JP2003146656A - 板状炭酸カルシウム系の球状複合体の製造方法 - Google Patents
板状炭酸カルシウム系の球状複合体の製造方法Info
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Abstract
ーなどを使用して球形に凝集させたものが殆どであっ
て、その細孔径は一次粒子径よりも小さいのが普通であ
り、細孔径を1μm以上にすることは困難であった。ま
た、粒子の形状、細孔の大きさなどが固定されており、
それぞれの用途にみあった最適な品質にする自由度が殆
どないのが現状である。 【解決手段】石灰乳と二酸化炭素を反応させて水酸化カ
ルシウムの炭酸化反応を行うにあたり、縮合リン酸化合
物の存在下、塩基性炭酸カルシウムが生成する反応条件
で、石灰乳の電気伝導度が反応前に対して2〜10mS
/cm降下したときに炭酸化反応を止めた後、さらに縮
合リン酸化合物および炭酸化率が70%以下の石灰乳を
添加し、二酸化炭素を反応させることを2回以上繰り返
すことおよび炭酸化反応を終了させることにより、板状
炭酸カルシウムの球状複合体を製造する。
Description
有した炭酸カルシウムの球状複合体の製造方法に関する
ものである。
それぞれの特性を生かして種々の分野で使用されてい
る。これらの多孔質物質のなかでも無機成分を構成成分
とするものとしては、ゼオライト、活性炭、珪酸カルシ
ウム、リン酸カルシウムなどが知られている。
質物質といわれている化合物には、それぞれ一長一短が
あり、いまだに充分に満足しうるものは得られていな
い。一般に多孔質物質は、球形に近い一次粒子をバイン
ダーなどを使用して球形に凝集させたものが殆どであっ
て、その細孔径は一次粒子径よりも小さいのが普通であ
る。また、その細孔は一次粒子の凝集間隙や製造時の
水、有機溶媒またはバインダーの蒸発に伴う空隙から形
成されたものであるので、細孔径を1μm以上にするこ
とは困難であった。また、これらの多孔質物質の殆ど
が、粒子の形状、細孔の大きさなどが固定されており、
それぞれの用途にみあった最適な品質にする自由度が殆
どないのが現状である。本発明者らは、先に「板状炭酸
カルシウムの製造方法」(特開平2−18451)およ
び「板状塩基性炭酸カルシウムの製造方法」(特開平3
−285816)を発明したので、これらの知見をもと
に、従来多孔質物質の対象として検討されたことのない
炭酸カルシウムが、合成条件を変化させることによりそ
の形態を制御できることを見出し、多孔質物質の基材と
して採用し、製造条件により細孔径および細孔容積を変
えることのできる板状炭酸カルシウムの球状複合体を得
ようとしたものである。
るために本発明者らは鋭意検討を行った結果、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、石灰乳と二酸
化炭素を反応させて水酸化カルシウムの炭酸化反応を行
うにあたり、縮合リン酸化合物の存在下、塩基性炭酸カ
ルシウムが生成する反応条件で、石灰乳の電気伝導度が
反応前に対して2〜10mS/cm降下したときに炭酸
化反応を止めた後、さらに縮合リン酸化合物および炭酸
化率が70%以下の石灰乳を添加し、二酸化炭素を反応
させることを2回以上繰り返すことおよび炭酸化反応を
終了させることを特徴とする板状炭酸カルシウムの球状
複合体の製造方法であって、石灰乳と二酸化炭素を反応
させて水酸化カルシウムの炭酸化反応を行うにあたり、
炭酸化反応を止めた後、または二酸化炭素を反応させた
後に、その生成物を加熱下で二酸化炭素と接触させるこ
とにより炭酸化反応を終了させることが好ましい。
状複合体は、図1に示したような板状構造を有した炭酸
カルシウムの単一結晶が一次粒子を形成し、図2に示す
ように層状に凝集して球状複合体を形成したり、または
図3に示すように放射状に凝集して球状複合体を形成し
て、表面に細孔を多数形成させた板状炭酸カルシウムの
球状複合体であって、その粒径は凡そ1〜100μmで
あって、3〜50μmのものが、使用上扱いやすく好ま
しい。
球状複合体における板状構造を有した炭酸カルシウムな
どの一次粒子間の間隙をいい、その細孔容積は水銀圧入
