JP2003145716A - ドクター装置 - Google Patents

ドクター装置

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JP2003145716A
JP2003145716A JP2001349737A JP2001349737A JP2003145716A JP 2003145716 A JP2003145716 A JP 2003145716A JP 2001349737 A JP2001349737 A JP 2001349737A JP 2001349737 A JP2001349737 A JP 2001349737A JP 2003145716 A JP2003145716 A JP 2003145716A
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doctor blade
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JP2001349737A
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Yukio Motoyama
幸夫 本山
Suisho Kitagawa
水晶 北川
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ドクターの摩耗が進行しても、版面に対するド
クターブレードの接触角度、接触面積、圧力を一定に保
つことができるドクター装置を提供する。 【解決手段】版胴に接触するドクターブレードを加圧す
るドクター加圧手段と、前記ドクター加圧状態における
ドクターホルダーの傾斜を検出する傾斜検出手段と、前
記ドクターホルダーをドクター架台上において版面に対
して前進または後退する前後移動手段と、前記ドクター
ブレードの刃先の撓み量を検出する撓み検出手段とを具
備するようにしたドクター装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はグラビア印刷、グラ
ビア塗工の技術分野に属する。特に、版面に対するドク
ターの接触角度と荷重を一定に維持することができるド
クター装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来のドクター装置における構成の一例を
図3に示す。図3に示すように、ドクターブレードはド
クターホルダーに保持され、ドクターホルダーはドクタ
ー架台に設置される。ドクター架台は旋回軸において旋
回でき、その旋回によってドクターブレードを版胴に接
圧し、または版胴から離す状態を実現する。旋回軸には
エアーシリンダーによって回転モーメントが与えられ、
そのエアーシリンダーに供給するエアー圧によってドク
ターブレードの版胴への接圧を設定することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この従来のドクター装
置においては、印刷の途中では、通常は、ドクターホル
ダーは、初期に設定された位置に固定され変更すること
はない。また、エアー圧も一定とし変更することはな
い。ところが、版面に対するドクターの接触角度、面積
および接触圧力は、ドクター摩耗が進むに連れて変化す
る。そのため、インキや塗工液の掻き落とし状態が変化
し、印刷やコーティングの塗工精度を維持することがで
きない。
【0004】本発明はこのような課題を解決するために
なされたものであり、その目的は、ドクターの摩耗が進
行しても、版面に対するドクターブレードの接触角度、
接触面積、圧力を一定に保つことができるドクター装置
を提供することにある。これにより、ドクターブレード
によるインキの掻き落としが安定し、印刷品質が安定す
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は下記の本発明
によって解決される。すなわち、本発明の請求項1に係
るドクター装置は、版胴に接触するドクターブレードを
加圧するドクター加圧手段と、前記ドクター加圧状態に
おけるドクターホルダーの傾斜を検出する傾斜検出手段
と、前記ドクターホルダーをドクター架台上において版
面に対して前進または後退する前後移動手段と、前記ド
クターブレードの刃先の撓み量を検出する撓み検出手段
とを具備するようにしたものである。
【0006】本発明によれば、ドクター加圧手段により
版胴に接触するドクターブレードが加圧され、傾斜検出
手段により前記ドクター加圧状態におけるドクターホル
