JP2003147179A - ポリトリメチレンテレフタレート難燃強化樹脂組成物 - Google Patents

ポリトリメチレンテレフタレート難燃強化樹脂組成物

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JP2003147179A
JP2003147179A JP2002242525A JP2002242525A JP2003147179A JP 2003147179 A JP2003147179 A JP 2003147179A JP 2002242525 A JP2002242525 A JP 2002242525A JP 2002242525 A JP2002242525 A JP 2002242525A JP 2003147179 A JP2003147179 A JP 2003147179A
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resin composition
flame retardant
acid
polytrimethylene
terephthalate resin
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JP2002242525A
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Junko Kakegawa
純子 掛川
Hideki Nakamura
秀樹 中村
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Asahi Kasei Corp
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Asahi Kasei Chemicals Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的特性、耐薬品性、電気的特性、耐候
性、耐熱老化性、耐加水分解性に加え、成形性、成形品
外観が良好で成形品の反り変形が小さく、加えて難燃性
に優れ、燃焼時に腐食性の高いハロゲン化水素ガスの発
生のない強化樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 本発明は(A)ポリトリメチレンテレフ
タレート樹脂30〜99重量部、(B)リン酸塩または
ポリリン酸塩を主成分とする難燃剤1〜70重量部、及
び(C)無機充填材からなるポリトリメチレン難燃強化
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃強化ポリトリメ
チレンテレフタレート樹脂組成物に関する。詳しくは、
成形性が良好で成形品のソリが小さく、成形品外観が良
好で、難燃性に優れ、燃焼時に腐食性の高いハロゲン化
水素ガスの発生がない強化ポリトリメチレンテレフタレ
ート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートやポリブチ
レンテレフタレートに代表される熱可塑性ポリエステル
は、機械特性、耐薬品性、電気的特性に優れるため、自
動車部品、電気・電子部品などの広い分野でその使用が
期待されている。そしてそれらの市場の多様化に伴い、
高度な性能、用途に応じた特殊性能、高度な品質が求め
られている。ポリエステル樹脂の中でもポリトリメチレ
ンテレフタレート樹脂は機械的特性、耐候性、耐熱老化
性、加水分解性に優れ、また無機充填材で強化した時
に、成形外観が損なわれず、成形品に反りが発生しにく
いという優れた特性を持ち、広い分野への展開が期待さ
れる。
【0003】ポリトリメチレンテレフタレート樹脂の展
開が期待される分野の一つ、電気・電子部品用途におい
ては、アンダーライターズ・ラボラトリーのUL−94
規格に基づく難燃性レベルの要求がなされている。この
要求に対し、例えば、特開昭50−49361号公報で
はポリプロピレンテレフタレートまたはポリブチレンテ
フタレートとデカブロモジフェニルエーテル、三酸化ア
ンチモン、アスベストからなる樹脂組成物が提案されて
いる。またUS4131594号公報では、ポリトリメ
チレンテレフタレートとグラフトコポリマー、デカブロ
モビフェニルエーテル等のハロゲン難燃剤、酸化アンチ
モン、ガラス繊維からなる樹脂組成物が提案されてい
る。しかしながら、ハロゲン系難燃剤は燃焼時に腐食性
のハロゲン化水素を発生し、また、ダイオキシンなど有
毒な物質を排出する疑いがもたれ、環境に対する配慮か
らその使用を規制する動きがある。
【0004】また、ポリエチレンテレフタレート及びポ
リブチレンテレフタレートにおいてもそれぞれに対応技
術の検討を行っているが、ポリエチレンテレフタレート
の場合、射出成形等の通常の成形では離型時に成形品の
