JP2003148588A - 流体伝動装置用羽根車 - Google Patents

流体伝動装置用羽根車

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JP2003148588A
JP2003148588A JP2001346512A JP2001346512A JP2003148588A JP 2003148588 A JP2003148588 A JP 2003148588A JP 2001346512 A JP2001346512 A JP 2001346512A JP 2001346512 A JP2001346512 A JP 2001346512A JP 2003148588 A JP2003148588 A JP 2003148588A
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晃 北嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体伝動装置用羽根車において,シェル及び
ハブ間の結合部を利用して,リテーナプレートのシェル
に対する結合を効果的に強化する。 【解決手段】 環状のシェル3sと,このシェル3sの
内側面に固着される複数枚のブレード3bと,シェル3
sの内側面にロー付けされてこれらブレード3bの半径
方向内端部を押さえるリテーナプレート3rと,シェル
3sの内周縁部に溶接されるハブ3hとを備える羽根車
において,ハブ3hの外周に形成された位置決めフラン
ジ32と,ハブ3hの外周に嵌合されて溶接されるシェ
ル3sとの間で,ハブ3hの外周に嵌合されるリテーナ
プレート3rを挟持した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,車両や産業機械に
使用される,トルクコンバータや流体継手を含む流体伝
動装置に関し,特に,円環状のシェルと,このシェルの
内側面の定位置に配置される複数枚のブレードと,これ
らブレードの半径方向内端部をシェルに対して押さえな
がらシェルの内周側の内側面にロー付けされるリテーナ
プレートと,シェル及びリテーナプレートの内周縁部に
溶接されるハブとを備えるものゝ改良に関する。
【0002】
【従来の技術】かゝる流体伝動装置用羽根車は,例えば
昭58−97448号公報に開示されているように,既
に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のかゝる流体伝動
装置用羽根車では,シェル及びハブの間の溶接に際し
て,ハブの外周に形成した位置決めフランジの一側面に
シェルの一側面を衝き当て,位置決めフランジ及びシェ
ル間に隅肉溶接を施している。
【0004】こうした従来のものでは,リテーナプレー
トのシェルに対する結合は,ロー付けのみに頼ってお
り,その結合強度の強化が要求されている。
【0005】本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたも
ので,シェル及びハブ間の結合部を利用して,リテーナ
プレートのシェルに対する結合力を効果的に強化し得る
ようにした,前記流体伝動装置用羽根車を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明は,椀状且つ環状のシェルと,このシェルの
内側面の定位置に結合される複数枚のブレードと,シェ
ルの内側面にロー付けされてこれらブレードの半径方向
内端部を押さえるリテーナプレートと,シェルの内周縁
部に溶接されるハブとを備える,流体伝動装置用羽根車
において,ハブの外周に形成された位置決めフランジ
と,ハブの外周に嵌合されて溶接されるシェルとの間
で,ハブの外周に嵌合されるリテーナプレートを挟持し
たことを第1の特徴とする。
【0007】この第1の特徴によれば,リテーナプレー
トは,ハブの位置決めフランジと,ハブに溶接されたシ
ェルとの間に強固に挟持されることになり,リテーナプ
レート及びシェル間の結合力を効果的に補強することが
できる。
【0008】また本発明は,第1の特徴に加えて,シェ
ル及びリテーナプレートが嵌合する,ハブの外周面の軸
