JP2003154618A - 透湿防水布帛およびその製造方法 - Google Patents

透湿防水布帛およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエーテル−エステル系エラストマーのみ
が基布に積層された、柔軟でかつ十分な透湿性を有しな
がらも、高い接着強度を有し、水による洗濯後も高度の
耐水圧を有する透湿防水布帛およびその製造方法を提供
すること。 【解決手段】 繊維材料からなる基布に、ポリエーテル
−エステル系エラストマー(PEE)である、PEEA
からなるフィルム層をPEEBからなるバインダーを介
して基布上に接着させた透湿防水布帛であって、かつ
(a)PEEAが、ポリエチレングリコール残基をPE
EAの重量を基準として5〜25%含んでいること、
(b)PEEAのフィルム層の厚みが、5〜50μmの
範囲にあること、(c)PEEBの融点がPEEAの融
点より20℃以上低いこと、および(d)PEEBの目
付が2〜20g/m2の範囲である、透湿防水布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、布帛表面に熱可塑
性ポリエーテル−エステル系エラストマーからなる層が
積層された、透湿防水布帛に関する。さらに詳しくは、
透湿性に優れ、かつ洗濯処理後においても耐水圧性が優
れた透湿防水布帛、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】透湿防水布帛は、例えば衣料用に用いる
場合、身体からの発汗による水蒸気を衣服外へ放出する
機能(透湿性)と、雨が衣服内に入ることを防ぐ機能
(防水性)との両立が必要とされる。そして、これらの
機能を両立させる手段としては繊維からなる基布の片側
面に、ポリテトラフルオロエチレンまたはポリウレタン
系エラストマーからなるフィルムをラミネートする方
法、または、ポリウレタン系エラストマーをコーティン
グする方法が採用されてきた。しかしながら、これらの
防水布帛は、廃棄時などに燃焼させた場合、人体に対し
て毒性を持ったガスが発生する場合があるなどの環境問
題を有していた。そのため、基布にラミネートまたはコ
ーティングするポリマー材料として、透湿性と防水性と
を両立しながら、環境への問題がないものが切望されて
きた。
【0003】そして、ポリエーテル−エステル系エラス
トマー(PEE)は、優れた耐熱性および機械特性を有
し、そのフィルムは適度な弾性を有することから風合い
面でも優れており、しかも、燃焼時に有毒なガスが発生
しないことから、前記のポリテトラフルオロエチレンお
よびポリウレタン系エラストマーの代替品として有望視
されている。
【0004】このようなPEEを用いた透湿防水布帛と
しては、米国特許第4493870号公報には、PEE
をフィルム状にしたものを、基布の表面にラミネートし
たものが開示されている。しかし、基布とPEEフィル
ムとを固定する接着剤として一般的に用いられるウレタ
ン系樹脂を使用した場合には、焼却時に少量ながら有毒
ガスが発生する場合があるため、基布とPEEフィルム
とをどう一体化するかという問題があった。その問題を
解決する方法として、特開2000−290878号公
報には皮膜形成性の異なる2種のPEEのみを基布の表
面に直接コートする方法が開示されている。しかしなが
ら、いずれの方法によっても初期の透湿性および防水性
は優れているものの、一般家庭で行われる水による洗濯
を行った場合にはフィルムが破損しやすく、防水性が大
幅に低下するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術を鑑みなされたもので、その目的は、ポリエーテル−
エステル系エラストマーのみが基布に積層された、柔軟
でかつ十分な透湿性を有しながらも、水による洗濯後も
高度の耐水圧を有する透湿防水布帛およびその製造方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の透湿防水布帛
は、繊維材料からなる基布に、ポリアルキレングリコー
ル残基(PAG)、アルキレングリコール残基(AG)
およびジカルボン酸残基(DC)からなるポリエーテル
−エステル系エラストマー(PEE)が積層された透湿
防水布帛において、PEEが2種のPEE(PEEAと
PEEB)からなり、基布へのそれらPEEの積層方法
が、PEEAからなるフィルム層をPEEBからなるバ
インダーを介して基布上に接着させた透湿防水布帛であ
って、かつPEEAとPEEBとが下記(a)〜(d)
の要件を同時に具備することを特徴とする。 (a)PEEAが、ポリエチレングリコール残基をPE
EAの重量を基準として5〜25%含んでいること。 (b)PEEAのフィルム層の厚みが、5〜50μmの
範囲にあること。 (c)PEEBの融点がPEEAの融点より20℃以上
低いこと;および (d)PEEBの目付が2〜20g/m2の範囲である
こと。
【0007】また、一つの本発明の透湿防水布帛の製造
方法は、PAG、AGおよびDCからなるポリエーテル
−エステル系エラストマー(PEEA)であり、かつP
AGの一成分であるポリエチレングリコール残基を重量
基準で5〜25重量%含んだPEEAからなる厚さ5〜
50μmのPEEAフィルムを作成し、有機溶剤に、P
AG、AGおよびDCからなるポリエーテル−エステル
系エラストマー(PEEB)を溶解させた溶液を、該P
EEAフィルム上または繊維材料からなる基布上に、乾
燥後のPEEB固形分目付が2〜20g/m2の範囲と
なるように塗布した後、PEEB固形分が該PEEAフ
ィルムと該基材の間となるように、該PEEAフィルム
と該基布を張り合わせ、熱カレンダーによりPEEAの
融点未満、PEEBの融点以上の温度で熱接着させるこ
とを特徴とする。さらに該PEEB溶液の塗布面が該P
EEAフィルム上であることが好ましい。
【0008】また、もう一つの本発明の透湿防水布帛の
製造方法は、PAG、AGおよびDCからなるポリエー
