス通路に設けられて上流位置から
下流位置への作動油の通過を許容する第3チェック弁
と、低圧ポンプおよびオートマチックトランスミッショ
ンを接続する供給油路に設けられて低圧ポンプからオー
トマチックトランスミッションへの作動油の通過を許容
する第2チェック弁と、低圧ポンプの上流位置および下
流位置を接続する第2バイパス通路に設けられて上流位
置から下流位置への作動油の通過を許容する第4チェッ
ク弁とを備えたことを特徴とする車両の油圧供給装置が
提案される。
【0013】上記構成によれば、電気モータが一方向に
回転すると高圧ポンプが吐出した作動油が第1チェック
弁を通過してアキュムレータに供給され、低圧ポンプが
吐出した作動油が第4チェック弁通過して第2バイパス
通路を循環することで、オートマチックトランスミッシ
ョンに供給されることがない。また電気モータが他方向
に回転すると低圧ポンプが吐出した作動油が第2チェッ
ク弁を通過してオートマチックトランスミッションに供
給され、高圧ポンプが吐出した作動油が第3チェック弁
通過して第1バイパス通路を循環することで、アキュム
レータに供給されることがない。従って、電気モータの
回転方向を制御するだけでアキュムレータおよびオート
マチックトランスミッションに任意に作動油を供給する
ことができる。
【0014】尚、実施例の油圧モータMhは本発明の油
圧アクチュエータに対応する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0016】図1および図2は本発明の第1実施例を示
すもので、図1は油圧式エンジン始動装置の全体構成
図、図2は作用を説明するフローチャートである。
【0017】図1に示すように、自動停止・始動機能を
備えた車両用のエンジンEにオートマチックトランスミ
ッションTが一体に結合されており、エンジンEには始
動装置Sが設けられるとともに、この始動装置Sとオー
トマチックトランスミッションTとに油圧を供給する油
圧供給制御手段Pが設けられる。
【0018】始動装置Sは、スタータモータとして機能
する油圧モータMhと、油圧モータMhを作動させる油
圧を蓄圧するアキュムレータ11と、油圧モータMhお
よびアキュムレータ11を接続する油路に配置されたソ
レノイド弁よりなる油圧制御弁12とから構成されるも
ので、エンジンEのクランクシャフト13に設けたスタ
ータギヤ14に噛合可能な飛び込み式のピニオン15が
油圧モータMhの出力軸16に設けられる。
【0019】油圧供給制御手段Pは、電気モータMe
と、電気モータMeの1本の出力軸17に直列に接続さ
れた高圧ポンプPHおよび低圧ポンプPLと、電気モー
タMeの出力軸17および高圧ポンプPH間に配置され
た第1一方向クラッチ18と、電気モータMeの出力軸
17および低圧ポンプPL間に配置された第2一方向ク
ラッチ19と、高圧ポンプPHおよびアキュムレータ1
1を接続する油路に配置されて高圧ポンプPHからアキ
ュムレータ11への作動油の流通のみを許容する第1チ
ェック弁20と、低圧ポンプPLおよびオートマチック
トランスミッションTを接続する油路に配置されて低圧
ポンプPLからオートマチックトランスミッションTへ
の作動油の流通のみを許容する第2チェック弁21とか
ら構成される。
【0020】高圧ポンプPHの吸入ポートと、低圧ポン
プPLの吸入ポートと、油圧モータMhの吐出ポートと
は、それぞれリザーバ22a,22b,22cに接続さ
れる。尚、オートマチックトランスミッションTの油圧
系とエンジン始動用の油圧系とを共用する場合には、リ
ザーバ22a,22b,22cは同じものであっても良
いが、前記両油圧系を分離する場合にはリザーバ22
a,22cとリザーバ22bとを分離する必要がある。
【0021】電気モータMeはモータ正逆転回路23を
介して正逆転が可能なもので、電気モータMeが一方向
に回転したときに第1一方向クラッチ18がロックして
高圧ポンプPHが作動油を吐出し、このとき第2一方向
クラッチ19がスリップして低圧ポンプPLは作動しな
い。また電気モータMeが他方向に回転したときに第1
一方向クラッチ18がスリップして高圧ポンプPHは作
動せず、このとき第2一方向クラッチ19がロックして
低圧ポンプPLが作動油を吐出する。
