JP2003144200A - バクテロイデスグループ細菌用プローブおよびこれを用いた検出方法 - Google Patents

バクテロイデスグループ細菌用プローブおよびこれを用いた検出方法

Info

Publication number
JP2003144200A
JP2003144200A JP2001341560A JP2001341560A JP2003144200A JP 2003144200 A JP2003144200 A JP 2003144200A JP 2001341560 A JP2001341560 A JP 2001341560A JP 2001341560 A JP2001341560 A JP 2001341560A JP 2003144200 A JP2003144200 A JP 2003144200A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bacteroides
probe
prevotera
group
bacteria
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001341560A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiko Takada
敏彦 高田
Kazumasa Matsumoto
一政 松本
Koichi Watanabe
幸一 渡辺
Koji Nomoto
康二 野本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yakult Honsha Co Ltd
Original Assignee
Yakult Honsha Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yakult Honsha Co Ltd filed Critical Yakult Honsha Co Ltd
Priority to JP2001341560A priority Critical patent/JP2003144200A/ja
Publication of JP2003144200A publication Critical patent/JP2003144200A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 バクテロイデスの特定の塩基配列に相補
的な配列を有するバクテロイデスグループ細菌用プロー
ブ、並びにこのプローブを使用するバクテロイデスグル
ープ細菌の検出、同定法。 【効果】 菌を培養することなく、ヒト腸管内から高頻
度に検出されるバクテロイデスグループ細菌を迅速、簡
便に検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒトの腸管内に生
息する細菌叢の中でも、特に優勢に存在するバクテロイ
デスグループに特異的なプローブ及び該プローブを使用
したバクテロイデスグループ細菌の検出方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】バクテロイデスグループ細菌は、グラム
陰性の無芽胞嫌気性細菌であり、ヒトや動物の腸管内に
常在する細菌群の一種である。特に成人の大腸内におい
ては、最優勢に存在する菌群である。
【0003】近年バクテロイデスグループ細菌は、バク
テロイデス(Bacteroides;以下単にB.とも記載する)ク
ラスター、プレボテラ(Prevotella;以下単にPre.とも
記載する)クラスター、ポルフィロモナス(Porphyromona
s;以下単にPor.とも記載する)クラスター、ニュー1
(New1)、ニュー2(New2)の5つに大別された(JOURNAL
OF BACTERIOLOGY, Vol. 176, No. 3, p 725-732, 199
4)。
【0004】新分類においては、ヒト腸管内から高頻度
に分離される菌種の大部分がバクテロイデスクラスター
に含まれるが、ポルフィロモナスクラスターに含まれる
バクテロイデス・ディスタソニスやプレボテラクラスタ
ーに含まれるプレボテラ・ブッカエ、プレボテラ・オリ
ス、ニュー1に含まれるバクテロイデス・スプランチニカ
スおよびニュー2に含まれるバクテロイデス・プトレディ
ニス等、バクテロイデスクラスター以外の菌種もヒト腸
管内から分離され(Benno Y., and T. Mitsuoka,1986, D
evelopment of intestinal microflora in humans and
