JP2003145075A - 噴射用清浄剤およびそれを用いた清浄化方法ならびに塗装方法 - Google Patents

噴射用清浄剤およびそれを用いた清浄化方法ならびに塗装方法

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JP2003145075A
JP2003145075A JP2001344830A JP2001344830A JP2003145075A JP 2003145075 A JP2003145075 A JP 2003145075A JP 2001344830 A JP2001344830 A JP 2001344830A JP 2001344830 A JP2001344830 A JP 2001344830A JP 2003145075 A JP2003145075 A JP 2003145075A
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cleaned
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Toshiya Watabe
俊也 渡部
Kazuhito Hashimoto
和仁 橋本
Toshio Isowa
俊男 磯和
Kenji Nishie
健二 西江
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Katayama Chemical Inc
Todai TLO Ltd
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    • B24C11/005Selection of abrasive materials or additives for abrasive blasts of additives, e.g. anti-corrosive or disinfecting agents in solid, liquid or gaseous form

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車などの塗装面のような清浄化対象物の
表面を損傷(例えば、磨耗)させないで、表面に固着し
た劣化材料や汚れなどを効率的に剥離除去し、かつ処理
後の環境を悪化させない噴射用清浄剤およびそれを用い
た清浄化方法ならびに塗装方法を提供することを課題と
する。 【解決手段】 粒径が200〜1000μmであり、か
つ硬度がビッカース硬度で50<HV<100またはロ
ックウェル硬度で50<HRC<100である、ポリア
ミドおよび/またはポリカーボネートの樹脂粒子を含む
ことを特徴とする噴射用清浄剤により、上記の課題を解
決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、噴射用清浄剤お
よびそれを用いた清浄化方法ならびに塗装方法に関す
る。さらに詳しくは、この発明は、清浄化対象物の表面
を損傷させないで、表面に固着した劣化材料や汚れなど
を効率的に剥離除去し、かつ処理後の環境を悪化させな
い、特定の樹脂微粒子を含む噴射用清浄剤およびそれを
用いた清浄化方法ならびに塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、塗装膜中の劣化材料の剥離、
表面の油汚れやさびの除去などの清浄化の目的でブラス
ト処理が行われている。ブラスト処理は、一般に圧縮空
気流や遠心力などを用いてブラスト材料(吹き付け材)
を被処理面に高速で吹き付けて、劣化材料や汚れなどの
剥離や除去を行う処理である。ブラスト材料としては、
鋳鉄、鋳鋼、スチールワイヤーなどの金属材料、ガラス
ビーズ、アルミナなどの鉱物性材料およびコーンの粉、
くるみの粉などの植物性材料などの非金属材料が用いら
れている。しかしながら、処理対象によっては、ブラス
ト材料の選択によって、その表面の摩耗が激しくなった
り、剥離作用が弱くなったりするという問題がある上、
処理中の粉塵や処理後のブラスト材料の回収など環境面
での問題もある。
【0003】特開平10−156300号公報には、圧
縮空気により剥離洗浄材(ブラスト材料)として粉状の
重炭酸ナトリウムを、各種インキ、樹脂塗料、食品など