テル−エステル系エラストマー(PEEA)であり、か
つPAGの一成分であるポリエチレングリコール残基を
重量基準で5〜25重量%含んだPEEAからなる厚さ
5〜50μmのPEEAフィルムを作成し、PAG、A
GおよびDCからなるポリエーテル−エステル系エラス
トマー(PEEB)を溶融状態で、繊維材料からなる基
布上に付着量が2〜20g/m2の範囲となるように塗
布した後、該基布のPEEB付着面に上記PEEAフィ
ルムを貼り合わせることを特徴とする。
【0009】さらに、いずれの本発明の製造方法におい
ても、PEEAフィルムを溶融法によって作成すること
が好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の透湿防水布帛は、環境に対する問題が少ないポ
リエーテル−ポリエステル系エラストマー(PEE)の
みを繊維からなる基布の表面に積層したものであり、従
来の積層品ではなし得なかった、初期および水による洗
濯後の両方において、高度の透湿性と耐水圧とを兼備さ
せたものである。具体的には、繊維材料からなる基布上
に、透湿性と耐洗濯性とに優れたPEE(PEEA)を
フィルム層として、接着性の優れたPEE(PEEB)
をバインダーとして接着することで、耐洗濯後の透湿
性、耐水圧をともに満足させたものである。なお、本発
明でいうPEEとは、ポリアルキレングリコール残基
(PAG)、アルキレングリコール残基(AG)および
ジカルボン酸残基(DC)からなるものを意味する。
【0011】以下、本発明の透湿防水布帛のコート層を
形成するPEEAおよびPEEBの要件について述べ
る。本発明の透湿防水布帛におけるPEEAは、PA
G、AGおよびDCからなるPEEであって、PAGの
一成分としてのポリエチレングリコールを、重量を基準
として、PEEA全重量に対して5〜25重量%、さら
に好ましくは10〜20重量%含んだものである。PE
EA中のポリエチレングリコールが5重量%未満である
と、十分な透湿性を得ることができない。また、25重
量%より大きい場合には、水による洗濯時にPEEAフ
ィルム層が破損するために洗濯後の耐水圧が低下する。
また、PEEAを構成するPAGに占めるポリエチレン
グリコールの割合としては、重量基準で20〜60重量
%が好ましい。
【0012】また、PEEAが透湿防水布帛の最外層で
ある場合は、耐磨耗性の高いPEEAが好ましい。この
ようなPEEAとしては、PEEAを構成するAGが、
エチレングリコールとテトラメチレングリコールとの混
合物であって、該AG中に占めるエチレングリコールの
割合が30モル%以上のものである。これは、該AG中
に占めるエチレングリコールを少なくとも30モル%共
存させることで十分な耐摩耗性を確保したのである。さ
らに好ましいAG中に占めるエチレングリコールとテト
ラメチレングリコールとのモル比は、35:65〜5
0:50の範囲である。
【0013】PEEAの固有粘度(IV)については、
十分な皮膜形成性およびフィルム層の皮膜強度を維持す
るために、0.8〜1.4の範囲にあるものが好まし
い。またPEEAの融点については150〜200℃で
あることが、作業性の面から好ましい。また、加工後の
フィルム厚さを一定に保つためには、PEEB塗布時に
用いる溶剤、例えば1,3−ジオキソラン、による塗付
加工温度での溶解性が低いことが好ましい。
【0014】本発明の透湿防水布帛におけるPEEB
は、PEEAと同様に、PAG、AGおよびDCからな
るPEEである。また、重量を基準として、該PAGの
50重量%以上が、ポリテトラメチレングリコールで占
められたものが好ましく、また、PEEBの透湿性を向
上させるためには、PAGの残りの成分の一部をポリエ
チレングリコールとしても良い。
【0015】また、本発明のPEEBはもともとPEE
Aと組成が近似していることから親和性が高く、PEE
AとPEEBとの界面の結合力は高いが、より接着力を
高めるためには、本発明ではPEEBの融点はPEEA
の融点よりも20℃以上低いことが必要である。それに
よって、PEEBバインダーを用いてPEEAフィルム
と基材を接着させた後、さらに熱カレンダーを行いPE
EBを溶融させ接着性をより強固にすることができる。
PEEBを効率良く溶融させる為にはPEEBの融点の
10℃以上の加熱が必要であり、フィルム層のPEEA
が同時に溶融しないようにPEEBの融点はPEEAの
融点より20℃以上低い必要がある。さらには両者の融
点に30〜100℃の差が有ることが好ましい。20℃
未満であると、PEEBを溶解させた際にPEEAフィ
ルム層も溶解し、高い耐水圧が得られない。PEEBの
融点としては50〜150℃、さらには70〜130℃
であることが作業性の点から好ましい。
【0016】PEEBの柔軟性を高めるために、PEE
B中のAGにおいて、テトラメチレングリコールの占め
る割合を上げることも好ましい。好ましいAG中に占め
るテトラメチレングリコールの割合は、80〜100モ
ル%である。
【0017】次にPEEAおよびPEEBに共通の要件
について以下に述べる。PEEAおよびPEEBを構成
するジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン
酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−
4,4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン
酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウム等の芳香族ジカ
ルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、
セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカ
ルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体からなる
群より選ばれた少なくとも1種が挙げられ、好ましくは
テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジ
カルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体であ
る。もちろん、このジカルボン酸の一部(通常、全ジカ
ルボン酸成分を基準として30モル%以下)を、他のジ
カルボン酸やオキシカルボン酸成分に置換えてもよい。
【0018】PEEAおよびPEEBを構成するPAG
としては、前述の要件を満足していれば、ポリエチレン
グリコール残基、ポリ−1,2−プロピレングリコール
残基、ポリ−1,3−プロピレングリコール残基、ポリ
テトラメチレングリコール残基、エチレンオキシドとプ
ロピレンオキシドとの共重合体の残基、エチレンオキシ
ドとテトラヒドロフランとの共重合体の残基などが一部
配されていてもよい。また、該PAGグリコールの数平
均分子量については、600〜8000、特に1000
〜5000の範囲が好ましい。数平均分子量が600未
満であると、十分な機械的物性が得難く、8000を超
えると、相分離が発生し易いことからPEEの調整が困
難になる。
【0019】PEEAおよびPEEBを構成するAGと
しては、前述の要件を満足していれば、エチレングリコ
ール残基、プロピレングリコール残基、トリメチレング
リコール残基またはテトラメチレングリコール残基など
が一部配されていてもよい。
【0020】PEEAおよびPEEBを構成するPAG
とAGおよびDCとの重量比(PAG/(AG+D
C))は、25/75〜75/25、特に40/60〜
60/40の範囲であることが好ましい。(AG+D
C)が25重量%未満では、得られたPEEの融点が低
くなり易く、他方75重量%を越えると、十分な柔軟性
が発現し難い。
【0021】なお、PEEAおよびPEEBの中には、
各種安定剤、紫外線吸収剤等が必要に応じて配合されて
いてもよい。
【0022】さらに本発明に用いられるPEEAは、該
PEEAから形成された厚さ15μmのフィルムを水温
40℃にて30分間処理した後の面積膨潤率が、5%未
満であることが好ましい。面積膨潤率が5%以上のフィ
ルムの場合には、水による洗濯により耐水圧が低下する
傾向にある。
【0023】本発明で用いる基布は、特に限定はされ
ず、任意のものを採用することができる。例えば、ポリ
エチレンテレフタレート等のポリエステル系合成繊維、
ナイロン6やナイロン66等のポリアミド系合成繊維、
ポリアクリロニトリル系合成繊維、ポリビニル系合成繊
維、トリアセテート等の半合成繊維あるいはポリエチレ
ンテレフタレート/木綿、ナイロン6/木綿等の混合繊
維からなる織物、編物、不織布等が挙げられ、これらの
表面にPEEを積層すれば良い。なお、基布の表面と
は、基布の片側面または両側面の一部または全部であ
る。
【0024】PEEAのフィルム層の厚みは、十分な耐
水圧を確保することから5μm以上必要であり、他方得
られた透湿防水布帛の風合いを損なわないためには、5
0μm以下である必要があり、さらには10〜20μm
が好ましい。またその厚さバラツキが小さいほど性能が
安定するため、厚さ変動は平均厚さの±50%以内であ
ることが、さらには±30%以内であることが好まし
い。PEEBのバインダーからなる層の厚さは接着力を
満足させる限度において薄いことが好ましく、PEEA
とPEEBからなる層の厚さの合計が50μmを超えな
いことが好ましい。このような被覆層の厚みが限られた
状況下においては、PEEAのようなコート量当たりの
透湿性が高く、耐洗濯性に優れたものが必要とされる。
なお、ここでいう被覆層の厚みとは、基布表面に形成さ
れた被覆層の厚みであり、基布内部に一部のみが浸透し
たPEEBの部分は除外し、層状となった部分のみであ
る。
【0025】PEEBの塗布量については、乾燥後の固
形分目付で2〜20g/m2の範囲が好ましく、特に5
〜10g/m2の範囲が好ましい。PEEBの固形分塗
布量が2g/m2未満では満足する接着性が得られず、
洗濯によってフィルム層が破損しやすく洗濯後の耐水圧
が向上し難い。他方、固形分塗布量が20g/m2を越
えると、十分な透湿性が得にくい。また、透湿性を確保
するためには、被覆層全体に占めるPEEBの塗付量は
低い方が良く、乾燥後の重量比で高々70%まで、好ま
しくは5〜40%である。さらに風合を向上させるため
に、PEEBを全面に塗布せず、ドット、メッシュ、斜
線などのグラビア柄で塗布することが好ましい。
【0026】本発明の透湿防水布帛のループ硬さは8N
以下、好ましくは5N以下、さらには4N以下であるこ
とが好ましい。ここで、布帛の風合の柔らかさを示すル
ープ硬さは、JIS L 1096 C法のループ圧縮
法によって測定したものである。ところで、本発明の透
湿防水布帛は、PEEAからなるフィルム層の上、すな
わち外表面側に、PEEAとポリマー組成が異なる他の
ポリマー材料からなる最外表面被覆層も少量なら配置し
ても良い。なお、最外表面に配置するポリマー材料とし
ては、例えば、透湿防水布帛に撥水性などの機能を付加
できることから、フッ素系樹脂などの撥水樹脂やシリコ
ーン樹脂が好ましい。そして、これら最外表面の被覆層
の全被覆層中に占める割合は、透湿性や柔軟性を確保す
る観点から低い方が好ましく、せいぜい20%までが好
ましい。
【0027】さらに本発明の透湿防水布帛は、初期の耐
水圧が50kPa以上であることが好ましく、さらには
50kPa以上、または500kPa以下であることが
好ましい。また、洗濯10回後の耐水圧が、初期の耐水
圧の50%以上、さらに好ましくは60%以上であるこ
とが好ましい。そしてもっとも好ましくは、洗濯10回
後の耐水圧も、50kPa以上であることである。ま
た、本発明の透湿防水布帛は、透湿度が3000g/m
2・24h以上であることが好ましく、または1000
