JP2003145582A - 射出発泡成形用金型 - Google Patents

射出発泡成形用金型

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JP2003145582A
JP2003145582A JP2001344802A JP2001344802A JP2003145582A JP 2003145582 A JP2003145582 A JP 2003145582A JP 2001344802 A JP2001344802 A JP 2001344802A JP 2001344802 A JP2001344802 A JP 2001344802A JP 2003145582 A JP2003145582 A JP 2003145582A
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滋 東ヶ崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
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SEKISUI KOKI SEISAKUSHO KK
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な金型構造で、スライド型が、射出時の射
出樹脂圧でずれ動いて成形不良が発生したりすることの
ない射出発泡成形用金型を提供する。 【解決手段】キャビティ内に発泡剤含有溶融樹脂が射出
され、射出完了後、キャビティの型面を形成するスライ
ド型がスライドしてキャビティを拡開させ、樹脂をキャ
ビティ内で発泡させるようになっている射出発泡成形用
金型において、キャビティ空間が極小状態になる位置に
配置されたスライド型に型閉め圧を伝達してスライド型
の射出圧による位置ずれを防止するスライド型位置規制
手段と、スライド型位置規制手段が解除された状態で前
記スライド型をキャビティ空間が拡大する方向にスライ
ド可能なスライド型の駆動手段とを備えている構成とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出発泡成形用金
型に関する。
【0002】
【従来の技術】金型のキャビティ内に発泡剤を含む樹脂
を射出した後、可動型と固定型とをパーティングライン
部分で閉じた状態を保ちながら金型内でキャビティの型
面を構成するスライド型をキャビティ空間が拡大する方
向にスライドさせて、樹脂を発泡させて、金型の型面に
沿ってスキン層が形成され、内部に発泡層が形成された
発泡成形体を製造する射出発泡成形方法がすでに提案さ
れている(特開平7−88878号公報、特開平8−9
0620号公報等参照)。
【0003】即ち、この成形方法によって得られた成形
体は、成形体内部が発泡しており、断熱性に優れるとと
もに軽量であるだけでなく、表面にスキン層を備えてい
るので、防汚性、剛性、耐摩耗性に優れたものとなると
いう利点を備えている。
【0004】ところで、射出成形の場合、樹脂を射出成
形機から金型キャビティ内に射出する際に、キャビティ
壁面にかなり大きな力が加わる。したがって、大型の成
形品を得るような場合、射出時にスライド型の後方にス
ライド空間が有るような構造にすると、射出樹脂圧で各
スライド型がずれ動き、射出完了後スライド型を後退さ
せてキャビティを拡開して樹脂を発泡させても、1ショ
ットごとに発泡状態の異なる成形品が形成される恐れが
ある。一方、上記問題を解決するために各スライド型を
作動させる油圧機構などを大きなものにすると、金型構
造が複雑になりメンテナンス性が悪くなるとともに、金
型コストがかかるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて、簡単な金型構造で、スライド型が、射出
時の射出樹脂圧でずれ動いて成形不良が発生したりする
ことのない射出発泡成形用金型を提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の請求項1に記載の射出発泡成形用金
型(以下、「請求項1の金型」と記す)は、キャビティ
内に発泡剤含有溶融樹脂が射出され、射出完了後、キャ
ビティの型面を形成するスライド型がスライドしてキャ
ビティを拡開させ、樹脂をキャビティ内で発泡させるよ
