JP2003149069A - 真空スイッチ及びこれを用いた真空排気装置並びにイオン式真空計 - Google Patents

真空スイッチ及びこれを用いた真空排気装置並びにイオン式真空計

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JP2003149069A
JP2003149069A JP2001347754A JP2001347754A JP2003149069A JP 2003149069 A JP2003149069 A JP 2003149069A JP 2001347754 A JP2001347754 A JP 2001347754A JP 2001347754 A JP2001347754 A JP 2001347754A JP 2003149069 A JP2003149069 A JP 2003149069A
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vacuum
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switch
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environment
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Atsushi Karaki
敦 唐木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の真空度に達したときに動作できる真空
スイッチ及びこれを用いた真空排気装置並びにイオン式
真空計を提供する。 【解決手段】 大気圧から真空に変化する環境に臨ん
で、固定側接点16と可動側接点17からなるスイッチ
素子18を設けると共に、可動側接点17を形状記憶合
金又はバイメタルで形成し、その可動側接点17に加熱
手段20を設け、可動側接点17を、固定側接点16に
対して常開にし、大気圧環境下において対流による排熱
で動作温度以下に保持し、真空環境下において排熱が絶
たれて動作温度以上にされて可動側接点17が変形し、
これによりスイッチ素子18を閉とするようにしたもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空スイッチに係
り、特に、所定の真空度に達したときに自動的に作動す
る真空スイッチ及びこれを用いた真空排気装置並びにイ
オン式真空計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体製造過程で、PVDやCVDなど
を行う真空チャンバは、10-6Torrの高真空にする
ためには、ロータリーポンプにて粗引きし、10-3To
rr程度の真空度となっていることを真空度計測装置で
オペレータが黙視確認した後、ターボ分子ポンプを起動
して精排気し、真空チャンバ内を10-6Torrの高真
空度にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、大型の
真空チャンバであると、大気圧から10-3Torr程度
の真空度となるまで数時間かかり、且つ真空チャンバの
シール状態により、この時間は大きく変わるため、オペ
レータが付きっ切りで、監視する必要がある。
【0004】また、真空度を測定するためには、先ず低
真空を計測するピラニ式真空計で、真空度を検出し、そ
の後、高真空状態になったらイオン式真空計をONさせ
るが、この切り換えもオペレータが常時付きっ切りで行
う必要がある。
【0005】また、これら切り換えを自動で行うとする
と、計測装置と切換制御装置が高価なものとなってしま
う問題がある。
【0006】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、所定の真空度に達したときに動作できる真空スイッ
チ及びこれを用いた真空排気装置並びにイオン式真空計
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、大気圧から真空に変化する環境
に臨んで、固定側接点と可動側接点からなるスイッチ素
子を設けると共に、可動側接点を形状記憶合金又はバイ
メタルで形成し、その可動側接点に加熱手段を設けた真
空スイッチである。
【0008】請求項2の発明は、可動側接点は、所定の
動作温度で変形する形状記憶合金又はバイメタルからな
る板部材で形成され、加熱手段は、上記板部材に電流を
流してジュール熱を発生させるための通電手段からなる
請求項1記載の真空スイッチである。
【0009】請求項3の発明は、可動側接点は、固定側
接点に対して常開にされ、大気圧環境下において対流に
よる排熱で動作温度以下に保持され、真空環境下におい
て排熱が絶たれて動作温度以上にされて板部材が変形
し、これによりスイッチ素子が閉とされる請求項1記載
の真空スイッチである。
【0010】請求項4の発明は、真空チャンバ内をロー
タリーポンプ等の低真空度ポンプで大気圧状態から粗排
気し、所定の真空度に達したとき、ターボ分子ポンプ等
の高真空度ポンプを作動して高真空度にするための真空
排気装置において、真空チャンバ内に請求項1の真空ス
イッチを配置し、その真空スイッチで、上記高真空度ポ
ンプを作動するようにした真空排気装置である。
【0011】請求項5の発明は、真空環境内に設けられ
る真空計本体内に、アノード電極とカソード電極を設け
ると共にカソード電極を加熱するヒータを設け、アノー
ド電極とカソード電極間に真空度を検出する電流検出器
を接続したイオン式真空計において、真空計本体のヒー
タへの電源供給ラインに請求項1の真空スイッチを接続
