JP2003152402A - 積層型誘電体フィルタ - Google Patents

積層型誘電体フィルタ

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JP2003152402A
JP2003152402A JP2001352824A JP2001352824A JP2003152402A JP 2003152402 A JP2003152402 A JP 2003152402A JP 2001352824 A JP2001352824 A JP 2001352824A JP 2001352824 A JP2001352824 A JP 2001352824A JP 2003152402 A JP2003152402 A JP 2003152402A
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lines
electrodes
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一希 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結合電極の結合力を向上させて、積層型誘電
体フィルタを小型でかつ通過帯域幅を広くすることにあ
る。 【解決手段】 積層体1に形成されるストリップライン
共振器は、一端がアース電位の短絡端と他端が開放端と
なる第1伝送線路3と、第1伝送線路3が形成された誘
電体層間とは異なる誘電体層間で第1伝送線路3と対向
するように形成した第2伝送線路4と、第1伝送線路3
の開放端寄りの一部と第2伝送線路4の一部とを接続し
てなるビアホール導体6と、互いに隣り合うストリップ
ラインの第1伝送線路3に対向する結合電極9とからな
り、結合電極9は、中央側のストリップライン9に、第
1伝送線路3と第2伝送線路4との間でビアホール導体
6を挟むように第1伝送線路3の短落端寄りの領域と開
放端寄りの領域に配した結合電極7a、7bとなる事を
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に高周波用電子
部品として使用される積層型誘電体フィルタに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波を利用した携帯電話などの機
器には、小型で高機能性を持つなどの理由で積層型誘電
体フィルタが多用されてきた。
【0003】図4はかかる積層型誘電体フィルタの分解
斜視図であり、図5は断面図である。積層型誘電体フィ
ルタ58は、図に示すように複数の誘電体層51a〜5
1eを積層した積層体51からなっている。積層体51
の両主面にアース電極52a、52cを形成し、積層体
51の端面に、アース電極52a、52c同士を接続す
る接続電極52bが形成されている。
【0004】また、積層体51の内部には複数のストリ
ップライン59a〜59cが一方側は接続電極52bに
短絡し他方側は開放している。ストリップライン59a
〜59cは誘電体層51a〜51e間に第1伝送線路5
3a〜53cと第2伝送線路54a〜54c及びそれら
を連結するビアホール導体56a〜56cより構成され
る。そして、隣接するストリップライン59a〜59c
を静電結合する結合電極57と、ストリップライン59
a〜59cと静電結合し積層体51の外部に引出される
入出力電極55が形成されている。
【0005】結合電極57は第1伝送線路53a〜53
cの下側の誘電体層51d間で静電結合する第1結合電
極57aと、第1伝送線路53a〜53cの上側の誘電
体層51c間で静電結合する第2結合電極57bを有し
ている。結合電極57a、57bは少なくとも互いに隣
り合う一対のストリップラインの第1伝送線路53a〜
53c同士が各々誘電体層を介して対向している。
【0006】また、入出力電極55は第1伝送線路53
a〜53cの下側の誘電体層51d間で静電結合する第
1入出力電極55bと、第1伝送線路53a〜53cの
上側の誘電体層51c間で静電結合する第2入出力電極
55aを有している。
【0007】このような積層体51中に形成したストリ
ップライン59a〜59cの各々はノッチフィルタであ
るが、このストリップライン59a〜59cを複数組合
せた構造にすることによって所望の通過域を持つ特性が
得られる。また、結合電極57a、57bが形成されて
