JP2003147287A - 回路接続用接着フィルム - Google Patents

回路接続用接着フィルム

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JP2003147287A
JP2003147287A JP2001348932A JP2001348932A JP2003147287A JP 2003147287 A JP2003147287 A JP 2003147287A JP 2001348932 A JP2001348932 A JP 2001348932A JP 2001348932 A JP2001348932 A JP 2001348932A JP 2003147287 A JP2003147287 A JP 2003147287A
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JP2001348932A
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Yukihisa Hirozawa
幸寿 廣澤
Itsuo Watanabe
伊津夫 渡辺
Yasushi Goto
泰史 後藤
Jun Taketazu
潤 竹田津
Masanori Fujii
正規 藤井
Aya Asami
綾 浅見
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱膨張率差に基づく内部応力による接続抵抗
の増大、接着剤の剥離、チップや基板の反りの発生が抑
制された回路接続用接着フィルムを提供する。 【解決手段】 相対峙する回路電極を加熱、加圧によっ
て、加圧方向の電極間を電気的に接続する加熱接着性接
着フィルムにおいて、前記接着剤が熱によって硬化する
反応性樹脂を含有しており、該接着フィルムの25℃で
の貯蔵弾性率が50MPa〜1000MPaであり、該
接着剤のDSC(示差走査熱分析)での発熱開始温度が
60℃以上でかつ硬化反応の80%が終了する温度が2
60℃以下である回路接続用接着フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路基板同士また
はICチップ等の電子部品と配線基板の接続に用いられ
る回路接続用接着フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】回路基板同士またはICチップ等の電子
部品と回路基板の接続とを電気的に接続する際には、接
着剤または導電粒子を分散させた異方導電接着剤が用い
られている。すなわち、これらの接着剤を相対峙する電
極間に配置して、加熱、加圧によって電極同士を接続
後、加圧方向に導電性を持たせることによって、電気的
接続を行うことができる。例えば、特開平3−1614
7号公報には、エポキシ樹脂をベースとした回路接続用
接着剤が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エポキ
シ樹脂をベース樹脂とした従来の回路接続用接着剤を用
いて得られる接続基板では、熱衝撃試験、PCT試験等
の信頼性試験を行うと接続基板の熱膨張率差に基づく内
部応力によって接続部において接続抵抗の増大や接着剤
の剥離が生じるという問題が見られる場合があった。ま
た、チップを、接着剤を介して直接基板に搭載する場
合、接続基板としてFR−4基材等を用いたプリント基
板、ポリイミドやポリエステルなどの高分子フィルムを
基材とするフレキシブル配線板、あるいはガラス基板を
用いると、接続後チップとの熱膨張率差に基づく内部応
力によってチップ及び基板の反りが発生しやすいという
場合がある。さらに、圧着時に樹脂を流動する際、多数
のボイドが接続界面に発生し、耐湿性が低下するなどの
問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の回路接続用接着
フィルムは、熱によって硬化する反応性樹脂を含有して
おり、該接着フィルムの25℃での弾性率が50MPa
〜1000MPaであり、該接着フィルムのDSC(示
差走査熱分析)での発熱開始温度が60℃以上でかつ硬
化反応の80%が終了する温度が260℃以下であるこ
とを特徴とする。前記回路接続用接着フィルムには、少
なくとも平均粒径10μm以下のゴム粒子が分散され、
熱によって硬化する反応性樹脂が含有されていることが
好ましい。また、前記回路接続用接着フィルムのDSC
での発熱量は、50〜160J/gであることが好まし
い。さらに、発熱開始温度から硬化反応の80%が終了
するまでのDSCでの発熱量が50〜130J/gであ
