JP2003153661A - ノンフライ乾燥即席麺 - Google Patents

ノンフライ乾燥即席麺

Info

Publication number
JP2003153661A
JP2003153661A JP2002257290A JP2002257290A JP2003153661A JP 2003153661 A JP2003153661 A JP 2003153661A JP 2002257290 A JP2002257290 A JP 2002257290A JP 2002257290 A JP2002257290 A JP 2002257290A JP 2003153661 A JP2003153661 A JP 2003153661A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
noodle
noodles
instant noodles
fried dry
hot water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002257290A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003153661A5 (ja
Inventor
Keiichi Okubo
慶一 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YAMADAI KK
Original Assignee
YAMADAI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YAMADAI KK filed Critical YAMADAI KK
Priority to JP2002257290A priority Critical patent/JP2003153661A/ja
Publication of JP2003153661A publication Critical patent/JP2003153661A/ja
Publication of JP2003153661A5 publication Critical patent/JP2003153661A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Noodles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 湯戻しによって短時間で喫食可能な状態にな
ること、湯戻ししたときのほぐれ性に優れていること、
湯戻しして復元された麺線が滑らかで、口当たりがよ
く、弾力性に富み、食味食感がよいこと、喫食可能な状
態からの茹で伸びが遅いこと等の性質を有するノンフラ
イ乾燥即席麺を提供すること。 【解決手段】 麺塊の密度が0.25g/cm3 以下
で、麺塊重量に対する麺塊空隙体積が2.0〜4.5c
3 /gであることを特徴とするノンフライ乾燥即席
麺。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱湯を注ぐだけで
喫食可能な状態になるノンフライ乾燥即席麺に関し、詳
しくは保存安定性に優れ、湯戻し時のほぐれ性がよく、
短時間で喫食可能な状態に復元し、しかも復元された麺
線が滑らかで、口当たりがよく、生麺を茹で上げたとき
と同等の食味食感を有するノンフライ乾燥即席麺に関す
る。
【0002】
【従来の技術】即席麺としては、製造が容易であること
から、麺塊を油揚げした油揚げ即席麺が主流として普及
している。しかし、このものは油揚げによって乾燥させ
ているため、食感、食味が油っぽい上に、高カロリーで
ある。しかも、保存時に油分の変質、劣化によって食味
食感等の品質が低下するなど長期保存には適さないとい
う問題があった。一方、油揚げ処理による乾燥に代わっ
て熱風乾燥や凍結真空乾燥によるノンフライ乾燥即席麺
