JP2003144158A - コンピテント細胞の迅速形質転換法 - Google Patents

コンピテント細胞の迅速形質転換法

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JP2003144158A
JP2003144158A JP2002324057A JP2002324057A JP2003144158A JP 2003144158 A JP2003144158 A JP 2003144158A JP 2002324057 A JP2002324057 A JP 2002324057A JP 2002324057 A JP2002324057 A JP 2002324057A JP 2003144158 A JP2003144158 A JP 2003144158A
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JP2002324057A
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Tzu Chih Chen
子智 陳
Wei Ni Hua
薇▲尼▼ 花
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YEASTERN BIOTECH CO
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YEASTERN BIOTECH CO
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/87Introduction of foreign genetic material using processes not otherwise provided for, e.g. co-transformation

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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラスミドDNAで細菌を形質転換するときの
作業時間を短縮すること、および、自動形質転換装置で
実施できる迅速形質転換法を提供すること。 【解決手段】室温またはウォーターバスの中の容器(1
5)の中でコンピテント細胞(10)を解凍するステッ
プと、前記容器の中でプラスミドDNAおよびコンピテ
ント細胞(20)を混合し、混合物(30)にするステ
ップと、前記容器の中の前記混合物を約0〜180秒間
加熱して熱ショック処理するステップと、約−90℃〜
30℃の植えつけ器具により、前記混合物を約0℃〜3
0℃の選択培地(40)に植えつけるステップと、形質
転換細胞を得るために、選択培地(50)の上で前記混
合物を培養するステップとを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は細胞への遺伝子導入
法、より具体的には、コンピテント細胞の迅速形質転換
法に関する。
【0002】
【従来の技術】DNA分子の透過性を高める前処理を施
した宿主細胞をコンピテント細胞という。培地中のDN
A分子を宿主細胞の中に送達する技術を形質転換とい
う。最近の遺伝子工学の進歩を考慮すると、コンピテン
ト細胞の作成およびコンピテント細胞の形質転換は非常
に重要である。
【0003】上記の技術は、CaClを用いる化学的
形質転換法を発表したマンデル、M.およびヒガ、A.
(Mandel、M.and Higa、A.、非特許
文献1)まで遡ることができる。その後の30年間の改
良を経た今なお、形質転換に要する時間は1.5〜3.
0時間であるが、それは、前記宿主細胞が化学的処理に
より損傷を受けるためである。この損傷を受けた宿主細
胞を回復させるステップが必要である。この回復させる
ステップでは、前記損傷を受けた宿主細胞はその生理機
能と薬剤耐性とを回復することができるように、栄養培
地で培養される。その後、前記宿主細胞は、形質転換に
成功した宿主細胞をスクリーニングするために、選択培
地の上に植えつけられる(plated)。こうしない
と、形質転換の効率に数倍の影響がある。近年、エレク
トロポレーション法という迅速な形質転換法が開発され
た。このエレクトロポレーション法は、一過性の電流に
より大腸菌宿主細胞の中にDNA分子を送達することが
できるが、この一時的な電流処理後の前記宿主細胞は、
高い形質転換効率を得るためには、やはり1時間の回復
を必要とする(非特許文献2)。1988年にゴルブ、
E.I.(Golub、E.I.、非特許文献3)が1
分間形質転換法を発表した。しかし、前記形質転換法で
は、回復させるステップを行うにもかかわらず、形質転
換効率は10 〜10コロニー/μgプラスミドDN
Aにすぎない。
【0004】
【非特許文献1】Mandel、M. and Hig
a、A.、J.Mol.Biol.(ジャーナル・オブ
・モレキュラー・バイオロジー)、53巻、159−1
62頁)
【非特許文献2】Dower(ダウワー)ら、Nucl
eic Acids Res.(ニュークレイック・ア
シッズ・リサーチ)、16巻、6128−6145頁、
1988年)
【非特許文献3】Golub、E.I.、Nuclei
c Acids Res.、16巻、1641頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、作業
時間を節約するために、コンピテント細胞の迅速形質転
換法を提供することである。本発明の別の目的は、自動
形質転換装置により実行される、迅速形質転換法を提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る迅速形質転
換法は、室温でまたはウォーターバスの中の容器の中で
コンピテント細胞を解凍するステップと、混合物を形成
するために、プラスミドDNAと前記コンピテント細胞
とを前記容器の中で混合するステップと、熱ショック処
理を施すために、前記容器の中の前記混合物を約0〜1
80秒間加熱するステップと、約−90°C〜30°C
の植えつけ器具により、前記混合物を約0°C〜30°
Cの選択培地に植えつけるステップと、形質転換細胞を
得るために、前記混合物を前記選択培地の上で培養する
ステップとをを含む。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施態様では、
前記迅速形質転換法は以下のステップを含む。容器の中
のコンピテント細胞は、室温でまたはウォーターバスの
中で解凍される。プラスミドDNAと、コンピテント細
胞とは前記容器の中で混合され、その混合物は約0〜1
80秒間熱ショック処理を施される。前記混合物を、約
−90°C〜30°Cの植えつけ器具により約0°C〜
30°Cの選択培地の上に植えつけた後、前記混合物
は、形質転換細胞を得るために、前記選択培地の上で培
養される。
【0008】別の好ましい実施態様では、上記の混合す
るステップと、上記の加熱するステップとの間に、約0
〜90分間アイスバスの中で前記コンピテント細胞をイ
ンキュベーションをするステップが挿入されることがあ
る。前記加熱するステップと、上記の植えつけるステッ
プとの間に、約0〜60分間前記コンピテント細胞をア
イスバスの中でインキュベーションをする別のステップ
が挿入される場合がある。
【0009】上記のとおり、従来の形質転換法の回復さ
せるステップは省略され、前記形質転換細胞は、低温の
植えつけ器具により、低温の選択培地の上に直接植えつ
けられる。そのため、従来必要とされた回復時間が1.
