JP2003148911A - 検査装置および検査方法 - Google Patents

検査装置および検査方法

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JP2003148911A
JP2003148911A JP2001343914A JP2001343914A JP2003148911A JP 2003148911 A JP2003148911 A JP 2003148911A JP 2001343914 A JP2001343914 A JP 2001343914A JP 2001343914 A JP2001343914 A JP 2001343914A JP 2003148911 A JP2003148911 A JP 2003148911A
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JP2001343914A
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English (en)
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Hiroki Okawachi
浩喜 大川内
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ステンシルマスクを用いたイオン注入工程にお
いても、所望の位置にイオンが注入されたか否かを検査
できる検査装置および検査方法を提供する。 【解決手段】被検査体のイオン注入箇所を膨張させ得る
励起光を被検査体へ照射する励起光照射手段2と、周波
数の異なる検査用光と参照用光とを発生させ、励起光が
照射された被検査体上に当該検査用光を走査可能な検査
用光照射手段3,4,5と、検査用光の被検査体からの
反射光と参照用光との重ね合わせ光を受光し、当該重ね
合わせ光の光強度を検出する受光手段7,8と、受光手
段により検出された光強度に基づいて、検査用光の走査
方向のコントラスト波形を生成し、当該コントラスト波
形に基づいて、被検査体のイオン注入箇所を検出する検
出手段20とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、半導体装
置の製造において、イオン注入工程での重ね合わせ精度
検査に用いる検査装置および検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体デバイスにおける各パター
ンの重なり具合(重ね合わせによる各パターンの位置ず
れ)を検査する、パターンの重ね合わせ精度の測定は、
例えば、半導体ウェーハ上に形成された合わせずれ測定
マーク、いわゆるボックスマークを二次元画像で検出す
ることで行われている。従来のイオン注入工程でイオン
がウェーハの所定の位置にイオン注入されるかどうかの
検査も半導体ウェーハ上に形成された合わせずれ測定マ
ーク、いわゆるボックスマークを二次元画像で検出する
ことで行われている。
【0003】ここで、従来のイオン注入工程について、
概略説明する。まず、図8(a)に示すように、シリコ
ン等の半導体ウェーハW上に、例えばイオン注入のため
のスルー膜等の処理膜13を形成し、当該処理膜13上
にレジスト膜Rを塗布する。そして、図8(b)に示す
ように、所定のパターンが形成されたフォトマスクFM
を位置合わせして、当該フォトマスクFMをマスクとし
て、レジスト膜Rの露光を行う。そして、図8(c)に
示すように、露光されたレジスト膜Rを現像して、所定
パターンのレジストパターンRPを形成する。以上の図
8(a)に示すレジスト塗布工程、図8(b)に示す露
光工程、図8(c)に示す現像工程がリソグラフィー工
程と称されるものである。
【0004】その後、フォトマスクFMの位置合わせ
(重ね合わせ)が適切であったか否かを検査するため、
レジストパターンRPの重ね合わせ検査を行い、良好で
あると判定された場合に、図9(d)に示すように、レ
ジストパターンRPをマスクとして、ウェーハWにイオ
ン注入を行い、図9(e)に示すように、レジストパタ
ーンRPを除去することで、一連のイオン注入工程が完
了することとなる。なお、フォトマスクFMの重ね合わ
せが不良であると判定された場合には、図9(d)に示
すイオン注入工程を経ずに、レジストパターンRPを一
旦除去し、再度、図8(a)から図8(c)に示す工程
を経ることとなる。
【0005】図10は、重ね合わせによるパターンの位
置ずれを検査する二次元画像の重ね合わせ精度測定装置
の構成の要部を概略的に示す図である。なお、図10に
示す装置は、イオン注入工程におけるレジストパターン
の重ね合わせ検査の他にも、他の工程における各パター
ンの位置ずれの検査にも使用されるものである。
【0006】図10に示す重ね合わせ精度測定装置は、
ランプ101からの可視光をレンズ102、ハーフミラ
ー103および対物レンズ104を介して半導体ウェー
ハW上のボックスマークBMに照射し、その反射光を上
記対物レンズ104、上記ハーフミラー103、および
結像レンズ105を介してカメラ106で受光するよう
に構成されている。
【0007】図11は、上記の重ね合わせ精度測定装置
による検査に用いられるボックスマークの形状を概略的
に示す図であって、(a)は断面図であり、(b)は平
面図である。ボックスマークBMは、半導体デバイスの
製造プロセスにおいて、各パターンの形成に伴って、半
導体ウェーハWのダイシングライン上に立体的に順次形
成される。
【0008】例えば、レジストパターンRPとその下層
のタングステンパターン12との重ね合わせによる位置
ずれを検査する場合にあっては、ボックスマークBM
は、レジストパターンRPの形成時にレジストにより形
成されるインナボックスマーク(内側正方形パターン)
BMaと、タングステンパターン12の形成時にインナ
ボックスマークBMaの外側にタングステン膜により形
成されるアウタボックスマーク(外側正方形パターン)
BMbとからなる。
【0009】図12は、上記したボックスマークBMと
その反射光像から求められるコントラスト波形との関係
を示す図である。図12から分かるように、インナボッ
クスマークBMaのX軸方向およびY軸方向の両端座標
位置Xil,Xir,Yil,Yirと、アウタボック
スマークBMbのX軸方向およびY軸方向の両端座標位
