JP2003145192A - 水質浄化装置 - Google Patents

水質浄化装置

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JP2003145192A
JP2003145192A JP2001350845A JP2001350845A JP2003145192A JP 2003145192 A JP2003145192 A JP 2003145192A JP 2001350845 A JP2001350845 A JP 2001350845A JP 2001350845 A JP2001350845 A JP 2001350845A JP 2003145192 A JP2003145192 A JP 2003145192A
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water
dimensional
septic tank
plants
reticulated structure
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JP2001350845A
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Inventor
Sadao Nishibori
貞夫 西堀
Masanori Shirai
真紀 白井
Takeyasu Kikuchi
武恭 菊地
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Ain Kk Sogo Kenkyusho
Original Assignee
Ain Kk Sogo Kenkyusho
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  • Cultivation Of Plants (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】浄化槽内の水中に含まれる窒素やリンを好適に
除去すると共に、浄化槽内の水位の変化にも対応可能な
水質浄化装置を提供する。 【解決手段】浄化槽1の壁面10には底面11から所定
の高さ(例えば1m)に段差12が設けてある。浄化槽
1内の水Aの水面に浮かぶ立体網状構造浮島2は、植物
3が繁茂している立体網状構造体20と、立体網状構造
体20を四方から囲むフロート枠21、及び立体網状構
造体20に挿通された高さ調整部材22から構成され
る。立体網状構造浮島2は、フロート枠21の浮力によ
り浄化槽1内の水Aの量に従って上下し、水Aの水面が
段差12の高さよりも低下したときは、立体網状構造浮
島2のフロート枠21が段差12に引掛かり支持される
ことにより、立体網状構造浮島2は段差12の位置より
も降下しない構成である。この構成により、植物3の根
30が浄化槽1内の水Aから窒素やリンを吸収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浄化槽内の水質浄
化装置に係るものであり、具体的には、浄化槽内の水面
又は水中に浮遊又は設置した立体網状構造体において植
物を植生し、該植物の根による窒素やリンの吸収力を利
用し浄化槽内の水を浄化する水質浄化装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】植物の中には、高濃度のヒ素を吸収する
シダ、石油やベンジンを吸収するセイヨウカラシナ、カ
ドミウムを吸収するワラビ等の存在が知られている。ま
た、植物はリンを吸収することもできる。植物はリンを
吸収することにより、リンと結合している鉄とアルミニ
ウムの化合物をも分解し吸収する。従来、この植物の浄
化能力を応用して、種々の水質浄化技術が開発されてい
る。中でも、植物の根の生長を利用した湖や河川等の水
を浄化する技術が注目を浴びている。これは、水面に浮
かせた立体網状構造体で植物を植生させるものである。
これにより、群生した植物の根が網に絡み付き、植物の
根と立体網状構造体による濾過効果と、植物の根の力に
よる窒素やリンの吸収効果、さらに立体網状構造体に絡
み付いた根の周辺に発生する微生物等の生態系の力によ
る自然浄化が相乗効果となり、自然の中で自然の成分構
成に近い状態に水を効率良く浄化することができる。こ
の水質浄化技術は、湖や河川等の水質改善を目的として
開発された環境再生技術であり、湖や河川等の水質改善
と生態系の再生に大きな効果を発揮している。この技術
によれば、汚染された湖や河川等の水を水道2級まで浄
化可能である。また、工場廃液の重油に汚染された水域
の浄化にも効果がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、湖や河川等に
は、窒素やリンを含む多量の排水が浄化不完全状態で下
水処理場から放流されており、湖や河川等の水は相変わ
らず汚染され続けているのが現状である。現在の都市等
で多く用いられている下水処理方法(標準活性汚泥法)
では、窒素やリンを完全に除去することはできていな
い。また、化学薬品等を用いた科学的処理では、水が持
つ本来の浄化能力を損なうおそれがある。また、強制的
かつ過剰に用いられる微生物による生物的処理では、そ