が提案されている。これらの即席麺は、油っぽさのない
サッパリとした食味、食感を有し、低カロリーであり、
保存性も改善されている。しかしながら、熱風乾燥を用
いるノンフライ乾燥即席麺は、α化した麺を高温の熱風
で乾燥させるため、麺線は固く締まり湯戻し時の復元性
が劣る。この欠点を補う方法として、麺線の表面や内層
を多孔質化させる工夫等がなされているが、この場合
は、麺線表面が粗くなり、滑らかさが失われるという問
題が生じる。このような食味食感の問題を解決するため
に、他の澱粉質を加えて改善する試みもあるが、得られ
る麺線は本来の食味食感が失われる等の問題が生じる。
一方、凍結真空乾燥を用いるノンフライ乾燥即席麺は、
茹でた後に凍結した麺線を真空乾燥して麺が常温保存可
能な状態まで水分含量を低下させるため、乾燥に長時間
を必要とし、生産性が悪く、製造コストが高いという欠
点がある上に、乾燥した麺線の内層がスポンジ状である
ため、湯戻りは良いが、湯戻し後の伸びが早くなり、し
かも麺線が白っぽく不自然な色になって外観上好ましく
ない。また、凍結真空乾燥に起因すると見られる特有の
臭いがある。このように、ノンフライ乾燥即席麺には、
その製造法だけでなく、即席麺自体についても改良が求
められている課題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、湯戻
しによって短時間で喫食可能な状態になること、湯戻し
したときのほぐれ性に優れていること、湯戻しして復元
された麺線が滑らかで、口当たりがよく、弾力性に富
み、食味食感がよいこと、喫食可能な状態からの茹で伸
びが遅いこと等の性質を有するノンフライ乾燥即席麺を
提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく検討を重ねた結果、麺塊(麺玉)の密度を
小さくし、麺塊の重量に対する麺塊の空隙体積を大きく
すれば良いことを見出すと共に、そのための製造法を確
立して本発明を完成するに到った。
【0005】請求項1記載の本発明は、麺塊の密度が
0.25g/cm3 以下で、麺塊重量に対する麺塊空隙
体積が2.0〜4.5cm3 /gであることを特徴とす
るノンフライ乾燥即席麺である。請求項2記載の本発明
は、湯戻しした麺線の断面中心部0.1mm2 当たりに
存在する10μm以上の澱粉粒が0〜60個である請求
項1記載のノンフライ乾燥即席麺である。請求項3記載
の本発明は、麺塊の澱粉の糊化度(ジアスターゼ法)が
97%以上である請求項1または2記載のノンフライ乾
燥即席麺である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のノンフライ乾燥即席麺
は、中華麺の他に、日本そば、うどん、そうめん、ひや
むぎ、スパゲッティ等を包含するものである。本発明の
ノンフライ乾燥即席麺は、乾燥した麺の塊(玉)および
麺線の状態に着目したもので、下記の性質を具備してい
ることによって特徴づけられる。麺塊の密度が0.25
g/cm3 以下である。麺塊の密度がこの値を越える
と、麺塊が密な状態となって麺線同士の付着も多くなる
ため、良好な復元性が得られず、湯戻ししたときの麺線
のほぐれ性も十分でない。なお、密度の下限について
は、0.15g/cm3 程度が適当であり、この値未満
であると、嵩高となって麺塊が壊れ易くなるなど麺塊の
商品価値が劣ったものとなる。ここでいう麺塊の密度と
は、麺塊の重さを麺塊の体積で除算して得た値であり、
5個の麺について得た測定値の平均値を用いる。以下に
記載の他の物理データも、同様に5個の麺について測定
を行い、測定値の平均値を用いたものである。麺塊の重
量は、麺塊を秤量して求めた。また、麺塊の体積は、3
次元イメージ計測器(3D Laser Scanner、(株)アステ
ックス社製)で測定した。測定条件は、レーザースリッ
トスキャンで分解能48分割/回転、二値化レベルは5
0に設定して実施した。