うになっている射出発泡成形用金型において、キャビテ
ィ空間が極小状態になる位置に配置されたスライド型に
型閉め圧を伝達してスライド型の射出圧による位置ずれ
を防止するスライド型位置規制手段と、スライド型位置
規制手段が解除された状態で前記スライド型をキャビテ
ィ空間が拡大する方向にスライド可能なスライド型の駆
動手段とを備えている構成とした。
【0007】本発明の請求項2に記載の射出発泡成形用
金型(以下、「請求項2の金型」と記す)は、請求項1
の金型において、可動型が、可動型本体と、この可動型
本体に対して分離状態で可動可能な成形機取付板とを備
える分割構造を有するとともに、少なくとも成形機取付
板が型開放方向へ移動時に可動型本体と固定型とを閉じ
た状態にロックするロック手段を備えている構成とし
た。
【0008】本発明の請求項3に記載の射出発泡成形用
金型(以下、「請求項3の金型」と記す)は、請求項1
または請求項2の金型において、複数のスライド型を有
し、これらのスライド型が1つの油圧シリンダによって
連動してスライド駆動する構成とした。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を、その実施の形
態をあらわす図を参照しつつ詳しく説明する。ただし、
本発明は、図示の実施形態に限定されるものではなく、
本発明の主旨を逸脱しない範囲の設計変更を含むもので
ある。図1〜図7は本発明の射出発泡成形用金型の1つ
の実施の形態をあらわしている。
【0010】図1および図2に示すように、この金型2
00は、固定型210と可動型220との閉合により矩
形の箱型をしたキャビティKが形成されるようになって
いる。可動型220は、可動型本体222と、この可動
型本体222に対して分離状態で可動可能な成形機取付
板221とを備える分割構造を有するとともに、底用ス
ライド型223と、4つの側壁用スライド型(図では2
つしか表れていない。)224と、スライド型位置規制
手段としてのスライド型押さえブロック225と、駆動
手段としての油圧シリンダ226と、ロック開閉機構2
50と、成形機取付板221の動作伝達機構260が設
けられている。
【0011】図2に示すように、スライド型押さえブロ
ック225は、ブロック本体225aと、スライド脚部
225bと、側面抑え脚部225cと、底用スライド型
抑え脚部225dとを備え、油圧シリンダ226によっ
て可動型本体222に対して固定型210方向に進退自
在になっている。スライド脚部225bは、図3に示す
ように、その先端部の側壁用スライド型224側の壁面
がテーパ面225eになっていて、このテーパ面225
eが側壁用スライド型224のテーパ状の外壁面224
cにスライド自在に当接している。そして、型閉合状態
で、スライド脚部225bが、射出時の側壁用スライド
型224にかかる射出圧を受けて、側壁用スライド型2
24がキャビティ拡大方向へスライドしないように側壁
用スライド型224を支持するようになっている。
【0012】側面抑え脚部225cは、図2および図3
に示すように、各側壁用スライド型224の両側面にス
ライド自在に当接して、側壁用スライド型224の側面
に設けられたガイドローラ224aが臨むガイド溝22
5fを側壁用スライド型224の当接面に備えている。
ガイド溝225fは、スライド脚部225bのテーパ面
225eと略平行になるように、可動型220の開閉方
向に対して傾斜している。
【0013】すなわち、側面抑え脚部225cは、ブロ
ック本体225aが油圧シリンダ226によって可動型
本体222から離れる方向に動かされると、側壁用スラ
イド型224の側面への当接状態を保ちながらブロック
本体225aとともに可動型本体222から離れる方向
に動くようになっている。そして、ガイドローラ224
aをガイド溝225fの外側壁面で係止し、発泡圧によ
る側壁用スライド型224のキャビティKを拡開する方
向の動きをガイドローラ224aによって規制しなが
ら、ガイド溝225fのテーパによって側壁用スライド
型224をキャビティ拡大方向にスライドさせるように
なっている。
【0014】底用スライド型抑え脚部225dは、型閉
め時に底用スライド型223の固定型210から離れる
方向への動きを抑えるようになっている。底用スライド
型223は、リンク227を介して各側壁用スライド型