の微生物自身の死骸等による汚泥問題等、新たな水質汚
染を引き起こすおそれがある。従って、下水処理場や家
庭の浄化槽においても、湖や河川等に放流する前段階と
して、窒素やリンを好適に除去し、排水による湖や河川
の汚染を防ぐ必要がある。
【0004】環境先進国と称される諸外国の中には、ヨ
シ等の植物を土の中で育成して、根の活動を利用して水
を浄化するルートゾーンシステムを開始している国があ
る。このように、ヨーロッパでは、植物の根を通した浄
化槽が一般的となりつつある。ここでは、浄化槽からの
排水の後処理には必ず、ヨシ等の植物を使って浄化した
後に河川に放流している。また、生活廃水の浄化に限ら
ず、農業用水、下水処理物、工業排水の汚れを浄化する
ために積極的にこのシステムを取り入れ、ゾートを通し
て水を河川に戻している。これは、小石等を詰めて排水
溝を形成し、内部にヨシ等の植物を育成させ、植物の
根、植物性活性炭及び砂等によりフィルターを構成する
ものである。浄化槽からの排水をこの排水溝を通過させ
ることにより、窒素やリンを除去することができる。
【0005】しかしながら、水質浄化の効果を最大限に
発揮させるためには、土中からではなく、水中で植物の
根から直接吸収させる必要がある。従って、上記構成で
は水質浄化の効果を充分に発揮しているとは言い難い。
そこで、本発明は、立体網状構造体に植生した植物によ
る湖や河川等の水質浄化技術を浄化槽内の水質浄化に適
用し、上記ルートゾーンシステムをさらに進歩させた水
質浄化技術であり、その目的とするところは、浄化槽内
の水中に含まれる窒素やリンを好適に除去すると共に、
浄化槽内の水位の変化にも対応可能な水質浄化装置を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み、請求項
1記載の発明は、植物を植生する立体網状構造体と該立
体網状構造体を囲むフロート枠からなる立体網状構造浮
島を浄化槽内の水面又は水中に浮遊又は設置し、前記浄
化槽内の水を前記植物の根により浄化し、前記浄化槽内
の壁面には段差を設けて、水位低下のときに、前記フロ
ート枠を該段差に引掛けることにより、前記立体網状構
造浮島を所定の高さに維持できることを特徴とする水質
浄化装置である。これにより、生長した植物の根が立体
網状構造体に絡み付き、植物の根と立体網状構造体によ
る濾過効果と、植物の根による窒素やリンの吸収効果、
さらに立体網状構造体に絡み付いた根の周辺に発生する
微生物による自然浄化効果が相乗効果となり、浄化槽内
の水を環境に負荷をかけずに効率良く浄化することがで
きる。例えば、都市の下水、汚水等が好適に浄化でき
る。また、フロート枠の浮力により、浄化槽内の水位の
変化にも好適に対応可能である。立体網状構造浮島は、
水位が上昇したとき、段差より上方の位置で水面に浮か
ぶ。浮島浄化槽内の水位が低下したとき、浄化槽内の壁
面の段差に引掛かり支持されることにより、所定の高さ
よりも降下することがない。従って、立体網状構造体か
ら下方に張り出した植物の根は、立体網状構造浮島の下
敷きになったり、浄化槽の底と接触して痛められること
もなく、好適に浄化槽内の水質を浄化することができ
る。
【0007】ここでいう植物とは、日本各地の気候風土
に適した植物、さらには、多量の窒素やリンを吸収する
浄化能力の優れた植物を選択して栽培することが重要で
ある。この立体網状構造体では、浮葉植物、沈下植物、
抽水植物又は湿生植物等に限らず、親水性のある陸上植
物や食用植物の植生も可能である。例えば、ミズヒマワ
リ、ヨシ、バコバ・モンニエリ、バコバ・カロリニアー
ナ、イエロー・リシマキア、ルドウィジア・ナタンス、
ルドウィジア・オリパス、ルドウィジア・オバリス、ル
ドウィジア・サンフランシスコ、レッド・ルドウィジ
ア、ウォーター・ウィステリア、ウォーター・マッシュ
ルーム、パロット・フェザー、ハイグロフィラ、ケナ
フ、マコモ、オオフサモ、コブラグラス、クーシンサ
イ、ミント、クレソン、セイヨウカラシナ、ワラビ、シ
ダ、イグサ、コブラグラス、オフサモ、バイグロフィ
ラ、マリーゴールド、ジョウブ、サルビア、ホテトアオ
イ、タカサブロウ、パピリス、ミロガヤツリ、スイレ
ン、ツルヨシ、リュウノヒゲ、ミズアオイ、トクサ、カ
ヤツリグサ、ミソハギ、カラシナ、バンジー、ドクダ
ミ、水上ヒマワリ、セリ、ハンキショウ等が例示でき
る。淡水植物が好ましいが、汽水植物、海水植物でも適
用できることがある。
【0008】培地である立体網状構造浮島は、単層又は
多層に積載された立体網状構造樹脂成形品からなる立体
網状構造体とフロート枠により構成される。立体網状構
造浮島を水面に浮遊させてもよいし、水没させて、水中
に位置させることもできる。水中植物(海藻等)を活用
することができる。この場合、アンカー、支柱、ロープ
等で水底、壁、側面、底面等に係留させることができ
る。立体網状構造体は植物の種類に応じて立体網状構造
樹脂成形品を多層に積載することにより、高さを自由に
調節することができる。立体網状構造樹脂成形品は、熱
可塑性樹脂の連続線条及び/又は短線条のランダムなル
ープ又はカールの隣接する線条相互を接触絡合集合して
形成され、所定の嵩密度(例えば0.005〜1.08
g/cm3)の空隙を備えるものが好ましい。連続線条
