JP2003155801A - 棟 瓦 - Google Patents

棟 瓦

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JP2003155801A
JP2003155801A JP2001357121A JP2001357121A JP2003155801A JP 2003155801 A JP2003155801 A JP 2003155801A JP 2001357121 A JP2001357121 A JP 2001357121A JP 2001357121 A JP2001357121 A JP 2001357121A JP 2003155801 A JP2003155801 A JP 2003155801A
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JP
Japan
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roof tile
tile
roof
building
ridge
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JP2001357121A
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English (en)
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Masaji Suzuki
正司 鈴木
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ASAHI HOUSE SANGYO KK
Original Assignee
ASAHI HOUSE SANGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量かつ施工容易な耐震性および防水性を有
する棟瓦を提供する。 【解決手段】 本発明の棟瓦は、従来の棟瓦における熨
斗瓦(のし瓦)の代わりとなるように桟瓦上に載置する
ための土台部と、従来の棟瓦における冠瓦(かんむり
瓦)に相当する外側面部分の意匠が形成された冠部とか
らなる構成を有している。そして、これらが樹脂を用い
た一体成形により一体となって構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建物の棟上に施工さ
れる棟瓦に関する。
【0002】
【従来の技術】建物、特に家屋にとって、屋根はその建
物の風格を表す顔であり、とりわけ屋根の最も高いとこ
ろに位置する棟は、その屋根の良し悪しを決める重要な
要因となる。特に、古来からの瓦葺建築においては、建
物の棟上に施工される棟瓦の意匠が凝った造りとなって
おり、非常に威風堂々とした印象を与える。
【0003】ところで、瓦葺の屋根では、日本家屋独特
の質感を出すためにいくつかの種類の瓦を棟上に何段か
積み重ねて、いわゆる棟作りが行われる。図3は従来の
棟瓦の施工された棟方向に対して垂直な面についての断
面図である。図3に示されるように、従来の棟瓦は、そ
れぞれ粘土で形成された面戸瓦(めんど瓦)54、一段
または複数段の熨斗瓦(のし瓦)55および冠瓦(かん
むり瓦)57が順次積層された構造を有している。
【0004】図3に示されるような棟瓦の施工は、通常
次のような手順で行われる。まず、野地板51の上にア
スファルトルーフィング等の防水紙を貼りつけ、その上
に桟瓦52を敷いた後、棟上の部分を粘土や漆喰53等
で固める。次に棟方向に沿って面戸瓦54を桟瓦52上
に載置する。このとき、面戸瓦54は棟方向に継ぎ合わ
せながら載置する。その後、面戸瓦54上に一段または
複数段の熨斗瓦55を一段毎に金属線56等で継ぎ合わ
せつつ積み重ね、その最上段に冠瓦57を載せて積層構
造とする。最後に棟瓦全体を金属線58等で固定するこ
とによって緊結する。このようにして、壮麗な意匠美を
有する棟瓦が形成されている。
【0005】しかし、このような従来の棟瓦では、各
種、複数の瓦を1枚1枚葺いていかなければならず、大
変な手間を要する。また、そのような作業は熟練の技を
要し、人材の確保も容易ではない。さらに、粘土や漆喰
53等を使用する湿式工法のため、乾燥に時間がかか
り、完成するまでに長時間を要する。また、強風や地震
等により棟瓦の一部にずれ等が生じた場合には、一度棟
瓦を取り除いた上で、再び1枚1枚瓦を葺く作業を行わ
ねばならず大変面倒である。
【0006】ところで、地震に強い建物にするために