変形が生じ,得られる成形品も本来の機械特性を具現出
来ない等,難燃性を賦与する以前の問題があり、市場要
求に応えられない。ポリブチレンテレフタレートの場
合、難燃性賦与の技術によりある程度の難燃性は得られ
るものの、成形品の反り変形が大きく、成形品外観が不
良で,市場要求を満足することが出来ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、機械
的特性、耐薬品性、電気的特性、耐候性、耐熱老化性、
耐加水分解性に加え、成形性、成形品外観が良好で成形
品の反り変形が小さく、加えて難燃性に優れ、燃焼時に
腐食性のハロゲン化水素ガスの発生がない、市場要求を
十分満足する強化ポリテトラメチレンテレフタレート樹
脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、(A)ポ
リトリメチレンテレフタレート樹脂、(B)リン酸塩ま
たはポリリン酸塩を主成分とする難燃剤、及び(C)無
機充填材からなる樹脂組成物により、上記課題を解決で
きることを見出し、本発明に至った。すなわち本発明
は、 1.(A)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂30〜
99重量部、(B)リン酸塩またはポリリン酸塩を主成
分とする難燃剤1〜70重量部および(C)無機充填材
5〜150重量部からなることを特徴とするポリトリメ
チレン難燃強化樹脂組成物、 2.(A)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂40〜
96重量部、(B)リン酸塩またはポリリン酸塩を主成
分とする難燃剤4〜60重量部および(C)無機充填材
10〜120重量部からなることを特徴とする上記1に
記載のポリトリメチレン難燃強化樹脂組成物、
【0007】3.(B)難燃剤が、ポリリン酸アンモニ
ウムであることを特徴とする上記1に記載のポリトリメ
チレン難燃強化樹脂組成物、 4.(B)難燃剤が、ポリリン酸メラミン類であること
を特徴とする上記1に記載のポリトリメチレン難燃強化
樹脂組成物、 5.(C)無機充填材が、ガラス繊維であることを特徴
とする上記1〜4のいずれかに記載のポリトリメチレン
難燃強化樹脂組成物、 6.上記1〜5のいずれかに記載のポリトリメチレン難
燃強化樹脂組成物からなる成形品、 7.成形品が射出成形品である、上記6に記載の成形
品、である。
【0008】以下、本発明のポリトリメチレン難燃強化
樹脂組成物に関して詳細に説明する。本発明のポリトリ
メチレンテレフタレート(以下、PTTと略称すること
がある。)とは、酸成分としてテレフタル酸を用い、グ
リコール成分としてトリメチレングリコールを用いたポ
リエステルポリマーを示している。ここで、トリメチレ
ングリコールとしては、1,3−プロパンジオール、
1,2−プロパンジオール、1,1−プロパンジオー
ル、2,2−プロパンジオール、又はこれらの混合物の
中から選ばれるが、結晶化速度の観点から1,3−プロ
パンジオールが特に好ましい。
【0009】なお、本発明の目的を損なわない範囲で、
酸成分として、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン
酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニル
エーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン
酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルケトン
ジカルボン酸、ジフェニルスルフォンジカルボン酸等;
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボ
ン酸;ε−オキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒ
ドロキシエトキシ安息香酸等のオキシジカルボン酸を、
また、グリコール成分として、エチレングリコール、テ
トラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、
ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノ
ール、キシリレングリコール、ジエチレングリコール、
ポリオキシアルキレングリコール、ハイドロキノン等を
用いて共重合したものも、本発明におけるPTTに含ま
れる。
【0010】共重合する場合、共重合成分の量は、本発
明の目的を損なわない範囲であれば特に制限はないが、
通常、全酸成分の20モル%以下、あるいは全グリコー
ル成分の20モル%以下とすることが好ましい。また、
上述のポリエステル成分に分岐成分、例えばトリカルバ
リル酸、トリメシン酸、トリメリット酸等の三官能又は