animals. Bifidobacteria Microflora)、生態学的研究
や臨床株の同定等、種々の研究を行う場合の重要な検出
対象となる。
【0005】従来同定は、菌の表現形質を指標としてな
されていた。BERGEY’S MANUAL OF
Systematic Bacteriologyで
は、無芽胞、非運動性の嫌気性グラム陰性桿菌で、糖を
醗酵しコハク酸、酢酸、乳酸、蟻酸、あるいはプロピオ
ン酸を産生する菌群をバクテロイデス属と同定してい
る。しかしながら、このような表現形質を基にした同定
法では結果が得られるまで数日から数週間の時間を要
し、また手技も煩雑で熟練を要する。
【0006】また、近年では、DNA−DNA相同性試験によ
る判定やモノクロナール抗体による検出も行われるよう
になっている。しかしながら、これらの同定法でも時間
や熟練が要求されるため、迅速な検出、同定を行うには
不向きであった。
【0007】一方、菌種あるいは菌群特異的なDNAプロ
ーブを用いた同定方法は、系統分類の指標として用いら
れている16S rRNAの塩基配列に基づいているため正確で
あり、20塩基程度の短いオリゴヌクレオチドプローブを
用いれば、核酸抽出の必要がないin situ ハイブリダイ
ゼーションを行うことができ、判定時間がかなり短縮さ
れるなどの利点がある。しかし、既に報告されているバ
クテロイデスグループに関するDNAプローブには、バク
テロイデスクラスターを標的とするものが多く、バクテ
ロイデスグループを標的とした特異的プローブは報告さ
れていなかった。
【0008】例えば、パスターらはバクテロイデスグル
ープに関する5種類のプライマーを報告しており(JOR
NAL OF BACTERIOLOGY,1994,
176,725−732)、その中でバクテロイデスグ
ループ細菌を対象とするプライマーとして(E.coli
のナンバリングの)1225b−1242bの領域から
5’-CCATTGTAACACGTGTGT-3’のシー
クエンスを提案している。しかし、このプライマーはバ
クテロイデスグループ細菌以外の菌群(例えば、大腸菌
群、ユーバクテリウム属、フソバクテリウム属、クロス
トリヂウム属等)に対して、1塩基のミスマッチしか持
たないため特異性に問題があった。また、マンツらはバ
クテロイデスクラスターとプレボテラクラスターに共通
な特異的プローブとして5’-CCAATGTGGGGG
ACCTT-3’のシークエンスを提案している(Mic
robiology,1996,142,1097−1
106)が、このプローブではポルフィロモナスクラス
ター、ニュー2を検出することができない。また、ウエ
ラーらは、バクテロイデスグループとスフィンゴバクテ
リウムグループに共通な特異的プローブとして5’-AG
CTGCCTTCGCAATCGG-3’のシークエンス
を提案している(SYSTEMATIC AND AP
PLIED MICROBIOLOGY,2000,2
3,107−114)。彼らは、このプローブがバクテ
ロイデス・フラジリスグループ、プレボテラグループお
よびポルフィロモナス/バクテロイデスグループに対し
て、相補的な配列を有すると記述しているが、我々が塩
基配列の比較を行った結果、このプローブがバクテロイ
デス・ブルゲイタス(バクテロイデス・フラジリスグルー
プ)、バクテロイデス・ディスタソニス(ポルフィロモナ
ス/バクテロイデスグループ)、プレボテラ・デンティコ
ラ、プレボテラ・メラニノゲニカ、プレボテラ・ブッカ
エ、プレボテラ・ルミニコラ、プレボテラ・ロシェイ(以
上、プレボテラグループ)に対して1塩基のミスマッチを
有しているため、ヒト大便中等のバクテロイデスグルー
プ細菌の検出には適さないことが判った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、表現形質
の違いやDNA−DNA相同性試験からバクテロイデス
グループ細菌の検出、同定を行うには、長時間を要し、
操作が煩雑である等の問題があった。また、バクテロイ
デスグループに含まれる一部の菌群に特異的なプローブ
は以前から報告されていたが、いずれもヒト大便等に用
いてバクテロイデスグループ細菌全てを検出することが
できない。このため、これらの菌群を簡便、迅速、正確
に検出することは困難であった。また、バクテロイデス
グループ細菌の検出は、主に糞便を対象として行われる
が、糞便には様々な夾雑物が含まれているため、その影
響などによって、プローブの特異性を保ち得ない場合が
ある。このため、このような対象に対しても優れた特異