方向長さをシェル及びリテーナプレートの合計板厚と略
等しく設定したことを第2の特徴とする。
【0009】この第2の特徴によれば,シェル及びハブ
間の溶接に直接関与しない,ハブの位置決めフランジは
薄肉化が可能であることに加えて,シェル及びハブの外
側面を略面一とすることができ,ハブの軸方向寸法の短
縮を図り,タービン羽根車のコンパクト化に寄与し得
る。
【0010】さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加
えて,シェル及びリテーナプレートの合わせ面間に,そ
れらのロー付けの際,溶融したロー材がシェル及びハブ
の内周端外に流出するのを阻止するロー材阻止手段を設
けたことを第3特徴とする。
【0011】この第3の特徴によれば,シェル及びリテ
ーナプレート間のロー付け時,溶融ロー材がシェルの内
周端外に流出するのをロー材阻止手段により防ぐことが
でき,したがってシェル及びハブ間の溶接を,ロー材に
阻害されることなく確実に実施することができる。
【0012】さらにまた本発明は,第3の特徴に加え
て,前記ロー材阻止手段を,シェル及びリテーナプレー
トの合わせ面の一方に形成した環状突起を全周に亙り他
方の合わせ面に密着して構成したことを第4の特徴とす
る。
【0013】この第4の特徴によれば,シェル及びリテ
ーナプレート間のロー付け時,溶融ロー材がシェルの内
周端外に流出するのを環状突起により防ぐことができ
る。しかも環状突起を相手部材に溶接することで,シェ
ル,ブレード及びリテーナプレートからなる羽根車の半
成品を簡単に得ることができる。
【0014】さらにまた本発明は,第3の特徴に加え
て,前記ロー材阻止手段を,シェル及びリテーナプレー
トの合わせ面の一方に形成した環状突起を全周に亙り他
方の合わせ面に溶接して構成したことを第5の特徴とす
る。
【0015】この第5の特徴によれば,シェル及びリテ
ーナプレート間のロー付け時,溶融ロー材がシェルの内
周端外に流出するのを環状突起により防ぐことができ
る。
【0016】さらにまた本発明は,第3の特徴によれ
ば,前記ロー材阻止手段を,シェル及びリテーナプレー
トの合わせ面の少なくとも一方に,他方の合わせ面に密
着するシール膜を形成して構成したことを第6の特徴と
する。
【0017】この第6の特徴によれば,シェル及びリテ
ーナプレート間のロー付け時,溶融ロー材がシェルの内
周端外に流出するのをシール膜により防ぐことができ
る。
【0018】尚,前記流体伝動装置及び羽根車は,後述
する本発明の実施例におけるトルコンバータT及びター
ビン羽根車3に対応する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面
に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0020】図1は本発明の第1実施例に係るトルクコ
ンバータの縦断側面図,図2は上記トルクコンバータの
タービン羽根車の一部平面図,図3は図2の3−3線拡
大断面図,図4は上記トルクコンバータの製造工程説明
図,図5は本発明の第2実施例を示す,図3との対応
図,図6は本発明の第3実施例を示す,図3との対応図
である。
【0021】先ず,図1〜図4に示す本発明の第1実施
例の説明より始める。図1において,流体伝動装置とし
てのトルクコンバータTは,ポンプ羽根車2と,それと
対置されるタービン羽根車3と,それらの内周部間に配
置されるステータ羽根車4とを備え,これら三羽根車
2,3,4間には作動オイルによる動力伝達のための循
環回路6が画成される。
【0022】ポンプ羽根車2のシェル2sの外周部に
は,タービン羽根車3の外側面を覆うサイドカバー5が
溶接により一体的に連設される。サイドカバー5の外周
面には,周方向に配列される複数の連結ボス7を有する
リング体,もしくは分離独立した複数の連結ボス7が溶
接されており,それら連結ボス7に,エンジンのクラン
ク軸1に結合した駆動板8がボルト9で固着される。タ
ービン羽根車3のハブ3hとサイドカバー5との間にス
ラストニードルベアリング36が介裝される。
【0023】トルクコンバータTの中心部にクランク軸
