JP2003148239A - 燃焼室断熱型エンジン、排気ガス利用型エンジン及び高圧噴射体 - Google Patents

燃焼室断熱型エンジン、排気ガス利用型エンジン及び高圧噴射体

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JP2003148239A
JP2003148239A JP2002042459A JP2002042459A JP2003148239A JP 2003148239 A JP2003148239 A JP 2003148239A JP 2002042459 A JP2002042459 A JP 2002042459A JP 2002042459 A JP2002042459 A JP 2002042459A JP 2003148239 A JP2003148239 A JP 2003148239A
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combustion chamber
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、燃焼室の熱が外部に伝導さ
れるのを防止して熱効率を向上できる燃焼室断熱型エン
ジン、排気ガスを燃焼ガスとして利用できる排気ガス利
用型エンジン、及び高温でも駆動エンジンが耐えられる
ようにして高圧噴射体を提供する。 【解決手段】 燃焼室断熱型エンジンは、シリンダー内
壁面を覆う断熱部材を有するシリンダーと、シリンダー
ヘッド内壁面を覆う断熱部材を有するシリンダーヘッド
と、バルブヘッド面を覆う断熱部材を有する吸入バルブ
及び排気バルブと、ピストンヘッド面を覆う断熱部材、
該断熱部材の外周縁から垂下して少なくとも前記ピスト
ンの作動行程よりは長い距離で外壁面を覆う断熱部材、
及び該断熱部材よりも下方の外壁面に設けられるシリン
ダー密封手段を有するピストンとを備えている。また、
排気ガス利用型エンジンは、排気ガスを出力に変換する
補助シリンダーを備えている。また、高圧噴射体は、燃
焼室断熱型エンジンを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼室が断熱構造
になった燃焼室断熱型エンジン、排出エネルギーを利用
した排気ガス利用型エンジン、及びこれらのエンジンが
装着された高圧噴射体に関するものであり、より詳細に
はエンジンの燃焼室を構成する部品の内壁を例えばセラ
ミックス材質等の断熱部材とし、燃焼室の内部の熱損失
を最大限に防止することによって燃焼効率を向上させ、
また、廃棄される排気ガスの圧力をエンジンの出力とし
て利用し、これらのエンジンを高圧噴射体の駆動源とし
て使用することである。
【0002】
【従来の技術】最近、ディーゼルエンジンやガソリンエ
ンジンのピストン、シリンダー等の燃焼室を構成する材
料に耐熱性に優れたセラミックスを使用してエンジンの
冷却なしに運転することができるようにしたターボコン
パウンド(turbo compound)エンジンが開発されている。
前記のようなエンジンは燃焼室の内での熱損失が減って
排気エネルギーが増加し、その高温度の排気ガスが有し
ているエネルギーを回生させてスーパーチャージャー(s
upercharger)を駆動させるだけでなく、エンジンの出力
にも利用するものである。
【0003】前記のように、エンジンの無冷却運転を行
ったときには、エンジン冷却用のファンやポンプを動か
す動力が不必要になって熱効率が高まる反面、エンジン
の各部位、特にピストンとシリンダーが高温になって潤
滑問題を解決できないという決定的な短所がある。
【0004】一方、一般的なエンジンの場合、エンジン
の駆動により生じる排気ガスは利用されずにその大部分
は大気中にそのまま排出されるためにエネルギーが浪費
され、排気ガスに含まれる炭化物や窒化物によって大気
が汚染されて環境問題を誘発するという問題がある。ま
た、本出願人は高速圧縮の推進装置という名称で米国特
許出願第09/621,282号を提案した。前記米国特