ると好ましい。また、前記回路接続用接着フィルムのD
SCでの発熱開始温度は、60℃以上でかつ硬化反応の
60%が終了する温度が160℃以下であることが好ま
しい。前記反応性樹脂としては、エポキシ樹脂及び潜在
性硬化剤からなる樹脂が好ましく用いられる。また、前
記潜在性硬化剤としては、スルホニウム塩が好ましく用
いられる。さらに、これらの接着剤には0.1〜30体
積%の導電粒子を分散することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、前記回路接続用接着フ
ィルムが熱によって硬化する反応性樹脂を含有してお
り、該接着フィルムの25℃での弾性率が50MPa〜
1000MPaであり、該接着剤のDSCでの発熱開始
温度が60℃以上で、かつ、硬化反応の80%が終了す
る温度が260℃以下であることを特徴とする回路接続
用接着フィルムである。接着フィルムの弾性率は、粘弾
性測定装置(昇温速度:10℃/min、周波数:1K
Hz)で測定することができる。接着フィルムの反応性
は、DSC(昇温速度:10℃/min)で測定するこ
とができ、接着フィルムとしては、DSCでの発熱開始
温度が60℃以上でかつ硬化反応の80%が終了する温
度が260℃以下になるものが用いられる。反応性樹脂
としては、エポキシ樹脂とイミダゾール系、ヒドラジド
系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、ア
ミンイミド、ポリアミンの塩、ジシアンジアミド等の潜
在性硬化剤の混合物の他、ラジカル反応性樹脂と有機過
酸化物の混合物が用いられる。特に、スルホニウム塩
は、60℃以上で、かつ、硬化反応の60%が終了する
温度が160℃以下であり、低温での反応性に優れなが
ら、ポットライフが長く好適に用いられる。スルホニウ
ム塩としては、一般式(1)で示されるスルホニウム塩
が好適に用いられる。
【0006】
【化1】 一般式(1)中、R1は、電子吸引性の基、例えば、ニ
トロソ基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、
トリアルキルアンモニウム基、フルオロメチル基、R2
及びR3は電子供与性の基、例えば、アミノ基、水酸
基、メチル基、Y-は、非求核性陰イオン例えば、ヘキ
サフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネー
トである。
【0007】スルホニウム塩のエポキシ樹脂に対する配
合量は、2〜20重量部が好ましい。この場合、DSC
により2つの発熱ピークが出ることがある。DSCは、
測定温度範囲内で、発熱、吸熱の無い標準試料との温度
差をたえず打ち消すように熱量を供給または除去するゼ
ロ位法を測定原理とするものであり、測定装置が市販さ
れておりそれを用いて測定できる。接着剤の反応は、発
熱反応であり、一定の昇温速度で試料を昇温していく
と、試料が反応し熱量が発生する。その発熱量をチャー
トに出力し、ベースラインを基準として発熱曲線とベー
スラインで囲まれた面積を求め、これを発熱量とする。
室温(25℃)から300℃程度まで10℃/分の昇温
速度で測定し、上記した発熱量を求める。これらは、全
自動で測定を行なうものもあり、それを使用すると容易
に行なうことができる。また、硬化反応の60%、80
%が終了する温度は、発熱量の面積から求めることがで
き、その際の温度である。
【0008】本発明において用いられるエポキシ樹脂と
しては、エピクロルヒドリンとビスフェノールAやF、
AD等から誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂、
エピクロルヒドリンとフェノールノボラックやクレゾー
ルノボラックから誘導されるエポキシノボラック樹脂や
ナフタレン環を含んだ骨格を有するナフタレン系エポキ
シ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエーテル、ビフ
ェニル、脂環式等の1分子内に2個以上のグリシジル基
を有する各種のエポキシ化合物等を単独にあるいは2種
以上を混合して用いることが可能である。これらのエポ
キシ樹脂は、不純物イオン(Na+、Cl−等)や、加
水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品
を用いることがエレクトロンマイグレーション防止のた
めに好ましい。
【0009】反応性樹脂に分散するゴム粒子としては、
ガラス転移温度が25℃以下のゴム粒子であれば特に制
限するものではないが、ブタジエンゴム、アクリルゴ