0g/m2・24h以下であることが好ましい。これら
の特性値が下限未満の場合、蒸れなどが生じやすい。ま
た、本発明の透湿防水布帛は、そのPEEAフィルムと
繊維質基材との剥離強力が6.0N/25mm以上であ
ることが好ましく、さらには10N/25mm以上であ
ることが好ましい。
【0028】次に、本発明の透湿防水布帛を製造する方
法の例として、別の本発明である透湿防水布帛を製造す
る方法について、以下に述べる。
【0029】一つの本発明の透湿防水布帛の製造方法と
しては、PEEAからなる厚さ5〜50μmのフィルム
を作成し、有機溶剤にPEEBを溶解させた溶液を、該
PEEAフィルム上または繊維材料からなる基布上に、
乾燥後のPEEB固形分目付が2〜20g/m2の範囲
となるように塗布した後、PEEB固形分が該PEEA
フィルムと該基材の間となるように、該PEEAフィル
ムと該基布を張り合わせ、熱カレンダーによりPEEA
の融点未満、PEEBの融点以上の温度で熱接着させる
方法である。
【0030】PEEAのフィルムを作成する方法として
は従来公知のいずれの方法でもよく、例えば離型紙上に
溶融法または溶剤キャスト法によって製膜されるが、耐
洗濯耐久性に優れるのは、PEEAフィルムを溶融法に
よって作成する製造方法である。
【0031】一方、溶剤キャスト法は工程中に高温を必
要としないため生産性に優れる。この溶剤キャスト法を
採用する場合、PEEAが溶解可能な溶剤としてはジメ
チルホルムアミド、ジオキサン、1,3−ジオキソラ
ン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレンの1種もし
くは2種以上の有機溶剤が挙げられるが、沸点が低く、
毒性が少ないことから1,3−ジオキソランが好まし
く、特に使用する有機溶剤の重量を基準として、80%
以上が1,3−ジオキソランである溶剤が好ましい。P
EEAを溶剤キャスト法にて塗布する場合には、該溶剤
の重量を基準としてPEEAを2〜30重量%溶解させ
るのが、特に50〜65℃の温度で5〜20重量%溶解
させるのが作業性の面などから好ましい。このように常
温で溶解しにくいPEEAと溶剤の組み合せを選択した
場合には、バインダー用のPEEB溶液に1,3−ジオ
キソラン等のPEEAの溶剤が含まれていたとしても常
温ではフィルム層を溶解しにくいため、塗付加工時のフ
ィルム層の厚さの変動を抑えることができる。1,3−
ジオキソラン等の溶剤の除去ついては、溶剤の沸点以上
PEEAの融点未満の温度、好ましくは100〜160
℃での乾熱下で溶剤を除去する乾式法を採用することが
好ましい。
【0032】バインダーとなるPEEB溶解物を作製す
るために用いるPEEBを溶解可能な溶剤としては、ジ
メチルホルムアミド、ジオキサン、1,3−ジオキソラ
ン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレンの1種もし
くは2種以上の有機溶剤が挙げられるが、沸点が低く、
毒性が少ないことから1,3−ジオキソランが好まし
く、特に使用する有機溶剤の重量を基準として、80重
量%以上が1,3−ジオキソランである溶剤が好まし
い。なお、PEEBを、重量を基準として該溶剤に2〜
30重量%溶解させることが好ましく、特に40〜65
℃の温度で5〜20重量%溶解させることが好ましい。
1,3−ジオキソランのように、常温ではPEEAを溶
解しにくい溶剤を用いることにより、バインダー用のP
EEB溶解物によるフィルム層の厚さ変動を抑えること
ができる。
【0033】該PEEAフィルムと繊維材料からなる基
布を張り合わせる前に上記PEEB溶解物を塗布する方
法としては、任意のコーティング法、例えばナイフコー
ターおよびグラビアコート等が採用される。PEEBを
バインダーとする場合、PEEB溶液の塗布面はPEE
Aフィルム上でも基布上でも構わないが、基布上ではP
EEB溶解物の染込みが大きく、軟らかい風合いが得ら
れにくい傾向にあるので、風合を重視する場合には該P
EEB溶液の塗布面が該PEEAフィルム上であること
がより好ましい。逆に接着性を重視する場合には、PE
EBを基布上に塗布することが好ましい。
【0034】このようにして得られたPEEAフィルム
あるいは基布にPEEBが付着したものを張り合わせ、
PEEAフィルム、PEEB、繊維材料からなる基布と
の積層体を作成する。このとき、PEEB溶解物をWe
tの状態のまま基材に張り合わせても良いし、70〜1
20℃で30秒〜5分程度乾燥させてから張り合わせて
も良い。その後熱カレンダーによりPEEAの融点未
満、PEEBの融点以上の温度にて熱接着させる。熱カ
レンダー温度は50〜150℃、さらには100〜13
0℃が好ましい。
【0035】もう一つの別の製造方法としては、PEE
Aからなる厚さ5〜50μmのPEEAフィルムを作成
し、PEEBを溶融状態で、繊維材料からなる基布上に
付着量が2〜20g/m2の範囲となるように塗布した
後、該基布のPEEB付着面に上記PEEAフィルムを
貼り合わせることを特徴とする。
【0036】PEEAのフィルムを作成する方法として
は従来公知のいずれの方法でもよく、例えば上述のよう
に離型紙上に溶融法または溶剤キャスト法によって製膜
される。溶剤を使用しない溶融法は、作業環境及び排ガ
スの問題が少なく、好ましい方法であり、例えばT−ダ
イ法などによって、厚さ5〜50μmのPEEAフィル
ムを作成する。
【0037】次に樹脂メルターなどを用いてPEEBを
加熱して溶融状態とし、繊維材料からなる基布上に付着
量が2〜20g/m2の範囲となるように塗布する。こ
のときのPEEBの温度としては80〜140℃が好ま
しく、さらには90〜130℃が好ましい。塗布する方
法としては、従来公知の方法を用いれば良く、任意のコ
ーティング法、例えばナイフコーターおよびグラビアコ
ート等が採用される。このときより透湿性を向上させる
ためには、PEEBを全面に塗布せず、ドット、メッシ