【0007】麺塊重量に対する麺塊空隙体積が2.0〜
4.5cm3 /gであり、より好ましくは2.5〜4.
5cm3 /gである。麺塊重量に対する麺塊空隙体積が
2.0cm3 /g未満であると、麺塊が密な状態とな
り、本発明の特徴を有する乾燥即席麺が得られない。一
方、上限値である4.5cm3 /gを越えると、嵩高に
なりすぎて麺塊が壊れ易くなり、好ましくない。麺塊空
隙の体積は、前述の3次元イメージ計測器(3D Laser S
canner、(株)アステックス社製)で測定した麺塊体積
から麺線の体積を引算して算出した値である。麺線の体
積は、パンの体積を測定する方法(菜種法)を応用して
実施した。すなわち、菜種の代わりにグラニュー糖(ス
プーン印GF、新三井製糖製)を用い、直径18.7c
m、高さ3.7cmの円柱状の容器に当該グラニュー糖
を充填し、約5cmの高さから30回タッピングした
後、容器の上部より溢れているグラニュー糖を物差しで
擦りきった。次いで、同一の容器に麺塊を1個置き、先
程容器に充填したグラニュー糖を当該容器に入れて約5
cmの高さから30回タッピングし、麺塊の空隙にグラ
ニュー糖が十分に入り込むようにした。次に、溢れてい
るグラニュー糖を物差しで擦りきり、溢れたグラニュー
糖をメスシリンダーに移し、約5cmの高さから30回
タッピングして体積値を読み取り、これを麺線の体積と
した。麺塊空隙の体積を麺塊重量で除算して得た値が麺
塊重量に対する麺塊空隙体積であり、麺線が粗であるか
密であるかの状態および麺線の麺塊に占める空間の程度
を表すパラメーターである。この値は、麺線が粗な状態
であれば小さく、密な状態であれば大きくなる。本発明
の麺塊密度が0.25g/cm3 以下で、かつ麺塊重量
に対する麺塊空隙体積が2.0〜4.5cm3 /gであ
るノンフライ乾燥即席麺は、麺塊空隙率(麺塊体積に占
める麺塊空隙体積の割合)が60%以上、好ましくは6
0〜85%を示す。
【0008】以上のことから、本発明のノンフライ乾燥
即席麺は、麺塊の体積が大きく、密度が小さい、さらに
麺塊に占める麺線の体積が少ないこと、換言すれば麺線
は密の状態で、麺塊は粗の状態にあることが特色として
挙げられる。これに対して、一般的な熱風乾燥によるノ
ンフライ乾燥即席麺は、麺塊が比較的密である。また、
凍結真空乾燥によるノンフライ乾燥即席麺は、麺線の内
層に空隙が多くスポンジ状の構造を有し、麺線が粗の状
態で、その分麺線は太いため、麺塊の密度が小さい割り
には麺塊の空隙が少ない状態である。本発明により、麺
塊の密度を小さく、麺塊重量に対する麺塊空隙体積を
2.0〜4.5cm3 /gとすることによって、麺線自
体は密の状態にあり、麺塊は空隙が多く形成されて粗の
状態にある製品が得られる。このように、本発明に係る
ノンフライ乾燥即席麺は、従来の製品と比較して特徴的
な性質を有している。
【0009】本発明のノンフライ乾燥即席麺は、上記し
た性質を有している他に、下記の性質を具備している。
ノンフライ乾燥即席麺を湯戻しした麺線の断面中心部
0.1mm2 当たりに存在する10μm以上の澱粉粒の
数が0〜60個、より好ましくは0〜40個である。こ
こで、湯戻しした麺線の断面中心部0.1mm2 当たり
に存在する10μm以上の澱粉粒の数の測定は、以下の
方法で行った。ノンフライ乾燥即席麺を90℃の湯に4
分間浸漬して、取り出した麺線を直ちに剃刀の刃で麺線
の長軸方向に対して直角に切断し、走査型電子顕微鏡
(日立S3000N)にて断面の中心部を撮影して、1
83×255μm(0.047mm2 )の観察エリアに
確認できる長径が10μm以上の澱粉粒の数を計測し
た。澱粉粒は、球形、赤血球形、円盤形などの形で観察
される。麺線5本の任意の2箇所ずつ計10箇所を計数
して、0.1mm2 当たりに換算した平均値を求めた。
【0010】麺塊の澱粉の糊化度(ジアスターゼ法)が
97%以上である。この値は、従来の製品に比べると高