許出願は駆動エンジンの廃熱と排気熱を利用して駆動エ
ンジンの排出部の内部空間を高温雰囲気に維持すること
により、吸入口から排出口に高速で移送される外部空気
をさらに膨脹させ、吸入口より小さい直径の排出口を通
じて高い圧力で排出することによって強い推進力を得る
ようにしたものである。
【0005】しかし、前記米国特許出願に係る駆動エン
ジンを稼動したときには、装置の内部温度が極度に高く
なるために駆動エンジンが高温に耐えられなくなるとい
う問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような
問題点を解決するために案出されたものであり、本発明
の目的は、エンジン(内燃機関)の燃焼室のシリンダー等
の部品を断熱構造とすることにより燃焼室の熱が外部に
伝導されるのを防止して熱効率を向上させることにあ
る。
【0007】本発明の他の目的は、エンジン(内燃機関)
の燃焼室のシリンダー等の部品を断熱構造とすることに
より燃焼室の熱が外部に伝導されるのを防止してエンジ
ンの冷却を不要にするか、または最小限の冷却、または
空冷式の採用を可能にすることにある。
【0008】本発明の他の目的は、エンジンの排気側に
排気される燃焼ガスによって作動する補助シリンダーを
具備して廃棄されるエネルギーを有効利用することにあ
る。
【0009】本発明のまた他の目的は、断熱構造となっ
たエンジンを使用し、そのエンジンから排出される排気
ガスの温度及び圧力を上昇させて排出されるエネルギー
を最大限にリサイクルすることにある。
【0010】本発明のまた他の目的は、補助シリンダー
をさらに具備することによってエンジンから生成される
燃焼ガスが滞留する時間を2倍若しくはそれ以上に増や
して排気ガスの不完全燃焼を除去し、大気汚染の発生を
抑制することにある。
【0011】本発明のまた他の目的は、前記断熱構造と
されたエンジンを高圧噴射体の駆動エンジンとして使用
し、高温でも駆動エンジンが耐えられるようにして高圧
噴射体の性能を向上させるようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエンジン
は、少なくともピストンの作動行程より長く形成されて
該作動行程域に対応するシリンダー内壁面を覆う断熱部
材を有するシリンダーと、シリンダーヘッド内壁面を覆
う断熱部材を有するシリンダーヘッドと、バルブヘッド
面を覆う断熱部材を有する吸入バルブ及び排気バルブ
と、ピストンヘッド面を覆う断熱部材、該断熱部材の外
周縁から垂下して少なくとも前記ピストンの作動行程よ
り長い距離にわたって外壁面を覆う断熱部材、及び該断
熱部材よりも下方の外壁面に設けられるシリンダーとの
間をシールする密封手段を有するピストンとを備えるこ
とにより燃焼室が断熱構造として構成されたことを特徴
とするものである。
【0013】また、前記断熱部材は断熱材料を層状に形
成して構成されるのが好ましい。
【0014】また、前記断熱部材はセラミックスで構成
されるのが好ましい。
【0015】また、前記断熱部材はセラミック焼結体ま
たはセラミックコーティング層またはこれらの組み合わ
せにより構成されるのが好ましい。
【0016】また、前記エンジンは2サイクルエンジン
及び4サイクルエンジンの両方に適用されるものである
のが好ましい。
【0017】また、前記シリンダーの内壁面を覆う前記
断熱部材と前記ピストンの外壁面を覆う前記断熱部材と
の間に隙間を形成してこれらの前記断熱部材同士を非接
触状態で前記ピストンを往復運動させるのが好ましい。
【0018】排気ガス利用型エンジンは、4サイクルエ
ンジンにおいて、第1のピストンと、該第1のピストン
が装着された第1のシリンダーと、第2のピストンと、
該第2のピストンが装着された第2のシリンダーと、前
記第1及び第2のシリンダーと隣接した補助シリンダー
と、該補助シリンダーに装着された補助ピストンと、前
記第1及び第2のピストン及び前記補助ピストンがコネ
クティングロッドを介して結合されているクランクシャ
フトと、前記第1のシリンダー及び前記第2のシリンダ