いるのは、並べただけでは充分に得られないストリップ
ライン間の静電容量を強めるのが目的である。この結合
電極57a、57bは通過域の外側に減衰極をつくり、
フィルタの肩をより急峻にする役割を果たす。
【0008】このような積層型誘電体フィルタを例えば
携帯端末に用いる場合、例えばCDMA規格のように、
受信側のフィルタが送信側のフィルタに比べて高周波側
に形成されるので、受信側のフィルタは互いに混信しな
いためにも通過帯域の低周波側に減衰極を形成する必要
がある。例えば、CDMA規格の場合、受信側のフィル
タを容量性のフィルタに設計した場合、減衰極が通過域
の低周波側につくられるので、通過域を広くするために
は、静電結合を強くし、減衰極をさらに低周波側に動か
す必要がある。
【0009】ここで、入出力電極55a、55bと結合
電極57a、57bはすべてストリップラインの開放端
側に配置している。その理由は静電結合を得るための電
解強度が開放端側で強くなるためである。そこで、静電
結合力を強くするための手段として、入出力電極55
a、55bと結合電極57a、57cの配置関係を、例
えば、特許第3115149に記載されているように開
放端側の上下にかつ交互に配置する構造が一般的にとら
れていた。
【0010】一方、積層型誘電体フィルタは更なる小型
化のためにストリップライン長を短縮した設計が必要で
ある。その一例として、高誘電率セラミック材が採用さ
れているが、近年、ストリップラインの構造についても
考慮されている。特には、図4、図5に示すようにスト
リップライン59の開放端側の先端に第2伝送線路54
a〜54cを形成することで小型化をしている。即ち、
上述のように第1伝送線路53a〜53cの開放端側に
第2伝送線路54a〜54cが形成され、その第2伝送
線路54a〜54cと第1伝送線路53a〜53cはビ
アホール導体56a〜56cによって接続されている。
これはストリップライン59の電解強度は開放端側のほ
うが強いことを利用することによって、静電結合を強く
しているものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、結合電
極57a〜57b、入出力電極55a〜55bをストリ
ップライン53a〜53cの開放端側の上下にかつ交互
に配置する構造では、結合電極57a〜57b、入出力
電極55a〜55bを形成する誘電体層間が2面必要に
なるので、その分製造工程が多くなり、ひいてはコスト
アップにつながるという問題があった。
【0012】そこで、図6、図7に示すように積層体7
1の同一面内に結合電極77a〜77b及び入出力電極
75a、75bを配置することが考えられる。この構造
では、第1伝送線路73a〜73cと第2伝送線路74
a〜74c間の任意の層間における同一面内に結合電極
77a〜77b、入出力電極75a〜75bを形成して
いる。
【0013】ところが、このような構造においては、短
絡端側は電界強度が小さくなるので、より大きな静電結
合を得るためには入出力電極75b結合電極77aの幅
を広く取らなければならない。そして、特に、フィルタ
の帯域幅が広く求められる場合、電極75b及び77a
の幅を広げて設計するのにも限界が発生してしまうが広
げて形成しない場合には帯域幅が広く形成できない場合
がある。
【0014】本発明は上述の課題に鑑みて案出されたも
のであり、本発明の目的は、ストリップライン長が短縮
されて小型をはかり、かつ、製造工程を増やすことな
く、通過帯域幅が広帯域な周波数特性をそなえた積層型
誘電体フィルタを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の積層型誘電体フィルタは、複数の誘電体層を
積層した積層体と、該積層体の主面に形成したアース電
極と、前記積層体の誘電体層間に形成された、一端がア
ース電位の短絡端と他端が開放端となる第1伝送線路
と、該第1伝送線路が形成された誘電体層間とは異なる
誘電体層間で前記第1伝送線路と対向するように形成さ
れた第2伝送線路と、前記第1伝送線路の開放端寄りの
一部と第2伝送線路の一部とを接続するビアホール導体
とから成る各々が併設された少なくとも3本のストリッ
プラインと、互いに隣り合うストリップラインの第1伝
送線路に誘電体層を介して対向する結合電極とから成
り、前記結合電極は、少なくとも3本のストリップライ
ンのうち、中央側のストリップラインは、前記第1伝送