は、屋根はできるだけ軽い方が好ましいとされている。
しかし、従来の棟瓦は、粘土で形成されており、瓦1枚
1枚の重量が重いため屋根が重くなり、地震等により屋
根の自重で家屋が倒壊する等の危険を生じていた。これ
に応じて、棟瓦を構成する瓦の1枚1枚を軽量化するこ
とも提案されている。
【0007】しかし、1枚1枚が軽い瓦を用いた場合、
従来の棟瓦の構成、つまり複数の瓦の積層構造では地
震、強風などで重ね合わせ部分にずれを生じ易く、1枚
ずれると次々に広い範囲に波及する恐れがある。このた
め、瓦が落下したり、落下破損しないまでも、葺替えを
しなければならないといった問題も生じ得る。さらに、
従来の棟瓦の構成においては、重ね合わせ部分にずれを
生じることによって防水性が低下する恐れもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点を解決するべくなされたもので、家屋の意
匠美を損うことなく軽量かつ施工容易な耐震性および防
水性を有する棟瓦を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る棟瓦は、建
物の棟上に施工される棟瓦であって、桟瓦上に載置され
る台状の土台部と、前記土台部から上方に突出した冠部
とからなり、樹脂を用いた一体成形により形成されるも
のである。
【0010】本発明の棟瓦は、従来の棟瓦における熨斗
瓦(のし瓦)の代わりとなる形態をなすように、台状と
された土台部と、従来の棟瓦における冠瓦(かんむり
瓦)に相当するように、土台部から上方に突出するよう
に備えられた冠部とからなる構成を有している。そし
て、これらが樹脂を用いた一体成形により一体となって
構成されている。
【0011】この場合、従来の棟瓦のように複数かつ1
枚1枚が重い瓦を積層することなく、棟瓦が一体として
構成される。
【0012】このように、台状の土台部とその上方に突
出した冠部とからなる棟瓦を構成することにより、日本
家屋の意匠美を保持することができる。また、樹脂を用
いて形成することにより、粘土を用いた場合に比して、
軽量な棟瓦を構成することができ、施工後においても地
震に強く、高い耐震性を保持することができる。さら
に、棟瓦が樹脂により一体として構成されるため作業中
に崩れたりせず、施工作業を容易にすることができ、施
工後においても強風等によって崩れる虞もなく、防水性
を保持することができる。
【0013】好ましくは、前記土台部の外側面は、複数
の段からなる段々形状に形成されてなるように構成され
る。
【0014】土台部の外側面には、段々形状が設けられ
るため、土台部がより一層熨斗瓦を積み上げたような形
状となる。これにより、日本家屋の意匠美を損うことな
く、より一層壮麗な棟瓦を形成することができる。
【0015】好ましくは、前記樹脂は、繊維によって強
化された繊維強化樹脂であるように構成される。
【0016】繊維強化樹脂としては、熱硬化性樹脂をガ
ラス繊維等で強化した強化プラスチックである繊維強化
プラスチック(FRP;Fiber Reinforced Plastics)を用
いることができる。また、熱可塑性樹脂をガラス繊維等
で強化した繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP;Fibe
r Reinforced Thermo Plastics)を用いることもでき
る。
【0017】これらの繊維強化樹脂は、もとの樹脂に比
べて耐衝撃性や剛性が著しく改善され、寸法安定性、耐
熱性が良好である、比較的低価格である、多様な成形法
が可能である、着色が自由である等の多くの利点を有す
る材料である。
【0018】以上のような繊維強化樹脂を用いて棟瓦を
形成することにより、地震や強風等による衝撃に強い棟
瓦を形成することができる。
【0019】特に、熱硬化性樹脂としての不飽和ポリエ
ステル樹脂をガラス繊維に含浸させてシート状または塊
状に成形した成形材料であるSMC(Sheet Molding Co
mpound)またはBMC(Bulk Molding Compound)を用
いることが好ましい。
【0020】これらの材料を用いることにより、機械的
強度および耐候性に優れており、低コストの棟瓦を形成
することができる。また、寸法精度が良く、棟瓦外側面
の細かい意匠をはっきりと形成することができる。
【0021】好ましくは、前記棟瓦は、前記冠部の下部
外側面に、意匠表示部を具備するように構成される。
【0022】意匠表示部は、前記冠部の下部外側面に設
けられた構成となっており、棟瓦の外観を壮麗にするた
めの意匠が表示されている。例えば、複数の熨斗瓦の間