224と接続されていて、図2(c)に示すように、側
壁用スライド型224がキャビティKの壁面を後退させ
る方向にスライドすると同時にリンク227によって、
キャビティKの壁面を後退させる方向、すなわち固定型
210から遠ざかる方向にスライドするようになってい
る。
【0015】ロック開閉機構250は、図1,図4およ
び図5に示すように、回動ロック部材251と、2つの
係止部材252と、ロック解除手段253とを備えてい
る。回動ロック部材251は、一方に略コ字形をしたロ
ック部251aを有し、他方に端部にテーパ部251b
が設けられたスライド部251cを備えていて、中間部
に設けられた軸270によって可動型本体222の側面
に、回動自在に取り付けられている。
【0016】係止部材252は、固定型210の側面お
よび可動型本体222の側面から突出するようにそれぞ
れ取り付けられていて、固定型210と可動型本体22
2が閉合状態のとき、図1に示すように、ロック部25
1aの内側の両係止部材252が入り込み、固定型21
0側の係止部材252にロック部251aの先端側内壁
面が係止され、可動型本体222側の係止部材252に
ロック部の後端側内壁面が係止されるようになってい
る。
【0017】ロック解除手段253は、成形機取付板2
21に固定されていて、回動ロック部材251のスライ
ド部251cがスライド自在に内部に入り込み、固定型
210側で開口するレール溝253aを有し、このレー
ル溝253aは、スライド部251cのテーパ部251
bとほぼ同じ傾斜角度で屈曲する屈曲溝部253bを有
している。
【0018】つぎに、このロック開閉機構250の動作
を図1,図4および図5を用いて詳しく説明する。すな
わち、このロック開閉機構250は、図1に示すよう
に、固定型210と可動型220とを型閉めした状態の
とき、回動ロック部材251のロック部251a内に固
定型210および可動型本体222に設けられた係止部
材252が入り込み、ロック部251aによって両係止
部材252が係止されることによって、固定型210と
可動型本体222とを閉合状態に保つ。
【0019】一方、図4に示すように、成形機取付板2
21を後退させて型閉め圧が開放されても、成形機取付
板221の後退長さが、スライド部251cのテーパ部
251bがレール溝253aの屈曲溝部253bに達す
るまでは、回動ロック部材251が回動せず、ロック部
251aの係止部材252への係合状態が保たれる。し
たがって、可動型本体222と固定型210との閉合状
態が保たれる。
【0020】そして、成形機取付板221がさらに後退
し、スライド部251cのテーパ部251bがレール溝
253aの屈曲溝部253bのところまでくると、図5
に示すように、テーパ部251bのテーパによって、ス
ライド部251cに軸270を中心に回動する方向に力
が働き、回動ロック部材251が軸中心に回動し、ロッ
ク部251aの係止部材252への係合が解除され、可
動型本体222と固定型210との閉合を解除可能にす
る。
【0021】動作伝達機構260は、図1,図4〜図8
に示すように、動作伝達バー261と、伝達解除バー2
62と、嵌合穴263とから構成されている。動作伝達
バー261は、成形機取付板221に一端が固定され、
中間部がスプリング267によって成形機取付板221
の壁面側に付勢されているとともに、他端部が可動型本
体222側に突出している。
【0022】動作伝達バー261の他端部には、後で詳
述する嵌合穴263に嵌合する嵌合突起264が可動型
本体222側に向かって突設されているとともに、先端
に可動型本体222に対面するようにテーパ面265が
形成されている。伝達解除バー262は、固定型210
に一端が固定されていて、他端部が可動型本体222側
に突出しているとともに、この他端部に動作伝達バー2
61のテーパ面265と対面する逆テーパ面266が形
成されている。
【0023】嵌合穴263は、可動型本体222の側壁
面の動作伝達バー261の長手軸上に凹設されている。
【0024】つぎに、この動作伝達機構260の動作を
詳しく説明する。すなわち、型開放状態では、図8に示
すように、動作伝達バー261の嵌合突起264が可動
型本体222の嵌合穴263に嵌合しており、成形機取
付板221と可動型本体222とが所定の間隔を開けた
状態で型閉め装置(図示せず)によって一体に動くよう
になっている。
