JP2003148572A - ベルト式無段変速装置 - Google Patents

ベルト式無段変速装置

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JP2003148572A
JP2003148572A JP2001342968A JP2001342968A JP2003148572A JP 2003148572 A JP2003148572 A JP 2003148572A JP 2001342968 A JP2001342968 A JP 2001342968A JP 2001342968 A JP2001342968 A JP 2001342968A JP 2003148572 A JP2003148572 A JP 2003148572A
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split pulley
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Abstract

(57)【要約】 【課題】互いに相対向する一対のプーリ部分の円周方向
の相対的なずれ防止を図り静粛な回転伝達ができ、か
つ、伝動ベルトに接触するプーリ部分の近接、離間操作
及び変速操作連動機構を容易とし、出力側の回転速度の
維持の連結部材位置保持機構等が不要となる、ベルト式
無段変速装置を提供することにある。 【解決手段】一対の支持ケース14内の入力軸19部分
には第1の分割プーリ21と第2の分割プーリ22と
を、出力軸20の部分には第3の分割プーリ23と第4
の分割プーリ24とを配置し、第1の分割プーリ21と
第3の分割プーリ23間に第1のVベルト26を、第2
の分割プーリ22と第4の分割プーリ24間に第2のV
ベルト27を巻掛けてベルト伝動部15を、出力軸20
にはベルト伝動部15と連動する複軸部16と遊星歯車
部17とを配置し、入力軸19の一端部に速度設定部1
8を配置して成るベルト式無段変速装置10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はベルト式無段変速装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種無段変速装置は例えば特開平5−
44802号公報や特開2000−94207号公報に
開示されているものがある。つまり互いに対向して伝動
ベルトに接触する一対のプーリ部分を近接及び離間操作
可能な第1割プーリ及び第2割プーリを、伝動上手側及
び伝動下手側に配置されベルト式の無段変速装置におい
て、第1及び第2割プーリを操作する変速操作連動機構
を備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ベルト式の無段変速装
置において、互いに対向して伝動Vベルトに接触するV
プーリを構成する一対の分割プーリ部分が円周方向に相
対的に位置ずれ防止が施されていないために巻掛けてあ
るVベルトと分割プーリ部分との間の無駄なスリップや
振動騒音等が発生し易く安定した静粛な回転を伝達でき
ない。そして、互いに対向して伝動Vベルトに接触する
一対分割のプーリ部分の近接及び離間操作する変速操作
連動機構は、各分割プーリを支える軸間や、巻掛けられ
ているベルト間の隙間を縫って連結部材を配置し、その
上出力側の回転速度を維持する連結部材の位置保持機構
等が必要となり装置が複雑であつた。
【0004】本発明は、かかる点に鑑みて成されたもの
であり、その目的とするところは、互いに対向して伝動
Vベルトに接触する分割プーリを構成する一対のプーリ
部分の円周方向の相対的なずれ防止を図り安定して静粛
な回転を伝達でき、かつ、互いに対向して伝動Vベルト
に接触する一対のプーリ部分の近接及び離間操作可能
な、変速操作連動機構を容易に操作でき、かつ出力側の
回転速度を維持する連結部材の位置保持機構等が不要と
なる、ベルト式無段変速装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明は一対の支持ケース14に支持される、
入力軸19及び出力軸20を平行に設け、支持ケース1
4内に支持されている入力軸19の部分に第1の分割プ
ーリ21と第2の分割プーリ22とを配設し、支持ケー
ス14内に支持されている出力軸20の部分に嵌合さ
れ、一端に大径部16bを有する中空軸16aと、この
中空軸16aに嵌合された第3の分割プーリ23と第4
の分割プーリ24とよりなる複軸部16を配設し、前記
第1の分割プーリ21と前記第3の分割プーリ23との
間に第1のVベルト26を、前記第2の分割プーリ22
と前記第4の分割プーリ24との間に第2のVベルト2
7を各々巻掛けてなるベルト伝動部15と、出力軸20
に嵌合され、前記複軸部16の第4の分割プーリ24の
ボス部上に一体形成されたかさ歯車(太陽歯車)120
を含み前記ベルト伝動部15と連動する遊星歯車部17
と、前記入力軸19の一端部に配置された速度設定部1
8とより成るベルト式無段変速装置10である。
【0006】第2の発明は、上記第1の発明において、前
記ベルト伝動部15の各分割プーリを構成している相対
向するプーリ部分には、互いに円周方向の位置ずれ防止
構造が施されていることを特徴とするベルト式無段変速
装置である。
【0007】第3の発明は、前記ベルト伝動部におい
て、入力軸19上に隣接して第1の分割プーリ21と第2
の分割プーリ22とを配設し、第1の分割プーリ21は
第1aのプーリ部分21aと第1bのプーリ部分21bと
よりなり、第2の分割プーリ22は第2aのプーリ部分
22aと第2bのプーリ部分22bとよりなり、一端部
に第1bのプーリ部分を形成し、他端部に第2aのプー
リ部分22aを形成する共通ボス部28を前記入力軸1
9に一体的に設け、
【0008】前記入力軸19の軸中心に平行かつ所定距
離に第2bのプーリ部分22bのボス部と、共通ボス部
28と、第1aのプーリ部分21aのボス部とに一対の
通し穴を設け、第2bのプーリ部分22bのボス部の一
対の通し穴22cと、共通ボス部28の一対の通し穴2
8cとに、中心穴を有する段付きカラー29を緩装さ
せ、この段付きカラー29先端部を第1aのプーリ部分
21aのボス部の一対の通し穴21c周縁部に当接さ
せ、第1aのプーリ部分21aのボス部の一対の通し穴
21cから段付きカラー29の中心穴に向けてボルト3
0を貫装させて段付きカラー29の頭部にてナット32
により固定し、この段付きカラー29の首下長さが、初
めに第1の分割プーリ21のプーリ溝先端近傍に第1の
Vベルトを、第2の分割プーリ22のプーリ溝底部近傍
に第2のVベルトを各々巻掛け、
【0009】次に速度設定部18に連動して第1aのプ
ーリ部分21aが下方に移動すると共通ボス部28の穴
28cに緩装してある段付カラ29を介して第2bのプ
ーリ部分22bも下方に移動することにより、第1分割
プーリ21のベルト溝底部に第1のVベルト26が巻掛
けられ、第2分割プーリ22のベルト溝先端部に第2の
Vベルト27が巻掛けらることが可能な、段付きカラー
29の首下長さを有するベルト伝動部15を有すること
を特徴とするベルト式の無段変速装置である。
【0010】第4の発明は、前記速度設定部において、
入力軸19に設けられている第1の分割プーリ21を構
成する第1aのプーリ部分21aのボス部に、横断貫通
する穴を穿設し、この穴に薄型平行ピン36を貫装させ
両端部にてかしめ、この薄型平行ピン36は、入力軸1
9を横断貫通し穿設された長穴35に貫装案内され、更
に入力軸19の下端部から軸心に沿って穿たれた穴38
内に、摺動自在に嵌装された移動ピン37の長手方向の
中央部よりやや上方端寄りに、横断貫通し穿設された長