性、反応性を有するプローブが望まれる。
【0010】従って、本発明は、ヒトの腸内細菌叢にお
いて高頻度に検出されるバクテロイデスグループ細菌の
検出、同定を簡便、迅速、高感度且つ正確に行えるバク
テロイデスグループ細菌特異的プローブを提供すること
を目的としている。また、本発明は該プローブを用いた
細菌叢の解析及びバクテロイデスグループ細菌の検出方
法を提供することも目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、ウエラーらが報告したDNAプローブを改良するこ
とにより、前記問題点の解消されたバクテロイデスグル
ープ細菌特異的なプローブが得られることを見出した。
そして、これを用いれば細菌の培養を行うことなく、検
体から目的とする細菌由来の核酸を検出することによ
り、簡便、迅速、高感度且つ正確にバクテロイデスグル
ープ細菌の検出、同定が可能になることを見出し本発明
を完成した。
【0012】すなわち本発明は、配列番号1の塩基配列
又は該塩基配列に相補的な配列を有するバクテロイデス
グループ細菌に特異的なオリゴヌクレオチドプローブを
提供するものである。
【0013】また本発明は、配列番号1の塩基配列又は
該塩基配列に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチド
プローブを用いることを特徴とするバクテロイデスグル
ープ細菌の検出、同定方法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のプローブは、ヒト腸内に
おいて高頻度に検出されるバクテロイデスグループ細
菌、具体的にはバクテロイデス・ブルゲイタス(B. vu
lgatus)、バクテロイデス・ディスタソニス(B.
distasonis)、バクテロイデス・セタイオタ
オミクロン(B. thetaiotaomicro
n)、バクテロイデス・フラギリス(B.fragil
is)、バクテロイデス・ユニフォルミス(B.uni
formis)、バクテロイデス・オバタス(B.ov
atus)、バクテロイデス・スプランチニカス(B.
splanchnicus)、バクテロイデス・プトレ
ディニス(B.putredinis)、バクテロイデ
ス・カッカエ(B.caccae)、バクテロイデス・ス
テルコリス(B.stercoris)、バクテロイデ
ス・エガーシ(B.eggerthii)、バクテロイ
デス・メルダエ(B.merdae)、ポルフィロモナ
ス・マカカエ(Por.macacae)、ポルフィロ
モナス・ギンギバリス(Por.gingivali
s)、プレボテラ・ブッカエ(Pre.bucca
e)、プレボテラ・オリス(Pre.oris)、プレ
ボテラ・ルミニコラ(Pre.ruminicol
a)、プレボテラ・ブレビス(Pre.brevi
s)、プレボテラ・ブカリス(Pre.buccali
s)、プレボテラ・メラニノゲニカ(Pre.mela
ninogenica)、プレボテラ・ディシエンス
(Pre.disiens)、プレボテラ・ロシェイ
(Pre.loescheii)、プレボテラ・デンタ
リス(Pre.dentalis)、プレボテラ・ベロ
ラリス(Pre.veroralis)、プレボテラ・
オウロラ(Pre.oulora)、プレボテラ・デン
ティコーラ(Pre.denticola)、リケネラ
・マイクロフサス(Rikenella.microf
usus)等のバクテロイデスグループ細菌を特異的に
同定できるものである。このようなプローブを作成する
にあたり、そのターゲットには系統分類の指標として信
用性の高い16SrRNA遺伝子を用いた。
【0015】プローブは、データベース(DDBJ)に
登録されているバクテロイデスグループ各菌種の塩基配
列を比較、検討して設計した。ウエラーらが報告したバ
クテロイデスグループとスフィンゴバクテリウムグルー
プに特異的な塩基配列は、(大腸菌のナンバリングで)
719bから736bの領域から選ばれたものであり、
大部分のバクテロイデスグループ細菌に相補的な配列で
あるが、バクテロイデス・ブルゲイタス、バクテロイデ
ス・ディスタソニス、プレボテラ・ブッカエ、プレボテラ
・デンティコラ等においては、736bの1塩基がシト
シンであるため、プローブとは相補的な関係ではなかっ
た。したがって、736bの1塩基をプリン塩基にする
ことによりバクテロイデスグループに相補的なプローブ
を作成した。プローブの全長は、ハイブリダイズの特異
性、反応の行いやすさ等の理由から18b.pとした。
なお、全長をこれ以上延ばすことは、バクテロイデスグ