5〜3.0時間であったのに対し、本発明の方法は、数
分、またことによると、数秒しか要しない。
【0010】上記の短い作業時間に加えて、前記迅速形
質転換法の別の長所は、1つの容器が解凍するステップ
から植えつけるステップまで使用できることである。し
たがって、自動形質転換装置を前記迅速形質転換法を実
行するために使用することができる。
【0011】自動形質転換装置によって行われる迅速形
質転換法では、コンピテント細胞は、最初に室温の第1
のタンクに置かれた容器の中で解凍される。それから、
プラスミドDNAが前記容器の中にピペットで注入さ
れ、混合物となるように、マイクロピペットにより前記
容器の中の前記コンピテント細胞と混合される。次に、
前記容器の中の前記混合物が熱ショック処理を施される
ように、前記容器は、温度制御ユニットにより加熱され
た第2のタンクにロボットアームにより約0〜180秒
間移される。約0°C〜30°Cの選択培地を入れたプ
レートと、該プレート上の−90°C〜30°Cの植え
つけ器具とは、プレート装填ユニット(plate−l
oading unit)により提供される。前記植え
つけ器具は、前記混合物を塗布するために、植えつけユ
ニット(plating unit)により前記選択培
地の上を動く。最後に、前記混合物は、形質転換細胞を
得るために、インキュベーションユニット(incub
ating unit)の中で前記選択培地の上で培養
される。
【0012】したがって、室温の第1のタンクの中に置
かれた容器の中でコンピテント細胞を解凍すること、前
記容器の中にプラスミドDNAをピペットで注入して、
混合物となるように、マイクロピペットにより前記容器
の中の前記コンピテント細胞と混合すること、前記容器
の中の前記混合物が熱ショック処理を施されるように、
温度制御ユニットにより加熱された第2のタンクに、前
記容器をロボットアームにより約0〜180秒間移すこ
と、プレート装填ユニットにより、約0°C〜30°C
の選択培地を入れたプレートを提供すること、植えつけ
ユニットにより、前記選択培地の上の約−90°C〜3
0°Cの植えつけ器具を提供すること、前記混合物を前
記選択培地の上に塗布するために、前記植えつけユニッ
トにより前記植えつけ器具を動かすこと、および、形質
転換細胞を得るために前記選択培地の上の前記混合物を
インキュベーションユニットの中で培養することを含
む、自動形質転換装置により実行される迅速形質転換法
を提供することが本発明の別の目的である。
【0013】従来の形質転換法の回復させるステップ
は、最も時間がかかり、かつ、面倒なステップである。
前記回復させるステップでは、SOCまたはLB液体培
地を入れた新しいチューブが必要であり、液体培地と形
質転換細胞とを入れた前記チューブは、少なくとも1〜
2時間振盪しながら37°Cでインキュベーションをす
る必要がある。前記回復させるステップを省略すること
ができるか、あるいは、前記回復させるステップに要す
る時間を短縮することができると、形質転換法は非常に
簡単になる。
【0014】従来の形質転換法では、抗生物質耐性プラ
スミドのDNAを吸収した形質転換細胞をSOCまたは
LB液体培地中で37°Cで1.0〜2.0時間振盪培
養することにより回復させるステップは、通常、植えつ
けるステップおよび選択するステップの前に行う。前記
回復させるステップの目的は、上記の吸収したプラスミ
ドDNAが抗生物質耐性を発現するための時間を前記形
質転換細胞に与えることである。これにより、前記形質
転換細胞は、前記選択するステップにおいて抗生物質の
含む選択培地の中で生き残ることができる。前記回復さ
せるステップに要する時間を短縮するときには、前記形
質転換細胞に抗生物質耐性をより迅速に発現させるため
に、解凍するステップ、アイスバスの中でインキュベー
ションをするステップ、および熱ショックのステップの
間に宿主細胞に生じる損傷も減らさなければならない。
【0015】本発明の好ましい実施態様では、前記迅速
形質転換法は、以下のステップを含む。チューブの中の
コンピテント細胞は、室温でまたはウォーターバスの中
で解凍される。プラスミドDNAとコンピテント細胞と
を前記チューブの中で混合して、その後、この混合物は
熱ショック処理を施される。前記混合物を低温の植えつ
け器具により低温の選択培地の上に植えつけた後、前記
コンピテント細胞は前記選択培地の上で培養される。
【0016】本発明の好ましい実施態様では、前記形質
転換細胞は前記低温の選択培地の上に直接植えつけられ
るのであって、前記植えつけるステップおよび選択する
ステップの前に行われるのが通常である、従来の回復さ
せるステップは省略される。したがって、複数のステッ
プ(複数のチューブ)および時間がかかること(約1,
5〜3.0時間)のような、前記従来の形質転換法の短
所は、所要時間が短いこと(数秒ないし数分)および1
本のチューブを使用することのような、本発明の長所に
より解決される。
【0017】一般に、コンピテント細胞は−70°Cで
保存される。プラスミドDNAとコンピテント細胞とを
混合する前、まず前記コンピテント細胞を解凍しなけれ
ばならない。前記コンピテント細胞を解凍する方法は、
