JP2003146101A - 電磁クラッチ用摩擦板の組付け構造 - Google Patents

電磁クラッチ用摩擦板の組付け構造

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JP2003146101A
JP2003146101A JP2001349363A JP2001349363A JP2003146101A JP 2003146101 A JP2003146101 A JP 2003146101A JP 2001349363 A JP2001349363 A JP 2001349363A JP 2001349363 A JP2001349363 A JP 2001349363A JP 2003146101 A JP2003146101 A JP 2003146101A
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friction
electromagnetic clutch
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Masaaki Fushiki
正明 伏木
Koji Otsuka
幸二 大塚
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GKN Driveline Japan Ltd
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Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗を減少しつつ磁路を確定するように
した電磁クラッチ用摩擦板の組付け構造を提供する。 【解決手段】 交互に重ね合わした駆動側摩擦板20と
被動側摩擦板30のうち、一方の摩擦板20の表裏に油
溝23の溝パターン24と溝パターン合致手段40を同
位置かつ同形状に形成し、駆動側摩擦板20および被動
側摩擦板30を組付ける際に、油溝23を摩擦板20の
表裏および隣接されるその摩擦板20同士でそれぞれ合
致させて、磁路Mを一直線状に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁クラッチ装置
で磁力によって締結される摩擦板、とりわけ、摩擦板の
表裏に油溝を形成した電磁クラッチ用摩擦板の組付け構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電磁クラッチ装置としては、例え
ば特開平10−329562号公報に開示されるものが
ある。この電磁クラッチ装置1は図4に示すように、一
方が駆動側部材、他方が被動側部材となるインナーシャ
フト2とアウターハウジング3との間に同軸配置される
メインクラッチ機構4とパイロットクラッチ機構5とを
備え、このパイロットクラッチ機構5の締結によって作
動するボールクラッチ6を介してメインクラッチ機構4
を締結することにより、インナーシャフト2とアウター
ハウジング3との間でトルク伝達が可能となっている。
【0003】前記パイロットクラッチ機構5は、パイロ
ット摩擦板群5aと、クラッチローター5bと、電磁ソ
レノイド5cと、アーマチャー5dとを備えて構成さ
れ、電磁ソレノイド5cの通電によって発生する電磁力
でアーマチャー5dを吸引することにより、このアーマ
チャー5dとクラッチローター5bとの間にパイロット
摩擦板群5aを圧接し、もって前記パイロットクラッチ
機構5を締結するようになっている。
【0004】前記パイロット摩擦板群5aは、前記ボー
ルクラッチ6の入力部材6aの外周に形成したスプライ
ン6bに係合することにより、このボールクラッチ6を
介してインナーシャフト2に係合した複数のインナー摩
擦板5axと、アウターハウジング3の内周に形成した
スプライン3aに係合した複数のアウター摩擦板5ay
とを、それぞれ交互に重ね合わせて構成される。
【0005】ところで、前記電磁ソレノイド5cで発生
する磁力線は、前記クラッチローター5b、前記パイロ
ット摩擦板群5aおよび前記アーマチャー5dに亘って
循環する磁路Mを形成するが、クラッチローター5bに
は磁路Mの循環経路の中央部に位置して非磁性部位5e
を設けるとともに、パイロット摩擦板群5aには、この
非磁性部位5eに対向する位置に電磁ソレノイド5cの
磁路Mを確定する非磁性溝となる円弧状の貫通孔7を形