ダーの傾斜が検出され、前後移動手段によりドクターホ
ルダーをドクター架台上において版面に対して前進また
は後退させ、撓み検出手段によりドクターブレードの刃
先の撓み量が検出される。すなわち、ドクターホルダー
の傾斜が検出され、ドクターブレードの刃先の撓み量が
検出されるから、傾斜と撓み量を所定値とするように操
作することができる。したがって、ドクターの摩耗が進
行しても、版面に対するドクターブレードの接触角度、
接触面積、圧力を一定に保つことができるドクター装置
が提供される。
【0007】また本発明の請求項2に係るドクター装置
は、請求項1記載のドクター装置において、前記傾斜検
出手段が検出した前記ドクターホルダーの傾斜が所定の
設定傾斜角度となるように、前記前後移動手段による前
記ドクターホルダーの前進または後退を操作するドクタ
ー角度制御手段を具備するようにしたものである。本発
明によれば、ドクター角度制御手段により前後移動手段
が操作され、ドクターホルダーが前進または後退され、
傾斜検出手段が検出したドクターホルダーの傾斜が所定
の設定傾斜角度となるようにされる。したがって、ドク
ターの摩耗が進行しても、版面に対するドクターブレー
ドの接触角度が自動で一定に保たれる。
【0008】また本発明の請求項3に係るドクター装置
は、請求項1または2記載のドクター装置において、前
記撓み検出手段が検出した前記ドクターブレードの撓み
量が所定の設定撓み量となるように、前記ドクター加圧
手段によるドクターブレードの加圧を操作する撓み制御
手段を具備するようにしたものである。本発明によれ
ば、撓み制御手段によりドクター加圧手段が操作され、
ドクターブレードが加圧され、撓み検出手段が検出した
前記ドクターブレードの撓み量が所定の設定撓み量とな
るようにされる。したがって、ドクターの摩耗が進行し
ても、版面に対するドクターブレードの接触面積、圧力
が一定に保たれる。
【0009】また本発明の請求項4に係るドクター装置
は、請求項3に係るドクター装置において、前記ドクタ
ーホルダーの前進または後退による前後位置を検出する
前後位置検出手段を具備し、前記撓み制御手段は前記前
後位置に基づいて前記ドクターブレードの加圧を補正す
るようにしたものである。本発明によれば、ドクターブ
レードの版面に対する接圧がドクタブレードの摩耗の進
行に伴って変化するのを補正することができる。
【0010】また本発明の請求項5に係るドクター装置
は、請求項1〜4のいずれかに記載のドクター装置にお
いて、前記ドクターブレードの刃先荷重と撓み量を変換
する荷重撓み量変換手段を具備するようにしたものであ
る。本発明によれば、荷重撓み量変換手段によりドクタ
ーブレードの刃先荷重と撓み量との変換が行なわれる。
したがって、ドクター装置の設定における一般的な設定
パラメータである刃先荷重によってドクター条件管理を
行なうことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明について実施の形態
を説明する。本発明のドクター装置における構成の一例
を図1に示す。また、そのドクター装置における機能、
動作をブロック図として図2に示す。図1、図2におい
て、1はドクターブレード、2は歪みゲージ、3は歪量
出力器、4はドクターホルダー、5は前後移動テーブ
ル、6は前後移動用モータ、7は前後位置検出器、8は
ドクター架台、9は旋回軸、10は角度検出器、11は
エアーシリンダー、12は圧力調節器、13は加圧力コ
ントローラ、14は設定器、15は前後位置決め制御用
コントローラ、100は版胴である。
【0012】ドクターブレード1は、薄い板状の刃であ
り、たとえば、弾力性と強靭性を有する鋼が用いられ、
その厚さは150μm程度である。ドクター装置におけ
るその役割は、前述したように、グラビア印刷の版胴表
面に付着した余剰インキを掻き落とすことである。本発
明においては、ドクターブレード1の刃先近くに、すく
なくとも1個所に歪みゲージ2を貼り付けてある。
【0013】歪みゲージ2は、電気抵抗体に歪みを与え
たときに、その電気抵抗体の抵抗値が変化する物理現象
を応用して、歪み測定を行なうために使用するものであ
る。電気抵抗体としては、金属箔、抵抗細線、半導体素
子、アモルファス細線、等が使用される。ドクターブレ
ード1が撓むときには、表面と裏面の中央は伸び縮みが
ないが、撓む方向によって表面が伸びるときには裏面が
縮み裏面が伸びるときには表面が縮む。歪みゲージ2を
ドクターブレード1の表面に貼り付けると、その表面の
伸び縮みによって歪みゲージも伸び縮みする。これによ
って、歪みゲージ2の抵抗値が変化し、ドクターブレー
