JP2003144358A - 電気掃除機 - Google Patents

電気掃除機

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JP2003144358A
JP2003144358A JP2001345567A JP2001345567A JP2003144358A JP 2003144358 A JP2003144358 A JP 2003144358A JP 2001345567 A JP2001345567 A JP 2001345567A JP 2001345567 A JP2001345567 A JP 2001345567A JP 2003144358 A JP2003144358 A JP 2003144358A
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suction port
belt
vacuum cleaner
fork
agitator
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JP2001345567A
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Akira Nishinaka
旭 西中
Hiroshi Yoshimura
宏 吉村
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸込口にアジテーターを備えた電気掃除機に
おいて、アジテーターを駆動するベルトの掛け替えが安
定して行われるようにする。 【解決手段】 吸込口体70に設けた第1の吸込口81
にアジテーター110を配置する。アジテーター110
と一体回転する駆動プーリー112と、アジテーター1
10と独立して回転可能なアイドラー114との間でベ
ルト113を掛け替えてアジテーター110の駆動/停
止を選択する。ベルト113の掛け替えを行うフォーク
150は軸支部152を中心にベルト113の延長方向
と平行な軸線まわりに回動を行う。フォーク150は本
体151が金属製、軸支部152は合成樹脂製である。
ベルト113に接触する本体151の先端の平行壁部1
51aは軸支部152から所定距離以上隔たっている。
ストッパー手段153がフォーク150の回動限界を定
める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気掃除機の吸込口
部の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】電気掃除機では、電動送風機の運転によ
って発生する気流とともに塵埃を吸込口から吸い込み、
吸い込んだ気流を集塵装置に導入して塵埃を捕集する。
カーペットを使用している家庭のため、カーペットから
塵埃をかき出すアジテーターを吸込口に設けた電気掃除
機も多くなっている。アジテーターを備えた電気掃除機
の例を特開昭61−191329号公報や特開平8−1
64095号公報に見ることができる。アジテーターの
駆動/停止を切り替える装置の例は特開平6−1541
34号公報に見ることができる。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】電気掃除機の吸込口に設けたアジテーター
は通常、特開平6−154134号公報に見られるよう
にベルトで駆動される。そしてベルトの掛け替えにより
駆動/停止が切り替えられる。駆動/停止を切り替える
に際し、従来の切替装置では切替つまみの移動量の誤差
や寸法誤差等により、切替レバーの移動範囲が設定と異
なってくる場合がある。またベルトの移動量が小さく、
ベルトの掛け替えが確実に行われない場合がある。この
ような場合、切替レバーにベルトが接触したままベルト
が駆動されることが多くなり、ベルトが発熱したり摩耗
したりし、異常音やベルト切れが発生しやすい。
【0004】また特開平6−154134号公報に記載
された切替装置のように切替レバーをスイングさせるも
のでは、振れ角が大きくなるとレバー角度とベルトの延
びる方向とが合わなくなり、どうしてもレバーの角がベ
ルトに当たることになり、上記の問題が顕著に発生しや
すい。
【0005】そこで本発明は、吸込口にアジテーターを
備えた電気掃除機において、アジテーターを駆動するベ
ルトの掛け替えが安定して行われるようにすることを目
的とする。またベルトの発熱や摩耗を最小限に抑えられ
るようにすることを目的とする。併せて、アップライト
タイプの電気掃除機において、電気掃除機を保管時の姿
勢にしたときにはアジテーターの駆動が必ず停止するよ
うにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、電動送風機の運転によって発生する気
流とともに塵埃を吸込口体の吸込口から吸い込み、吸い
込んだ気流を集塵装置に導入して塵埃を捕集する電気掃
除機において、前記吸込口にベルト駆動により回転する
アジテーターを設け、前記ベルト駆動は駆動プーリーと
アイドラーとの間でベルトを掛け替えることにより前記
アジテーターの駆動/停止を切り替えるものとするとと
もに、前記ベルトの掛け替えを行うフォークは軸支部を
中心にベルトの延長方向と平行な軸線まわりに回動して
掛け替えを行うものとした。
【0007】上記構成によれば、フォークの先端が安定
した軌跡を描き、ベルトに所定の移動量が与えられる。
【0008】また本発明では、前記フォークは本体を金
属製とし、前記軸支部は合成樹脂製とした。この構成に
よれば、フォークが摩耗しにくく、また回転に伴い軸支
部が騒音を発することも少ない。
【0009】また本発明では、前記フォークの前記ベル
トに接触する箇所は前記軸支部から所定距離以上隔たっ
ていることとした。この構成によれば、フォークとベル
トとの摩擦により生じる熱は軸支部に至る前に放熱され
る。
【0010】また本発明では、前記フォークの回動限界
を定めるストッパー手段を設けた。この構成によれば、
ベルトが所定の位置にきちんと位置決めされる。
【0011】また本発明では、前記フォークには前記吸
込口体の外に突出する操作部が設けられていることとし
た。これにより、ベルトの掛け替えが確実に遂行され
る。
【0012】また本発明では、前記フォークの軸支部と
同軸に回動操作体を設け、この回動操作体と前記軸支部
との間に係合手段を設けるとともに、前記軸支部には前
記回動操作体との係合が維持されるように付勢力を作用
させ、前記付勢力より前記ベルトの掛け替えに必要な動
力を得るようにした。この構成によれば、ベルトが無理
なく掛け替えられる。
【0013】また本発明では、前記吸込口体に掃除機本
体を回動可能に連結し、この掃除機本体が保管時の姿勢
をとったときは前記フォークが強制回動せしめられ、前
記ベルトが前記アイドラーに掛かった状態とされること
とした。この構成によれば、掃除機本体が保管時の姿勢
(スタンバイ態勢)をとっている間にアイドラーが回転
して床を傷めることがない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態であ
る電気掃除機1の構造を図1〜図9に基づき説明する。
なお電気掃除機1の構造を説明するにあたり、電気掃除
機1を前に置き、その後に使用者が立って電気掃除機1
を操作するという形で使用者が立つ側が電気掃除機1の
後方側、その反対側を電気掃除機1の前方側(正面側)
と定義する。左右に関しては、電気掃除機1を前方(正
面)から見たとき、観察者の左手側を電気掃除機1の左
側、その反対側を電気掃除機1の右側と定義する。
【0015】電気掃除機1はアップライトタイプで、大
きく二つの部分に分かれる。その一つは掃除機本体10
であり、他の一つは吸込口体70である。吸込口体70
を形づくるシェル(例えば合成樹脂成型品からなる)は
次のような構造を有する。まず中央に平箱状の中央シェ
ル71があり、その左右に側部シェル72、73の部分
が設けられる。側部シェル72、73の後部は中央シェ
ル71よりも後方に突き出し、後方突出部74、75を
形成している。吸込口体70は全体としてコの字形の平
面形状を有し、後方突出部74、75の間に掃除機本体
10を受け入れる。
【0016】掃除機本体10は二つのシェル部分から形
づくられている。その一つは円筒形の送風機シェル1
1、他の一つは送風機シェル11から突出する集塵装置
保持部12である。送風機シェル11の内部には電動送
風機13が配置される(図2参照)。電動送風機13の
軸線は送風機シェル11の軸線と略平行で、共に略水平
状態にある。
【0017】送風機シェル11は軸線を略水平状態にし
て吸込口体70の後方突出部74、75の間に配置さ
れ、その軸線上に配置した支軸を後方突出部74、75
に嵌合させている。後方突出部74の側では送風機シェ
ル11の端面から突出する支軸14が後方突出部74に
設けた軸受部76に軸支される。後方突出部75の側で
は電動送風機13のモータ軸の延長である駆動軸15が
後方突出部75の中に入り込む。この駆動軸15を包む