穴37aをも貫装し、この第1aのプーリ部分21aの
ボス部と、移動ピン37とを薄型平行ピン36により係
合させ、移動ピン37の上下方向の移動に連動して、第
1aのプーリ部分21aと段付カラー29を介して第2
bのプーリ部分22bとを、同時に上下方向に移動可能
とし、
【0011】下方に延在した移動ピン37の下方端部
に、段付部が設けられ、その段付部にスラスト受け円板
78と段付カラー79を挿入し、ねじにて固着し、この
スラスト受け円板78を上下から鋼球84を挟んで上下
対称的にドーナツ型小円板83にて挟持し、スラスト軸
受87を形成し、ドーナツ円盤状の支持部材75の中央
部に設けた凹部にスラスト軸受87を嵌装し、ドーナツ
型押え円板85を介して小ねじ86にて保持し、
【0012】入力軸19の下端部に設けた軸受を支持ケ
ース14に取付ける軸受カバー40の外側面に凸状部5
9を設け、外周部に、ウォーム62と噛合うウォーム歯
車部61aを有し、内周部に、一対の小歯車64と噛合
う内歯車63を有するドーナツ型のウォーム歯車61を
設け、このドーナツ型のウォーム歯車61の側面凹状部
を軸受カバー40の外側面の凸状部59に回動自在に緩
装し、その外側に速度設定カバー68を設け、内歯車6
3と噛合う前記一対の小歯車64の一方の軸端は軸受カ
バー40の外側面の凸状部59に穿たれた一対の穴66
回動自在に支持され、他方の軸は中間部に雄ねじ74を
形成し、ドーナツ円盤状の支持部材75に設けられた一
対の雌ねじに螺合し貫装し、下側軸端部の段付部はブシ
ュ65と一緒に、速度設定部カバー68の下端面部に穿
たれた一対の穴69、69に嵌めこまれて回動自在に支
持され、速度設定カバー68内にドーナツ円盤状の支持
部材75を平行移動可能に支持し、
【0013】ウォーム歯車61と噛合うウォーム62
は、ウォーム取付け部材89により支持ケース14の下
側面と速度設定部カバー68の左側面とに取付けられ、
そしてウォーム62の手前側に延在している軸部62a
に直結され、主軸4の回転数を決定する調整ハンドル1
3が設けられ、この調整ハンドル13を回すことによる
ウォーム歯車61の回転と、ドーナツ円盤状の支持部材
75を平行移動と、移動ピン37の移動とにより、第1
aのプーリ部分21aと段付カラー29を介して第2b
のプーリ部分22bとを、同時に上下同一方向に移動可
能とし、ベルト伝動部15の速度変更可能とすることを
特徴とするベルト式無段変速装置である。
【0014】
【作用】本発明によれば、各分割プーリを構成している
相対向するプーリ部分が、互いに円周方向の位置ずれ防
止が施されているために巻掛けてある各Vベルトと分割
プーリとの間の無駄なスリップや振動等は発生せず静粛
回転を確保できると共にVベルトの損傷も防止でき長寿
命化が図れる。更に速度設定部18がウォーム62とウ
ォーム歯車61との噛合わせを用いているのでいわゆる
ウォームの自動締りの効果が作用して、設定した主軸4
の回転数は、調整ハンドル13を操作して回さない限り
変化することがない。つまり特別の構造や操作を用いな
くとも、簡単な構造と容易な操作で確実な速度設定の維
持が可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0016】図1は、ベルト式無段変速装置10を適用
したボール盤1の左前方斜視図を示す。図2は、図1の
反対側からのベルト式無段変速装置10を適用したボー
ル盤1の右後方斜視図を示す。ボール盤1は、台盤(図
示せず)上に、鉛直方向に伸びる支柱2が設けられてい
る。支柱2の上方にはベルト式無段変速装置10が設け
られている。ベルト式無段変速装置10の後方にモータ
11が、前方にスライダ3が設けられている。スライダ
3の中程には移動レバー5が、下部には主軸4が設けら
れており、主軸4の下端にはドリル7を保持したチャッ
ク6が設けられている。移動レバー5は回動自在に設け
られ、移動レバー5を矢印方向に回動させると、主軸4
がドリル7と共に下向き矢印方向に移動降下する。移動
レバー5の回動を止め、上方に戻せば主軸4、チャック
6及びドリル7は元の位置に保持される。(実際には図
示しない復帰ばね力により自動的に元の位置に復帰する
様になっている。)
【0017】モータ11の回転駆動力は入力ベルト12
9からベルト式無段変速装置10を介して、出力ベルト
130を経て、スライダ3の主軸4に伝達され、この主
軸4の先端のチャック6に保持されたドリル7を回転さ
せ、移動レバー5を矢印方向に回動させて、ドリル7を
下向き矢印方向に移動降下させることにより、被加工部
品(図示せず)に穴あけ加工を施すことができるように
成っている。ベルト式無段変速装置10の入力軸19の
下方部に主軸4の回転数を決定する調整ハンドル13が
設けられている。尚、図1の一点鎖線で示されているの
は回転するプーリとベルトに巻き込まれるのを防止し、
安全を確保するために支持ケース14に止めつけられる
ベルトカバー9である。
【0018】図3は、出力軸20が高速回転状態のベル
ト式無段変速装置10の縦断正面図を、図4は、出力軸
20が低速回転状態のベルト式無段変速装置10の縦断
正面図を夫々示す。ベルト式無段変速装置10は一対の
支持ケース14に支持される、入力軸19及び出力軸2
0を平行に設け、支持ケース14内に支持されている入
力軸19の部分に第1の分割プーリ21と第2の分割プ
ーリ22とを配設し、支持ケース14内に支持されてい
る出力軸20の部分に嵌合され、一端に大径部16bを
有する中空軸16aと、この中空軸16aに嵌合された
第3の分割プーリ23と第4の分割プーリ24とよりな
る複軸部16を配設し、前記第1の分割プーリ21と前
記第3の分割プーリ23との間に第1のVベルト26
を、前記第2の分割プーリ22と前記第4の分割プーリ
24との間に第2のVベルト27を、各々巻掛けてなる
ベルト伝動部15を配設し、出力軸20にキー結合され
た前記複軸部16の第4の分割プーリ24のボス部上に
一体形成されたかさ歯車(太陽歯車)120を含み前記
ベルト伝動部15と連動する遊星歯車部17と、前記入
力軸19の一端部に配置された速度設定部18とより成
ることを特徴とするベルト式無段変速装置10である。
【0019】更に、このベルト式無段変速装置10の構
造について詳述する。図1に示すように、一対の支持ケ
ース内に平行に入力軸19と出力軸20が支持されてい
る。入力軸19の中間部には第1の分割プーリ21は、
第1aのプーリ部分21aと第1bプーリ部分21bと
により成り、第2の分割プーリ22は、第2aのプーリ
部分22aと第2bプーリ部分22bとにより成る。そ
して第1の分割プーリ21の第1bのプーリ部分21b
と、第2の分割プーリ22の第2aのプーリ部分22a
とは共通ボス部28を含めて入力軸19と一体に形成さ
れている。
【0020】そして、第1の分割プーリ21の第1aの
プーリ部分21aのボス部には、入力軸19に平行な一
対の穴21cを設け、第1bのプーリ部分21b及び第
2aのプーリ部分22aとが一体形成されている共通ボ
ス部28にも一対の穴28cを設け、第2bのプーリ部
分22bのボス部にも一対の穴22cを設け、これらの
各穴は一直線上になるように設けられ、これらの穴に貫
通させて共通の一対のボルト30を設け、そしてこのボ
ルト30に各一対の段付カラ29と、皿ばね座金31
と、ナット32とを用いて組み付けられる。この時、一
対の段付カラ29の端部は第1aのプーリ部分の端面
(第1bのプーリ部分21b側端面)に当接して設けら
れている。
【0021】第1の分割プーリ21の第1aのプーリ部
分21aと第1bのプーリ部分21b同士が、同様に第
2の分割プーリ22の第2aのプーリ部分22aと第2
bのプーリ部分22b同士が、相互に円周方向の位置ず