【0025】そして、型閉め装置によって成形機取付板
221と可動型本体222とを固定型210側へ移動さ
せ、可動型本体222と固定型210とが当接する少し
手前位置までくると、図7に示すように、動作伝達バー
261のテーパ面265が伝達解除バー262の逆テー
パ面266に当接する。
【0026】成形機取付板221をさらに固定型210
側に移動させると、可動型本体222が固定型210に
当接するとともに、図6に示すように、逆テーパ面26
6の傾斜に沿って、動作伝達バー261の他端部がスプ
リング267の付勢力に抗して可動型本体222から離
れるように撓み、嵌合突起264の嵌合穴263への嵌
合が解除され、動作伝達バー261が伝達解除バー26
2の外側に乗り上げながら成形機取付板221が可動型
本体222に密着し、型閉め装置によって、型閉め状態
にされる。
【0027】一方、型閉め状態から成形機取付板221
を後退させると、テーパ面265と逆テーパ面266と
が完全に重なる位置にくるまでは、嵌合突起264が嵌
合穴263に嵌合していないので、可動型本体222は
固定型210と閉合状態に保たれ、成形機取付板221
のみが後退する。そして、嵌合突起264が嵌合穴26
3に嵌合しさらに成形機取付板221が後退すると、可
動型本体222が固定型210から離れるようになって
いる。
【0028】つぎに、この金型200を用いた射出発泡
成形方法を詳しく説明する。図2(a)に示すように、
固定型210と可動型220を閉合し、型閉め装置によ
って型閉めする。
【0029】型閉めによって、底用スライド型223お
よび側壁用スライド型224が、キャビティKがもっと
も狭小になった状態で型閉め圧によってその動きが規制
される。また、このとき、回動ロック部材251のロッ
ク部251aが、係止部材252に係合されるため、可
動型本体222が固定型210に対して固定された状態
になる。射出成形機(図示せず)で計量された発泡剤含
有溶融樹脂PをキャビティK内に射出する。このとき、
底用スライド型223および側壁用スライド型224が
型閉め圧によってその位置がしっかりと規制されている
ので、射出圧によって底用スライド型223および側壁
用スライド型224が動くことがない。
【0030】そして、射出が完了したら、図2(b)に
示すように、嵌合突起264が嵌合穴263に嵌まり込
む位置まで成形機取付板221のみを後退させる。すな
わち、上述のように、動作伝達バー261の嵌合突起2
64が嵌合穴263に嵌合されていないので、嵌合突起
264が嵌合穴263に嵌まり込むまでは、可動型本体
222が固定型210と閉合した状態に保たれた状態で
成形機取付板のみが後退する。また、このとき、回動ロ
ック部材251のロック部251aが係止部材252に
係止された状態になっている。
【0031】つぎに、図2(c)に示すように、油圧シ
リンダ226を作動させて可動型本体222と固定型2
10との閉合状態を保持した状態で、スライド型押さえ
ブロック225を後退させ、側壁用スライド型224を
その型面が後退する方向に移動させるとともに、側壁用
スライド型224のスライドに伴って、底用スライド型
223もその型面が後退する方向に移動させてしキャビ
ティKを拡開させて、底および4方の側壁部分の樹脂を
発泡させる。また、このとき、回動ロック部材251の
ロック部251aが係止部材252に係合して、可動型
本体222と固定型210とが閉合状態にロックされて
いる。したがって、発泡圧によって、可動型本体222
が位置ずれを起こしたりすることがない。
【0032】そして、可動型本体222と固定型210
との閉合状態を保ったまま、樹脂を固化させたのち、成
形機取付板221をさらに後退させて、可動型本体22
2を固定型210から離して成形体を取り出す。すなわ
ち、このとき、嵌合突起264が嵌合穴263に嵌合さ
れているので、成形機取付板221の後退に伴って可動
型本体222も後退しようとする。しかも、回動ロック
部材251のスライド部251cに設けられたテーパ部
251bがレール溝253aの屈曲溝部253bに当接
し、ロック部251aが回動して係止部材252への係
合が解除されるので、可動型本体222が成形機取付板
221とともに後退する。
【0033】この金型200は、以上のように、射出時
に底用スライド型223および側壁用スライド型224