成して、循環する磁路Mから磁力線が洩れて電磁ソレノ
イド5cの磁力が低下するのを防止するようになってい
る。
【0006】また、一般的には図5に示すように前記ア
ウター摩擦板5ayの表裏に油溝8が形成され、パイロ
ットクラッチ機構5の締結時に、互いに圧接されるイン
ナー摩擦板5axとアウター摩擦板5ayとの間に残存
する潤滑油を油溝8を介して排除することにより、その
締結力を高めることができるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の電磁クラッチ装置1にあっては、アウター摩擦板
5ayの表裏に形成した油溝8は、表面と裏面とでそれ
ぞれの位置関係は任意に形成されており、かつ、アウタ
ー摩擦板5ayをアウターハウジング3に組付ける際に
も、隣接されるアウター摩擦板5ay同士の油溝8の形
成位置に関係無く、順番にスプライン3aに嵌め込んで
いた。
【0008】このため、図5に示すように磁路Mは隣接
されるアウター摩擦板5ay間でそれぞれの油溝8を避
けて通過するため、磁路Mは蛇行して複雑な経路を通る
ことになる。このように磁路Mが蛇行すると、パイロッ
トクラッチ板群5を通過する磁気抵抗が増加するため、
アーマチャー5dの吸引力が低下してパイロットクラッ
チ機構5の締結力が減少することになる。
【0009】また、アウター摩擦板5ayの回転方向の
取付け位置が個体間で様々となることから磁路Mを確定
することができないため、パイロットクラッチ機構5の
締結力に個体差が発生してしまう。
【0010】そこで本発明は、摩擦板間を通過する磁路
が略直線状となるように油溝の形成位置や隣接する油溝
との相対位置を工夫することにより、磁気抵抗を減少し
つつ磁路を確定するようにした電磁クラッチ用摩擦板の
組付け構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに請求項1に記載の発明は、駆動側部材に取り付けら
れる複数の駆動側摩擦板と被動側部材に取り付けられる
複数の被動側摩擦板とを交互に重ね合わせた摩擦板群
と、前記摩擦板群の一側方に配置した電磁ソレノイド
と、前記摩擦板群の他側方に配置して前記電磁ソレノイ
ドで発生する電磁力に吸引されるアーマチャーと、を備
え、前記アーマチャーの吸引により前記摩擦板群を圧接
して締結する電磁クラッチ装置であって、前記駆動側摩
擦板および前記被動側摩擦板の一方の摩擦板の表裏に油
溝が形成された電磁クラッチ用摩擦板の組付け構造にお
いて、前記油溝の溝パターンを摩擦板の表裏で同位置か
つ同形状に形成しておき、前記駆動側摩擦板および前記
被動側摩擦板を組付ける際に、前記油溝を形成した摩擦
板に、この油溝を形成した摩擦板の隣接されるもの同士
でそれぞれの溝パターンを同位置に合わせる溝パターン
合致手段を有することを特徴としている。
【0012】この場合、摩擦板の表裏で同位置かつ同形
状に形成した油溝の溝パターンが、溝パターン合致手段
によって、油溝を形成した摩擦板の隣接されるもの同士
でそれぞれの溝パターンを同位置に合わせて組付けられ
るため、油溝は摩擦板の表裏および隣接されるもの同士
でそれぞれ合致されることになり、結果的に摩擦板の配
列方向に一直線となって整合される。従って、電磁ソレ
ノイドで発生される磁路が油溝を避けて各摩擦板を通過
する際、この磁路は摩擦板の配列方向に直線状に形成さ
れているため、磁気抵抗が減少してアーマチャーの吸引
力が増大されるとともに、磁路の安定化によってアーマ
チャーに作用する電磁ソレノイドの電磁力が個体間で概
ね一定になる。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の電磁クラッチ用摩擦板の組付け構造において、前記油
溝の溝パターンは、放射螺旋溝を含む格子パターンとし
て形成されることを特徴としている。
【0014】この場合、隣接される摩擦板同士を圧接し
てクラッチを締結する際、格子パターンによって圧接さ
れる摩擦板間に残留される潤滑油の排除機能が増す。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1,2に
記載の電磁クラッチ用摩擦板の組付け構造において、前
記溝パターン合致手段は、前記溝パターンと、摩擦板を
駆動側部材または被動側部材に取り付けるスプライン歯
とを回転方向に対応させて構成したことを特徴としてい
る。
【0016】この場合、スプライン歯は摩擦板の回転方