【0022】電子制御ユニットUにはアキュムレータ1
1の内圧およびオートマチックトランスミッションTの
運転状態を示す信号が入力され、その信号に基づいて電
子制御ユニットUは油圧制御弁12およびモータ正逆転
回路23の作動を制御する。
【0023】次に、第1実施例の作用を、図2のフロー
チャートを参照して説明する。
【0024】エンジンEの運転中に、先ずステップS1
でアキュムレータ11の内圧Paccを蓄圧開始圧P0
と比較し、Pacc<P0であってアキュムレータ11
の蓄圧量が不足していれば、ステップS2で電子制御ユ
ニットUからの指令によりアキュムレータ蓄圧ポンプ
(つまり高圧ポンプPH)を作動させてアキュムレータ
11を蓄圧する。
【0025】具体的には、モータ正逆転回路23を介し
て電気モータMeを一方向に回転させると、第1一方向
クラッチ18がロックして高圧ポンプPHがリザーバ2
2aから作動油を吸引し、第1チェック弁20を介して
アキュムレータ11に供給する。このとき第2一方向ク
ラッチ19がスリップして低圧ポンプPLは作動しな
い。
【0026】ステップS3でアキュムレータ11の内圧
Paccを蓄圧終了圧P1と比較し、Pacc>P1で
あってアキュムレータ11の蓄圧量が充分になれば、ス
テップS4で電子制御ユニットUからの指令により電気
モータMeを停止させてアキュムレータ蓄圧ポンプ(つ
まり高圧ポンプPH)を停止させる。
【0027】尚、上述したエンジンEの運転中には、ク
ランクシャフトにより駆動されるオイルポンプ(図示せ
ず)が発生する油圧でオートマチックトランスミッショ
ンTの油圧クラッチや油圧バルブの作動が行われる。
【0028】例えば交差点での信号待ち等で車両が停止
し、ステップS5で例えばブレーキペダルが踏まれてエ
ンジンEの停止条件が成立すると、ステップS6でエン
ジンEが自動的に停止し、クランクシャフトにより駆動
されるオイルポンプ(図示せず)も停止する。また前記
ステップS5の答えがNOであれば、ステップS1にリ
ターンする。続くステップS7で電子制御ユニットUか
らの指令によりオートマチックトランスミッション補給
ポンプ(つまり低圧ポンプPL)が作動する。即ち、電
気モータMeが他方向に回転することで第2一方向クラ
ッチ19がロックして低圧ポンプPLが作動し、リザー
バ22bから吸引した作動油を第2チェック弁21を介
してオートマチックトランスミッションTに供給する。
【0029】続いて、例えばドライバーがアクセルペダ
ルを踏み込む動作により、あるいはブレーキペダルを解
放する動作により、ステップS8でエンジンEの始動条
件が成立すると、ステップS9で電子制御ユニットUか
らの指令で油圧制御弁12が一定時間だけ開弁し、アキ
ュムレータ11に蓄圧された油圧により油圧モータMh
が作動してエンジンEを始動する。続くステップS10
でオートマチックトランスミッションTのクラッチ圧P
clが必要クラッチ圧Pdを上回ると、ステップS11
でオートマチックトランスミッション補給ポンプ(つま
り低圧ポンプPL)を停止させる。これにより、車両の
停止中にエンジンEを停止させたことでオートマチック
トランスミッションTに設けた油圧ポンプ(図示せず)
が停止しても、低圧ポンプPLが発生する油圧でオート
マチックトランスミッションTの油圧クラッチを確実に
係合させることが可能となり、エンジンEの始動後に速
やかに車両を発進させることができる。
【0030】以上のように、本実施例によれば、エンジ
ン始動用の高圧で小流量の高圧ポンプPHと、オートマ
チックトランスミッション用の低圧で大流量の低圧ポン
プPLとを共通の電気モータMeで選択的に駆動するこ
とができるので、高圧ポンプPHおよび低圧ポンプPL
を各々別個の電気モータで駆動する場合に比べて、コス
ト、重量、スペース等の削減に寄与することができる。
しかも高圧ポンプPHおよび低圧ポンプPLを選択的に
駆動することができるので、作動油の無駄な供給を回避
することができる。
【0031】次に、図3に基づいて本発明の第2実施例
を説明する。第2実施例において、第1実施例の部材に
対応する部材に第1実施例と同じ符号を付すことにより
重複する説明を省略し、相違点を中心にして説明する。
【0032】第2実施例は第1、第2一方向クラッチ1