法により測定される。この場合、細孔容積が0.1ml
/g未満であれば、粉体の粒子間隙であって細孔ではな
い。また、3ml/gを越えると板状炭酸カルシウムの
球状複合体の強度を保つことができず実用的ではない。
従って、水銀圧入法による細孔容積が0.1〜3ml/
gであることが好ましい。
合によって物性が変わるものであって、例えば、X線回
折における解析や解析強度比によって異なり、示差熱分
析にあっては、複合形態や割合によってそれぞれの分解
温度により減量と熱量が示され、その値は複合割合によ
り決まる。
合体の製造方法において、水酸化カルシウム水懸濁液す
なわち石灰乳の濃度は1〜15重量%、好ましくは3〜
10重量%が望ましい。石灰乳の濃度が1重量%未満で
は基本構造である板状構造が生成でき難くなり、さらに
15重量%を越えると均一な板状炭酸カルシウムの球状
複合体の生成が困難になる。
ポリリン酸化合物といわれる化合物で、ピロリン酸、ト
リポリリン酸、テトラポリリン酸、ヘキサメタリン酸、
ウルトラリン酸などを例示できるが、それらのナトリウ
ム、カリウムなどのアルカリ金属塩またはアンモニウム
塩であってもよい。これらは1種類で使用してもよい
し、また2種類以上併用してもよい。縮合リン酸化合物
の添加量は、水酸化カルシウムに対して0.01〜10
重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。一般に縮
合リン酸化合物の添加量が水酸化カルシウムに対して1
0重量%を越えると、層状体または放射状体の板状炭酸
カルシウムの間隙幅が小さくなり、細孔容積も小さくな
り、本発明の目的を達成することはできない。一方、縮
合リン酸化合物の添加量が水酸化カルシウムに対して
0.01重量%未満であると、板状炭酸カルシウムを層
状体または放射状体に凝集させることができず、本発明
の板状炭酸カルシウムの球状複合体の製造は困難とな
る。
合体の製造方法においては、縮合リン酸化合物の存在
下、塩基性炭酸カルシウムが生成する反応条件で水酸化
カルシウムの炭酸化を行うことによって、基本構造であ
る板状構造を有する炭酸カルシウムを生成することがで
きる。生成した炭酸カルシウムの粒子の形状と電気伝導
度とは密接な関係があるので、電気伝導度を測定するこ
とにより炭酸カルシウムの生成を制御することができ
る。すなわち、電気伝導度の降下が2mS/cm未満で
あると、一次粒子である板状構造が充分に成長していな
い状態にあり、炭酸化率60%以下であると、生成球状
複合体の均一性が損なわれる。また、電気伝導度の降下
が10mS/cmを越えると、一次粒子である板状構造
の間隙が少なく、細孔容積も少なくなり、炭酸化率も6
6.7%を越えることになる。
を大きくし、複合体の粒度分布の幅が狭くなるように、
炭酸化反応を止めたのち、縮合リン酸化合物および炭酸
化率70%以下の石灰乳を添加する。ここで炭酸化率と
は、乳液中の炭酸カルシウムのモル(mol)数と石灰
乳中のカルシウムのモル(mol)数の百分率であっ
て、数1で示される式によって計算された値である。
合体の製造方法において、縮合リン酸化合物の存在下で
水酸化カルシウムの炭酸化反応を行う場合、炭酸化反応
を止めた後、さらに縮合リン酸化合物および炭酸化率が
70%以下の石灰乳を添加し、二酸化炭素を反応させる
ことを2回以上繰り返すことにより、板状炭酸カルシウ
ムの球状複合体の粒子径を大きく制御できると同時に粒
子径分布が狭くそろった板状炭酸カルシウムの複合体を
得ることができる。ここで炭酸化率は通常10%未満で
あって、70%を越えると板状炭酸カルシウムの球状複
合体の結晶成長に使用できる水酸化カルシウムの量が少
なくなり、球状複合体を成長させての粒子径制御ができ
難くなると同時に、成長した球状複合体の粒子径が不揃
いとなるので、好ましくない。繰り返し回数は通常2〜
10回であるが、好ましくは2〜5回である。このとき
の反応温度は、10〜40℃程度の範囲、好ましくは2
0〜40℃の範囲である。この反応温度を越えると、基
本構造である板状構造とならず本発明の目的を達成しな
い。縮合リン酸化合物の添加時期については、炭酸化前