ム、スチレン-ブタジエン-スチレンゴム、ニトリル-ブ
タジエンゴム、シリコーンゴム等を用いることができ、
平均粒径が0.1〜10μmのものが用いられ、平均粒径
以下の粒子が、粒径分布の80%以上を占めるゴム粒子
が特に好ましく、さらに好ましくは0.1〜5μmのも
のが用いられる。また、微粒子表面をシランカップリン
グ剤で処理した場合、反応性樹脂に対する分散性が向上
するのでより好ましい。ゴム粒子の中でシリコーンゴム
粒子は、耐溶剤性に優れる他、分散性にも優れるため効
果的なゴム粒子として用いることができる。シリコーン
ゴム粒子はシラン化合物やメチルトリアルコキシシラン
及び/またはその部分加水分解縮合物を苛性ソーダやア
ンモニア等の塩基性物質によりpH>9に調整したアル
コール水溶液に添加し、加水分解、重縮合させる方法や
オルガノシロキサンの共重合等で得ることができる。ま
た、分子末端もしくは分子内側鎖に水酸基やエポキシ
基、ケチミン、カルボキシル基、メルカプト基などの官
能基を含有したシリコーン微粒子は反応性樹脂への分散
性が向上するため好ましい。また、本発明に用いるゴム
粒子の室温(25℃)の弾性率は0.1〜100MPa
が好ましく、ゴム粒子の分散性や接続時の界面応力の低
減には1〜30MPaがより好ましい。
【0010】また、回路接続用接着フィルムにはフィル
ム形成性をより容易にするために、フェノキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂を配
合することもできる。これらのフィルム形成性高分子
は、反応性樹脂の硬化時の応力緩和に効果がある。特
に、フィルム形成性高分子が、水酸基等の官能基を有す
る場合、接着性が向上するためより好ましい。フィルム
形成は、これら少なくとも反応性樹脂、潜在性硬化剤か
らなる接着剤組成物を有機溶剤に溶解あるいは分散によ
り、液状化して、剥離性基材上に塗布し、硬化剤の活性
温度以下で溶剤を除去することにより行われる。この時
用いる溶剤は、芳香族炭化水素系と含酸素系の混合溶剤
が材料の溶解性を向上させるため好ましい。
【0011】本発明の接着剤には、チップのバンプや基
板電極の高さばらつきを吸収するために、異方導電性を
積極的に付与する目的で導電粒子を混入・分散すること
もできる。本発明において導電粒子は、例えばAu、A
g、Cuやはんだ等の金属の粒子であり、ポリスチレン
等の高分子の球状の核材にNi、Cu、Au、はんだ等
の導電層を設けたものがより好ましい。さらに導電性の
粒子の表面にSn、Au、はんだ等の表面層を形成する
こともできる。粒径は基板の電極の最小の間隔よりも小
さいことが必要で、電極の高さばらつきがある場合、高
さばらつきよりも大きいことが好ましく、1〜10μm
が好ましい。また、接着剤に分散される導電粒子量は、
0.1〜30体積%であり、好ましくは0.2〜15体
積%である。
【0012】本発明の回路接続用接着フィルムには、無
機質充填材を混入・分散することができる。無機質充填
材としては、特に限定するものではなく、例えば、溶融
シリカ、結晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナ、
炭酸カルシウム等の粉体があげられる。無機質充填材の
配合量は、接着剤樹脂組成物100重量部に対して10
〜200重量部が好ましく、熱膨張係数を低下させるに
は配合量が大きいほど効果的であるが、多量に配合する
と接着性や接続部での接着剤の排除性低下に基づく導通
不良が発生するし、配合量が小さいと熱膨張係数を充分
低下できないため、20〜90重量部がさらに好まし
い。また、その平均粒径は、接続部での導通不良を防止
する目的で3μm以下にするのが好ましい。また接続時
の樹脂の流動性の低下及びチップのパッシベーション膜
のダメージを防ぐ目的で球状フィラを用いることが望ま
しい。無機質充填材は、フィルムを2層構成以上とし導
電粒子と共に又は導電粒子が使用されない層に混入・分
散することができる。
【0013】回路接続用接着フィルムの弾性率(測定用
フィルム膜厚:100μm)は、粘弾性測定装置(昇温
速度:10℃/min、周波数:1Hz)によって求め
ることができる。本発明の回路接続用接着フィルムは、
25℃での弾性率が50〜1000MPaであるように
反応性樹脂、ゴム粒子、フィルム形成材などの配合量が
調整される。弾性率の低い、例えばゴム粒子の配合量を
多くすると弾性率がそれにつれて低下してくるので調整
できる。さらに、好ましい弾性率は、70〜500MP
aである。接着フィルムの弾性率が1000MPaを超
えるとフィルムを回路板に転写できにくくなる。また、