置Xol、Xor,Yol,Yorでは、それぞれ、半
導体ウェーハWに対して段差があるため、求められるコ
ントラスト波形CWとしては、その段差の部分にそれぞ
れ明度の変化を伴ったピークをもつ。
【0010】従って、カメラ106で受光した反射光像
の、一つのセクションのコントラスト波形を求めて、そ
れを解析する。例えば、求めたコントラスト波形CWの
ボトム(ピークの頂点)の位置を個々に検出して、アウ
タボックスマークBMbに対するインナボックスマーク
BMaのX方向およびY方向の位置をそれぞれ算出する
ことで、レジストパターンRPとタングステンパターン
12との重ね合わせによる位置ずれを検査できる。
【0011】なお、インナボックスマークBMaに対す
るアウタボックスマークBMbのX方向の位置ずれ量d
xは、例えば、次式(1)により計算できる。
【0012】
【数1】 dx={(Xil+Xir)/2}−{(Xol+Xor)/2} (1)
【0013】同様に、インナボックスマークBMaに対
するアウタボックスマークBMbのY方向の位置ずれ量
dyは、例えば、次式(2)によって計算できる。
【0014】
【数2】 dy={(Yil+Yir)/2}−{(Yol+Yor)/2} (2)
【0015】このように、上記した二次元画像の重ね合
わせ精度測定装置では、立体的に形成されたボックスマ
ークBMを用いて、重ね合わせによるレジストパターン
RPの位置ずれを検査している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、従来
のように、レジストを塗布して、露光し、現像して、イ
オン注入する窓をレジストパターンRPを用いて形成す
るような工程を必要とせず、ウェーハWに対して直接イ
オン注入を行うステンシルマスクが脚光を浴びてきてい
る。
【0017】すなわち、図13に示すように、ステンシ
ルマスクSMを用いたイオン注入工程は、イオン注入用
のスルー膜等の処理膜13が形成された半導体ウェーハ
W上に、ステンシルマスクSMを介して、直接、ウェー
ハWにイオン注入するものである。
【0018】この場合に、図14に示すように、イオン
注入工程後にステンシルマスクSMとウェーハWとの重
ね合わせ精度を測定しようとしても、処理膜13のイオ
ンが通過した部分13aにより構成されるインナボック
スマークBMaは段差情報をもたないため、ステンシル
マスクSMを用いたイオン注入工程では、ウェーハWの
所定の位置にイオンが注入されたか否かを検査する手段
がないのが現状である。
【0019】今後、半導体デバイスの製造では、イオン
注入工程にも大幅な工程削減ができるステンシルマスク
を用いたイオン注入技術が導入されると予想されるた
め、ウェーハWの所定の位置にイオンが注入されたか否
かを検査できる検査装置および検査方法の開発が切望さ
れている。
【0020】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、ステンシルマスクを用いたイオン
注入工程においても、所望の位置にイオンが注入された
か否かを検査できる検査装置および検査方法を提供する
ことにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の検査装置は、被検査体のイオン注入箇所を
膨張させ得る励起光を前記被検査体へ照射する励起光照
射手段と、周波数の異なる検査用光と参照用光とを発生
させ、前記励起光が照射された前記被検査体上に当該検
査用光を走査可能な検査用光照射手段と、前記検査用光
の前記被検査体からの反射光と前記参照用光との重ね合
わせ光を受光し、当該重ね合わせ光の光強度を検出する
受光手段と、前記受光手段により検出された光強度に基
づいて、前記検査用光の走査方向のコントラスト波形を
生成し、当該コントラスト波形に基づいて、前記被検査
体の前記イオン注入箇所を検出する検出手段とを有す
る。
【0022】上記の本発明の検査装置では、まず、励起
光照射手段により、励起光を被検査体に照射して、被検
査体のイオン注入箇所を膨張させる。この状態で、検査
用光照射手段により、周波数の異なる検査用光と参照用
光とを発生させ、被検査体上に当該検査用光を走査す
る。そして、検査用光の被検査体からの反射光(検出
光)と参照用光とが重ね合わせられ、重ね合わせによっ
て参照用光の周波数と反射光の周波数の差の周波数のう
なりが生じ、この差の周波数のうなりが受光手段によっ
て検出される。このような検出光と参照用光とを干渉さ
せ、発生する差の周波数のうなりの検出は、いわゆる光
ヘテロダイン検出と呼ばれるものである。光ヘテロダイ
ン検出によって、上記の被検査体の膨張によって形成さ
れた微小段差に起因するコントラスト波形が検出手段に
より生成され、当該コントラスト波形に基づいて、被検
査体のイオン注入箇所が検出される。
【0023】さらに、上記の目的を達成するため、本発
明の検査装置は、被検査体のイオン注入箇所を膨張させ
得る励起光を前記被検査体へ照射する励起光照射手段
と、周波数の異なる複数の検査用光と参照用光とを発生
させ、前記励起光が照射された前記被検査体上に異なる
焦点位置をもつ各検査用光を走査可能な検査用光照射手
段と、前記各検査用光の前記被検査体からの各反射光と
前記参照用光との重ね合わせ光を受光し、当該重ね合わ
せ光の光強度を検出する受光手段と、前記受光手段によ
り検出された光強度に基づいて、各焦点位置における前
記各検査用光の走査方向の各コントラスト波形を生成
し、前記各コントラスト波形を合成して、合成された当
該コントラスト波形に基づいて、前記被検査体の前記イ
オン注入箇所を検出する検出手段とを有する。
【0024】前記検出手段は、合成された前記コントラ
スト波形に基づいて、前記イオン注入箇所の膨張による
変位量を検出し、予め算出されたイオン注入量と膨張に
よる変位量との関係から、イオン注入量を検出する。
【0025】上記の本発明の検査装置では、検査用光照
射手段により、周波数の異なる複数の検査用光と参照用
光とを発生させ、励起光が照射された被検査体上に異な
る焦点位置をもつ各検査用光を走査する。そして、各検
査用光の被検査体からの各反射光と参照用光との重ね合
わせ光が、受光手段により受光され、当該重ね合わせ光
の光強度が検出される。そして、受光手段により検出さ
れた光強度に基づいて、検出手段により各焦点位置ごと
の各コントラスト波形が生成される。このコントラスト