ド1の撓み量を測定することができる。
【0014】なお、歪ゲージ2の抵抗値の変化は直接的
には歪量(の変化)を表すが、その使用条件を考慮すれ
ばドクターブレード1の刃先の変位を表してもいる。し
たがって、ここでは、歪量、変位を含めたドクターブレ
ード1の変形量を撓み量と呼ぶ。歪量と変位との区別を
明確化する必要があるときには、歪量または変位を用い
る。
【0015】歪量出力器3は歪みゲージ2の抵抗値を電
圧に変換するための増幅器である。歪量出力器3にはゼ
ロ・ゲイン調整のための機構が備わっている。歪量出力
器3は、通常は、抵抗体4つから成るブリッジ回路の抵
抗体の1つとしてブリッジ回路に組み込んで用いられ
る。たとえば、ゼロは、そのブリッジ回路における歪み
ゲージ以外の他の3つの抵抗体の抵抗値の1つ、または
いくつかを調整し平衡条件(出力電圧がゼロ)とするこ
とにより行なわれる。このゼロの調整は、ドクターブレ
ード1の刃先が版胴の表面に触れていない状態で行なわ
れる。
【0016】また、ゲインは、歪量出力器3の増幅率
(ゲイン)を変化させ、歪量出力器3の出力電圧が、所
定の条件下で所定の電圧値となるように調整が行なわれ
る。ここで所定の条件下とは、ドクターブレード1の刃
先を版胴の表面に所定のドクター角度で接圧した状態で
ある。所定の角度とは、印刷が行なわれるときの基準と
なるドクター角度である。所定の電圧値とは、1V(vo
lt)、2V、5V、10V、等の切りの良い電圧値であ
る。
【0017】ドクターホルダー4は、一般的な形態とし
ては、重ね合わせてボルト止めを行なえる2枚の金属製
(鋼材)のプレートから構成される。その2枚のプレー
トでドクターブレード1を挟んでボルト止めを行うこと
により、ドクターホルダー4は、ドクターブレード1を
保持する。
【0018】前後移動テーブル5は、ドクターホルダー
4を保持するテーブルである。前後移動テーブル5は、
ドクター架台8の上面において版面に対して前進または
後退する。したがって、前後移動テーブル5は、ドクタ
ーホルダー4とそれに保持されているドクターブレード
を版面に対して前進または後退する。
【0019】前後移動用モータ6は、前後移動テーブル
5をドクター架台8の上面において版面に対して前進ま
たは後退させるための駆動源である。前後移動用モータ
6の回転運動は、減速器、ボールネジ、ナット、等の機
構を介して、前後移動テーブル5を前進または後退させ
る直線運動に変換される。
【0020】前後位置検出器7は、前後移動テーブル5
のドクター架台8の上面における位置を検出する。たと
えば、ロータリーエンコーダ、等の検出器で前後移動用
モータ6の回転を検出し、回転量と直線移動量との関係
から位置を検出するようにする。
【0021】ドクター架台8は、前後移動テーブル5を
介してドクターホルダー4とそれに保持されているドク
ターブレードを保持する架台である。ドクター架台8
は、旋回軸9の回りに旋回可能に支持されている、この
旋回により、ドクター架台8は、ドクターブレード1を
版胴100の表面に接圧する着位置と、ドクターブレー
ド1を版胴100の表面から離す脱位置の状態をとるこ
とができる。
【0022】旋回軸9は、版胴100の回転軸と平行な
旋回軸を有する。旋回軸9は、前述のように、ドクター
架台を旋回可能に支持する。角度検出器10は、旋回軸
9の旋回角度を検出する。たとえば、ロータリーエンコ
ーダ、等の検出器が用いられる。
【0023】エアーシリンダー11は、旋回軸9を旋回
させるとともに回転モーメントを付与するためのエアー
シリンダーである。たとえば、エアーシリンダー11の
ロッドは旋回軸9に取付けられたアームの先端付近に連
結している。そして、ロッドを出し入れすることにより
を旋回軸9を旋回させ、ドクターブレード1を脱位置ま
たは着位置とする。また着位置においてロッドによりア
ームの先端付近を押圧することによって回転モーメント
が付与される。この回転モーメントによって、ドクター
ブレード1の版胴100に対する接圧が決まる。
【0024】圧力調節器12は、エアーシリンダー11
に供給するエアー圧を調節する調節器である。圧力調節
器12としては、電空変換器を使用することができる。
電空変換器は、入力側の高圧エアーを入力電圧に応じて
決まる出力側の低圧エアーにエアー圧を変換する。この
圧力調節器12によって、ドクターブレード1の版胴1
00に対する接圧を、所定の設定値となるように調節す
ることができる。
【0025】加圧力コントローラ13は、歪量出力器3
が出力する電圧値が所定の設定電圧値となるように圧力