及び/又は短線条は熱可塑性エラストマー(例えば、好
ましくは、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ナイロン等)よりなるものであり、連続線条及び/
又は短線条の線径は0.3〜3.0mm、好ましくは
0.7〜1.0mmである。このように、立体網状構造
樹脂成形品は有害物質を溶出しない樹脂から作られてい
ることが好ましい。PETであればリサイクルが促進で
きる。また、水から引き上げて再び溶融することによ
り、何度でもリサイクルすることができ、半永久的に使
用することができる。上記立体網状構造樹脂成形品は、
熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーを複数の
ノズルより所定の押出速度において複数の線条に溶融押
出し、引取り機により引取り、無垢又は中空の連続線条
を形成し、溶融状態の線条に、隣同士の線条と水中で接
触絡合させることによりランダムなループを形成させる
ことが好ましい。接触絡合部位の少なくとも一部は相互
に溶融接着されることが好ましい。
【0009】立体網状構造浮島を構成するフロート枠
は、枠状体が好ましく、全部が連続しているもの、或い
は、一部が多少欠けているものもでもよい。フロート枠
の形状は四角形、丸形等、適宜選択できる。フロート枠
の底面、下部等に立体網状構造体の抜け落ち防止部材を
設けてもよい。フロート枠の材質は、発泡スチロールや
ウレタン等でも構わないが、熱可塑性樹脂成形材及びセ
ルロース系破砕物の混合原料から成る木質合成粉を成形
素材とした中空樹脂成形材(以下、単に木質複合木材と
いう)を使用することが好ましい。ここでいう木質複合
木材は、木粉が高濃度で混合された顆粒状ペレットを高
粘度の状態に溶融し、押出機で高圧力で押し出し、金型
の中に押し込み、高圧力で押し固めて成形される。ここ
では高速回転翼による発熱で木粉とプラスチックを溶融
し、分子レベルで一体化していることが好ましい。ま
た、粘度の高い程流れが速いチクソトロピーの原理を押
し出し成形技術に応用していることが好ましい。このよ
うに、高圧力を加える技術と、木粉とプラスチックの結
合を高める技術によって、歪みの少ない、高密度で高強
度の木質複合木材の製造が可能である。上記押し出し成
形工程により製造された木質複合木材は、人が乗っても
沈まない浮力を持ち、景観にも優れており、強度及び剛
性等は天然木及び従来の合成木材を凌ぐものである。木
質複合木材は、何度もリサイクル可能であり、耐久性、
耐水性、耐熱性及び耐寒性に優れており屋外や水中にお
いても長期間使用できる。このように、腐食しにくいた
め、特に立体網状構造浮島のフロート枠への利用に適し
ている。
【0010】浄化槽とは水質を浄化するものであり、上
面が開口しているものが好ましい。水槽でもよい。ま
た、屎尿及び雑廃水等を沈殿分離、腐敗分解及び殺菌し
て浄化するための槽を利用してもよい。下水処理場の浄
化槽に限らず、家庭や工場等の浄化槽でも構わない。材
質は、主として金属製又はコンクリート製であるが、他
の材質でも構わない。廃棄物を利用してもよい。
【0011】段差は、浄化槽の壁面全体に設けてもよい
し、一部に設けてもよい。例えば、四方形の浄化槽であ
れば、片側の壁面、両側の壁面、三方の壁面、全部の壁
面に設けることができる。また、段差の幅及び高さは適
宜設定可能である。段差は、浄化槽の底面から壁面に形
成された突壁が好ましい。壁ではなく、横方向に突出す
る突板でもよい。段差は一体に形成されてもよいし、浄
化槽とは別体とし、ねじ等の固定具で固定してもよい。
【0012】請求項2記載の発明は、植物を植生する立
体網状構造体と該立体網状構造体を囲むフロート枠から
なる立体網状構造浮島を浄化槽内の水面又は水中に浮遊
又は設置し、前記浄化槽内の水を前記植物の根により浄
化し、前記立体網状構造体は、長手方向又は幅方向に粗
部分と密部分とが所定又は適宜間隔で連続的に構成さ
れ、主として前記粗部分に植物を植生させることを特徴
とする水質浄化装置が好ましい。請求項2以下において
請求項1の字句の解釈を援用する。ここでは、立体網状
樹脂成形品の製造において、水中での接触絡合時に、適
宜間隔(例えば3〜5m)で押出した連続線条の引取り
速度を低速に調整することにより、長手方向に適宜長さ
(例えば30〜50cm)の低速引取り時の嵩密度の大
きい部分、すなわち密部が幅方向に形成されることが好
ましい。このように、粗密構造を有する立体網状構造樹
脂成形品は、上記密部と低速引取り時以外に形成された
粗部によって形成されることが好ましい。この粗密構造
を有する立体網状構造樹脂成形品を整列して積層するこ
とにより、立体網状構造体は、植物の根が張れるように
密度を下げた軟らかい網状部分(粗部分)と密度を上げ
て硬く補強された基礎となる網状部分(密部分)とが連
続的に構成されることになる。密部分はフロート枠を強
固に固定する仕切の役割及びフィルターとしての役割も
担うことができる。このように、密部分によって強度が
増した立体網状構造体は、台風、波浪、水圧に強く、植
物の自重に耐え、人が乗っても崩れることがない。一
方、粗部分も有するので、植物の根の育成を妨げること
もなく、好適に浄化槽内の水質を浄化することができ
る。
【0013】請求項3記載の発明は、植物を植生する立