ループにおいて共通な配列が得られなくなるため、また
全長をこれ以上短くすることはプローブのTm値の増加に
つながりハイブリダイゼーション温度が高くなるため好
ましくない。
【0016】上記のように設計したプローブは、その塩
基配列に従い、DNA合成機により人工的に合成され
る。その特異性は、バクテロイデスグループ細菌19菌株
及びバクテロイデスグループに含まれない2菌株(JC
M,ATCC等から入手)を用いて、rRNAに対する
プローブのバンド形成能を指標として確認した。すなわ
ち、まず、上記の菌株を各々単独で培養した後、ホルマ
リン固定を行った。次いで、これに蛍光色素標識した本
発明のプローブをハイブリッドさせ、蛍光顕微鏡により
ハイブリッドの検出を行った。結果的に、プローブの特
異性に問題は無かった。
【0017】本発明のプローブは、このように菌群特異
性を有するとともに、高い反応性を有する。すなわち、
後述する実施例において明らかな通り、本発明のプロー
ブを用いた場合のハイブリダイゼーション効率はウエラ
ーらのプローブに比べて顕著に高く、このため、糞便等
夾雑物の多いサンプルからでも目的とする菌群を高感度
に検出することができるのである。ここで、ハイブリダ
イゼーション効率とは、ある菌株に対するプローブの結
合能力を示したものである。具体的には、同一の蛍光標
識を行った特異的プローブと真正細菌共通なプローブ(E
UB338)を、同一菌株に対してそれぞれ別々にハイブリダ
イゼーションを行い、EUB338で得られた蛍光強度を100
%とした時の特異的プローブにおける蛍光強度の割合を
求めたものである。また、FISH法等のプローブによる検
出法を用いる際には、菌体内のrRNAに対して直接ハイブ
リダイゼーション反応を行うことが多いという性質上、
rRNA分子内における高次構造化およびrRNAとタンパクと
の複合体形成等の影響により、配列の一致の有無に関わ
らずプローブの標的部位によってハイブリダイゼーショ
ン効率の値は異なってくる。したがって、プローブの評
価においては単にハイブリダイゼーション後のシグナル
の有無を確認するだけではなく、ハイブリダイゼーショ
ン効率を調べることも重要である。
【0018】また、本発明においては、このプローブを
用いて糞便や各種の培養物等の被検体からのバクテロイ
デスグループ細菌の検出、同定を簡便、迅速に行うこと
ができる。このような方法に本発明のプローブを用いる
場合には、単独またはその他の特異的プローブを複数組
み合わせて、蛍光標識等の修飾を行うなどして使用でき
る。ここで、標識に用いる蛍光物質としては、Fluoresc
ein系(FITC,FAM等)、Rhodamine系(TRITC,TAMRA等)、Tex
as Red、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7等が挙げられ、
単独で用いる場合には何れの蛍光物質でも使用できる。
しかし、複数の蛍光物質を同時に用いる場合には、お互
いの蛍光波長が重複しないような組み合わせを選択しな
ければならない。すなわち、Fluorescein系に含まれる
蛍光色素は、何れも同じような蛍光波長の特性を有する
ため、1種類を選択しなければならない。同じように、R
homamine系の蛍光色素とTexas RedおよびCy3は、同じよ
うな蛍光波長の特性を有するため、1種類を選択しなけ
ればならない。その他の蛍光色素は、それぞれ専用の蛍
光フィルターを用いることにより、分別して検出するこ
とが可能である。
【0019】また、本発明のプローブを用いた検出、同
定方法としては、例えば、インサイチュハイブリダイゼ
ーション(in situ hybridizatio
n)や、ドットブロットハイブリダイゼーション(do
t blot hybridization)等が挙げ
られ、中でもインサイチュハイブリダイゼーションは菌
体内の核酸を抽出する工程を必要としないため、迅速な
手法として好ましい。具体的には、検査試料をホルムア
ルデヒドあるいはホルマリンにより固定する工程、固定
した検査試料をスライドグラスまたはメンブレンフィル
ターに塗抹する工程、蛍光標識したプローブによりハイ
ブリダイゼーションを行う工程、ハイブリダイゼーショ
ン後の余分なプローブおよび非特異的に結合したプロー
ブを洗浄する工程、ハイブリダイズ後の結果について蛍
光顕微鏡を用いて肉眼的に観察、あるいはCCDカメラ等
により画像として取得する工程により行われる。また、
本発明のプローブは、公知のユニバーサルプローブやプ
ライマー等と併用することにより、PCR用のプライマ