筒状の支軸(図示省略)を送風機シェル11の端面から
突出させ、この筒状の支軸を後方突出部75に設けた軸
受部77に軸支させる。これら左右の支軸により送風機
シェル11は水平軸線まわりに回動できるよう吸込口体
70に連結される。
【0018】集塵装置保持部12は中空で、全体として
細長い、すなわち長手方向を有する形状となっており、
その長手方向は送風機シェル11の軸線と略直角状態に
ある。集塵装置保持部12の突出位置は送風機シェル1
1の中央ではなく、左右いずれかに偏っている。第1実
施形態では送風機シェル11の左側から集塵装置保持部
12が突出する。
【0019】集塵装置保持部12の一側には後述する集
塵装置の底部及び頂部を支える台座部16及びオーバー
ハング部17を設ける。台座部16は送風機シェル11
より立ち上がる形で設けられており、オーバーハング部
17は集塵装置保持部12の側面に形成されている。台
座部16とオーバーハング部17は送風機シェル11の
上方空間に位置を占める。すなわち集塵装置保持部12
の右側に位置する。台座部16とオーバーハング部17
の間には後述する集塵装置の左半分を後から支える後部
支持壁18が設けられる(図3参照)。後部支持壁18
は集塵装置保持部12の側面に形成される。
【0020】20は集塵装置である。集塵装置20は細
長い円筒形のダストカップ21の中で気流を高速旋回さ
せてサイクロン方式で塵埃を捕集するものである。図2
に見られるようにダストカップ21の内部は水平隔壁2
2により上下2室に区画される。下方の区画は遠心分離
室23、上方の区画は排気室24である。
【0021】遠心分離室23の一側には流入口25が設
けられる。流入口25は遠心分離室23の内周壁に沿っ
て旋回気流を生じさせるような位置と角度に設定され
る。
【0022】遠心分離室23の中心には排気筒26が配
置される。排気筒26は下面が閉じ、上面が開口となっ
た円筒形の籠状部材であって、水平隔壁22の中心に形
設した通気口27に上面開口部を接合し、水平隔壁22
から垂下する形で支持される。排気筒26の外周面には
ナイロン等の合成繊維で織った細かいメッシュのフィル
ター28が貼着される。
【0023】排気筒26の下端にはスタビライザー29
が装着される。スタビライザー29は4枚の翼片を放射
状に組み合わせ、水平断面を十字形としたものであり、
その先端はダストカップ21の底面近くまで届く。スタ
ビライザー29は気流からの塵埃の分離を促進し、また
ダストカップ21の底に溜まった塵埃の動きを抑制する
働きをする。
【0024】ダストカップ21の中の塵埃を捨てたり、
フィルター28の掃除を行ったりするため、集塵装置2
0には適宜の手法でアクセス開口を設ける。アクセス開
口は例えば、ダストカップ21の上部を開口として蓋で
覆い、蓋を開けばそこから水平隔壁22もろとも排気筒
26とスタビライザー29を引き抜けるようにするとい
った構造で実現できる。あるいは排気室24の部分を集
塵装置20の本体、遠心分離室23の部分を本体に対し
着脱可能なダストカップと、集塵装置20を上下分割構
成とすることによっても実現できる。
【0025】排気室24には流出口30が形設される。
図3に見られるように、流入口25と流出口30は集塵
装置20の集塵装置保持部12に対面する側の側面に設
けられる。流入口25と流出口30は同じ方向、すなわ
ち略左方を向く。
【0026】集塵装置20の流入口25に対しては第1
の通気路31が設けられ、流出口30に対しては第2の
通気路32が設けられる。第1の通気路31は吸込口体
70の吸込口(詳細は後述する)に連通するものであ
り、吸込口から吸い込んだ気流を流入口25に導く。第
2の通気路32は電動送風機13の吸入口に連通するも
のであり、流出口30から出た気流を電動送風機13に
導く。
【0027】第1の通気路31の主たる部分はフレキシ
ブルホース33によって構成される。フレキシブルホー
ス33の一端は集塵装置保持部12に水平に設けた接続
管34(図3参照)の一端に固定される。接続管34の
他端が第1の通気路31の出口35となり、ここに集塵
装置20の流入口25が接続する。流入口25接続時の
気密を保つため、出口35にはシールリング36が装着
されている。フレキシブルホース33の他端は吸込口体
70の側部シェル72の上面に突出した接続管78に着
脱自在に嵌合する。接続管78は吸込口に連通してい
る。
【0028】なお第1の通気路31の主たる部分をフレ
キシブルホース以外の管状体によって構成することもで
きる。例えば複数本の硬質パイプを伸縮自在に接続した
もので置き換えることもできる。要は掃除機本体10を
直立させたときと倒したときとの接続管34と接続管7
8の間の距離変動を吸収でき、且つ内部の圧力が大気圧
より低下してもつぶれることのない管状体であればよ
い。
【0029】第2の通気路32は集塵装置保持部12の
中空部自体によって構成される。この中空部の上部は隔
壁12a(図2参照)によって区切られ、従って第2の
通気路32はオーバーハング部17の方には連通しな
い。集塵装置保持部12の側面には、集塵装置20の流
出口30に対応する位置に、第2の通気路32の入口3
7が形設される。流出口30接続時の気密を保つため、
入口37にはシールリング38が装着されている。
【0030】図2に見られるように、第2の通気路32
の下端は送風機シェル11の底まで届く。この第2の通
気路32の下端の側壁に出口39が設けられる。出口3
9には電動送風機13の吸入口13aが気密保持兼用の
防振クッション40を介して直接接続されている。
【0031】集塵装置20は、その長手方向を集塵装置
保持部12の長手方向と一致させる形で集塵装置保持部
12に押しつける動作を通じ、集塵装置保持部12への
取付が遂行される。より具体的に言えば台座部16及び
オーバーハング部17と後部支持壁18とによって囲ま
れた空間に集塵装置20を挿入する動作を通じて取付が
なされるものである。
【0032】集塵装置20の上端にはスライド式のラッ
チ43が装着される。ラッチ43は図示しないバネによ
り常時上方に押し上げられており、集塵装置20の挿入
の最終段階でオーバーハング部17の縁に係合する。こ
のようになると、前記図示しないバネに抗してラッチ4
3を押し下げ、オーバーハング部17から離脱させない
かぎり、集塵装置20を集塵装置保持部12から取り外
すことはできない。
【0033】台座部16の内部は電動送風機13が排気
を行う排気空間50に連通する。また台座部16の中に
はフィルター51が挿入されている。フィルター51は
集塵装置20のフィルター28を通り抜けた細かい塵埃
を捕集するため、例えば、フィルター28よりもさらに
濾過性能の高い、HEPA(high-efficiencyparticula
te air)フィルター等を使用してもよい。
【0034】フィルター51で塵埃を捕捉された気流は
台座部16の正面に形設された排気口54から室内に戻
る。排気口54は水平なスリットを複数個、上下方向に
並べて配置した形のものである。
【0035】オーバーハング部17の内部には制御部6
0が配置される(図2参照)。制御部60と電動送風機
13とはリード線を介して接続される。制御部60は電
気掃除機1全体の動作を司るものである。オーバーハン
グ部17の上面前部は各種スイッチボタンの並んだ操作
パネル部61となる。オーバーハング部17に操作パネ
ル部61を設けたので、操作がしやすい。
【0036】集塵装置保持部12の先端には別成型のハ
ンドル62が固定される。送風機シェル11の下面後部
からは斜め下に向かってブラケット63が突き出し、こ
れに車輪64が取り付けられる(図4参照)。車輪64
は送風機シェル11の左右両端に1個ずつ設けられるも
のである。車輪64の前方には支持脚65が、これも左
右1個ずつ形設される。集塵装置保持部12を垂直に立
てれば、掃除機本体10は車輪64と支持脚65により
床の上に4点支持される。
【0037】次に吸込口体70の構造を説明する。前述
の通り、吸込口体70は平箱状の中央シェル71の左右
に側部シェル72、73の部分を設け、側部シェル7
2、73の後部を後方突出部74、75としたものであ
る。中央シェル71と側部シェル72、73は例えば合
成樹脂により一体成型される。
【0038】中央シェル71と側部シェル72、73の
下面は開口となっており、底板80がこの開口を閉ざ
す。底板80の前方部分には複数の吸込口が形設され
る。底板80の後方部分は後の方ほど高くなる斜面とな
っている。
【0039】第1実施形態では底板80の前方部分に2
個の吸込口が前後に並ぶ形で設けられる。第1の吸込口
81は左右に細長く、後述するベルト駆動部を除く吸込
口体70の幅にほぼ等しい幅を有する。第2の吸込口8
2は第1の吸込口81に平行する形で、第1の吸込口8
1の前方に位置して形設される。第2の吸込口82の開
口面積は第1の吸込口81の開口面積よりずっと小さ
い。
【0040】第1の吸込口81及び第2の吸込口82に
対し、それぞれ独立した吸込通路が設けられる。第1の