に化粧用の瓦を組み込んでなる棟込瓦(むなごみ瓦)に
相当する意匠が表示されてもよい。
【0023】このような棟込瓦の意匠等が本発明の棟瓦
においても表示されるため、従来の日本家屋の如く意匠
美のすぐれた壮麗な棟瓦となり得る。
【0024】なお、意匠表示部に施される意匠は、従来
の棟込瓦の意匠に限られず、いかなる意匠でもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、本
発明の一実施の形態を説明する。
【0026】まず、本実施の形態における棟瓦の構造に
ついて説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る棟
瓦の施工された棟方向に対して垂直な面についての断面
図である。図1の棟瓦1は、桟瓦上に載置される台状の
土台部と、前記土台部から上方に突出した冠部とからな
り、樹脂を用いた一体成形により形成されるように構成
されている。
【0027】図1に示すように、棟瓦1は、従来の棟瓦
における熨斗瓦(のし瓦)の代わりとなるように桟瓦上
に載置するための台状の土台部と、従来の棟瓦における
冠瓦(かんむり瓦)に相当する冠部とからなる構成を有
している。そして、これらが樹脂を用いた一体成形によ
り一体となって構成されている。
【0028】棟瓦1の土台部の外側面には、従来の棟瓦
における複数の熨斗瓦(のし瓦)が積み上げられた形態
をなすべく、外側面部分が複数の段からなる段々形状に
形成されている。また、棟瓦1の冠部の外側面には、従
来の棟瓦における冠瓦(かんむり瓦)に相当すべく、土
台部から上方に突出した形態をなしている。
【0029】この場合、従来の棟瓦のように複数かつ1
枚1枚が重い瓦を積層することなく、棟瓦1が一体とし
て構成される。
【0030】このように、台状の土台部とその上方に突
出した冠部とからなる棟瓦を構成することにより、あた
かも、熨斗瓦上に冠瓦が載置された形態の棟を形成で
き、日本家屋の意匠美を保持することができる。また、
樹脂を用いて形成することにより、軽量な棟瓦を構成す
ることができ、施工後においても地震に強く、高い耐震
性を保持することができる。また、この棟瓦は、従来の
粘土瓦に比べて樹脂を用いることにより断熱性に優れ
る。さらに、棟瓦が樹脂により一体として構成されるた
め作業中に崩れたりせず、施工作業を容易にすることが
でき、施工後においても強風等に強く防水性を保持する
ことができる。
【0031】なお、棟瓦1の形状は、図1の形態でなく
てもよく、一体成形される限りにおいては、任意の形状
の棟瓦に対応させることができる。
【0032】土台部の外側面は、複数の段からなる段々
形状に形成されてなるように構成されている。
【0033】土台部の外側面には、段々形状が設けられ
るため、土台部をより一層熨斗瓦のような形状として構
成することができる。これにより、日本家屋の意匠美を
損うことなく、より一層壮麗な棟瓦を形成することがで
きる。
【0034】また、棟瓦1は、図1に示すように内側に
空隙Aを有する中空構造となっている。
【0035】棟瓦1は、中実構造とすることも可能であ
るが、中空構造とすることにより、さらに軽量な棟瓦を
構成することができる。このとき、内側に空気を多く保
有し得るため、断熱性にも優れた棟を形成することがで
き、さらに、棟瓦1の内側と外部とが連通するように施
工すれば、通気性に優れた棟を形成することができる。
また、一体成形時においても後述するプレス成形等によ
り容易に成形することができる。
【0036】棟瓦1の材料としては、不飽和ポリエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹
脂あるいはポリカーボネート、アクリル樹脂等の熱可塑
性樹脂が用いられる。好ましくは、繊維強化プラスチッ
ク、繊維強化熱可塑性プラスチック等の繊維強化樹脂が
用いられる。
【0037】繊維強化プラスチック(FRP;Fiber Reinf
orced Plastics)は、前述の熱硬化性樹脂をガラス繊維
等を含浸させて成形することにより機械的強度を著しく
向上させた強化プラスチックである。また、繊維強化熱
可塑性プラスチック(FRTP;Fiber Reinforced Thermo
Plastics)は、前述の熱可塑性樹脂をガラス繊維を含浸
させて成形することにより機械的強度を著しく向上させ
た強化プラスチックである。
【0038】これらの繊維強化樹脂は、もとの樹脂に比
べて耐衝撃性や剛性が著しく改善され、寸法安定性、耐
熱性が良好である、比較的低価格である、多様な成形法