い値である。ここで、ジアスターゼ法による澱粉の糊化
度(α化度)の測定は、「食品分析法」(日本食品工業
学会食品分析法編集委員会編纂、株式会社 光琳、昭和
57年10月20日発行)642〜645頁に記載され
た方法によって行った。また、本発明のノンフライ乾燥
即席麺は、水分含量が10〜15%である。なお、この
水分含量は、常圧加熱乾燥法により測定して得た値であ
る。
【0011】ここで、澱粉の糊化度と澱粉粒の形状につ
いて説明すると、澱粉のα化とは、喫食時に消化管の中
で消化され易い状態に変化させることであり、通常α化
には熱と水分が必要である。そのために、生麺線を蒸熱
したり、あるいは熱湯で茹でる必要がある。いずれの場
合も澱粉のα化は進むが、澱粉粒の形状は異なる。すな
わち、澱粉粒は、水分を吸収しながら次第に膨潤してα
化が進むが、この現象がさらに進行すると、澱粉粒は崩
壊する。蒸熱による場合は、蒸気に含まれる微量な水分
と麺線内部の水分のみしか澱粉に移行しないため、大部
分の澱粉粒は膨潤するが、崩壊するまでには至らない。
これに対して、熱湯で茹でる場合は、麺線の外部から水
分が移行し続けるため、大部分の澱粉粒は崩壊した状態
になる。この相違について検討したところ、麺を食した
ときの食味食感に影響することが明らかとなった。すな
わち、大部分の澱粉粒が残存している場合、澱粉粒が崩
壊した場合に比べて滑らかさや弾力性に劣り、食味にお
いても、粉っぽさを感じさせる。しかるに、大部分の澱
粉粒が崩壊している場合、生麺を茹で上げたときのよう
な麺本来の美味しさを保持している。そのため、熱湯を
注ぐだけで調理する乾燥即席麺においては、大部分の澱
粉粒が崩壊していると、食味や食感に優れていると言え
る。しかし、澱粉粒の崩壊が進みすぎると、澱粉は糊と
なってしまい、麺としての性質を失うことになる。この
ようにして、本発明者は麺塊の澱粉が殆ど完全にα化し
た状態で、かつ澱粉粒が殆ど崩壊している状態とを兼ね
備えることが好ましいことを見出した。
【0012】上記した特性を有する本発明のノンフライ
乾燥即席麺は、簡便な方法で、かつ比較的短時間で製造
でき、しかも製造に際して高温の熱風乾燥や凍結真空乾
燥などの高コストの原因となる工程を必要としないとい
う利点がある。製造方法を例示すると、準強力粉に少量
の食塩およびかんすい粉を加えた後、水を添加して混合
し、混捏したのち、圧延して所定厚さの麺帯を作成す
る。次いで、この麺帯を切り刃を用いて切断し、生麺を
得る。当該生麺を蒸し器で蒸熱した後、麺線を1食ずつ
カットしてから茹で機で茹でる。しかる後、冷水で水洗
いし枠詰めしたのち、乾燥機にて風を麺塊の下方から上
方に向けて送風して乾燥することによって、水分が約1
0〜15%の乾燥麺を得ることができる。
【0013】本発明に係るノンフライ乾燥即席麺は、湯
戻しによって短時間で喫食可能な状態になる。すなわ
ち、通常の90〜100℃、3〜5分間の湯戻しによっ
て喫食可能な状態に復元する。しかも、喫食可能な状態
からの茹で伸びが遅いという特色がある。さらに、本発
明のノンフライ乾燥即席麺は、湯戻ししたときのほぐれ
性に優れている上に、復元された麺線は滑らかで、口当
たりがよく、弾力に富んでいて食味食感が良好である。
【0014】
【実施例】以下に、本発明を実施例により説明するが、
本発明はこれらによって制限されるものではない。 実施例1 準強力粉4kgを100重量部とし、これに食塩1重量
部およびかんすい粉1重量部を加えた後、33重量部の
水を添加して混合し、混捏したのち、圧延して厚さ1.
2mmの麺帯を作成した。次いで、この麺帯を切り刃2
2番角を用いて切断し、生麺を得た。当該生麺をトンネ
ル型蒸し器により95〜100℃にて約3分間蒸熱した
後、麺線を1食ずつカットし、茹で機で沸騰水浴中にて
約2分30秒間茹でた。しかる後、冷水で水洗いし枠詰
めしたのち、乾燥機にて約30℃の風を毎秒約5メート
ルの速度で麺塊に対し下方より上方に向けて送って乾燥