したイオン式真空計である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適実施の形態を
添付図面に基づいて詳述する。
【0013】先ず、図2により本発明の真空スイッチA
を説明する。
【0014】図2(a)に示すように、真空スイッチA
は、例えば、機器10を駆動する商用電源11の電源ラ
イン12に直列に接続され、その開閉で機器10を作動
するようになっている。
【0015】真空スイッチAは、筒状に形成したスイッ
チボックス13の端部に、電源ライン12に接続するタ
ーミナル14,15が設けられ、そのターミナル14,
15に、スイッチボックス13内に臨んで、固定側接点
16と可動側接点17からなるスイッチ素子18が設け
られて構成される。
【0016】スイッチボックス13は、その内部が大気
環境乃至真空環境に臨むように適宜穴等で開放されてい
る。
【0017】可動側接点17は、形状記憶合金又はバイ
メタルからなる板部材で形成され、常時は、固定側接点
16と離れて、スイッチ素子18が開となるようにされ
ている。
【0018】この可動側接点17には、可動側接点17
を加熱する加熱手段20が設けられる。この加熱手段2
0は、可動側接点17にヒータを取り付け、そのヒータ
に通電して加熱しても、或いは、図2(b)に示すよう
に可動側接点17を、例えばU字状に形成し、その両端
部に加熱用電源21を接続して構成し、その加熱用電源
21からの通電によるジュール熱で可動側接点17を加
熱するようにしてもよい。
【0019】この真空スイッチAは、図1に示すよう
に、PVDやCVD等の処理を行う半導体製造装置の真
空チャンバ24内に臨んで設けられ、真空チャンバ24
内を大気圧から真空引きして高真空にする際の真空排気
装置に用いられる。
【0020】真空チャンバ24には、真空チャンバ24
内を大気圧から10-3Torr程度に真空引きするロー
タリーポンプ等の低真空度ポンプ25が接続されると共
に真空チャンバ24内を10-5〜10-6Torrの高真
空度にするターボ分子ポンプ等の高真空度ポンプ26が
接続される。
【0021】この高真空度ポンプ26の起動ライン27
に真空スイッチAが接続される。
【0022】また、真空チャンバ24には、真空度計測
装置28が設けられる。
【0023】次に本発明の作用を、図1に示した真空チ
ャンバの真空排気装置を例に説明する。
【0024】真空チャンバ24内を大気圧状態から10
-5〜10-6Torrの高真空度にするには、低真空度ポ
ンプ25を作動して大気圧から10-3Torr程度に真
空引きし、その真空チャンバ24内の真空度を真空度計
測装置28で確認した後、高真空度ポンプ26を作動す
るが、低真空度ポンプ25での真空引き作業は、数時間
かかり、且つ真空チャンバのシール状態により、この時
間は大きく変わるため、オペレータが、真空度計測装置
28を付きっ切りで監視して行う必要がある。
【0025】本発明においては、高真空度ポンプ26を
起動する起動ライン27に真空スイッチAを接続するこ
とで、所定の真空度に達したときに真空スイッチAが、
開から閉になり、これにより、起動ライン27に接続し
たリレー(図示せず)をONして高真空度ポンプ26を
自動的に作動するものである。
【0026】すなわち、真空スイッチAは、図2(a)
に示すようにそのスイッチ素子18が常開であり、この
状態では、機器10(高真空度ポンプ26)は、OFF
状態になっていると共に、スイッチ素子18の可動側接
点17は、加熱手段20により加熱されている。
【0027】真空スイッチAの周囲は、大気圧状態にあ
り、可動側接点17が加熱されていても、対流により放
熱され、可動側接点17の温度は、動作温度以下に保た
れた状態にある。
【0028】その後、真空度が上がり、10-3Torr
に達したとき、可動側接点17は、対流による放熱がな
くなり、その温度が動作温度に達し、形状記憶合金であ
れば、記憶された形状になって、固定側接点16と接
し、またバイメタルで、可動側接点17を形成した場合
には、その線膨張差により屈曲して、固定側接点16と
接する。
【0029】このように、本発明では、真空環境では、
対流現象による排熱がなくなることを利用して可動側接
点17を、形状記憶合金やバイメタルで形成し、その可
動側接点17を加熱手段20で加熱し、対流による空気
への排熱を利用し、所定の真空度に達したときに、可動
側接点17を動作温度以上になるようにすることで、自
動的にスイッチ素子18を閉として、機器10や高真空
度ポンプ26を自動的に起動することが可能となる。
【0030】可動側接点17の動作温度は、形状記憶合
金やバイメタルの種類により、また加熱手段20や加熱
用電源21による加熱の程度により自在に調整できる。
また加熱は、常時加熱すると、真空度が上がるに従って
可動側接点17に熱が溜まる場合には、可動側接点17
を間欠的に所定時間加熱し、その真空度の違いによる温
度上昇の違いから動作温度を調整するようにしてもよ
い。
【0031】図3は、本発明の真空スイッチAを用いる
他の実施の形態を示したものである。
【0032】従来例で説明したようにイオン式真空計を
動作させるためには、別に低真空を計測するピラニ式真
空計を装備し、高真空になったならばイオン式真空をO
Nさせるようにしているが、本来、ピラニ式真空計は、
高真空度環境では不要である。
【0033】そこで、本発明の真空スイッチAをイオン
式真空計30に組み込み、所定の真空度になったときに
イオン式真空計30を作動するようにしたものである。
【0034】すなわち、31は、真空チャンバなどに配
置される真空計本体で、その真空計本体31内に、キャ
ップ状のアノード電極32とカソード電極33とが配置
され、中心にカソード電極33を加熱するヒータ34が