を収容していた容器に吹き当てて、該容器の汚れを剥離
洗浄する剥離洗浄装置が記載されており、特開平10−
180634号公報には、重炭酸ナトリウムを水で湿ら
せながら圧縮空気により被加工体の表面に噴射し、該表
面を吹きつけ加工するブラスト法が記載されている。ま
た、特公平6−24730号公報には、メラミン樹脂粉
体を金型の表面に気体流と共に吹き付け、該金型の表面
から付着物質を除去する方法が記載されている。
【0004】他方、自動車などの塗装膜上に、光触媒や
撥水膜といった機能性材料をコーティングする場合、あ
るいは再コーティングする場合には、コーティング前に
塗装面を清浄化したり、再コーティング前に塗装膜中の
劣化材料を除去(剥離)する必要がある。しかしなが
ら、このような清浄化や剥離に、公知のブラスト処理を
用いた場合には、塗装面を損傷するという問題があっ
た。また、薬剤を用いた化学的な清浄化や剥離の方法も
あるが、薬剤の管理、作業性などの点で、より簡便な方
法が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、自動車な
どの塗装面のような清浄化対象物の表面を損傷(例え
ば、磨耗)させないで、表面に固着した劣化材料や汚れ
などを効率的に剥離除去し、かつ処理後の環境を悪化さ
せない噴射用清浄剤およびそれを用いた清浄化方法なら
びに塗装方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の樹
脂微粒子を含む噴射用清浄剤を清浄化対象物に噴射する
ことにより、その表面を損傷させないで、表面に固着し
た劣化材料や汚れなどが効率的に取り除かれ、清浄化で
きることを見出し、この発明を完成するに到った。
【0007】かくして、この発明によれば、粒径が20
0〜1000μmであり、かつ硬度がビッカース硬度で
50<HV<100またはロックウェル硬度で50<H
RC<100である、ポリアミドおよび/またはポリカ
ーボネートの樹脂粒子を含むことを特徴とする噴射用清
浄剤が提供される。
【0008】また、この発明によれば、上記の噴射用清
浄剤を清浄化対象物に噴射して清浄化することを特徴と
する清浄化方法が提供される。さらに、この発明によれ
ば、塗装面に対して上記の噴射用清浄剤を噴射して清浄
化した後、塗装面に塗装膜を形成することを特徴とする
塗装方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の噴射用清浄剤は、粒径
が200〜1000μmであり、かつ硬度がビッカース
硬度で50<HV<100またはロックウェル硬度で5
0<HRC<100である、ポリアミドおよび/または
ポリカーボネートの樹脂粒子を含むことを特徴とする。
【0010】この発明の噴射用清浄剤に含まれるポリア
ミド(PA)およびポリカーボネート(PC)の樹脂粒
子としては、前記の粒径および硬度の条件を満たすもの
であれば特に限定されず、通常、工業用として市販され
ているポリマー粒子を用いることができる。
【0011】この発明に用いられるポリアミドとして
は、ポリアミド3、ポリアミド4、ポリアミド4−6、
ポリアミド6、ポリアミド6T、ポリアミド6−6、ポ
リアミド6−10、ポリアミド6−12、ポリアミド
7、ポリアミド8、ポリアミド9、ポリアミド11、ポ
リアミド12、ポリアミドMXD6などが挙げられる。
【0012】この発明の噴射用清浄剤に含まれる樹脂粒
子の粒径は、200〜1000μm、好ましくは200
〜500μm、より好ましくは200〜400μmであ
る。粒径が前記の範囲内であれば、良好な清浄効果が得
られる。樹脂粒子の形状は、特に限定されないが、球状
または円柱状であるのが好ましい。
【0013】この発明の噴射用清浄剤に含まれる樹脂粒
子の硬度は、ビッカース硬度で50<HV<100(例
えば、HV=70程度)またはロックウェル硬度で50
<HRC<100(例えば、HRC=70程度)であ
る。硬度が前記の範囲内であれば、良好な清浄効果が得
られる。
【0014】この発明の噴射用清浄剤における樹脂粒子
の割合は、10〜50重量%、好ましくは20〜40重
量%、より好ましくは20〜30重量%である。樹脂粒
子の割合が前記の範囲内であれば、良好な清浄効果が得
られる。