ゆっくりと解凍するために、アイスバスの中で約5〜3
0分間インキュベーションをすることである。前記コン
ピテント細胞を迅速に解凍する方法は、ウォーターバス
の中で約5秒〜5分間インキュベーションをすることで
ある。
【0018】前記コンピテント細胞は、例えば、HB1
01、DH5α、GM2929、XL1−Blue、T
G1、BL21、JM109等のさまざまな大腸菌(E
scherichia coli)の菌株から調製する
ことができる。大腸菌は、最も広範に応用される微生物
である。特に、分子生物学および遺伝子工学の分野で
は、大腸菌の変異体は、異なる種類のDNAまたはタン
パク質を大量生産するために実験室で使用される必須の
宿主細胞である。
【0019】それから、プラスミドDNAと前記コンピ
テント細胞とは混合される。前記コンピテント細胞につ
いて特別な限定条件は全く必要ではない。前記コンピテ
ント細胞は、いかなる商業的に入手可能な供給源から購
入することもでき、あるいはいかなる既知の技術によっ
て作成することもできる。前記プラスミドDNAは、い
かなる天然の供給源から得ることもでき、あるいは遺伝
子工学による組み換えの後に得ることもできる。前記コ
ンピテント細胞と前記プラスミドDNAとは、指で前記
チューブをそっと逆さまにするか、シェーカで前記チュ
ーブを激しく振盪するか、といういずれかにより、混合
することができる。
【0020】均一に混合した後、前記プラスミドDNA
と前記コンピテント細胞との混合物は、熱ショック処理
のために、約36°C〜48°Cのウォーターバスの中
でインキュベーションをされる。前記熱ショック処理に
必要な時間は、約0〜180秒間が好ましく、約10〜
90秒間がより好ましい。
【0021】次に、前記混合物は、低温の植えつけ器具
により、低温の選択培地の上に植えつけられる。前記植
えつけ器具は、ガラスビーズまたはガラス製ループのよ
うな、従来の器具でよい。前記植えつけ器具の温度は、
約−90°C〜30°Cが好ましく、約−20°C〜8
°Cがより好ましい。前記選択培地の温度は、約0°C
〜30°Cが好ましく、約0°C〜4°Cがより好まし
い。
【0022】最後に、前記コンピテント細胞は前記選択
培地の上で培養される。抗生物質が前記選択培地に添加
される。前記抗生物質の量は、必要に応じ、あるいは既
知の技術によって加減することができる。例えば、アン
ピシリンのような抗生物質の濃度は、約25〜100μ
g/mlである。
【0023】本発明の別の好ましい実施態様によると、
アイスバスの中でインキュベーションをするステップ
を、前記回復させるステップと上記の熱ショック処理の
ステップとの間に挿入することができる。すなわち、前
記プラスミドDNAと前記コンピテント細胞とを混合し
た後、前記混合物をアイスバスの中でインキュベーショ
ンをし、それから、前記熱ショック処理を施すのであ
る。前記混合物を前記アイスバスの中でインキュベーシ
ョンをする時間は、約0〜90分が好ましく、約0〜3
0分がより好ましい。アイスバスの中でインキュベーシ
ョンをする別のステップを、前記熱ショック処理のステ
ップと前記植えつけるステップとの間に挿入することが
できる。前記アイスバスの中に前記混合物をインキュベ
ーションをする時間は、約0〜60分が好ましく、約0
〜30分がより好ましい。
【0024】
【実施例】コンピテント細胞の調製 本発明のコンピテント細胞は以下の4つの化学的方法に
より作成された。前記4つの化学的方法とは、CaCl
法(Mandel、M.およびHiga、A.、19
70年、J.Mol.Biol.53巻、159−16
2頁)、TB法(Inoue、H.(イノウエ、
H.)、1990年、Gene(ジーン)、96巻、2
3−28頁)、TSS法(Chung、C.T.(チュ
ン、C.T.)、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA.(米国科学アカデミー会報)、86巻、2
172−2175頁)およびTFB法(Hanaha
n、D.(ハナハン、D.)、1983年、J.Mo
l.Biol.、166巻、557−580頁)であ
る。使用した大腸菌の菌株は、分子生物学の研究に慣用
されている、DH5αであった。DH5α株の遺伝子型
の情報は、F(φ80d lacZΔM15) Δ
(lacZYA−argF) U169 supE44
hsdR17(r− m ) recA1 gy
rA96 endA1 thi−1 relA1 de
oR λである。
【0025】前記形質転換法の手順では、DH5α株の
1つのクローンをLB液体培地に接種し、約37°Cで
約16時間培養した。次に、DH5α株の細胞は、もと
の濃度の約1/100の濃度にLB液体培地で希釈され
た。それから、希釈されたDH5α株の細胞の液を4本
のボトルに分注し、吸光度が約0.2〜0.6になるま
でLB液体培地で連続培養した。その後、コンピテント
細胞がそれぞれ上記の4つの化学的方法で作成され(M
ethods in Enzymology(メソッズ
・イン・エンザイモロジー)、1991年、204巻、
63−113頁)、約−70°Cで保存された。
【0026】実施例1 従来の形質転換法の効率 「コンピテント細胞の調製」の項に記載の前記4つの化