8,19を備えておらず、高圧ポンプPHおよび低圧ポ
ンプPLは回転軸17に接続されて同時に作動する。但
し、高圧ポンプPHおよび低圧ポンプPLは作動油の吐
出方向が逆に設定されており、回転軸17が一方向に回
転すると、高圧ポンプPHはリザーバ22aから第1チ
ェック弁20に向けて作動油を吐出し、低圧ポンプPL
は第2チェック弁21からリザーバ22bに向けて作動
油を吐出する。また回転軸17が他方向に回転すると、
高圧ポンプPHは第1チェック弁20からリザーバ22
aに向けて作動油を吐出し、低圧ポンプPLはリザーバ
22bから第2チェック弁21に向けて作動油を吐出す
る。
【0033】高圧ポンプPHの両ポート間を接続する第
1バイパス通路24に、リザーバ22aから第1チェッ
ク弁20への作動油の流通のみを許容する第3チェック
弁25が配置され、また低圧ポンプPLの両ポート間を
接続する第2バイパス通路26に、リザーバ22bから
第2チェック弁21への作動油の流通のみを許容する第
4チェック弁27が配置される。
【0034】しかして、アキュムレータ11を蓄圧すべ
く電気モータMeで回転軸17を一方向に回転させる
と、高圧ポンプPHはリザーバ22aの作動油を吸い上
げて第1チェック弁20を介してアキュムレータ11に
供給する。このとき、第1バイパス通路24に設けた第
3チェック弁25が閉弁することで、高圧ポンプPHが
吐出した作動油がリザーバ22aに戻ることが防止され
る。一方、低圧ポンプPLは吐出方向が高圧ポンプPH
と逆であるため、リザーバ22bから吸い上げた作動油
は第4チェック弁27を介してリザーバ22bに還流
し、低圧ポンプPLは実質的に無負荷運転状態になって
オートマチックトランスミッションTに作動油を供給す
ることはない。
【0035】またオートマチックトランスミッションT
に作動油を供給すべく電気モータMeで回転軸17を他
方向に回転させると、低圧ポンプPLはリザーバ22b
の作動油を吸い上げて第2チェック弁21を介してオー
トマチックトランスミッションTに供給する。このと
き、第2バイパス通路26に設けた第4チェック弁27
が閉弁することで、低圧ポンプPLが吐出した作動油が
リザーバ22bに戻ることが防止される。一方、高圧ポ
ンプPHは吐出方向が低圧ポンプPLと逆であるため、
リザーバ22aから吸い上げた作動油は第3チェック弁
25を介してリザーバ22aに還流し、高圧ポンプPH
は実質的に無負荷運転状態になってアキュムレータ11
に作動油を供給することはない。
【0036】本第2実施例によれば、前記第1実施例と
同様の作用効果を達成することができる。
【0037】次に、図4に基づいて本発明の第3実施例
を説明する。第3実施例において、第1実施例の部材に
対応する部材に第1実施例と同じ符号を付すことにより
重複する説明を省略し、相違点を中心にして説明する。
【0038】第3実施例はモータ正逆転回路23を備え
ておらず、電気モータMeは一方向のみに回転する。高
圧ポンプPHを迂回する第1バイパス通路24にはソレ
ノイド弁よりなる第1油圧制御弁28が配置されるとと
もに、低圧ポンプPLを迂回する第2バイパス通路26
にはソレノイド弁よりなる第2油圧制御弁29が配置さ
れており、これら第1、第2油圧制御弁28,29は電
子制御ユニットUに接続されて制御される。
【0039】しかして、第2油圧制御弁29を励磁して
第2バイパス通路26を連通させた状態で電気モータM
eを駆動すると、高圧ポンプPHが吐出した作動油は第
1油圧制御弁28に阻止されてリザーバ22aに戻るこ
となく、第1チェック弁20を経てアキュムレータ11
に供給される。一方、低圧ポンプPLが吐出した作動油
は第2油圧制御弁29により開放された第2バイパス通
路26を経てリザーバ22bに戻され、オートマチック
トランスミッションTに供給されることはない。
【0040】逆に、第1油圧制御弁28を励磁して第1
バイパス通路24を連通させた状態で電気モータMeを
駆動すると、低圧ポンプPLが吐出した作動油は第2油
圧制御弁29に阻止されてリザーバ22bに戻ることな
く、第2チェック弁21を経てオートマチックトランス
ミッションTに供給される。一方、高圧ポンプPHが吐