ーの各排気ポートと前記補助シリンダーの吸入ポートと
が連通され、かつ、前記各ポートに吸入バルブ又は排気
バルブが設けられたシリンダーヘッドとを備えたことを
特徴とする。
【0019】また、前記第1及び第2のシリンダー、前
記補助シリンダー、前記第1及び第2のピストン、前記
補助ピストン、前記吸入バルブ及び前記排気バルブによ
り構成される燃焼室の各々を、上述のように断熱構造と
するのが好ましい。
【0020】また、前記補助シリンダーの断面積が第1
及び第2のシリンダーの各断面積より大きくなるように
設定するのが好ましい。
【0021】また、前記補助ピストン及び第1及び第2
のピストンの死点位置が上下逆になるように設定するの
が好ましい。
【0022】また、2気筒の第1及び第2のシリンダー
と1気筒の補助シリンダーとを1の気筒セットとし、該
気筒セットが1又は2以上となるように構成するのが好
ましい。
【0023】また、前記第1のシリンダー及び前記第2
のシリンダーの各排気バルブと補助シリンダーの吸入バ
ルブとを連結して一体化するのが好ましい。
【0024】また、前記第1のシリンダー及び第2のシ
リンダーの各排気バルブと補助シリンダーの吸入バルブ
と連結して一体的に動作させるのが好ましい。
【0025】高圧噴射体は、一端側に吸引口を有する円
筒形の外カバー本体の他端側に、気体排出方向に行くほ
ど口径が小さくなったテーパ形の排出部を具備して成る
外カバーと、前記外カバーの排出部内の中心軸上に位置
し、支持台によって支持される上述のような燃焼室断熱
型エンジンと、前記外カバーの外カバー本体内に延設さ
れ、前記排出部に近づくほど直径が大きくなるように形
成された前記エンジンの駆動軸と、前記駆動軸に一定間
隔で取り付けられたプロペラと、前記プロペラの前後に
放射状に装着された固定翼とを備え、前記プロペラの回
転により前記吸引口から吸引される気流の圧力を段階的
に増大させたのちに該気体を前記排出部に到達させ、前
記エンジンの排気熱により前記気体の圧力をさらに上昇
させて前記排出部から噴射させるように構成したことを
特徴とする。
【0026】また、前記燃焼室断熱型エンジンは、上述
のような排気ガス利用型エンジンであることが好まし
い。
【0027】また、前記燃焼室断熱型エンジンの排気口
を前記排出部に向けるのが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
が属する技術分野で通常の知識を有した者が容易に実施
することができるように、本発明の望ましい実施形態を
詳細に説明する。
【0029】図1は本発明によって燃焼室を構成する部
品が断熱構造となったエンジンの一部を示す縦断面図で
あり、図2は本発明によって排気ガスを活用する4サイ
クルエンジンの一部を示す部分断面図であり、図3は本
発明による高圧噴射体の断面図である。
【0030】図1においては1個のシリンダーを例示し
ているが、シリンダーの数が2個又は4個又は6個又は
それ以上であっても良い。また、説明と図示の便宜のた
めに本発明のシリンダーはブロックの形態を有するもの
として表現している。また、本発明においては主に4サ
イクルエンジンに対して説明するが、2サイクルエンジ
ンにも適用できる。
【0031】図1において、シリンダー10は通常のエ
ンジンに使用される中空の円筒状の形状であり、シリン
ダー10の内壁面は少なくとも作動行程Lよりも長くな
った円筒状の断熱部材12により被覆され、シリンダー
10の上部に位置するシリンダーヘッド14の下面全体
は断熱部材12で被覆され、吸入ポート16と排気ポー
ト18を開閉する吸入バルブ20と排気バルブ22の下
面も断熱部材12で被覆されている。
【0032】シリンダー10内に装着されるピストン2
4はヘッド部分が長く延び、上面と外壁面は、作動行程
Lよりも長くなった上端閉塞した円筒状の断熱部材12
により被覆されている。該断熱部材12よりも下方のピ
ストン24の外壁面には、シリンダー10と接触してシ
リンダー10を密封する密封手段であるピストンリング
26が装着されており、ピストン24にはコネクティン