線路と第2伝送線路との間で前記ビアホール導体を挟む
ように第1伝送線路の短絡端寄りの領域に配された第1
の結合電極と、前記第1伝送線路と第2伝送線路との間
で前記ビアホール導体を挟むように第1伝送線路の開放
端寄りの領域に配された第2の結合電極から成ることを
特徴とする積層型誘電体フィルタを提供する。
【0016】また、少なくとも3本のストリップライン
のうち、両端側のストリップラインは、前記第1伝送線
路と第2伝送線路との間に入出力電極を誘電体層を介し
て対向して配しており、かつ、前記入出力電極と結合電
極とが前記ビアホール導体を挟むように第1伝送線路の
短絡端寄りの領域と開放端寄りの領域とに各々配されて
いる積層型誘電体フィルタを提供する。
【0017】
【作用】本発明の構成によれば、中央側のストリップラ
インには、第1分布定数線路と第2分布定数線路との間
でビアホール導体を挟むように第1分布定数線路の短絡
端寄りの領域と開放端寄りの領域に第1、第2結合電極
を各々配置している。
【0018】ここで、第1分布定数線路の開放端寄りに
接続されたビアホール導体の周囲は電流密度が高くなり
電界強度が最も高いところである。このビアホール導体
を挟んで、第1、2結合電極がその開放端寄りの領域と
短絡端寄りの領域の両側に各々配設することで、第1、
第2結合電極の各々に充分な静電結合の結合力を得させ
ることができ、このように結合電極に充分な結合力を付
与することができると、複数のストリップラインで構成
するフィルタの帯域幅が大きくなり、広帯域のフィルタ
を得ることが可能となる。
【0019】更に、誘電体層の積層方向の一方側に充分
な結合力のある2つの結合電極を形成することができる
ので、積層数を少なくし、積層型誘電体共振器の小型設
計が可能になる。
【0020】また、両端側に形成されたストリップライ
ンに誘電体層を介して対向する入力電極及び出力電極が
ビアホール導体を挟むように第1伝送線路の短絡端寄り
の領域と開放端寄りの領域に各々配置することにより、
入力電極とフィルタ、フィルタと出力電極の各々の静電
結合力を強くでき、静電結合力が強化されると入力と出
力のインピーダンスを低くすることができる。これによ
り、他の回路との整合を取るためのインピーダンスの調
整範囲が広くなるとともに、入力と出力のインピーダン
スはストリップラインの設計によっても変わってくるの
で、ひいてはストリップラインの設計の自由度が高める
ことができる。
【0021】更に、両端側のストリップラインは、前記
第1伝送線路と第2伝送線路との間に入出力電極を誘電
体層を介して対向し、また、入出力電極と結合電極とが
前記ビアホール導体を挟むように第1伝送線路の短絡端
寄りの領域と開放端寄りの領域とに各々配されている。
これにより、ビアホール導体を中心に平面視、第1、第
2結合電極、入出力電極の4つの電極がむだな領域を発
生させずに効率的に配置することができるので、コンパ
クトに設計しながら互いの電極に十分な結合力が得るこ
とができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の積層型誘電体フィルタの分解斜視図であ
り、図2は中央断面図であり、図1において、8は本発
明の積層型誘電体フィルタである。積層型誘電体フィル
タ8は誘電体磁器からなる積層体1の両主面にアース電
位となるアース電極2が、積層体1内部にはストリップ
ライン9、入出力電極5及び結合電極7が各々形成され
ている。
【0023】積層体1を構成する誘電体磁器について
は、図に示すように誘電体層1a〜1dが厚み方向に積
層されてなり、材質として誘電体セラミック材料と低温
焼成を可能とする焼結助剤や低融点ガラス材料とから構
成されている。具体的には、誘電体セラミック材料とし
ては、例えば、BaO−TiO2系、Ca−TiO2系、
MgO−TiO2系等があり、前出の材料を使用すれ
ば、誘電率が高いことにより、少ない面積でも充分な静
電容量が得られるので、ストリップライン長を短縮で
き、小型化に貢献できる。また、Q値が高く、周波数に
対する特性が顕著になる。焼結助剤としては、例えば、
BiVO4、CuO、Li2O、B23等がある。誘電体
層の1層厚みは50〜300μm程度を有している。
【0024】アース電極2については、まず、積層体1
の一方主面にはアース電極2aが、積層体1の他方主面
にはアース電極2cが形成されている。そして、アース
電極2aと接続電極2bは積層体1の接続電極2cによ