が可能である、着色が自由である等の多くの利点を有す
る材料である。
【0039】以上のような繊維強化樹脂を用いて棟瓦1
を形成することにより、地震や強風等による衝撃に強い
棟瓦を形成することができる。
【0040】特に、熱硬化性樹脂としての不飽和ポリエ
ステル樹脂をガラス繊維に含浸させてシート状または塊
状に成形した成形材料であるSMC(Sheet Molding Co
mpound)またはBMC(Bulk Molding Compound)を用
いることが好ましい。
【0041】これらの樹脂を用いることにより、機械的
強度および耐候性に優れており、低コストの棟瓦を形成
することができる。また、寸法精度が良く、棟瓦外側面
の細かい意匠をはっきりと形成することができる。
【0042】また、棟瓦1には、前記冠部の下部外側
面、すなわち、棟瓦1が施工される建物の棟方向に平行
な面に、意匠表示部2が設けられている。
【0043】図2は図1の棟瓦を図1におけるX方向、
すなわち、建物の平(ひら)方向から見た概観図であ
る。図2に示されるように、意匠表示部2は、前記冠部
の下部外側面、すなわち、棟瓦1の従来の棟瓦の複数の
熨斗瓦に相当する箇所に設けられた構成となっている。
意匠表示部2には、棟瓦の容姿を壮麗にするための意匠
が表示されている。例えば、従来の棟瓦における複数の
熨斗瓦の間に化粧用の瓦を組み込んでなる棟込瓦(むな
ごみ瓦)に相当する意匠が表示されている。
【0044】このような棟込瓦の意匠を本発明の棟瓦に
おいても設けることができるため、日本家屋の意匠美を
損うことなく壮麗で軽量な棟瓦を形成することができ
る。
【0045】なお、意匠表示部2に施される意匠は、従
来の棟込瓦の意匠に限られず、いかなる意匠でもよい。
【0046】また、本実施の形態においては、図2に示
されるように、棟瓦1の冠部に複数の紐部8が設けられ
ている。当該紐部8は、従来の棟瓦の冠瓦1枚1枚に設
けられる紐に相当すべく、棟方向に所定間隔を空けて設
けられ、棟瓦1の上面において、凸状の紐部8が棟方向
に直交する方向に伸びている。したがって、棟瓦1が棟
方向に複数枚連結されているような外観を呈する。
【0047】このような、紐部8を設けることによっ
て、棟瓦1の冠部をより一層冠瓦の形状として構成する
ことができる。これにより、日本家屋の意匠美を損うこ
となく、より一層壮麗な棟瓦を形成することができる。
なお、図2においては、紐部8を3箇所に有し、従来の
冠瓦3枚分を棟方向に並べた長さに相当する長さの棟瓦
1が構成されている。
【0048】本実施の形態においては、複数の棟瓦1を
用いて棟方向に延長し得る構成である。また、一の棟瓦
の棟方向の一端部と当該一の棟瓦に隣接して配置される
棟瓦の棟方向の一端部とが、互いに嵌合し得るように構
成されている。
【0049】図2に示されるように、一の棟瓦1の棟方
向の一端部7aと隣接して配置される棟瓦1の一端部7
bとが互いに嵌め合わされるような構造を有している。
具体的には、一の棟瓦1の一端部7aの内側面部が隣接
して配置される棟瓦1の一端部7bの外側面部に嵌合し
得る構造となっている。
【0050】この場合、後述するように、棟瓦1の両端
部7a,7bがそれぞれしっかりと嵌め合わせることが
できるため、複数の棟瓦1を用いて棟方向へ延長した際
に接続部分から水が進入するのを防ぐことができる。
【0051】特に、本実施の形態においては、棟瓦1の
紐部8を一端部7aとし、紐部8の内側面部に嵌合構造
を有するように構成される。
【0052】この場合、紐部8は、他の部分より棟方向
に対して垂直な断面の形状が大きいため、紐部8の内面
側に嵌合構造を容易に形成することができる。また、接
続部を目立たなくし、仕上がりを良くすることができ
る。
【0053】次に、本実施の形態における棟瓦1の成形
方法について説明する。
【0054】本実施の形態における棟瓦1は、真空成
形、プレス成形、射出成形等により一体成形される。好
ましくは、真空成形またはプレス成形により一体成形さ
れる。真空成形は、加熱軟化させたシートと型との空間
を真空状態にすることによりシートを型に密着させ、所
定の形状を得る形成法であり、プレス成形は、加熱軟化
させたシートを凹凸型で加圧し、所定の形状を得る成形
法である。
【0055】真空成形、プレス成形、射出成形等の成形
方法を用いることにより、棟瓦1を容易に一体成形する
ことができる。また、特に、真空成形またはプレス成形
を用いることにより、意匠表示部2を含む棟瓦1の外側
面の意匠の細部において様々な表面状態を再現できるた
め、低コストかつ壮麗な棟瓦を形成することができる。