【0015】この発明の噴射用清浄剤は、清浄化対象物
に噴射する際に、樹脂粒子が水に分散された形態であれ
ばよく、この発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応
じて、酸、アルカリ、酸化剤、界面活性剤、キレート剤
および有機溶剤などの添加物を含んでいてもよい。酸と
しては、塩酸のような強酸の希釈溶液、および酢酸、リ
ンゴ酸、ホスホン酸、リン酸などが挙げられ、アルカリ
としては、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢
酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0016】酸化剤としては、過酸化水素、過炭酸ナト
リウムおよび過炭酸カリウム、ならびに過酸化水素と鉄
塩からなるフェントン試薬などが挙げられる。界面活性
剤としては、RCOONa(例えば、ラウリン酸ナトリ
ウム)、RSO3Na(例えば、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム)、RNH3X(例えば、ラウリルア
ンモニウムクロライド)、(C55N)RX(例えば、
セチルピリジウムクロライド)[式中、Rは親油性の基
であり、Xはハロゲン原子である]などが挙げられ、キ
レート剤としては、EDTAなどが挙げられる。有機溶
剤としては、メタノール、エタノール、アセトンなどが
挙げられる。
【0017】この発明の清浄化方法は、上記の樹脂粒子
を含む噴射用清浄剤を清浄化対象物に噴射することによ
り行われる。その噴射条件は樹脂粒子の種類および性状
ならびに清浄化対象物の状態などにより適宜調節するこ
とができる。すなわち、この発明の清浄化効果は、樹脂
粒子が清浄化対象物に衝撃を与えることにより得られる
ものであり、特に樹脂粒子の粒径、噴射用清浄剤の噴射
口と清浄化対象物との間の距離および噴射用清浄剤の噴
射圧力は、主要なパラメーターである。
【0018】具体的には、噴射用清浄剤は、好ましくは
清浄化対象物から10〜60cm、より好ましくは20
〜40cmの距離から、好ましくは0.4〜0.8MP
a(約4〜8kgf/cm2)、より好ましくは0.5
〜0.6MPa(約5〜6kgf/cm2)の圧力で噴
射される。清浄化対象物との距離が60cmを超える場
合、または圧力が0.4MPa未満の場合には、清浄化
効果が充分に達せられないことがあるので好ましくな
い。一方、清浄化対象物との距離が10cmより近い場
合、または圧力が0.8Paを超える場合には、清浄化
対象物の表面を損傷する恐れがあるので好ましくない。
【0019】この発明の清浄化方法に用いる装置として
は、上記の条件で噴射用清浄剤を噴射し得るものであれ
ば、特に限定されない。例えば、ハンディウェットブラ
スター(商品名、旭硝子株式会社製)などが好適に用い
られる。また、噴射用清浄剤の噴射口としては、例えば
口径8mmのノズルが挙げられる。
【0020】この発明における清浄化対象物としては、
その表面に劣化材料、油汚れやさびなどを有するもので
あれば特に限定されない。この発明の清浄化方法は、そ
の表面に劣化材料および/または汚れが固着あるいは付
着した塗装膜のような清浄化対象物の清浄化に好適に用
いることができる。劣化材料としては、例えば、光触媒
効果が経年劣化した酸化チタンが挙げられる。
【0021】この発明の清浄化方法は、清浄化対象物を
アルカリ性水溶液で前処理することにより、清浄化効果
を高めることができ、また上記の方法のみでは清浄化効
果が充分に得られ難い清浄化対象物についても効率よく
清浄化できる。アルカリ性水溶液としては、例えば、1
〜10%程度の水酸化ナトリウム水溶液が挙げられる。
アルカリ性水溶液を用いた前処理方法としては、特に限
定されず、浸漬、塗布などの公知の方法が挙げられる。
【0022】この発明の清浄化方法では、噴射した噴射
用清浄剤から樹脂粒子を分離回収し、再利用することが
できる。樹脂粒子の分離回収には、公知の方法を用いる
ことができ、中でも濾過による方法は、樹脂粒子を効率
よく分離回収できるので好ましい。
【0023】この発明の塗装方法は、塗装面に対して上
記の噴射用清浄剤を噴射して清浄化した後、塗装面に塗
装膜を形成することを特徴とする。具体的には、自動車