ュ、斜線などのグラビア柄で塗布することが好ましい。
PEEBの付着面積としては50%以下が好ましく、さ
らには5〜20%が最も好ましい。その後、該基布のP
EEB付着面に上記PEEAフィルムを貼り合わせる。
PEEB溶融物は基布上に塗布することによって高いア
ンカー効果が得られ、高い接着力を発現する。また、有
機溶剤に溶解した場合と異なり、濃度が100%で粘度
を高粘度に保ち易いため、基布への染込みも制御でき、
軟らかい風合いを得ることができる。フィルム上に塗布
した場合には、フィルムの熱に対する寸法安定性が悪い
ため、加工性に問題が生じる。
【0038】このようにして得られた基布上にPEEB
が付着したものを、PEEBの付着面とフィルム面とを
貼り合わせる。このとき、PEEBを溶融状態のままフ
ィルムに貼り合わせても良いし、冷却後熱カレンダーに
よりPEEAの融点未満、PEEBの融点以上の温度に
て熱接着させてもよい。もちろん、PEEBを溶融状態
のままフィルムに貼り合わせ後、熱カレンダーすること
により、より強力な接着力が得ることができる。熱カレ
ンダー温度は50〜150℃、さらには100〜130
℃が好ましく、圧力は100〜1000N/cm、好ま
しくは200〜500N/cmが好ましい。
【0039】さらに、本発明の透湿防水布帛の耐水圧を
より向上させるには、PEEAフィルムは溶融法により
作成することが最も好ましい。エラストマーを溶媒に溶
解して得た溶剤キャスト法によるフィルムでは、生産性
こそ優れるものの薄層フィルム作成時に気泡の混入を起
しやすく、ピンホール孔が生じる傾向にあるからであ
る。特に洗濯をおこなった場合、溶剤キャスト法による
ものでは、気泡混入部分のフィルム厚が薄いため、洗濯
によりピンホール孔が発生しやすい。すなわち、洗濯1
0回後の耐水圧の測定時に、欠点が生じやすいのであ
る。それに対して溶融法によって作成されたフィルムで
は、気泡が存在せずピンホール欠点が生じにくい。薄層
フィルムにピンホール欠点が生じている場合、耐水圧測
定時に数箇所から水滴が流れ出ることで判断できる。ち
なみにピンホール欠点個所が無い場合には、布帛とフィ
ルムとの接着が破壊された部分が風船状になり、その部
分が破れることによって水が流れ出る。
【0040】さらに本発明の透湿防水布帛に撥水処理を
施すことが好ましい。撥水処理をする時期は、PEE層
を接着する前後の何れでもよいが、熱キュアが必要とさ
れる場合には、PEE層の接着前に行うことが好まし
い。
【0041】このような撥水処理剤としては、パラフィ
ン系撥水剤、ポリシロキサン系撥水処理剤およびフッ素
系撥水処理剤など従来公知のものが採用でき、その処理
方法も、パディング法およびスプレー法等、従来公知の
方法で行えばよい。
【0042】このようにして得られた本発明の透湿防水
布帛は、均一にPEEが被覆されており、水による洗濯
後にも高い耐水圧と透湿性とを有する。さらに、本発明
の透湿防水布帛のPEEAを構成するAG中に占めるエ
チレングリコールの割合を30モル%以上とした場合に
は、前述の高い耐水圧と透湿性に加えて、高い耐摩耗性
をも有する。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれにより制限されるものではない。実施
例において、各物性値の測定は下記の方法により行い、
また、実施例で使用したPEEは、下記の方法により作
製した。なお、実施例中の「部」は、「重量部」を表わ
す。
【0044】(1)PEEの固有粘度(IV) フェノールとテトラクロロエタンとの混合溶剤(重量比
=6:4)を用い、35℃の温度条件下で固有粘度(I
V)を測定した。
【0045】(2)融点 示差走査型熱量計(TA instrument製 D
SC29290)を用いて、窒素気流中10℃/分の昇
温速度で測定した。
【0046】(3)エチレングリコール/テトラメチレ
ングリコール含有率 90MHz FT−NMR(日立製作所製 R190
0)を用いて定量した。
【0047】(4)透湿度 JIS L−1099法のA−1法(塩化カルシウム
法)に準拠して行い、24時間当たりに換算して、単位
g/m2・24hであらわした。
【0048】(5)耐水圧 JIS L−1092法のB法(高水圧法)中の静水圧
法に準拠して行った。ただし、透湿防水布帛の測定時に
は、布帛面から水圧をかけ、PEEフィルム面からの水
漏れを測定した。このとき基本的には試験片の裏側に3
か所から水が出たときの水圧を記録した。しかし、測定
時に布帛とPEEフィルムが剥離し、1か所から大量に
水が出たときには、そのことを注記し、その水圧を記録
した。また、PEEフィルム単独の耐水圧を測定する場
合には、フィルムの水圧のかかる側の反対側に、撥水処
理をしたポリエステル布帛(耐水圧5.88kPa)を
重ね、同様に測定した。
【0049】(6)洗濯10回後の耐水圧(L10後耐
水圧) JIS L 0217の付表1番号103に規定されて
いる洗濯操作を1サイクル(1回)とし、これに従って
10サイクル(10回)の洗濯(L10)を繰返し行
い、その後(5)の耐水圧試験を行った。
【0050】(7)面積膨潤率 PEEからなる、タテ10cm×ヨコ10cm×厚さ1
5μmの大きさのフィルムを、40℃の水に30分間浸
漬処理し、以下の式により面積膨潤率を算出した。 膨潤率(%)=(浸漬後面積/浸漬前面積−1)×10
【0051】(8)透湿防水布帛の剥離強度 JIS K−6301を参考にし、試験片(2.5cm
×9cm)のフィルム面と同サイズの布粘着テープ(日
東電工No.750)をマングルにて貼り合せ、1kP
a/cm2条件のマングルにて圧着させた後、試験片と
布粘着テープとを引張試験機の相互に向かい合ったチャ
ック間(20mm)にセットし、50mm/minの引
張り速度でチャック間の距離を広げることで基布と被覆
層とを剥離させ、初期の剥離を除いた平均応力を読み取
り、サンプルの幅25mm当たりの応力に換算したもの
を剥離強力とした。試験片の破壊無しに布粘着テープが