さらに、棟瓦1の両端部7a,7bに嵌合構造を設ける
際にも再現精度の高い上記成形方法により、防水性を担
保することができる。
【0056】次に、本実施の形態における棟瓦を建物に
施工する方法について説明する。
【0057】棟瓦が施工される棟には、水平に位置して
いる大棟(おおむね)や傾斜して位置している隅棟(す
みむね)、降棟(くだりむね)等の種類があるが、本発
明における棟瓦は、いずれの棟においても施工可能であ
る。本実施の形態においては、屋根の頂点に水平に位置
している大棟に施工する場合を例示する。
【0058】まず、図1に示されるように、野地板51
の上に桟瓦52を葺く。その後、棟の頂点に沿った棟木
49上に棟瓦1の棟方向の中心軸が来るように棟瓦1を
桟瓦52上に設置して固定する。棟方向へは、図2に示
されるように、複数の棟瓦1を嵌め合わせることによ
り、延長が可能である。
【0059】棟方向へ延長する場合、一の棟瓦1の棟方
向の一端部7aの内側面部に隣接して配置される棟瓦1
の棟方向の一端部7bの外側面部が潜り込むようにして
接続される。このとき、一の棟瓦1の一端部7aの内側
面部および隣接して配置される棟瓦1の一端部7bの外
側面部が嵌合可能となっているため隣接する棟瓦が互い
にしっかりと嵌め合わされる。
【0060】このように、従来、複数の種類かつ多数の
重い瓦を一枚一枚時間をかけて葺くことなく、容易に施
工することができる。また、施工時において、隣り合う
棟瓦1を直線的に嵌合することができ、容易に仕上がり
を良くすることができる。
【0061】また、棟瓦1は、くぎ打ちにより固定する
ためのくぎ孔4aが設けられるように構成される。
【0062】図1においては、棟瓦1における土台部の
上部、すなわち、従来の棟瓦の熨斗瓦に相当する部分の
上部の複数箇所にくぎ孔4aが設けられている。また、
桟瓦52の上部の所定位置に木材等のくぎ打ち受部5が
設けられている。施工方法としては、桟瓦52を葺いた
後、桟瓦52上の棟瓦1のくぎ孔4aに相当する位置に
くぎ打ち受部5をくぎ打ち等により設置する。そして、
棟瓦1を設置してくぎ孔4aにスクリューくぎ等のくぎ
を打ち付けることにより棟瓦1を固定する。
【0063】このように、棟瓦がくぎ打ちにより固定す
ることにより、棟瓦を棟方向に対して歪むことなく整然
と配置し、固定することができる。また、粘土による固
定を必要としないため、軽量な棟瓦の施工を極めて容易
に行うことができる。また、施工後においても地震や強
風等に強い棟瓦とすることができる。
【0064】なお、くぎ孔4aおよびくぎの代わりにね
じ孔およびねじを用い、ねじ止めすることにより棟瓦1
を固定しても同様の効果が得られる。また、くぎ孔4a
の位置または数は、施工する棟瓦の形状および施工され
る棟の形態等に合わせて、任意に設定可能である。
【0065】さらに、本実施の形態における棟瓦1の施
工に際しては、棟木49上に支持部6が設けられる。
【0066】図1においては、棟木49上の垂木(たる
ぎ)50に金属等により形成された支持部6が打ち付け
られることにより固定される。本実施の形態において
は、この支持部6上に木材等によるくぎ打ち受部5が設
けられるとともに、棟瓦1の頂点部分にくぎ孔4bが設
けられている。
【0067】本実施の形態における施工方法としては、
図2に示すように、棟瓦1の冠部の頂点の複数箇所に設
けられているくぎ孔4bと同じ間隔で棟木49上の複数
箇所に支持部6を設け、固定する。それぞれの支持部6
上にくぎ打ち受部5を設ける。その後、それぞれの支持
部6上のくぎ打ち受部5上に棟瓦1の冠部の頂点に設け
られたそれぞれのくぎ孔4bが対応するように棟瓦1が
設置され、スクリューくぎ等のくぎにより固定される。
【0068】このように、棟木49上に支持部6が設け
られ、その支持部6に沿って棟瓦が設置されるため、棟
瓦を棟方向に対して直線的に施工することを容易に行う
ことができる。
【0069】なお、くぎ孔4bおよびくぎの代わりにね
じ孔およびねじを用い、ねじ止めすることにより棟瓦1
を固定しても同様の効果が得られる。また、支持部6の
数または間隔については、施工する棟瓦の形態および施
工される棟の形態等に合わせて、任意に設定可能であ
る。
【0070】また、本実施の形態においては、施工の際
に桟瓦52の谷部の長さ方向の一部分にシール材3を充
填する。図1に示されるように、桟瓦52の谷部をシー
ル材3によってシールし、堰き止めることにより、シー
ル材3は、雨水が遡って棟瓦内部に進入しないための土
手の役割をする。
【0071】これにより、シール材3の有する防水性に
より、雨水が桟瓦52を遡って進入することを防止する