波形は、各焦点位置における段差形状を反映したコント
ラスト波形となる。そして、検出手段により、各コント
ラスト波形を合成することで、合成されたコントラスト
波形は、被検査体の表面形状を忠実に反映した形状とな
り、被検査体の立体的な表面形状が特定され、当該コン
トラスト波形に基づいて、被検査体のイオン注入箇所が
検出される。また、合成されたコントラスト波形は、被
検査体の表面形状を忠実に反映した形状となるため、イ
オン注入箇所の膨張による高さ方向の変位量を検出する
こともでき、予め算出されたイオン注入量と膨張による
変位量との関係から、イオン注入量が検出される。
【0026】さらに、上記の目的を達成するため、本発
明の検査方法は、被検査体のイオン注入箇所を膨張させ
得る励起光を前記被検査体へ照射するステップと、周波
数の異なる検査用光と参照用光とを発生させ、前記励起
光が照射された前記被検査体上に当該検査用光を走査す
るステップと、前記検査用光の前記被検査体からの反射
光と前記参照用光とを重ね合わせ、当該重ね合わせ光の
光強度を検出するステップと、検出された前記光強度に
基づいて、前記検査用光の走査方向のコントラスト波形
を生成するステップと、生成された前記コントラスト波
形に基づいて、前記被検査体の前記イオン注入箇所を検
出するステップとを有する。
【0027】上記の本発明の検査方法では、まず、励起
光を被検査体に照射して、被検査体のイオン注入箇所を
膨張させる。この状態で、周波数の異なる検査用光と参
照用光とを発生させ、被検査体上に当該検査用光を走査
する。そして、検査用光の被検査体からの反射光(検出
光)と参照用光とを重ね合わせ、当該重ね合わせ光の光
強度を検出する。このように、光ヘテロダイン検出によ
って、上記の被検査体の膨張によって形成された微小段
差に起因するコントラスト波形を生成し、当該コントラ
スト波形に基づいて、被検査体のイオン注入箇所が検出
される。
【0028】さらに、上記の目的を達成するため、本発
明の検査方法は、被検査体のイオン注入箇所を膨張させ
得る励起光を前記被検査体へ照射するステップと、周波
数の異なる複数の検査用光と参照用光とを発生させ、前
記励起光が照射された前記被検査体上に異なる焦点位置
をもつ各検査用光を走査するステップと、前記各検査用
光の前記被検査体からの各反射光と前記参照用光との重
ね合わせ光の光強度を検出するステップと、検出された
前記光強度に基づいて、各焦点位置における前記各検査
用光の走査方向のコントラスト波形を生成するステップ
と、前記各コントラスト波形を合成するステップと、合
成された前記コントラスト波形に基づいて、前記被検査
体の前記イオン注入箇所を検出するステップとを有す
る。
【0029】前記各コントラスト波形を合成するステッ
プの後に、合成された前記コントラスト波形に基づいて
前記イオン注入箇所の膨張による変位量を検出するステ
ップと、前記検出された変位量と、予め算出されたイオ
ン注入量と膨張による変位量との関係から、イオン注入
量を検出するステップとをさらに有する。
【0030】上記の本発明の検査方法では、励起光を被
検査体に照射して、被検査体のイオン注入箇所を膨張さ
せた後、被検査体上に異なる焦点位置をもつ複数の検査
用光を走査する。そして、各検査用光の被検査体からの
各反射光と参照用光との重ね合わせ光の光強度を検出
し、検出された光強度に基づいて、各焦点位置における
各検査用光の走査方向のコントラスト波形を生成し、各
コントラスト波形を合成する。この合成されたコントラ
スト波形は、被検査体の表面形状を忠実に反映した形状
となり、被検査体の立体的な表面形状が特定されること
から、当該コントラスト波形に基づいて、被検査体のイ
オン注入箇所が検出される。また、合成されたコントラ
スト波形は、被検査体の表面形状を忠実に反映した形状
となるため、イオン注入箇所の膨張による高さ方向の変
位量を検出することもでき、予め算出されたイオン注入
量と膨張による変位量との関係から、イオン注入量が検
出される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して説明する。
【0032】図1は、本発明が適用された重ね合わせ精
度測定装置(検査装置)の一実施形態の構成を示す図で
ある。
【0033】図1に示す重ね合わせ精度測定装置1は、
励起用レーザ光源部2と、検査用レーザ光源部3と、レ
ーザ光の周波数をシフトさせる光周波数シフタ部4と、
レーザ光を走査するレーザ走査部5と、対物レンズ6
と、光検出部7と、共焦点ピンホール板8と、カメラ部
9と、結像レンズ10とを具備するレーザ走査型共焦点
顕微鏡部と、解析部20と、ウェーハWを保持し、ウェ
ーハをX方向、Y方向、Z方向へ高精度に位置決め制御
することが可能なステージ30とを有している。
【0034】励起用レーザ光源部2は、半導体ウェーハ
Wのイオン注入箇所を膨張させ得る、周期的に強度変調
した励起用レーザ光を照射する。周期的に強度変調した
励起用レーザ光は、例えばパルス出力のレーザ光を指し
ており、例えばYAGレーザやHe−Neレーザ等が用
いられる。YAGレーザを用いる場合には、波長が10
64nmと532nmで、出力は数百mmWで、パルス
幅が数nm〜数十nm、周波数が10Hz程度で励起す
る。なお、この励起用レーザ光源部2による作用につい
ては、後述する。
【0035】検査用レーザ光源部3は、遠紫外レーザ光
源3−1と、可視レーザ光源3−2とを有している。遠
紫外レーザ光源3−1は、比較的波長の短い遠紫外線帯
域の遠紫外レーザ光を出力し、例えば、波長が350n
m以下の遠紫外レーザ光を出力し、好ましくは波長が2
00nm以下の遠紫外レーザ光を使用する。可視レーザ
光源3−2は、可視光帯域の可視レーザ光を出力し、例
えば、波長が488nm程度あるいは365nm程度の
可視レーザ光を出力する。
【0036】遠紫外レーザ光源3−1から出力されたレ
ーザ光は、光周波数シフタ部4へ入射し、可視レーザ光
源3−2からのレーザ光は、図示しない光学系により、
遠紫外レーザ光源3−1から出力されたレーザ光とは異
なる光路に導かれる。
【0037】検査用レーザ光源部3は、可視光帯域の可
視レーザ光と、比較的波長の短い遠紫外線帯域の遠紫外
レーザ光とを、検査対象物の種類、検査用途等に応じて
選択して放射できるようになっている。
【0038】光周波数シフタ部4は、音響光学変調器