剥がれたときは、「10>」と表記した。
【0052】(9)フィルム強度、フィルム伸度 試験片(1cm幅×9cm長さ)のフィルムの上下2c
mをチャックでつまみ、試験長5cmを引張速度50m
m/分でテストし、フィルム強度とフィルム伸度を求め
た。
【0053】(10)風合い評価 熟練者5名により、製造した各サンプルに対して官能検
査を行い、触感による相対的な比較を行った。なお、評
価結果は、以下の通りとした。 ○:柔軟な風合いを有し、かつ、屈曲時に樹脂層のすれ
る音がしないもの。 △:柔軟な風合いを有するが、屈曲時に樹脂層のすれる
音がするもの。 ×:ペーパーライクな風合いであるか、または屈曲時に
樹脂層のすれる音がするもの。
【0054】(11)ループ硬さ JIS L1096 6.20.3 C法(ループ圧縮
法)により、ループ硬さ(単位;N)を求めた。
【0055】[参考例1](PEEA用PEEの作製) テレフタル酸ジメチル(DMT)194部、エチレング
リコール(EG)43.3部、テトラメチレングリコー
ル(TMG)72部、ポリエチレングリコール(PE
G)(平均分子量4000)124部、及び触媒として
テトラブチルチタネート0.391部を蒸留装置を備え
た反応容器に仕込み、この反応物を窒素ガス雰囲気下、
220℃で反応缶中に生成するメタノールを系外に除去
しながら210分間エステル交換させた。エステル交換
反応終了後、このエステル交換反応物を撹袢装置、窒素
導入口、減圧口及び蒸留装置を備えた240℃に加熱さ
れた反応容器に移し、反応混合物に熱安定剤としてスミ
ライザーGS(住友化学工業(株)製)を0.31部添加
し窒素置換した後、常圧で約10分、1995〜266
0Pa(15〜20mmHg)で約30分、更に13.
3Pa(0.1mmHg)で255℃まで昇温し重縮合
反応を行い、所定の溶融粘度に到達した後、酸化防止剤
としてスミライザーGA−80(住友化学工業(株)製)
を0.62部添加して反応終了とし、常法によりチップ
化した。得られたPEEAの固有粘度(IV)は1.1
63、融点は176℃、EG/TMGのモル比は33/
67であった。
【0056】また、PEEを構成するPAの一部をポリ
エチレングリコール(PEG)からポリテトラメチレン
グリコール(PTMG)(平均分子量2000)に表1
のように置換えた以外は、前記方法と同様にして、PE
Eを作成した。
【0057】それぞれのPEEを5部、60℃に加熱さ
れた1,3−ジオキソラン95部に完全に溶解させた
後、ガラス板上にキャストし、150℃の乾熱下で10
分間乾燥および熱処理を行いPEEからなるフィルムを
作製した。得られたフィルムの性能を表1に示す。(以
下溶解フィルムという。)
【0058】
【表1】
【0059】さらに一部のPEEを220℃で溶融し、
T−ダイ法により厚さ15μmのフィルムを作製した。
得られたフィルムの性能を表2に示す。(以下溶融フィ
ルムという。)
【0060】
【表2】
【0061】また、PEG/全PEEが17%の時の溶
解フィルムと溶融フィルムの性能を、表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】[参考例2](PEEB用PEEの作製) イソフタル酸ジメチル(IMT)31.5部、テトラメ
チレングリコール(TMG)18.1部及びポリテトラ
メチレングリコール(PTMG)32.7部を反応容器
中に仕込んで、エステル交換反応を行いモノマーを得
た。その後昇温減圧しつつ重縮合反応を行ってPEEを
得た。なお、PTMGは数平均分子量1000のものを
用いた。このPEEの融点は107℃であった。
【0064】[参考例3](基布Aの準備) ポリエステル布帛に撥水処理剤(フッ素系撥水処理剤L
S−317、明成化学株式会社製)が基布重量に対して
1.0wt%となるように処理を行った。この基布Aの
耐水圧は5.88kPa(600mmH2O)で透湿度
は9000g/m2・24hであった。
【0065】[実施例1]参考例1で得られたPEG/
PTMG重量比が50/50(PEG/全PEE重量比
17%)のPEEAを10部、60℃に加熱された1,
3−ジオキソラン90部に完全に溶解させた後、離型紙
上にキャストし、150℃の乾熱下で3分間熱処理を行
い厚さ15μmのフィルムを作成した。次に参考例2に
より得られたPEEB25部を、1,3−ジオキソラン
75部に完全に溶解させ、#32のグラビアコーターに
より、上記PEEAフィルム上に乾燥後固形分が10g
/m 2となるように塗布し、80℃で溶剤の除去を行
い、該PEEB塗布面と基布Aとを貼り合わせ、120
℃の熱カレンダーにて200N/cmの線圧をかけ熱処
理を行った。得られた布帛の性能を表4、表5、表7に
示す。
【0066】[実施例2、3および比較例1、2]PE
EBの塗布量を表4の通りに変更した以外は実施例1と
同様にして透湿防水布帛を作成した。布帛の性能を表4
に示す。
【0067】[実施例4、5および比較例3、4]PE
EAフィルムの厚みを表4の通りに変更した以外は、実
施例1と同様にして透湿防水布帛を作成した。布帛の性
能を表4に併せて示す。
【0068】[実施例6]PEEBをPEEAフィルム
面に塗布する変わりに、ポリエステル布帛に塗布し、該
布帛のPEEB塗布面にPEEAフィルムを貼り合わせ
た以外は、実施例1と同様にして透湿防水布帛を作成し
た。布帛の性能を表4に併せて示す。
【0069】
【表4】
【0070】[比較例5〜7] (融点155℃のバインダー用PEECの作製)テレフ
タル酸ジメチル(DMT)210部、イソフタル酸(I
A)63.6部、テトラメチレングリコール(TMG)
193.3部およびポリテトラメチレングリコール(P
TMG)199部を反応容器中に仕込んで、エステル交
換反応を行い、モノマーを得た。その後昇温減圧しつつ
重縮合反応(239℃、225分)を行ってPEECを
得た。なおPTMGは平均分子量2500のものを用い
た。このPEECの融点は155℃であった。