学的方法により調製されたコンピテント細胞は、プラス
ミドpUC19で形質転換された。作業ステップおよび
時間は表1に示される。プラスミドpUC19のテスト
された濃度は10−4または10−5μg/μlで、使
用量は各回1μlであった。用いたコンピテント細胞の
量は毎回100μlであった。解凍は、Methods
inEnzymology、1991年、204巻、
63−113頁に記載のさまざまな形質転換法によって
実施された。表1に示すとおり、従来の形質転換法の所
要時間は約1.5〜3.0時間であった。
【0027】
【表1】従来の形質転換法(CaCl、TSS、TB
およびTFB法)の作業ステップおよび所要時間 前記抗生物質の添加された濃度は、例えばアンピシリン
については、通常、25〜60μg/mlである。40
μg/mlのアンピシリン入りのLB寒天ゲル中(以下
「LBAp40」という。)が本発明の一連のテストに
用いられた。
【0028】前記4つの化学的方法により調製されたコ
ンピテント細胞の形質転換効率は、表2に示される。こ
れらの結果は関連文献に発表された結果と適合する。し
たがって、「コンピテント細胞の調製」の項で調製され
たコンピテント細胞は、本発明の形質転換法をテストす
るために用いることができる。
【0029】
【表2】「コンピテント細胞の調製」の項に記載の前記
4つの化学的方法によって調製されたコンピテント細胞
の形質転換効率
【0030】実施例2〜14 各ステップの所要時間の影響 多くの商業化された化学的なコンピテント細胞は改良さ
れたTFB法により調製されているため(ストラタジー
ン、プロメガ、インビトロジェンおよびライフ・テクノ
ロジー各社から購入したコンピテント細胞の指示マニュ
アルからの要約)、TFB法により調製されたコンピテ
ント細胞(以下「TFBコンピテント細胞」という。)
が以下のテストに用いられた。実施例2〜14の結果は
各ステップの形質転換効率への影響を示す(表3)。
【0031】
【表3】各ステップの形質転換効率への影響
【0032】前記形質転換のプロセスは、冷凍庫に保存
された前記コンピテント細胞を、約5〜20秒間25°
Cのウォーターバスの中で迅速に解凍することから始ま
った。前記コンピテント細胞の1/2〜1/4が解凍状
態になったときに、前記プラスミドDNAが前記コンピ
テント細胞に添加された。それから、指で弾いて前記プ
ラスミドDNAと前記コンピテント細胞とを均一に混合
した。その後のステップは表3に示す。
【0033】驚いたことに、表3の実施例2に示すとお
り、前記植えつけるステップを除いて、形質転換の過程
全作業時間は45秒に短縮できる。前記形質転換のプロ
セスのうち、熱ショック処理の前後に行う前記プラスミ
ドDNAと前記コンピテント細胞との混合物を氷の上に
置くステップと、培養するステップとは省略可能であ
る。実施例2の形質転換効率は表2に記載の従来の形質
転換法の形質転換効率に匹敵する。
【0034】植えつけ器具および選択培地の温度の効果 「コンピテント細胞の調製」の項に記載の化学的方法に
よって調製された4種類のコンピテント細胞は、実施例
2の手順で形質転換された。そして、植えつけ器具およ
び選択培地の温度の影響をテストするために、異なる温
度の植えつけ器具、すなわち、4mmガラスビーズと、
室温または4°Cの選択培地とが用いられた。結果を表
4に示す。表4の結果から、低温の植えつけ器具および
選択培地は、細胞コンピテント細胞の形質転換効率を上
げることが示される。
【0035】
【表4】植えつけ器具または選択培地の形質転換効率へ
の影響 コンピテント細胞は、それぞれCaCl法、TB
法、TSS法およびTFB法という化学的方法により調
製される。
【0036】実施例15〜22 熱ショック処理の時間の影響 「コンピテント細胞の調製」の項に記載の化学的方法に
より調製された4種類のコンピテント細胞は実施例2の
手順によって形質転換された。カラスビーズおよびLB
Ap40培地は両方とも4°Cであった。しかし、熱シ
ョック処理の時間の影響をテストするため、熱ショック
(42°Cのウォーターバス)の処理時間を変化させ
た。結果を表5に示す。
【0037】
【表5】熱ショック処理の時間の影響
【0038】表5から、熱ショック処理なしの場合の形
質転換効率(実施例15)は、熱ショック処理ありの場
合の形質転換効率(実施例16〜22)に匹敵する。熱
ショック処理ありの場合の形質転換効率は、約10〜9
0秒間の場合の方が良好である(実施例16〜20)。
したがって、表3および5の結果から、冷却および加熱
の処理時間が短縮され、LBまたはSOC液体培地の中
で回復させるステップが省略されたときでも、従来の方
法の結果に匹敵するか、あるいはそれ以上に良好な結果
を得ることができる。形質転換効率は上記の商業化され
た標準の形質転換効率に近い。
【0039】迅速形質転換法の適用可能性 コンピテント細胞は、「コンピテント細胞の調製」の項
に記載のTB法およびTFB法により調製された。表6
に示すとおり、使用した大腸菌の菌株はDH5αおよび
JM109で、プラスミドDNAはpUC19、pBR
322およびpUC4Kであった。
【0040】