調節器12を操作する制御器である。言い換えると、ド
クターブレード1の撓み量が所定の撓み量となるよう
に、エアーシリンダー11によるドクターブレード1の
加圧を操作する制御器である。
【0026】また加圧力コントローラ13は、前後位置
検出器7が出力する前後位置に基づいてエアーシリンダ
ー11によるドクターブレード1の加圧を補正する。こ
の補正は、たとえば、制御の目標値である所定の撓み量
を前後位置の関数とすることで行なうことができる。前
後位置は、すなわちドクターブレード1の摩耗の進行に
ともなって変化するから、ドクターブレードの版面に対
する接圧がその進行に伴って変化するのを補正するよう
に構成することができる。
【0027】設定器14は、ドクターホルダー4の設定
傾斜角度をオペレータが入力する部分である。図1に示
すように、ドクターホルダー4はドクター架台8に保持
されており、角度検出器10は、その旋回軸9に設けら
れている。したがって、実際は、ドクター架台8の傾斜
角度によってドクターホルダー4の傾斜角度が決まる。
【0028】前後位置決め制御用コントローラ15は、
角度検出器10が出力するドクター架台8の傾斜角度が
設定器14において設定された設定傾斜角度となるよう
に、前後移動モータ6を操作する。前後移動モータ6の
操作によりドクターブレード1の刃先が版胴100に向
かって前進または後退を行い、その結果、刃先には版胴
100からの反作用としての力が作用する。その力によ
ってドクター架台8が旋回軸9において旋回し、角度検
出器10が出力する傾斜角度が変化する。
【0029】上述の構成において、次に、本発明のドク
ター装置についてその機能、動作を図1、図2を参照し
て説明する。図1には、エアーシリンダー11が旋回軸
9を旋回させることによりドクターブレード1の刃先が
版胴100に接圧する着位置となっている状態が示され
ている。勿論、印刷が行なわれるのはこの着位置におい
てであり、この状態はエアーシリンダー11によるドク
ター加圧状態である。このドクター加圧状態において、
ドクターブレード1の刃先は撓んでいる。歪みゲージ2
は、この刃先の撓み量をその抵抗値として検出し、歪量
出力器3はその抵抗値を電圧値に変換して出力する。
【0030】また、このドクター加圧状態において、前
後移動モータ6を操作すると、ドクターホルダー5を保
持する前後移動テーブル5はドクター架台8の上面にお
いて版面に対して前進または後退する。ドクターホルダ
ー5はドクターブレード1を保持するから、ドクターホ
ルダー5が前進または後退すると、ドクターブレード1
の刃先が版胴100の表面を滑るように周面の円弧に沿
って移動する。そのときドクター架台8は旋回軸9にお
いて旋回する。角度検出器10は、その旋回軸9の角度
を検出する。すなわち、角度検出器10は傾斜検出手段
である。この角度はドクター架台8の傾斜角度であり、
ドクター架台8が保持するドクターホルダー5の傾斜角
度である。
【0031】次に、上述のドクター加圧状態におけるド
クター装置が行なう動作(その1)として、ドクターホ
ルダー5の傾斜角度を所定の設定傾斜角度に保持するた
めの制御について説明する。この制御は、前後位置決め
制御用コントローラ15によって行なわれる。前後位置
決め制御用コントローラ15はドクター角度制御手段で
ある。前後位置決め制御用コントローラ15は、角度検
出器10が検出したドクター架台8の傾斜、すなわちド
クターホルダー4の傾斜角度を入力する。また、設定器
14において設定が行なわれた設定傾斜角度を入力す
る。
【0032】前後位置決め制御用コントローラ15は、
その検出した傾斜角度がその設定傾斜角度となるよう
に、たとえばPID制御方式であれば、制御偏差に比例
・積分・微分の各演算を行なって制御出力を行なう。そ
の制御出力を入力して、前後移動テーブル5、前後移動
用モータ6、等から成る前後移動手段は、ドクターホル
ダー4を前進または後退する操作を行なう。前進または
後退が行なわれると、ドクターホルダー4の傾斜角度が
変化するが、その変化した傾斜角度を角度検出器10が
検出し前後位置決め制御用コントローラ15にフィード
バックする。このフィードバック制御システムによって
ドクターホルダー5の傾斜角度が所定の設定傾斜角度に
保持される。
【0033】次に、上述のドクター加圧状態におけるド
クター装置が行なう動作(その2)として、ドクターブ
レード1の撓み量を所定の設定撓み量に保持するための
制御について説明する。この制御は、加圧力コントロー
ラ13によって行なわれる。加圧力コントローラ13は
撓み制御手段である。ドクターブレード1の撓み量は歪
