JP2003151636A - 非水電解液二次電池 - Google Patents
非水電解液二次電池Info
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Abstract
極を用いた非水電解液二次電池であって、高温保存時の
特性劣化が少ない二次電池を提供する。 【解決手段】 正極22と負極23と非水電解液とを含
み、正極22が、リチウムを含有する複合酸化物を活物
質として含み、負極23が、Liの可逆的な吸蔵および
放出が可能でありLiの吸蔵量によって電位が変化する
物質を活物質として含む。そして、負極23のうち活物
質が塗布されている部分であって且つ正極22と対向し
ていない部分の面積A(cm2)と、負極23のうち活
物質が塗布されている部分の面積B(cm2)とが、
0.003≦A/B≦0.05を満たす。
Description
池に関する。
に進んでおり、その電源としての電池に対しても小型
化、軽量化および高容量化の要望が高まっている。この
要望に応えるため、エネルギー密度が高いリチウム二次
電池の研究開発が進められている。リチウム二次電池に
おいて、金属リチウムを負極活物質として用いる電池系
については、充電によってリチウムが樹枝状に析出する
ことによる内部短絡の発生や、合金が微細化することに
よるサイクル特性の劣化など、実用化には多くの問題が
残されている。
用い、正極活物質としてLiCoO 2やLiMn2O4と
いったリチウム含有遷移金属酸化物を用いたリチウム二
次電池が既に実用化されている。この電池系は、充電の
際に負極上へのリチウム析出が生じないため、サイクル
特性が改善されており、現在、実用化されているリチウ
ム二次電池の主流となっている。
気自動車や電力貯蔵用の電源として用いるために、大容
量化および高エネルギー密度化の研究が盛んに行われて
いる。しかし、電気自動車への展開を考えた場合、その
他の用途に用いる電池よりも高い長期耐久性が求められ
ており、高温保存時の特性劣化については改善の余地が
ある。また、より安全であること、より安価であること
も求められている。LiMn2O4は、原材料が安価で過
充電時における安全性が極めて高いため、将来性を考え
ると正極活物質の材料として最も魅力のある材料であ
る。しかし、LiMn2O4を正極活物質に用いた場合、
容量が小さく高温保存時の特性劣化が激しいという課題
がある。
に対向している負極との間でLiが移動することで起こ
る。しかし、負極のうち活物質が塗布されており且つ正
極と対向している部分(以下、正極対向部という場合が
ある)と、負極のうち活物質が塗布されており且つ正極
とは対向していない部分(以下、正極未対向部という場
合がある)との間に生じる電位差のため、時間とともに
負極の正極未対向部にもLiが徐々に拡散していく。こ
の拡散したLiは充放電に関与できず不可逆容量とな
り、充放電効率が低下する原因の一つとなる。特に、容
量の小さいLiMn2O4正極を使用した場合には、充放
電効率の低下が顕著に現れる。
高温保存時の特性劣化は、正極活物質から溶解したMn
が、電解液および黒鉛層間から引き抜かれたLiと負極
上で反応することによって被膜を形成し、この被膜に取
り込まれたLiが充放電に関与できなくなるために起こ
る。そして、負極の正極未対向部に拡散したLiも、正
極対向部と同様に、黒鉛層間から引き抜かれたLiが被
膜に取り込まれることによって充放電に関与できなくな
ってしまう。一方、LiCoO2やLiNiO2などを正
極に用いた場合には、Mnを含まないために、大量のL
iを取り込んでしまう被膜が生じない。このため、正極
活物質にLiCoO2やLiNiO2を用いた場合と比較
して、正極活物質にLiMn2O4を用いた場合には、負
極の正極未対向部で起こる容量低下は非常に大きく、高
温保存時における特性劣化が激しい原因の一つとなって
いる。
解液とを用いた直径17mm、高さ50mmの従来の円
筒形電池においては、(正極未対向部の面積)/(負極
のうち活物質が塗布されている部分の面積)の値は、1
5%(0.15)以上であった。この場合、60℃で2
0日間電池を保存することによって生じる容量低下の5
0%以上は、Liが、負極の正極未対向部に拡散して被
膜に取り込まれ、充放電に関与できなくなったことが原
因であった。
ムを含む複合酸化物を活物質とする正極を用いた非水電
解液二次電池であって、高温保存時の特性劣化が少ない
二次電池を提供することを目的とする。
に、本発明の非水電解液二次電池は、正極と負極と非水
電解液とを含む非水電解液二次電池であって、前記正極
が、リチウムを含有する複合酸化物を正極活物質として
含み、前記負極が、Liの可逆的な吸蔵および放出が可
能でありLiの吸蔵量によって電位が変化する物質を負
極活物質として含み、前記負極のうち前記負極活物質が
塗布されている部分であって且つ前記正極と対向してい
ない部分の面積A(cm2)と、前記負極のうち前記負
極活物質が塗布されている部分の面積B(cm2)と
が、0.003≦A/B≦0.05を満たすことを特徴
とする。この二次電池では、面積AおよびBがA/B≦
0.05を満たすため、初期の不可逆容量を減少できる