【表6】プラスミドpUC19、pBR322およびp
UC4Kのデータ
【0041】選択培地に添加された抗生物質は、アンピ
シリン(Ap)、カナマイシン(Km)、テトラサイク
リン(Tc)、Ap/KmおよびAp/Tcであった。
使用した植えつけ器具すなわちガラスビーズと、選択培
地とは4°Cであった。結果を表7に示す。表7から、
形質転換効率は、10形質転換クローン/μg プラ
スミドより高かいことがわかった。そこで、前記迅速形
質転換法は、さまざまな大腸菌の菌株と、選択培地とに
ついて広範な適用可能性がある。
【0042】
【表7】異なる菌株、プラスミドおよび抗生物質に対す
る前記迅速形質転換法の適用可能性
【0043】1.使用したプラスミドの量は1回の形質
転換あたり10−4μgであった。 2.使用した抗生物質Ap、KmおよびTcの濃度は、
それぞれ、40μg/ml、25μg/mlおよび1
2.5μg/mlであった。
【0044】植えつけ器具の形状の影響 形質転換効率は、植えつけ器具として、ガラスビーズを
使用するか、あるいはガラスループを使用するかによっ
てはほとんど影響を受けなかった(結果示さず)。した
がって、植えつけ器具の形状は、形質転換効率には明白
な影響を与えなかった。
【0045】実施例23〜39 YEAコンピテント細胞への実用的な応用 Yeastern Biotech Co.、Ltd.
のYEAコンピテント細胞(DH5α由来の菌株をTF
B法で調製したコンピテント細胞)は、従来の形質転換
法(2時間プロトコール)により形質転換された。前記
YEAコンピテント細胞の形質転換効率は、1x10
〜5x10形質転換クローン/μgプラスミドであっ
た。
【0046】前記YEAコンピテント細胞は、本発明の
迅速形質転換法によって形質転換された。冷凍庫に保存
されたYEAコンピテント細胞は、25°Cのウォータ
ーバスの中で約5〜20秒間迅速に解凍された。前記コ
ンピテント細胞の1/2〜1/4が解凍状態のときに、
プラスミドpUC19のDNAが細胞コンピテント細胞
に添加された。それから、チューブを弾くことにより、
プラスミドpUC19と前記コンピテント細胞とが均一
に混合された。植えつけ器具、ガラスビーズおよび選択
培地は4°Cで保存された。残りのステップを表8に示
す。
【0047】表8に示す実験結果から、所要時間が、従
来の形質転換法の1.5〜3.0時間(表1)から、前
記迅速形質転換法の1分間未満(実施例23および実施
例29〜31、表8)まで短縮されることが証明され
た。表8に示した前記迅速形質転換法の形質転換効率
は、10〜10形質転換クローン/μg pUC1
9DNAに到達することができる。
【0048】
【表8】YEAコンピテント細胞の形質転換効率
【0049】
【表9】迅速形質転換法の大腸菌のさまざまな菌株への
適用可能性
【0050】
【0051】他の大腸菌の菌株のコンピテント細胞が、
前記YEAコンピテント細胞が調製されたのと同じ方法
で調製され、前記迅速形質転換法により形質転換され
た。(表9に掲げた)形質転換効率は10〜1010
形質転換コロニー/μgプラスミドであり、商業化の水
準(10〜1010形質転換コロニー/μgプラスミ
ド)に達している。表9に掲げた形質転換効率は、ゲノ
ムDNAライブラリまたはcDNAライブラリのような
高度なクローニングには不十分であるが、サブクローニ
ングまたはTAクローニングのような分子生物学実験用
の一般的なクローニングには十分である。
【0052】自動化された迅速形質転換法 作業時間の短縮に加え、大腸菌の迅速形質転換法には、
解凍するステップから植えつけるステップまで1本のチ
ューブで済ませることができるという、別な長所があ
る。したがって、迅速形質転換法によって、多数の形質
転換を同時に行うことができる。例えば、24、96、
384個またはそれ以上の数の形質転換をアレイ状の配
置で行うことができる。
【0053】さらに、迅速形質転換法では1本のチュー
ブしか必要でないことおよび回復させるステップを省略
することのおかげで、大腸菌の迅速形質転換法を実行し
て時間および経費を節約するために、自動形質転換装置
を使用することができる。前記自動形質転換装置は、例
えば、温度制御ユニット、マイクロピペット、ロボット
アーム、プレート装填ユニット、植えつけユニットおよ
びインキュベーションユニットを含む。
【0054】温度制御ユニットは、解凍、熱ショック処
理および低温ショック処理の各ステップにおいて、プラ
スミドおよび/またはコンピテント細胞か、選択培地か
を入れる容器を保持するためのドライバスのような異な
るタンクの異なる温度を制御するために使用される。前
記容器は、例えば、マルチウェルプレートであってもよ
い。前記ロボットアームは、前記容器を異なる温度のタ
ンクの間を移動させるために使用される。
【0055】マルチチャンネルマイクロピペットのよう
なマイクロピペットが、プラスミドDNAを前記容器に
ピペット操作で注入し混合するために使用される。前記
マイクロピペットは、上記の混合物を選択培地の上にピ
ペット操作で滴下するために使用される。プレート装填
ユニットは、約0°C〜30°Cの選択培地を入れたプ
レートを積み上げて提供するために使用される。植えつ