みゲージ2の抵抗値に変換され、その抵抗値は歪量出力
器3によって電圧値に変換される。撓み検出手段は、こ
れら歪みゲージ2と歪量出力器3から成る。加圧力コン
トローラ13は、その電圧値として撓み量を入力する。
また、設定器14において設定が行なわれた設定撓み量
を入力する。
【0034】加圧力コントローラ13は、その検出した
撓み量がその設定撓み量となるように、たとえばPID
制御方式であれば、制御偏差に比例・積分・微分の各演
算を行なって制御出力を行なう。その制御出力を入力し
て、圧力調節器12、エアーシリンダー11、等から成
るドクター加圧手段は、旋回軸9に回転モーメントを作
用させ、ドクター架台8を旋回させ、ドクターホルダー
4を旋回させ、版胴100に接圧するドクターブレード
1を加圧する操作を行なう。この操作が行なわれると、
ドクターホルダー4の撓み量が変化するが、その変化し
た撓み量を撓み検出手段が検出し加圧力コントローラ1
3にフィードバックする。このフィードバック制御シス
テムによってドクターブレード1の撓み量が所定の設定
撓み量に保持される。
【0035】次に、上述のドクター加圧状態におけるド
クター装置が行なう動作(その3)として、ドクターブ
レードの版面に対する接圧がドクタブレードの摩耗の進
行に伴って変化するのを補正する動作について説明す
る。この摩耗の進行に伴なう変化は、歪みゲージ2の貼
付位置が固定されていることによって起こる。すなわ
ち、ドクターブレード1の刃先から歪みゲージ2までの
距離がドクタブレードの摩耗の進行に伴って変化し、歪
量と接圧との関係が変化することによって起こる。
【0036】この補正は、加圧力コントローラ13によ
って行なわれる。前後位置検出器7は、ドクターホルダ
ー4の前進または後退による前後位置を検出する。加圧
力コントローラ13は、その前後位置を入力する。加圧
力コントローラ13は、その前後位置に基づいて制御出
力を補正する。この補正は、たとえば、制御の目標値で
ある所定の撓み量を前後位置の関数としておき、その関
数をあらかじめ設定しておくことで行なうことができ
る。また、たとえば、制御出力の演算式において補正項
を設け、その補正項を前後位置の関数としておき、その
関数をあらかじめ設定しておくことで行なうことができ
る。
【0037】以上の説明において、設定、演算、制御、
補正、等において、撓み量が適用されたが、ドクター装
置の設定におけるパラメータとしては、「撓み量」すな
わち「歪量」または「変位」が用いられることは希であ
り、一般的には、ドクターブレードの「刃先荷重」が用
いられる。次に、本発明のドクター装置が行なう動作
(その4)として、刃先荷重と撓み量を変換する処理に
ついて説明する。この変換は、荷重撓み量変換手段によ
って行なわれる。荷重撓み量変換手段は、たとえば、設
定器14において設定撓み量を設定する代りに刃先荷重
を設定すれば、その刃先荷重を撓み量に変換する処理を
行なう。すなわち、刃先荷重を設定すれば、撓み量を設
定したことになる。
【0038】歪みゲージ2によって検出される歪量εと
荷重Pとの関係式および説明図を図4に示す。図4に示
すように、Lを歪量測定位置と荷重点との距離、Eを梁
(ドクターブレードに相当する)のヤング率、bを梁の
幅、hを梁の厚みとすると、ε=6PL/Ebh2、P
=(Ebh2/6L)×ε、である。
【0039】また、ドクターブレード1の刃先の変位δ
と荷重Pとの関係式および説明図を図5に示す。図5に
示すように、Eを梁(ドクターブレードに相当する)の
ヤング率、Lを片持ち梁の長さ、bを梁の幅、hを梁の
厚みとすると、δ=4PL3/Ebh3である。
【0040】また、加圧前後のドクターブレード1の状
態を図6に示す。図4、図5、図6から明らかなよう
に、ドクターブレード1の歪量または変位を検出するこ
とで荷重Pが判る。また、逆に、荷重Pが決まれば、ド
クターブレード1の歪量または変位が決まる。
【0041】以上、本発明について実施の形態により説
明を行なったが、本発明はこれに限定されるものではな
く様々な形態で実施することができる。たとえば、実施
の形態では歪みゲージを用いてドクターブレード1の歪
量を検出したが、非接触変位センサ、等を用いてドクタ
ーブレード1の変位を検出する形態とすることができ
る。
【0042】
【発明の効果】以上のとおりであるから、本発明の請求
項1に係るドクター装置によれば、ドクターの摩耗が進
行しても、版面に対するドクターブレードの接触角度、
接触面積、圧力を一定に保つことができるドクター装置
が提供される。これにより、ドクターブレードによるイ