吸込口81に対する吸込通路83は中央シェル71側の
下面に形成されている(図4参照)。吸込通路83は漏
斗のような形状を呈し、正面から見て左側に偏った位置
に流出口84が設けられている。
【0041】第2の吸込口82に対する吸込通路85は
吸込通路83の上に重なるように配置される。吸込通路
85は中央シェル71の上面側と、それに対し間隔を置
いて着脱可能に取り付けられた蓋86との間に形成され
る。蓋86は前端を中央シェル71に引っ掛け、後端を
ネジ又はラッチ86aで中央シェル71に連結して取付
状態を保つ。蓋86は透明又は半透明の材料で成型さ
れ、吸込通路85の中の様子を外からのぞくことができ
るようになっている。吸込通路85の流出口87は吸込
通路85の後部中央付近に設けられる。
【0042】側部シェル72の後方突出部74の内部に
は吸込口切替装置90を配置する。吸込口切替装置90
はその弁箱91の前面に上下2連の流入口92、93を
有する。下の流入口92は吸込通路83の流出口84に
接続される。図4に見られるように流出口84を流入口
92に直接連結することにより、気流の通路構造が簡単
になり、流通効率が向上する。上の流入口93は図示し
ないホースを介して吸込通路85の流出口87に接続さ
れる。
【0043】弁箱91の上面には流入口92、93に共
通する流出口が設けられるが、第1実施形態の場合、そ
の流出口そのものが第1の通気路31の始まりとなる接
続管78となっている。
【0044】弁箱91の中には垂直面内で回動する切替
弁95が配置される。切替弁95は弁軸96に取り付け
られ、弁軸96の回動に伴って回動する。回動により切
替弁95は流入口92、93の一方を選択的に閉ざし、
他方を開く。吸込口切替装置90の詳細な構造は後で説
明する。切替弁95の両面には流入口92、93を閉ざ
したときの気密性を良くするために軟質ゴム等により成
型したシール部材(図示せず)が装着されている。
【0045】吸込口体70の底面には第1及び第2の接
地支持部が設けられる。第1の接地支持部101は第2
の吸込口82の近傍、この場合には第2の吸込口82の
両端に位置するように設けられた車輪により構成され
る。
【0046】第2の接地支持部102は底板80に形設
された左右一対の突起により構成される。第2の接地支
持部102は第1の吸込口81の後方に設けられる。こ
の箇所は底板80の後方部分の傾斜が始まるあたりでも
ある。集塵装置保持部12を直立させたときは図4に示
すように第2の接地支持部102が吸込口体70の支え
となり、第1の接地支持部101は床から浮き上がる。
【0047】吸込口体70の前端からはガイド部103
が突出する。ガイド部103は第2の吸込口82の前方
に位置し、ほぼ吸込口体70の全幅に等しい幅を有す
る。ガイド部103の下面は第2の吸込口82に向かっ
て次第に低くなる斜面104となる(図5参照)。斜面
104の前端は先端は第2の吸込口82の入口より3m
m程度高くなっている。
【0048】第1の吸込口81にはアジテーター110
が設けられる。アジテーター110としては円筒形の回
転体の周囲に所定のスキュー角をもって複数条の剛毛の
列を植え込んだものを使用するのが一般的であるが、剛
毛の列に代え、ゴムや軟質合成樹脂の薄片を装着したも
のを使用してもよい。アジテーター110は軸線が第1
の吸込口81の横幅方向と同様の方向となり、外周部の
一部を第1の吸込口81から外に突出させる形で吸込口
体70の内部に軸支される。
【0049】アジテーター110の回転動力源となるの
は電動送風機13の駆動軸15であり、ここから次のよ
うな動力伝達機構を経由してアジテーター110に動力
が伝達される。図2に見られるように駆動軸15には原
動プーリー111が固定され、この原動プーリー111
と、アジテーター110の軸にアジテーター110と一
体回転するよう固定した駆動プーリー(後述)とにベル
ト113が巻き掛けられる。原動プーリー111及びベ
ルト113は側部シェル73の内部に位置する。なお、
駆動軸15に別体の原動プーリー111を固定するとい
うことをしないで、ベルト113を駆動軸15に直接巻
き掛けてもよい。
【0050】電動送風機13の運転中にアジテーター1
10の回転を止めることができるよう、アジテーターと
独立して回転可能なアイドラーを駆動プーリーと並べて
配置する。ベルト113がアイドラーに掛かった状態で
はアイドラーが空転するのみで、アジテーター110に
は動力が伝わらない。ベルト113の掛け替えを行うた
めのベルト掛替装置120が側部シェル73の内部に設
けられるが、その構造は後で詳しく説明する。
【0051】次に図6及び図7に基づき吸込口切替装置
90の詳細構造を説明する。吸込口切替装置90の弁箱
91は左側面が開口しており、この開口を蓋131が閉
ざす。蓋131は弁箱91にネジ止め固定される。気密
を保つため、弁箱91の開口部の口縁にはシール部材9
1aが貼着されている。
【0052】弁軸96には切替弁95とレバー132と
が一体に成形される。成形手法としては弁軸96、切替
弁95、及びレバー132の三者を合成樹脂や金属の射
出成型等により一体成型してもよく、あるいは別々に成
型したものを組み立てて固定してもよい。
【0053】弁軸96の右端は小径部96aとなってい
て、この部分は弁箱91に設けた軸穴(図示せず)から
弁箱91の右側面に突出する。小径部96aの左側の部
分は弁箱91の内面に形設した断面半円形の凹部91b
と蓋131に形設した半円形の切り欠き131aとに挟
まれる形で軸支される。つまり凹部91bと切り欠き1
31aが合わさって1個の軸受部が構成されることにな
る。なお凹部91bは流入口92、93の間にあり、弁
箱91の内部では気流の上流側に位置する。このように
気流の上流側に配置するのは弁軸96に塵埃がからみつ
いて切替弁95の動きに影響を与えたりしないようにす
るためである。
【0054】弁軸96が切り欠き131aから出たとこ
ろにレバー132が一体に成形される。レバー132は
吸込口切替装置90とベルト掛替装置120とを連動さ
せる連動手段の一構成要素となる。このように切替弁9
5に加えてレバー132まで一体に成形するため、弁軸
96にはエンジニアリングプラスチックグレードの合成
樹脂あるいは金属といった所定の強度を備えた材料が使
用される。
【0055】レバー132は弁軸96から長短2個のア
ーム132a、132bを互いに反対方向に突出させた
形状になっている。長い方のアーム132aの先端の方
にはスリット132cが形設されている。スリット13
2cの長手方向は長い方のアーム132aの長手方向に
一致する。短い方のアーム132bと蓋131との間に
はトグルバネ133が配置される。
【0056】トグルバネ133はねじりコイルバネによ
り構成され、一端を短い方のアーム132bの先端に、
他端を蓋131の外面に形設された中空ボス131bに
係合させている。短い方のアーム132bと中空ボス1
31bが最も接近する弁軸96の角度位置が思案点とな
り、この点を境にしてトグルバネ133は、流入口92
を閉ざす付勢力又は流入口93を閉ざす付勢力を切替弁
95に与えるものである。
【0057】弁軸96の左端には切替弁95の切り替え
操作を行うためのペダル134が装着される(図1参
照)。ペダル134は吸込口体70の後方突出部74の
左上角に形設された凹部74aに配置される。ペダル1
34は弁軸96への取付部を中心として前後の部分が互
いに角度をなし、側面から見ると「く」の字の形状にな
っている。ペダル134の前後の部分のうち浮き上がっ
た方を踏むことにより、ペダル134はシーソーのよう
な動きをして弁軸96を回動させるものである。
【0058】次に図8及び図9に基づきベルト掛替装置
120の詳細構造を説明する。ベルト掛替装置120は
細長いフレーム141を中心として組み立てられる。フ
レーム141は長手方向を吸込口体70の前後方向に向
けて側部シェル73の内部に固定される。フレーム14
1の下部をベルト113が通る。ベルト113は駆動プ
ーリー112とアイドラー114との間で掛け替えられ
る。駆動プーリー112はアジテーター110の軸11
0aにアジテーター110と一体回転するように固定さ
れる。アイドラー114は駆動プーリー112の右隣に
位置し、アジテーター110と独立して回転可能であ
る。
【0059】フレーム141は前後方向に延びる支軸1
42を支持する。支軸142の軸線はベルト113の延
長方向と平行である。支軸142はベルト113を動か
すためのフォーク150を回動自在に支持する。フォー
ク150は金属製の本体151と合成樹脂製の軸支部1
52とを互いに回転不能に組み合わせたものである。フ
ォーク150の本体151と軸支部152とはインサー
ト成型、ネジ止め、カシメ等により固定される。軸支部
152が合成樹脂製であるため、支軸142に対して回
転したとき、あまり騒音が発生しない。
【0060】フォーク150の本体151はその長手方
向を支軸142及びベルト113の延長方向に平行させ
る形で軸支部152の前方に延び出している。本体15