1と同軸上に並ぶ出力軸10が配置され,この出力軸1
0は,タービン羽根車3のハブ3hにスプライン嵌合さ
れると共に,サイドカバー5中心部の支持筒5aに軸受
ブッシュ18を介して回転自在に支承される。出力軸1
0は図示しない多段変速機の主軸となる。
【0024】出力軸10の外周には,ステータ羽根車4
のハブ4hをフリーホイール11を介して支承する円筒
状のステータ軸12が配置され,これら出力軸10及び
ステータ軸12間には,それらの相対回転を許容するニ
ードルベアリング13が介裝される。ステータ軸12の
外端部は図示しないミッションケースに回転不能に支持
される。
【0025】ステータ羽根車4のハブ4hの軸方向両端
面と,これらに対向するポンプ羽根車2及びタービン羽
根車3の各ハブ2h,3hの端面との間にスラストニー
ドルベアリング37,37′が介裝され,これらスラス
トニードルベアリング37,37′と前記スラストニー
ドルベアリング36とにより,ポンプ羽根車2及びサイ
ドカバー5間でのタービン羽根車3及びステータ羽根車
4の軸方向移動が規制される。
【0026】またステータ軸12の外周には,ポンプ羽
根車2に結合した補機駆動軸20が相対回転可能に配置
され,この補機駆動軸20によって,トルクコンバータ
Tに作動オイルを供給するオイルポンプ(図示せず)が
駆動される。
【0027】タービン羽根車3及びサイドカバー5間に
は,前記循環回路6と外周側で連通するクラッチ室22
が画成され,このクラッチ室22に,タービン羽根車3
及びサイドカバー5間を直結し得るロックアップクラッ
チLが設けられる。
【0028】図1〜図3により前記タービン羽根車3に
ついて詳細に説明する。
【0029】タービン羽根車3は,椀状且つ環状のシェ
ル3s,このシェル3s,このシェル3sの内側面の定
位置にロー付けされる多数枚のブレード3b,3b…,
シェル3sの内側面にロー付けされてこれらブレード3
b,3b…の半径方向内端部を押さえるリテーナプレー
ト3r,全ブレード3b,3b…の中間部相互を連結す
るコア3c及び,シェル3sの内周縁部に溶接されるハ
ブ3hから構成される。
【0030】シェル3sには,周方向に並ぶ多数の位置
決め凹部25,25…が形成されており,各凹部25
に,各ブレード3bの半径方向内端に形成された位置決
め突起26が係合される。
【0031】一方,リテーナプレート3rは,その外周
縁部で全ブレード3b,3b…の各位置決め突起26を
位置決め凹部25側に押し付けるように配置される。ま
たこのリテーナプレート3rには,各ブレード3bが係
合する位置決め用の切欠き27,27…が設けられる。
【0032】また各ブレード3bには,コア3cとの対
向縁に位置決め突起28が形成されており,この位置決
め突起28が係合する位置決め孔29がコア3cに穿設
される。
【0033】図3に明示するように,シェル3sの前記
位置決め凹部25,25…より半径方向内方において,
シェル3s及びリテーナプレート3rの合わせ面の一方
(図示例ではリテーナプレート3r側)に,他方の合わ
せ面に全周に亙りプロジェクション溶接される環状突起
30が形成される。この環状突起30は,シェル3s及
びリテーナプレート3r間のロー付け時,溶融したロー
材31がシェル3sの内周端から流出するのを防いで,
シェル3s及びハブ3h間の溶接を阻害させないための
ものである。
【0034】またシェル3s及びリテーナプレート3r
は,ハブ3hの外周面に嵌合され,且つハブ3hの外周
に突設された位置決めフランジ32の外側面にリテーナ
プレート3r側を当接するように配置される。その際,
必要に応じてリテーナプレート3rの,位置決めフラン
ジ32との当接面33が切削加工される。またハブ3h
の,シェル3s及びリテーナプレート3rとの嵌合面の
軸方向長さyをシェル3s及びリテーナプレート3rの
合計板厚tと略等しく設定して,シェル3s及びハブ3
hの外側面は略面一とされる。その外側面においてシェ
ル3s及びハブ3hは相互にTIG溶接され,その溶接
部を符号35で示す。
【0035】而して,リテーナプレート3rは,ハブ3
hの位置決めフランジ32と,ハブ3hに溶接されたシ
ェル3sとの間に強固に挟持されることになるから,リ