ンキの掻き落としを安定とし、印刷品質を安定とするこ
とができる。また本発明の請求項2に係るドクター装置
によれば、ドクターの摩耗が進行しても、版面に対する
ドクターブレードの接触角度が自動で一定に保つことが
できる。また本発明の請求項3に係るドクター装置によ
れば、ドクターの摩耗が進行しても、版面に対するドク
ターブレードの接触面積、圧力を一定に保つことができ
る。また本発明の請求項4に係るドクター装置によれ
ば、ドクターブレードの版面に対する接圧がドクタブレ
ードの摩耗の進行に伴って変化するのを補正することが
できる。また本発明の請求項5に係るドクター装置によ
れば、ドクター装置の設定における一般的な設定パラメ
ータである刃先荷重によってドクター条件管理を行なう
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドクター装置における構成の一例を示
す図である。
【図2】本発明のドクター装置における機能、動作を示
すブロック図である。
【図3】従来のドクター装置における構成の一例を示す
図である。
【図4】歪みゲージによって検出される歪量εと荷重P
との関係式および説明図である。
【図5】ドクターブレードの刃先の変位δと荷重Pとの
関係式および説明図である。
【図6】加圧前後のドクターブレードの状態を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 ドクターブレード 2 歪みゲージ 3 歪量出力器 4 ドクターホルダー 5 前後移動テーブル 6 前後移動用モータ 7 前後位置検出器 8 ドクター架台 9 旋回軸 10 角度検出器 11 エアーシリンダー 13 加圧力コントローラ 14 設定器 15 前後位置決め制御用コントローラ 100 版胴

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】版胴に接触するドクターブレードを加圧す
    るドクター加圧手段と、 前記ドクター加圧状態におけるドクターホルダーの傾斜
    を検出する傾斜検出手段と、 前記ドクターホルダーをドクター架台上において版面に
    対して前進または後退する前後移動手段と、 前記ドクターブレードの刃先の撓み量を検出する撓み検
    出手段と、 を具備することを特徴とするドクター装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のドクター装置において、前
    記傾斜検出手段が検出した前記ドクターホルダーの傾斜
    が所定の設定傾斜角度となるように、前記前後移動手段
    による前記ドクターホルダーの前進または後退を操作す
    るドクター角度制御手段を具備することを特徴とするド
    クター装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のドクター装置にお
    いて、前記撓み検出手段が検出した前記ドクターブレー
    ドの撓み量が所定の設定撓み量となるように、前記ドク
    ター加圧手段によるドクターブレードの加圧を操作する
    撓み制御手段を具備することを特徴とするドクター装
    置。
  4. 【請求項4】請求項3記載のドクター装置において、前
    記ドクターホルダーの前進または後退による前後位置を
    検出する前後位置検出手段を具備し、前記撓み制御手段
    は前記前後位置に基づいて前記ドクターブレードの加圧
    を補正することを特徴とするドクター装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のドクター
    装置において、前記ドクターブレードの刃先荷重と撓み
    量を変換する荷重撓み量変換手段を具備することを特徴
    とするドクター装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150072573A (ko) * 2013-12-20 2015-06-30 건국대학교 산학협력단 횡방향 이송용 다축 닥터 블레이드 장치 및 동기화 제어방법

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KR20150072573A (ko) * 2013-12-20 2015-06-30 건국대학교 산학협력단 횡방향 이송용 다축 닥터 블레이드 장치 및 동기화 제어방법

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