出した作動油は第1油圧制御弁28により開放1れた第
1バイパス通路24を経てリザーバ22aに戻され、ア
キュムレータ11に供給されることはない。
【0041】本第3実施例によれば、前記第1実施例の
作用効果に加えて以下のような作用効果を達成すること
ができる。即ち、第1、第2油圧制御弁28,29を共
に非励磁状態にして電気モータMeを駆動すれば、高圧
ポンプPHからアキュムレータ11に作動油を供給する
と同時に、低圧ポンプPLからオートマチックトランス
ミッションTに作動油を供給することができる。これに
より、エンジンEの停止中にリークや温度低下によりア
キュムレータ11の内圧が低下した場合や、エンジンE
の始動中からアキュムレータ11を蓄圧して蓄圧完了ま
での時間を短縮したいような場合に、オートマチックト
ランスミッションTへの作動油の供給と並行してアキュ
ムレータ11の蓄圧を行うことが可能となる。
【0042】次に、図5に基づいて本発明の第4実施例
を説明する。第4実施例において、第1実施例の部材に
対応する部材に第1実施例と同じ符号を付すことにより
重複する説明を省略し、相違点を中心にして説明する。
【0043】第4実施例はモータ正逆転回路23を備え
ておらず、電気モータMeは一方向のみに回転する。高
圧ポンプPHを迂回する第1バイパス通路24および低
圧ポンプPLを迂回する第2バイパス通路26にはソレ
ノイド弁よりなる油圧制御弁30が配置されており、こ
の油圧制御弁30は電子制御ユニットUに接続されて制
御される。
【0044】しかして、油圧制御弁30を図示した中立
位置に保持すれば、電気モータMeにより高圧ポンプP
Hおよび低圧ポンプPLを駆動しても、両ポンプPH,
PLが吐出した作動油は第1、第2バイパス通路24,
26をを経てリザーバ22a,22bに戻され、アキュ
ムレータ11およびオートマチックトランスミッション
Tに供給されることはない。
【0045】油圧制御弁30を左動させて第1バイパス
通路24を閉塞し、第2バイパス通路26を開放した状
態で電気モータMeを駆動すると、高圧ポンプPHが吐
出した作動油はアキュムレータ11に供給され、低圧ポ
ンプPLが吐出した作動油は第2バイパス通路26を循
環してオートマチックトランスミッションTには供給さ
れない。一方、油圧制御弁30を右動させて第1バイパ
ス通路24を開放し、第2バイパス通路26を閉塞した
状態で電気モータMeを駆動すると、高圧ポンプPHが
吐出した作動油は第1バイパス通路24を循環してアキ
ュムレータ11には供給されず、低圧ポンプPLが吐出
した作動油はオートマチックトランスミッションTに供
給される。
【0046】本第4実施例によれば、第3実施例と同様
の作用効果を達成しながら油圧制御弁30の個数を最小
個数の1個に抑えることができる。また油圧制御弁30
が中立位置にあるときに、油圧制御弁30が第1、第2
バイパス通路24,26の両方を閉塞するように構成す
れば、アキュムレータ11およびオートマチックトラン
スミッションTの両方に同時に作動油を供給することが
できる。
【0047】次に、図6に基づいて本発明の第5実施例
を説明する。第5実施例において、第1実施例の部材に
対応する部材に第1実施例と同じ符号を付すことにより
重複する説明を省略し、相違点を中心にして説明する。
【0048】第5実施例はモータ正逆転回路23を備え
ておらず、電気モータMeは一方向のみに回転する。高
圧ポンプPHの吐出ポートと低圧ポンプPLの吐出ポー
トとを連通させる連通油路にソレノイド弁よりなる油圧
制御弁31が配置されるとともに、低圧ポンプPLを迂
回するバイパス通路26にはソレノイド弁よりなる油圧
制御弁29が配置されており、これらの油圧制御弁2
9,31は電子制御ユニットUに接続されて制御され
る。
【0049】しかして、油圧制御弁29,31を図示位
置に保持して電気モータMeにより高圧ポンプPHおよ
び低圧ポンプPLを駆動すると、高圧ポンプPHが吐出
する作動油はアキュムレータ11に供給されることな
く、油圧制御弁31を介してオートマチックトランスミ
ッションTに供給され、かつ低圧ポンプPLが吐出した
作動油もオートマチックトランスミッションTに供給さ
れる。
【0050】図示した状態から油圧制御弁31だけを右