から炭酸化率30%、好ましくは炭酸化前から炭酸化率
20%までに添加することが望ましい。これらの添加時
期を過ぎると、基本構造である板状構造の放射状または
層状の球状凝集体とならず本発明の目的を達成しない。
繰り返して炭酸化を行う場合、添加する石灰乳の混合割
合は、生成している炭酸カルシウムに対し、10:1〜
1:10、好ましくは4:1〜1:4が望ましい。生成
している炭酸カルシウムの混合割合が増加すると基本構
造の板状構造が均一に成長せず、放射状または層状の球
状凝集体と成り難く、さらに添加する石灰乳の混合割合
が増加すると基本構造の成長が大きく成りすぎるため
に、放射状または層状の球状凝集体の均一性がなくなり
本発明の目的を達成できない。
カルシウム、塩基性炭酸カルシウムと炭酸カルシウムの
複合物、炭酸カルシウムと水酸化カルシウムの複合物、
塩基性炭酸カルシウムと水酸化カルシウムと炭酸カルシ
ウムの複合物からなり、前記一次粒子が球状に凝集した
板状炭酸カルシウムの球状複合体を二酸化炭素と加熱下
で接触させ、前記一次粒子の塩基性炭酸カルシウム、塩
基性炭酸カルシウムと炭酸カルシウムの複合物、塩基性
炭酸カルシウムと水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの
複合物を炭酸カルシウムに変化させて板状炭酸カルシウ
ムの球状複合体にする場合、この炭酸化速度は、炭酸化
温度、二酸化炭素濃度と反応時間により異なるが、固体
と気体の直接反応は通常反応速度が遅いので、塩基性炭
酸カルシウムの分解温度以上または水酸化カルシウムの
分解温度以上で炭酸カルシウムの分解温度以下で行うの
が望ましい。すなわち、その温度は300〜800℃、
好ましくは400〜700℃である。また、二酸化炭素
の濃度は、10〜100容量%、好ましくは50〜10
0容量%である。
シウムの球状複合体は、従来の炭酸カルシウムや炭酸カ
ルシウム系複合体に比べて、比表面積が大きく、かつ粒
子表面が、図2および図3にみられるように、多孔質と
なっているので、その特性を利用した種々の用途を有し
ている。直接その物質を使用すると毒性など問題がある
場合、すなわち農薬などを本発明の板状炭酸カルシウム
の球状複合体に担持させることにより、任意の濃度に調
整し、かつ飛散を防ぐことができる。また、香料、消臭
剤などの揮発性の物質を担持させることにより、持続性
のある徐放剤として利用できる。例えば、触媒、医薬、
化粧料、農薬、微生物、過酸化物、植物成長剤、オレフ
ィン吸収剤、紫外線吸収剤、香料、芳香剤、消臭剤など
の各種物質の担持体として、利用することができ、この
とき吸着された物質をすみやかに放出することがないの
で、その徐放性を利用し、担持された物質の徐放剤とし
ての用途がある。さらに、物質の吸着性を利用して、乾
燥剤、吸液剤、防臭剤としての用途並びに塗料、シーラ
ント、接着剤、塩化ビニールペーストなどの増粘剤とし
ての用途がある。その他、濾過助剤、粉体の成形助剤お
よび吸液用成形体、潤滑油用キャリヤー、製紙用原料と
しても利用できる。
明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではな
い。
00mlを攪拌しながら25容量%の二酸化炭素ガス
(以下単に「炭酸ガス」という)を1200ml/分で
導入し、炭酸化を行った。炭酸ガス導入開始と同時にヘ
キサメタリン酸ナトリウム0.48gを水25mlに溶
解した液を石灰乳に添加した。反応開始より50分後に
電気伝導度が反応前より6.0mS/cm降下したので
炭酸ガスの導入を停止した。この時の石灰乳の炭酸化率
は61%であった。この石灰乳から固形物を通常の方法
で濾過し、アルコール洗浄した後、110℃で12時間
乾燥した。この乾燥固形物を粉末X線回折の結果、図4
に示すとおりカルサイトと塩基性炭酸カルシウムであ
り、走査型電子顕微鏡観察の結果、厚さ0.2μm、粒
子径3μmの板状構造をしたものが放射状に凝集し10
μmの球状粒子を形成していた。この乾燥品100gを
104μmの篩を通過させ、円筒形容器に充填し、55
0℃に加熱した縦型電気炉に装着し、下部から100%
炭酸ガスを50ml/分で20時間炭酸化を行った。炭