向位置を規制するものであるため、油溝が形成された摩
擦板のスプライン歯を単に組み付けるのみで、このスプ
ライン歯に対応した溝パターンが隣接する摩擦板同士で
簡単に合致されることになる。
【0017】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に
記載の電磁クラッチ用摩擦板の組付け構造において、摩
擦板に形成した磁路確定用の非磁性溝間に設けられるブ
リッジ部は、互いに重ね合わされる摩擦板同士で回転方
向にオフセットしたことを特徴としている。
【0018】この場合、ブリッジ部がオフセットされる
ことにより、非磁性溝を挟んで摩擦面の内周部と外周部
に形成された磁路を通過する磁力線が、ブリッジ部を介
して洩れる量を減少することができるため、アーマチャ
ーに作用する電磁力の低下が抑制される。
【0019】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に
記載の電磁クラッチ用摩擦板の組付け構造において、油
溝を形成した摩擦板と、この摩擦板を取り付ける駆動側
部材または被動側部材との間に、回転方向に非対称とな
る係合部を設けたことを特徴としている。
【0020】この場合、係合部が回転方向に非対称とな
ることにより、油溝を形成した摩擦板は常に一定の回転
位置で組み付けることができ、ひいては隣接する摩擦板
同士で溝パターンの整合性を簡単かつ確実にとることが
できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。
【0022】図1〜図3は本発明にかかる電磁クラッチ
用摩擦板の組付け構造の一実施形態を示し、図1は摩擦
板の組付け状態を示す要部斜視図、図2は油溝を形成し
た摩擦板の正面図、図3は摩擦板の重ね合わせ状態を示
す要部拡大図で、本実施形態を説明するにあたって必要
に応じて図4に示した従来の電磁クラッチ装置1の構成
を参照しつつ説明するものとする。
【0023】図1は本実施形態の電磁クラッチ用摩擦板
の組付け構造を示し、駆動側部材としてのアウターハウ
ジング10の内部に駆動側摩擦板としてのアウター摩擦
板20が複数組み込まれている。また、各アウター摩擦
板20の間には被動側摩擦板としての後述のインナー摩
擦板30が配置され、このインナー摩擦板30と前記ア
ウター摩擦板20とは交互に重ね合わされる。
【0024】勿論、前記アウター摩擦板20および前記
インナー摩擦板30は、電磁クラッチ装置1(図4参
照)のパイロット摩擦板群5a(図4参照)を構成す
る。
【0025】図2は前記アウター摩擦板20を示し、こ
のアウター摩擦板20は、ボールクラッチ6(図4参
照)の入力部材6a(図4参照)を収納する中心開口2
1が形成された平板環状に形成され、その外周部には図
1に示したようにアウターハウジング10の内周に形成
されたスプライン11に係合されるスプライン歯22が
形成される。
【0026】従って、前記スプライン歯22が前記スプ
ライン11に係合されることにより、アウター摩擦板2
0はアウターハウジング10に対して回転中心軸方向の
移動を許容しつつ回転方向に係止される。
【0027】また、前記アウター摩擦板20には、その
表裏に潤滑油を排出する油溝23が形成される。この油
溝23は、図2に示したように互いに逆方向となる放射
螺旋溝24a,24bによって格子パターン24として
形成される。
【0028】前記放射螺旋溝24a,24bは、図2中
一点鎖線で示す所定径Dの切り歯Tの回転中心C1を、
アウター摩擦板20の中心Oから所定距離Lだけ偏心さ
せて、切り歯Tをアウター摩擦板20の中心Oを中心と
して所定ピッチ角だけ回転しつつ摩擦面25を切削する
ことにより形成される。勿論、放射螺旋溝24aと放射
螺旋溝24bとは、切り歯30の偏心方向がアウター摩
擦板20の中心Oを挟んで反対側に配置されることにな
る。
【0029】また、前記アウター摩擦板20の環状とな
った摩擦面25には、図2に示すようにこの摩擦面25
の半径方向略中央部に、非磁性溝としての円弧状の貫通
孔26が周方向に等間隔をもって複数(本実施形態では
6個)形成されている。複数の貫通孔26同士の間はブ
リッジ部26aが設けられ、このブリッジ部26aによ
って摩擦面25の内周部25aと外周部25bとが連結
される。
【0030】そして、前記アウター摩擦板20は、図3
に示すようにインナー摩擦板30と交互に重ね合わして
組み付けられ、前記電磁ソレノイド5cで発生する磁力