などの塗装膜上に、光触媒や撥水膜といった機能性材料
(例えば、酸化チタン)をコーティングする場合、ある
いは再コーティングする場合に、コーティング前に塗装
面に対して上記の噴射用清浄剤を噴射して塗装面を清浄
化したり、再コーティング前に塗装膜中の劣化材料を除
去(剥離)し、次いで、公知の方法で塗装面に塗装膜を
形成する。
【0024】
【実施例】この発明を試験例により具体的に説明する
が、この発明はこれらの試験例により限定されるもので
はない。
【0025】試験例1 (テストピースAの作成)試験には、自動車の塗装面を
再現したテストピース、すなわち鉄板上(50×50×
t1mm3)にポリウレタン樹脂を表面塗装したテストピ
ース(株式会社ニューメディアマシン製、商品名:電着
板テストパネル)を用いた。
【0026】このテストピースに、重量比1:2:5:
5:5のカーボンブラック、界面活性剤、シリカゾル、
アクリルシリコン系ポリマー、キシレンからなるコーテ
ィング成分を塗布し、180℃で10分間加熱処理する
ことにより、清浄化効果確認試験用のテストピースAを
得た。
【0027】(清浄化効果確認試験)次に示す清浄化成
分およびハンディウェットブラスター(商品名、旭硝子
株式会社製、噴射口のノズルの口径:8mm)を用い
て、テストピースAの清浄化効果の確認試験を行った。 (1)ポリアミド粒子:ナイロンショット(商品名)、
0.4mm (2)ポリカーボネート粒子:ポリカーボショット(商
品名)、0.5mm (3)ユリア樹脂粒子:ユリア系プラスチックショット
#60(商品名) (4)アクリル樹脂粒子:アクリル系プラスチックショ
ット#80(商品名) (5)メラミン樹脂粒子:メラミン系プラスチックショ
ット#80(商品名) (6)ガラスビーズ:ガラスビーズ#60(商品名) (7)クルミ:クルミ#60(商品名) (8)ピーチ:ピーチ#60(商品名) (9)炭酸水素ナトリウム:MMLG社製、ソーダクリ
ン、0.2mm (10)コーン:コーン#60(商品名) (11)もみがら1:粉砕品 (12)もみがら2:粉砕品 (13)廃タイヤ(NBR):粉砕品 (14)疎水性シリカ:旭化成ワッカーシリコン株式会
社製、VK60051 上記の(1)〜(8)および(10)は株式会社ニッチ
ューより購入した。なお、清浄化成分の硬度および粒径
を表1に示す。
【0028】上記の清浄化成分を20〜30重量%含む
噴射用清浄剤を、次の条件でテストピースAに噴射し
た。 噴射口のノズルとテストピースAとの距離:20cm 噴射圧力:0.4MPa(約4kgf/cm2)、 噴射時間:5秒間
【0029】テストピースAの表面汚れ(コーティング
成分)の残留面積を目視観察し、次のようにして清浄化
率(%)を求めた。すなわち、噴射用清浄剤を噴射した
テストピースAの表面に1mm方眼の透明フィルム(5
0mm×50mm)を当て、清浄化された白色部分と清
浄化されなかった黒色部分とをカウントし、その白色部
分の割合を清浄化率(%)として求めた。清浄化率
(%)が90%以上のものを「○」、10%以上90%
未満のものを「△」、10%未満のものを「×」として
清浄化効果を評価した。得られた結果を表1に示す。
【0030】表1の清浄化成分の硬度は、次の基準によ
り得られた数値である。 HV(ビッカーズ硬度):押し込み硬さの一種で、ダイ
ヤモンド正四角錐圧子を物質に押し込み、くぼみの表面
積当たりの平均圧力で表示する。 HRC(ロックウェルC硬度):押し込み硬さの一種
で、ダイヤモンド円錐圧子または鋼球圧子を物質に大小
2種の加重で押し込み、くぼみ深さの差をもとにして硬
度を表示する。 M(モース硬度):段階的に硬度の異なる10種の鉱物
で測定対象物質の表面をひっかき、傷がつけばその鉱物
より硬度が低いとする。 新M(新モース硬度):モース硬度6以上では硬度区分
が不充分であるために15段階で測定対象物質の硬度を
評価する。
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果から、一部を除いた大部分の清
浄化成分において、良好な清浄化効果が得られることが
わかる。
【0033】試験例2 (塗装面の傷つき度合い確認試験)コーティング成分お
よび汚れが付着していないテストピースを用いる以外