体網状構造体と該立体網状構造体を囲むフロート枠から
なる立体網状構造浮島を浄化槽内の水面又は水中に浮遊
又は設置し、前記浄化槽内の水を前記植物の根により浄
化し、前記立体網状構造体は、複数枚の立体網状構造樹
脂成形体を厚さ方向に積層し、密度を異ならせることを
特徴とする記載の水質浄化装置が好ましい。ここでは、
生長した植物の根が密度の異なる立体網状構造体に複雑
に絡み付き、より好適な濾過効果及び吸収効果が期待で
きる。
【0014】請求項4記載の発明は、植物を植生する立
体網状構造体と該立体網状構造体を囲むフロート枠から
なる立体網状構造浮島を浄化槽内の水面又は水中に浮遊
又は設置し、前記浄化槽内の水を前記植物の根により浄
化し、前記立体網状構造体は、上方に粗部分、下方に密
部分を構成することを特徴とする水質浄化装置が好まし
い。ここでは、立体網状構造体の下方に土砂を入れて植
物を植生させることができる。
【0015】請求項5記載の発明は、植物を植生する立
体網状構造体と該立体網状構造体を囲むフロート枠から
なる立体網状構造浮島を浄化槽内の水面又は水中に浮遊
又は設置し、前記浄化槽内の水を前記植物の根により浄
化し、前記フロート枠の上下方向に高さ調整部材を設け
たことを特徴とする水質浄化装置である。これにより請
求項1と同様の課題を達成できる。高さ調整部材は、例
えば、複数の棒状部材を立体網状構造体及び/又はフロ
ート枠に上下方向に貫通して固定したものが挙げられる
が、同様に機能を実現する、その他の構造でもよい。
【0016】請求項6記載の発明は、前記浄化槽を温室
で覆うことを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載
の水質浄化装置が好ましい。ここでは、季節や時間の変
化による温度変化に影響を受けずに植物を繁茂させるこ
とが可能となり、1年を通して継続して好適に浄化槽内
の水質を浄化することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る水質浄化方
法を備えた浄化槽の好適な実施形態について、図を参照
して説明する。図1及び図2は、本実施形態に係る浄化
槽1の断面斜視図である。図3は正面からの断面図であ
る。詳しくは、図1は立体網状構造体20に充分に植物
3を繁茂させた状態を示す図であり、図2は立体網状構
造体20に植物3を植生させていない状態の参考図であ
る。浄化槽1は上方に開口を備えた容器等であり、壁面
10及び底面11を備える。壁面10には底面11から
所定の高さ(例えば1m)までは段差12が設けてあ
り、底面11側が狭く構成されている。段差12は浄化
槽1と一体に設けられてもよいし別体として結合させた
ものでもよい。浄化槽1の材質は、金属製又はコンクリ
ート製等の水質浄化に適した材質であればよい。浄化槽
1内の水Aには、立体網状構造浮島2が浮遊している。
立体網状構造浮島2の面積は浄化槽1の上面開口の面積
よりも小さい。立体網状構造浮島2は、植物3が繁茂す
るための立体網状構造体20と、立体網状構造体20を
四方から囲むフロート枠21、及び立体網状構造体20
に上下方向に挿通された複数(ここでは4本)の高さ調
整部材22(例えば金属、コンクリート、鉄筋コンクリ
ート、鋳鉄等)から構成される。ここでは高さ調整部材
22は棒状であるが適宜形状でよい。立体網状構造浮島
2は、フロート枠21の浮力によって植物3が大きく生
長しても沈没しないようになっている。また、高さ調整
部材22は、養分供給部(例えば、淡水の場合はミネラ
ル分等、海水の場合は鉄分(補給は鋳鉄等による)とす
ることができる。例えば、鉄イオン等の養分を水に溶出
させて、植物3の育成を補助できる。高さ調整部材22
とは別途に養分供給部をフロート枠21及び/又は立体
網状構造体20設けてもよい。
【0018】植物3の中にはヨシ等のように、増水する
と水没して枯れてしまうこともあり、水位変化に対応す
ることが必要である。図3に示すように、立体網状構造
浮島2は、フロート枠21の浮力により浄化槽1内の水
Aの量に従って上下する構成である。さらに、本実施形
態では水Aの水面が段差12の高さよりも低下した或い
は立体網状構造浮島2が浮力を失ったときはフロート枠
21が段差12に引掛かり支持されることにより、立体
網状構造浮島2は段差12の位置よりも降下しない構成
である。これにより、浄化槽1内の水位が低下した場合
でも、立体網状構造浮島2が所定の高さ(例えば1m)
に維持される。従って、立体網状構造体20から下方に
張り出した植物3の根30は、立体網状構造浮島2の下
敷きになったり、浄化槽1の底面11と接触して根の生
長点等を痛められることもない。
【0019】高さ調整部22が立体網状構造浮島2の高
さ調整を行なうように構成されている。水位が低下した
とき或いは立体網状構造浮島2が浮力を失っても、前記
段差12とともに或いは単独で立体網状構造浮島2の下
限位置に規制できるので、植物3の根を保護できる。水
槽の上部にストッパ(図示略)を設ければ、立体網状構
造浮島2の上限も規制できる。
【0020】立体網状構造体20で植生される植物3に
は、多量の窒素やリンを吸収する浄化能力の優れた植物
を選択することが重要である。また、日本各地の気候風