フィルムを所定の幅に切断加工(スリット)する際、フ
ィルム形成の際に用いる基材フィルムから接着フィルム
が剥がれてしまうなどの不具合を生じる。また、弾性率
が50MPaを下回ると基材フィルムとともに10m以
上の巻物状に加工した際、接着フィルムが基材フィルム
の背面に転写したり、巻き締め圧力により接着フィルム
が変形し、端面方向に流れて基材フィルムの切断端面に
付着して接着フィルムを回路基板に転写する作業がしに
くくなるという問題を生じる。また、低分子の反応性樹
脂の含有量が多くなるため、圧着時にボイドが多く発生
するという問題が発生する。
【0014】回路接続用接着フィルムの硬化反応に基づ
く発熱量は、DSC(昇温速度:10℃/min)によ
って求めることができる。本発明の接着フィルムは、発
熱量が50〜160J/gであるように反応性樹脂、ゴ
ム粒子、フィルム形成材などの配合量が調整される。さ
らに、好ましい発熱量は、60〜120J/gである。
そして、回路接続用接着フィルムの発熱開始温度から硬
化反応の80%が終了するまでのDSCでの発熱量が5
0〜130J/gであると好ましい。回路接続用接着フ
ィルムの発熱量が、160J/gを超えると接着剤の硬
化収縮力及び弾性率の増大等によって内部応力が増大
し、回路同士を接続した際、回路基板が反り、接続信頼
性の低下や電子部品の特性低下を引き起こす問題を生じ
る。また、発熱量が50J/gを下回ると回路接続用接
着フィルムの硬化性が不充分であり、接着性及び接続信
頼性の低下を引き起こすという問題を生じる。さらに発
熱開始温度から硬化反応の80%が終了までの発熱量が
内部応力に大きく影響し、その値を上記範囲にすること
により接続抵抗の増大や、剥離、反り、耐湿性の低下と
いう問題を少なくする。また、仮圧着、本圧着で硬化反
応の80%程度まで硬化させた状態にすると内部応力が
低下し良好となる。これと同様に硬化反応の60%が終
了する温度が160℃以下であることが好ましい。
【0015】
【実施例】(実施例1)フェノキシ樹脂(ユニオンカー
バイド社製,PKHC)50gを酢酸エチル115gに
溶解し、30重量%溶液を得た。シリコーン微粒子は、
20℃でメチルトリメトキシシランを300rpmで攪
拌したpHl2のアルコール水溶液に添加し、加水分
解、縮合させ、25℃における貯蔵弾性率8MPaで平
均粒径2μmの球状微粒子を得た。固形重量比でフェノ
キシ樹脂45g、シリコーン微粒子30g、マイクロカ
プセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ(エポキ
シ当量185、旭化成工業株式会社製、ノバキュアHX
−3941)20g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(エポキシ当量180)5gを配合し、ポリスチレン系
核体(直径:5μm)の表面にAu層を形成した導電粒
子を6体積%分散してフィルム塗工溶液を得た。つい
で、この溶液を厚み50μmの片面を表面処理したPE
T(ポリエチレンテレフタレート;基材フィルム、セパ
レータ)フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、
10分の熱風乾燥により、接着剤層の厚みが45μmの
フィルム状接着剤を得た。この接着フィルムの25℃の
貯蔵弾性率は、600MPaであった。また、この接着
剤をDSCで測定した。DSC測定での反応開始温度は
90℃、硬化反応の60%が終了する反応終了温度は1
45℃で、硬化反応の80%が終了する反応温度は16
0℃で、硬化反応が終了する反応終了温度は190℃で
あった。また、発熱開始温度から硬化反応の80%が終
了するまでのDSCでの発熱量は、75J/gで、硬化
終了までの発熱量は90J/gであった。次に、作製し
たフィルム状接着剤を用いて、金バンプ(面積:80×
80μm、スペース30μm、高さ:15μm、バンプ
数288)付きチップ(10×10mm、厚み:500
μm)とチップの電極に対応した回路電極を有するNi
/AuめっきCu回路プリント基板の接続を以下に示す
ように行った。フィルム状接着剤(12×12mm)を
Ni/AuめっきCu回路プリント基板(電極高さ:2
0μm、厚み:0.8mm)に80℃、1.0MPa
(10kgf/cm2)で貼り付けた後、セパレータを
剥離し、チップのバンプとNi/AuめっきCu回路プ
リント基板(厚み:0.8mm)の位置合わせを行っ
た。次いで、180℃、75g/バンブ、20秒の条件
でチップ上方から加熱、加圧を行い、本接続を行った。
本接続後のチップの反りは、3.1μm(チップ側に凸