(AOM:Acousto-Optic Modulator)AOM0,AOM
1,AOM2,AOM3と、検査用レーザ光源部2の遠
紫外レーザ光源3−1から出力されたレーザ光Lの一方
を分岐させて各音響光学変調器AOM0,AOM1,A
OM2に入射させるハーフミラーHM1,HM2,HM
3と、ハーフミーラーHM3を通過した光を音響光学変
調器AOM3へ反射する全反射ミラーMとを有する。
【0039】各音響光学変調器AOM0,AOM1,A
OM2,AOM3は、それぞれ入射されたレーザ光Lに
異なる周波数の超音波を加えることで、互いに異なる接
近した周波数にシフトして、互いに異なる周波数のレー
ザ光を出力する。
【0040】音響光学変調器AOM0は、レーザ光Lの
周波数をシフトさせて、参照用レーザ光L0に変換して
出力するが、レーザ光Lの周波数を変更せずに素通りさ
せて参照用レーザ光L0の周波数をレーザ光Lと同じ周
波数とする構成としてもよい。また、音響光学変調器A
OM1,AOM2,AOM3は、レーザ光Lの周波数を
シフトさせて、それぞれ互いに異なる周波数の検査用レ
ーザ光L1,L2,L3を出力する。
【0041】光周波数シフタ部4の出力側には、各音響
光学変調器AOM0,AOM1,AOM2,AOM3に
対応して、ハーフミラーHM4〜HM7が設けられてい
る。
【0042】ハーフミラーHM4は、音響光学変調器A
OM0から出力される参照用レーザ光L0を反射して共
焦点ピンホール板8の共焦点ピンホール8aに入射させ
る。
【0043】ハーフミラーHM5〜7は、音響光学変調
器AOM1,AOM2,AOM3からそれぞれ出力され
る検査用レーザ光L1,L2,L3を反射して、同一の
光路を通じてレーザ走査部5に入射させる。また、ハー
フミラーHM4〜7は、レーザ走査部5から出力される
反射光(検出光)をそれぞれ透過して共焦点ピンホール
板8の共焦点ピンホール8aに入射させる。
【0044】レーザ走査部5は、それぞれハーフミラー
HM5〜7によって反射された光周波数シフタ部4から
の検査用レーザ光L1,L2,L3をX方向およびY方
向に走査する。ここでは、機構は図示しないが、例え
ば、ガルバノミラーや、超音波光偏向素子等から構成す
ることができる。
【0045】対物レンズ6は、ステージ30に対して光
軸が垂直になるように設けられており、ハーフミラー1
0によって反射される励起用レーザ光源部2から出力さ
れた励起用レーザ光をステージ30上に保持されたウェ
ーハWに集光する。また、対物レンズ6の上方に設けら
れたハーフミラー9によって反射され、ハーフミラー1
0を通過する検査用レーザ光L1,L2,L3をステー
ジ30上に保持されたウェーハWに集光する。音響光学
変調器AOM1,AOM2,AOM3からそれぞれ出力
された検査用レーザ光L1,L2,L3は、周波数が互
いに異なるため、例えば、図2に示すように、対物レン
ズ6によって集光された検査用レーザ光L1,L2,L
3の焦点は、Z方向、すなわち、ウェーハWの高さ方向
のそれぞれ異なる焦点位置f1,f2,f3に形成され
る。
【0046】光検出部7は、ウェーハWに入射された検
査用レーザ光L1,L2,L3の反射光と参照用レーザ
光L0とを重ね合わせた重ね合わせ光の光強度を測定
し、電気信号に変換して解析部20に出力する。ウェー
ハWに入射された検査用レーザ光L1,L2,L3の反
射光は、検査用レーザ光L1,L2,L3の光路を遡っ
て光検出部7に入射する。このとき、音響光学変調器A
OM0から出力された参照用レーザ光L0も反射光と同
一の経路を通って光検出部7に入射するため、参照用レ
ーザ光L0と反射光とが重ね合わされる。光検出部7
は、例えば、フォトダイオード等によって構成される。
【0047】共焦点ピンホール板8は、光検出部7によ
って重ね合わせ光の光強度を共焦点検出するための開口
である共焦点ピンホール8aを有し、光検出部7に対し
て所定の位置に設けられている。共焦点検出は、反射光
をピンホールやスリット等の開口を通過させて受光し、
反射光強度分布の中央部を含む一部の範囲の光強度を検
出する検出方法であり、反射光に付随する各種のノイズ
光が受光面に入らないようにカットし、いわゆるエアリ
ーディスク内の強度のみを測定するため、像のコントラ
スト特性を向上させることができ、光学分解能を向上さ
せることができる。
【0048】カメラ部9は、検査用レーザ光源3の可視
レーザ光源3−2から出射され、ハーフミラーHM8,
HM9,HM10および対物レンズ6を介してウェーハ
Wに入射した可視レーザ光によって得られる一括照明画
像やランプ等の照明画像を観察するために設けられてい
る。なお、このカメラ部9により得られるウェーハWの
反射光像からは、従来の比較的大きな段差を有するパタ
ーン形状を観察することができる。結像レンズ10は、
カメラ部9にウェーハの画像を結像させるためのレンズ
である。
【0049】解析部20は、図3に示すように、コント
ラスト波形生成部21と、コントラスト波形合成部22
と、パターン形状検出部23と、位置ずれ量算出部24
と、イオン注入量算出部25とを有する。
【0050】コントラスト波形生成部21は、光検出部
7からの検出信号に基づいて、ウェーハW上の各焦点位
置f1,f2,f3におけるレーザ走査部5の走査方向
に沿ったコントラスト波形を生成する。ここで、コント
ラスト波形生成部21により得られる各コントラスト波
形は、各焦点位置f1,f2,f3の近傍の形状を反映
した波形となり、各焦点位置f1,f2,f3から離れ
た位置の形状は反映していない。
【0051】コントラスト波形合成部22は、コントラ
スト波形生成部21により生成されたウェーハW上の各
焦点位置f1,f2,f3におけるコントラスト波形を
合成する。このように各焦点位置f1,f2,f3にお
けるコントラスト波形を合成すると、ウェーハW上に積
層されたパターンの三次元形状を反映したコントラスト
波形が得られる。
【0052】パターン形状検出部23は、コントラスト
波形合成部22により合成されたコントラスト波形に基
づいて、ウェーハW上に積層形成された各パターンのエ
ッジ位置や高さ等の形状を検出する。
【0053】位置ずれ量算出部24は、パターン形状検
出部23により検出された各パターンの位置に基づいて
重ね合わせによる各パターンの位置ずれ(各パターンの
重なり具合)を検出する。
【0054】イオン注入量算出部25は、後述するよう