れ防止構造とされている。そのために第1のVベルト2
6と第1の分割プーリ21との間の無駄なスリップや振
動等は発生せず静粛回転を確保でき、かつ第1のVベル
ト26の損傷等が防止できVベルトの長寿命化が図れ
る。同様に第2のVベルト27と第2の分割プーリ22
との間の無駄なスリップや振動等は発生せず静粛回転を
確保でき、かつ第2のVベルト27の損傷等が防止でき
Vベルトの長寿命化が図れる。
【0022】ところで、段付カラー29が貫通している
共通ボス部28に設けられている一対の穴28cの径
と、第2bのプーリ部分22bの一対の穴22cの径と
は、段付カラー29の外径に遊嵌し、摺動自在の寸法関
係となっている。これにより後述する速度設定部18に
より、第1aのプーリ部分21aが互いに対向配置され
た第1bのプーリ部分21bに対し近付いたり遠退いた
りでき、それに連動して第2bのプーリ部分22bを、
第2aのプーリ部分22aに対して、逆に遠退いたり近
付いたりできる構造になっている。
【0023】前記したように第1の分割プーリ21にお
いては、第1aのプーリ部分21aと第1bのプーリ部
分21bとは、ボルト30と共通ボス部28に貫通する
段付カラー29を介して、入力軸19の軸心方向に摺動
自在に、かつ円周方向には位置ずれすることなく構成さ
れている。同様に、第2の分割プーリ22においても、
第2bのプーリ部分21bのボス部と、第2aのプーリ
部分22aとの共通ボス部28とを段付カラー29を介
して双方のボス部を貫通するボルト30により、入力軸
19の軸心方向に摺動自在に、かつ円周方向の位置ずれ
防止を図ってある。それは第2の分割プーリ22におい
て、第2bプーリ部分22bのボス部と入力軸19とは
キー又はスプライン結合33で軸方向に摺動自在となっ
ている。これら第1の分割プーリ21、第2の分割プー
リ22の軸方向の摺動は後述する速度設定部18の操作
と、各々各プーリに巻掛けられている第1のVベルト2
6と、第2のVベルト27との張力に助けられて引起さ
れる。
【0024】ここで入力軸19について述べる。図3に
おいて、一対の支持ケース14内の右上方部において、
入力軸19はその上側端部近傍の段付部に内輪を当接さ
せた2個並列の玉軸受39,39を軸受カバー41に外
輪を保持させて支持ケース14の上面にねじ42で止め
つけて、入力軸19の上端部を回動自在に支持してい
る。同様に入力軸19の下側端部近傍の段付部に、内輪
を当接させた2個並列の玉軸受39、39を軸受カバー
40に外輪を保持させて、下側の支持ケース14の下面
にねじ42で止めつけて、入力軸19の下端部を回動自
在に支持している。
【0025】そして入力軸19において、上側、下側の
2個並列の玉軸受39,39の外側に座金44、皿ばね
座金45、ナット46の順に組み付けられ、夫々2個並
列の玉軸受39,39の内輪を入力軸19に固定してい
る。更に入力軸19は上側先端近傍に設けられているナ
ット46の外側に延在していて、いま一つ別のやや外形
を小さくした段付部を設けてあり、そこに座金48を突
き当てて組込み、更にその外側に重ねて入力プーリ49
と、座金48と、皿ばね座金50と、ナット51とを、
この順に入力軸19の上端部に組付けられ固定されてい
る。入力プーリ49には入力ベルト129を巻掛けてモ
ータ11からの回転駆動力を伝動している。尚,入力プ
ーリ49は図示しないキー結合で入力軸19に固着され
ているものとする。
【0026】次に出力軸20について述べる。図3を参
照して、一対の支持カバー14内の左上方部において、
出力軸20は、支持ケース14に支持されている近傍に
設けた段部100の上側に、2個並列の玉軸受39、3
9を、更に外側に座金44、皿ばね座金45を組込み、
更に端部近傍に設けた雌ねじにナット46を組込み、2
個並列の玉軸受39、39を入力軸19に固着してい
る。そして、この2個並列の玉軸受39、39の一方の
外輪を支持ケース14の上面部に、他方の外輪を軸受カ
バー57に当接させて軸受カバー41を用いて、ばね座
金付ねじ42にて支持ケース14の上面部に、出力軸2
0の上端部を回転自在に支持している。
【0027】同様に支持ケース14内の左下方部におい
て、出力軸20は、下方端近傍に第1の段付部20aを
設け、第1の段付部20aから下方に座金53、2個並
列の玉軸受54、54、更にその外側に座金53、皿ば
ね座金55を組込み、更に軸端部に設けた雌ねじにナッ
ト56を組込み、2個並列の玉軸受54、54を出力軸
20の下方端近傍に固着している。そして、この2個並
列の玉軸受54、54の一方の外輪を支持ケース14の
下面部に、他方の外輪を軸受カバー57に当接させて、
軸受カバー57をばね座金付ねじ42にて支持ケース1
4の下面に回転自在に支持している。
【0028】更に出力軸20は上側先端近傍に設けられ
ているナット46の外側に延在していて、いま一つ別の
やや外径を小さくした段付部を設けてあり、そこに座金
48を突き当てて組込み、更にその外側に重ねて出力プ
ーリ52と、座金48と、皿ばね座金50と、ナット5
1とを、この順に組付け固定されている。出力プーリ5
2には、出力ベルト130を巻掛けて、加工材質に適合
した回転速度に変速して、スライダ3の主軸4に伝動
し、ドリル7を回転駆動させることが出来る。尚,出力
プーリ52は図示しないキー結合で出力軸20に固着さ
れているものとする。
【0029】次に速度設定部18の動作に連動する入力
軸19に設けられている第1の分割プーリ21と第2の
分割プーリ22の関係を説明する。第1の分割プーリ2
1は、第1aのプーリ部分21aと、これに相対向する
第1bのプーリ部分21bとにより構成されており、第
1aのプーリ部分21aと第1bのプーリ部分21bと
は、そのボス部に穿設された入力軸19の軸心方向に平
行な一対の穴に通したボルト30により、円周方向の相
対的な位置ずれは防止されている。
【0030】すなわち、第1aのプーリ部分21aのボ
ス部には、入力軸19の軸心から所定の距離、かつ平行
にボルト30の嵌合し得る一対の穴21cが穿設され、
そして第1bのプーリ部分21bにおいては第2aのプ
ーリ部分22aとの共通ボス部28を形成し、そこに入
力軸19の軸心から所定の距離、かつ平行に段付カラー
29(中心貫通穴にボルト30挿入可能及び頭付き)
が、緩挿し得る一対の穴28cが穿設され、同様に第2
bのプーリ部分22bのボス部には、入力軸19の軸心
から所定の距離、かつ平行に段付カラー29が緩挿し得
る一対の穴22cが穿設され、各一対の穴21cと、2
8cと、22cとの穴中心同士が、この順序で一直線上
に並ぶように成っている。
【0031】ここで第1aのプーリ部分21aのボス部
の穴21cからボルト30を嵌挿させ、第2bのプーリ
部分22bのボス部の穴22cから共通ボス部28の穴
28cへと段付カラー29を緩挿させ、段付カラー29
の端部を前記第1aのプーリ部分21aのボス部の穴2
1c周りに当接させ、前記ボルト30を段付カラー29
の穴に嵌挿させ、段付カラー29の頭部分で皿ばね座金
31とナット32を用いてボルト30にて固着する。段
付カラー29の首下長さは、共通ボス部28の長さと第
2bのプーリ部分22bのボス部の長さとを足した長さ
よりも長く設定されている。この段付カラー29の首下
長さは、第1分割プーリ21のベルト溝先端部に第1の
Vベルト26が巻掛けられ、第2分割プーリ22のベル
ト溝底部に第2のVベルト27が巻掛けられた状態を維
持できる長さであり、または逆に第1分割プーリ21の
ベルト溝底部に第1のVベルト26が巻掛けられ、第2
分割プーリ22のベルト溝先端部に第2のVベルト27
が巻掛けられた状態を維持できる長さでもある。
【0032】そして速度設定部18の動作に連動して第