は、試験例1と同様の条件で噴射用清浄剤をテストピー
スに噴射して、塗装面の傷つき度合いの確認試験を行っ
た。但し、試験例1において良好な清浄化効果が得られ
なかった比較例9〜12の清浄化成分については試験を
行わなかった。
【0034】表面形状測定顕微鏡(Keyence社
製、VF−7500)を用いて、噴射用清浄剤を噴射し
たテストピースの表面粗さの平均値(傷の深さ、μm)
を測定し、これを表面の傷つき度合いとした。また、外
観を目視観察し、次の条件で評価した。 ○:表面に傷がほとんど観察されず、荒れが極めて少な
い △:表面に傷が観察され、わずかに荒れている ×:表面に傷が観察され、荒れている 得られた結果を、表1に示す。
【0035】表1の結果から、試験例1において清浄化
効果が良好であったものの中で、塗装表面に傷がほとん
ど観察されず、荒れが極めて少ないものは、清浄化成分
がポリアミドとポリカーボネートの場合のみ(表1中、
総合評価○)であることがわかる。
【0036】試験例3 (清浄化効果・塗装面の傷つき度合い確認試験)清浄化
成分としてポリアミドを含む噴射用清浄剤を用い、噴射
口のノズルとテストピースAとの距離を変化させる以外
は、試験例1と同様の条件で噴射用清浄剤をテストピー
スAに噴射して、塗装面の清浄化効果と傷つき度合いの
確認試験を行った。噴射用清浄剤を噴射したテストピー
スについて、試験例1と同様にして清浄化率(%)を求
め、試験例2と同様にして表面粗さの平均値(μm)を
測定した。得られた結果を図1に示す。
【0037】図1の結果から、噴射口のノズルとテスト
ピースAとの距離が10〜60cm、特に20〜40c
mにおいて塗装表面に傷がなく、清浄化効果の高いこと
がわかる。
【0038】試験例4 (清浄化効果・塗装面の傷つき度合い確認試験)清浄化
成分としてポリアミドを含む噴射用清浄剤を用い、噴射
圧力を変化させる以外は、試験例1と同様の条件で噴射
用清浄剤をテストピースAに噴射して、塗装面の清浄化
効果と傷つき度合いの確認試験を行い、試験例3と同様
にして評価した。得られた結果を図2に示す。
【0039】図2の結果から、噴射用清浄剤の噴射圧力
が0.4〜0.8MPaにおいて塗装表面に傷がなく、
清浄化効果の高いことがわかる。
【0040】試験例5 (テストピースBの作成)試験例1で用いたものと同様
のテストピースを、ホットプレート上で180℃に加熱
しながら、紫外線(355nm、10mW)を1時間照
射した重油を滴下して、重油を表面に付着させ、清浄化
効果確認試験用のテストピースBを得た。
【0041】(清浄化効果・塗装面の傷つき度合い確認
試験)清浄化成分としてポリアミドを含む噴射用清浄剤
を用い、試験例1と同様の条件で噴射用清浄剤をテスト
ピースBに噴射して、塗装面の清浄化効果の確認試験を
行った。目視観察により、テストピースBの表面から重
油の汚れが剥離していることがわかった。また、塗装面
に目立った傷は観察されなかった。
【0042】試験例6 (テストピースCの作成)試験例1で用いたものと同様
のテストピースの表面に、酸化チタン(TiO2)およ
びシリケート系バインダーからなる溶液を付着(コーテ
ィング)させた。次いで、テストピースに紫外線(U
V、355nm、10mW)を2時間照射して、テスト
ピース表面の水の接触角を低下させて、清浄化効果確認
試験用のテストピースCを得た。
【0043】(前処理)テストピースCを表2に示す濃
度の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に1時間浸漬
することにより、前処理を行った。
【0044】(清浄化効果確認試験)前処理後、清浄化
成分としてポリアミドを含む噴射用清浄剤を用い、試験
例1と同様の条件で噴射用清浄剤をテストピースCに噴
射して、塗装面の清浄化効果の確認試験を行った。
【0045】UV照射後、前処理後および清浄化処理後
に、接触角計(協和界面科学株式会社製、CA−X型)
を用いて、テストピースCの表面における水の接触角
(°)を測定し、清浄化効果を評価した。なお、水の接
触角が大きいものほど、酸化チタンの剥離が良好である
こと、すなわち清浄化効果が高いことを示す。比較とし
て、水酸化ナトリウム水溶液で前処理していないテスト
ピースおよびブランクとして、酸化チタンでコーティン