ーとして用いることも可能である。
【0020】本発明のプローブでは、高頻度に検出され
るバクテロイデスグループ細菌以外の細菌を検出するこ
とは不可能であるものの、これらの菌数等がわかれば検
体の細菌叢に関する様々な情報が得られる。これらの菌
数値は、次の下式1から求められる。
【0021】
【式1】菌数値(試料1gあたりの菌数)=試料の塗抹
面積×試料の希釈倍数×(顕微鏡1視野又は1画像中に
おけるハイブリシグナル陽性の菌体数)/{(顕微鏡1
視野又は1画像の面積)×塗抹量(g)}
【0022】更に、他の多岐にわたる細菌のプローブや
プライマー、例えば特開平11−221082号に記載
されているバクテロイデス属細菌に特異的なプローブや
特開平11−123903号に記載されているビフィド
バクテリウム属細菌に特異的なプローブ等を併用するこ
とにより、腸内細菌叢の主要な構成菌群の解析を簡便、
迅速に行うことも可能である。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】
【実施例1】ホールセルハイブリダイゼーションによる
プローブの特異性の確認 (1)プローブの標識 ハイブリダイゼーションによる検出には、本発明のプロ
ーブ(Bsub719)とポジティブコントロールとし
てユニバーサルプローブであるEUB338(表1)を
用いることとした。オリゴヌクレオチドの5’末端側に
は、Tetramethyl rhodamine is
othiocyanate(TRITC)で蛍光標識した。
【0025】
【表1】
【0026】(2)供試菌株 菌株は、表2に示すバクテロイデス属10菌種、プレボテ
ラ属8菌種、リケネラ属1菌種とヒト腸内細菌叢の主要構
成菌である2菌属2菌種の計21菌株を用いた。これらの菌
株はJCM、ATCC等から入手した基準株及び標準株であ
る。
【0027】
【表2】
【0028】(3)供試菌液の調製 菌株を10mlのGAMブロス液体培地で37℃、10時間
嫌気培養した。培養後の菌体1mlを遠心により集菌
後、PBS緩衝液で2回洗浄した。更に、1mlの1%ホ
ルマリン溶液で再懸濁し、氷中にて30分間静置して固
定した。固定後の菌体をPBS緩衝液で2回洗浄し、1m
lの50%エタノールPBS溶液に再懸濁して、−20℃
に30分間静置したものを供試菌液とした。
【0029】(4)ホールセルハイブリダイゼーション
法 ゼラチンコートしたスライドグラス上に、42の区画
(1区画は3mm四方)を作製し、その1区画ごとに供
試菌液1μlずつ塗抹し、風乾させた。このスライドグ
ラスを96%エタノール中に10分間浸した。
【0030】100μlのハイブリダイゼーション溶液
(750 mM NaCl, 100 mM Tris-HCl(pH 7.8), 5mM
EDTA, 0.01% BSA, 0.2% Poly-A, 10% dextran
sulfate)中に、500ngのDNAプローブを加え、スラ
イドグラス上の菌液塗抹面上に塗布し、カバーグラスを
かけた。このスライドグラスをSET溶液(750mM NaCl,10
0mM Tris-HCl, 5mM EDTA)で湿潤化した40℃の暗箱中
に一晩静置した。
【0031】反応後のスライドグラスを45℃のWash溶液
(50mM NaCl, 4mM Tris-HCl, 0.02mM EDTA)中に20
分間静置した後、滅菌蒸留水にて1回洗浄した。風乾
後、封入剤(VECTASHIELD(登録商標)(Vector Labora
tories))で封入し、蛍光顕微鏡(OLYMPUS BX-FLA)
下でシグナルの有無を観察した。
【0032】このようにして、本発明のプローブを用い
て検出した結果は、分譲機関より入手した株名に相当す
る反応が特異的に見られた(表3)。
【0033】
【表3】
【0034】(5)ハイブリダイゼーション効率の算出 Bsub719とウエラーらが作成したCFB719を用いて、バク
テロイデス・ディスタソニス(B.distasoni
s)、バクテロイデス・ブルゲイタス(B.vulga
tus)、プレボテラ・デンティコーラ(Pre.de
nticola)に対する各プローブのハイブリダイゼ
ーション効率(EUB338の蛍光強度を100 %とした時の各プ
ローブにおける蛍光強度の割合)を算出した。その結
果、バクテロイデス・ディスタソニス、バクテロイデス
・ブルゲイタスおよびプレボテラ・デンティコーラに対
するハイブリダイゼーション効率は、全てBsub719がCFB
719より高い値であり、特にバクテロイデス・ブルゲイ