に、パターン形状検出部23により検出されたイオン注
入箇所の高さ方向の変位量と、予め算出されたイオン注
入量と膨張による変位量との関係から、イオン注入量を
検出する
【0055】上記構成の重ね合わせ精度測定装置1で
は、例えば、積層膜構造を有するウェーハWをステージ
30に搭載し、このウェーハWに、光周波数シフタ部4
で周波数がシフトした検査用レーザ光L1,L2,L3
をレーザ走査部5で走査しながら、対物レンズ6を介し
てウェーハWに照射する。
【0056】ウェーハWから反射した反射光は、対物レ
ンズ6を介して光周波数シフタ部4からの参照用レーザ
光L0とともに共焦点ピンホール板8の共焦点ピンホー
ル8aを経て光検出部7で受光される。すなわち、この
重ね合わせ精度測定装置1は、ウェーハWから反射した
反射光は、参照用レーザ光L0と重ね合わされ、この重
ね合わせ光のうなり(光の強度が反射光の周波数と参照
用レーザ光の周波数の差の周波数で時間的に変化する現
象)を光検出部7で検出する光ヘテロダイン検出を行
う。このとき、重ね合わせ光は、共焦点ピンホール8a
を通過することによって、共焦点検出される。なお、光
ヘテロダイン検出は、周波数の異なる2つのレーザ光を
干渉させ、これを光検出部によって受光し、接近した周
波数をもつ光波の重ね合わせによって生じる差の周波数
でうなりを発生させ、このうなりの位相変化から距離を
測定する検出方法である。
【0057】次に、上記構成の重ね合わせ精度測定装置
1によりステンシルマスクを用いたイオン注入工程にお
けるイオン注入パターンの位置ずれを検査する方法につ
いて、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
【0058】ここでは、図5(a)に示すように、被検
査対象となるウェーハWのダイシングラインには、タン
グステンパターン12が形成され、イオン注入用のスル
ー膜等の処理膜13が形成されており、ステンシルマス
クによって、ウェーハWにイオン注入がなされた後に、
イオン注入パターンとタングステンパターン12との重
ね合わせによる位置ずれを検査する場合を例に説明す
る。
【0059】まず、重ね合わせ精度測定装置1のステー
ジ30上に、イオン注入後のウェーハWを搭載する。そ
して、ウェーハWの所定のアライメントを行い、ウェー
ハWを搭載したステージ30を所定の位置、すなわち、
ウェーハWのダイシングラインに形成されたタングステ
ンパターンのボックスマークの位置にくるように移動さ
せる(ステップST1)。
【0060】次に、励起光レーザ光源2から出射される
周期的に強度変調した励起用レーザ光を対物レンズ6を
介して半導体ウェーハWに照射する(ステップST
2)。
【0061】半導体ウェーハWに励起用レーザ光を照射
した場合の作用について説明する。従来、特開平3−2
69345号公報に開示されているように、試料に周期
的に強度変調した励起光を照射することで、試料はこの
励起光の吸収により発熱し、これにより熱膨張振動をお
こし、これらの熱応答を計測することで、試料の欠陥を
評価する技術が知られている。
【0062】ここで、例えば、イオン注入前およびイオ
ン注入されていない箇所におけるウェーハWを構成する
シリコン単結晶は、図6(a)に示すように、シリコン
原子が結晶全体にわたって規則正しく配列している。一
方、ウェーハWにイオン注入した箇所においては、図6
(b)に示すように、ウェーハWのシリコン単結晶には
結晶欠陥が発生している。これは、ウェーハ上の処理膜
13においても同様のことがいえ、イオンが通過した部
分における処理膜には、欠陥が多数発生している。
【0063】従って、上記の技術を応用して、イオン注
入箇所およびその周囲の半導体ウェーハW部分に対し
て、周期的に強度変調した励起用レーザ光を照射する
と、当該励起用レーザ光は、ウェーハW上の処理膜13
により吸収され、処理膜13はこの励起用レーザ光の吸
収により発熱し、処理膜13は熱膨張振動をおこす。そ
して、処理膜13による熱膨張振動は、イオン注入され
た箇所13aとイオン注入されていない箇所においてそ
の結晶構造の相違から異なると考えられ、実際に、図5
(b)に示すように、イオン注入されていない箇所に比
べてイオン注入された箇所13aの方が、熱膨張振動に
よる変位量が数百pm程度大きくなることが確認され
た。
【0064】このようにして、ウェーハWの処理膜13
の表面に微小な段差を形成することで、イオン注入され
た領域を示す微小段差のインナボックスマークBMa
(内側正方形パターン)が形成される。従って、以降の
工程においては、このインナボックスマークBMaの段
差形状を検出し、さらに、タングステンパターン13に
より形成されるアウタボックスマークBMb(外側正方
形パターン)の段差情報を検出する。ここで、アウタボ
ックスマークBMbは、従来と同様の検出方法により段
差情報を検出することができるが、数百pm程度のイン
ナボックスマークBMaの段差情報は、図10に示した
従来の光学系では検出できないことから、光ヘテロダイ
ン検出する必要がある。
【0065】すなわち、ウェーハWに、光周波数シフタ
部4の音響光学変調器AOM1,AOM2,AOM3で
周波数がシフトした検査用レーザ光L1,L2,L3を
レーザ走査部5によって、X−Y方向に走査し、対物レ
ンズ6を介してウェーハWに照射する。
【0066】ここで、例えば、遠紫外レーザ光源3−1
から出力されるレーザ光Lとして、波長が193nm、
周波数が1.6×1015Hzのものを使用した場合に、
インナーボックスマークBMaの段差を100pmから
400pm程度の範囲で検出したいとする。この場合に
は、検査用レーザ光の焦点深度DOFが、例えば、10
0pm、250pm、400pmとなる検査用レーザ光
L1,L2,L3を生成する。すなわち、焦点深度DO
Fは、λ/NA2 で表されることから、これを周波数f
および光の速度Vで表すと、V/(f×NA2 )で示さ
れる。従って、上記の式において、V=3×108 m/
s、NA=0.9とした場合に、焦点深度100pmの
検査用レーザ光L1を生成するには、検査用レーザ光L
1のシフト後の周波数が3.7×1018Hz、焦点深度
250pmの検査用レーザ光L2を生成するには、検査
用レーザ光L2のシフト後の周波数が1.5×1018
z、焦点深度400pmの検査用レーザ光L3を生成す
るには、検査用レーザ光L3のシフト後の周波数が9.