酸化反応終了後のX線回折の結果、図5に示すとおりカ
ルサイトのみであり、他の結晶構造は認められなかっ
た。走査型電子顕微鏡観察の結果、厚さ0.2μm、粒
子径3μmの板状構造をしたものが放射状に凝集し、約
10μmの球状粒子を形成していた。このものは水銀圧
入法(以下同じ)による細孔容積は0.84ml/gで
あった。また、BET法による比表面積(以下同じ)は
7m2 /g、JIS K−6223によるDOP(フタ
ル酸ジオクチル、以下同じ)の吸油量(以下同じ)は9
0ml/100gであった。
00mlを攪拌しながら炭酸ガスを1200ml/分で
導入し、炭酸化を行った。炭酸ガス導入開始1分前にヘ
キサメタリン酸ナトリウム0.48gを水25mlに溶
解した液を石灰乳に添加した。反応開始より50分後に
電気伝導度が反応前より4.3mS/cm降下したので
炭酸ガスの導入を停止した。この時の石灰乳の炭酸化率
は65%でA液とした。6重量%で20℃の石灰乳80
0mlを攪拌しながら炭酸ガスを1200ml/分で導
入し、炭酸化を行った。炭酸ガス導入開始2分後にヘキ
サメタリン酸ナトリウム0.48gを水25mlに溶解
した液を石灰乳に添加した。反応開始より30分後に炭
酸ガスの導入を停止した。この石灰乳の炭酸化率は34
%でB液とした。A液800mlとB液800mlを混
合し、石灰乳温度を25℃とし、攪拌しながら炭酸ガス
を2400ml/分で導入した。反応開始より20分後
に電気伝導度が反応前より6.5mS/cm降下したの
で、炭酸ガスの導入を停止し、石灰乳を濾過、アルコー
ル洗浄した後、110℃で12時間乾燥した。この乾燥
品は、X線回折の結果、塩基性炭酸カルシウムと炭酸カ
ルシウムであり、走査型電子顕微鏡観察の結果、厚さ
0.25μm、大きさ3μmの板状構造をしたものが放
射状に凝集し、約15μmの球状粒子を形成していた。
この乾燥品100gを104μmの篩を通過させ、円筒
形容器に充填し、550℃に加熱した縦型電気炉に装着
し、下部から100%炭酸ガスを50ml/分で20時
間炭酸化を行った。炭酸化反応終了後のX線回折の結果
は、カルサイトのみであり、他の結晶構造は認められな
かった。走査型電子顕微鏡の写真を図2に示した。観察
の結果、厚さ0.25μm、粒子径3μmの板状構造を
したものが放射状に凝集し、約15μmの球状粒子を形
成していた。このものの細孔容積は0.67ml/gで
あった。また、比表面積は6m2 /g、DOPの吸油量
は110ml/100gであった。
00mlを攪拌しながら炭酸ガスを1200ml/分で
導入し、炭酸化を行った。炭酸ガス導入と同時にピロリ
ン酸ナトリウム0.56gを水25mlに溶解した液を
石灰乳に添加した。反応開始より85分で石灰乳のpH
が7.0になったので炭酸ガスの導入を停止し、石灰乳
を濾過し、アルコール洗浄した後、110℃で12時間
乾燥した。この乾燥品は、粉末X線回折の結果、すべて
がカルサイトであり、走査型電子顕微鏡観察の結果、厚
さ0.2μm、粒子径3μmの板状構造をしたものが放
射状に凝集し、約10μmの球状粒子を形成していた。
このものの細孔容積は0.79ml/g、比表面積は約
10m2 /g、DOPの吸油量は60ml/100gで
あった。
ヘキサメタリン酸ナトリウム0.18gを含む6重量%
の石灰乳(以下「C液」という)400mlを注加し、
石灰乳温度20℃に調整後、炭酸ガスを600ml/分
で導入し、45分後に電気伝導度が反応前より7.0m
S/cm降下したので、炭酸ガスの導入を停止した。こ
の石灰乳400mlに新たにC液400mlを注加し、
上記の条件下で炭酸化を行い、同様に電気伝導度が反応
前より7.0mS/cm降下した時点で炭酸ガスの導入
を停止した。このような反応を5回繰り返したところ、
この石灰乳の炭酸化率は69%であり、この石灰乳を濾
過し、アルコール洗浄した後、110℃で12時間乾燥
した。この乾燥品は、粉末X線回折の結果、図6に示す
とおりカルサイト、塩基性炭酸カルシウムおよび消石灰
であり、走査型電子顕微鏡観察の結果、厚さ0.3μ
m、粒子径3.5μmの板状構造をしたものが放射状に
凝集し、約27μmの球状粒子を形成していた。この乾