けユニットは、前記混合物を選択培地の上に均一に塗布
するために、選択培地の上に植えつけ器具を提供し、該
植えつけ器具を水平運動、または軌道運動(orbit
ally)をするように、振盪のような動きをさせるた
めに使用される。前記植えつけ器具は、例えば、4mm
ガラスビーズであってもよい。そして、前記ロボットア
ームは、前記植えつけるステップが実行された後、前記
選択培地の上の植えつけ器具を取り除くことができる。
前記インキュベーションユニットは、前記プレートの中
の選択培地の上でコンピテント細胞を増殖させるため
に、約37°Cのような適当な温度を提供するために使
用される。
【0056】好ましい実施例はここに示される。約8〜
10個のガラスビーズと、約8〜384個のウェルのよ
うな複数のウェルを有する回収プレートとを含む各プレ
ートが用意される。前記回収プレートは、例えば、EL
ISA用プレートであってもよい。約−70°Cで保存
されたコンピテント細胞は、約10〜200μl/ウェ
ルの量が前記ウェルに添加される。
【0057】前記回収プレートはマニホルド基部に配置
され、約0.1〜20μlのプラスミドDNAが各ウェ
ルに添加される。そして、前記コンピテント細胞および
プラスミドDNAは、2〜5秒間シェーカで振盪する
か、またはマルチチャンネルマイクロピペットで前記ウ
ェル中の混合物を2〜3回ピペット操作で上下するかに
より、完全に混合される。前記回収プレートは、ロボッ
トアームによってヒータまたはドライバスブロックに移
され、約0〜180秒間約42°Cで加熱されて、熱シ
ョック処理を施される。
【0058】選択培地を入れたプレートは、プレート装
填ユニットから前記マニホルド基部までロボットアーム
によって移動される。前記形質転換細胞は前記ウェルか
ら前記選択培地に前記マルチチャンネルマイクロピペッ
トによりピペット操作で移され、植えつけユニットによ
りガラスビーズが前記選択培地の上に添加される。前記
植えつけユニットは前記選択培地の上のガラスビーズを
動かして、前記選択培地の上に形質転換細胞を均一に塗
布する。それから、前記ロボットアームは前記プレート
を傾けて前記ガラスビーズを前記プレートの外に出す。
次に、形質転換細胞を得るために、前記プレートを約3
7°Cのインキュベーションユニットの中に12〜20
時間入れて、前記コンピテント細胞を培養する。
【0059】アレイ状の配置で形質転換を行うことを前
記自動形質転換装置と組み合わせることにより、多数の
形質転換を自動的に行って、多数のさまざまな形質転換
細胞を同時に得ることができる。
【0060】化学的方法により形質転換された細菌の広
い適用範囲 ストラタジーン、インビトロジェン、プロメガおよびラ
イフ・テクノロジー各社の操作マニュアルに言明されて
いるように、大抵のコンピテント細胞が改良TFB法に
より調製されるため、迅速形質転換法は大抵の商業的な
コンピテント細胞に適用することができる。さらに、迅
速形質転換法を適用するときには、形質転換効率を下げ
ることなく、作業時間を約1.5〜3.0時間から数分
間または数秒間まで短縮することができる。
【0061】そのうえ、大腸菌はグラム陰性菌であり、
大抵のグラム陰性またはグラム陽性の細菌のコンピテン
ト細胞の調製法は大腸菌の形質転換法を改変したもので
ある(Method in Enzymology(メ
ソッズ・イン・エンザイモロジー)、204巻、63−
113頁、Method in Microbiolo
gy(メソッズ・イン・マイクロバイオロジー)、21
巻、79−128頁)。したがって、迅速形質転換法は
化学的方法により形質転換されたグラム陰性またはグラ
ム陽性の細菌のコンピテント細胞の形質転換に適用でき
る。実施例は、Method in Microbio
logy、21巻、79−128頁に記載されている。
上記に列挙された実施例は、Aerobacter a
erogenes、Agrobacterium tu
mefaciens、Alcaligenes eut
rophus、Azotobacter vinela
ndii、Bacillus brevis、Baci
llus subtillus、Erwinia ca
rotovora、Erwinia amylovor
a、Erwinia herbicola、Pseud
omonas aureginosa、Pseudom
onas phaseolicola、Pseudom
onas syringae、Proteus vul
garis、Rhizobium meliloti、
Salmonella typhimurium、Se
rratia marcescens、Staphyl
ococcus aureus、Streptococ
cus faecalis、Streptococcu
s lactis、Streptomyces liv
idansおよびXanthomonas campe
strisを含む。
【0062】図1を参照して、更に本発明は、コンピテ
ント細胞10を室温でまたはウォーターバスの中の容器
15の中で解凍する手段と、容器15の中でプラスミド
DNAとコンピテント細胞20とを混合して混合物にす
る手段と、容器15の中の混合物30を約0〜180秒