が型閉め圧によってしっかりとその動きが規制されてい
るので、底用スライド型223および側壁用スライド型
224が射出圧でその位置がずれ動いたりすることな
く、正確に射出工程を完了させることができる。しか
も、成形機取付板221を後退させて底用スライド型2
23および側壁用スライド型224への型閉め圧を解除
したのち、油圧シリンダ226で底用スライド型223
および側壁用スライド型224をスライドさせるように
したので、底用スライド型223および側壁用スライド
型224のスライド速度などをコントロールして発泡状
態を微妙に変化させることができる。
【0034】また、成形機取付板221が後退し、型閉
め圧が開放された状態になっても、ロック部251aが
係止部材252に係合して固定型210と可動型本体2
22とが開放しないようにロックされているので、発泡
時の発泡樹脂圧によって可動型本体222がずれ動いた
りすることがない。したがって、パーティングライン部
分からの樹脂もれなどが発生しない。さらに、1つの油
圧シリンダ226によって、底用スライド型223およ
び4つの側壁用スライド型224を連動してスライドす
るようにしたので、常に各部の発泡状態を安定させるこ
とができる。
【0035】図9は、本発明にかかる射出発泡成形用金
型の第2の実施の形態をあらわしている。図9に示すよ
うに、この金型300は、可動型310と固定型320
とを閉合することによって箱型のキャビティKが形成さ
れるようになっているとともに、可動型310が、成形
機取付板311と、可動型本体312と、4つの側壁用
スライド型(図では2つしか表れていない。)313と
を備えている。
【0036】成形機取付板311は、成形機取付板本体
311aと、この成形機取付板本体311aと一体化さ
れた外枠311bとを備えている。外枠311bは、図
9(a)に示すように、上記金型200のスライド脚部
225bと同様に、そのテーパ面311cが側壁用スラ
イド型313のテーパ状の外壁面に当接して側壁用スラ
イド型313の動きを規制するようになっている。
【0037】可動型本体312は、雄型部312aと、
油圧シリンダ312bと、スライドブロック312cと
を備えている。油圧シリンダ312bは、雄型部312
aに対してスライドブロック312cを固定型320方
向に進退させるようになっている。
【0038】スライドブロック312cは、その脚部3
12dが上記金型200の側壁抑え脚部225cと同様
に側壁用スライド型313の側面にスライド自在に当接
するとともに、側壁用スライド型313の側面に設けら
れたガイドローラ(図示せず)のガイド溝(図示せず)
が設けられている。そして、その他の構成は、上記金型
200と同様になっているので説明を省略する。
【0039】すなわち、この金型300を用いた成形方
法は、まず、図9(a)に示すように、型閉めを行い、
型閉め圧によって規制され、キャビティKがもっとも狭
小になった状態でキャビティK内に発泡剤含有溶融樹脂
Pを射出する。そして、射出が完了したら、図9(b)
に示すように、可動型本体312と固定型320との閉
合状態を保持した状態で成形機取付板311のみを後退
させる。
【0040】つぎに、図9(c)に示すように、油圧シ
リンダ312bを作動させて雄型部312aと固定型3
20との閉合状態を保持した状態で、スライドブロック
312cを固定型320から離れる方向に移動させるこ
とによって、側壁用スライド型313を型面が後退する
方向に移動させてキャビティKを拡開させ、底が発泡せ
ず、4方の側壁が発泡状態になった成形体を成形するよ
うにした以外は、上記第1の実施の形態と同様になって
いる。
【0041】図10は、本発明にかかる射出発泡成形用
金型の第3の実施の形態をあらわしている。図10に示
すように、この金型300’は、固定型320’が固定
型本体321と、可動ブロック322とから構成されて
いて、可動ブロック322に設けられたピニオンギヤ3
23に、固定型本体321に固定された第1ラック32
4および可動型本体312のスライドブロック312c
に設けられた第2ラック318が噛み合うように構成さ
れている以外は、上記金型300と同様になっている。
【0042】すなわち、この金型300’を用いた成形
方法は、まず、図10(a)に示すように、型閉めを行
い、型閉め圧によって規制され、キャビティKがもっと