って互いに接続されている。アース電極2の材料として
は、焼成前には導電体ペーストが用いられる。この導電
性ペーストは導体材料とビヒクルからなり、導体材料に
は特に導体抵抗値の低い材料が適しており、例えば、A
gやCuを主成分とする導体材料が望ましい。
【0025】なお、このアース電極2表面を酸化などの
腐食から保護するため、アース電極2の表面にメッキ処
理を施すことが望ましい。メッキ材料にはAuが一般的
であるが、Ni等の中間メッキ層を形成してもよい。
【0026】ストリップライン9は積層体1の同一誘電
体層間にアース電極2a、2bに対向し、かつ、互いに
3本が並んで形成されている。本発明では3本で構成し
たが、これに限定されることなく3本以上形成しても良
い。このストリップライン9は、まず、誘電体層1cと
誘電体層1dの層間に第1伝送線路3a〜3cがアース
電極2a、2cと対向して形成され一方端側は接続電極
2bと短絡している。また、誘電体層1aと誘電体層1
bの層間に第2伝送線路4a〜4cがアース電極2a、
2cと対向して形成され、第1伝送線路3a〜3cの開
放端寄りの一部と第2伝送線路4a〜4cの一部はビア
ホール導体6a〜6cにより接合され、各々共振器を構
成している。即ち、ストリップライン9は第1伝送線路
3a〜3c、第2伝送線路4a〜4cと対向した、アー
ス電極2a、2bとの間で容量成分及び誘導成分が形成
され、λ/4の共振器が形成されている。
【0027】ストリップライン9の材料としては、アー
ス電極2と同じ材料が使用できる。このようなストリッ
プライン9を配し、次に述べる結合電極によりフィルタ
の特性を得ることができる。
【0028】結合電極7は、3本のストリップライン9
の少なくとも互いに隣り合う一対のストリップライン9
の第1伝送線路3a、3b同士が各々誘電体層1cを介
して対向した第1結合電極7aと、第1伝送線路3b、
3c同士が各々誘電体層1cを介して対向した第2結合
電極7bが同一の誘電体層1b、1c間に形成されてい
る。また、中央側のストリップライン9(3b、6b、
4b)は、積層体1の厚み方向で第1伝送線路3bが形
成された誘電体層1c、1dと第2伝送線路4bが形成
された誘電体層1a、1b間でビアホール導体6bを挟
むように第1伝送線路3bの短絡端寄りの領域xと開放
端寄りの領域yに第1、第2結合電極7a、7bが各々
配置している。
【0029】特に、第1結合電極7aと第2結合電極7
bはビアホール導体6a〜6cに接近して配すると良
い。また、本発明では同一誘電体層間に第1、第2結合
電極7a、7bを形成したがこれに限定されず第1伝送
線路3a〜3cと第2伝送線路4a〜4cとが各々形成
されている誘電体層間であればどの領域でも構わない。
この場合にでもビアホール導体6a〜6cに接近して形
成するのが好ましい。
【0030】入出力電極5は、ストリップライン9の一
端側に形成したストリップライン9の第1伝送線路3a
に誘電体層1cを介して対向した入力電極5aと、第1
伝送線路3cが誘電体層1cを介して対向した出力電極
5bが同一の誘電体層1b、1c間に形成されている。
また、入力電極5a、出力電極5bは積層体1の厚み方
向で第1伝送線路3a〜3cが形成された誘電体層1
c、1dと第2伝送線路4a〜4cが形成された誘電体
層1a、1b間でビアホール導体6a〜6cを挟むよう
に第1伝送線路3a〜3cの短絡端寄りの領域xと開放
端寄りの領域yに各々配置されている。更に、入力電極
5a、出力電極5bは上述の結合電極7と同様にビアホ
ール導体6a〜6cに接近して配すると良い。また、本
発明では同一誘電体層間に入出力電極5を形成したがこ
れに限定されず第1伝送線路3a〜3cと第2伝送線路
4a〜4cとが各々形成されている誘電体層間であれば
どの領域でも構わない。この場合にでもビアホール導体
6a〜6cに接近して形成するのが好ましい。
【0031】従って、図1に示すように入力電極5aと
第1結合電極7aとがビアホール導体6a、6bを介し
て対向し、また、出力電極5bと第2結合電極7bとが
ビアホール導体6b、6cを介して対向しているのが好
ましい。この配置については入出力電極5が入れ替わっ
ても良く、第1、第2結合電極7a、7bが入れ替わっ
ても良い。
【0032】本発明の積層型誘電体フィルタ8は次のよ
うな工程で製造される。誘電体材料と樹脂材料からなる
セラミックグリーンシートに導電性ペーストを用いてア