土に適した植物を選択することも必要である。植物3は
事前に農業用ハウス等で立体網状構造体20を利用し、
ある程度大きく育ててから、浄化槽1内に設置すること
が好ましい。
【0021】通常、植物3を土壌で育成すると、養分の
吸収が強すぎて土壌を痩せさせることも多い。これに対
し、立体網状構造体20は、水中で根30が育つため、
土壌よりも植物3の育ちやすい培地である。しかも、多
量の窒素やリンを含む汚染された水で植物3を育成する
と、水中の立体網状構造体20の中を通して根30は水
中で30cm〜1m近く伸び、水中で分解された有機成
分であるリンや窒素を効率良く根30から栄養源として
吸収し生長する。この方法で陸上の植物を育てると通常
の3〜4倍の生長を遂げることが確認されている。従っ
て、植物3を立体網状構造体20で植生する場合、顕著
な水質浄化能力を発揮するといえる。
【0022】立体網状構造体20では、浮葉植物、沈下
植物、抽水植物又は湿生植物等に限らず、親水性のある
陸上植物や食用植物の植生も可能である。例えば、サボ
テン等を除く殆どの陸上植物は、幼植物時に立体網状構
造体20に移植し、水中で育成すると空中根が育つ。こ
こでは、立体網状構造体20を水面より少し高くする
(5cm〜10cm)ことにより、根吸収する陸上植物
を水上で育てることができる。また、陸上植物には親水
性のある植物とそうでない植物があり、親水性のある植
物を利用する。浮葉植物や沈下植物等の水辺植物も同様
の方法で育成すると、根茎がより発達する。抽水植物も
水上で育成すると根茎が通常よりもよく発達するため、
窒素やリン等の吸収力を高めることができる。具体的に
本実施例において立体網状構造体20で栽培できる植物
3としては、ミズヒマワリ、ヨシ、バコバ・モンニエ
リ、バコバ・カロリニアーナ、イエロー・リシマキア、
ルドウィジア・ナタンス、ルドウィジア・オリパス、ル
ドウィジア・サンフランシスコ、レッド・ルドウィジ
ア、ウォーター・ウィステリア、ウォーター・マッシュ
ルーム、パロット・フェザー、ハイグロフィラ、ケナ
フ、マコモ、オオフサモ、コブラグラス、クーシンサ
イ、ミント、クレソン等が例示できる。特に、ルドウィ
ジア・オリバスはヨシに比べ、窒素の吸収量は15倍、
リンの吸収量は50倍であり、非常に好ましい。その
他、成績順に列挙すると、ルドウィジア・ナタンス、ミ
ズヒマワリ、レッド・ルドウィジア、ルドウィジア・サ
ンフランシスコ、ウォーターウィステア、バコバ・モン
ニエリ、バロットフェザーとなる。浄化能力の優れた植
物を選択して栽培することで、水質浄化能力を最大限に
発揮させることが確認できた。ヨシ、マコモ、イグサな
どの植物は、冬の間、葉は枯れても地下茎(根)は成長
することができる。
【0023】次に、立体網状構造体20について説明す
る。図4は立体網状構造体20の斜視図である。図5は
立体網状構造体20の平面図である。立体網状構造体2
0は、複数層(例えば3層)の立体網状構造樹脂成形品
201〜203を積層して構成される。このように、立
体網状構造体20は植物の種類に応じて立体網状構造樹
脂成形品201〜203を多層に積載することにより、
高さを自由に調節することができる。
【0024】立体網状構造樹脂成形品201〜203
は、熱可塑性樹脂の連続線条及び/又は短線条のランダ
ムなループ又はカールの隣接する線条相互を接触絡合集
合して形成され、所定の嵩密度(例えば0.005〜
1.08g/cm3)の空隙を備える。連続線条及び/
又は短線条は熱可塑性エラストマー(例えば、ポリプロ
ピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン等)よ
りなるものであり、連続線条及び/又は短線条の線径は
0.3〜3.0mm、好ましくは0.7〜1.0mmで
ある。このように、立体網状構造樹脂成形品201〜2
03は有害物質を溶出しない樹脂から作られている。ま
た、引き上げて再び溶融することにより、何度でもリサ
イクルすることができ、半永久的に使用することができ
る。
【0025】このような立体網状構造樹脂成形品201
〜203は、熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラスト
マーを複数のノズルより所定の押出速度において複数の
線条に溶融押出し、引取り機により引取り、600〜9
0000デニール、好ましくは3000〜30000デ
ニール、より好ましくは6000〜10000デニール
の無垢又は中空の連続線条を形成し、溶融状態の線条
に、例えば、直径1〜10mm、好ましくは直径1〜5
mmのループを形成させ、隣同士の線条と水中で接触絡
合させることによりランダムなループを形成させる。接
触絡合部位の少なくとも一部は相互に溶融接着される。
このとき、水中において、適宜間隔(例えば3〜5m)
で引取り機の引取り速度を低速に調整することにより、
長手方向に適宜長さ(例えば30〜50cm)の低速引
取り時の嵩密度の大きい部分、すなわち密部201b〜
203bが形成される。立体網状構造樹脂成形品201
〜203は、低速引取り時以外に形成された粗部201
a〜203aと共に三次元のスプリング構造を形成する
(例えば、厚さ30〜100mm、幅1000mm)。
【0026】このように密部201b〜203bは、押