線Bは重ね合わしたアウター摩擦板20とインナー摩擦
板30とを貫通して磁路Mを形成している。
【0031】ところで、前記磁路Mは磁力線Bが前記電
磁ソレノイド5cとアーマチャー5d(図4参照)との
間を循環する経路として形成される(図4参照)が、こ
のとき、アウター摩擦板20およびインナー摩擦板30
では、前記貫通孔26によって分離される摩擦面25の
内周部25aおよび外周部25bの一方が磁力線Bの往
路、他方が復路となるため、前記貫通孔26によって磁
路Mを確定して、磁力線Bが往路および復路の途中で洩
れるのを防止してある。
【0032】前記インナー摩擦板30は、図示は省略し
たが基本的には前記アウター摩擦板20と略同様に貫通
孔26およびブリッジ部26aが形成された平板環状に
形成される。ただ、インナー摩擦板30では、スプライ
ン歯22が中心開口21の内周部に形成されて、このス
プライン歯22がボールクラッチ(図4参照)の入力部
材(図4参照)外周に形成されたスプライン6b(図4
参照)に係合される。また、本実施形態ではインナー摩
擦板30には油溝24は形成されていない。
【0033】ここで、本実施形態では前記アウター摩擦
板20に形成された油溝23の溝パターン、つまり放射
螺旋溝24a,24bからなる格子パターン24を、こ
のアウター摩擦板20の表裏で同位置かつ同形状に形成
しておく。つまり、前記格子パターン24はアウター摩
擦板20の肉厚方向中心部を境に対称に形成されること
になる。
【0034】そして、アウター摩擦板20およびインナ
ー摩擦板30を電磁クラッチ装置1(図4参照)に組付
ける際に、油溝23が形成されたアウター摩擦板20
を、溝パターン合致手段40を介して隣接されるもの同
士でそれぞれの溝パターンとしての格子パターン24を
同位置に合わせるようになっている。
【0035】前記溝パターン合致手段40としては、格
子パターン24とスプライン歯22とを回転方向に対応
させる構成がとられる。
【0036】また、前記アウター摩擦板20は、図1に
示すように前記スプライン歯22の歯22aを1箇所若
しくは複数箇所で回転方向に非対称となるように切除し
て欠き歯部分22bを形成しておく一方、前記アウター
ハウジング10のスプライン11の形成部分に、前記欠
き歯部分22bの形状に沿った突起部11aを形成し
て、これら欠き歯部分22bと突起部11aによって回
転方向に非対称となる係合部41が構成されるようにな
っている。
【0037】そして、アウター摩擦板20をアウターハ
ウジング10に組み付ける際に、前記欠き歯部分22b
を前記突起部11aに係合させつつ、アウター摩擦板2
0のスプライン歯22をアウターハウジング10のスプ
ライン11に嵌合して行くようになっている。
【0038】また、この組付け時には、互いに隣接され
るアウター摩擦板20とインナー摩擦板30に形成した
磁路確定用の貫通孔26間に設けられるブリッジ部26
aは、互いに重ね合わされるアウター摩擦板20とイン
ナー摩擦板30同士で回転方向にオフセットされるよう
になっている。
【0039】以上の構成により本実施形態の電磁クラッ
チ用摩擦板の組付け構造にあっては、複数のアウター摩
擦板20と複数のインナー摩擦板30とが交互に配置さ
れるようにして、アウター摩擦板20のスプライン歯2
2をアウターハウジング10のスプライン11に、イン
ナー摩擦板30のスプライン歯をボールクラッチ6(図
4参照)のスプライン6bに順次嵌合していくことにな
る。
【0040】このとき、アウター摩擦板20の油溝23
は、格子パターン24を摩擦板20の表裏で同位置かつ
同形状に形成してあり、かつ、溝パターン合致手段40
によって、隣接されるアウター摩擦板20同士でそれぞ
れの格子パターン24を同位置に合わせて組付けるよう
になっているため、油溝23は図3に示すように、アウ
ター摩擦板20の表裏および隣接されるもの同士でそれ
ぞれ合致され、結果的にアウター摩擦板20の配列方向
(回転中心軸方向)に一直線となって整合される。
【0041】従って、図3に示したように電磁ソレノイ
ド5c(図4参照)で発生される磁路Mが油溝23を避
けてアウター摩擦板20およびインナー摩擦板30を通
過する際、この磁路Mは回転中心軸方向に直線状に形成
されているため、磁気抵抗が減少してアーマチャー5d
(図4参照)の吸引力を増大して、パイロットクラッチ
機構5(図4参照)締結力を高くし、ひいてはメインク