し、約4時間後に水分約12%の乾燥麺を得た。この乾
燥麺について諸物性を測定した。結果を第1表に示す。
【0015】比較例1 実施例1と同様にして得た生麺をトンネル型蒸し器によ
り95〜100℃にて約3分間蒸熱した。次いで、麺線
を1食ずつカットし枠詰めした後、乾燥機にて85〜1
00℃の熱風を毎秒約3メートルの速度で麺塊に当てて
乾燥し、約50分後に水分約12%の乾燥麺を得た。こ
の乾燥麺について諸物性を測定した。結果を第1表に示
す。
【0016】比較例2 実施例1と同様にして得た生麺をトンネル型蒸し器によ
り95〜100℃にて約3分間蒸熱した。次いで、麺線
を1食ずつカットし、茹で機で約2分30秒間茹でた
後、冷水にて水洗いし枠詰めした後、−60℃にて急速
冷凍し、−20℃にて保管後、真空乾燥し、約24時間
後に水分約10%の乾燥麺を得た。この乾燥麺について
諸物性を測定した。結果を第1表に示す。
【0017】
【表1】第1表 *1:数値は5個のデータの平均±標準偏差
【0018】第1表から明らかなように、実施例1の乾
燥即席麺は、比較例1〜2の乾燥麺に比べて麺塊体積が
大きく、麺塊密度が小さいことが分かる。さらに、麺塊
重量に対する麺塊空隙体積も2.0cm3 /g以上であ
り、他の乾燥麺よりも格段に大きい値であることが分か
る。
【0019】試験例1 この例では、上記実施例および比較例で作成した乾燥即
席麺について、外観上の比較をするために、それぞれの
乾燥即席麺の上側表面並びに側面について視覚的に観察
して評価した。結果を図1〜3に示す。各図のAは、乾
燥即席麺の上側表面を、Bは側面を示している。図1が
実施例1の乾燥即席麺、図2が比較例1の試作品、図3
が比較例2の試作品である。図から明らかなように、実
施例1の乾燥即席麺は、密度の高い麺線が絡み合って形
成された麺塊には隙間が多く、しかも嵩高であることが
分かる。これに対して、比較例1の試作品は、麺塊の空
隙が少なく、密の状態にあり、嵩高さも不十分であるこ
とが分かる。また、比較例2の試作品は、麺塊の嵩はあ
るものの麺塊の空隙が少なくて、麺の色が白っぽく、外
観上も好ましくない。
【0020】試験例2 実施例1および比較例1、2で作成した乾燥即席麺の澱
粉糊化度を前記したジアスターゼ法により測定し、比較
した。その結果、実施例1の乾燥即席麺は98%であっ
たのに対し、比較例1の試作品は94%、比較例2の試
作品は98%であった。
【0021】試験例3 この例では、前記した方法によって、ノンフライ乾燥即
席麺を湯戻しした麺線の断面中心部における澱粉粒の数
を調べた。その結果、実施例1の乾燥即席麺は、0.1
mm2 当たりに換算した平均値が10個であった。これ
に対して、熱風乾燥法で得た乾燥即席麺(比較例1)は
平均値が127個、凍結真空乾燥法で得た乾燥即席麺
(比較例2)は平均値が18個であった。このことか
ら、本発明の乾燥即席麺における澱粉粒の存在割合は、
他の乾燥即席麺に比べて少なく、特に熱風乾燥法で得た
乾燥即席麺に比べて格段に少ないことが明らかである。
なお、図4〜6はいずれも、ノンフライ乾燥即席麺を湯
戻しした麺線断面の中心部の顕微鏡写真であり、図4は
実施例1の乾燥即席麺、図5は比較例1の乾燥即席麺、
図6は比較例2の乾燥即席麺の写真をそれぞれ示す。
【0022】試験例4 実施例1における茹で時間を表示したように変化させた
場合に得られたノンフライ乾燥即席麺について、麺塊の
澱粉のα化度および湯戻しした麺線の断面における澱粉
粒の数を調べた。それぞれの測定方法は、試験例2およ
び3に示した方法と同じである。また、食味食感の評価
(総合評価)を経験豊富なパネラー10名により実施
し、下記の4段階で評価し、平均値を求めて対応する下
記の記号で示した。結果を第2表に示す。 4:非常に良い、3:良い、2:悪い、1:非常に悪い 3.5以上:◎、2.5以上3.5未満:○、1.5以
上2.5未満:△、1.5未満:×
【0023】