とともに、高温保存時における容量低下を抑制できる。
また、この二次電池では、面積AおよびBが0.003
≦A/Bを満たすため安全性が高い電池が得られる。
Mn2O4であってもよい。
ボンであってもよい。
て説明する。本発明の非水電解液二次電池は、封口板で
封口されたケースと、ケース内に封入された正極、負
極、セパレータおよび非水電解液とを含む。
物質とを含む。正極の活物質には、リチウムを含有する
複合酸化物を用いることができ、具体的には、リチウム
とマンガンとを含有する複合酸化物であるLiMn2O4
や、LixM2-yMyO2(ただし、MはNi、Co、C
r、Al、Fe、TiおよびVから選ばれる少なくとも
1つの元素であり、0.5≦x≦1.4であり、0<y
≦0.5である)を用いることができる。
物質とを含む。負極の活物質には、Liの可逆的な吸蔵
および放出が可能でありLiの吸蔵量によって電位が変
化する物質を用いることができる。具体的には、負極の
活物質として、人造黒鉛、ハードカーボン、またはシリ
コン系化合物を用いることができる。この中でも、Li
の吸蔵量の違いによって3V(対Li)から約0V(対
Li)まで電位が変化するカーボン材料を用いることが
特に好ましい。
解液二次電池に一般的に使用されているものを用いるこ
とができる。
うち活物質が塗布されている部分であって且つ正極と対
向していない部分の面積A(cm2)と、負極のうち活
物質が塗布されている部分の面積B(cm2)とが、
0.003≦A/B≦0.05を満たす。
びBの一例について、図1を参照しながら説明する。負
極10のうち、コイル状に巻いた極板群の巻き芯側の面
を、図1(a)に模式的に示す。負極10の巻き芯側の
面10aは、全面に活物質が塗布されており、その中の
一部が正極と対向する部分(点線で囲む。この部分の面
積をX1とする。)である。負極10のうち、コイル状
に巻いた極板群の外側の面を、図1(b)に模式的に示
す。負極10の外側の面10bにおいては、ケースと接
する部分(ハッチングで示す。この部分の面積をYとす
る。)の活物質を剥離している。また、面10bの一部
は正極と対向する部分(点線で囲む。この部分の面積を
X2とする。)である。負極10の面10aの面積を
B’(面10bの面積に等しい)とすると、面積Bは巻
き芯側と外側の面積を合わせたものであり、B=2×
B’−Yである。また、面積Aは前記と同様に両側の面
積を合わせたもので、A=B−X1−X2=(2×B’
−Y)−X1−X2となる。本発明の二次電池では、こ
のようにして計算されるAおよびBが、0.003
(0.3%)≦A/B≦0.05(5.0%)を満た
す。なお、図1は模式的な図面であり、実際の極板とは
異なる場合がある。たとえば、実際の極板では、リード
を接続するために一部の活物質を剥離する場合がある。
Bが0.003≦A/B≦0.05を満たすことによっ
て、正極と対向していない部分の負極活物質に拡散する
Liの量を低減できる。そのため、本発明の二次電池に
よれば、初期の不可逆容量を低減できると共に、高温保
存時の容量劣化を抑制できる。
説明する。この実施例では、本発明の電池と比較例の電
池とを作製し、その特性を評価した。
電解液二次電池を作製した。作製した二次電池20の一
部分解斜視図を図2に示す。二次電池20は、ケース2
1と、ケース21内に封入された正極22、負極23、
セパレータ24および電解液(図示せず)と、封口板2
5とを備える。
ず、LiMn2O4と導電剤であるアセチレンブラック
(AB)との混合粉末、および結着剤であるポリフッ化
ビニリデン(PVDF)を、NMP溶液に加えて混合
し、ペーストを作製した。このとき、質量比でLiMn
2O4:AB:PVDF=100:2.5:4.0となる
ように混合した。このペーストを、支持体であるアルミ
箔の両面に塗工したのち、乾燥および圧延を行い、所定
の大きさに切断した。その後、一部の活物質を剥離し、
その部分にアルミニウム製の正極リードを取り付けた。
このようにして正極22を作製した。
ず、活物質である人造黒鉛とPVDFとを、NMP溶液
に加えて混合することによって、ペーストを作製した。
このとき、質量比で人造黒鉛:PVDF=100:9.
0となるようにペーストを作製した。このペーストを、
支持体である銅箔の両面に塗工したのち、乾燥および圧
延を行い、所定の大きさに切断した。その後、極板を捲
回したときに最外周となる部分の活物質を剥離した。ま
た、一部の活物質を剥離してその部分にニッケル製のリ
ードを取り付けた。このようにして負極23を作製し
た。実施例1では、上述した面積AおよびBが、A/B
=0.003(0.3%)となるように正極22と負極
23とを作製した。
タ24を介して渦巻き状に捲回し、極板群を作製した。
セパレータ24には、ポリプロピレンおよびポリエチレ
ンを原料とする微多孔膜を用いた。
ロピレン製の絶縁板を取り付け、ニッケルメッキした鉄
製のケース21に挿入した。その後、電解液を注液し、
封口板25で封口した。電解液には、エチレンカーボネ
ートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネー
トとを30:56:14の体積比で混合した溶媒に1.