四官能のエステル形成能を持つ酸、又はグリセリン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリトリット等の三官能
又は四官能のエステル形成能を持つアルコールを共重合
してもよく、その場合、これらの分岐成分の量は全酸成
分または全グリコール成分の1.0モル%以下、好まし
くは0.5モル%以下、さらに好ましくは0.3モル%
以下である。更に、PTTはこれらの共重合成分を2種
類以上組み合わせて使用しても構わない。
【0011】本発明に用いられるPTTの製造方法は、
特に限定されるものではなく、例えば、特開昭51−1
40992号公報、特開平5−262862号公報、特
開平8−311177号公報等に記載されている方法に
従って得ることができる。例えば、テレフタル酸又はそ
のエステル形成性誘導体(例えばジメチルエステル、モ
ノメチルエステル等の低級アルキルエステル)とトリメ
チレングリコール又はそのエステル形成性誘導体とを、
触媒の存在下、好適な温度・時間で加熱反応させ、更に
得られたテレフタル酸のグリコールエステルを触媒の存
在下、好適な温度・時間で所望の重合度まで重縮合反応
させる方法が挙げられる。
【0012】重合方法についても、特に限定されず、溶
融重合、界面重合、溶液重合、塊状重合、固相重合、及
びこれらを組み合わせた方法を利用することができる。
本発明で用いられるPTTには、必要に応じて、各種の
添化剤、例えば、熱安定剤、消泡剤、整色剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白
剤、艶消し剤等を共重合又は混合してもよい。本発明の
PTTの極限粘度[η]については特に制限はないが、
機械特性、疲労特性の面から0.50以上であることが
好ましく、0.60以上がより好ましく、0.70以上
が最も好ましい。極限粘度[η]については、オストワ
ルド粘度計を用い、35℃において、樹脂をo−クロロ
フェノール中に溶質(PTT成分)濃度が1.00g/
dlになるように溶解させ、不溶分(無機質充填材等)
が沈殿した後、その上澄み液を用いて比粘度ηspを測
定し、下記式により求めることができる。 [η]=0.713×(ηsp/C)+0.1086 C=1.00g/dl
【0013】次に、本発明の(B)難燃剤として用いる
ことのできる、リン酸塩またはポリリン酸塩としては、
リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸
メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンな
どが挙げられる。例えば、工業的に入手できるポリリン
酸アンモニウムとしては、ポリリン酸アンモニウムをメ
ラミン樹脂等で処理し、水に難溶性としたタイエンS
[太平化学産業(株)製]、スミセーフP、スミセーフ
PM[以上、住友化学工業(株)製]、Exolit
462(ヘキスト社製)、AMGARD MC(アルブ
ライトアンド ウイルソン社製)等を挙げられる。
【0014】さらに、ポリリン酸アンモニウムに他の補
助成分を加えより難燃効果を改良したExolit V
P IFR−23(ヘキスト社製)、SPINFLAM
MF80/PP、SPINFLAM MF82/PP、
SPINFLAM MF82/PS(以上、モンテカチ
ーニ社製)等もまた挙げる事が出来る。また、リン酸メ
ラミンを構成するリン酸としては、具体的にはオルトリ
ン酸、亜リン酸、次亜リン酸、メタリン酸、ピロリン
酸、三リン酸、四リン酸等が挙げられ、特にオルトリン
酸を用いた付加物が好ましい。ポリリン酸メラミンを構
成するポリリン酸とはいわゆる縮合リン酸と呼ばれるも
のであり鎖状ポリリン酸、環状ポリメタリン酸が挙げら
れる。これらポリリン酸の縮合度は通常3〜50である
が、本発明では、これら縮合度を特に制約しない。
【0015】本発明に用いることのできるポリリン酸系
メラミンとは、メラミンと上記リン酸、ピロリン酸また
はポリリン酸との実質的に等モルから形成されるメラミ
ン付加物を意味し、一部酸官能基が一部遊離の状態にあ
っても良い。かかるメラミン付加物は例えば、メラミン
と上記のリン酸との混合物を水スラリーとし、よく混合
して両者の付加物を微粒子状に形成させた後、このスラ
リーを濾過、洗浄、乾燥し、得られた固形物を粉砕して
得られる粉末である。メラミン付加物の粒径は100μ
m以下、好ましくは50μm以下に粉砕した粉末を用い
るのが良い。0.5〜20μmの粉末を用いると高い難
燃性を発現するばかりでなく成形品の強度が著しく高く
なるので特に好ましい。これらのリン酸塩またはポリリ
ン酸塩は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0016】本発明の(A)ポリトリメチレンテレフタ
レート樹脂と(B)リン酸塩またはポリリン酸塩を主成