1aのプーリ部分21aが入力軸19上を図3の状態か
ら図4の状態、すなわち第1aのプーリ部分21aが下
方に移動すると共通ボス部28の穴28cに緩装してあ
る段付カラ29を介して第2bのプーリ部分22bを下
方に移動させる。この時、第1分割プーリ21のベルト
溝底部に第1のVベルト26が巻掛けられ、第2分割プ
ーリ22のベルト溝先端部に第2のVベルト27が巻掛
けられた状態と成る。そして、この逆の状態、すなわち
速度設定部18の動作に連動して第1aのプーリ部分2
1aが入力軸19上を図4の状態から図3の状態に移動
することも可能である。
【0033】次に速度設定部18の説明をする。入力軸
19に設けられている第1の分割プーリ21を構成する
第1aのプーリ部分21aのボス部に、横断貫通する穴
を穿設し、この穴に薄型平行ピン36を貫装させ、更に
この薄型平行ピン36は延設され、入力軸19を横断貫
通し穿設された長穴35をも貫装し、更に入力軸19の
下端部から軸心に沿って穿たれた穴38内に、摺動自在
に嵌装された移動ピン37の長手方向の中央部よりやや
上方端寄りに、横断貫通し穿設された長穴37aをも貫
装し、第1aのプーリ部分21aのボス部の反対側に横
断貫通された穴をも貫装し、この第1aのプーリ部分2
1aのボス部を横断貫通した穴の両端のかしめ部で薄型
平行ピン36の両端部はかしめられ抜け止めを施してあ
る。これにより移動ピン37の上下方向の移動に連動し
て、第1aのプーリ部分21aと段付カラー29を介し
て第2bのプーリ部分22bとを、同時に上下方向に移
動可能とする。このかしめ部では接着やロー付けや溶接
等その他の固定手段で抜け止めを施してよい。ところで
図3の引き出し線36aは薄型平行ピン36の断面形状
を示す。
【0034】さて、図3,図4,図5を参照すると、入
力軸19の下端部を支持ケース14に取付け支持してい
る軸受カバー40の下方外側面には、入力軸19を支持
する下側の2個並列の玉軸受39、39を内側凹部に収
納し、その外側面を凸状部59に形成し、この凸状部5
9の外周面に断面クランク状のリングブシュ60を介し
てウォーム歯車61の側面を凹部として、凸状部59に
回動自在に嵌合している。そして、このウォーム歯車6
1は又ドーナツ型を成し、外周はウォーム62と噛合う
ウォーム歯車部61aを形成し、内周には内歯車63を
形成していて、下記する一対の小歯車64、64と噛合
っている。軸受カバ40の中心部には入力軸19への干
渉防止用穴を設け、内側に2個並列の玉軸受39,39
の外輪部を保持している。その入力軸19への干渉防止
用穴周縁部に対称的に一対の小歯車64、64の上端面
側の軸を穴66にブシュ65を介して配置し、回動自在
に支持され、小歯車64、64は前記内歯車63と互い
に噛合っている。
【0035】更に詳述すれば、前記一対の小歯車64、
64の上下両側面部に軸部を延在して設け、この上下に
延在して設けた軸端部に形成した段付部にブシュ65、
65を設け、一方の上側軸端部は前記のごとくブシュ6
5と一緒に、前記軸受カバー40の凸状部59に穿たれ
た一対の穴66、66に嵌めこまれており、他方の軸は
中間部に雄ねじ74を形成し、ドーナツ円盤状の支持部
材75に設けられた一対の雌ねじに螺合され貫装され、
下側軸端部の段付部はブシュ65と一緒に、速度設定部
カバー68の下端面部に穿たれた一対の穴69、69に
嵌めこまれて回動自在に支持されている。尚、速度設定
部カバー68の下端面部に穿たれた一対の穴69、69
の間の中央部には前記移動ピン37の移動持にその下端
部との干渉防止用に穴70が設けられている。
【0036】そして速度設定部カバー68の左方側面に
はウォーム62と噛合うウォーム歯車61との干渉防止
穴73が設けられている。また速度設定部カバー68の
内部にはリング状凸部71と、そのリング状凸部71に
断面逆L字状ブシュ72を被せて設けて、ウォーム歯車
61の側面凹状部が軸受カバー40の凸状部59から外
れないように、かつ回動自在に速度設定部カバー68を
支持ケース14に、ばね座金付ねじ42で取付けてい
る。図3,図4,図5を参照すると、速度設定カバー6
8を支持ケース14に取付けるばね座金付ねじ42は1
箇所しか図示されていないが実際には複数本で確実に固
定している。
【0037】図5は速度設定部18の下端部拡大図を示
す。図5に基づいて速度設定部18の移動ピン37下端
部近傍を説明する。前記したように入力軸19下端部に
は、軸心に沿って下方端部から穿たれた穴38内に、移
動ピン37が上下方向に摺動自在に嵌装されている。そ
して、前記したように移動ピン37の上方部では入力軸
19の長穴35に貫装し案内され、第2aのプーリ部分
21aのボス部のかしめ部で両端が固着された薄型平行
ピン36が、移動ピン37の長穴37aをも貫装してい
て、移動ピン37の上下方向の移動に連動して、第1a
のプーリ部分21aと段付カラー29を介して第2bの
プーリ部分22bをも、同時に上下方向に移動するので
ある。
【0038】ところで軸受カバー40と速度設定部カバ
ー68とに支持され、内歯車63と噛合っている一対の
小歯車64、64の下側軸部には、各々歯車本体とブシ
ュ65の中間部に雄ねじ74を形成し、この一対の雄ね
じ74がドーナツ円板状の支持部材75を入力軸19の
方向と平行に貫いて設けられた一対の雌ねじ76に噛合
している。すなわち、一対の小歯車64、64によりド
ーナツ円板状の支持部材75を水平に支持し平行移動可
能にしている。
【0039】ドーナツ円板状の支持部材75の中心部に
は、前記入力軸19の下端部から突出延在している前記
移動ピン37との干渉防止用の穴77が設けられてい
る。移動ピン37の下端部近傍に段付部が設けられ、そ
の段付部にスラスト受け円板78と段付カラー79を挿
入し、更に移動ピン37の下方先端部に設けてある雄ね
じに、座金80とナット81を用いて、段付カラー79
を介してスラスト受け円板78を固着している。
【0040】更に図5を参照すると、一対の小歯車64
に水平に支持されている前記ドーナツ円板状の支持部材
75の中央部に設けられている穴77の下面側には、大
径と小径の2段階の座繰りを設け、小径の座繰りにはド
ーナツ型小円板83が、鋼球84を前記移動ピン37に
固着されている前記円板78との間に挟んで設けられて
いる。そして円板78の下面側にも上面側と同様に鋼球
84を挟んでドーナツ型小円板83が設けられている。
そしてこの下側のドーナツ型小円板83の外表面を、更
に別のドーナツ型押さえ円板85が大径の座繰りに小ね
じ86、86にて取付けられている。このようにして、
前記移動ピン37に固着されている円板78を上下から
鋼球84を挟んで上下対称的にドーナツ型小円板83に
て支持してスラスト軸受87を形成している。このスラ
スト軸受87にて上下方向に移動する移動ピン37の下
端部において、その回転力とスラスト荷重とを支承して
いる。
【0041】ところでウォーム62を時計方向又は反時
計方向のいずれかに回転させることにより噛合している
ウォーム歯車61を回転させ、これにより必然的に内歯
車63を回転させ、噛合う一対の小歯車64を時計方向
又は反時計方向いずれかに回転させる。この一対の小歯
車64の回転により、雄ねじ74に嵌合した雌ねじ76
により、ドーナツ円板状の支持部材75を水平状態を保
ったまま、上下方向に移動させることができる。すなわ
ちスラスト軸受87と移動ピン37を介して、入力軸1
9に設けられた長穴35に案内された薄型平行ピン36
を介して第1の分割プーリ21の第1aのプーリ部分2
1aと第2の分割プーリ22の第2bのプーリ部分22
bが上方又は下方のいずれかの方向に移動することとな
る。
【0042】このことは、第1の分割プーリ21を構成