グロッド28がピン30によって結合される。
【0033】断熱部材12は断熱材料を層状にして形成
され、金属材質であるエンジンの構成部品であるシリン
ダー10等に耐熱性接着剤にて接着されている。
【0034】断熱材料としては、例えばセラミックスが
採用され、また、断熱部材12の厚み寸法は要求される
断熱性能に応じて適宜選定されるのが望ましい。
【0035】前記セラミックスはセラミック焼結体また
はセラミックコーティング層またはこれらの組み合わせ
により構成することが望ましい。
【0036】燃焼室の上側には点火プラグまたは噴射ノ
ズルが装着されている。
【0037】このように断熱構造となったエンジンは、
ガソリンエンジン及びディーゼルエンジンにすべてに使
用できるものであるが、ディーゼルエンジンに適用する
ことがさらに望ましい。
【0038】シリンダー10の内壁面を被覆する断熱部
材12とピストン24の外壁面を被覆する断熱部材12
との間には隙間が形成され、ピストン24の往復運動時
にもシリンダー10とピストン24とは相互に接触せ
ず、金属材質であるシリンダー10の下部の断熱部材1
2の非被覆部分の内周面とピストン24の外壁面に装着
されるピストンリング26とが接触するように設定され
ている。
【0039】上述のように、燃焼室の内壁面全面が断熱
部材12で覆われて燃焼熱が外部にほとんど放出されな
いので、燃焼室の熱損失を最大限に防止してエンジン自
体の熱効率を向上させることができる反面、ピストン2
4とシリンダー10の摩擦部分には燃焼熱が伝わらない
ので、ピストン24とシリンダー10の摩擦部分の潤滑
において問題が発生せず、セラミックスエンジンの根本
的な問題が解決される。
【0040】図2は、燃焼室から排気される燃焼ガスを
利用して出力を発生させる排気ガス利用型エンジンを示
している。
【0041】排気ガス利用型エンジンは4サイクルエン
ジンであって、第1のピストン40と、前記第1のピス
トン40が装着された第1のシリンダー42と、第2の
ピストン44と、前記第2のピストン44が装着された
第2のシリンダー46と、前記第1及び第2のシリンダ
ー42,46と隣接して位置した補助シリンダー48
と、該補助シリンダー48に装着された補助ピストン5
0と、前記第1及び第2のピストン40,44及び補助
ピストン50がコネクティングロッド52を介して結合
されるクランクシャフト54と、第1のシリンダー42
の排気ポート56及び第2のシリンダー46の排気ポー
ト58が各々補助シリンダー48の吸入ポート60と連
通し、それぞれのポートに吸入又は排気のバルブ62,
64が設けられているシリンダーヘッド70とを備えて
いる。
【0042】図2において、第1のシリンダー42の排
気行程及び第2のシリンダー46の圧縮行程がほぼ完了
したときには、第2のシリンダー46の吸入及び排気バ
ルブ64,62及び第2のシリンダー46と連通する補
助シリンダー48の吸入バルブ62は閉じ、第1のシリ
ンダー42の排気バルブ64及び補助シリンダー48の
吸入バルブ62は開くことにより、第1のシリンダー4
2から膨脹した排気ガス(燃焼ガス)は前記補助シリンダ
ー48に入っていった後、再び膨脹しててエンジンの出
力でリサイクルされるものである。
【0043】第1のシリンダー42が圧縮行程に変わっ
て、第2のシリンダー46が排気行程に変わると、第2
のシリンダー46から燃焼ガスが前記補助シリンダー4
8に入っていき前記したようにエンジンの出力でリサイ
クルされる。また、前記第1のシリンダー42が吸入行
程を完了する時点に変わって、前記第2のシリンダー4
6が爆発行程を完了する時点に変わると、前記補助シリ
ンダー48の排気バルブ64が開いて、再膨脹をして圧
力と温度が低くなった排気ガスが外部に排出されるため
に騒音も少なくなって、燃焼ガスがシリンダー内に長時
間の間に留まりながら十分に燃焼されるために不完全燃
焼による大気汚染も減少するようになるものである。
【0044】また、第1及び第2のシリンダー42,4
6、補助シリンダー48、第1及び第2のピストン4
0,44、補助ピストン50、吸入バルブ62及び排気