ース電極2a、2cを形成したもの、第1伝送線路3a
〜3cを形成したもの、第2伝送線路4a〜4cとビア
ホール導体6a〜6cを形成したもの、結合電極7a、
7b、入出力電極5a、5bとビアホール導体6a〜6
cを形成したものを各々、図1の配置で積層して、誘電
体層と内部導体とを一括同時焼成し、積層体1が得られ
る。
【0033】焼成した積層体1の側面には、接続電極2
bを形成し、各々両主面に形成したアース電極2a及び
2cと接続させて積層型誘電体フィルタが完成する。
【0034】かくして本発明の構成によれば、結合電極
7a、7b及び入出力電極5a、5bは電界強度が高い
位置に配置している。即ち、結合電極7a、7b及び入
出力電極5a、5bは第1伝送線路3の開放端寄りの領
域に配設している。これにより、ストリップライン共振
器の開放端寄りは静電結合が支配的であるために、その
位置に結合電極7a、7b及び入出力電極5a、5bを
配設することで、結合電極7a、7b及び入出力電極5
a、5bに充分な結合力を付与することができる。
【0035】そして、第1伝送線路3の開放端寄りの領
域に形成されたビアホール導体6の外周がストリップラ
イン9で構成する共振器の電界強度の最大を示す位置と
なっていることがわかっている。従って、一対のストリ
ップライン9と静電結合する二つの結合電極7は、各々
ビアホール導体6を挟むように第1伝送線路3の開放端
寄りの領域と短絡端寄りの領域に各々結合電極7a、7
b及び入出力電極5a、5bを分けて配置している。こ
れにより、個々の結合電極7a、7b及び入出力電極5
a、5bに充分な静電結合の結合力を得させることがで
きる。
【0036】このようにストリップライン9で構成する
共振器間の結合力を強めると、図3に示すように従来の
積層型誘電体フィルタに比べて通過帯域の広いフィルタ
を得ることが可能となることがわかる。ここで、図3に
記載の従来の積層型誘電体フィルタは図4、図5に示す
ようにストリップライン59の開放端側の先端に第2伝
送線路54a〜54cを形成した構成であり、本発明、
従来とも互いに容量性のフィルタを形成した場合の周波
数特性を示すものである。ここで容量性のフィルタと
は、共振器間の結合において電磁結合よりも静電結合の
ほうが強いフィルタのことであり、通過帯域の低周波側
に減衰極を持つ。
【0037】なお、本発明では3本のストリップライン
9で構成したが、これに限定されず、3本上でも構わな
い。その場合に、本発明の結合電極7が形成される中央
側のストリップライン9とは両端のストリップライン9
を除く全てのストリップライン9のそれぞれを指すもの
とする。
【0038】また、両端側に形成されたストリップライ
ン9に誘電体層を介して対向する入力電極5a及び出力
電極5bがビアホール導体6を挟むように第1伝送線路
3の短絡端寄りの領域と開放端寄りの領域に各々配置す
ることでより、入力電極とフィルタ、フィルタと出力電
極の各々の静電結合力を強くできる。そして、静電結合
力が強化されることにより、入力と出力のインピーダン
スを低くすることができる。
【0039】更に、入力電極5a又は出力電極5bの何
れかと第1結合電極7aとがビアホール導体6を介して
対向し、また、入力電極5a又は出力電極5bの何れか
と第2結合電極7bとがビアホール導体6を介して対向
しているので、ビアホール導体6を中心に平面視、第
1、第2結合電極7、入出力電極5の4つの電極がむだ
な領域を発生させずに効率的に配置することができるの
で、コンパクトに設計しながら互いの電極に十分な結合
力が得ることができる。
【0040】また、結合電極7a、7b及び入出力電極
5a、5bを同一の誘電体層間に形成することにより、
小型化や製造コストが大幅に低減させることが可能とな
る。
【0041】更に、静電容量が大きくなるように第1伝
送線路3と結合電極7a、7b及び入出力電極5a、5
bとが、また、第2伝送線路4と結合電極7a、7b及
び入出力電極5a、5bとが、誘電体層1a〜1dの積
層方向において、重なる面積が大きくなるように配置す
ることが望ましい。このような配置において、ストリッ
プライン9と結合電極7a、7b及び入出力電極5a、
5bの間の静電結合をより強くすることができる。
【0042】更に、結合電極7a、7b及び入出力電極
5a、5bは誘電体層1a〜1dの積層方向において、
各々の結合電極7a、7b及び入出力電極5a、5bの