動させると、高圧ポンプPHが吐出した作動油がアキュ
ムレータ11に供給されるようになり、アキュムレータ
11およびオートマチックトランスミッションTの両方
への作動油の同時供給が可能になる。また図示した状態
から両方の油圧制御弁29,31を共に右動させると、
低圧ポンプPLが吐出する作動油がバイパス通路26を
循環してオートマチックトランスミッションTに供給さ
れなくなり、高圧ポンプPHの作動油だけがアキュムレ
ータ11に供給される。
【0051】本第5実施例によれば、第3実施例と同様
の作用効果を達成しながら、低圧ポンプPLを高圧ポン
プPHで補助することにより、低圧ポンプPLの容量を
小型化することができる。尚、本第5実施例ではオート
マチックトランスミッションTの油圧系とエンジン始動
用の油圧系とは必然的に共用となる。
【0052】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0053】例えば、オートマチックトランスミッショ
ンTは、油圧制御で作動するものであれば有段式でも無
段式でも良い。
【0054】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、エンジン始動用の油圧アクチュエータを駆動
するアキュムレータに高圧の作動油を供給する高圧ポン
プと、オートマチックトランスミッションに低圧の作動
油を供給する低圧ポンプとを、単一の電気モータの回転
軸に接続して駆動するので、高圧ポンプおよび低圧ポン
プを各々別個の電気モータで駆動する場合に比べてコス
ト、重量、スペースを削減することができる。しかも油
圧供給制御手段によりアキュムレータおよびオートマチ
ックトランスミッションの一方もしくは両方に作動油を
供給することができるので、必要なときだけにアキュム
レータあるいはオートマチックトランスミッションに作
動油を供給して作動油の無駄な供給を回避することがで
きる。
【0055】また請求項2に記載された発明によれば、
電気モータが一方向に回転すると第1一方向クラッチが
係合して高圧ポンプだけが作動し、電気モータが他方向
に回転すると第2一方向クラッチが係合して低圧ポンプ
だけが作動するので、電気モータの回転方向を制御する
だけでアキュムレータおよびオートマチックトランスミ
ッションに任意に作動油を供給することができる。
【0056】また請求項3に記載された発明によれば、
電気モータが一方向に回転すると高圧ポンプが吐出した
作動油が第1チェック弁を通過してアキュムレータに供
給され、低圧ポンプが吐出した作動油が第4チェック弁
通過して第2バイパス通路を循環することで、オートマ
チックトランスミッションに供給されることがない。ま
た電気モータが他方向に回転すると低圧ポンプが吐出し
た作動油が第2チェック弁を通過してオートマチックト
ランスミッションに供給され、高圧ポンプが吐出した作
動油が第3チェック弁通過して第1バイパス通路を循環
することで、アキュムレータに供給されることがない。
従って、電気モータの回転方向を制御するだけでアキュ
ムレータおよびオートマチックトランスミッションに任
意に作動油を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る油圧式エンジン始動装置の全
体構成図
【図2】作用を説明するフローチャート
【図3】第2実施例に係る油圧式エンジン始動装置の全
体構成図
【図4】第3実施例に係る油圧式エンジン始動装置の全
体構成図
【図5】第4実施例に係る油圧式エンジン始動装置の全
体構成図
【図6】第5実施例に係る油圧式エンジン始動装置の全
体構成図
【図7】高圧ポンプおよび低圧ポンプに要求される特性
を示す図
【符号の説明】
11 アキュムレータ 17 回転軸 18 第1一方向クラッチ 19 第2一方向クラッチ 20 第1チェック弁 21 第2チェック弁 24 第1バイパス通路 25 第3チェック弁 26 第2バイパス通路 27 第4チェック弁 E エンジン Me 電気モータ Mh 油圧モータ(油圧アクチュエータ) P 油圧供給制御手段 PH 高圧ポンプ PL 低圧ポンプ T オートマチックトランスミッション