バルブ64は上述のように断熱部材で被覆されて燃焼室
は断熱構造であり、燃焼熱は該燃焼室の外部にはほとん
ど放出されないので、燃焼室の内部の熱損失を最大限に
抑えた状態でもう一度排気ガスを膨脹させることができ
てエンジン出力を向上させることができる。
【0045】図2において、補助シリンダー48の断面
積は第1及び第2のシリンダー42,46の断面積より
も大きくするのが望ましく、これにより第1及び第2の
シリンダー42,46で一度膨脹して圧力が低くなった
排気ガスが補助シリンダー48に入っていっても充分な
出力を得ることができる。
【0046】また、前記補助ピストン及び第1及び第2
のピストンの死点位置は上下逆になるように設定され、
例えば補助ピストン50が下死点にあるときは、第1及
び第2のピストン40,44は上死点に位置する。
【0047】図2のように2気筒の主シリンダー42,
46と1気筒の補助シリンダー48とで1セットとなっ
たエンジンを示しているが、セット数を増やしてエンジ
ンの排気量は大きくしても良い。
【0048】また、補助シリンダー46の排気ポート6
3と連通する図外の吸入ポートを有する第2の補助シリ
ンダーを設け、補助シリンダー46の排気ガスを前記第
2の補助シリンダーにより再度出力として利用するよう
にしても良い。
【0049】また、図2のように第1のシリンダー42
及び第2のシリンダー46の排気バルブ64と補助シリ
ンダー48の吸入バルブ62とを連結されて一体的に動
作させるのが好ましい。
【0050】図3に示すように、本発明の高圧噴射体
は、一端側に吸引口82aを有する円筒形の外カバー本
体82の他端側に、気体排出方向に行くほど口径が小さ
くなったテーパ形の排出部84を具備して成る外カバー
80と、外カバー80の排出部84内の中心軸上に位置
し、支持台86によって支持され、上述のように燃焼室
が断熱構造になったエンジン1と、外カバー80の外カ
バー本体82内に延設され、前記排出部に近づくほど直
径が大きくなるように形成されたエンジン1の駆動軸8
8と、駆動軸88に一定間隔で取り付けられ、排出部8
4に近いほど羽根の長さが短く、羽根幅が狭くなった放
射形にプロペラ90と、プロペラ90の前後に駆動軸8
8を中心として放射状で配設され、外端部は外カバー本
体82の内周壁面に取り付けられる固定翼92とを備え
ている。
【0051】断熱構造のエンジン1から排出される高温
の排気ガスによって排出部84やその近傍で気体の圧力
が上昇するように、エンジン1の排気口94は排出部8
4の排出口84aの方向を向くようにすることが望まし
い。なお、図3中の符号93は固定翼92の軸受けであ
る。
【0052】かかる高圧噴射体は、プロペラ90の回転
により、矢印のように外カバー80の吸引口82aから
気体を吸引し、気流の渦流を抑制しながらプロペラ90
と固定翼92との間を通過させて順次に段階的に気体の
圧力を増大させた後、該気流を排出部84に到達させ
る。排出部84では、断熱構造となったエンジン1の排
気熱により排出部84内の気体圧力をさらに上昇させ、
テーパ形の排出部84によってさらに増圧させた後、排
出部84の排出口84aから噴射するようになるもので
ある。
【0053】図3において、駆動源として図1のように
燃焼室断熱型のエンジン1を使用したので、該エンジン
1は排出部84内の高温環境にも耐えることができ、エ
ンジンの熱効率も向上する。
【0054】以上のように本発明の実施例に対して詳細
に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるも
のではなく、本発明の一実施例と実質的に均等の範囲に
あるものまでに本発明の権利範囲が及ぶ。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、上述のように断熱構造
となったエンジンを使用することによってエンジンの燃
焼熱は外部に放出されず、該燃焼熱の大部分をエンジン
の出力として活用することができるので、エンジンの熱
効率が飛躍的に向上させることができるという効果があ