分とする難燃剤の配合割合は、(A)PTT30〜99
重量部、(B)難燃剤が、難燃性の改良効果の点から1
重量部以上であり、成形加工性や機械特性の点から70
重量部以下であることが好ましい。更に好ましい範囲は
A)ポリトリメチレンテレフタレート40〜96重量
部、(B)リン酸塩またはポリリン酸塩を主成分とする
難燃剤4〜60重量部である。
【0017】本発明の(C)無機充填材としては、目的
に応じて、繊維状無機充填材、粉粒状無機充填材及び板
状無機充填剤からなる群から選ばれる少なくとも一種以
上の無機充填材を用いることができる。繊維状無機充填
材としては、ガラス繊維、炭素繊維、シリカ繊維、シリ
カ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒
化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、
ウォラストナイト、さらにステンレス、アルミニウム、
チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物等の繊維状無機充
填材が挙げられる。なお、無機充填材と併用してポリア
ミド、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の高融点有機質繊維
状物質も使用することができる。
【0018】ここで、繊維状無機充填材の平均繊維長
(以下、「L」ともいう)、平均繊維径(以下、「D」
ともいう)、及びアスペクト比(以下、「L/D」とも
いう)については、特に限定されないが、平均繊維長は
機械的特性及び疲労特性の点から50μm以上であるこ
とが好ましく、平均繊維径は5μm以上であることが好
ましく、アスペクト比は10以上であることが好まし
い。また、炭素繊維については、平均繊維長(L)が1
00〜750μm、平均繊維径(D)が3〜30μm、
アスペクト比(L/D)が10〜100であるものが好
ましく用いられる。さらに、ウォラストナイトは、平均
繊維長が10〜500μm、平均繊維径が、3〜30μ
m、アスペクト比(L/D)が3〜100のものが好ま
しく用いられる。
【0019】粉粒状無機充填材としてはカーボンブラッ
ク、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、硅酸
カルシウム、硅酸アルミニウム、カオリン、クレー、硅
藻土などの硅酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、ア
ルミナなどの金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウムなどの金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウムなどの金属の硫酸塩、その他、炭化硅素、窒化硅
素、窒化硼素、各種金属粉末が挙げられる。なお、タル
ク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、チタン酸カリ
ウムについては平均粒径が0.1〜100μmのものが
最も好ましく用いられる。
【0020】板状無機充填材としてはタルク、マイカ、
ガラスフレーク、各種の金属箔等が挙げられる。本発明
の無機充填材としては、機械的特性及び疲労特性の面か
らガラス繊維が最も好ましく用いられる。ガラス繊維は
通常、ポリエステル樹脂に配合されるものであればよ
く、その種類等について特に制限はない。また、無機充
填材は一種のみ用いても、二種以上を併用してもよい。
ガラス繊維とガラス繊維以外の無機充填材との併用、特
にガラス繊維と粒状及び/又は板状無機充填剤との併用
が、機械的強度と寸法精度、電気的性質等を兼備する上
で好ましい。
【0021】本発明の(C)無機充填材の配合量は、
(A)PTTと(B)リン酸塩またはポリリン酸塩を主
成分とする難燃剤100重量部に対して1〜150重量
部が好ましく、10〜120重量部がより好ましい。
これらの無機充填材は、特に表面処理を施したものが好
ましく用いられる。表面処理としては公知のカップリン
グ剤やフィルム形成剤を用いて行う。好ましく用いられ
るカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、
チタン系カップリング剤があげられる。またフィルム形
成剤としては、エポキシ系ポリマー、ウレタン系ポリマ
ー、アクリル酸系ポリマー、及びこれらの混合物が好ま
しく用いられる。
【0022】本発明のポリトリメチレン難燃強化樹脂組
成物には、上記のポリトリメリレンテレフタレート樹
脂、難燃剤、難燃助剤、無機充填材に加え、各種用途及
び目的に応じて、その他の成分を適宜添加することがで
きる。本発明の樹脂組成物に結晶核剤をさらに配合する
と、より機械的強度の高い組成物が得られる。結晶核剤