出した連続線条の引取り速度を変化させて立体網状構造
樹脂成形品201〜203の長手方向に適宜間隔を介し
て立体網状構造樹脂成形品201〜203の幅方向に形
成される。具体的には、立体網状構造樹脂成形品201
〜203の嵩密度は、粗部201a〜203aで0.0
09〜0.280g/cm3、好ましくは0.027〜
0.210g/cm3、特に0.045〜0.09g/
cm3である。密部201b〜203bで0.45〜
1.25g/cm3、好ましくは0.54〜1.17g
/cm3、特に0.63〜1.10g/cm3である。ま
た、立体網状構造樹脂成形品201〜203の空隙率
(空隙率=1−嵩密度/樹脂の比重×100)は、粗部
201a〜203aで80〜99%、好ましくは85〜
97%、特に90〜95%である。密部201b〜20
3bで25〜50%、好ましくは15〜40%、特に2
0〜30%である。
【0027】ここで、立体網状構造樹脂成形品201〜
203の製造方法について説明する。まず、押出機のホ
ッパーより、原料樹脂(例えばポリプロピレンのエラス
トマー)を投入する。投入された原料樹脂は、溶融混練
して成形ダイに設けた所定径の多数の射出口より押出
し、バス内の引取り機の引取りロール間で厚さ及び嵩密
度が設定され、カール又はループ状にランダムに成形さ
れながら、水中で固化し、巻取りロールにより立体網状
構造樹脂成形品201〜203として取り出される。引
取りロールの引取り速度をタイマー等により設定時間毎
に、設定時間内低速にすれば、立体網状構造樹脂成形品
201〜203の長手方向において、所定間隔毎に所定
長さの嵩密度の大きい部分(密部201b〜203b)
を有する粗密構造の立体網状構造樹脂成形品201〜2
03を得ることができる。
【0028】上記のように、粗密構造を有する立体網状
構造樹脂成形品201〜203を整列して積層すること
により、立体網状構造体20は、植物3の根が張れるよ
うに密度を下げた軟らかい網状部分(粗部分20a)と
密度を上げて硬く補強された基礎となる網状部分(密部
分20b)とが連続的に構成されることになる。ここで
は、立体網状構造樹脂成形品201〜203の粗部20
1a〜203aが立体網状構造体20の粗部分20aを
形成し、立体網状構造樹脂成型品201〜203の密部
201b〜203bが立体網状構造体20の密部分20
bを形成する。粗密で軟らかい粗部分20aだけでは、
植物3の重さと根30の重量に耐えることができない。
一方、緻密で硬い密部分20bだけでは、植物3が根3
0を張ることが困難である。立体網状構造体20は、密
部分20bによってフロート枠21と強固に固定するこ
とができ、植物3の重みで垂れることもない。密部分2
0bはフロート枠21を強固に固定する仕切の役割及び
フィルターとしての役割も担い、密部分20bにより濾
過効果も向上する。このように、密部分20bによって
強度が増した立体網状構造体20は、台風、波浪、水圧
に強く、植物3の自重に耐え、人が乗っても崩れること
がなく安心して長期間使用できる。特に、植物3を刈り
取る際には立体網状構造体20の上に乗って作業する必
要があるが、人が乗っても崩れない硬く強い部分を有す
るので安心である。一方、粗部分20aを有するので、
植物3の根30の育成を妨げることもない。特にヨシ等
の場合は根が太いので粗密にする必要性が高い。また、
立体網状構造体20には単数又は複数(例えば4ヶ所)
の孔20cが設けられている。孔20cには高さ調整部
材22を挿通して強固に固定しておく必要があるため、
密部分20bに設けることが好ましい。
【0029】図6は、この立体網状構造体20をフロー
ト枠21に嵌め込み固定した立体網状構造浮島2の斜視
図である。このように、立体網状構造体20は、植物3
の重さは勿論、人が乗っても沈没しない程の浮力を持つ
フロート枠21に嵌め込まれ、立体網状構造浮島2を構
成する。立体網状構造浮島2を構成するフロート枠21
の材質は、天然木、発泡スチロール又はウレタン等でも
構わないが、本実施形態では、前述した熱可塑性樹脂成
形材及びセルロース系破砕物の混合原料から成る木質合
成粉を成形素材とした中空樹脂成形材である木質複合木
材を用いる。木質複合木材は、人が乗っても沈没しない
浮力を持ち、景観にも優れており、強度及び剛性等は天
然木及び従来の合成木材を凌ぐものである。また、何度
もリサイクル可能であり、耐久性、耐水性、耐熱性及び
耐寒性に優れており、腐食しにくいため、屋外や水中に
おいても長期間使用できる。
【0030】立体網状構造体20とフロート枠21は嵌
め込み式の分離交換可能なカートリッジ方式であり、新
しい植物への取り替えも容易に可能である。例えば、四
季の変化に対応して、年に4回植物3を取り替えれば、
さらに高効率の水質浄化が実現する。また、取り外せ
ば、地上で刈り取ることもでき、メンテナンスも容易に
できる構造である。
【0031】ここで、本実施形態で用いられる立体網状
構造浮島2の施工方法について図7を参照して説明す
る。図7は立体網状構造浮島2の分解斜視図である。ま
ず、農業用ハウス等の温室で各地の気候風土に適した水
質浄化用の植物3を立体網状構造体20の最上段を形成
する立体網状構造樹脂成形品201で植生し、立体網状
構造樹脂成形品201に定植させる。続いて、木質複合