状の反り)であった。また、本接続後の接続抵抗は、1
バンプあたり最高で15mΩ、平均で8mΩ、絶縁抵抗
は108Ω以上であり、これらの値は−55〜125℃
の熱衝撃試験1000サイクル処理、PCT試験(12
1℃、0.2MPa(2気圧))200時間、260℃
のはんだバス浸漬10秒後においても変化がなく、良好
な接続信頼性を示した。
【0016】(実施例2)フェノキシ樹脂(ユニオンカ
ーバイド社製,PKHC)50gを酢酸エチル115g
に溶解し、30重量%溶液を得た。固形重量比でフェノ
キシ樹脂60g、平均粒子径0.2μmのアクリル粒子
(貯蔵弾性率3MPa)が20wt%分散されたビスフ
ェノールA型エポキシ(エポキシ当量180)25g、
ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂(エポキシ当量1
85)5g、p−アセトキシフェニルベンジルメチルス
ルホニウム塩(非求核性陰イオン:ヘキサフルオロアン
チモネート)3gを配合し、ポリスチレン系核体(直
径:3μm)の表面にAu層を形成した導電粒子を10
体積%配合分散してフィルム塗工用溶液を得た。つい
で、この溶液を厚み50μmの片面を表面処理したPE
Tフィルム(ポリエチレンテレフタレート;基材フィル
ム、セパレータ)に塗工装置を用いて塗布し、70℃、
10分の熱風乾燥により、接着剤層の厚みが10μmの
フィルム状接着剤aを得た。ついで、前記フィルム塗工
用溶液の作製の中で、Au層を形成した導電粒子を分散
しない以外は同様な方法で作製したフィルム塗工用溶液
を、厚み50μmの片面を表面処理したPETフィルム
に塗工装置を用いて塗布し、70℃、10分の熱風乾燥
により、接着剤層の厚みが15μmのフィルム状接着剤
bを得た。さらに得られたフィルム状接着剤aとbを4
0℃で加熱しながら、ロールラミネータでラミネートし
たニ層構成異方導電フィルムを作製した。この接着フィ
ルムの25℃の貯蔵弾性率は、200MPaであった。
また、DSC測定での反応開始温度は80℃、硬化反応
の60%が終了する温度は160℃で、硬化反応の80
%が終了する温度は230℃で、硬化反応が終了する反
応終了温度は240℃であった。また、硬化開始から硬
化反応の80%が終了するまでのDSCでの発熱量が1
20J/gで、硬化終了までの発熱量は150J/gで
あった。次に、作製した異方導電フィルムを用いて、金
バンプ(面積:50×50μm、スペース20μm、高
さ:15μm、バンプ数362)付きチップ(1.7×
17mm、厚み:500μm)とITO回路付きガラス
基板(厚み:1.1mm)の接続を、以下に示すように
行った。異方導電フィルム(2×20mm)をITO回
路付きガラス基板に80℃、1.0MPa(10kgf
/cm2)で貼り付けた後、セパレータを剥離し、チッ
プのバンプとITO回路付きガラス基板の位置合わせを
行った。次いで、150℃、40g/バンプ、10秒の
条件でチップ上方から加熱、加圧を行い、本接続を行っ
た。本接続後のチップ反りは、1.5ミクロンであっ
た。また、接続抵抗は、1バンプあたり最高で50m
Ω、平均で20mΩ、絶縁抵抗は10Ω以上であり、
これらの値は−40〜100℃の熱衝撃試験1000サ
イクル処理、高温・高湿(85℃/85%RH、100
0h)試験後においても変化がなく、良好な接続信頼性
を示した。
【0017】(比較例1)厚み8μmの導電粒子を含有
した層と厚み15μmの導電粒子を含有しない層とから
なる日立化成工業株式会社製異方導電フィルムAC−8
401(膜厚:23ミクロン)を用いて実施例2に対す
る比較試験を行った。この接着フィルムの25℃の貯蔵
弾性率は、2000MPaであった。また、DSC測定
での反応開始温度は90℃、硬化反応の60%が終了す
る温度は150℃で、硬化反応の80%が終了する温度
は180℃で、硬化反応が終了する反応終了温度は20
6℃であった。また、硬化開始から硬化反応の80%が
終了するまでのDSCでの発熱量が160J/gで、硬
化終了までの発熱量は200J/gであった。次に、こ
の異方導電フィルムを用いて、金バンプ(面積:50×
50μm、スペース20μm、高さ:15μm、バンプ
数362)付きチップ(1.7×17mm、厚み:50
0μm)とITO回路付きガラス基板(厚み:1.1m
m)の接続を、以下に示すように行った。異方導電フィ
ルム(2×20mm)をITO回路付きガラス基板に8
0℃、1.0MPa(10kgf/cm2)で貼り付け
た後、セパレータを剥離し、チップのバンプとITO回
路付きガラス基板の位置合わせを行った。次いで、19