3×1017Hzとなるようにすればよい。
【0067】そして、上記の検査用レーザ光L1,L
2,L3がウェーハWに照射されることによるウェーハ
Wからの反射光と、参照用レーザ光L0とを重ね合わせ
た重ね合わせ光の光強度を光検出部7により測定し、解
析部20のコントラスト波形生成部21において、各検
査用レーザ光の走査方向(X方向およびY方向)におけ
るコントラスト波形を生成する(ステップST3)。
【0068】ここで、タングステンパターン12のウェ
ーハWに対する段差が小さい場合、すなわち、各検査用
レーザ光L1,L2,L3の焦点位置f1からf3の間
に、タングステンパターンの段差が存在する場合には、
上記のコントラスト波形にはタングステンパターンの段
差情報が含まれることとなるため、以降のステップST
4,ST5の処理は必要なく、ステップST6へ移行す
る。
【0069】一方、タングステンパターン12のウェー
ハWに対する段差が大きく、各検査用レーザ光L1,L
2,L3の焦点位置f1〜f3の間にタングステンパタ
ーンの段差が存在しない場合には、ステージ30により
ウェーハWをZ方向に移動させ、検査用光の焦点位置を
タングステンパターンに合わせる(ステップST4)。
【0070】そして、このように段差が大きい場合に
は、光ヘテロダイン検出を行わずに、通常の反射光像に
より段差情報を検出すればよい。すなわち、検査用レー
ザ光源3の可視レーザ光源3−2から可視レーザ光を出
力し、出力された可視レーザ光を、ハーフミラーHM
8,HM9,HM10および対物レンズ6を介してウェ
ーハWに入射させ、当該ウェーハWからの反射光をカメ
ラ部9で受光し、カメラ部9により反射光のコントラス
ト波形が生成される(ステップST5)。
【0071】そして、コントラスト波形生成部21によ
り生成された各焦点位置f1,f2,f3におけるコン
トラスト波形およびカメラ8からのタングステンパター
ンのコントラスト波形をコントラスト波形合成部22に
より合成することで、インナボックスマークBMaおよ
びアウタボックスマークBMbの立体形状が特定される
(ステップST6)。なお、上述したように、タングス
テンパターン12の段差によっては、焦点位置f1,f
2,f3におけるコントラスト波形を合成することで、
インナボックスマークBMaおよびアウタボックスマー
クBMbの立体形状が特定される。
【0072】そして、パターン形状検出部23により、
合成したコントラスト波形に基づいて処理膜13による
インナボックスマークBMaの段差のエッジ位置(段差
部分)を検出し、かつ、タングステンパターン12によ
るアウタボックスマークBMbの段差のエッジ位置を検
出する(ステップST7)。
【0073】その後、位置ずれ量算出部24により、図
12を用いて説明したのと同様にして、タングステンパ
ターン12に対するイオン注入箇所のX方向およびY方
向における位置ずれ量を算出する(ステップST8)。
これにより、イオン注入箇所の良否を検査することがで
き、ずれ量が所定のしきい値よりもずれており不良と判
断される場合には、以降の製造プロセスを中止する。ま
た、ずれ量が所定のしきい値内に収まっている場合に
は、ステップ9として、イオン注入量の測定を行う。
【0074】ステップ9におけるイオン注入量の測定に
ついて、説明する。図7に、一例として処理膜13に酸
化シリコン膜を用いた場合におけるウェーハWへのボロ
ン(B)のイオン注入量と、励起用レーザ光照射後の酸
化シリコン膜の高さ方向(ウェーハWの主面に垂直方
向)における変位量との関係のシュミレーション結果を
示す。
【0075】図7に示すように、ウェーハWへのイオン
注入量の増加とともにイオン注入による結晶欠陥が増加
することから、励起用レーザ光の照射後において、処理
膜13の熱膨張による変位量が増加することがわかる。
【0076】従って、予めこのようなシュミレーション
や測定を行うことにより、処理膜13およびイオンの種
類等の条件毎に上記のイオン注入量と変位量との関係を
示すデータを作成しておき、パターン形状検出部23に
より検出された処理膜13の高さ形状(変位量)と、上
記のデータとに基づいて、イオン注入量算出部25によ
り、処理膜13に注入されたイオン注入量を検出する。
これにより、イオン注入量の適否を検査することがで
き、イオン注入量が所定の範囲内に収まっておらず、不
良と判断される場合には、以降の製造プロセスを中止す
る。また、イオン注入量が所定の範囲内に収まっている
場合には、以降の製造プロセスに移すこととなる。
【0077】上述したように、本実施形態に係る重ね合
わせ精度測定装置1によれば、従来の装置では計測不可
能であったステンシルマスクを用いたイオン注入工程で
の重ね合わせ精度測定検査において、直接的にレジスト
パターン等による段差が存在しない場合であっても、イ
オン注入された箇所を検出することができ、この結果、
ステンシルマスクとウェーハとの重ね合わせによる位置
ずれ量を測定することができる。すなわち、イオンが通
過した膜の励起用レーザ光の照射後の変位量は、何百p
m程度であるため、得られるインナボックスマークBM
aの段差も非常に微小なものであるが、光ヘテロダイン
検出を用いることにより、コントラスト波形の精度を向
上させ、かつ、検出する光のS/N比を向上させること
ができることから、微小段差のインナボックスマークB
Maの形状を検出することができる。また、光ヘテロダ
イン検出を用いることにより、レーザ光に比較的微弱光
を用いても精度の良いコントラスト波形が得られるた
め、レーザ光に比較的波長の短い遠紫外レーザ光を使用
でき、光学分解能をさらに向上させることができる。
【0078】このように、ステンシルマスクを用いたイ
オン注入工程の重ね合わせ精度検査を精度良く行うこと
ができることから、ステンシルマスクを用いてイオン注
入を行った場合であっても、製品の歩留りの向上、品質
の維持が可能となる。
【0079】また、本実施形態によれば、焦点位置の異
なる複数の検査用レーザ光を用いて光ヘテロダイン検出
を行うことで、二次元画像を得るのと同等の時間で、被
検査対象のウェーハWの三次元立体画像を得ることがで
きる。これにより、イオンが通過した膜の励起用レーザ
光の照射後の変位量から、イオン注入量を測定すること
もでき、上記したイオン注入箇所の良否とともにイオン
注入量の適否をも同一の装置で検査することにより、測
定時間を短縮することができる。
【0080】また、本実施形態によれば、光検出部7に
共焦点ピンホール板8を設けて反射光の強度を共焦点検
出することにより、光学分解能を向上させ、コントラス