1はその先端の1対の平行壁部151aでベルト113
を挟み付ける。平行壁部151aは本体151と平行に
延び、且つ互い同士も平行を保っている。平行壁部15
1aは軸支部152から所定距離以上隔たっている。
【0061】軸支部152の上部にはノブの形をした操
作部152aが突設される。操作部152aは吸込口体
70の後方突出部75に形設した窓75aから外に突き
出す。操作部152aが窓75aの一方の端に設けた当
たりに当たるところが軸支部152の一方の回動限界、
操作部152aが窓75aの他方の端に設けた当たりに
当たるところが軸支部152の他方の回動限界となる。
すなわち操作部152aと窓75aによりフォーク15
0の回動限界を定めるストッパー手段153が構成され
る。なお窓75aのところの当たりについては、操作部
152aが側部シェル73に当たることとしてもよく、
あるいはフレーム141に当たることとしてもよい。
【0062】軸支部152とフレーム141との間には
図示しないトグルバネが配置される。このトグルバネも
トグルバネ133と同様にねじりコイルバネにより構成
され、一端は軸支部152に、他端はフレーム141に
係合し、軸支部152の角度変換を歯切れ良く行わせ
る。
【0063】軸支部152の左側面からは放射方向にレ
バー154が突出する。フレーム141の左側面にはレ
バー155が支軸156により垂直面内で回動できるよ
う支持されている。レバー155の一方のアームに設け
たスリット155aがレバー154に係合する。レバー
155の他方のアームもスリット155bを有する。ス
リット155a及び135bの長手方向はレバー155
自体の延びる方向に一致する。
【0064】吸込口切替装置90とベルト掛替装置12
0とは連動手段160で連結される。連動手段160の
主部をなすのは鋼棒あるいは鋼管を略コの字形に折曲成
形したクランク161である。クランク161は左右一
対の軸受部162により水平軸まわりに回動できるよう
吸込口体70の内部に軸支される。クランク161の一
方の端部161aは吸込口切替装置90の側のレバー1
32のスリット132cに係合する。クランク161の
他方の端部161bはベルト掛替装置120の側のレバ
ー155のスリット155bに係合する。レバー132
と同様、レバー155も連動手段160の一構成要素と
なる。
【0065】上記のようにコの字の形をした吸込口体7
0で掃除機本体10を挟み、この吸込口体70の一方の
側に吸込口切替装置90を配置し、他方の側にベルト掛
替装置120を配置する構成により、吸込口切替装置9
0とベルト掛替装置120の一定部分を掃除機本体10
の左右に重なるように配置でき、吸込口体70の寸法、
特に前後方向の寸法を切りつめることができる。
【0066】次に電気掃除機1の動作を説明する。使用
していないとき、すなわち保管時の電気掃除機1は図4
に示すように集塵装置保持部12が直立状態にあり、掃
除機本体10は2個ずつの車輪64と支持脚65により
床の上に4点支持されている。吸込口体70においては
第2の接地支持部102が吸込口体70の支えとなり、
第1の接地支持部101は床から浮き上がっている。ア
ジテーター110も床には接触していない。
【0067】電気掃除機1を使用するときは、図示しな
いコードを伸ばして電源コンセントに接続し、片手でハ
ンドル62を持って図15のように集塵装置保持部12
を傾け、清掃作業態勢へと姿勢変換する。すると掃除機
本体10がてこのように作用する。すなわちハンドル6
2がてこの力点、車輪64がてこの支点、支軸14及び
駆動軸15(駆動軸15の外側の筒状の支軸)がてこの
作用点となり、支軸14及び駆動軸15(駆動軸15の
外側の筒状の支軸)が吸込口体70の後部を持ち上げ
る。支持脚65は床から離れる。
【0068】ハンドル62の高さが床から60〜80c
m程度になるまで掃除機本体10を傾けると、第2の接
地支持部102が床から離れ、第1の吸込口81及び第
2の吸込口82を有する底板80の前方部分が床とほぼ
平行になる。そして第1の接地支持部101及びアジテ
ーター110が床に接触する(図5参照)。60〜80
cmというのは平均的な体格の成人が清掃作業のため電
気掃除機1を押したり引いたりするときのハンドル62
の高さである。
【0069】この状態で第2の吸込口82の入口の床か
らの高さ(図5のH1)が0.8〜2mmになるように
第1の接地支持部101の突出度を調節して設定する。
第2の吸込口82はこの距離(0.8〜2mm)までは
床に接近するが、ここで第1の接地支持部101が床に
当たり、それ以上には接近しない。
【0070】ここで操作パネル部61の所定のスイッチ
を操作し、電動送風機13を駆動する。電動送風機13
は吸入口13aより第2の通気路32、集塵装置20、
第1の通気路31を通じて吸込口体70に吸引力を及ぼ
す。
【0071】吸込口切替装置90が第1の吸込口81を
選択した状態になっていれば第1の吸込口81から気流
が吸い込まれる。吸込口切替装置90が第2の吸込口8
2を選択した状態になっていれば第2の吸込口82から
気流が吸い込まれる。第1の吸込口81を選択した状態
ではベルト掛替装置120がベルト113が駆動プーリ
ー112に掛ける。従って電動送風機13の駆動により
アジテーター110が駆動される。
【0072】以下、吸込口切替装置90により第1の吸
込口81が選択されたものとして説明を進める。回転す
るアジテーター110は床又は床に敷かれた敷物から塵
埃をかき上げる。軟質の床材(例えば毛足の長さが4〜
20mmのカーペット)の上でアジテーター110を回
転させるときは第1の接地支持部101が軟質床材に沈
み込む。このためアジテーター110や第1の吸込口8
1が軟質床材に近づき、塵埃のかき出しや吸引が力強く
行われる。第1の接地支持部101の正面から見た幅に
制限を加えておけば(例えば第1の接地支持部101の
合計の正面幅を第1の吸込口81の幅の半分以下とす
る、あるいは接地支持部101の各々の幅を10〜20
mmとする)、第1の接地支持部101の軟質床材への
沈み込みは確実なものになる。
【0073】上記のように、カーペットの上では第1の
接地支持部101がカーペットの毛足の中に沈み込み、
底板80の前方部分が吸込口体70を支持する。そのた
め、カーペットの上での操作性は確保される。アジテー
ター110の外周と第1の吸込口81の後縁との間隔
(図5のG1)を5〜10mmにしておくと操作性と吸
込性能が両立する。
【0074】また床からガイド部103の先端までの高
さ(図5のH2)は床から第2の吸込口82の入口まで
の高さ(図5のH1)より3mm程度(3〜4.5mm
程度でよい)高くなっているので、底板80の前方部分
がカーペットに当たった状態でもカーペットの上の塵埃
を排除しない。米粒大のごみであればその上をガイド部
103が乗り越え、第1の吸込口81に誘い込む。ごみ
の乗り越え性能を確保するため、斜面104の傾斜は水
平面に対し40〜50゜を超えないようにするのがよ
い。
【0075】アジテーター110のかき上げた塵埃は第
1の吸込口81から流入する気流とともに吸込口切替装
置90の流入口92に入り、吸込口切替装置90の中か
ら接続管78を通って第1の通気路31に入る。第1の
通気路31を通り抜けた気流は集塵装置20の流入口2
5から遠心分離室23に入る。
【0076】流入口25から流入した気流は排気筒26
の周囲を高速で旋回する。気流中の塵埃は遠心力で気流
から分離され、ダストカップ21の底に溜まる。塵埃を
分離した旋回気流は排気筒26に吸い込まれ、排気室2
4に抜ける。遠心分離されなかった塵埃はフィルター2
8で濾過される。排気室24に抜けた気流は流出口30
より流出する。
【0077】遠心分離室23の中で旋回する気流は、排
気筒26の周囲ばかりでなく、スタビライザー29の周
囲も旋回する。その際気流がスタビライザー29の翼片
に衝突すると気流中の塵埃が気流から離れてダストカッ
プ21の底に落ちる。塵埃の吸引を続けるとダストカッ
プ21の底の方から塵埃の塊が成長するが、スタビライ
ザー29はこの塵埃塊の動きを抑制し、塵埃が再び舞い
上がるのを防ぐ。
【0078】集塵装置20を出た気流は第2の通気路3
2に入る。第2の通気路32は電動送風機13の吸入口
13aまで略同一平面でつながっており、気流は何にも
遮られたり邪魔されたりすることなく吸入口13aに直
進する。集塵装置保持部12の中空部自体が第2の通気
路32を構成しているため、大面積の通気路とすること
ができ、この点でも気流の流通効率が向上する。
【0079】電動送風機13に吸い込まれた気流は排気
空間50に吐出され、台座部16に入る。フィルター2
8で濾過されなかった細かな塵埃はフィルター51で濾
過される。その後、気流は排気口54から排出される。
【0080】電動送風機13が駆動されている間、ベル
ト113が走行する。走行するベルト113がフォーク
150に接触するのを全く防ぐことはできない。しかし
ながらベルト113が接触するのは金属製の本体151
の平行壁部151aである。そのため本体151は、摩