する第1aのプーリ部分21aと第1bのプーリ部分2
1bの間隔を拡大する方向に移動する時には、第2の分
割プーリ22を構成する第2aのプーリ部分22aと第
2bのプーリ部分22bとの間隔を狭める方向に移動す
る。逆に第1の分割プーリ21の間隔を狭める方向に移
動する時には、第2の分割プーリ22の間隔を拡大する
方向に移動することを意味している。
【0043】次に調整ハンドル13の取付構造の一例を
説明する。当然、この調整ハンドル13の構造は種々の
形態が考えられ、本発明は実施形態に限定されるもので
はない。ウォーム歯車61と噛合うウォーム62は、図
示しない軸受等により水平に支持されている。ウォーム
取付け部材89により支持ケース14の下側面と速度設
定部カバー68の左側面とに、ばね座金付ねじ42にて
取付けてある。そしてウォーム62の手前側に延在して
いる軸部62aに直結されて、主軸4の回転数を決定す
る調整ハンドル13が設けてある(図1,図3、図4,
図5参照)。ちなみに調整ハンドル13を図1におい
て、反時計方向に回すと主軸4の回転速度が低下するよ
うに設定しておくものとする。勿論、逆向きの設定でも
よいのである。このようにして調整ハンドル13や移動
ピン37やウォーム61やウォーム歯車等を含んだ速度
設定部18により主軸4の回転速度が選択決定される。
【0044】ところで図3を参照して、複軸部16の構
成を説明する。複軸部16aは遊星歯車部17の太陽歯
車(かさ歯車)120を回転駆動し、これに噛合う遊星
歯車(小かさ歯車)121を自転させると共に、公転さ
せる。さて、出力軸20の支持ケース14内に支持され
ている部分について、上方部には段部100が、下方部
には第1の段付部20aが設けられていて、その中間の
段部100の近くに第2の段付部20bが設けられてい
る。各段部の外径は、段部100>第2の段付部20b>
第1の段付部20a、の関係になっている。
【0045】そこで、出力軸20の支持ケース14内に
支持されている上方部分において、まず、かさ歯車12
7が歯部を下方に向け、ボス部の上端面を出力軸20の
段部100の下端面に当接させ、平行キー128結合に
て回転駆動力を伝動するように組込んである。このボス
部の下端面は出力軸20の第2の段付部20bの下端面
と面一になるように設定されており、この第2の段付部
20bの下面部に座金126を当接させて、更に2個並
列の玉軸受105、105を介して複軸部16の中心部
材を成す中空軸16aが出力軸20に配置されている。
【0046】中空軸16aは出力軸20上で第2の段付
部20bの下面部に座金126を介して下方に延在し、
中空軸16aの上端部には大径部16bが形成され、こ
の大径部16b内に2個並列の玉軸受105、105の
外輪を保持し、その2個並列の玉軸受105、105の
内輪の上端面を、入力軸20の第2の段付部20bの下
端面に座金126を介して当接して中空軸16aが配置
されている。そして中空軸16aの下端部の内径にフラ
ンジ付ブシュ101を嵌合させ、この中空軸16aの下
端部の面に、このフランジ付ブシュ101のフランジ部
上面を当接させている。
【0047】この時、このフランジ付ブシュ101のフ
ランジ部の厚さと、中空軸16aの下端部の面から大径
部16b内の2個並列の玉軸受105、105の外輪の
下端面を保持している面までの長さと、大径部16b内
に保持されている2個並列の玉軸受105、105の内
輪の上端面までの長さと、そして座金126の厚さを加
えた総和の値が、出力軸20の第2の段付部20bから
第1の段付部20aまでの長さの値よりやや小さくなる
ように設定されているものとする。これは後述する中空
軸16aの大径部16bの外周面に取付ける小かさ歯車
(遊星歯車)121の噛合い位置調整のために、図示し
ない挟み金等を利用するのに便利である。
【0048】そして、フランジ付ブシュ101のフラン
ジ部下端面が、出力軸20の第1の段付部20aからの
抜け防止のために、出力軸20の第1の段付部20aに
当接されている座金53が、2個並列の玉軸受54、5
4と、更にその外側に座金53と、皿ばね座金55とを
介してナット56にて出力軸20の下端部に固着保持さ
れている。すなわち中空軸16aは出力軸20上の第2
の段付部20bと第1の段付部20aとの間において、
座金126を介して上端部を2個並列の玉軸受105,
105に、下端部をフランジ付ブシュ101にて回動自
在に支持されているのである。
【0049】中空軸16aは上端部の大径部16aから
下方に外径が3段階に小さくなるように延在していて、
大径部16aに近い3段目と2段目との境界である3段
目の角部を第2段部117と称し、2段目と1段目との
境界である2段目の角部を第1段部107と称す段付形
状をなす。すなわち、その外径の大きさは、3段目の外
径である第2段部117の外径>2段目の外径である第
1段部107となっている。そこで複軸部16を構成す
る部材の組み付けは上方向からされるので、それを説明
する。
【0050】中空軸16a上端部の大径部16bの首下
部(3段目)に、座金115と、1個目のフランジ付ブ
シュ116と、第4bのプーリ部分24bのボス部と、
更に2個目のフランジ付ブシュ116との順に組付けら
れる(上下方向からフランジ付ブシュ116を第4bの
プーリ部分24bのボス部に嵌合させてある。)。ここ
で、中空軸16aの大径部16b下面から第2段部11
7までの長さ(3段目の長さ)は、座金115と、1個
目のフランジ付ブシュ116のフランジ部の厚さと、第
4bのプーリ部分24bのボス部の長さと、更に2個目
のフランジ付ブシュ116のフランジ部の厚さとの各部
材の長さの総和の値よりも大きく(3段目の長さが大き
く)設定されているものとする。このことは、第4bの
プーリ部分24bがそのボス部の上下方向から挿入され
ているフランジ付ブシュ116により中空軸16aの大
径部16bの首下部(3段目)に、回動自在に支持され
ることを意味する。
【0051】そして2個目のフランジ付ブシュ116の
フランジ部の下端面は、中空軸16aの第2段部117
(3段目の角)に当接する座金119を介して、中空軸
16aの第2段部117の近傍に設けられた雌ねじにナ
ット118を嵌めて抜け止め保持されている。(3段目
に接して、3段目と2段目の間に中間の外径をなす中間
段階を形成して、ここに雌ねじを設け、座金119とナ
ット118を嵌めて抜け止め保持してよい)。すなわち
第4bのプーリ部分24bは、中空軸16a上の3段目
に、そのボス部の上端部と下端部において1個目のフラ
ンジ付ブシュ116と2個目のフランジ付ブシュ116
とにて回動自在に支持されているのである。
【0052】第4bのプーリ部分24bが、中空軸16
a上の3段目に座金119を介してナット118により
抜け止め保持されている。そしてこの中空軸16a上の
ナット118を跨ぐようにして、中空軸16aの3段目
と2段目にわたって、第4aのプーリ部分24aが前記
第4bのプーリ部分24bに対向配置されており、第4
bのプーリ部分24bと第4aのプーリ部分24aとに
より第4の分割プーリ24を形成している。
【0053】そして第4bのプーリ部分24bと第4a
のプーリ部分24aとが合わさって第4の分割プーリ2
4を形成し、円周方向の相対的な位置ずれ防止をするた
めに、第4bのプーリ部分24bのボス部の下面側にお
いて、出力軸20の軸心方向に平行にブシュ109を嵌
め込んだ一対の穴部24cを設け、それに対応嵌合する
ように第4aのプーリ部分24aのボス部の上面側に、
一対の突部24dを設けて、夫々一対の穴部24cに一
対の突部24dを相互に挿入し合って、互いに円周方向
にずれないようにしている。そのために第4の分割プー
リ24に巻掛けてある第2のVベルト27と第4の分割