としては、有機物及び無機物のいずれも使用することが
できる。
【0023】また、本発明の樹脂組成物に、成形性改良
剤をさらに配合すると、より成形加工特性及び成形品外
観に優れた難燃性強化樹脂組成物が得られる。成形性改
良剤としては、リン酸エステル類、亜リン酸エステル
類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸金属塩類、高級アルコー
ルと高級脂肪酸とのエステル類及び多価アルコールと高
級脂肪酸とのエステル類等の高級脂肪酸エステル類、高
級脂肪酸アミド化合物類、ポリアルキレングリコールあ
るいはその末端変性物類、低分子量ポリエチレンあるい
は酸化低分子量ポリエチレン類、置換ベンジリデンソル
ビトール類、ポリシロキサン類、カプロラクトン類が挙
げられるが、特に好ましいのは、高級脂肪酸類、高級脂
肪酸金属塩類、高級脂肪酸エステル類である。
【0024】また、本発明の樹脂組成物には、本発明の
目的を損なわない範囲で、通常使用される紫外線吸収
剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤、着色剤、衝撃強
度改良剤等の添加剤を配合することもできる。さらに、
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範
囲で、熱可塑性樹脂を配合してもよい。熱可塑性樹脂と
しては、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン系樹脂
(ゴム強化ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン樹脂等)等が挙げられる。
【0025】本発明のポリトリメチレン難燃強化樹脂組
成物の製造方法は特に限定されないが、ポリトリメチレ
ンテレフタレート樹脂、難燃剤、難燃助剤、無機充填
材、及び必要に応じて添加剤等の混合物を単軸又は多軸
の押出機、ニーダー、ミキシングロール、バンバリーミ
キサー等の公知の溶融混練機を用いて、200〜400
℃の温度で溶融混練する方法を挙げることができる。特
に、押出機を用いて溶融混練することが簡便で望まし
い。
【0026】本発明のポリトリメチレン難燃強化樹脂組
成物は、従来の樹脂組成物に比較し、機械的特性、耐薬
品性、電気的特性、耐候性、耐熱老化性、耐加水分解性
に加え、成形性、成形品外観が良好で成形品の反り変形
が小さく、加えて難燃性に優れるため、射出成形、押出
成形、圧縮成形、ブロー成形等の公知の成形方法、特に
射出成形によって、例えば、コネクター、コイルボビ
ン、ブレーカー、ホルダー、プラグ、スイッチ等の電気
電子部品、自動車部品、機械機構部品用等の各種成形品
に成形される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下実施例で本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定するもので
はない。なお、実施例および比較例に記載した諸特性は
以下の方法により評価した。 (試料の成形方法)試料は、射出成形機を用いて成形し
た。装置は日精樹脂(株)製PS40E、金型温度80
℃、シリンダー温度は260℃に設定し成形品を得た。
【0028】(評価方法) (1)難燃性 米国UNDER WRITERS LABORATORI
ESで定められたUL−94Vの規格に従って、厚みが
1/16インチの試験片で実施した。 (2)曲げ弾性率(GPa) ASTM D790に準じて行った。 (3) 曲げ強度(MPa) ASTM D790に準じて行った。 (4)反り変形性 厚み3mm、一辺130mmの金型を用いて射出成形し
た平板を水平面に置き、水平面との最大隙間間隔を測定
した。 (5)成形体外観:堀場製ハンディー光沢計IG320
を用い、JIS−K7150に準じてGs60℃を測定
した。数値が70以上の場合には○、70未満の場合に
は×とした。
【0029】実施例及び比較例で用いた材料を以下に記
す。 (A)樹脂 PTT:ポリトリメチレンテレフタレート樹脂[η]=
1.01 PBT:ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリプラス
チックス(株)製 ジュラネックス 2002 PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂、ユニチカ
(株)製、NEH−205
【0030】(B)難燃剤 (a)AMGARD MCアルブライト アンド ウイ
ルソン社製(ポリリン酸アンモニウムを主成分とする難
燃剤) (b)Exolit VP IFR−23、ヘキスト社
(ポリリン酸アンモニウムを主成分とする難燃剤) (c)メラミン−リン酸付加物 メラミンとオルトリン酸の等モル混合物を重量比で10