る。
【0056】また、本発明によれば、燃焼室が断熱部材
で囲まれて燃焼室の熱がシリンダーやピストン等には伝
導しないので、燃焼室の断熱効果が飛躍的に向上し、強
制冷却が不要となり、また、冷却を最小限に抑えてもエ
ンジンの潤滑作用が高熱によって妨げられることがなく
なる。また、空冷式を採用できることによりエンジンの
冷却装置を簡略化できる。
【0057】また、本発明によれば排出エネルギーを利
用するエンジンを使用することによって廃棄される排気
ガスの圧力をもう一度エンジンの出力として使用し、燃
焼ガスが燃焼室に滞留する時間を2倍に増やして充分な
燃焼を助けることにより、エンジンの熱効率が向上され
るだけでなく、不完全燃焼を防止して大気汚染の発生を
抑制することができ、また、排気ガスの圧力が低下して
排気騒音が極度に低下する効果がある。
【0058】また、本発明によれば、高圧噴射体に断熱
構造となったエンジンを使用することによって高圧噴射
体の駆動エンジンが高い温度でも耐えることができ、排
気ガスを高温とすることができるために前記高圧噴射体
の熱効率を高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって燃焼室を構成する部品が断熱構
造となったエンジンの一部を示す縦断面図である。
【図2】本発明によって排気ガスを活用する4サイクル
エンジンの一部を示す部分断面図である。
【図3】本発明による高圧噴射体の断面図である。
【符号の説明】
1 断熱構造となったエンジン 10 シリンダー 12 断熱部材 14 シリンダーヘッド 16 吸入ポート 18 排気ポート 20 吸入バルブ 22 排気バルブ 24 ピストン 26 ピストンリング 40 第1のピストン 42 第1のシリンダー 44 第2のピストン 46 第2のシリンダー 48 補助シリンダー 50 補助ピストン 52 コネクティングロッド 54 クランクシャフト 56,58 排気ポート 60 吸入ポート 62 吸入バルブ 64 排気バルブ 70 シリンダーヘッド 80 外カバー 82 外カバー本体 84 排出部 86 支持台 88 駆動軸 90 プロペラ 92 固定翼 94 排気口
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02F 1/00 F02F 1/00 E 1/24 1/24 C 3/00 302 3/00 302A 3/26 3/26 D

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともピストンの作動行程より長
    く形成されて該作動行程域に対応するシリンダー内壁面
    を覆う断熱部材を有するシリンダーと、シリンダーヘッ
    ド内壁面を覆う断熱部材を有するシリンダーヘッドと、
    バルブヘッド面を覆う断熱部材を有する吸入バルブ及び
    排気バルブと、ピストンヘッド面を覆う断熱部材、該断
    熱部材の外周縁から垂下して少なくとも前記ピストンの
    作動行程より長い距離にわたって外壁面を覆う断熱部
    材、及び該断熱部材よりも下方の外壁面に設けられシリ
    ンダーとの間をシールする密封手段を有するピストンと
    を備えることにより燃焼室を断熱構造としたことを特徴
    とする燃焼室断熱型エンジン。
  2. 【請求項2】 前記断熱部材は断熱材料を層状に形成し
    て構成されたことを特徴とする請求項1に記載の燃焼室
    断熱型エンジン。
  3. 【請求項3】 前記断熱部材はセラミックスにより構成
    されたことを特徴とする請求項2に記載の燃焼室断熱型
    エンジン。
  4. 【請求項4】 前記断熱部材はセラミック焼結体または
    セラミックコーティング層またはこれらの組み合わせに
    より構成されたことを特徴とする請求項3に記載の燃焼
    室断熱型エンジン。
  5. 【請求項5】 前記エンジンは2サイクルエンジン及び
    4サイクルエンジンに適用されることを特徴とする請求
    項1から4のいずれかに記載の燃焼室断熱型エンジン。