木材でフロート枠21を作る。フロート枠21の中に立
体網状構造体20の下層を形成する立体網状構造樹脂成
形品202,203を嵌め込み、一体化する。立体網状
構造体20の高さは植物3の種類に合わせ、この段階で
自由に調整できる。次に、温室内で植物3を定植させた
立体網状構造樹脂成形品201を、既にフロート枠21
と一体化されている立体網状構造樹脂成形品202,2
03の上に嵌め込み固定する。このように形成された植
物3の植えられた立体網状構造浮島2を浄化槽1内に浮
かべる。必要があれば、ワイヤーロープ又はチェーン及
びアンカー等を用いて立体網状構造浮島2を浄化槽1の
所定の位置に固定してもよい。そして、設置から数日後
には、植物3は立体網状構造体20から充分な根30を
張り出す(図1参照)。
【0032】以上のように、本実施形態における浄化槽
1においては、水面に浮かせた立体網状構造浮島2で窒
素やリンの吸収力の優れた植物3を植生し、植物3の根
30を利用して水質浄化能力を最大限に発揮させてい
る。具体的には、生長した植物3の根30が立体網状構
造体20に絡み付き、植物3の根30と立体網状構造体
20による濾過効果と、植物3の根30による窒素やリ
ンの吸収効果、さらに立体網状構造体20に絡み付いた
根30の周辺に発生する微生物による自然浄化効果が相
乗効果となり、浄化槽1内の水Aを環境に負荷をかけず
に効率良く浄化している。また、植物3の根30の力を
維持するため、育成した植物3の刈り取りを繰り返し行
うことにより、効率良く水Aを浄化することが可能であ
る。
【0033】また、図8に示すように、浄化槽101を
温室4で覆う構成とすれば、季節や時間の変化による温
度変化に影響を受けずに植物を繁茂させることが可能と
なり、1年を通して継続して好適に浄化槽内の水質を浄
化することができる。その他の構成については概ね同様
であるので、100番台として説明を援用する(例え
ば、立体網状構造浮島102、植物103)。
【0034】この実施形態では以下の効果を有する。 (1)浄化槽1内の水位が低下した場合或いは立体網状
構造浮島2が浮力を失っても、立体網状構造浮島2は浄
化槽1内の壁面10の段差12に引掛かり支持されるこ
とにより、所定の高さよりも降下することがない。段差
12とともに或いは高さ調整部22単独でも下限位置を
規制できる。従って、立体網状構造体20から下方に張
り出した植物3の根30は、立体網状構造浮島2の下敷
きになったり、浄化槽1の底面11と接触して痛められ
ることもなく、好適に浄化槽1内の水質を浄化すること
ができる。高さ調整部22で立体網状構造浮島2の上限
位置も規制できる場合がある。 (2)生長した植物3の根30が立体網状構造体20に
絡み付き、植物3の根30と立体網状構造体20による
濾過効果が発生し、浄化槽1内の水Aを効率良く浄化で
きる。 (3)生長した植物3の根30が水Aから窒素やリンを
吸収することにより、浄化槽1内の水Aを効率良く浄化
できる。 (4)立体網状構造体20に絡み付いた根30の周辺に
発生する微生物による自然浄化効果が発生し、浄化槽1
内の水Aを効率良く浄化できる。 (5)浄化槽1内の窒素やリンの量が減少すると、アオ
コやプランクトン等の発生を防ぎ、悪臭を取り除くこと
ができる。 (6)立体網状構造浮島2が太陽光線を遮断することに
より、水温が低下し、アオコやプランクトン等の発生を
防ぎ、悪臭を取り除くことができる。 (7)立体網状構造浮島2には植物3の花が咲き、見事
な自然景観を演出する。 (8)立体網状構造体20を構成する立体網状構造樹脂
成形品201〜203を作る際には、ペットボトルや農
業用フィルムをリサイクルできる。 (9)フロート枠21に用いる木質複合木材には、建設
廃木材や廃プラスチックを有効利用できる。 (10)立体網状構造浮島2から刈り取った植物3は再
商品化できる。例えば、ケナフやパピルスは全量パルプ
として再利用し、光触媒和紙となる。また、木質複合木
材の材料としてフロート枠21等にも利用できる。さら
には、肥料や動物の餌としても利用できる。
【0035】以上、本実施形態における水質浄化方法を
備える浄化槽について説明したが、実施の形態は上記に
限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する
限り種々の形態を採り得るものである。また、本発明の
技術的思想を逸脱しない範囲において、改変等を加える
ことができるものであり、それらの改変、均等物等も本
発明の技術的範囲に含まれることとなる。例えば、浄化
槽1の大きさ、種類、設置場所等にも関係なく適応可能
である。また、浄化槽1に限らず、貯水可能な種々の水
槽に適宜適応可能である。段差12を削除して、高さ調
整部材22だけで立体網状構造浮島2の下限位置を規制
してもよい。
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、生長した
植物の根が立体網状構造体に絡み付き、植物の根と立体
網状構造体による濾過効果と、植物の根による窒素やリ
ンの吸収効果、さらに立体網状構造体に絡み付いた根の
周辺に発生する微生物による自然浄化効果が相乗効果と
なり、浄化槽内の水を環境に負荷をかけずに効率良く浄
化することができる。また、フロート枠の浮力により、