燥品100gを104μmの篩を通過させ、円筒形容器
に充填し、550℃に加熱した縦型電気炉に装着し、下
部から100%炭酸ガスを100ml/分で20時間炭
酸化を行った。炭酸化反応終了後のX線回折の結果、カ
ルサイトのみであり、他の結晶構造は認められなかっ
た。走査型電子顕微鏡観察の結果、厚さ0.3μm、粒
子径3.5μmの板状構造をしたものが放射状に凝集
し、約27μmの球状粒子を形成していた。
600mlを攪拌しながら、25容量%の炭酸ガスを3
600ml/分で導入し、炭酸化を行った。炭酸ガス導
入開始と同時にヘキサメタリン酸ナトリウム0.96g
を水50mlに溶解した液を添加した。反応開始より4
0分後に電気伝導度が反応前より4.1mS/cm降下
したので、炭酸ガスの導入を停止した。このときの乳液
の炭酸化率は65%であった。この乳液から固形物を通
常の方法で濾過し、アルコール洗浄した後、110℃で
12時間乾燥した。この乾燥固形物を粉末X線回折の結
果、カルサイトと塩基性炭酸カルシウムであり、走査型
電子顕微鏡観察の結果、厚さ0.15μm、粒子径1μ
mの板状構造をしたものが、放射状に凝集し、5μmの
球状粒子を形成していた。この乾燥品100gを104
μmの篩を通過させ、円筒形容器に充填し、550℃に
加熱した縦型電気炉に装着し、下部から100%炭酸ガ
スを100ml/分で20時間炭酸化を行った。炭酸化
反応終了後のX線回折の結果、カルサイトのみであり、
他の結晶構造は認められなかった。走査型電子顕微鏡観
察の結果、厚さ0.15μm、粒子径1μmの板状構造
をしたものが、放射状に凝集し、約5μmの球状粒子を
形成していた。このものは、細孔容積0.6ml/gで
あった。また、BET法による比表面積は、5m2 /
g、DOPも吸油量は60ml/100gであった。
酸化炭素の反応により生成される炭酸カルシウムは、板
状構造を有した炭酸カルシウムの一次粒子が球状に凝集
した比表面積が大きく、多孔質である板状炭酸カルシウ
ムの球状複合体であって、一次粒子間に間隙を有するた
め、直接その物質を使用すると問題がある場合、すなわ
ち農薬などを本発明の板状炭酸カルシウムの球状複合体
に担持させることにより、任意の濃度に調整し、かつ飛
散を防ぐことができる。また、香料、消臭剤などの揮発
性の物質を担持させることにより、持続性のある徐放剤
として利用できる。さらに、物質の吸着性を利用して、
乾燥剤、吸液剤、防臭剤としての用途並びに塗料、シー
ラント、接着剤、塩化ビニールペーストなどの増粘剤と
しての用途があり、その他、濾過助剤、粉体の成形助剤
および吸液用成形体、潤滑油用キャリヤー、製紙用原料
としても利用できる。
シウムのX線回折
シウムおよび水酸化カルシウムのX線回折
Claims (2)
- 【請求項1】石灰乳と二酸化炭素を反応させて水酸化カ
ルシウムの炭酸化反応を行うにあたり、縮合リン酸化合
物の存在下、塩基性炭酸カルシウムが生成する反応条件
で、石灰乳の電気伝導度が反応前に対して2〜10mS
/cm降下したときに炭酸化反応を止めた後、さらに縮
合リン酸化合物および炭酸化率が70%以下の石灰乳を
添加し、二酸化炭素を反応させることを2回以上繰り返
すことおよび炭酸化反応を終了させることを特徴とする
板状炭酸カルシウムの球状複合体の製造方法。 - 【請求項2】請求項1に記載の石灰乳と二酸化炭素を反
応させて水酸化カルシウムの炭酸化反応を行うにあた
り、炭酸化反応を止めた後、または二酸化炭素を反応さ
せた後に、その生成物を加熱下で二酸化炭素と接触させ
ることにより炭酸化反応を終了させることを特徴とする
板状炭酸カルシウムの球状複合体の製造方法。
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-
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- 2002-09-20 JP JP2002274569A patent/JP3903891B2/ja not_active Expired - Lifetime
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