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02N 11/10 F02N 11/10 A F15B 1/02 F15B 1/02 A (72)発明者 伏見 宏一 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D041 AA11 AA21 AC15 AE30 3D042 AA06 AB01 BA02 BA04 BA07 BA11 BA13 BA15 BA19 BA20 BC01 BC05 BC12 BD05 BD07 BD09 3H086 AA24 AB03 AC16 3J552 MA01 MA26 NA01 NB01 PA26 PA59 QA28 QA30 QA33 QB07 RC01 VA32W VA50W VB01W VC01W

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(E)を始動する油圧アクチュ
    エータ(Mh)を作動させるアキュムレータ(11)に
    高圧の作動油を供給する高圧ポンプ(PH)と、エンジ
    ン(E)の駆動力を変速して駆動輪に伝達するオートマ
    チックトランスミッション(T)に低圧の作動油を供給
    する低圧ポンプ(PL)とを備えた油圧供給装置におい
    て、 高圧ポンプ(PH)および低圧ポンプ(PL)に接続さ
    れた回転軸(17)を駆動する単一の電気モータ(M
    e)と、 高圧ポンプ(PH)からアキュムレータ(11)への作
    動油の供給および低圧ポンプ(PL)からオートマチッ
    クトランスミッション(T)への作動油の供給を制御す
    る油圧供給制御手段(P)と、を備えたことを特徴とす
    る油圧供給装置。
  2. 【請求項2】 電気モータ(Me)は正逆転可能であ
    り、 油圧供給制御手段(P)は、回転軸(17)および高圧
    ポンプ(PH)間に配置されて該回転軸(17)の一方
    向への回転により係合する第1一方向クラッチ(18)
    と、回転軸(17)および低圧ポンプ(PL)間に配置
    されて該回転軸(17)の他方向への回転により係合す
    る第2一方向クラッチ(19)とを含み、 回転軸(17)の一方向への回転により第1一方向クラ
    ッチ(18)が係合して高圧ポンプ(PH)が作動する
    とともに、回転軸(17)の他方向への回転により第2
    一方向クラッチ(19)が係合して低圧ポンプ(PL)
    が作動することを特徴とする、請求項1に記載の車両の
    油圧供給装置。
  3. 【請求項3】 電気モータ(Me)は正逆転可能であ
    り、かつ低圧ポンプ(PL)および高圧ポンプ(PH)
    は回転方向により吐出方向が変化する可逆ポンプであ
    り、電気モータ(Me)の一方向への回転時に高圧ポン
    プ(PH)はアキュムレータ(11)に向けて作動油を
    吐出し、電気モータ(Me)の他方向への回転時に低圧
    ポンプ(PL)はオートマチックトランスミッション
    (T)に向けて作動油を吐出し、 油圧供給制御手段(P)は、高圧ポンプ(PH)および
    アキュムレータ(11)を接続する供給油路に設けられ
    て高圧ポンプ(PH)からアキュムレータ(11)への
    作動油の通過を許容する第1チェック弁(20)と、高
    圧ポンプ(PH)の上流位置および下流位置を接続する
    第1バイパス通路(24)に設けられて上流位置から下
    流位置への作動油の通過を許容する第3チェック弁(2
    5)と、低圧ポンプ(PL)およびオートマチックトラ
    ンスミッション(T)を接続する供給油路に設けられて
    低圧ポンプ(PL)からオートマチックトランスミッシ
    ョン(T)への作動油の通過を許容する第2チェック弁
    (21)と、低圧ポンプ(PL)の上流位置および下流
    位置を接続する第2バイパス通路(26)に設けられて
    上流位置から下流位置への作動油の通過を許容する第4
    チェック弁(27)とを備えたことを特徴とする、請求
    項1に記載の車両の油圧供給装置。
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