ことができる。
【0072】さらに、本実施の形態においては、前記シ
ール材3上にくぎ打ち受部5を設ける。
【0073】シール材3により桟瓦52の谷部の長手方
向の一部分が埋められることにより、桟瓦52の頂部が
ほぼ面一となる。この部分に前述のくぎ打ち受部5が設
けられる。
【0074】これにより、くぎ打ち受部5を桟瓦52に
対して安定して取り付けることができる。また、シール
材3に加えてくぎ打ち受部5に雨水の侵入防止のための
土手の役割をさせることができる。
【0075】これにより、棟瓦1を補強することができ
るため、地震や強風等による棟瓦1の倒壊を防ぐことが
できる。また、シール材3の有する防水性により、雨水
が桟瓦52を遡って進入することを防止することができ
る。
【0076】好ましくは、シール材3として、EPDM
(Ethylene-Propylene-Diene Methylene linkage)系シ
ール材等の発泡シール材等が用いられる。EPDMは、
対候性、耐熱性、対老化性等の優れた特徴を有してお
り、防水性、気密性にも優れたシール材である。このよ
うな発泡シール材を用いることにより、棟瓦の施工後、
長期間に渡ってシール材が剥がれることなく施工時当初
に有する機能を保持することが可能である。
【0077】また、本実施の形態においては、桟瓦52
と棟瓦1との間に通気孔を設ける。
【0078】桟瓦52の谷部の長さ方向の一部分にシー
ル材3を充填するように構成された場合は、図1に示す
ように、シール材3を設ける位置を棟瓦1の下端部が桟
瓦52に接する位置より棟瓦1の内部方向へずらすこと
により、図1の矢符Yで示すように、通気可能な構成と
することができる。
【0079】これにより、屋根からの通気を確保し、屋
根全体を換気することができる。さらに、換気すること
により、湿気を防止することができるため、棟瓦を含む
屋根全体の耐用年数を延ばすことが可能となる。
【0080】別の態様として、棟瓦1の下端部近傍にお
いて、棟瓦1と桟瓦52との間に隙間を埋めるようにシ
ール材3を充填するようにしてもよい。シール材3は、
棟瓦1の下端部近傍であり棟瓦1の施工後においては外
部から目立たないような位置に充填することが好まし
い。
【0081】また、桟瓦52と棟瓦1との間に隙間を埋
めるようにシール材3を充填するように構成された場合
は、シール材3に部分的に孔を設けることにより、シー
ル材3の所定箇所に通気孔が設けられる。このとき、雨
水が遡って棟瓦内部に侵入しない位置に設けることが好
ましい。
【0082】
【発明の効果】本発明に係る棟瓦によれば、日本家屋の
意匠美を損うことなく軽量な棟瓦を形成することができ
る。また、棟瓦が軽量なため持ち運びが容易で、棟瓦が
一体成形されるため作業中に崩れたりせず、施工作業を
容易にすることができる。さらに、軽量で一体成形によ
り崩れない棟瓦を施工することによって、施工後におい
ても地震や強風等に強く、耐震性および防水性を保持す
ることができる。また、中空構造とすれば、さらに軽量
な棟瓦を構成することができる。このとき、従来の粘土
瓦に比べ棟瓦の内側に空気を多く保有し得るため、断熱
性にも優れた棟を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る棟瓦の施工された
棟方向に対して垂直な面についての断面図である。
【図2】図1の棟瓦を図1におけるX方向から見た概観
図である。
【図3】従来の棟瓦の施工された棟方向に対して垂直な
面についての断面図である。
【符号の説明】
1…棟瓦 2…意匠表示部 7a,7b…端部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の棟上に施工される棟瓦であって、 桟瓦上に載置される台状の土台部と、前記土台部から上
    方に突出した冠部とからなり、樹脂を用いた一体成形に
    より形成されることを特徴とする棟瓦。
  2. 【請求項2】 前記土台部の外側面は、複数の段からな
    る段々形状に形成されてなることを特徴とする請求項1
    記載の棟瓦。
  3. 【請求項3】 前記樹脂は、繊維によって強化された繊
    維強化樹脂であることを特徴とする請求項1または2記
    載の棟瓦。
  4. 【請求項4】 前記棟瓦は、前記冠部の下部外側面に意
    匠表示部を具備することを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の棟瓦。
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