プーリ24との間の無駄なスリップや振動等は発生せず
静粛回転を確保でき、かつ第2のVベルト27の損傷等
が防止できVベルトの長寿命化が図れる。
【0054】中空軸16a上の、ナット118の下方か
ら第1段部107の間(2段目)に、第4の分割プーリ
24を形成する第4aのプーリ部分24aと、第3の分
割プーリ23を形成する第3bのプーリ部分23bが配
置されており、この中空軸16a上の2段目において、
いかなる状態の回転時にも、ナット118が周囲の第4
bのプーリ部分24bのボス部や、第4aのプーリ部分
24aのボス部内径や、第3bのプーリ部分23bのボ
ス部とに、干渉しないような寸法関係を設定されてい
て、回転動作時にナット118に余計な力が加わらない
ように成っている。
【0055】そして第4aのプーリ部分24aは、その
ボス部の上面側で突部24dを、第4bのプーリ部分2
4bの穴24cに支持され、ボス部の下面側は下方に延
在し、この延在した第4bのプーリ部分24bのボス部
において、中空軸16aに設けられている第3bのプー
リ部分23bの上方に延在したボス部の外周面に嵌合配
置された2個並列の玉軸受112、112を保持するよ
うに配置されている。すなわち第4bのプーリ部分24
bのボス部の下面側は、この2個並列の玉軸受112、
112を介して、第3bのプーリ部分23bの上方に延
在したボス部に支持されていて、しかも第4aのプーリ
部分24aと第3bのプーリ部分23bとが互いに回動
自在に設けられている。このようにして第4の分割プー
リ24を構成する第4bのプーリ部分24bと、第4a
のプーリ部分24aとが、中空軸16a上に配置されて
いる。
【0056】そして中空軸16a上には、第4aのプー
リ部分24aの下方に、第3の分割プーリ23を構成す
る第3bのプーリ部分23bを、そのボス部の上下両端
部に嵌合されたブシュ110を介して中空軸16aの外
周(2段目)上を摺動可能に配設されている。
【0057】そして、中空軸16a上のナット118の
下面から第1段部107までの距離の間(2段目の部
分)を、第4aのプーリ部分24aと第3bのプーリ部
分23bとのボス部同士が、2個並列の玉軸受112、
112を介して互いに重なり合って、あたかも一体の状
態で中空軸16a上を軸心方向に摺動可能になってい
る。そして、その移動量は、前記速度設定部18のスラ
スト軸受87と移動ピン37を介して、入力軸19に設
けられた長穴35に案内された薄型平行ピン36により
第1の分割プーリ21の第1aのプーリ部分21aと第
2の分割プーリ22の第2bのプーリ部分22bが上方
又は下方のいずれかの方向に移動する移動量に対応して
いる。
【0058】次に中空軸16a上に配置された、第3の
分割プーリ部分23を構成する第3bのプーリ部分23
bと、第3aのプーリ部分23aとの構造を説明する。
中空軸16aの第1段部107の上方(2段目)にて第
3bのプーリ部分23bを、そのボス部の上下両端部に
嵌合したブシュ110を介して中空軸16aの外周(2
段目)上を摺動可能に組込んであることは前記した。そ
して中空軸16aの下端部近傍外面に第1段部107を
設け、この第1段部107から下方の中空軸16aの下
端部までの区間を第1段目と称す。この第1段目におい
て、第1段部107の下面部に当接し嵌合させて第3a
のプーリ部分23aを上方の第3bのプーリ部分23b
に対向配置させている。
【0059】第3aのプーリ部分23aの下方に延在し
たボス部を中空軸16aの外周面(第1段目)に、平行
キー108結合させて回転駆動力の伝動を可能とし、更
にボス部の下端面に、座金104を介して中空軸16a
の下端部(第1段目の下端部)に設けた雌ねじにナット
103を嵌めて、第3aのプーリ部分23aが中空軸1
6aの軸方向に移動しないように固着している。
【0060】そして第4aのプーリ部分24aが中空軸
16aの下端部において、中空軸16aの第1段部10
7の下端面から中空軸16aの下端面までの長さ(第1
段目の長さ)が、第3aのプーリ部分23aのボス部の
長さと、座金104の厚さと、ナット103の厚さとの
各部材の長さの総和よりも少し大きく設定されているも
のとする。これによりナット103に干渉する部材がな
いので回転時に余計な力が加わらず、ナット103の緩
み防止が図られている。
【0061】しかも第3bのプーリ部分23bと第3a
のプーリ部分23aとが合わさって第3の分割プーリ2
3を形成し、円周方向の相対的な位置ずれ防止をするた
めに、第3bのプーリ部分23bのボス部において出力
軸20の軸心に平行に一対の突部23dを設け、それに
対応嵌合するように第3aのプーリ部分23aのボス部
側にブシュ109を嵌め込んだ一対の穴部23cを設け
て、夫々一対の穴部23cに一対の突部23dを相互に
挿入し合い、互いに円周方向の位置ずれを防止してい
る。そのために第3の分割プーリ23に巻掛けられてい
る第1のVベルト26と第3の分割プーリ23との間の
無駄なスリップや振動等は発生せず静粛回転を確保で
き、かつ第1のVベルト26の損傷等が防止できVベル
トの長寿命化が図られている。
【0062】上述したように、出力軸20に嵌合し回動
自在に設けられた複軸部16は、両端部軸受使用により
出力軸20上を回動自在に支持されてなる中空軸16a
上に、更に軸受使用により中空軸16a上を回動自在に
支持されてなる第4の分割プーリ24と、中空軸16a
上に平行キー108結合にて中空軸16aと一体回転を
なす第3の分割プーリ23とを設けて、形成されてい
る。
【0063】このようにして複軸部16を構成する、中
空軸16a上の第3の分割プーリ23と、前記入力軸1
9上の第1の分割プーリ21との間に第1のVベルト2
6を巻掛けて、モータ11の回転駆動力を中空軸16a
の第3の分割プーリ23を介して、後述する遊星歯車部
17の小かさ歯車(遊星歯車)に公転駆動力を伝動す
る。
【0064】同様にして、中空軸16a上の第4の分割
プーリ24と、前記入力軸19上の第2の分割プーリ2
2との間に第2のVベルト27を巻掛けて、モータ11
の回転駆動力を第4の分割プーリ24の、第4bのプー
リ部分24bのボス部に一体的に形成されているかさ歯
車(太陽歯車)120を介して、後述する遊星歯車部1
7の小かさ歯車(遊星歯車)に噛合い回転伝動するので
ある。
【0065】次に遊星歯車部17の説明をする。まず、
前記した通り、出力軸20の支持ケース14内に支持さ
れている上方部分において、かさ歯車127が歯部を下
方に向け、ボス部の上端面を出力軸20の段部100の
下端面に当接させ、平行キー128結合にて回転駆動力
を伝動するように組込んである。このボス部の下端面は
出力軸20の第2の段付部20bの下端面と面一になる
ように設定されており、この第2の段付部20bの下面
部に座金126を当接させて、更に2個並列の玉軸受1
05、105を介して複軸部16の中心部材を成す中空
軸16aが出力軸20に配置され、
【0066】中空軸16aは出力軸20上で第2の段付
部20bの下面部に座金126を介して下方に延在し、
中空軸16aの上端部には大径部16bが形成され、こ
の大径部16b内に2個並列の玉軸受105、105の
外輪を保持し、その2個並列の玉軸受105、105の
内輪の上端面を、入力軸20の第2の段付部20bの下
端面に座金126を介して当接して中空軸16aが配置
されていることも述べた。
【0067】この前記かさ歯車127に対向配置して、
中空軸16a上端の大径部16bの首下部にフランジ付
ブシュ116をボス部両端面に嵌合させ回動自在に設け
られると共に、この第4bのプーリ部分24bのボス部
上に一体形成され、かつ上向きに歯部を有するかさ歯車
(太陽歯車)120が設けられている。この対向配置さ