タスに対しては両者の値に2倍の差があった(表4)。
【0035】
【表4】
【0036】
【実施例2】大便中におけるバクテロイデスグループの
定量 (1)プローブの標識 ハイブリダイゼーションによる検出には、本発明のプロ
ーブ(Bsub719)と比較対照としてウエラーらのプ
ローブ(CFB719)、およびポジティブコントロール
としてユニバーサルプローブであるEUB338を用い
ることとした。オリゴヌクレオチドの5’末端側には、
Tetramethyl rhodamine iso
thiocyanate(TRITC)で蛍光標識した。
【0037】(2)大便試料の処理方法 健常成人の新鮮排泄便を冷PBS緩衝液で10倍希釈し、そ
の一部に3倍量の4%パラホルムアルデヒド-PBS溶液を加
えて、一晩4℃に静置して固定した。この固定済み大便
は、使用時まで−80℃にて保存した。
【0038】(3)固定済み大便試料のハイブリダイゼ
ーション法 ゼラチンコートしたスライドグラス上の1cm四方の区画
に200から1600倍に希釈した固定済み大便試料を10μ
lずつ塗抹し、風乾させた。このスライドグラスを96
%エタノール中に10分間浸した。100μlのハイブ
リダイゼーション溶液(750mM NaCl, 100mM Tris-HC
l(pH 7.8), 5mM EDTA, 0.01 % BSA, 0.2% Poly
-A, 10% dextran sulfate)中に、500ngの上記DN
Aプローブを加え、スライドグラス上の大便塗抹面上に
塗布し、カバーグラスをかけた。このスライドグラスを
SET溶液(750mM NaCl, 100mM Tris-HCl, 5mM EDTA)
で湿潤化した40℃の暗箱中に一晩静置した。
【0039】反応後のスライドグラスを45℃のWash溶液
(50mM NaCl, 4mM Tris-HCl, 0.02mM EDTA)中に20
分間静置した後、滅菌蒸留水にて1回洗浄した。風乾
後、封入剤(VECTASHIELD(登録商標)(Vector Labora
tories))で封入し、蛍光顕微鏡(OLYMPUS BX-FLA)
下で肉眼的またはCCDカメラを用いて画像を取得してシ
グナル陽性の菌体数を測定した。
【0040】(4)菌数の算出法および菌数測定結果 これらの菌数値は、次式から求めた。すなわち、試料1
gあたりの菌数=試料の塗抹面積/顕微鏡1視野あるい
は1画像の面積×試料の希釈倍数×1/塗抹量(g)×顕
微鏡1視野あるいは1画像中におけるハイブリシグナル
陽性の菌体数である。なお、同一サンプルに対して最低
10視野の測定を行い、その平均値を菌数の代表値とし
た。また、菌数測定結果を表5に示した。その結果、Bs
ub719で検出した菌体数は、実施した4例全てにおいてCF
B719で検出した菌体数より多く、培養法により検出され
た菌体数とほぼ同程度であった。
【0041】
【表5】
【0042】
【発明の効果】本発明のプローブを使用すれば、ヒト腸
内で高頻度に検出されるバクテロイデスグループ細菌の
検出、同定を簡便、迅速且つ高感度に行うことができ
る。また、他の細菌類等に特異的なプローブ、プライマ
ーなどと組み合わせれば、腸内細菌叢の解析も迅速、簡
便に行え、細菌叢の状態から個体の消化管の状態を把握
することも可能である。
【0043】
【配列表】 <110>株式会社ヤクルト本社(KABUSHIKIKAISHA YAKULT HONSHA) <120>Probe for Bacteroides group <130>YPA01001 <160>1 <210>1 <211>18 <212>DNA <213>Artificial Sequence <400>1 (A/G)GCTGCCTTC GCAATCGG 18
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12N 15/09 C12N 15/00 A (72)発明者 野本 康二 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内 Fターム(参考) 2G045 AA28 CB21 DA12 DA13 DA14 FB02 FB07 FB12 GC15 4B024 AA11 BA80 CA01 CA09 CA11 HA12 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ03 QQ06 QQ42 QQ52 QR55 QS34 QS36 QX02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1で表される塩基配列又は該塩