間加熱して熱ショック処理を施す手段と、約−90°C
〜30°Cの植えつけ器具により約0°C〜30°Cの
選択培地40の上に前記混合物を植えつける手段と、形
質転換細胞を得るために選択培地50上で前記混合物を
培養する手段とを含む、迅速形質転換法のための自動形
質転換装置を提供する。上記の手段は、商業化された製
品により容易に作成され、かつ、当業者により改変され
うる。
【0063】
【発明の効果】迅速形質転換法を適用するときには、形
質転換効率を下げることなく、作業時間を約1.5〜
3.0時間から数分または数秒まで短縮することができ
る。作業時間の短縮に加え、大腸菌の迅速形質転換法に
は、解凍するステップから植えつけるステップまで1本
のチューブで済ませることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の迅速形質転換法のための自動形質転換
装置の概略図である。
【符号の説明】
10 コンピテント細胞 15 容器 20 プラスミドDNAおよびコンピテント細胞 30 混合物 40 選択培地 50 選択
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年2月25日(2003.2.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る迅速形質転
換法は、室温でまたはウォーターバスの中の容器の中で
コンピテント細胞を解凍するステップと、混合物を形成
するために、プラスミドDNAと前記コンピテント細胞
とを前記容器の中で混合するステップと、熱ショック処
理を施すために、前記容器の中の前記混合物を約0〜1
80秒間加熱するステップと、約−90°C〜30°C
の植えつけ器具により、前記混合物を約0°C〜30°
Cの選択培地に植えつけるステップと、形質転換細胞を
得るために、前記混合物を前記選択培地の上で培養する
ステップとを含む。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】したがって、室温の第1のタンクの中に置
かれた容器の中でコンピテント細胞を解凍すること、前
記容器の中にプラスミドDNAをピペットで注入して、
混合物となるように、マイクロピペットにより前記容器
の中の前記コンピテント細胞と混合すること、前記容器
の中の前記混合物が熱ショック処理を施されるように、
温度制御ユニットにより加熱された第2のタンクに、前
記容器をロボットアームにより約0〜180秒間移すこ
と、プレート装填ユニットにより、約0°C〜30°C
の選択培地を入れたプレートを提供すること、植えつけ
ユニットにより、前記選択培地の上の約−90°C〜3
0°Cの植えつけ器具を提供すること、前記混合物を前
記選択培地の上に塗布するために、前記植えつけユニッ
トにより前記植えつけ器具を動かすこと、および、形質
転換細胞を得るために前記選択培地の上の前記混合物を
インキュベーションユニットの中で培養することを含
む、自動形質転換装置により実行される迅速形質転換法
を提供することが本発明の別の目的である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:01) Fターム(参考) 4B024 AA19 CA05 DA05 DA06 EA04 GA11 GA19 4B029 AA08 AA09 AA23 BB02 BB20 GA08 GB10 HA09

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温でまたはウォーターバスの中の容器
    の中でコンピテント細胞を解凍するステップと、 混合物を形成するために、プラスミドDNAと前記コン
    ピテント細胞とを前記容器の中で混合するステップと、 熱ショック処理を施すために、前記容器の中の前記混合
    物を約0〜180秒間加熱するステップと、 約−90°C〜30°Cの植えつけ器具により、前記混
    合物を約0°C〜30°Cの選択培地に植えつけるステ
    ップと、 形質転換細胞を得るために、前記混合物を前記選択培地
    の上で培養するステップとを含む、コンピテント細胞の
    迅速形質転換法。
  2. 【請求項2】 前記解凍するステップから前記植えつけ
    るステップまでは同一の容器の中で行われる、請求項1
    に記載の迅速形質転換法。
  3. 【請求項3】 前記混合するステップと、前記加熱する
    ステップとの間に、前記混合物をアイスバスの中で約0
    〜90分間インキュベーションをするステップを含む、
    請求項1に記載の迅速形質転換法。
  4. 【請求項4】 前記混合するステップと、前記加熱する
    ステップとの間に、前記混合物をアイスバスの中で約0
    〜30分間インキュベーションをするステップを含む、
    請求項1に記載の迅速形質転換法。
  5. 【請求項5】 前記加熱するステップと、前記植えつけ
    るステップとの間に、前記混合物をアイスバスの中で約
    0〜60分間インキュベーションをするステップを含
    む、請求項1に記載の迅速形質転換法。
  6. 【請求項6】 前記加熱するステップと、前記植えつけ