【0071】(布帛の作成)バインダーとしてこのPE
EC15部を用い、50℃の1,3−ジオキソラン85
部に完全に溶解させ、グラビアコーターにより、上記P
EEAフィルム上に乾燥後固形分が10g/m2となる
ように塗布したものを表5の熱カレンダー温度で処理す
ること以外は実施例1と同様にして透湿防水布帛を作成
した。布帛の性能を表5に示す。
【0072】
【表5】
【0073】[実施例7]参考例1で得られたPEG/
PTMG重量比が50/50(PEG/全PEE重量比
17%)のPEEAからなる厚さ15μmのフィルムを
T−ダイ法により作製した。次に参考例2により得られ
たPEEBを樹脂メルター((株)平野テクシード製)
により120℃で溶融し、20ドット(半径0.3mm
の円が1インチ間に20ケ)のグラビアコーターで、基
布A上に10g/m2となるように塗布し、上記PEE
Aフィルムと貼り合わせ、150℃の熱カレンダーにて
200N/cmの線圧をかけ熱処理を行った。得られた
布帛の性能を表6に併せて示す。
【0074】[実施例8、9および比較例8、9]PE
EBの塗布量を表6の通りに変更した以外は実施例7と
同様にして透湿防水布帛を作成した。布帛の性能を表6
に示す。
【0075】[実施例10、11および比較例10、1
1]PEEAフィルムの厚みを表6の通りに変更した以
外は、実施例7と同様にして透湿防水布帛を作成した。
布帛の性能を表6に併せて示す。
【0076】
【表6】
【0077】[実施例12]参考例1で得られたPEG/
PTMG重量比が50/50(PEG/全PEE重量比
17%)のPEEAからなる厚さ15μmのフィルムを
T−ダイ法により作製した。次に参考例2により得られ
たPEEB25部を、50℃の1,3−ジオキソラン7
5部に完全に溶解させ、20ドット(半径0.3mmの
円が1インチ間に20ケ)のグラビアコーターで、上記
PEEAフィルム上に乾燥後固形分が10g/m2とな
るように塗布し、80℃で溶剤の除去を行い、該PEE
B塗布面と基布Aとを貼り合わせ、120℃の熱カレン
ダーにて200N/cmの線圧をかけ熱処理を行った。
得られた布帛の性能を表7に示す。
【0078】[実施例13]PEG/PTMG重量比が5
0/50(PEG/全PEE重量比17%)のPEEA
の替わりに、参考例1で得られたPEG/PTMG重量
比が100/0(PEG/全PEE重量比35%)のP
EEAを用いた以外は、実施例10と同様に行った。得
られた布帛の性能を表7に併せて示す。
【0079】[比較例12]参考例1で得られたPEG/
PTMG重量比が100/0(PEG/全PEE重量比
35%)のPEEAからなる厚さ15μmのフィルムを
T−ダイ法により作製した。そのフィルムを基布A上に
熱融着させた。
【0080】バインダー層が無いために、剥離接着力が
弱いものであった。得られた布帛の性能を表7に併せて
示す。
【0081】[比較例13] (融点172℃の比較用PEEDの作製)テレフタル酸
ジメチル(DMT)278部、イソフタル酸(IA)4
2部、テトラメチレングリコール(TMG)220部及
びポリテトラメチレングリコール(PTMG)400部
を反応容器中に仕込んで、エステル交換反応を行いモノ
マーを得た。その後昇温減圧しつつ重縮合反応(239
℃、245分)を行ってPEEを得た。なお、PTMG
は数平均分子量2000のものを用いた。このPEEの
融点は172℃であった。
【0082】(布帛の作成)このPEED10部を、6
0℃に加熱された1,3−ジオキソラン90部に完全に
溶解させ、ナイフコーターにより、該基布上に、乾燥後
の目付が5g/m2になるようにクリアランスを調整し
てコートした後、130℃の乾熱下で1分間熱処理を行
い、第1段目のコート層を形成した。続いて、参考例1
により得られたPEG/PTMG重量比が100/0
(PEG/全PEE重量比35%)のPEEA7部を、
60℃に加熱された1,3−ジオキソラン93部に完全
に溶解させ、乾燥後の目付が15g/m2になるように
コーティングした後、150℃乾熱下で3分間熱処理を
行い、第2段目のコート層を形成した。
【0083】凹凸の存在する基布上に直接コートしてい
るために、コート層にピンホール欠点が発生しやすかっ
た。特に10回洗濯後にその欠点が顕著であった。得ら
れた布帛の性能を表7に併せて示す。
【0084】[比較例14]PEG/PTMG重量比が1
00/0(PEG/全PEE重量比35%)のPEEA
の替わりに、参考例1で得られたPEG/PTMG重量
比が50/50(PEG/全PEE重量比17%)のP
EEAを用いた以外は、比較例13と同様に行った。
【0085】PEGの比率が低いために、洗濯による耐
水圧の低下率は低いものの、凹凸の存在する基布上に直
接コートしているために、コート層にピンホール欠点が
発生しやすい傾向にあった。得られた布帛の性能を表7
に併せて示す。
【0086】
【表7】
【0087】
【発明の効果】本発明の透湿防水布帛は、ポリエーテル
−エステル系エラストマーのみが基布に積層されている
ため、廃棄時に焼却処理することが容易である。また、
柔軟でかつ十分な透湿性を有しながらも、高い剥離強度
を有し、水による洗濯後も高度の耐水圧を有するので、
家庭での洗濯が可能な優れた透湿防水布帛である。ま
た、本発明の製造方法によれば、PEEAの膜厚を一定
に保てるため、風合いの安定した透湿防水布帛を得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A41D 31/00 A41D 31/00 502Z 31/02 31/02 A B32B 27/12 B32B 27/12 D06M 17/00 D06M 17/04 17/04 17/00 K Fターム(参考) 3B030 AB00 4F100 AK41B AK41C AL09B AL09C AS00C AT00A BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B DG01A DG11A EC03 EC032 EH46 EH462 EJ42 EJ422 EJ86 EJ862 GB72 JD04 JD05 JK06 JK12 4L032 AA07 AB01 AB07 AC01 BA00 BD01 BD03 CA03 DA01 EA02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維材料からなる基布に、ポリアルキレ