    基配列に相補的な配列を有するバクテロイデスグループ
    細菌に特異的なDNAプローブ
  2. 【請求項2】 請求項1記載のDNAプローブを用いるこ
    とを特徴とするバクテロイデスグループ細菌の検出方
    法。
  3. 【請求項3】 バクテロイデスグループ細菌が、バクテ
    ロイデス・ブルゲイタス、バクテロイデス・オバタス、
    バクテロイデス・カッカエ、バクテロイデス・フラギリ
    ス、バクテロイデス・ユニフォルミス、バクテロイデス
    ・セタイオタオミクロン、バクテロイデス・ディスタソ
    ニス、バクテロイデス・ステルコリス、バクテロイデス
    ・エガーシ、バクテロイデス・メルダエ、バクテロイデ
    ス・スプランチニカス、バクテロイデス・プトレディニ
    ス、ポルフィロモナス・マカカエ、ポルフィロモナス・
    ギンギバリス、プレボテラ・ルミニコラ、プレボテラ・
    ブレビス、プレボテラ・ブッカエ、プレボテラ・ブカリ
    ス、プレボテラ・オリス、プレボテラ・メラニノゲニ
    カ、プレボテラ・ディシエンス、プレボテラ・ロシェ
    イ、プレボテラ・デンタリス、プレボテラ・ベロラリ
    ス、プレボテラ・オウロラ、プレボテラ・デンティコー
    ラ、リケネラ・マイクロフサスから選ばれる1ないし2
    以上のバクテロイデスグループ細菌である、請求項2記
    載のバクテロイデスグループ細菌の検出方法。
  4. 【請求項4】 次の(a)及び(b)工程 (a)被検体と蛍光色素で標識したプローブとを反応させ
    る工程 (b)反応後の被検体の蛍光を検出する工程 を含むことを特徴とする請求項2記載のバクテロイデス
    グループ細菌の検出方法。
JP2001341560A 2001-11-07 2001-11-07 バクテロイデスグループ細菌用プローブおよびこれを用いた検出方法 Pending JP2003144200A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001341560A JP2003144200A (ja) 2001-11-07 2001-11-07 バクテロイデスグループ細菌用プローブおよびこれを用いた検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001341560A JP2003144200A (ja) 2001-11-07 2001-11-07 バクテロイデスグループ細菌用プローブおよびこれを用いた検出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003144200A true JP2003144200A (ja) 2003-05-20

Family

ID=19155569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001341560A Pending JP2003144200A (ja) 2001-11-07 2001-11-07 バクテロイデスグループ細菌用プローブおよびこれを用いた検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003144200A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008118913A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Canon Inc プローブ、プローブセット、プローブ固定担体及び遺伝子検査方法
JP2008118911A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Canon Inc プローブ、プローブセット、プローブ固定担体及び遺伝子検査方法
JP2008527988A (ja) * 2005-01-25 2008-07-31 ユニヴァーシティ・オヴ・リーズ 腸内細菌による生物活性物質の制御された産生および送達

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008527988A (ja) * 2005-01-25 2008-07-31 ユニヴァーシティ・オヴ・リーズ 腸内細菌による生物活性物質の制御された産生および送達
JP2008118913A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Canon Inc プローブ、プローブセット、プローブ固定担体及び遺伝子検査方法