幅方向の全領域が第1伝送線路3と第2伝送線路4の間
に配置されていることが望ましい。この構造により、結
合電極7a、7b及び入出力電極5a、5bがストリッ
プライン9の開放端から飛び出すことなくストリップラ
イン9の開放側と対向する積層体1の端面(接続電極が
形成された面)との距離を極小化することができ、さら
なる小型の積層型誘電体フィルタを提供できる。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明の積層型誘電体フィ
ルタによれば、中央側のストリップラインがビアホール
導体を挟んで、その開放端寄りの領域と短絡端寄りの領
域の両側に第1、2結合電極が各々配設することで、第
1、第2結合電極の各々に充分な静電結合の結合力を得
させることができ、このように結合電極に充分な結合力
を付与することができると、各ストリップラインで構成
する共振器の共振周波数付近の帯域幅が大きくなり、こ
のようなストリップラインを3本形成して容量性フィル
タを構成した場合には、広帯域のフィルタを得ることが
可能となる。
【0044】また、結合電極及び入出力電極は誘電体層
間の同一面内に形成することができるので、積層数を増
やさなくてよいので、小型設計が可能となり、工程数を
増やすことがないという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型誘電体フィルタの分解斜視図で
ある。
【図2】本発明の積層型誘電体フィルタの断面図であ
る。
【図3】本発明のストリップラインにおけるビアホール
導体の配置と特性の関係を説明する図である。
【図4】従来技術での積層型誘電体フィルタの実施例の
分解斜視図である。
【図5】従来技術での積層型誘電体フィルタの実施例の
断面図である。
【図6】従来技術での積層型誘電体フィルタの他の分解
斜視図である。
【図7】従来技術での積層型誘電体フィルタの他の断面
図である。
【符号の説明】
1:積層体 1a〜1d: 誘電体層 2a〜2c:アース電極 3a〜3c:第1伝送線路 4a〜4c:第2伝送線路 5a、5b:入出力電極 6a〜6c:ビアホール導体 7a、7c:結合電極 8:積層型誘電体フィルタ 9a〜9c:ストリップライン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体層を積層した積層体と、 該積層体の主面に形成したアース電極と、 前記積層体の誘電体層間に形成された、一端がアース電
    位の短絡端と他端が開放端となる第1伝送線路と、該第
    1伝送線路が形成された誘電体層間とは異なる誘電体層
    間で前記第1伝送線路と対向するように形成された第2
    伝送線路と、前記第1伝送線路の開放端寄りの一部と第
    2伝送線路の一部とを接続するビアホール導体とから成
    る各々が併設された少なくとも3本のストリップライン
    と、 互いに隣り合うストリップラインの第1伝送線路に誘電
    体層を介して対向する結合電極とから成り、 前記結合電極は、少なくとも3本のストリップラインの
    うち、中央側のストリップラインは、前記第1伝送線路
    と第2伝送線路との間で前記ビアホール導体を挟むよう
    に第1伝送線路の短絡端寄りの領域に配された第1の結
    合電極と、前記第1伝送線路と第2伝送線路との間で前
    記ビアホール導体を挟むように第1伝送線路の開放端寄
    りの領域に配された第2の結合電極から成ることを特徴
    とする積層型誘電体フィルタ。
  2. 【請求項2】 少なくとも3本のストリップラインのう
    ち、両端側のストリップラインは、前記第1伝送線路と
    第2伝送線路との間に入出力電極を誘電体層を介して対
    向して配しており、かつ、前記入出力電極と結合電極と
    が前記ビアホール導体を挟むように第1伝送線路の短絡
    端寄りの領域と開放端寄りの領域とに各々配されている
    ことを特徴とする請求項1記載の積層型誘電体フィル
    タ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007158920A (ja) * 2005-12-07 2007-06-21 Ube Ind Ltd 積層型誘電体共振器及び積層型誘電体フィルタ

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