    ングリコール残基(PAG)、アルキレングリコール残
    基(AG)およびジカルボン酸残基(DC)からなるポ
    リエーテル−エステル系エラストマー(PEE)が積層
    された透湿防水布帛において、 PEEが2種のPEE(PEEAとPEEB)からな
    り、基布へのそれらPEEの積層方法が、PEEAから
    なるフィルム層をPEEBからなるバインダーを介して
    基布上に接着させた透湿防水布帛であって、かつPEE
    AとPEEBとが下記(a)〜(d)の要件を同時に具
    備することを特徴とする透湿防水布帛。 (a)PEEAが、ポリエチレングリコール残基をPE
    EAの重量を基準として5〜25%含んでいること。 (b)PEEAのフィルム層の厚みが、5〜50μmの
    範囲にあること。 (c)PEEBの融点がPEEAの融点より20℃以上
    低いこと;および (d)PEEBの目付が2〜20g/m2の範囲である
    こと。
  2. 【請求項2】 PEEAに含まれるAGが、エチレング
    リコール残基とテトラメチレングリコール残基とを含ん
    でいて、かつ、モル数を基準として、前者を少なくとも
    30モル%含んでいる請求項1記載の透湿防水布帛。
  3. 【請求項3】 PEEAから形成されたフィルムの40
    ℃水、30分間処理による面積膨潤率が、5%未満であ
    る請求項1または請求項2に記載の透湿防水布帛。
  4. 【請求項4】 透湿防水布帛の初期の耐水圧が50kP
    a以上であり、かつ洗濯10回後の耐水圧が、初期の耐
    水圧の50%以上である請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の透湿防水布帛。
  5. 【請求項5】 透湿防水布帛の洗濯10回後の耐水圧が
    50kPa以上である請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の透湿防水布帛。
  6. 【請求項6】 透湿防水布帛の透湿度が3000g/m
    2・24h以上である請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の透湿防水布帛。
  7. 【請求項7】 透湿防水布帛の剥離強度が6.0N/2
    5mm以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    透湿防水布帛。
  8. 【請求項8】 透湿防水布帛のループ硬さが5.0N以
    下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の透湿防水
    布帛。
  9. 【請求項9】 PAG、AGおよびDCからなるポリエ
    ーテル−エステル系エラストマー(PEEA)であり、
    かつPAGの一成分であるポリエチレングリコール残基
    を重量基準で5〜25重量%含んだPEEAからなる厚
    さ5〜50μmのPEEAフィルムを作成し、 有機溶剤に、PAG、AGおよびDCからなるポリエー
    テル−エステル系エラストマー(PEEB)を溶解させ
    た溶液を、該PEEAフィルム上または繊維材料からな
    る基布上に、乾燥後のPEEB固形分目付が2〜20g
    /m2の範囲となるように塗布した後、 PEEB固形分が該PEEAフィルムと該基材の間とな
    るように、該PEEAフィルムと該基布を張り合わせ、
    熱カレンダーによりPEEAの融点未満、PEEBの融
    点以上の温度で熱接着させることを特徴とする透湿防水
    布帛の製造方法。
  10. 【請求項10】 該有機溶剤が、ジメチルホルムアミ
    ド、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、トルエン、ク
    ロロホルム、塩化メチレンまたはこれらの混合物である
    請求項9記載の透湿防水布帛の製造方法。
  11. 【請求項11】 該PEEB溶液の塗布面が該PEEA
    フィルム上である請求項10記載の透湿防水布帛の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 PAG、AGおよびDCからなるポリ
    エーテル−エステル系エラストマー(PEEA)であ
    り、かつPAGの一成分であるポリエチレングリコール
    残基を重量基準で5〜25重量%含んだPEEAからな
    る厚さ5〜50μmのPEEAフィルムを作成し、 PAG、AGおよびDCからなるポリエーテル−エステ
    ル系エラストマー(PEEB)を溶融状態で、繊維材料
    からなる基布上に付着量が2〜20g/m2の範囲とな
    るように塗布した後、 該基布のPEEB付着面に上記PEEAフィルムを貼り
    合わせることを特徴とする透湿防水布帛の製造方法。
  13. 【請求項13】 該基布と該PEEAフィルムを貼り合
    わせた後、熱カレンダーによりPEEAの融点未満、P
    EEBの融点以上の温度で熱接着させることを特徴とす
    る請求項12記載の透湿防水布帛の製造方法。
  14. 【請求項14】 PEEAフィルムを溶融法によって作
    成した請求項9または12記載の透湿防水布帛の製造方
    法。
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