浄化槽内の水位の変化にも好適に対応可能である。さら
に、浄化槽内の水位が低下した場合或い立体網状構造浮
島が浮力を失っても、立体網状構造浮島は浄化槽内の壁
面の段差に引掛かり支持されることにより、所定の高さ
よりも降下することがない。従って、立体網状構造体か
ら下方に張り出した植物の根は、立体網状構造浮島の下
敷きになったり、浄化槽の底と接触して痛められること
もなく、好適に浄化槽内の水質を浄化することができ
る。請求項2記載の発明によれば、立体網状構造体は、
台風、波浪、水圧に強く、植物の自重に耐え、人が乗っ
ても崩れることがない。一方、植物の根の育成を妨げる
こともなく、好適に浄化槽内の水質を浄化することがで
きる。請求項3記載の発明によれば、生長した植物の根
が密度の異なる立体網状構造体に複雑に絡み付き、より
好適な濾過効果及び吸収効果が期待できる。請求項4記
載の発明によれば、立体網状構造体の下方に土砂を入れ
て植物を植生させることができる。請求項5記載の発明
によれば、請求項1と同様に水位低下時、或い立体網状
構造浮島が浮力を失っても、高さ調整部材22が立体網
状構造浮島の下降を防止するので、植物の根を保護でき
る。請求項6記載の発明によれば、季節や時間の変化に
よる温度変化に影響を受けずに植物を繁茂させることが
可能となり、1年を通して継続して好適に浄化槽内の水
質を浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】立体網状構造体20に植物3を繁茂させた状態
を示す浄化槽1の断面斜視図である。
【図2】立体網状構造体20に植物3を繁茂させていな
い状態を示す浄化槽1の断面斜視図である。
【図3】浄化槽1の正面からの断面図である。
【図4】立体網状構造体20の斜視図である。
【図5】立体網状構造体20の平面図である。
【図6】立体網状構造浮島2の斜視図である。
【図7】立体網状構造浮島2の分解斜視図である。
【図8】温室4を設置した浄化槽101の断面斜視図で
ある。
【符号の説明】
1・・・浄化槽、 2・・・立体網状構
造浮島、3・・・植物、 4・・・温
室、10・・・壁面、 11・・・底
面、12・・・段差、 20・・・立体
網状構造体、20a・・・粗部分、 20b・
・・密部分、21・・・フロート枠、 22・
・・高さ調整部材、30・・・根、 201〜2
03・・・立体網状構造樹脂成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 武恭 東京都品川区西五反田2丁目26番9号 ア イン・エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 2B314 MA62 NC38 PC08 PC11 PC22 PC35 4D040 CC01 CC02 CC05 DD14 DD18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】植物を植生する立体網状構造体と該立体網
    状構造体を囲むフロート枠からなる立体網状構造浮島を
    浄化槽内の水面又は水中に浮遊又は設置し、 前記浄化槽内の水を前記植物の根により浄化し、 前記浄化槽内の壁面には段差を設けて、水位低下のとき
    に、前記フロート枠を該段差に引掛けることにより、前
    記立体網状構造浮島を所定の高さに維持できることを特
    徴とする水質浄化装置。
  2. 【請求項2】植物を植生する立体網状構造体と該立体網
    状構造体を囲むフロート枠からなる立体網状構造浮島を
    浄化槽内の水面又は水中に浮遊又は設置し、 前記浄化槽内の水を前記植物の根により浄化し、 前記立体網状構造体は、長手方向又は幅方向に粗部分と
    密部分とが所定又は適宜間隔で連続的に構成され、主と
    して前記粗部分に植物を植生させることを特徴とする水
    質浄化装置。
  3. 【請求項3】植物を植生する立体網状構造体と該立体網
    状構造体を囲むフロート枠からなる立体網状構造浮島を
    浄化槽内の水面又は水中に浮遊又は設置し、 前記浄化槽内の水を前記植物の根により浄化し、 前記立体網状構造体は、複数枚の立体網状構造樹脂成形
    体を厚さ方向に積層し、密度を異ならせることを特徴と
    する水質浄化装置。
  4. 【請求項4】植物を植生する立体網状構造体と該立体網
    状構造体を囲むフロート枠からなる立体網状構造浮島を
    浄化槽内の水面又は水中に浮遊又は設置し、前記浄化槽
    内の水を前記植物の根により浄化し、前記立体網状構造
    体は、上方に粗部分、下方に密部分を構成することを特
    徴とする水質浄化装置。
  5. 【請求項5】植物を植生する立体網状構造体と該立体網
    状構造体を囲むフロート枠からなる立体網状構造浮島を
    浄化槽内の水面又は水中に浮遊又は設置し、 前記浄化槽内の水を前記植物の根により浄化し、 前記フロート枠及び/又は立体網状構造体の上下方向に
    高さ調整部材を設けたことを特徴とする水質浄化装置。
  6. 【請求項6】前記浄化槽を温室で覆うことを特徴とする
    請求項1乃至5いずれかに記載の水質浄化装置。
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