ト特定を向上させることができる。
【0081】本発明の検査装置および検査方法は、上記
の実施形態の説明に限定されない。例えば、上述した実
施形態では、光周波数シフタ部4において、検査用レー
ザ光を生成するために、3つの音響光学変調器AOM1
〜AOM3を用いたが、さらに個数を多くすることで、
重ね合わせ精度を向上させることができる。反対に、処
理膜13の熱膨張後の形状によっては、例えば、単一の
音響光学変調器AOMを用いて、単一の焦点によって検
査する構成とすることも可能である。
【0082】また、光周波数シフタ部4には、例えば、
音響光学偏向器(Acousto-Optic Deflector:AOD)や
表面弾性波(Surface Acoustic Wave:SAW)素子によ
る音響光学変調器等を用いてもよい。また、共焦点ピン
ホール板8を用いず共焦点検出を行わない構成とするこ
ともできる。この場合には、共焦点検出を行わないた
め、コントラスト特性は多少低下するが、装置構成を簡
略化することができる。
【0083】また、本実施形態において、タングステン
パターンが大きい場合に、検査用レーザ光L1,L2,
L3の各焦点位置f1,f2,f3におけるコントラス
ト波形と、カメラ部9からの可視レーザ光によるコント
ラスト波形を合成して、インナボックスマークBMa、
およびアウタボックスマークBMbの段差を含むコント
ラスト波形に基づいて、各ボックスマークBMa,BM
bのエッジ位置を検出することとしたが、カメラ部9か
らのコントラスト波形を合成せずに、それぞれ別々にエ
ッジ位置を求めて、当該算出されたエッジ位置からずれ
量を算出することもできる。その他、本発明の要旨を逸
脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、ステンシルマスクを用
いたイオン注入工程においても、所望の位置にイオンが
注入されたか否かを検査できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る重ね合わせ精度測定装置の一
例を示す概略構成図である。
【図2】複数の検査用レーザ光を対物レンズで集光して
異なる複数の焦点を形成した状態を示す図である。
【図3】本実施形態に係る重ね合わせ精度測定装置の解
析部の一例を示す概略構成図である。
【図4】本実施形態に係る重ね合わせ精度測定装置を用
いたイオン注入工程後の検査処理を示すフローチャート
である。
【図5】イオン注入後の処理膜に励起用レーザ光を照射
した後の状態を説明するための図である。
【図6】シリコン単結晶へイオン注入する前およびイオ
ン注入した後の結晶状態のイメージ図である。
【図7】イオン注入量と処理膜の変位量との関係を示す
グラフである。
【図8】従来のレジストを用いたイオン注入工程を説明
するための図である。
【図9】従来のレジストを用いたイオン注入工程におい
て、図8の続きの工程を示す図である。
【図10】従来の重ね合わせによる各パターンの位置ず
れを検査する場合における、二次元画像の重ね合わせ精
度測定装置の構成の要部を概略的に示す図である。
【図11】重ね合わせ精度測定装置による検査に用いら
れるボックスマークの形状を概略的に示す図であって、
(a)は断面図であり、(b)は平面図である。
【図12】ボックスマークとその反射光像から求められ
るコントラスト波形との関係を示す図である。
【図13】ステンシルマスクを用いたイオン注入工程を
説明するための図である。
【図14】ステンシルマスクを用いたイオン注入工程後
の検査を行う際の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1…重ね合わせ精度測定装置、2…励起用レーザ光源
部、3…検査用レーザ光源部、3−1…遠紫外レーザ光
源、3−2…可視レーザ光源、4…光周波数シフタ部、
5…レーザ走査部、6…対物レンズ、7…光検出部、8
…共焦点ピンホール板、9…カメラ部、10…結像レン
ズ、12…タングステンパターン、13…処理膜、20
…解析部、21…コントラスト波形生成部、22…コン
トラスト波形合成部、23…パターン形状検出部、24
…位置ずれ量算出部、25…イオン注入量算出部、30
…ステージ、101…ランプ、102…レンズ、103
…ハーフミラー、104…対物レンズ、105…結像レ
ンズ、106…カメラ、AOM0,AOM1,AOM
2,AOM3…音響光学変調器、HM1,HM2,HM
3,HM4,HM5,HM6,HM7,HM8,HM
9,HM10…ハーフミラー、M…全反射ミラー、W…
ウェーハ、BM…ボックスマーク、BMa…インナボッ
クスマーク、BMb…アウタボックスマーク、CW…コ
ントラスト波形、R…レジスト膜、RP…レジストパタ
ーン、FM…フォトマスク、SM…ステンシルマスク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA03 AA12 AA20 AA24 BB02 CC19 FF51 GG04 GG23 JJ03 JJ05 JJ18 JJ19 JJ26 LL30 LL57 LL61 MM16 NN01 NN08 PP12 TT07 4M106 AA01 AB20 BA05 CA19 CA39 DB02 DB08 DJ15 DJ18 DJ27

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検査体のイオン注入箇所を膨張させ得る
    励起光を前記被検査体へ照射する励起光照射手段と、 周波数の異なる検査用光と参照用光とを発生させ、前記
    励起光が照射された前記被検査体上に当該検査用光を走
    査可能な検査用光照射手段と、 前記検査用光の前記被検査体からの反射光と前記参照用
    光との重ね合わせ光を受光し、当該重ね合わせ光の光強
    度を検出する受光手段と、 前記受光手段により検出された光強度に基づいて、前記
    検査用光の走査方向のコントラスト波形を生成し、当該
    コントラスト波形に基づいて、前記被検査体の前記イオ
    ン注入箇所を検出する検出手段とを有する検査装置。
  2. 【請求項2】前記受光手段は、前記重ね合わせ光の入射
    光路に当該重ね合わせ光の光強度を共焦点検出するため
    の開口部を有する請求項1記載の検査装置。
  3. 【請求項3】前記検査用光照射手段は、 所定の周波数帯域の光を放射する光源部と、 前記光源部から放射された光を入力し、当該光を周波数
    の異なる検査用光と参照用光とに変換して出力する光周
    波数変更手段と、 前記光周波数変更手段から出力された検査用光を前記被