0℃、40g/バンプ、10秒の条件でチップ上方から
加熱、加圧を行い、本接続を行った。本接続後のチップ
反りは、8.2μmと実施例2に比べ反りが大きくなっ
た。
【0018】
【発明の効果】本発明の回路接続用接着フィルムによれ
ば、フィルムの室温(25℃)での弾性率が50〜10
00MPaに制御されているため、フィルムの加工性、
取り扱い性に優れている他、反応温度の低温化及び硬化
反応に伴う発熱量が50〜160J/gに制御されてい
るため、熱衝撃やPCT試験等の信頼性試験において生
じる内部応力を吸収でき、信頼性試験後においても接続
部での接続抵抗の増大や接着剤の剥離がなく、接続信頼
性が向上する。特に、LCDパネルへのチップ実装にお
いては基板の反りが低減するため表示品質への悪影響を
抑制できる。したがって、本発明の接着フィルムは、L
CDパネルとTAB、TABとプリント基板、LCDパ
ネルとICチップ、ICチップとプリント基板とを接続
時の加圧方向にのみ電気的に接続するために好適に用い
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/60 H01L 21/60 311S // H01B 1/22 H01B 1/22 B (72)発明者 竹田津 潤 茨城県下館市大字五所宮1150番地 日立化 成工業株式会社五所宮事業所内 (72)発明者 藤井 正規 茨城県下館市大字五所宮1150番地 日立化 成工業株式会社五所宮事業所内 (72)発明者 浅見 綾 茨城県下館市大字五所宮1150番地 日立化 成工業株式会社五所宮事業所内 Fターム(参考) 4J004 AA05 AA13 AA17 AA19 AB05 CA06 CC02 FA05 4J040 CA042 CA072 EC001 EC021 EC061 EC071 EC121 EC261 EC271 EK032 HA066 HD18 JB02 KA03 KA16 KA32 LA06 LA09 NA20 PA23 PA30 PA33 5F044 LL07 LL09 NN05 NN06 NN19 NN20 5G301 DA03 DA05 DA06 DA29 DA42 DA57 DD08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対峙する回路電極を加熱、加圧によっ
    て、加圧方向の電極間を電気的に接続する加熱接着性接
    着フィルムにおいて、前記接着剤が熱によって硬化する
    反応性樹脂を含有しており、該接着フィルムの25℃で
    の貯蔵弾性率が50MPa〜1000MPaであり、該
    接着剤のDSC(示差走査熱分析)での発熱開始温度が
    60℃以上でかつ硬化反応の80%が終了する温度が2
    60℃以下であることを特徴とする回路接続用接着フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 前記回路接続用接着フィルムには、少な
    くとも平均粒径10μm以下のゴム粒子が分散され、熱
    によって硬化する反応性樹脂を含有している請求項1に
    記載の回路接続用接着フィルム。
  3. 【請求項3】 前記回路接続用接着フィルムのDSCで
    の発熱量が50〜160J/gである請求項1または請
    求項2に記載の回路接続用接着フィルム。
  4. 【請求項4】 前記回路接続用接着フィルムの発熱開始
    温度から硬化反応の80%が終了するまでのDSCでの
    発熱量が50〜130J/gである請求項1ないし請求
    項3のいずれかに記載の回路接続用接着フィルム。
  5. 【請求項5】 前記回路接続用接着フィルムのDSCで
    の発熱開始温度が60℃以上でかつ硬化反応の60%が
    終了する温度が160℃以下である請求項1ないし請求
    項4のいずれかに記載の回路接続用接着フィルム。
  6. 【請求項6】 反応性樹脂がエポキシ樹脂及び潜在性硬
    化剤からなる請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    の回路接続用接着フィルム。
  7. 【請求項7】 潜在性硬化剤がスルホニウム塩である請
    求項1ないし請求項6のいずれかに記載の回路接続用接
    着フィルム。
  8. 【請求項8】 前記回路接続用接着フィルムに0.1〜
    30体積%の導電粒子が分散されている請求項1ないし
    請求項7のいずれかに記載の回路接続用接着フィルム。
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