擦熱で温度上昇することは避けられないが、合成樹脂成
型品と異なり、過熱して損傷することはない。摩耗にも
強い。また平行壁部151aは軸支部152から所定距
離以上隔たっているので、平行壁部151aと軸支部1
52の間に位置する本体151の部分で放熱が行われ、
合成樹脂成型品である軸支部152に平行壁部151a
から過度の摩擦熱が伝わることはない。
【0081】部屋の隅を掃除するときにはペダル134
を操作して吸込口切替装置90を第2の吸込口82の方
に切り替える。すなわち今まで切替弁95が流入口92
を開き、流入口93を閉ざしていたのを流入口93が開
き、流入口92が閉ざされるようにする。この時弁軸9
6は図8において反時計方向(矢印A方向)に回動す
る。するとレバー132がクランク161の端部161
aを持ち上げ、クランク161全体が軸受部162の中
で時計方向(矢印B方向)に回動する。この動きに伴
い、クランク161の他の端部161bがレバー155
の前部を持ち上げる。レバー155の後部は逆に下が
り、レバー154を押し下げる。これにより、フォーク
150は支軸142の軸線まわりに回動する。回動方向
は正面から見て反時計方向(矢印C方向)である。
【0082】フォーク150が正面から見て反時計方向
に回動すると、平行壁部151aは支軸121の中心か
らの距離を半径とする弧を描いて左から右へと移動す
る。この動きに伴いベルト113は駆動プーリー112
からアイドラー114へと掛け替えられる。フォーク1
50はベルト113の延長方向と平行な軸線まわりに回
動するものであり、先端の平行壁部151aのところで
振れが増幅される機構ではないため、ベルト113の移
動は常に安定している。またストッパー手段153によ
りフォーク150の回動限界が定まるのでベルト113
は所定の位置にきちんと位置決めされる。
【0083】また軸支部152をどれだけ回動させても
平行壁部151aはベルト113の延長方向と平行を保
つ。そのため、ベルト113の変形(ひねり、こじり)
が少ない。これは平行壁部151aにとってもベルト1
13にとってもダメージが少ないということを意味す
る。
【0084】電動送風機13が停止し、駆動軸15が回
転していない状態では掛け替えは完全なものではない
が、ひとたび電動送風機13の駆動が開始されればベル
ト113はアイドラー114に完全に乗り移る。ベルト
113をアイドラー114から駆動プーリー112に掛
け替えるときにも同じことが言える。
【0085】第1の吸込口81から第2の吸込口82に
切り替えるのは操作部152aの操作によっても可能で
ある。すなわち第1の吸込口81を使用する状態では操
作部152aは窓75aの右端に位置している。操作部
152aを窓75aの左端に移動させるとフォーク15
0が正面から見て反時計方向に回動し、ベルト113を
駆動プーリー112からアイドラー114に掛け替え
る。同時にレバー154が下がり、レバー155の後部
を押し下げる。レバー155の前部は上がり、クランク
161の端部161bを持ち上げる。クランク161全
体が軸受部162の中で矢印Bの反対方向に回動し、ク
ランク161の他の端部161aがレバー132の長い
方のアームを持ち上げる。これにより弁軸96が矢印A
の反対方向に回動し、切替弁95は流入口93を開き、
流入口92を閉ざす位置へと移動する。
【0086】第2の吸込口2を用いて吸塵を行う場合、
硬質の床の上では第1の接地支持部101が第2の吸込
口82の入口と床との間隔を安定して所定の値(0.8
〜2mm)に保つ。そのため第2の吸込口82と床との
間に塵埃の通り道が確保される。第2の吸込口82は第
1の吸込口81に比べ開口面積が小さく、狭い箇所に吸
引力が集中する。従って第2の吸込口82の入口には高
速の吸込気流が発生し、アジテーターの回転を伴う吸込
方式より強力な吸引力が塵埃に及ぼされる。0.8〜2
mmという隙間にすることにより、砂塵やパウダー状の
塵を効率良く吸い込むことができる。
【0087】第2の吸込口82を使用するとき、吸い込
んだ気流は透明又は半透明の蓋86の下を通る。従っ
て、塵埃の吸込状況を直接目視で確認することができ
る。第2の吸込通路85にごみが詰まった場合には蓋8
6を取り外して詰まりの原因となっているごみを取り除
くことができる。
【0088】塵埃の吸い込みに使用できるのは第1の吸
込口81と第2の吸込口82だけではない。フレキシブ
ルホース33も利用できる。フレキシブルホース33を
接続管78から抜き、フレキシブルホース33の先端に
隙間ノズルや家具用ブラシといった吸込ツールを取り付
ければ、吸込口体70を届かせにくい狭い場所や高い場
所の掃除を行うことができる。
【0089】清掃作業が済んだら電気掃除機1を不使用
時の保管場所まで運び、掃除機本体10に保管時の姿勢
をとらせる。すなわち集塵装置保持部12を直立させ
る。すると吸込口体70の後部が下がり、第2の接地支
持部102が床に当たって吸込口体70の支えとなり、
第1の接地支持部101は床から浮き上がる。アジテー
ター110の外周も床から浮き上がる。従って、この時
点でまだ電動送風機13が駆動中であったとしても、ア
ジテーター110が床をこすることがなく、床を傷つけ
ない。
【0090】集塵装置保持部12を直立させているかぎ
り、アジテーター110の外周は床に触れない。従って
長時間そのままで置いたとしてもアジテーター110に
植えた剛毛(あるいは、ゴムや軟質合成樹脂の薄片)が
変形することはない。
【0091】集塵装置20に大量の塵埃が蓄積されたら
ラッチ43を外して集塵装置20を引き抜き、内部の塵
埃を捨てる。必要があればフィルター28も掃除する。
それから集塵装置20を元通りにセットする。ダストカ
ップ21を透明又は半透明の材料で成型することとすれ
ば、塵埃の蓄積具合を確認しやすい。
【0092】第2の吸込口82、及び吸込通路85の幅
を極限まで広げてもよい。すなわち吸込口体70の左右
側壁の肉厚しか残らないところまで第2の吸込口82と
吸込通路85(その入口部)の幅を広げるのである。吸
込口体70の強度は少し低下するが、第2の吸込口82
の吸い込み幅が広くなり、さらなる吸込力の向上につな
がる。
【0093】本発明電気掃除機の第2実施形態を図10
及び図11に示す。この第2実施形態はベルト掛替装置
120の構造に改変を加えたものであり、他は第1実施
形態と同じである。従って、説明の重複を避けるため、
第1実施形態と共通する構成要素には第1実施形態の説
明の際に使用したのと同じ符号を付し、説明は省略す
る。同様に第3実施形態以降の実施形態の説明において
も既出の構成要素には前に使用した符号をそのまま付
し、説明は省略するものとする。
【0094】第2実施形態においてはフォーク150の
軸支部152と同軸に回動操作体152bを配置する。
フォーク150の軸支部152と回動操作体152bを
同軸に置くのは、回動操作体152bを支軸142に軸
支することにより達成される。回動操作体152bの位
置は軸支部152の後とする。操作部152a及びレバ
ー154は回動操作体152bの側に設ける。回動操作
体152bとフレーム141との間には図示しないトグ
ルバネが配置され、回動操作体152bの角度変換を歯
切れ良く行わせるようになっている。
【0095】回動操作体152bと軸支部152との間
には係合手段170が設けられる。係合手段170は回
動操作体152bから軸支部152の外側に張り出した
突起171と、軸支部152の外周から突出した突起1
72により構成される。引張コイルバネ174(図11
参照)が軸支部152とフレーム141との間に張り渡
され、突起172と突起171との係合が維持される方
向の付勢力を軸支部152に与えている。
【0096】軸支部152の外周からは突起172と角
度的に間隔を置いてもう1個の突起173が突出する。
突起173はフレーム141に形設した窓141aの中
で動く。突起173が窓141aの上下の縁に当たると
ころが軸支部152の回動限界となる。
【0097】軸支部152からは送風機シェル11の方
向に向かってレバー176が突き出す。レバー176は
吸込口体70の外に頭を出し、送風機シェル11の端面
に形設された弧状溝177に入り込んでいる。弧状溝1
77は駆動軸15を中心とする円弧を描く。レバー17
6と弧状溝177がフォーク150の強制回動手段17
5を構成する。
【0098】次に第2実施形態の電気掃除機1の作用を
説明する。掃除機本体10を保管時の状態から清掃作業
態勢に傾けると、それにつれて弧状溝177も回動し、
弧状溝177の端がレバー176から離れ、レバー17
6は弧状溝177に影響されることなく回動することが
可能になる。
【0099】ここで第1の吸込口81が選択されていれ
ば、回動操作体152bは操作部152aが窓75aの
右端の当たりに当たる角度(図11の「回転ON」の角
度)にある。フォーク150も引張コイルバネ174に
よる付勢力で回動操作体152bに追随して回動してお
り、ベルト113を駆動プーリー112に整列させる角
度にある。従って電動送風機13が駆動されればベルト