JP2008118911A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Canon Inc プローブ、プローブセット、プローブ固定担体及び遺伝子検査方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Welling et al. 16S ribosomal RNA-targeted oligonucleotide probes for monitoring of intestinal tract bacteria
EP0497464A1 (en) Rapid microbial diagnostics by in situ hybridization in aqueous suspension
Amann et al. Identification and in situ detection of individual bacterial cells
EP0842298B1 (en) Methods and materials for determining relative abundance of microorganisms in mixed populations
KR102007951B1 (ko) 조류인플루엔자 바이러스 실시간 유전자(m, h5, h7) 진단용 프라이머 및 프로브 세트 및 이의 이용
CN114891902A (zh) 一种基于液滴数字pcr快速检测五种烈性病原菌的引物探针组合及其应用方法
CN104017889A (zh) 一种快速检测结核分枝杆菌的分子信标探针及检测方法
JP2002543800A (ja) 試料中の微生物を検出する方法
WO2005005659A1 (en) Diagnostics of diarrheagenic escherichia coli (dec) and shigella spp.
JPH06502305A (ja) 腔感染症に関連する微生物を検出するために有用な方法及び薬学キット
JP2003144200A (ja) バクテロイデスグループ細菌用プローブおよびこれを用いた検出方法
Satokari et al. Multiplexed quantification of bacterial 16S rRNA by solution hybridization with oligonucleotide probes and affinity capture
JP2013504319A (ja) ヘリコバクター・ピロリ及び/又はクラリスロマイシン抵抗性を検出するためのペプチド核酸プローブ、キット及び方法、及びその使用
JP2006500010A5 (ja)
JP3902941B2 (ja) プレボテラクラスター細菌用プローブおよびこれを用いた検出方法
CN104031129A (zh) 用于检测金黄色葡萄球菌和/或表皮葡萄球菌的肽核酸探针组及其试剂盒、使用方法、用途
KR102274011B1 (ko) 결핵균 및 비결핵항산균을 동시에 감별하여 검출할 수 있는 고감도 다중 등온증폭반응용 프라이머 세트
WO2021039777A1 (ja) 関節リウマチを検査する方法
JP2005532818A5 (ja)
US20130005593A1 (en) RNA-Oligonucleotide Quantification Technique for the Enumeration of Uncultivated Bacterial Species
EP2553120B1 (en) Peptide nucleicacid probe, kit and method for detection and/or quantification of salmonella spp. and applications thereof
JP2011521665A (ja) サルモネラ検出アッセイ
KR20200048082A (ko) 쯔쯔가무시균 감염 질환 진단용 키트
Kaoud Hussein Advanced technology for the diagnosis of fish diseases
EP1445331A1 (en) Molecular biological identification techniques for microorganism

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060711