  6. 【請求項6】 前記シリンダーの内壁面を覆う前記断熱
    部材と前記ピストンの外壁面を覆う前記断熱部材との間
    に隙間を形成してこれらの前記断熱部材同士を非接触状
    態で前記ピストンを往復運動させることを特徴とする請
    求項1から5のいずれかに記載の燃焼室断熱型エンジ
    ン。
  7. 【請求項7】 第1のピストンと、該第1のピストンが
    装着された第1のシリンダーと、第2のピストンと、該
    第2のピストンが装着された第2のシリンダーと、前記
    第1及び第2のシリンダーと隣接した補助シリンダー
    と、該補助シリンダーに装着された補助ピストンと、前
    記第1及び第2のピストン及び前記補助ピストンがコネ
    クティングロッドを介して結合されているクランクシャ
    フトと、前記第1のシリンダー及び前記第2のシリンダ
    ーの各排気ポートと前記補助シリンダーの吸入ポートと
    が連通され、かつ、前記各ポートに吸入バルブ又は排気
    バルブが設けられたシリンダーヘッドとを備えたことを
    特徴とする排気ガス利用型エンジン。
  8. 【請求項8】 前記第1及び第2のシリンダー、前記補
    助シリンダー、前記第1及び第2のピストン、前記補助
    ピストン、前記吸入バルブ及び前記排気バルブにより構
    成される燃焼室の各々を請求項1乃至6に記載の断熱構
    造としたことを特徴とする請求項7に記載の排気ガス利
    用型エンジン。
  9. 【請求項9】 前記補助シリンダーの断面積が第1及び
    第2のシリンダーの各断面積より大きくなるように設定
    したことを特徴とする請求項7又は8に記載の排気ガス
    利用型エンジン。
  10. 【請求項10】 前記補助ピストン及び第1及び第2の
    ピストンの死点位置が上下逆になるように設定したこと
    を特徴とする請求項7又は8に記載の排気ガス利用型エ
    ンジン。
  11. 【請求項11】 2気筒の第1及び第2のシリンダーと
    1気筒の補助シリンダーとを1の気筒セットとし、該気
    筒セットが1又は2以上となるように構成したことを特
    徴とする請求項7から10のいずれかに記載の排気ガス
    利用型エンジン。
  12. 【請求項12】 前記第1のシリンダー及び前記第2の
    シリンダーの各排気バルブと補助シリンダーの吸入バル
    ブとを連結して一体化したことを特徴とする請求項7か
    ら11のいずれかに記載の排気ガス利用型エンジン。
  13. 【請求項13】 一端側に吸引口を有する円筒形の外カ
    バー本体の他端側に、気体排出方向に行くほど口径が小
    さくなったテーパ形の排出部を具備して成る外カバー
    と、 前記外カバーの排出部内の中心軸上に位置し、支持台に
    よって支持される請求項1から6のいずれかに記載の燃
    焼室断熱型エンジンと、 前記外カバーの外カバー本体内に延設され、前記排出部
    に近づくほど直径が大きくなるように形成された前記エ
    ンジンの駆動軸と、 前記駆動軸に一定間隔で取り付けられたプロペラと、 前記プロペラの前後に放射状に装着された固定翼とを備
    え、 前記プロペラの回転により前記吸引口から吸引される気
    流の圧力を段階的に増大させたのちに該気体を前記排出
    部に到達させ、前記エンジンの排気熱により前記気体の
    圧力をさらに上昇させて前記排出部から噴射させるよう
    に構成したことを特徴とする高圧噴射体。
  14. 【請求項14】 前記燃焼室断熱型エンジンは請求項8
    から11のいずれかに記載の排気ガス利用型エンジンで
    あることを特徴とする請求項13に記載の高圧噴射体。
  15. 【請求項15】 前記燃焼室断熱型エンジンの排気口を
    前記排出部に向けたことを特徴とする請求項13又は1
    4に記載の高圧噴射体。
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