テーナプレート3r及びシェル3s間のロー付けを効果
的に補強する。したがって,ブレード3b,3b…群を
シェル3sに対して強力に保持して,大なる遠心力に抗
することができる。
【0036】またハブ3hの位置決めフランジ32は,
単にリテーナプレート3rを支承するのみで,シェル3
s及びハブ3h間の溶接に直接関与しないから,その薄
肉化が可能である上,シェル3s及びハブ3hの外側面
が略面一とされることで,ハブ3hの軸方向寸法の短縮
を図り,タービン羽根車3のコンパクト化に寄与し得
る。
【0037】次に,図4を参照しながらタービン羽根車
3の製造工程について説明する。
【0038】先ず,環状に配列された多数のブレード3
b,3b…上にコア3cを溶接により仮付けして,ブレ
ード3b,3b…及びコア3cからなる第1半成品40
を製作しておき,これを図4(A)に示すように,組立
治具43上に既にセットされたシェル3s上の定位置に
セットし,そのシェル3sの定位置にリテーナプレート
3rを載置して,溶接機48によりリテーナプレート3
rの前記環状突起30(図3参照)をシェル3sにプロ
ジェクション溶接する。
【0039】次に図4(B)に示すように,ブレード3
b,3b…群の上部に環状その他の形状のロー材31
(銅ロー)を載置し,これを図4(C)に示すように加
熱炉49で加熱することにより,上記ロー材31を溶融
すれば,溶けたロー材31が毛細管現象によりシェル3
s,ブレード3b,3b…群,リテーナプレート3r及
びコア3cの各合わせ面間に浸透するが,リテーナプレ
ート3rの環状突起30が全周に亙りシェル3sに溶接
されているから,溶けたロー材31は,該突起30から
半径方向内方への流れを阻止される。こうして,環状突
起30から半径方向内方のシェル3s及びリテーナプレ
ート3rの合わせ面間へのロー材31の浸入を防止す
る。その後,上記製品を加熱炉49から取り出し,ロー
材31の固化を待って,ロー付けは終了する。こうし
て,シェル3s,ブレード3b,3b…,シェル3s及
びリテーナプレート3rからなる第2半成品41を製作
する。
【0040】最後に,必要に応じて,リテーナプレート
3rのハブ3hの位置決めフランジ32との当接面33
を適当に切削した後,図4(D)に示すように,組立治
具44上にハブ3h及び上記第2半成品41をセット
し,即ち前述のようにシェル3s及びリテーナプレート
3rをハブ3hの外周面に嵌合すると共に,ハブ3hの
位置決めフランジ32の外側面にリテーナプレート3r
の当接面33を当接させる(図(3)参照)。そしてシ
ェル3s及びハブ3hの外側面をTIG溶接機50によ
り溶接するのであるが,このとき溶接熱によりシェル3
s及びリテーナプレート3r間のロー材31が再溶融し
ても,その溶融ロー材31は,シェル3s及びリテーナ
プレート3r間を全周に亙り結合している環状突起30
により,シェル3s及びハブ3h間の溶接箇所まで流出
することが阻止される。したがって,シェル3s及びハ
ブ3h間は,ロー材31に阻害されることなる良好に溶
接することができる。しかもリテーナプレート3rの環
状突起30はシェル3sに溶接することで,シェル3
s,ブレード3b,3b…,コア3c及びリテーナプレ
ート3rからなる第2半成品41を簡単に得ることがで
きる。
【0041】次に,図5により本発明の第2実施例につ
いて説明する。
【0042】この第2実施例は,リテーナプレート3r
及びシェル3s間を複数箇所51でスポット溶接して,
リテーナプレート3rの環状突起30をその全周に亙り
シェル3sに圧接させた点を除けば,前記第1実施例と
同様の構成であり,図5中,第1実施例との対応部分に
は同一の参照符号を付して,その説明を省略する。この
場合も環状突起30は,シェル3s側に形成してもよ
い。
【0043】この第2実施例においても,シェル3s及
びリテーナプレート3r間のロー付け時,溶融ロー材3
1がシェル3sの内周外に流出するのを環状突起30に
より防ぐことができ,したがってシェル3s及びハブ3
h間の溶接を,ロー材31に阻害されることなく確実に
実施することができる。
【0044】最後に,図6により本発明の第3実施例に
ついて説明する。