も狭小になった状態でキャビティK内に発泡剤含有溶融
樹脂Pを射出する。そして、射出が完了したら、図10
(b)に示すように、可動型本体312と固定型32
0’との閉合状態を保持した状態で成形機取付板311
のみを後退させる。
【0043】つぎに、図10(c)に示すように、油圧
シリンダ312bを作動させて雄型部312aと固定型
320’との閉合状態を保持した状態で、スライドブロ
ック312cを固定型320’から離れる方向に移動さ
せて、側壁用スライド型313をその型面が後退する方
向にスライドさせると同時に、第2ラック318をスラ
イドブロック312cとともに、固定型320から離れ
る方向に移動させることによって、ピニオンギヤ323
を回転させ、第1ラック324を介して可動ブロック3
22を固定型本体321から離れる方向に移動させて、
キャビティKを拡開させ、底および4方の側壁が発泡状
態になった成形体を成形するようにした以外は、上記第
2の実施の形態と同様になっている。
【0044】図11は、本発明にかかる射出発泡成形用
金型の第4の実施の形態をあらわしている。図11に示
すように、この金型100は、可動型110が、可動型
本体111と、スライド型112と、成形機取付板11
3と、油圧シリンダ114とを備えている。
【0045】可動型本体111は、スライド型112が
油圧シリンダ114を介して固定型120方向にスライ
ド自在に内蔵されている。成形機取付板113は、図1
1(a)に示すように、型閉め時に可動型本体111内
に臨む成形機取付板113の脚部115が、スライド型
112に当接し、スライド型112の動きを規制するよ
うになっている。
【0046】すなわち、この金型100を用いた成形方
法は、図11(a)に示すように、スライド型112が
最も固定型120側になり、キャビティKがもっとも狭
小となる位置にスライド型112に保持し、成形機取付
板113の脚部115によって型閉め圧により、スライ
ド型112の動きを規制した状態でキャビティK内に発
泡剤含有溶融樹脂Pを射出する。
【0047】つぎに、可動型本体111と固定型120
との閉合状態を保ちながら、図11(b)に示すよう
に、成形機取付板113を後退させて成形機取付板11
3の脚部115によるスライド型112の規制を解除し
たのち、油圧シリンダ114を作動させてスライド型1
12を固定型120から離れる方向にスライドさせ、キ
ャビティKの型面を可動型本体111方向に拡開させ樹
脂を溶融状態を保ちながら発泡させる以外は、上記第1
の実施の形態と同様になっている。
【0048】この金型100は、以上のように、第1の
実施の形態と同様に射出時にスライド型112が型閉め
圧によってしっかりとその動きが規制されているので、
スライド型112が射出圧でその位置がずれ動いたりす
ることなく、正確に射出工程を完了させることができ
る。しかも、成形機取付板113を後退させてスライド
型112への型閉め圧を解除したのち、油圧シリンダ1
14でスライド型112をスライドさせるようにしたの
で、スライド型112のスライド速度などをコントロー
ルして発泡状態を微妙に変化させることができる。
【0049】本発明にかかる射出発泡成形用金型は、上
記の実施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の
形態では、得られる成形体が板状あるいは矩形の箱状で
あったが、円筒形や、多角形の筒状でも構わない。
【0050】
【発明の効果】本発明にかかる射出発泡成形用金型は、
以上のように、スライド型が可動型の型閉め圧でその動
きが規制されるので、射出時の大きな樹脂圧でスライド
型がずれ動いたりすることがない。すなわち、簡単な金
型構造で、スライド型が、射出時の射出樹脂圧でずれ動
いて成形不良が発生したりすることがなくなり、安定し
て良質の発泡成形品を製造することができる。また、金
型も小型化でき、コストダウンを図ることができる。
【0051】特に、請求項2の金型のようにすれば、発
泡時の圧力によって可動型本体動いたりすることがな
く、良好な発泡状態の成形体をより確実にえることがで
きる。
【0052】請求項3の金型のようにすれば、すべての
スライド型が同じタイミングでスライドする。したがっ
て、常に各部の発泡状態を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる射出発泡成形用金型の第1の実