ラッチ機構4(図4参照)の滑りを防止できるようにな
る。
【0042】また、前記磁路Mが安定化されることによ
り、前記アーマチャー5dに作用する前記電磁ソレノイ
ド5cの電磁力が個体間で概ね一定とすることができ、
製品間の性能のばらつきを無くして信頼性を高めること
ができる。
【0043】更に、前記溝パターン合致手段40は、格
子パターン24とスプライン歯22とを回転方向に対応
させて構成したので、アウター摩擦板20のスプライン
歯22を単に組み付けるのみで、このスプライン歯22
に対応した格子パターン24が隣接する摩擦板20同士
で簡単に合致することができ、組付け作業性が大幅に向
上されることになる。
【0044】更にまた、アウター摩擦板20に形成した
油溝23は、放射螺旋溝24a,24bによって格子パ
ターン24として形成したので、隣接される摩擦板2
0,30同士を圧接してクラッチを締結する際、格子パ
ターン24によって圧接される摩擦板20,30間に残
留される潤滑油の排除機能が増し、ひいては摩擦板2
0,30同士の圧接力を高めてクラッチの締結力を増大
することができる。
【0045】また、アウター摩擦板20およびインナー
摩擦板30に形成される磁路確定用の貫通孔26間に設
けたブリッジ部26aは、互いに重ね合わされるアウタ
ーおよびインナーの摩擦板20,30同士で回転方向に
オフセットしたので、前記貫通孔26を挟んで摩擦面2
5の内周部25aと外周部25bに形成された磁路Mを
通過する磁力線Bが、前記ブリッジ部26aを介して相
手領域に洩れる量を減少することができるため、前記ア
ーマチャー5dに作用する電磁力の低下を抑制すること
ができる。
【0046】ところで、本実施形態では油溝23をアウ
ター摩擦板20に形成した場合を開示したが、これに限
ることなくインナー摩擦板30に油溝23を形成した場
合にあっても本発明を適用することができる。
【0047】また、前記油溝23の格子パターン24
は、互いに逆方向の放射螺旋溝24a,24bによって
形成することなく、少なくとも一方が放射螺旋溝として
形成されておれば良く、例えば、他方を同心円溝または
レコード溝状の螺旋溝として格子パターンを形成するこ
ともでき、更には、放射螺旋溝24a,24bに限るこ
となく潤滑油を排出できる形状、例えば放射状として形
成することもできる。
【0048】更に、アウターハウジング10を駆動側部
材、インナーシャフトを被動側部材としたが、これらの
関係を逆にしてアウターハウジング10を被動側部材、
インナーシャフトを駆動側部材として用いることができ
る。
【0049】また、本発明の電磁クラッチ用摩擦板の組
付け構造は、前記実施形態に限ることなく本発明の主旨
を逸脱しない範囲内で各種実施形態を採用することがで
きる。
【0050】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、油溝
を形成した摩擦板の表裏で油溝の溝パターンを同位置か
つ同形状に形成し、溝パターン合致手段によって、油溝
を形成した摩擦板を隣接されるもの同士でそれぞれの溝
パターンを同位置に合わせて組付けたので、油溝を摩擦
板の表裏および隣接されるもの同士でそれぞれ合致させ
て、摩擦板の配列方向に一直線となって整合することが
できる。従って、電磁ソレノイドで発生される磁路を直
線状に形成できるため、磁気抵抗を減少してアーマチャ
ーの吸引力を増大し、クラッチの締結力を高めることが
できる。また、前記磁路を安定化させることができるた
め、アーマチャーに作用する電磁ソレノイドの電磁力を
個体間で概ね一定として、製品間の性能のばらつきを無
くして信頼性を高めることができる。
【0051】請求項2に記載の本発明によれば、請求項
1の発明の効果に加えて、前記油溝の溝パターンを、放
射螺旋溝を含む格子パターンとして形成したので、隣接
される摩擦板同士が圧接してクラッチを締結する際、圧
接される摩擦板間に残留される潤滑油の排除機能を増大
できるため、摩擦板同士の圧接力を高めてクラッチの締
結力を増大することができる。
【0052】請求項3に記載の本発明によれば、請求項
1,2の発明の効果に加えて、前記溝パターン合致手段
を、前記溝パターンと、摩擦板を駆動側部材または被動
側部材に取り付けるスプライン歯とを回転方向に対応さ
せて構成したので、油溝が形成された摩擦板のスプライ
ン歯を単に組み付けるのみで、溝パターンを隣接する摩
擦板同士で簡単に合致させることができる。