【0045】この第3実施例では,前記第1及び第2実
施例の環状突起30に代えて,シェル3s及びリテーナ
プレート3rの内周端部の両方の合わせ面に油性ペンキ
等のシール剤を塗布してシール膜52,52を形成し,
これらシール膜52,52を相互に密着させるべく,シ
ェル3s及びリテーナプレート3r間を数箇所51でス
ポット溶接する。この場合,シール膜52は,シェル3
s及びリテーナプレート3rの一方の合わせ面にのみ形
成して,これを他方の合わせ面に圧接させることでもよ
い。その他の構成は第1及び第2実施例と同様であるか
ら,図6中,第1及び第2実施例との対応部分には同一
の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0046】この第3実施例においては,シェル3s及
びリテーナプレート3r間のロー付け時,溶融ロー材3
1がシェル3sの内周端まで流出するのをシール膜5
2,52により防ぐことができ,したがってシェル3s
及びハブ3h間の溶接を,ロー材31に阻害されること
なく確実に実施することができる。
【0047】尚,前記ポンプ羽根車2も,タービン羽根
車3と基本的に同様の構成であり,また同様の方法で製
造されるものである。
【0048】また本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更
が可能である。例えば,本発明は,ステータ羽根車4を
持たない流体継手のポンプ羽根車やタービン羽根車にも
適用することができる。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば,椀状且つ
環状のシェルと,このシェルの内側面の定位置に結合さ
れる複数枚のブレードと,シェルの内側面にロー付けさ
れてこれらブレードの半径方向内端部を押さえるリテー
ナプレートと,シェルの内周縁部に溶接されるハブとを
備える,流体伝動装置用羽根車において,ハブの外周に
形成された位置決めフランジと,ハブの外周に嵌合され
て溶接されるシェルとの間で,ハブの外周に嵌合される
リテーナプレートを挟持したので,リテーナプレート
は,ハブの位置決めフランジと,ハブに溶接されたシェ
ルとの間に強固に挟持されることになり,リテーナプレ
ート及びシェル間の結合力を効果的に補強することがで
きる。
【0050】また本発明の第2の特徴によれば,シェル
及びリテーナプレートが嵌合する,ハブの外周面の軸方
向長さをシェル及びリテーナプレートの合計板厚と略等
しく設定したので,シェル及びハブ間の溶接に直接関与
しない,ハブの位置決めフランジは薄肉化が可能である
ことに加えて,シェル及びハブの外側面を略面一とする
ことができ,ハブの軸方向寸法の短縮を図り,タービン
羽根車のコンパクト化に寄与し得る。
【0051】さらに本発明の第3の特徴によれば,シェ
ル及びリテーナプレートの合わせ面間に,それらのロー
付けの際,溶融したロー材がシェル及びハブの内周端外
に流出するのを阻止するロー材阻止手段を設けたので,
シェル及びリテーナプレート間のロー付け時,溶融ロー
材がシェルの内周端外まで流出するのをロー材阻止手段
により防ぐことができ,したがってシェル及びハブ間の
溶接を,ロー材に阻害されることなく確実に実施するこ
とができる。
【0052】さらにまた本発明の第4の特徴によれば,
前記ロー材阻止手段を,シェル及びリテーナプレートの
合わせ面の一方に形成した環状突起を全周に亙り他方の
合わせ面に密着して構成したので,シェル及びリテーナ
プレート間のロー付け時,溶融ロー材がシェルの内周端
外まで流出するのを環状突起により防ぐことができる。
しかも環状突起を相手部材に溶接することで,シェル,
ブレード及びリテーナプレートからなる羽根車の半成品
を簡単に得ることができる。
【0053】さらにまた本発明の第5の特徴によれば,
前記ロー材阻止手段を,シェル及びリテーナプレートの
合わせ面の一方に形成した環状突起を全周に亙り他方の
合わせ面に溶接して構成したので,シェル及びリテーナ
プレート間のロー付け時,溶融ロー材がシェルの内周端
外まで流出するのを環状突起により防ぐことができる。
【0054】さらにまた本発明の第6の特徴によれば,
前記ロー材阻止手段を,シェル及びリテーナプレートの