グしていないテストピースについても同様に試験した。
得られた結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2の結果から、水酸化ナトリウム水溶液
で前処理したものは、清浄化処理によって水の接触角が
大きくなり、ブランクとほぼ同等の接触角を有すること
がわかる。また、水酸化ナトリウム水溶液で前処理した
ものは、前処理していないものよりも、水の接触角が大
きい。これらのことから、水酸化ナトリウム水溶液によ
る前処理は清浄化効果を向上させることがわかる。
【0048】
【発明の効果】この発明によれば、自動車などの塗装面
のような清浄化対象物の表面を損傷(例えば、磨耗)さ
せないで、表面に固着した劣化材料や汚れなどを効率的
に剥離除去し、かつ処理後の環境を悪化させない噴射用
清浄剤およびそれを用いた清浄化方法ならびに塗装方法
を提供することができる。また、この発明によれば、清
浄化対象物をアルカリ性水溶液で前処理することによっ
て、より優れた清浄化効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】噴射用清浄剤の噴射口と清浄化対象物との距離
と、清浄化効果(清浄化率)・塗装面の傷つき度合い
(表面粗さの平均値)との関係を示すグラフである。
【図2】噴射用清浄剤の噴射圧力と、清浄化効果(清浄
化率)・塗装面の傷つき度合い(表面粗さの平均値)と
の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B24C 1/00 B24C 1/00 Z 11/00 11/00 B (72)発明者 渡部 俊也 神奈川県藤沢市鵠沼海岸6丁目15番7号 (72)発明者 橋本 和仁 神奈川県横浜市栄区飯島町2073番地2 ニ ューシティ本郷台D棟213 (72)発明者 磯和 俊男 東京都中央区日本橋本石町3丁目3番8号 株式会社エコグローバル研究所内 (72)発明者 西江 健二 大阪府大阪市東淀川区東淡路2丁目10番15 号 株式会社片山化学工業研究所内 Fターム(参考) 3B116 AA31 AA47 BA06 BB88 3B201 AA31 AA47 BA06 BB88 4D075 BB04Y BB20Y BB65X BB77X BB91Y BB93Y CA47 DA06 DA27 DB02 DC11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径が200〜1000μmであり、か
    つ硬度がビッカース硬度で50<HV<100またはロ
    ックウェル硬度で50<HRC<100である、ポリア
    ミドおよび/またはポリカーボネートの樹脂粒子を含む
    ことを特徴とする噴射用清浄剤。
  2. 【請求項2】 噴射用清浄剤に含まれる樹脂粒子の割合
    が、20〜30重量%である請求項1に記載の噴射用清
    浄剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の噴射用清浄剤
    を清浄化対象物に噴射して清浄化することを特徴とする
    清浄化方法。
  4. 【請求項4】 噴射用清浄剤が、清浄化対象物から10
    〜60cmの距離から、0.4〜0.8MPaの圧力で
    噴射される請求項3に記載の清浄化方法。
  5. 【請求項5】 清浄化対象物が、その表面に劣化材料お
    よび/または汚れが固着あるいは付着した塗装膜である
    請求項3または4に記載の清浄化方法。
  6. 【請求項6】 劣化材料が、光触媒効果が経年劣化した
    酸化チタンである請求項5に記載の清浄化方法。
  7. 【請求項7】 清浄化対象物をアルカリ性水溶液で前処
    理する請求項3〜6のいずれか1つに記載の清浄化方
    法。
  8. 【請求項8】 噴射した噴射用清浄剤から樹脂粒子を分
    離回収し、再利用する請求項3〜7のいずれか1つに記
    載の清浄化方法。
  9. 【請求項9】 塗装面に対して請求項1または2に記載
    の噴射用清浄剤を噴射して清浄化した後、塗装面に塗装
    膜を形成することを特徴とする塗装方法。
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