    検査体に集光して焦点を形成する集光手段と、 前記集光された検査用光を前記被検査体上で走査する走
    査手段とを有する請求項1記載の検査装置。
  4. 【請求項4】前記検査用光の前記被検査体からの反射光
    と前記参照用光とを重ね合わせる重ね合わせ手段をさら
    に有する請求項1記載の検査装置。
  5. 【請求項5】前記被検査体は、イオン注入された層の下
    層に、所定のパターンをもつ下層パターンを有し、 前記検出手段は、検出した前記被検査体の前記イオン注
    入箇所と前記下層パターンとの位置関係に基づいて前記
    イオン注入箇所の良否を判定する請求項1記載の検査装
    置。
  6. 【請求項6】被検査体のイオン注入箇所を膨張させ得る
    励起光を前記被検査体へ照射する励起光照射手段と、 周波数の異なる複数の検査用光と参照用光とを発生さ
    せ、前記励起光が照射された前記被検査体上に異なる焦
    点位置をもつ各検査用光を走査可能な検査用光照射手段
    と、 前記各検査用光の前記被検査体からの各反射光と前記参
    照用光との重ね合わせ光を受光し、当該重ね合わせ光の
    光強度を検出する受光手段と、 前記受光手段により検出された光強度に基づいて、各焦
    点位置における前記各検査用光の走査方向の各コントラ
    スト波形を生成し、前記各コントラスト波形を合成し
    て、合成された当該コントラスト波形に基づいて、前記
    被検査体の前記イオン注入箇所を検出する検出手段とを
    有する検査装置。
  7. 【請求項7】前記受光手段は、前記重ね合わせ光の入射
    光路に当該重ね合わせ光の光強度を共焦点検出するため
    の開口部を有する請求項6記載の検査装置。
  8. 【請求項8】前記検査用光照射手段は、 所定の周波数帯域の光を放射する光源部と、 前記光源部から放射された光を入力し、当該光を周波数
    の異なる複数の検査用光と参照用光とに変換して出力す
    る光周波数変更手段と、 前記光周波数変更手段から出力された各検査用光を前記
    被検査体に集光して各検査用光に対応した複数の異なる
    焦点を形成する集光手段と、 前記集光された各検査用光を前記被検査体上で走査する
    走査手段とを有する請求項6記載の検査装置。
  9. 【請求項9】前記各検査用光の前記被検査体からの反射
    光と前記参照用光とを重ね合わせる重ね合わせ手段をさ
    らに有する請求項6記載の検査装置。
  10. 【請求項10】前記被検査体は、イオン注入された層の
    下層に、所定のパターンをもつ下層パターンを有し、 前記検出手段は、検出した前記被検査体の前記イオン注
    入箇所と前記下層パターンとの位置関係に基づいて前記
    イオン注入箇所の良否を判定する請求項6記載の検査装
    置。
  11. 【請求項11】前記検出手段は、合成された前記コント
    ラスト波形に基づいて、前記イオン注入箇所の膨張によ
    る変位量を検出し、予め算出されたイオン注入量と膨張
    による変位量との関係から、イオン注入量を検出する請
    求項6記載の検査装置。
  12. 【請求項12】被検査体のイオン注入箇所を膨張させ得
    る励起光を前記被検査体へ照射するステップと、 周波数の異なる検査用光と参照用光とを発生させ、前記
    励起光が照射された前記被検査体上に当該検査用光を走
    査するステップと、 前記検査用光の前記被検査体からの反射光と前記参照用
    光とを重ね合わせ、当該重ね合わせ光の光強度を検出す
    るステップと、 検出された前記光強度に基づいて、前記検査用光の走査
    方向のコントラスト波形を生成するステップと、 生成された前記コントラスト波形に基づいて、前記被検
    査体の前記イオン注入箇所を検出するステップとを有す
    る検査方法。
  13. 【請求項13】前記重ね合わせ光の光強度を検出するス
    テップにおいて、前記反射光の光強度分布の中央部を含
    む一部の範囲の光強度を共焦点検出する請求項12記載
    の検査方法。
  14. 【請求項14】前記被検査体は、イオン注入された層の
    下層に、所定のパターンをもつ下層パターンを有し、 前記被検査体の前記イオン注入箇所を検出するステップ
    の後に、検出した前記被検査体の前記イオン注入箇所と
    前記下層パターンとの位置関係に基づいて前記イオン注
    入箇所の良否を判定するステップをさらに有する請求項
    12記載の検査方法。
  15. 【請求項15】被検査体のイオン注入箇所を膨張させ得
    る励起光を前記被検査体へ照射するステップと、 周波数の異なる複数の検査用光と参照用光とを発生さ
    せ、前記励起光が照射された前記被検査体上に異なる焦
    点位置をもつ各検査用光を走査するステップと、前記各
    検査用光の前記被検査体からの各反射光と前記参照用光
    との重ね合わせ光の光強度を検出するステップと、 検出された前記光強度に基づいて、各焦点位置における
    前記各検査用光の走査方向のコントラスト波形を生成す
    るステップと、 前記各コントラスト波形を合成するステップと、 合成された前記コントラスト波形に基づいて、前記被検
    査体の前記イオン注入箇所を検出するステップとを有す
    る検査方法。
  16. 【請求項16】前記重ね合わせ光の光強度を検出するス
    テップにおいて、前記反射光の光強度分布の中央部を含
    む一部の範囲の光強度を共焦点検出する請求項15記載
    の検査方法。
  17. 【請求項17】前記被検査体は、イオン注入された層の
    下層に、所定のパターンをもつ下層パターンを有し、 前記被検査体の前記イオン注入箇所を検出するステップ
    の後に、検出した前記被検査体の前記イオン注入箇所と
    前記下層パターンとの位置関係に基づいて前記イオン注
    入箇所の良否を判定するステップをさらに有する請求項
    15記載の検査方法。
  18. 【請求項18】前記各コントラスト波形を合成するステ
    ップの後に、 合成された前記コントラスト波形に基づいて前記イオン
    注入箇所の膨張による変位量を検出するステップと、 前記検出された変位量と、予め算出されたイオン注入量
    と膨張による変位量との関係から、イオン注入量を検出
    するステップと、をさらに有する請求項15記載の検査
    方法。
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