【表2】第2表
【0024】試験例5 前記実施例1および比較例1〜2で得た各乾燥即席麺試
作品を65gずつ容器に入れて約95℃の熱湯450m
Lを注ぎ、蓋をして4分経過後に麺線の箸によるほぐれ
具合、湯戻り(復元性)、調理直後の食味食感(滑らか
さ、弾力、美味しさ)並びに調理10分後の食味食感
(滑らかさ、弾力、美味しさ)について評価し、さらに
総合的な評価を行った。これらの評価は、試験例4の方
法に従った。結果を第3表に示す。
【0025】
【表3】第3表 1):調理直後の食味食感、 2):調理10分後の食味食感
【0026】第3表に示したように、本発明の乾燥即席
麺である実施例1の試作品は、すべての評価項目におい
て非常に良いとの評価を得ており、比較例1〜2の試作
品よりも優れていることが明らかである。特に、調理1
0分後の食味食感が優れていることから、喫食可能な状
態からの茹で伸びが遅いことが分かる。
【0027】試験例6 実施例1における乾燥機の温度と風量を調整して、麺塊
の嵩が異なるノンフライ乾燥即席麺を製造し、麺塊密度
並びに麺塊重量に対する麺塊空隙体積を測定した。な
お、これらの測定条件は前記した通りである。また、食
味食感(総合評価)を試験例4の方法に従って評価し
た。結果を第4表に示す。
【0028】
【表4】第4表 *:食味食感は良いが、麺塊の嵩が大きくなり過ぎて壊
れ易い。
【0029】第4表の結果によれば、麺塊の密度が0.
25g/cm3 以下であり、かつ麺塊重量に対する麺塊
空隙体積が2.0〜4.5cm3 /gである場合にの
み、食味食感に優れ、しかも麺塊の嵩が大き過ぎず、壊
れにくいノンフライ乾燥即席麺となることが分かる。
【0030】
【発明の効果】本発明により、湯戻しによって短時間で
喫食可能な状態になること、湯戻ししたときのほぐれ性
に優れていること、湯戻しして復元された麺線が滑らか
で、口当たりがよく、弾力性に富み、食味食感がよいこ
と、喫食可能な状態からの茹で伸びが遅いこと等の優れ
た性質を有するノンフライ乾燥即席麺が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の乾燥即席麺の外観を示す写真(図
面代用写真)であり、Aは上側表面を、Bは側面を示
す。
【図2】 比較例1の乾燥即席麺の外観を示す写真(図
面代用写真)であり、Aは上側表面を、Bは側面を示
す。
【図3】 比較例2の乾燥即席麺の外観を示す写真(図
面代用写真)であり、Aは上側表面を、Bは側面を示
す。
【図4】 実施例1の乾燥即席麺を湯戻しした麺線の断
面中心部の顕微鏡写真(図面代用写真)である。
【図5】 比較例1の乾燥即席麺を湯戻しした麺線の断
面中心部の顕微鏡写真(図面代用写真)である。
【図6】 比較例2の乾燥即席麺を湯戻しした麺線の断
面中心部の顕微鏡写真(図面代用写真)である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 麺塊の密度が0.25g/cm3 以下
    で、麺塊重量に対する麺塊空隙体積が2.0〜4.5c
    3 /gであることを特徴とするノンフライ乾燥即席
    麺。
  2. 【請求項2】 湯戻しした麺線の断面中心部0.1mm
    2 当たりに存在する10μm以上の澱粉粒が0〜60個
    である請求項1記載のノンフライ乾燥即席麺。
  3. 【請求項3】 麺塊の澱粉の糊化度(ジアスターゼ法)
    が97%以上である請求項1または2記載のノンフライ
    乾燥即席麺。
JP2002257290A 2001-09-05 2002-09-03 ノンフライ乾燥即席麺 Pending JP2003153661A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002257290A JP2003153661A (ja) 2001-09-05 2002-09-03 ノンフライ乾燥即席麺