倍量の水で懸濁させて、約100℃で十分に攪拌後、ス
ラリーを濾過して白色のケーキを得た。次にこのケーキ
を80℃で真空乾燥後、粉砕して粒径10〜50μmの
メラミン−リン酸付加物(リン含有量14.1重量%)
の粉末を得た。(d)ポリリン酸メラミン、(株)三和
ケミカル製、アピノンMPP−A(平均粒径約3μm)
【0031】(C)無機充填材 ガラス繊維:日本電気硝子(株)製03T−187/P
【0032】
【実施例1〜4、比較例1〜3】(A)ポリトリメチレ
ンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、(B)難燃剤、
及び(C)無機充填材を表1に示す配合割合で、ブレン
ダーを用いて予備混合後、二軸押出機(東芝機械製TE
M35)を用いてシリンダー設定温度260℃、スクリ
ュウ回転数200rpmの条件下で、溶融混練し、スト
ランド状に取り出し冷却後カッターで造粒しペレットを
得た。得られたペレットを前記した測定法によって諸特
性を調べた。その結果を表1に示す。なお、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂を用いた比較例2においては射出
成形の段階で離型不良等の成形性に問題を生じ,物性の
評価をするにいたらなかった。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明のポリトリメチレン難燃強化樹脂
組成物は、機械的特性、耐薬品性、電気的特性、耐候
性、耐熱老化性、耐加水分解性に加え、成形性、成形品
外観が良好で成形品の反り変形が小さく、加えて難燃性
に優れ、燃焼時に腐食性の高いハロゲン化水素ガスの発
生がない。したがって、コネクター、コイルボビン、ブ
レーカー、ホルダー、プラグ、スイッチ等の電気電子部
品、自動車部品、機械機構部品用等に好適に用いること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA44 AB01 AB03 AB06 AB07 AB09 AB12 AB18 AB20 AB25 AB26 AB27 AB28 AC15 AD01 AE07 AE17 AF47 AH11 AH12 AH17 BB05 4J002 CF051 DA017 DA067 DA077 DA097 DC007 DE097 DE187 DH046 DH056 DJ007 DJ017 DK007 DL007 EW006 FA047 FD017 FD136 GM00 GN00 GQ00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリトリメチレンテレフタレート
    樹脂30〜99重量部、(B)リン酸塩またはポリリン
    酸塩を主成分とする難燃剤1〜70重量部および(C)
    無機充填材5〜150重量部からなることを特徴とする
    ポリトリメチレン難燃強化樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ポリトリメチレンテレフタレート
    樹脂40〜96重量部、(B)リン酸塩またはポリリン
    酸塩を主成分とする難燃剤4〜60重量部および(C)
    無機充填材10〜120重量部からなることを特徴とす
    る請求項1に記載のポリトリメチレン難燃強化樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 (B)難燃助が、ポリリン酸アンモニウ
    ムであることを特徴とする請求項1に記載のポリトリメ
    チレン難燃強化樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)難燃助が、ポリリン酸メラミン類
    であることを特徴とする請求項1に記載のポリトリメチ
    レン難燃強化樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (C)無機充填材が、ガラス繊維である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリ
    トリメチレン難燃強化樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のポリト
    リメチレン難燃強化樹脂組成物からなる成形品。
  7. 【請求項7】 成形品が射出成形品である、請求項6に
    記載の成形品。
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WO2016002193A1 (ja) * 2014-06-30 2016-01-07 三井化学株式会社 反射材用ポリエステル樹脂組成物およびそれを含む反射板

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