【0053】請求項4に記載の本発明によれば、請求項
1〜3の発明の効果に加えて、摩擦板に形成した磁路確
定用の非磁性溝間に設けられるブリッジ部を、互いに重
ね合わされる摩擦板同士で回転方向にオフセットしたの
で、磁力線がブリッジ部を介して洩れる量を減少するこ
とができるため、アーマチャーに作用する電磁力の低下
を抑制して、クラッチの締結力が低減されるのを防止す
ることができる。
【0054】請求項5に記載の本発明によれば、請求項
1〜4の発明の効果に加えて、油溝を形成した摩擦板
と、この摩擦板を取り付ける駆動側部材または被動側部
材との間に、回転方向に非対称となる係合部を設けたの
で、隣接する摩擦板同士で溝パターンの整合性を簡単か
つ確実にとることができるようになり、組付け作業性を
大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における摩擦板の組付け状
態を示す要部斜視図。
【図2】本発明の一実施形態における油溝を形成した摩
擦板の正面図。
【図3】本発明の一実施形態における摩擦板の重ね合わ
せ状態を示す要部拡大図。
【図4】従来の電磁ラッチ装置の全体断面図。
【図5】従来の摩擦板の重ね合わせ状態を示す要部拡大
図。
【符号の説明】
10 アウターハウジング(駆動側部材) 11 スプライン 20 アウター摩擦板 22 スプライン歯 23 油溝 24 格子パターン 24a,24b 放射螺旋溝 25 摩擦面 26 貫通孔(非磁性溝) 26a ブリッジ部 30 インナー摩擦板 40 溝パターン合致手段 41 係合部 M 磁路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動側部材に取り付けられる複数の駆動
    側摩擦板と被動側部材に取り付けられる複数の被動側摩
    擦板とを交互に重ね合わせた摩擦板群と、 前記摩擦板群の一側方に配置した電磁ソレノイドと、 前記摩擦板群の他側方に配置して前記電磁ソレノイドで
    発生する電磁力に吸引されるアーマチャーと、を備え、 前記アーマチャーの吸引により前記摩擦板群を圧接して
    締結する電磁クラッチ装置であって、 前記駆動側摩擦板および前記被動側摩擦板の一方の摩擦
    板の表裏に油溝が形成された電磁クラッチ用摩擦板の組
    付け構造において、 前記油溝の溝パターンを摩擦板の表裏で同位置かつ同形
    状に形成しておき、前記駆動側摩擦板および前記被動側
    摩擦板を組付ける際に、前記油溝を形成した摩擦板に、
    この油溝を形成した摩擦板の隣接されるもの同士でそれ
    ぞれの溝パターンを同位置に合わせる溝パターン合致手
    段を有することを特徴とする電磁クラッチ用摩擦板の組
    付け構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電磁クラッチ用摩擦板
    の組付け構造において、 前記油溝の溝パターンは、放射螺旋溝を含む格子パター
    ンとして形成されることを特徴とする電磁クラッチ用摩
    擦板の組付け構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の電磁クラッチ
    用摩擦板の組付け構造において、 前記溝パターン合致手段は、前記溝パターンと、摩擦板
    を駆動側部材または被動側部材に取り付けるスプライン
    歯とを回転方向に対応させて構成されることを特徴とす
    る電磁クラッチ用摩擦板の組付け構造。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の電磁ク
    ラッチ用摩擦板の組付け構造において、 摩擦板に形成した磁路確定用の非磁性溝間に設けられる
    ブリッジ部は、互いに重ね合わされる摩擦板同士で回転
    方向にオフセットしたことを特徴とする電磁クラッチ用
    摩擦板の組付け構造。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の電磁ク
    ラッチ用摩擦板の組付け構造において、 油溝を形成した摩擦板と、この摩擦板を取り付ける駆動
    側部材または被動側部材との間に、回転方向に非対称と
    なる係合部を設けたことを特徴とする電磁クラッチ用摩
    擦板の組付け構造。
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