113を介してアジテーター110が駆動される。
【0100】軸支部152は引張コイルバネ174によ
る付勢力でベルト113の掛け替えに必要な動力を得
る。そのため、駆動軸15が回転していないときはベル
ト113を無理に駆動プーリー112の方に寄せず、引
張コイルバネ174が伸びるにまかせておくことができ
る。駆動プーリー115が回転を始めたら引張コイルバ
ネ174による付勢力でベルト113は無理なく駆動ベ
ルト112の方に掛け替えられる。
【0101】操作部152aを操作して、あるいはペダ
ル134を操作して、第2の吸込口82が選択された状
態にすると、回動操作体152bは操作部152aが窓
75aの左端の当たりに当たる角度(図11の「回転O
FF」の角度)に向きを変える。これとともに突起17
2が突起171で押され、軸支部152は引張コイルバ
ネ174による付勢力に抗して正面から見て反時計方向
に回動せしめられる。これにより平行壁部151aはベ
ルト113をアイドラー114に整列させる位置に移動
し、ベルト113はアイドラー114に巻き掛けられ
る。従って電動送風機13が駆動されてもアジテーター
110は駆動されず、停止したままである。
【0102】第1の吸込口81が選択されているときに
掃除機本体10が保管時の姿勢(スタンバイ態勢)をと
ると強制回動手段175が作用する。すなわち集塵装置
保持部12が直立状態に近づくにつれ、弧状溝177の
端がレバー176に近づく。やがて弧状溝177の端が
レバー176をとらえ、掃除機本体10とともに回動さ
せる。回動操作体152bは従前の角度を保ったままで
あり、突起172は突起171から離れて行く。
【0103】集塵装置保持部12が直立した状態では、
軸支部152は平行壁部151aがベルト113をアイ
ドラー114に整列させる角度まで変位している。この
時点で電動送風機13の駆動が継続されていたとしても
ベルト113はアイドラー114を回転させるのみであ
り、アジテーター110は回転しない。従って1箇所で
アジテーターが回転を続けることにより床を傷つける
(カーペットの場合であれば、毛足をむしる)ことがな
い。アジテーター110自身も摩耗しない。
【0104】掃除中に掃除機本体10を保管時の姿勢
(スタンバイ態勢)にするだけでアジテーター110が
停止するので、アジテーター110を停止させるのにス
イッチを操作する必要がない。掃除機本体10を清掃作
業態勢にすれば軸支部152は引張コイルバネ174に
よる付勢力で元の角度に戻り、アジテーター110の駆
動が再開される。
【0105】上記のようにフォーク150は吸込口切替
装置90と連動した回動操作体152bから切り離して
動かすことができる。すなわちベルト113の掛け替え
操作のみ単独操作として行うことができる。つまりベル
ト掛替装置120と吸込口切替装置90とは非連動であ
る。この特徴を生かして次のような動作をさせることが
できる。
【0106】すなわち掃除機本体10を清掃作業態勢に
して第1の吸込口81から吸塵を行っているときに、レ
バー176を押してベルト113をアイドラー114に
掛け替えるのである。すると第1の吸込口81からの気
流の吸い込みは継続されるが、アジテーター110は停
止状態となる。これにより、アジテーター110で床面
をこすることなく第1の吸込口81から吸塵を行うこと
が可能になる。薄いカーペット等、比較的弱い吸引力を
広い範囲に及ぼしたい床面の場合、このような使い方が
適する。レバー176から指を離してもレバー176が
元に戻らないよう、適当なロック手段を設けておくとよ
い。
【0107】本発明電気掃除機の第3実施形態を図12
〜図14に示す。第3実施形態は吸込口切替装置90及
びベルト掛替装置120に動作力を与える機構に変更を
加えている。すなわち第1実施形態及び第2実施形態で
は吸込口切替装置90に対しペダル134を設け、ベル
ト切替装置120に対しては操作部152aを設けてい
たが、これをベルト掛替装置120の側に設けたペダル
180に一元化したものである。
【0108】吸込口体70の後方突出部75の内部に取
付金具181が固定され、この取付金具181にペダル
180が取り付けられる。ペダル180は側面形状略T
字形であって、そのT字の縦棒部を取付金具181に支
軸182で連結し、垂直面内で回動できるように支持さ
れている。このT字の縦棒部からはアーム183が突出
する。アーム183の先端にはリンク184の一端が連
結する。リンク184の他端はクランク161の一端に
設けたアーム161cに連結する。
【0109】第3実施形態におけるクランク161は、
軸受部162に軸支される中央部分は断面円形のままで
あるが、両端の折曲部分は平らにつぶされている。そし
てペダル掛替装置120の側では端部161bとアーム
161cとからなる別体の金具を溶接して図に見られる
ような形状としている。なお、平らにつぶした箇所を折
曲するのでなく、円形断面のまま折曲し、その端を平ら
につぶす構成とした方が強度的には好ましい。
【0110】図13は第1の吸込口81を選択したとき
の連動装置160の状態を示す。ペダル180は前部が
持ち上がった態勢になっており、リンク184はクラン
ク161のアーム161cを前方に押す。クランク16
1の端部161aはレバー132の前部を押し下げる。
これにより切替弁95は流入口92を開き流入口93を
閉ざす位置に来る。端部161bはレバー155の前部
を押し下げ、これに伴ってレバー155の後部を持ち上
げる。レバー155の後部が持ち上がれば、第1実施形
態又は第2実施形態の説明において述べたように、レバ
ー154が押し上げられてフォーク150がベルト11
3を駆動プーリー112に整列させる角度まで回動する
という動きが生じる。なおトグルバネはベルト掛替装置
120の側にのみ設けられている。
【0111】図14は第2の吸込口82を選択したとき
の連動装置160の状態を示す。今度はペダル180は
後部が持ち上がった態勢になり、リンク184はクラン
ク161のアーム161cを後方に引く。クランク16
1の端部161aはレバー132の前部を押し上げるこ
とになり、切替弁95は流入口93を開き流入口92を
閉ざす位置に移動する。端部161bはレバー155の
前部を押し上げ、これに伴ってレバー155の後部を押
し下げる。レバー155の後部が下がれば、第1実施形
態又は第2実施形態の説明において述べたように、レバ
ー154が引き下げられてフォーク150がベルト11
3をアイドラー114に整列させる角度まで回動すると
いう動きが生じる。
【0112】本発明電気掃除機の第4実施形態を図15
に示す。第4実施形態の電気掃除機1aは吸込口体70
からのフレキシブルホース33の導出角度に特色を有す
る。第1実施形態の電気掃除機1ではフレキシブルホー
ス33を接続する接続管78はほぼ真上に向かって突出
していた。第4実施形態の電気掃除機1aでは接続管7
8aが後方に傾斜して設けられている。
【0113】接続管78aの傾斜角度は、集塵装置保持
部12を傾けて清掃作業態勢をとったとき、すなわちハ
ンドル62を床から60〜80cmの高さに下ろしたと
き、吸込口体70から集塵装置保持部12に至る間のフ
レキシブルホース33の空間内配置が側面から見て略直
線状をなすような角度とされる。言葉を変えれば、側面
から見たとき、接続管78aが接続管34を指向するよ
うな角度とされる。
【0114】吸込口体70からのフレキシブルホース3
3の導出角度を上記のように設定することにより、塵埃
吸引時の第1の通気路31の形状が一層ストレートなも
のとなり、気流の流通効率が向上する。
【0115】本発明電気掃除機の第5実施形態を図16
〜図18に示す。ここに示す電気掃除機1bはアジテー
ター110が電動送風機13と異なる動力源によって駆
動されることを特徴とする。動力源としては小型のモー
タ190を用いる。モータ190は側部シェル73の中
に配置され、その軸に固定した原動プーリー191にベ
ルト113を巻き掛ける。
【0116】第5実施形態においてはアジテーター11
0の駆動/停止をベルト113の掛け替えによって選択
するのでなく、モータ190の駆動/停止によって選択
する。そのため第1実施形態にあったようなアイドラー
114やベルト掛替装置120はない。図18にモータ
190に関連する部分的な電気回路を示す。モータ19
0は常開型のスイッチ192を直列接続した状態で電源
193に接続される。
【0117】スイッチ192の実体的な配置を図17に
示す。スイッチ192はマイクロスイッチであり、吸込
口切替装置90の弁箱91の右側面に取り付けられてい
る。スイッチ192のアクチュエータ193は下向きに
突出しており、弁軸96に装着したアーム194がこれ
を押す。
【0118】アーム194は2個のアームの複合体であ
る。その一方は弁軸96に固定した第1アーム195、
もう一方は弁軸96に回転自在に支持された第2アーム
196である。第1アーム195と第2アーム196と
の間には引張コイルバネ197が張り渡され、第2アー
ム196を、その側面に形設した突起196aが第1ア