    るステップとの間に、前記混合物をアイスバスの中で約
    0〜30分間インキュベーションをするステップを含
    む、請求項1に記載の迅速形質転換法。
  7. 【請求項7】 前記解凍するステップは約5秒間〜約5
    分間行われる、請求項1に記載の迅速形質転換法。
  8. 【請求項8】 前記解凍するステップは前記コンピテン
    ト細胞の約1/2〜1/4が解凍した状態になるまで行
    われる、請求項1に記載の迅速形質転換法。
  9. 【請求項9】 前記プラスミドDNAは組み換えDNA
    を含む、請求項1に記載の迅速形質転換法。
  10. 【請求項10】 前記熱ショック処理は約36°C〜4
    8°Cの温度で行われる、請求項1に記載の迅速形質転
    換法。
  11. 【請求項11】 前記熱ショック処理は約10〜90秒
    間行われる、請求項1に記載の迅速形質転換法。
  12. 【請求項12】 前記植えつけ器具の温度は約−20°
    C〜8°Cまでである、請求項1に記載の迅速形質転換
    法。
  13. 【請求項13】 前記植えつけ器具はガラスビーズまた
    はガラスループを含む、請求項1に記載の迅速形質転換
    法。
  14. 【請求項14】 前記選択培地の温度は約0°C〜4°
    Cである、請求項1に記載の迅速形質転換法。
  15. 【請求項15】 前記選択培地は抗生物質が添加された
    培地を含む、請求項1に記載の迅速形質転換法。
  16. 【請求項16】 前記コンピテント細胞は、Aerob
    acter aerogenes、Agrobacte
    rium tumefaciens、Alcalige
    nes eutrophus、Azotobacter
    vinelandii、Bacillus brev
    is、Bacillus subtillus、Erw
    inia carotovora、Erwinia a
    mylovora、Erwinia herbicol
    a、Pseudomonasaureginosa、P
    seudomonas phaseolicola、P
    seudomonas syringae、Prote
    us vulgaris、Rhizobium mel
    iloti、Salmonella typhimur
    ium、Serratia marcescens、S
    taphylococcus aureus、Stre
    ptococcus faecalis、Strept
    ococcus lactis、Streptomyc
    es lividansおよびXanthomonas
    campestrisからなるグループから選択され
    る細菌から調製される、請求項1に記載の迅速形質転換
    法。
  17. 【請求項17】 前記コンピテント細胞は大腸菌から調
    製される、請求項1に記載の迅速形質転換法。
  18. 【請求項18】 自動形質転換装置によりアレイ状の配
    置で行われる、請求項1に記載の迅速形質転換法。
  19. 【請求項19】 請求項1に記載の方法により作成され
    た形質転換細胞。
  20. 【請求項20】 コンピテント細胞を室温の第1のタン
    クの中の容器の中で解凍すること、 混合物を形成するべく、前記容器の中の前記コンピテン
    ト細胞とマイクロピペットにより混合するために、プラ
    スミドDNAを前記容器にピペット操作で注入するこ
    と、 前記容器の中の前記混合物に熱ショック処理が施される
    ように、温度制御ユニットにより加熱された第2のタン
    クに前記容器をロボットアームによる約0〜180秒間
    移すこと、 約0°C〜30°Cの選択培地を入れたプレートをプレ
    ート装填ユニットにより提供すること、 約−90°C〜30°Cの植えつけ器具を前記選択培地
    の上に植えつけユニットにより提供すること、 前記選択培地の上に前記混合物を塗布するために、前記
    植えつけユニットにより前記選択培地の上の植えつけ器
    具を動かすこと、および形質転換細胞を得るために、前
    記選択培地の上の前記混合物をインキュベーションユニ
    ットの中で培養することを含む、自動形質転換装置によ
    り行われる迅速形質転換法。
  21. 【請求項21】 室温でまたはウォーターバスの中の容
    器の中のコンピテント細胞を解凍する手段と、 混合物にするために、プラスミドDNAと前記容器の中
    のコンピテント細胞とを混合する手段と、 熱ショック処理を施すために、前記容器の中の前記混合
    物を約0〜180秒間加熱する手段と、 約−90°C〜30°Cの植えつけ器具により約0°C
    〜30°Cの選択培地の上に前記混合物を植えつける手
    段と、 形質転換細胞を得るために、前記選択培地の上で前記混
    合物を培養する手段とを含む、迅速形質転換法のための
    自動形質転換装置。
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