0mol/lのLiPF6を溶解させたものを用いた。
このようにして作製した電池を、以下電池aという。
BがA/B=0.01(1.0%)を満たすように負極
を作製したことを除いて、電池aと同様に電池(以下、
電池bという)を作製した。
BがA/B=0.03(3.0%)を満たすように負極
を作製したことを除いて、電池aと同様に電池(以下、
電池cという)を作製した。
BがA/B=0.05(5.0%)を満たすように負極
を作製したことを除いて、電池aと同様に電池(以下、
電池dという)を作製した。
BがA/B=0.001(0.1%)を満たすように負
極を作製したことを除いて、電池aと同様に電池(以
下、電池xという)を作製した。
BがA/B=0.06(6.0%)を満たすように負極
を作製したことを除いて、電池aと同様に電池(以下、
電池yという)を作製した。
BがA/B=0.15(15.0%)を満たすように負
極を作製したことを除いて、電池aと同様に電池(以
下、電池zという)を作製した。この電池Zは、従来作
製されていた電池の一例である。
〜zについて、それぞれ、電流130mA、上限電位
4.3Vで充電し、電流130mAで電池電圧が3.0
Vまで放電させる充放電を4サイクル行った。そして、
充放電後の電池を25℃で7日間保存し、高温保存特性
の評価を行った。高温保存特性は、放電状態の電池を6
0℃で20日間保存し、容量回復率を測定することによ
って評価した。容量回復率は、初期充放電の4サイクル
目の電池容量に対する、保存後の2サイクル目の電池容
量(電流値130mAで放電)の割合とした。また、負
極の正極未対向部(面積A)が減少するのに伴い、極板
の巻きずれによってセパレータや極板のエッジ部へのL
i析出の可能性が高くなるため、試験後の電池を分解
し、Li析出の有無を目視によって確認した。
0℃で20日間保存した後の容量回復率、および、Li
析出の有無を確認した結果を表1に示す。表1中、「L
i析出の有無」の欄は、分解した電池20個のうちLi
が析出していた電池の個数を示す。
電池zと比較して、初期の電池容量、高温保存後の容量
回復率が高かった。そして、A/Bの値が小さくなるほ
ど、容量維持率が向上した。しかし、比較例の電池xで
は、容量維持率は向上したものの、負極板のエッジ部の
一部でLi析出が確認された。これに対し、電池a〜d
ではLiの析出は確認されず、より高い安全性が得られ
ることがわかった。また、電池yは、電池zと比較し
て、初期の電池容量の向上がほとんどなかった。
LiMn2O4を用いたが、LiCoO2,LiNiO2な
どリチウム含有複合酸化物を用いると、LiMn2O4と
比較して効果の程度は小さいが同様の効果が得られた。
げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定され
ず本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用する
ことができる。
について説明したが、本発明は円筒形の電池に限定され
ず、角形などの他の形状の電池にも適用できる。
向していない負極の活物質部分へのLiの拡散を抑制で
きるため、電池容量が高く高温保存特性が良好な非水電
解液二次電池が得られる。
る。
示す一部分解斜視図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 正極と負極と非水電解液とを含む非水電
解液二次電池であって、 前記正極が、リチウムを含有する複合酸化物を正極活物
質として含み、 前記負極が、Liの可逆的な吸蔵および放出が可能であ
りLiの吸蔵量によって電位が変化する物質を負極活物
質として含み、 前記負極のうち前記負極活物質が塗布されている部分で
あって且つ前記正極と対向していない部分の面積A(c
m2)と、前記負極のうち前記負極活物質が塗布されて
いる部分の面積B(cm2)とが、0.003≦A/B
≦0.05を満たすことを特徴とする非水電解液二次電
池。 - 【請求項2】 前記複合酸化物がLiMn2O4である請
求項1に記載の非水電解液二次電池。 - 【請求項3】 前記負極活物質がカーボンである請求項
1または2に記載の非水電解液二次電池。
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---|---|---|---|---|
JP2004119199A (ja) * | 2002-09-26 | 2004-04-15 | Japan Storage Battery Co Ltd | 非水電解質二次電池 |
JP2007213820A (ja) * | 2006-02-07 | 2007-08-23 | Hitachi Vehicle Energy Ltd | 二次電池 |
JP2015056241A (ja) * | 2013-09-11 | 2015-03-23 | 日立マクセル株式会社 | 非水二次電池 |
Citations (2)
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---|---|---|---|---|
JP2001023615A (ja) * | 1999-07-05 | 2001-01-26 | Toshiba Battery Co Ltd | 扁平形非水電解質二次電池 |
JP2001243953A (ja) * | 2000-02-29 | 2001-09-07 | Osaka Gas Co Ltd | 非水系二次電池 |
-
2001
- 2001-11-08 JP JP2001343277A patent/JP3987320B2/ja not_active Expired - Fee Related
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