れたかさ歯車127と、かさ歯車120とに噛合うよう
に、前記中空軸16a上端部の大径部16b円周上の対
称位置に一対の小かさ歯車(遊星歯車)121が、ブシ
ュ122と、座金123とを介して取付ねじ部材124
により回動自在に枢着されて、遊星歯車部17を構成し
ている。この対向配置されたかさ歯車127と、かさ歯
車120とに噛合う一対の小かさ歯車(遊星歯車)12
1が適正な噛合いを確保するために、第1の段付部20
b又は第2の段付部20a、或いは大径部16b円周上
と小かさ歯車(遊星歯車)121との間に、挟み金を用
いて取付位置調整を図ることが可能である。
【0068】即ち、かさ歯車127は、これに噛合う一
対の小かさ歯車121を挟んで、かさ歯車(太陽歯車)
120に対向する位置に設けられている。かさ歯車12
7のボス部は平行キー128結合で出力軸20に固着さ
れているから、モータ11からの回転駆動力が、第4の
分割プーリ24のボス部上に一体形成されているかさ歯
車(太陽歯車)120の回転駆動力となり、これと噛合
う小かさ歯車(遊星歯車)121の自転駆動力となる。
同時に第3の分割ベルトプーリの回転駆動力が平行ケー
108結合による中空軸16a上端部の大径部16b円
周上の一対の小かさ歯車(遊星歯車)121の公転駆動
力とになり、この公転かつ自転する一対の小かさ歯車
(遊星歯車)121を介して、回転駆動力が増速又は減
速されて出力軸20に伝達され、更に出力プーリ52か
ら出力ベルト130を介して主軸4に伝達されることに
なる。
【0069】図4は、無断変速装置10の縦断正面図で
あると共に、主軸4の回転数を低下させる設定の説明図
でもある。図4に基づいて説明すると、調整ハンドル1
3(図1参照)を反時計方向に回して図3の状態から図
4の状態に設定し、主軸4の回転数を低くするのであ
る。主軸4の回転数をきめる調整ハンドル13はウォー
ム62の前側軸部62aに設けてある(図示せず)。ウ
ォーム歯車61と噛合うウォーム62は、図示しない軸
受等を介して、ウォーム取付け部材89により支持ケー
ス14の下側面及び速度設定部カバー68の左側面と
に、ばね座金付ねじ42にて取付けてある。(調整ハン
ドル13の取付け構造は種々考えられ、ここではその1
例を示し、本発明はこれにより限定されるものではない
ものとする。)
【0070】今、調整ハンドル13を反時計方向に回す
ことにより、ウォーム62を反時計方向に回転させるこ
とになる。この時、図4においてウォーム62に噛合す
るウォーム歯車61を下方から見て時計方向に回転させ
るように設けられているものとする。それによりウォー
ム歯車61と一体形成されている内歯車63の回転が、
下方から見て時計方向となり、これに噛合う一対の小歯
車64も下方から見て時計方向に回転する。この結果小
歯車64に一体形成されている雄ねじ74に嵌合支持さ
れている支持部材75の雌ねじ76を下方向に移動させ
ることができる。即ち一対の小歯車64の下方から見て
時計方向回転は支持部材75を下方に平行移動させるこ
とになる。支持部材75を下方に平行移動させること
は、スラスト軸受87と移動ピン37を介して、長穴3
5に遊貫案内された薄型平行ピン36を介して第1aの
プーリ部分21aと第2bのプーリ部分22bとを下方
向に移動することになる。
【0071】これにより第1aのプーリ部分21aと第
1bのプーリ部分21bとの間隔が開き、第1の分割プ
ーリ21に巻掛けられている第1のVベルト26はその
張力により第1の分割プーリ21のプーリ溝部の底面側
に近い所で保持される。即ち第1のVベルト26は第1
の分割プーリ21のプーリ溝部の底面側に近い比較的小
さいピッチ円半径R1に保持される。同様に第2bのプ
ーリ部分22bと第2aのプーリ部分22aとの間隔が
狭まり、第2の分割プーリ22に巻掛けられている第2
のVベルト27が第2の分割プーリ22のプーリ溝部の
先端面側に近い所で保持される。即ち第2のVベルト2
7は第2の分割プーリ22のプーリ溝部の先端面側に近
い比較的大きいピッチ円半径R2に保持される。
【0072】第1aのプーリ部分21aと第2bのプー
リ部分22bが下方に移動するに従って、この時、各々
回転する第1、第2のVベルト26,27の張力によ
り、第3bのプーリ部分23bと第3aのプーリ部分2
3aとの間隔が狭まり、第4aのプーリ部分24aと第
4bのプーリ部分24bとの間隔が開く。これにより第
1のVベルト26が第3の分割プーリ23のプーリ溝部
の先端面側に近い所で保持される。即ち、第1のVベル
ト26が第3の分割プーリ23の比較的大きいピッチ円
半径R3で保持される。同様に第2のVベルト27が第
4の分割プーリ24のプーリ溝部の底面側に近い所で保
持される。即ち、第2のVベルト27は第4の分割プー
リ24のプーリ溝部の底面側に近い比較的小さいピッチ
円半径R4に保持される。このようにして図4に示すよ
うな主軸4の回転数を低下させる状態の設定が完了す
る。
【0073】次に、具体的な数値を当てはめてみること
とする。まず、入力軸19の回転数をN1、複軸部16
における中空軸16aの回転数をN2(第3の分割りプ
ーリ23の回転数も、遊星歯車(小かさ歯車)121の
公転数もN2に同じとなる。)とし、太陽歯車(かさ歯
車)120の回転数をN3(第4の分割プーリ24の回
転数もN3に同じとなる。)とし、遊星歯車121の公
転数N2と太陽歯車120の回転数N3との、差の回転
数をN4(=N2−N3)とすると、その時の出力軸2
0の回転数Nは、N2+N4となる。
【0074】図3の状態で、第1のVベルト26が巻掛
けられている第1の分割プーリ21と、第3の分割りプ
ーリ23との各々のピッチ円半径をR1、R3とし、第
2のVベルト27が巻張されている第2の割プーリ22
と、第4の割りプーリ24との各々のピッチ円半径をR
2、R4とする。中空軸16aの回転数N2は、(=遊
星歯車121の公転数に同じ)=N1*R1/R2であ
り、太陽歯車120の回転数N3は、(=第4の分割プ
ーリ24の回転数に同じ)=N1*R2/R4となる。
【0075】主軸14の高速回転としての図3の状態
で、具体的な数値として、例えばモータ11からの入力
を、入力ベルト129を通して入力軸19の1分間の回
転数N1=1800rpmとし、第1のVベルト26が
巻掛けられている第1の分割プーリ21と、第2のVベ
ルト27が巻掛けられている第2の分割プーリ22との
ピッチ円径を、各々102φ(ピッチ円半径R1=5
1)と、75φ(ピッチ円半径R2=37.5)とす
る。同様に、第1のVベルト26が巻掛けられている第
3の分割プーリ23と、第2のVベルト27が巻掛けら
れている第4の分割プーリ24とのピッチ円径を、各々
75φ(ピッチ円半径R3=37.5)と、102φ
(ピッチ円半径R4=51)とする。この時、複軸部1
6における中空軸16aの回転数N2(=遊星歯車12
1の公転数)=N1*R1/R2=2448rpmとな
り、太陽歯車120の回転数をN3(=第4の分割プー
リ24の回転数)=N1*R2/R4=1323rpm
となる。遊星歯車121の公転数N2と太陽歯車120
の回転数N3との、差の回転数N4=(N2−N3)=
1125rpmとなり、その時の出力軸20の回転数N
は、N2+N4=3573rpmとなる。この回転駆動
力が出力ベルト130を介して主軸4に伝達される。
【0076】次に主軸14の低速回転としての図4の状
態で、具体的数値として、例えばモータ11からの入力
を、入力ベルト129を通して入力軸19の1分間の回
転数N1=1800rpmとし、第1のVベルト26が
巻掛けられている第1の分割プーリ21と、第2のVベ
ルト27が巻掛けられている第2の分割プーリ22との
ピッチ円径を、各々75φ(ピッチ円半径R1=37.