施の形態をあらわす型閉め状態の部分側面図である。
【図2】図1の金型の動作を説明する図であって、同図
(a)はその射出工程時(型閉め状態)の断面図、同図
(b)はその成形機取付板後退時の断面図、同図(c)
はその発泡工程時の断面図である。
【図3】図1の金型の側壁用スライド型部分の分解斜視
図である。
【図4】図1の金型のロック機構の動きを説明する金型
の部分側面図であって、その発泡工程時の状態をあらわ
している。
【図5】図1の金型のロック機構の動きを説明する金型
の部分側面図であって、その型開き時状態をあらわして
いる。
【図6】図1の金型の動作伝達機構の動きを説明する金
型の部分断面図であって、射出工程時の状態をあらわし
ている。
【図7】図1の金型の動作伝達機構の動きを説明する金
型の部分断面図であって、発泡工程時の状態をあらわし
ている。
【図8】図1の金型の動作伝達機構の動きを説明する金
型の部分断面図であって、型開き時の状態をあらわして
いる。
【図9】本発明にかかる射出発泡成形用金型の第2の実
施の形態に使用する金型の一つの実施の形態をあらわ
し、同図(a)はその射出工程時(型閉め状態)の断面
図、同図(b)はその成形機取付板後退時の断面図、同
図(c)はその発泡工程時の断面図である。
【図10】本発明にかかる射出発泡成形用金型の第3の
実施の形態に使用する金型の一つの実施の形態をあらわ
し、同図(a)はその射出工程時(型閉め状態)の断面
図、同図(b)はその成形機取付板後退時の断面図、同
図(c)はその発泡工程時の断面図である。
【図11】本発明にかかる射出発泡成形方法の第4の実
施の形態に使用する金型の一つの実施の形態をあらわ
し、同図(a)はその射出工程時(型閉め状態)の断面
図、同図(b)はその成形機取付板後退時の断面図、同
図(c)はその発泡工程時の断面図である。
【符号の説明】
100,200,300,300' 金型 120,210,320,320' 固定型 110,220,310 可動型 111,222,312 可動型本体 112 スライド型 113,221,311 成形機取付板 223 底用スライド型 224,313 側壁用スライド型 225 スライド型押さえブロック(スライド型位置規
制手段) 226 油圧シリンダ(駆動手段) 250 ロック機構 251 ロック部(ロック手段) K キャビティ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芝山 昌史 大阪市北区西天満2−9−14 積水化学工 業株式会社内 (72)発明者 東ヶ崎 滋 大阪府枚方市野村中町62−1 株式会社積 水工機製作所内 Fターム(参考) 4F202 AB02 AG20 CA11 CA23 CB01 CK19 CK52

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャビティ内に発泡剤含有溶融樹脂が射出
    され、射出完了後、キャビティの型面を形成するスライ
    ド型がスライドしてキャビティを拡開させ、樹脂をキャ
    ビティ内で発泡させるようになっている射出発泡成形用
    金型において、キャビティ空間が極小状態になる位置に
    配置されたスライド型に型閉め圧を伝達してスライド型
    の射出圧による位置ずれを防止するスライド型位置規制
    手段と、スライド型位置規制手段が解除された状態で前
    記スライド型をキャビティ空間が拡大する方向にスライ
    ド可能なスライド型の駆動手段とを備えていることを特
    徴とする射出発泡成形用金型。
  2. 【請求項2】可動型が、可動型本体と、この可動型本体
    に対して分離状態で可動可能な成形機取付板とを備える
    分割構造を有するとともに、少なくとも成形機取付板が
    型開放方向へ移動時に可動型本体と固定型とを閉じた状
    態にロックするロック手段を備えている請求項1に記載
    の射出発泡成形用金型。
  3. 【請求項3】複数のスライド型を有し、これらのスライ
    ド型が1つの油圧シリンダによって連動してスライド駆
    動する請求項1または請求項2に記載の射出発泡成形用
    金型。
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