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-268940 2001-09-05
JP2001268940 2001-09-05
JP2002257290A JP2003153661A (ja) 2001-09-05 2002-09-03 ノンフライ乾燥即席麺

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003153661A true JP2003153661A (ja) 2003-05-27
JP2003153661A5 JP2003153661A5 (ja) 2005-04-07

Family

ID=26621704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002257290A Pending JP2003153661A (ja) 2001-09-05 2002-09-03 ノンフライ乾燥即席麺

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003153661A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013145626A1 (ja) 2012-03-30 2013-10-03 日清食品ホールディングス株式会社 即席麺の乾燥方法及び乾燥装置
WO2013145625A1 (ja) 2012-03-30 2013-10-03 日清食品ホールディングス株式会社 即席麺の乾燥方法及び乾燥装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013145626A1 (ja) 2012-03-30 2013-10-03 日清食品ホールディングス株式会社 即席麺の乾燥方法及び乾燥装置
WO2013145625A1 (ja) 2012-03-30 2013-10-03 日清食品ホールディングス株式会社 即席麺の乾燥方法及び乾燥装置
US10605524B2 (en) 2012-03-30 2020-03-31 Nissin Foods Holdings Co., Ltd. Method and device for drying instant noodles
US10823501B2 (en) 2012-03-30 2020-11-03 Nissin Foods Holdings Co., Ltd. Drying method and drying device of instant noodles

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI532439B (zh) The method of making instant noodles and instant noodles
JP4772160B1 (ja) 即席乾燥麺およびその製造方法
JP4693913B2 (ja) 即席乾燥麺およびその製造方法
EP3199034B1 (en) Method for producing a rice-based instant food product
WO2006049267A1 (ja) 即席麺およびその製造方法
JP2011030501A (ja) 即席麺の製造方法
EP2832230B1 (en) Method and device for drying instant noodles
JP5998293B2 (ja) タガトースを含有する餅組成物、それを用いた餅およびその製造方法
EP2832231B1 (en) Drying method and drying device of instant noodles
JP3645238B2 (ja) ノンフライ乾燥即席麺及びノンフライ乾燥即席麺の製造方法
JP2003153661A (ja) ノンフライ乾燥即席麺
JP7080653B2 (ja) 湯戻し用油揚げ即席麺の製造方法
JP2010104244A (ja) 和風スナック用ミックス粉及び和風スナック
JP7244826B2 (ja) 冷凍麺
JP3924684B2 (ja) 即席麺類の製造方法
JP6100450B2 (ja) 即席麺の製造方法
JP2012110353A (ja) 即席麺およびその製造方法
JP5190148B2 (ja) 即席麺およびその製造方法
WO2003022074A1 (fr) Nouilles instantanees seches non frites
JP5719064B1 (ja) こんにゃく含有麺およびその製造方法
JP7161075B1 (ja) ノンフライ麺の製造方法
JP5236041B2 (ja) 即席乾燥麺およびその製造方法
JP4801119B2 (ja) 春雨とその製造方法とカップ容器入り春雨
JP2680522B2 (ja) 短時間調理パスタ
JP2005110562A (ja) 低温乾燥即席麺類の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040405

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040406

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040426

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050704

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050901

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051021

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060203