5)と、102φ(ピッチ円半径R2=51)とする。
同様に、第1のVベルト26が巻掛けられている第3の
分割プーリ23と、第2のVベルト27が巻掛けられて
いる第4の分割プーリ24とのピッチ円径を、各々10
2φ(ピッチ円半径R3=51)と、75φ(ピッチ円
半径R4=37.5)とする。この時、複軸部16にお
ける中空軸16aの回転数N2(=遊星歯車121の公
転数)=N1*R1/R2=1323rpmとなり、太
陽歯車120の回転数をN3(=第4の分割プーリ24
の回転数)=N1*R2/R4=2448rpmとな
る。遊星歯車121の公転数N2と太陽歯車120の回
転数N3との、差の回転数N4=(N2−N3)=―1
125rpmとなり、その時の出力軸20の回転数N
は、N2+N4=198rpmとなる。
【0077】この時、出力ベルト130の巻掛けられて
いる出力軸20のベルトプーリと主軸4のベルトプーリ
とは同じ大きさとすると、前記したように出力軸20の
回転数は198rpm〜3753rpmという広い範囲
の回転数の設定が可能である。しかも、速度設定部18
がウォーム62とウォーム歯車61との噛合わせを用い
ているのでウォームの自動締りの効果が作用して、設定
した主軸14の回転数は、調整ハンドル13を操作して
回さない限り変化することがない。つまり特別の構造や
操作を用いなくても、簡単な構造と容易な操作で確実な
速度設定の維持が可能である。
【0078】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、各分割
プーリを構成している相対向するプーリ部分が、互いに
円周方向の位置ずれ防止を施されているために巻掛けら
れている各Vベルトと各分割プーリとの間の無駄なスリ
ップや振動等は発生せず静粛回転を確保でき、かつ各V
ベルトの損傷等が防止できVベルトの長寿命化が図られ
る。更に速度設定部がウォームとウォーム歯車との噛合
わせを用いているのでウォームの自動締りの効果が作用
して、設定した主軸の回転数は、調整ハンドルを操作し
て回さない限り変化することがない。つまり特別の構造
や操作を用いなくても、簡単な構造と容易な操作で確実
な速度設定の維持が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベルト式無段変速装置を適用したボール盤の左
前方斜視図を示す。
【図2】ベルト式無段変速装置を適用したボール盤の右
後方斜視図を示す。
【図3】出力軸が高速回転状態のベルト式無段変速装置
の縦断正面を示す。
【図4】出力軸が低速回転状態のベルト式無段変速装置
の縦断正面を示す。
【図5】速度設定部の下端部拡大図を示す。
【符号の説明】
1…ボール盤、4…主軸、10…無断変速装置、11…
モータ、13…調整ハンドル、15…ベルト伝動部、1
6…複軸部、16a…中空軸、17…遊星歯車部、18
…速度設定部、19…入力軸、20…出力軸、21…第
1の分割プーリ、22…第2の分割プーリ、23…第3
の分割プーリ、24…第4の分割プーリ、26、27…
Vベルト、29…段付カラー、30…ボルト、61…ウ
ォーム歯車、62…ウォーム、63…内歯車、64…小
歯車、120…かさ歯車(太陽歯車)、121…小かさ
歯車(遊星歯車)、127…かさ歯車、129…入力ベ
ルト、130…出力ベルト。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の支持ケースに支持される、入力軸及
    び出力軸を平行に設け、支持ケース内に支持されている
    入力軸の部分に第1の分割プーリと第2の分割プーリと
    を配設し、前記支持ケース内に支持されている出力軸の
    部分に嵌合され、一端に大径部を有する中空軸と、この
    中空軸に嵌合された第3の分割プーリと第4の分割プー
    リとよりなる複軸部を配設し、前記第1の分割プーリと
    前記第3の分割プーリとの間に第1のVベルトを、前記
    第2の分割プーリと前記第4の分割プーリとの間に第2
    のVベルトを各々巻掛けてなるベルト伝動部と、出力軸
    に嵌合され、前記複軸部の第4の分割プーリのボス部上
    に一体形成されたかさ歯車を含み前記ベルト伝動部と連
    動する遊星歯車部と、前記入力軸の一端部に配置された
    速度設定部とより成ることを特徴とするベルト式無段変
    速装置。
  2. 【請求項2】前記ベルト伝動部の分割プーリを構成する
    相対向するプーリ部分には、互いに円周方向の位置ずれ
    防止構造が施されていることを特徴とする請求項1記載
    のベルト式無段変速装置。
  3. 【請求項3】前記ベルト伝動部において、入力軸上に隣
    接して第1の分割プーリと第2の分割プーリとを配設し、
    第1の分割プーリは第1aのプーリ部分と第1bのプーリ
    部分とよりなり、第2の分割プーリは第2aのプーリ部
    分と第2bのプーリ部分とよりなり、一端部に第1bの
    プーリ部分を形成し、他端部に第2aのプーリ部分を形
    成する共通ボス部を前記入力軸に一体に設け、前記入力
    軸の軸中心に平行かつ所定距離に第2bのプーリ部分の
    ボス部と、共通ボス部と、第1aのプーリ部分のボス部
    とに一対の通し穴を設け、第2bのプーリ部分のボス部
    の一対の通し穴と、共通ボス部の一対の通し穴とに、中
    心穴を有する段付きカラーを緩装させ、この段付きカラ
    ー先端部を第1aのプーリ部分のボス部の一対の通し穴
    周縁部に当接させ、第1aのプーリ部分のボス部の一対
    の通し穴から段付きカラーの中心穴に向けボルトを貫装
    させて段付きカラーの頭部にてナットにより固定し、こ
    の段付きカラーの首下長さが、初めに第1の分割プーリ
    のプーリ溝先端近傍に第1のVベルトを、第2の分割プ
    ーリのプーリ溝底部近傍に第2のVベルトを各々巻掛
    け、次に速度設定部に連動して第1aのプーリ部分が下
    方に移動すると共通ボス部の穴に緩装してある段付カラ
    ーを介して第2bのプーリ部分も下方に移動することに
    より、第1分割プーリのベルト溝底部に第1のVベルト
    が巻掛けられ、第2分割プーリのベルト溝先端部に第2
    のVベルトが巻掛けらることが可能な、段付きカラーの
    首下長さを有するベルト伝動部であることを特徴とする
    請求項1、2に記載のベルト式無段変速装置。
  4. 【請求項4】前記速度設定部において、入力軸に設けら
    れている第1の分割プーリを構成する第1aのプーリ部
    分のボス部に、横断貫通する穴を穿設し、この穴に薄型
    平行ピンを貫装させ両端部にてかしめ、この薄型平行ピ
    ンは、入力軸を横断貫通し穿設された長穴に貫装案内さ
    れ、更に入力軸の下端部から軸心に沿って穿たれた穴内
    に、摺動自在に嵌装された移動ピンの長手方向の中央部
    よりやや上方端寄りに、横断貫通し穿設された長穴をも
    貫装し、この第1aのプーリ部分のボス部と、移動ピン
    とを薄型平行ピンにより係合させ、移動ピンの上下方向
    の移動に連動して、第1aのプーリ部分と段付カラーを
    介して第2bのプーリ部分とを、同時に上下方向に移動
    可能とし、下方に延在した移動ピンの下方端部に、段付
    部が設けられ、その段付部にスラスト受け円板と段付カ
    ラーを挿入し、ねじにて固着し、このスラスト受け円板
    を上下から鋼球を挟んで上下対称的にドーナツ型小円板
    にて挟持し、スラスト軸受を形成し、ドーナツ円盤状の
    支持部材の中央部に設けた凹部にスラスト軸受を嵌装
    し、ドーナツ型押え円板を介して小ねじにて保持し、入
    力軸の下端部に設けた軸受を支持ケースに取付ける軸受
    カバーの外側面に凸状部を設け、外周部に、ウォームと
    噛合うウォーム歯車部を、内周部に、一対の小歯車と噛
    合う内歯車を有するドーナツ型のウォーム歯車を設け、
    このドーナツ型のウォーム歯車の側面凹状部を軸受カバ
    ーの外側面の凸状部に回動自在に緩装し、その外側に速
    度設定カバーを設け、内歯車と噛合う前記一対の小歯車
    の一方の軸端は軸受カバーの外側面の凸状部に穿たれた
    一対の穴に回動自在に支持され、他方の軸は中間部に雄
    ねじを形成し、ドーナツ円盤状の支持部材に設けられた
    一対の雌ねじに螺合し貫装し、下側軸端部の段付部は、
    速度設定部カバーの下端面部に穿たれた一対の穴、に回
    動自在に支持され、速度設定カバー内にドーナツ円盤状
    の支持部材を平行移動可能に支持し、ウォーム歯車と噛
    合うウォームは、ウォーム取付け部材により支持ケース
    の下側面と速度設定部カバーの側面とに取付けられ、ウ
    ォームの手前側に延在している軸部に直結され、主軸の
    回転数を決定する調整ハンドルが設けられ、この調整ハ
    ンドルを回すことによるウォーム歯車の回転と、ドーナ
    ツ円盤状の支持部材を平行移動と、移動ピンの移動とに
    より、第1aのプーリ部分と段付カラーを介して第2b
    のプーリ部分とを、同時に同一方向に移動可能とし、ベ
    ルト伝動部の速度変更可能とすることを特徴とする請求
    項1乃至3記載のベルト式無段変速装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113732772B (zh) * 2021-09-27 2024-05-10 滕州市成海机床有限公司 一种对称式双主轴龙门加工中心

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CN113732772A (zh) * 2021-09-27 2021-12-03 滕州市成海机床有限公司 一种对称式双主轴龙门加工中心
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