配置され、そのヒータ34に通電する電源35の電源供
給ライン36に真空スイッチAが接続され、アノード電
極32とカソード電極33間に熱電子による電流検出器
37が接続されてイオン式真空計30が構成される。
【0035】このイオン式真空計30において、真空ス
イッチAの可動側接点17を加熱手段20にて加熱した
状態とし、真空計本体31内の真空度が上がり、排熱が
無くなり、所定の真空度になったとき、可動側接点17
が変形して固定側接点16と接して、真空スイッチAが
閉じ、電源35から電源供給ライン36を通じてヒータ
34に通電される。これにより、カソード電極33が加
熱され、熱電子がアノード電極32に放出され、電流検
出器37で、その電流を検出することで、真空度が計測
できる。
【0036】このように、本発明の真空スイッチAをイ
オン式真空計30に用いることで、低真空度計を用いず
に、所定の真空度になったときにイオン式真空計30を
作動させることが可能となる。
【0037】以上、本実施の形態を説明したが、本発明
の真空スイッチは、真空環境のみならず対流がない環境
であれば、例えば宇宙船内など無重力空間になった場合
には対流が生じないため、無重力となったときに動作す
るスイッチとして使用することが可能である。
【0038】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、大気圧か
ら真空の環境に変わる際に、対流の有無を利用して自動
的に動作できる真空スイッチとすることができ、これを
真空排気装置やイオン式真空計の動作回路に組み込むこ
とで、安価で、簡易なON/OFFスイッチとすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される半導体製造装置の真空排気
装置の概略を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す図である。
【図3】本発明が適用されるイオン式真空計の概略を示
す図である。
【符号の説明】
16 固定側接点 17 可動側接点 18 スイッチ素子 20 加熱手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01H 35/26 H01H 35/26 Z Fターム(参考) 2F055 AA40 BB08 CC47 DD20 EE40 FF49 GG49 HH19 3H029 AA01 AB06 AB08 BB53 BB60 CC24 CC53 CC83 3H031 DA02 EA01 EA12 FA35 FA37 5G056 DA01 DB01 DC07 DD12 DD17 DD21 DD32 DF51 DG04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧から真空に変化する環境に臨ん
    で、固定側接点と可動側接点からなるスイッチ素子を設
    けると共に、可動側接点を形状記憶合金又はバイメタル
    で形成し、その可動側接点に加熱手段を設けたことを特
    徴とする真空スイッチ。
  2. 【請求項2】 可動側接点は、所定の動作温度で変形す
    る形状記憶合金又はバイメタルからなる板部材で形成さ
    れ、加熱手段は、上記板部材に電流を流してジュール熱
    を発生させるための通電手段からなる請求項1記載の真
    空スイッチ。
  3. 【請求項3】 可動側接点は、固定側接点に対して常開
    にされ、大気圧環境下において対流による排熱で動作温
    度以下に保持され、真空環境下において排熱が絶たれて
    動作温度以上にされて板部材が変形し、これによりスイ
    ッチ素子が閉とされる請求項1記載の真空スイッチ。
  4. 【請求項4】 真空チャンバ内をロータリーポンプ等の
    低真空度ポンプで大気圧状態から粗排気し、所定の真空
    度に達したとき、ターボ分子ポンプ等の高真空度ポンプ
    を作動して高真空度にするための真空排気装置におい
    て、真空チャンバ内に請求項1の真空スイッチを配置
    し、その真空スイッチで、上記高真空度ポンプを作動す
    るようにしたことを特徴とする真空排気装置。
  5. 【請求項5】 真空環境内に設けられる真空計本体内
    に、アノード電極とカソード電極を設けると共にカソー
    ド電極を加熱するヒータを設け、アノード電極とカソー
    ド電極間に真空度を検出する電流検出器を接続したイオ
    ン式真空計において、真空計本体のヒータへの電源供給
    ラインに請求項1の真空スイッチを接続したことを特徴
    とするイオン式真空計。
JP2001347754A 2001-11-13 2001-11-13 真空スイッチ及びこれを用いた真空排気装置並びにイオン式真空計 Pending JP2003149069A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010511875A (ja) * 2006-12-06 2010-04-15 インフィコン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 真空圧力測定装置のための電子源

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010511875A (ja) * 2006-12-06 2010-04-15 インフィコン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 真空圧力測定装置のための電子源

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