ーム195に当たるところまで第1アーム195の方に
引きつけるようになっている。第2アーム196の方の
み先端がスイッチ192のアクチュエータ193に届
く。また第2アーム196の先端には掃除機本体10の
方に向かって突出する被押圧部198が形設される。こ
の被押圧部198に対応して、送風機シェル11の側面
には突起状の押圧部199が形設される。
【0119】図17は掃除機本体10を清掃作業態勢に
し、且つ第1の吸込口81を選択した状態を示す。送風
機シェル11の側面の押圧部199は第2アーム196
の被押圧部198から離れている。切替弁95は流入口
92を開き、流入口93を閉ざしている。アーム194
は第2アーム196でスイッチ192のアクチュエータ
193を押している。
【0120】第2アーム196は弁軸96と第1アーム
195とが回動限界に達する手前でアクチュエータ19
3に当たる。以後、引張コイルバネ197が伸びて第1
アーム195と第2アーム196との間に生じる角度差
を吸収する。
【0121】アクチュエータ193が押されるため、ス
イッチ192の常開接点が閉じる。これによりモータ1
90に電流が流れ、モータ190は回転してアジテータ
ー110を駆動する。
【0122】吸込口切替装置90を第2の吸込口82を
選択した状態にすると、すなわち流入口93を開き、流
入口92を閉ざす角度に切替弁95を移動させると、第
1アーム195は弁軸96と共に回動する。第2アーム
196は突起196aを第1アーム195で押されるこ
とにより第1アーム195と一緒になって回動し、アー
ム194はスイッチ192から離れる。これにより、閉
じていた常開接点が開き、スイッチ192が遮断状態に
なる。従ってモータ190は停止し、アジテーター11
0の駆動も停止する。
【0123】第1の吸込口81が選択されているときに
掃除機本体10が保管時の姿勢をとると、すなわち集塵
装置保持部12が直立すると、押圧部199が第2アー
ム195の被押圧部198を押す。すると、弁軸96は
角度を変えないにもかかわらず、第2アーム196のみ
回動し、スイッチ192から離れる。これによりスイッ
チ192の常開接点が開き、モータ190は停止する。
アジテーター110も停止する。
【0124】掃除機本体10を清掃作業態勢にすれば第
2アーム196が元の位置に戻り、スイッチ192の常
開接点を閉じる。これによりアジテーター110の駆動
が再開する。押圧部199は丁度第2実施形態の強制回
動手段175のような働きをするものである。
【0125】本発明電気掃除機の第6実施形態を図19
に示す。ここに示す電気掃除機1cもアジテーター11
0が電動送風機13と異なる動力源によって駆動される
ことを特徴とする。今度は動力源として吸込気流により
回転せしめられるエアタービンを用いる。第6実施形態
の場合、アジテーター110の端にタービンホイール2
00が装着されている。そして図示しないノズルによ
り、吸込気流の一部を高速でタービンホイール200に
吹き付け、タービンホイール200もろともアジテータ
ー110を回転させるようになっている。この構成では
ベルトもモータも必要としない。
【0126】前述したノズルに吹き出す空気の遮断手段
あるいは吹出方向変更手段を設け、アジテーター110
の駆動/停止を選択可能とすることもできる。また第5
実施形態の構成と第6実施形態の構成を併用することも
できる。
【0127】本発明電気掃除機の第7実施形態を図20
〜図22に示す。この実施形態は吸込口体70のシェル
構造に特徴を有する。すなわちこれまでに紹介した実施
形態では、例えば図1に見られるように、吸込通路85
の蓋86が比較的広い幅をカバーしていた。第7実施形
態では吸込通路85及び蓋86の幅が少し絞り込まれ、
側部シェル72、73が吸込口体70の前端まで連続し
ている形状がより明確に現れている。このような側部シ
ェル72、73の構造により、吸込口体70の前面側の
衝突強度が高まる。
【0128】側部シェル72、73の内部天井面には前
後方向に延びる補強リブ79が複数条形設されている
(図22参照)。補強リブ79の前端は側部シェル7
2、73の前方の角まで届く。このため、吸込口体70
の衝突強度が一層向上する。
【0129】上記のように吸込通路85の幅は狭くなっ
たが、第2の吸込口82の幅は狭くしたくはない。そこ
で、図22に見られるように、吸込通路85の端から第
2の吸込口82の端までを末広がりの案内壁82aでつ
ないだ。これにより、吸込通路85の幅が狭くなったに
も関わらず、第2の吸込口82の幅はこれまでの実施形
態に変わらない幅を確保できる。
【0130】また第7実施形態では、吸込口体70の前
面から左右側面にかけて、軟質合成樹脂よりなるバンパ
ー210を装着している。このバンパー210の下に、
ごみを乗り越えるための斜面104を有するガイド部1
03が形設される。
【0131】床からガイド部103の先端までの高さ
(図5のH2)は床から第2の吸込口82の入口までの
高さ(図5のH1)より3mm程度(3〜4.5mm程
度でよい)高くなっているので、底板80の前方部分が
カーペットに当たった状態でもカーペットの上の塵埃を
排除しない。米粒大のごみであればその上をガイド部1
03が乗り越え、第1の吸込口81に誘い込む。ごみの
乗り越え性能を確保するため、斜面104の傾斜は水平
面に対し40〜50゜を超えないようにするのがよい。
【0132】図23以下に示す実施形態は、第2の吸込
口82の吸塵力を維持しあるいは高めるための構造に係
るものである。これらの構造はこれまでに説明した各実
施形態のいずれにも適用可能である。
【0133】本発明電気掃除機の第8実施形態を図23
〜図25に示す。第8実施形態では底板80に下向きの
溝のような形で第2の吸込口82を形設し、その天井部
に吸込通路85へ抜ける通気口220を設けている。こ
れにより、第2の吸込口82に求められる幅と、吸込通
路85の幅とをマッチさせることができる。
【0134】通気口220は複数の小孔を横一線に並べ
て構成してあるので、大きなごみはここで引っかかり、
吸込通路85をつまらせることがない。またいずれかの
小孔がごみで塞がったとしても他の小孔から気流が入る
ので電動送風機13が過熱するおそれもない。
【0135】本発明電気掃除機の第9実施形態を図26
に示す。第9実施形態では、第2の吸込口82の端から
通気口220の端までを斜めのガイド壁221で連絡し
た。これにより、第2の吸込口82の端から吸い込まれ
た気流がスムーズに通気口220へガイドされる。
【0136】本発明電気掃除機の第10実施形態を図2
7及び図28に示す。第10実施形態では、第1の接地
支持部101の配置個所を第2の吸込口82の中央寄り
に移すとともに、第2の吸込口82の端に、吸込口体7
0の側面に向かって開口する連通溝222を形設した。
また図28に見られるように、吸込口体70の前面に向
かって開口する連通溝223を第2の吸込口82の所々
に設けた。これらの連通溝222、223の存在によ
り、壁際の塵埃を吸込口体70の側面と前面から効率よ
く吸い込むことができる。
【0137】本発明電気掃除機の第11実施形態を図2
9に示す。第11実施形態は第10実施形態の変形であ
る。すなわち第1の接地支持部101は従前通り吸込口
体70の底面の前方コーナー部に配置することとし、そ
の後を回り込む形で連通溝222を設けたものである。
この構成によっても第10実施形態と同様の効果が得ら
れ、前面から効率良く塵埃を吸い込むことができる。
【0138】本発明電気掃除機の第12実施形態を図3
0に示す。第12実施形態も第11実施形態と同様第1
0実施形態の変形である。今度は第1の接地支持部10
1の位置を後方にずらし、第1の接地支持部101の前
を連通溝222が通るようにしている。この構成では連
通溝222が直線的に第2の吸込口82につながるた
め、第11実施形態より吸塵効率がよい。
【0139】以上、本発明の各種実施形態につき説明し
たが、この他、発明の主旨を逸脱しない範囲で更に種々
の変更を加えて実施することができる。例えば、吸込口
切替装置90において板状の切替弁95により流入口9
2、93の開閉を行うものとしたが、弁形式はこれに限
定されない。ボールバルブやピンチバルブ等、流体を閉
め切るのに用いられている様々な形式の弁を使用でき
る。またペダル等の操作部からリンク機構で弁に操作力
を伝えるのでなく、モータやソレノイドで弁を直接動か
してもよい。
【0140】また吸込口切替装置90には第1の吸込口
81と第2の吸込口82の一方を完全に開き、他方を完
全に閉ざすという働きをさせているが、第2の吸込口8
2を全開のまま、あるいは半開にして、同時に第1の吸
込口81を開くことができるようにしてもよい。これに
より、第1の吸込口81と第2の吸込口82の両方から
幅広く塵埃を吸い込むことができる。第2の吸込口82
の開口面積が小さければ吸塵効率に大きな変化はない。
【0141】また、吸込口体を掃除機本体に回動可能に
連結したアップライトタイプの電気掃除機に本発明を適