合わせ面の少なくとも一方に,他方の合わせ面に密着す
るシール膜を形成して構成したので,シェル及びリテー
ナプレート間のロー付け時,溶融ロー材がシェルの内周
端外まで流出するのをシール膜により防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るトルクコンバータの
縦断側面図。
【図2】上記トルクコンバータのタービン羽根車の一部
平面図。
【図3】図2の3−3線拡大断面図。
【図4】上記トルクコンバータの製造工程説明図。
【図5】本発明の第2実施例を示す,図3との対応図。
【図6】本発明の第3実施例を示す,図3との対応図。
【符号の説明】
T・・・・・・流体伝動装置(トルクコンバータ) 3・・・・・・羽根車(タービン羽根車) 3b・・・・・ボス 3c・・・・・コア 3h・・・・・ハブ 3s・・・・・シェル 30・・・・・環状突起 31・・・・・ロー材 32・・・・・位置決めフランジ 52・・・・・シール膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 椀状且つ環状のシェル(3s)と,この
    シェル(3s)の内側面の定位置に結合される複数枚の
    ブレード(3b)と,シェル(3s)の内側面にロー付
    けされてこれらブレード(3b)の半径方向内端部を押
    さえるリテーナプレート(3r)と,シェル(3s)の
    内周縁部に溶接されるハブ(3h)とを備える,流体伝
    動装置用羽根車において,ハブ(3h)の外周に形成さ
    れた位置決めフランジ(32)と,ハブ(3h)の外周
    に嵌合されて溶接されるシェル(3s)との間で,ハブ
    (3h)の外周に嵌合されるリテーナプレート(3r)
    を挟持したことを特徴とする,流体伝動装置用羽根車。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の流体伝動装置用羽根車に
    おいて,シェル(3s)及びリテーナプレート(3r)
    が嵌合する,ハブ(3h)の外周面の軸方向長さ(y)
    をシェル(3s)及びリテーナプレート(3r)の合計
    板厚(t)と略等しく設定したことを特徴とする,流体
    伝動装置用羽根車。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の流体伝動装置用羽
    根車において,シェル(3s)及びリテーナプレート
    (3r)の合わせ面間に,それらのロー付けの際,溶融
    したロー材(31)がシェル(3s)及びハブ(3h)
    の内周端外に流出するのを阻止するロー材阻止手段(3
    0,52)を設けたことを特徴とする,流体伝動装置用
    羽根車。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の流体伝動装置用羽根車に
    おいて,前記ロー材阻止手段を,シェル(3s)及びリ
    テーナプレート(3r)の合わせ面の一方に形成した環
    状突起(30)を全周に亙り他方の合わせ面に密着して
    構成したことを特徴とする,流体伝動装置用羽根車。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の流体伝動装置用羽根車に
    おいて,前記ロー材阻止手段を,シェル(3s)及びリ
    テーナプレート(3r)の合わせ面の一方に形成した環
    状突起(30)を全周に亙り他方の合わせ面に溶接して
    構成したことを特徴とする,流体伝動装置用羽根車。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の流体伝動装置用羽根車に
    おいて,前記ロー材阻止手段を,シェル(3s)及びリ
    テーナプレート(3r)の合わせ面の少なくとも一方
    に,他方の合わせ面に密着するシール膜(52)を形成
    して構成したことを特徴とする,流体伝動装置用羽根
    車。
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