用して実施形態としたが、本件特許願の特許請求範囲の
うち、掃除機本体と吸込口体の連結を構成要件としない
請求項に係る発明は、掃除機本体と吸込口体をホースで
連結するキャニスタータイプの電気掃除機にも適用可能
である。
【0142】
【発明の効果】本発明は以下に掲げるような効果を奏す
るものである。
【0143】本発明では、電動送風機の運転によって発
生する気流とともに塵埃を吸込口体の吸込口から吸い込
み、吸い込んだ気流を集塵装置に導入して塵埃を捕集す
る電気掃除機において、前記吸込口にベルト駆動により
回転するアジテーターを設け、前記ベルト駆動は駆動プ
ーリーとアイドラーとの間でベルトを掛け替えることに
より前記アジテーターの駆動/停止を切り替えるものと
するとともに、前記ベルトの掛け替えを行うフォークは
軸支部を中心にベルトの延長方向と平行な軸線まわりに
回動して掛け替えを行うものとしたから、フォークの先
端が安定した軌跡を描いてベルトに所定の移動量を与え
る。ベルト移動量が寸法誤差等により影響されにくく、
ベルトの掛け替えを安定して行うことができる。フォー
クの先端が大きく振れるという機構ではないため、掛替
装置をコンパクトにできる。またフォークの先端までベ
ルトの延長方向と平行を保つので、ベルトの変形(ひね
り、こじり)が少なく、フォークにとってもベルトにと
ってもダメージが少ない。ベルトとの接触を平行壁部で
行い、ベルトとの局部接触を少なくするため平行壁部の
長さを長くした場合に、このことは特に意味を持つ。
【0144】また本発明では、前記フォークは本体を金
属製とし、前記軸支部は合成樹脂製としたから、フォー
クが摩耗しにくく、回転に伴い軸支部が騒音を発するこ
とも少ない。
【0145】また本発明では、前記フォークの前記ベル
トに接触する箇所は前記軸支部から所定距離以上隔たっ
ていることとしたから、フォークとベルトとの摩擦によ
り生じる熱は軸支部に至る前に放熱され、軸支部が熱で
変形したり変質したりすることが少ない。
【0146】また本発明では、前記フォークの回動限界
を定めるストッパー手段を設けたから、ベルトが所定の
位置にきちんと位置決めされ、掛け替えが確実なものと
なる。
【0147】また本発明では、前記フォークには前記吸
込口体の外に突出する操作部が設けられていることとし
たから、ベルトの掛け替えが直接的に、確実に遂行され
る。構成も簡単にでき、寸法誤差による作動ミスも低減
する。
【0148】また本発明では、前記フォークの軸支部と
同軸に回動操作体を設け、この回動操作体と前記軸支部
との間に係合手段を設けるとともに、前記軸支部には前
記回動操作体との係合が維持されるように付勢力を作用
させ、前記付勢力より前記ベルトの掛け替えに必要な動
力を得るようにしたから、ベルトが無理なく掛け替えら
れ、機構の損傷が少ない。
【0149】また本発明では、前記吸込口体に掃除機本
体を回動可能に連結し、この掃除機本体が保管時の姿勢
をとったときは前記フォークが強制回動せしめられ、前
記ベルトが前記アイドラーに掛かった状態とされること
としたから、掃除機本体が保管時の姿勢(スタンバイ態
勢)をとっている間にアジテーターが回転して床を傷め
ることがない。またスタンバイ態勢から清掃作業態勢に
すればアジテーターは再び駆動状態に戻り、使い勝手が
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る電気掃除機の斜
視図
【図2】 上記電気掃除機の垂直断面図
【図3】 上記電気掃除機の掃除機本体の部分水平断面
【図4】 上記電気掃除機の側面図にして、吸込口体の
部分を断面したもの
【図5】 図4と異なる状況における吸込口体の部分拡
大断面図
【図6】 吸込口切替装置の斜視図
【図7】 吸込口切替装置の分解斜視図
【図8】 吸込口体の内部機構の斜視図
【図9】 同じく吸込口体の内部機構の一部の斜視図に
して、図8と異なる方向から見たもの
【図10】 本発明の第2実施形態に係る図8と同様の
吸込口体の内部機構の斜視図
【図11】 同じく第2実施形態に係る吸込口体の内部
機構の一部の斜視図にして、図10と異なる方向から見
たもの
【図12】 本発明の第3実施形態に係る吸込口体のシ
ェル部分の下面図
【図13】 本発明の第3実施形態に係る吸込口体の内
部機構の動作説明図にして、吸込口切替装置側の動作と
ベルト掛替装置側の動作とを関連させて図示したもの
【図14】 図13と同様の動作説明図にして、異なる
動作状態におけるもの
【図15】 本発明の第4実施形態に係る、図4と同様
の側面図
【図16】 本発明の第5実施形態に係る電気掃除機の
斜視図
【図17】 第5実施形態における吸込口切替装置の斜
視図
【図18】 第5実施形態における部分的電気回路図
【図19】 本発明の第6実施形態に係る電気掃除機の
斜視図
【図20】 本発明の第7実施形態に係る吸込口体の上
面図
【図21】 第7実施形態に係る吸込口体の部分垂直断
面図
【図22】 同じく第7実施形態に係る吸込口体の部分
垂直断面図にして、図21と直角の方向に断面したもの
【図23】 本発明の第8実施形態に係る吸込口体の底
板の部分斜視図
【図24】 第8実施形態に係る吸込口体の部分垂直断
面図
【図25】 第8実施形態に係る吸込口体の底板の部分
垂直断面図にして、図24と直角の方向に断面したもの
【図26】 本発明の第9実施形態に係る、図24と同
様の吸込口体の部分垂直断面図
【図27】 本発明の第10実施形態に係る、図24と
同様の吸込口体の部分垂直断面図
【図28】 第10実施形態に係る吸込口体の下面図
【図29】 本発明の第11実施形態に係る、図28と
同様の下面図
【図30】 本発明の第12実施形態に係る、図28と
同様の下面図
【符号の説明】
1、1a、1b、1c 電気掃除機 10 掃除機本体 11 送風機ハウジング 12 集塵装置保持部 13 電動送風機 14 支軸 15 駆動軸 20 集塵装置 62 ハンドル 64 車輪 70 吸込口体 71 中央シェル 72、73 側部シェル 74、75 後方突出部 81 第1の吸込口 82 第2の吸込口 90 吸込口切替装置 95 切替弁 96 弁軸 132 レバー 110 アジテーター 111 原動プーリー 112 駆動プーリー 113 ベルト 114 アイドラー 120 ベルト掛替装置 142 支軸 150 フォーク 151 本体 151a 平行壁部 152 軸支部 152a 操作部 152b 回動操作体 153 ストッパー手段 160 連動手段 170 係合手段 174 引張コイルバネ 175 強制回動手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動送風機の運転によって発生する気流
    とともに塵埃を吸込口体の吸込口から吸い込み、吸い込
    んだ気流を集塵装置に導入して塵埃を捕集する電気掃除
    機において、 前記吸込口にベルト駆動により回転するアジテーターを
    設け、前記ベルト駆動は駆動プーリーとアイドラーとの
    間でベルトを掛け替えることにより前記アジテーターの
    駆動/停止を切り替えるものとするとともに、前記ベル
    トの掛け替えを行うフォークは軸支部を中心にベルトの
    延長方向と平行な軸線まわりに回動して掛け替えを行う
    ものであることを特徴とする電気掃除機。
  2. 【請求項2】 前記フォークは本体を金属製とし、前記
    軸支部は合成樹脂製としたことを特徴とする請求項1に
    記載の電気掃除機。
  3. 【請求項3】 前記フォークの前記ベルトに接触する箇
    所は前記軸支部から所定距離以上隔たっていることを特
    徴とする請求項2に記載の電気掃除機。
  4. 【請求項4】 前記フォークの回動限界を定めるストッ
    パー手段を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3
    のいずれかに記載の電気掃除機。
  5. 【請求項5】 前記フォークには前記吸込口体の外に突
    出する操作部が設けられていることを特徴とする請求項
    1〜請求項4に記載の電気掃除機。
  6. 【請求項6】 前記フォークの軸支部と同軸に回動操作
    体を設け、この回動操作体と前記軸支部との間に係合手
    段を設けるとともに、前記軸支部には前記回動操作体と
    の係合が維持されるように付勢力を作用させ、前記付勢
    力より前記ベルトの掛け替えに必要な動力を得ることを
    特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電気
    掃除機。
  7. 【請求項7】 前記吸込口体に掃除機本体を回動可能に
    連結し、この掃除機本体が保管時の姿勢をとったときは
    前記フォークが強制回動せしめられ、前記ベルトが前記
    アイドラーに掛かった状態とされることを特徴とする請
    求項1〜請求項6のいずれかに記載の電気掃除機。
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